JP4745515B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の情報が書き込まれ、該情報の読み出しが可能な情報記録媒体に関し、特に、複数の情報が書き込まれ、該複数の情報を選択的に読み出し可能な情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化社会の進展に伴って、情報をカードに記録し、該カードを用いた情報管理や決済等が行われている。
【0003】
このような情報管理や決済等に用いられるカードとしては、ICチップが内蔵され、該ICチップに対して情報の書き込み及び読み出しが可能なICカードや、一次元あるいは二次元のバーコードを用いて情報が書き込まれ、光学的に情報が読み出される光学式カード等があり、これらのカードは、専用の装置を用いて情報の書き込み及び読み出しが行われる。
【0004】
さらに、ICカードにおいては、情報の書き込み及び読み出しを専用の装置に接触させることにより行う接触型ICカードと、専用の装置に近接させるだけで情報の書き込み及び読み出しを行うことができる非接触型ICカードがある。
【0005】
図6は、接触型ICカードの構造の一例を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は断面図である。
【0006】
図6に示すように本従来例における接触型ICカードにおいては、情報の書き込み及び読み出しが可能なICチップ101がカード基材105に埋め込まれており、さらに、ICチップ101と接続され、ICチップ101に対する情報の書き込みあるいは読み出しを行うために外部と接触可能な端子102がICチップ101の表面を覆うようにカード基材105の表面に露出して設けられている。
【0007】
上記のように構成された接触型ICカードにおいては、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)に端子102を接触させ、その状態で、情報書込/読出装置からICチップ101に情報を書き込んだり、ICチップ101に書き込まれた情報を情報書込/読出装置にて読み出したりする。
【0008】
図7は、非接触型ICカードの構造の一例を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は断面図である。
【0009】
本従来例における非接触型ICカードは図7に示すように、外部からの情報の書き込み及び読み出しが可能なICチップ201と、接点203を介してICチップ201と接続され、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)からの電磁誘導によりICチップ201に電流を供給し、ICチップ201に対する情報の書き込み及び読み出しを非接触状態にて行うためのアンテナ202とが、紙やフィルム等からなるカード基材205上に搭載されて構成されている。
【0010】
上記のように構成された非接触型ICカードにおいては、外部に設けられた情報書込/読出装置に近接させることにより、情報書込/読出装置からの電磁誘導によりアンテナ202からICチップ201に電流を供給し、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICチップ201に情報を書き込んだり、ICチップ201に書き込まれた情報を情報書込/読出装置にて読み出したりする。
【0011】
上述したような情報の書き込み及び読み出しが可能なカードにおいては、利用されるアプリケーション毎にそのアプリケーションにて用いられる情報を予め書き込んでおけば、利用者は、所望のアプリケーションに用いられる情報が書き込まれたカードを用いて所望のアプリケーションを利用することができる。このようなカードを用いたアプリケーションとしては、交通機関等における運賃決済や、イベント等における来場者管理等が挙げられる。
【0012】
また、上述したようなカードを専用の装置に装着した状態で所定の用途を実行することも考えられる。例えば、上記専用の装置が、カードに書き込まれた情報を読み出す読取部と、読取部にて読み出された情報が表示されるディスプレイと、外部からの情報が入力されるキーボードと、読取部にて読み出された情報をディスプレイに表示させるとともに、キーボードを介して入力された情報と読取部にて読み出された情報とに基づいて所定の処理を行う制御部とからなるものである場合、カードの利用者は、カードをこの装置に装着した状態でカードに書き込まれた情報を用いて所定の用途を実行することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような情報の書き込み及び読み出しが可能なカードにおいては、その用途毎に、その用途に用いられる情報が書き込まれたカードをユーザが所持する必要があるため、ユーザが利用する用途の数が多い場合、カードの管理が煩雑になってしまうとともに、カードを紛失する可能性が高くなってしまうという問題点がある。
