JP4745552B2 - 目に見えない連接手段を有するケース - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に化粧品を収容するためのケースに関する。
【０００２】
より詳細には、本発明は、本質的に、基部と、蓋と、蓋が基部に接触する閉位置と蓋が実質的に基部から離れる開位置との間で基部に対して蓋に関節的な動きをさせる連接手段とを備えるケースに関する。
【０００３】
連接を用いて、その手段が基部と蓋の間でケース内部に隠され、その結果、蓋が閉位置にあるときに見えないようにすることを狙いとする。
【０００４】
【従来の技術】
ＥＰ−Ａ−０２５０３１０がそのようなケースを記述している。連接手段は、一方が蓋に連係され、他方が基部に連係された第１および第２の部分を有する。第１の部分はピンを備え、第２の部分は台座を備え、台座において前記ピンが回転方向に枢動して、閉位置と開位置の間で基部に対して蓋を連接する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この回転ヒンジは、蓋をピンに接続するアームが通過できるようにケース内に半径方向開口を必要とする。さらに、これは比較的大きく、９０度よりもはるかに大きい回転角を得ることは、ほとんど不可能である。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
これらの欠点を改善するために、本発明は、
台座が、回転方向に略垂直な摺動方向に延びており、その摺動方向で、連接手段の第１の部分と第２の部分の間での並進を可能にし、および
装置がさらに、連接手段の第２の部分に対して連接手段の第１の部分の回転と並進を組み合わせる手段を備えること
を提案する。
【０００７】
台座内部でピンを移動させることにより、基部の開口と連接手段の大きさを低減させて蓋の開きの角度を増大させることが可能になる。回転移動と並進移動の組合せにより、蓋を開閉する操作が容易になる。
【０００８】
有利な特徴によれば、本発明は、
連接手段の第１の部分がさらに、弧状を有する舌部を備え、ピンが弧の曲率中心に対してずれていること、および
連接手段の第２の部分がさらに、前記舌部と協働する案内手段を備えて、蓋の閉位置と開位置の間で、連接手段の第２の部分に対する連接手段の第１の部分の回転および並進を組み合わせること
を提案する。
【０００９】
したがって、開きの角度が増大し、連接手段の大きさが低減する。
【００１０】
本発明によって提案される興味深い実施態様は、
ピンが舌部によって蓋に連結されること、および
案内手段が、内部で舌部が摺動する容器に設けられたスロットを備えること
からなる。
【００１１】
それに対する補完として、ケースの簡単な製造、特に簡単な組立て、および満足の行く操作を可能にするために、本発明は、
スロットと舌部が実質的に同じ幅であること、
舌部が、舌部よりも狭い頸部となる接続部分によってピンに接続されていること、および
スロットが凹部によってその中心部分で遮断され、前記凹部の幅が、スロットの２つの端部を形成するようにスロットの長さよりも小さく、しかし、スロット内への舌部の挿入を可能にするように頸部の幅よりも大きい幅を有すること
を提案する。
【００１２】
大きさと開きの角度との比をさらに改善するために、本発明は、舌部の断面形状の弧が、調節可能な曲率半径を有することを提案する。
【００１３】
この特徴を有する有利な実施態様は、舌部はその断面形状が、ピンの近くの部分は略直線形状でそれに続く部分が円弧状とされていることにある。
【００１４】
ケースの使用をさらに容易にするために、本発明は、台座の寸法が、ピンとその台座との間で摩擦を生じ、それにより基部に関して蓋を定位置に保持するようにピンの寸法に適合されていることを提案する。
【００１５】
したがって、使用中に蓋が自然に再び閉じてしまうことはまずない。
【００１６】
連接手段の大きさをさらに低減するために、本発明は、基部が、間に前記台座が形成される底部と製品容器となる２つの要素を備えることを提案する。
【００１７】
本発明は、添付図面を参照しながら与えられる以下の説明からさらに明らかになろう。
【００１８】
【発明の実施の形態】
図面は、基部４に対して連接された蓋２を備えるケース１を図示する。基部は、底部６と、化粧品を受けるために底部６内部に配置された容器８とを備える。
【００１９】
底部６は、容器に形成された溝４０内に挿入される周縁リブ３８を有し、それにより容器８が底部に対して噛み合って保持される。
【００２０】
ケースはさらに、図２および６に示される閉位置と、図１および５に示される開位置との間で基部４に対して蓋２を関節のように動かして開閉させるための連接手段１０を備える。
【００２１】
連接手段は、蓋と一体化された第１の部分と、底部６と容器８に一体化された第２の部分とを備える。第１の部分は、蓋に直接設けられた舌部１２と、回転軸方向１８に延びるピン１４と、舌部１２をピン１４に接続する接続部分１６とを有する。
第２の部分は、略鉛直な摺動方向２０に延びている台座２２と、案内手段２４とを有する。
【００２２】
底部６は、摺動方向２０に延びるリブ２６を有する。同様に、容器８は、底部６のリブ２６に面している、摺動方向２０に延びるリブ２８を有する。双方のリブで台座２２を形成しており、ピン１４は底部６と容器８のリブ２６、２８の間に挟まれるように挿入されている。リブ２６、２８間の距離は、ピンの直径よりもわずかに小さくなっており、摩擦を生じさせて蓋を定位置に保つことを可能にする。
【００２３】
案内手段２４は、細長いスロット３０と凹部３２とを備えており、凹部３２の幅はスロットの長さより狭く、その凹部３２がスロット３０の中心部を横切るように形成されており、それによりスロット３０の２つの端部３０ａ、３０ｂが形成されている。スロット３０の位置は、摺動方向２０を延長した位置ではなくずれており、したがって台座２２の延長上に位置していない。すなわちスロット３０は、摺動方向に平行でない方向、さらには実質的に曲がる方向に延びて、舌部１２を各端部３０ａ、３０ｂ内部に挿入する際に案内しやすくしている。
【００２４】
舌部１２は調節可能な曲率半径を有する弧状の断面を有する。舌部１２は、蓋に近接した位置で、略円弧状の断面を有する第１部分１２ａを備え、ピン１４に近接した位置で、略直線状の第２部分１２ｂを備える。平坦な第２の部分１２ｂは、底部に面しており、ケースが閉位置にあるとき底部と実質的に接触する。
【００２５】
舌部１２よりも狭い接続部分１６が凹部３２よりもやはり狭い頸部となり、スロット３０内部への舌部１２の挿入を可能にする。
【００２６】
ケースはさらに、閉位置でロックするための手段を備え、蓋に連係された弾性フック３４と、基部４に設けられたスリット３６とを備え、互いに協働し、かつ弾性的に着脱可能である。
【００２７】
連接手段１０は、図２に図示される閉位置と、図１に図示される開位置との間で蓋２が移動できるようにする。
【００２８】
閉位置では、蓋２は、略水平な接触面４２で基部４と接触する。蓋が基部４から実質的に離れる開位置へ向かって蓋２が開く間、案内手段２４が、基部４に対する蓋２の回転移動と並進移動を組み合わせて、回転によって蓋２を開き、それと同時に、並進によって基部４から蓋を離す。摺動方向２０へのピン１４の並進は、接触面４２に略垂直であり、または少なくとも、接触面４２に垂直な方向に非ゼロ成分を有する。
【００２９】
底部および蓋は、有利には、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）、アクリロニトリルスチレン（ＳＡＮ）、ポリメタクリル酸メチル（ＰＭＭＡ）、ポリエステル（ＰＣＴＡ／ＰＣＴＧ）、ポリアミド（ＰＡ）、ポリアセタール（ＰＯＭ）、またはポリプロピレン（ＰＰ）などのスチレン材料で製造される。
【００３０】
図面が、限定を加えない例としてのみ提供されていることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるケースの開位置での斜視図である。
【図２】ケースの閉位置での斜視図である。
【図３】ケースの分解斜視図である。
【図４】ケースの別の分解斜視図である。
【図５】開位置での、底部を有さないケースの斜視図である。
【図６】閉位置での、底部を有さないケースの斜視図である。
【符号の説明】
１ ケース
２ 蓋
４ 基部
６ 底部
８ 内側要素、容器
１０ 連接手段
１２ 舌部
１４ ピン
１６ 接続部分、頸部
１８ 回転方向
２０ 摺動方向
２２ 台座
２４、３４ 案内手段
２６、２８ リブ
３０ スロット
３０ａ、３０ｂ 端部
３２ 凹部
３６ スリット
３８ 周縁リブ
４０ 溝
４２ 接触面