【0014】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、所定の用途に用いられる情報が書き込まれ、該情報が読み出されることによって該用途が利用可能となる情報記録媒体であって、ユーザが利用する用途の数が多くなった場合においても、管理が煩雑にならず、かつ、紛失する可能性が高くなることのない情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、
ケースと、所定の情報が書き込まれた非接触型ICモジュールが搭載され、その一部が前記ケースから突出するように前記ケースに内蔵されたICカードとを有し、前記非接触型ICモジュールを所定の情報読取手段に近接させることにより該非接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出し可能な情報記録媒体であって、
前記非接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出す際に前記情報読取手段に近接する近接部を有し、
前記ICカードは、前記非接触型ICモジュールが複数搭載され、前記ケースから突出した部分を操作することで回転することにより該複数の非接触型ICモジュールがそれぞれ選択的に前記近接部に配置可能となるように前記ケースに内蔵されているとともに、前記ケースから突出する部分の前記複数の非接触型ICモジュールのそれぞれに対応する領域に、互いに異なる形状の凹凸が形成されている。
【0016】
また、前記複数の非接触型ICモジュールは、前記近接部が前記情報読取手段に近接した場合に、前記近接部に配置されていない非接触型ICモジュールに書き込まれた情報が前記情報読取手段によって読み出されない程度の間隔を互いに有して前記ICカードに搭載されていることを特徴とする。
【0017】
また、ケースと、所定の情報が書き込まれた接触型ICモジュールが搭載され、その一部が前記ケースから突出するように前記ケースに内蔵されたICカードとを有し、前記接触型ICモジュールを所定の情報読取手段に接触させることにより該接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出し可能な情報記録媒体であって、
前記接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出す際に前記接触型ICモジュールを前記情報読取手段に接触させるための接触部を有し、
前記ICカードは、前記接触型ICモジュールが複数搭載され、前記ケースから突出した部分を操作することで回転することにより該複数の接触型ICモジュールがそれぞれ選択的に前記接触部において前記情報読取手段に接触可能となるように前記ケースに内蔵されているとともに、前記ケースから突出する部分の前記複数の接触型ICモジュールのそれぞれに対応する領域に、互いに異なる形状の凹凸が形成されている。
【0018】
また、ケースと、所定の情報が書き込まれた情報記録領域が設けられ、その一部が前記ケースから突出するように前記ケースに内蔵されたカードとを有し、前記情報記録領域を所定の情報読取手段に対向させることにより該情報記録領域に書き込まれた情報が読み出し可能な情報記録媒体であって、
前記情報記録領域に書き込まれた情報を読み出す際に前記情報読取手段に対向する対向部を有し、
前記カードは、前記情報記録領域が複数設けられ、前記ケースから突出した部分を操作することで回転することにより該複数の情報記録領域がそれぞれ選択的に前記対向部に配置可能となるように前記ケースに内蔵されているとともに、前記ケースから突出する部分の前記複数の情報記録領域のそれぞれに対応する領域に、互いに異なる形状の凹凸が形成されている。
【0019】
また、前記情報記録領域に書き込まれた情報は、光学的に読み出し可能であることを特徴とする。
【0020】
(作用)
上記のように構成された本発明においては、内蔵されたICカードに搭載された複数の非接触型ICモジュールのうち所望の用途に用いられる情報が書き込まれた非接触型ICモジュールを選択して近接部に配置し、この状態で情報記録媒体を情報読取装置に装着すると、情報読取装置に設けられ、非接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出すための情報読取手段が、近接部に配置された非接触型ICモジュールに近接することになり、それにより、選択された非接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出され、所望の用途を実行することができる。
【0021】
また、内蔵されたICカードに搭載された複数の接触型ICモジュールのうち所望の用途に用いられる情報が書き込まれた接触型ICモジュールを選択して接触部に配置し、この状態で情報記録媒体を情報読取装置に装着すると、情報読取装置に設けられ、接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出すための情報読取手段が、接触部に配置された接触型ICモジュールに接触部において接触することになり、それにより、選択された接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出され、所望の用途を実行することができる。
【0022】
また、内蔵されたカードに設けられた複数の情報記録領域のうち所望の用途に用いられる情報が印字された情報記録領域を選択して対向部に配置し、この状態で情報記録媒体を情報読取装置に装着すると、情報読取装置に設けられ、情報記録領域に書き込まれた情報を読み出すための情報読取手段が、対向部に配置された情報記録領域と対向することになり、それにより、選択された情報記録領域に印字された情報が読み出され、所望の用途を実行することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報記録媒体の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は裏面構造を示す図、(c)は断面図、(d)は内蔵されるICカードの表面構造を示す図、(e)は内蔵されるICカードの裏面構造を示す図である。
【0025】
本形態は図1に示すように、所定の形状を有するケース1に、所定の情報が書き込まれた円盤状のICカード2が、軸5を中心に回転可能に内蔵されて構成されている。また、ケース1の表面の所定の位置には、内蔵されたICカード2が視認可能となる窓3が設けられ、また、ケース1の裏面には、この情報記録媒体が、ICカード2に書き込まれた情報を読み出すための情報読取装置(図2参照)に装着された場合に、情報読取装置に設けられた読取部に近接する近接部4が設けられている。また、ICカード2の裏面には、それぞれ所定の用途に用いられる情報が書き込まれ、該情報が非接触状態にて読み出し可能な非接触型ICモジュール6a〜6dが、ICカード2が軸5を中心に回転した際にそれぞれ近接部4に選択的に配置可能となるように搭載されており、また、ICカード2の表面には、近接部4に配置されている非接触型ICモジュール6a〜6dを識別可能な情報が、ICカード2が軸5を中心に回転した際にそれぞれ窓3を介して視認可能となる位置に印字されている。例えば、近接部4に非接触型ICモジュール6aが配置された場合は非接触型ICモジュール6aを識別可能な情報が窓3を介して視認可能となり、近接部4に非接触型ICモジュール6bが配置された場合は非接触型ICモジュール6bを識別可能な情報が窓3を介して視認可能となり、近接部4に非接触型ICモジュール6cが配置された場合は非接触型ICモジュール6cを識別可能な情報が窓3を介して視認可能となり、近接部4に非接触型ICモジュール6dが配置された場合は非接触型ICモジュール6dを識別可能な情報が窓3を介して視認可能となるようにそれぞれ情報が印字されている。また、非接触型ICモジュール6a〜6dはそれぞれ、図7に示したものと同様の構成となっており、所定の情報が書き込まれ、該情報が非接触状態にて読み出し可能な非接触型ICチップ7a〜7dと、情報読取装置(図2参照)からの電磁誘導により非接触型ICチップ7a〜7dそれぞれ電流を供給し、非接触型ICチップ7a〜7dに書き込まれた情報を非接触状態にて読み出すためのアンテナ8a〜8dとから構成されている。また、ICカード2はその一部がケース1から突出するようにケース1に内蔵されており、この突出した部分を操作することによりICカード2を回転させることができるように構成されている。
【0026】
なお、本形態においては、ICカード2に搭載される非接触型ICモジュールの数を4つとしたが、本発明はこれに限らず、1つ以上であればよい。
【0027】
以下に、上記のように構成された情報記録媒体を用いた情報処理について説明する。
【0028】
図2は、図1に示した情報記録媒体を用いた情報処理を説明するための図であり、情報記録媒体に書き込まれた情報を読み出すための情報読取装置に情報記録媒体が装着された状態を示す。
【0029】
図2に示す情報読取装置50は、情報記録媒体10が装着される装着部55と、装着部55内において、情報記録媒体10が装着部55に装着された場合に情報記録媒体10の近接部4が近接する位置に設けられ、情報記録媒体10に書き込まれた情報を読み出す情報読取手段である読取部51と、読取部51にて読み出された情報が表示されるディスプレイ52と、外部からの情報が入力されるキーボード53と、読取部51にて読み出された情報をディスプレイ52に表示させるとともに、キーボード53を介して入力された情報と読取部51にて読み出された情報とに基づいて所定の処理を行う制御部54とから構成されている。
【0030】
上記のように構成された情報読取装置50を用いて、図1に示した情報記録媒体に書き込まれた情報を読み出し、読み出した情報を用いて所望の用途を実行する場合は、まず、情報記録媒体10に内蔵されたICカード2に搭載された非接触型ICモジュール6a〜6dのうち、所望の用途に用いられる情報が書き込まれた非接触型ICモジュールを選択する。本形態においては、非接触型ICモジュール6aを選択するとする。その場合、ICカード2を軸5を中心に回転させ、非接触型ICモジュール6aを識別可能な情報が窓3から視認可能となるようにする。本形態においては、非接触型ICモジュール6a〜6dを識別可能な情報として、それらによって実行可能な処理JobA〜JobDがICカード2の表面にそれぞれ印字されているため、JobAが窓3から視認可能となるようにICカード2を回転させれば、近接部4に非接触型ICモジュール6aが配置されることになる。