Claims (6)

1. 化粧品を収容するためのケース（１）であって、
   底部（６）と容器（８）とからなる基部（４）と、
   前記基部を開閉する蓋（２）と、
   前記蓋に設けられた第１の部分（１２、１４）と前記基部に設けられた第２の部分（２２、２６）とからなる連接手段（１０）であって、第１の部分が、弧状を呈する舌部（１２）とその先端に一体に設けたピン（１４）とを有し、第２の部分が、内部で前記ピンが回転軸方向（１８）回りで回転する台座（２２）と底部（６）に設けたリブ（２６）とからなり、前記基部に対して蓋を連結し、ケースの閉状態において基部と蓋との間でケースの内部に隠れる連接手段（１０）とを備え、
   前記容器（８）には、凹部（３２）を有し前記舌部（１２）が挿入されるスロット（３０）が設けられ、
   前記台座（２２）が、前記ピン（１４）の回転軸方向（１８）に略垂直な摺動方向（２０）に延びるリブ（２８，２８）を有し、前記底部（６）には前記リブ（２６，２６）を有し、これらのリブ（２８）とリブ（２６）との間で前記第１の部分のピン（１４）が回転しながら前記摺動方向（２０）に摺動するとともに、前記舌部（１２）を台座（２２）内で摺動させることより、基部に対して蓋を開閉させることを特徴とするケース（１）。
2. 前記スロット（３０）と舌部（１２）が実質的に同じ幅であり、前記舌部が、舌部よりも狭い頸部（１６）となる接続部分によってピン（１４）に接続され、スロット（３０）が凹部（３２）によって中心部分で遮断され、前記凹部が、スロットの２つの端部（３０ａ、３０ｂ）を形成するようにスロットの長さよりも小さく、スロット内への舌部の挿入を可能にするように頸部の幅よりも大きい幅を有することを特徴とする請求項１に記載のケース。
3. 前記摺動方向（２０）がスロット（３０）に対してずれていることを特徴とする請求項２に記載のケース。
4. 前記舌部（１２）の断面形状の弧が、調節可能な曲率半径を有することを特徴とする請求項１ないし３のいずれか一項に記載のケース。
5. 前記舌部（１２）の断面形状が、ピン（１４）に近接して配置された平坦な部分（１２ｂ）に接続された円弧状の部分（１２ａ）を有することを特徴とする請求項４に記載のケース。
6. 前記台座（２２）の寸法が、ピン（１４）と台座との間で摩擦を生じ、それにより基部（４）に対して蓋（２）を定位置に保持するようにピンの寸法に適合されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のケース。

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