【0031】
この状態で情報記録媒体10を情報読取装置50の装着部55に装着すると、情報記録媒体10の近接部4に配置された非接触型ICモジュール6aが、情報読取装置50の読取部51に近接する。
【0032】
すると、読取部51において、非接触型モジュール6aに書き込まれた情報が読み出され、その後、読み出された情報がディスプレイ52上に表示されたり、読み出された情報を用いてキーボード53あるいは制御部54において情報処理が行われる。
【0033】
ここで、読取部51において、情報記録媒体10の非接触型ICモジュール6a〜6dのうち近接部4に配置されていない非接触型ICモジュール、すなわち、本形態においては非接触型ICモジュール6b〜6dに書き込まれた情報が読み出されないようにする必要がある。そのため、非接触型ICモジュール6a〜6dは、近接部4が読取部51に近接した場合に、近接部4に配置されていない非接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読取部51によって読み出されない程度の間隔を互いに有してICカード2に搭載されている。
【0034】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の情報記録媒体の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(c)は内蔵されるICカードの裏面構造を示す図である。
【0035】
図3に示すように本形態においては、図1に示したものに対して、ICカード12が内蔵されるケース11に窓が設けられておらず、その代わりに、ICカード12の周囲に、ICカード12に搭載される非接触型ICモジュール16a〜16dを識別可能な凹凸が形成されている。この凹凸は、ICカード12の周囲を、搭載される非接触型ICモジュールの数分に分割し、分割された部分がそれぞれ異なる形状となるように形成されている。本形態においては、ICカード12に搭載される非接触型ICモジュールの数が4つであるため、ICカード12の周囲が4分割され、それぞれが異なる凹凸形状を有している。
【0036】
このため、利用者は、ICカード12を回転させる際にこの凹凸によって近接部に配置される非接触型ICモジュールを選択することができる。
【0037】
なお、本形態においては、ICカード12の周囲に、ICカード12に搭載される非接触型ICモジュール16a〜16dを識別可能な凹凸を形成し、この凹凸によって非接触型ICモジュールを選択可能にするものについて説明したが、ICカードを、搭載される非接触型ICモジュールの数分に分割し、分割された部分がそれぞれ異なる色となるようにICカードの表面を着色するように構成してもよい。
【0038】
その場合、利用者は、ICカードを回転させる際にICカードに着色された色を上述した窓あるいは突出部分にて認識することにより、近接部に配置される非接触型ICモジュールを選択することができる。
【0039】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の情報記録媒体の第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は裏面構造を示す図、(c)は断面図、(d)は内蔵されるICカードの表面構造を示す図、(e)は内蔵されるICカードの裏面構造を示す図である。
【0040】
本形態は図4に示すように、所定の形状を有するケース21に、所定の情報が書き込まれた円盤状のICカード22が、軸25を中心に回転可能に内蔵されて構成されている。また、ケース21の表面の所定の位置には、内蔵されたICカード22が視認可能となる窓23が設けられ、また、ケース21の裏面には、この情報記録媒体が、ICカード22に書き込まれた情報を読み出すための情報読取装置(図2参照)に装着された場合に、情報読取装置に設けられた読取部にICカード22を接触させるための接触部24が設けられている。また、ICカード22の裏面には、それぞれ所定の用途に用いられる情報が書き込まれ、該情報が接触状態にて読み出し可能な接触型ICモジュール26a〜26dが、ICカード22が軸25を中心に回転した際に、情報読取装置に設けられた読取部にそれぞれ選択的に接触部24において接触可能となるように搭載されており、また、ICカード22の表面には、情報読取装置に設けられた読取部に接触部24において接触している接触型ICモジュール26a〜26dを識別可能な情報が、ICカード22が軸25を中心に回転した際にそれぞれ窓23を介して視認可能となる位置に印字されている。例えば、情報読取装置に設けられた読取部に接触型ICモジュール26aが接触部24において接触している場合は接触型ICモジュール26aを識別可能な情報が窓23を介して視認可能となり、情報読取装置に設けられた読取部に接触型ICモジュール26bが接触部24において接触している場合は接触型ICモジュール26bを識別可能な情報が窓23を介して視認可能となり、情報読取装置に設けられた読取部に接触型ICモジュール26cが接触部24において接触している場合は接触型ICモジュール26cを識別可能な情報が窓23を介して視認可能となり、情報読取装置に設けられた読取部に接触型ICモジュール26dが接触部24において接触している場合は接触型ICモジュール26dを識別可能な情報が窓23を介して視認可能となるようにそれぞれ情報が印字されている。また、接触型ICモジュール26a〜26dはそれぞれ、図6に示したものと同様の構成となっており、所定の情報が書き込まれ、該情報が接触状態にて読み出し可能な接触型ICチップ27a〜27dと、接触型ICチップ27a〜27dを覆うように形成され、接触型ICチップ27a〜27dに書き込まれた情報を情報読取装置(図2参照)と接触することにより読み出すための端子28a〜28dとがICカード22に埋め込まれて構成されている。また、ICカード22はその一部がケース21から突出するようにケース21に内蔵されており、この突出した部分を操作することによりICカード22を回転させることができるように構成されている。
【0041】
なお、本形態においては、ICカード22に搭載される接触型ICモジュールの数を4つとしたが、本発明はこれに限らず、1つ以上であればよい。
【0042】
上記のように構成された情報記録媒体を用いて所望の用途を実行する場合は、まず、情報記録媒体に内蔵されたICカード22に搭載された接触型ICモジュール26a〜26dのうち、所望の用途に用いられる情報が書き込まれた接触型ICモジュールを選択する。本形態においては、接触型ICモジュール26aを選択するとする。その場合、ICカード22を軸25を中心に回転させ、接触型ICモジュール26aを識別可能な情報が窓23から視認可能となるようにする。本形態においては、接触型ICモジュール26a〜26dを識別可能な情報として、それらによって実行可能な処理JobA〜JobDがICカード22の表面にそれぞれ印字されているため、JobAが窓23から視認可能となるようにICカード22を回転させれば、接触部24に接触型ICモジュール26aが配置されることになる。
【0043】
この状態で情報記録媒体を図2に示したような情報読取装置に装着する。ただし、本形態においては、ICカード22に搭載されたICモジュールが接触状態にて情報の読み出しが可能な接触型ICモジュール26a〜26dであるため、情報読取装置の読取部は、接触型ICモジュール26a〜26dに接触することにより接触型ICモジュール26a〜26dに書き込まれた情報を読み出すことが可能なものとする。
【0044】
情報記録媒体を情報読取装置に装着すると、情報記録媒体の接触部24に配置された接触型ICモジュール26aが、接触部24において情報読取装置の読取部に接触する。
【0045】
すると、情報読取装置の読取部において、接触型モジュール26aに書き込まれた情報が読み出され、その後、読み出された情報を用いて所望の用途が実行される。
【0046】
(第4の実施の形態)
図5は、本発明の情報記録媒体の第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は裏面構造を示す図、(c)は断面図、(d)は内蔵されるカードの表面構造を示す図、(e)は内蔵されるカードの裏面構造を示す図である。
【0047】
本形態は図5に示すように、所定の形状を有するケース31に、所定の情報が印字された円盤状のカード32が、軸35を中心に回転可能に内蔵されて構成されている。また、ケース31の表面の所定の位置には、内蔵されたカード32が視認可能となる窓33が設けられ、また、ケース31の裏面には、ガラス等の透明な材料からなり、この情報記録媒体が、カード32に印字された情報を読み出すための情報読取装置(図2参照)に装着された場合に、情報読取装置に設けられた読取部に対向する対向部34が設けられている。また、カード32の裏面には、それぞれ所定の用途に用いられる情報が二次元バーコード37a〜37dによって印字され、該情報が光学的に読み取り可能な情報記録領域36a〜36dが、カード32が軸35を中心に回転した際にそれぞれ対向部34に選択的に配置可能となるように設けられており、また、カード32の表面には、対向部34に配置されている情報記録領域36a〜36dを識別可能な情報が、カード32が軸35を中心に回転した際にそれぞれ窓33を介して視認可能となる位置に印字されている。例えば、対向部34に情報記録領域36aが配置された場合は情報記録領域36aを識別可能な情報が窓33を介して視認可能となり、対向部34に情報記録領域36bが配置された場合は情報記録領域36bを識別可能な情報が窓33を介して視認可能となり、対向部34に情報記録領域36cが配置された場合は情報記録領域36cを識別可能な情報が窓33を介して視認可能となり、対向部34に情報記録領域36dが配置された場合は情報記録領域36dを識別可能な情報が窓33を介して視認可能となるようにそれぞれ情報が印字されている。また、カード32はその一部がケース31から突出するようにケース31に内蔵されており、この突出した部分を操作することによりカード32を回転させることができるように構成されている。また、対向部34においては、ガラス等の透明な材料を用いて構成されることに限らず、対向部34に配置された情報記録領域36a〜36dに印字された情報が情報読取装置にて光学的に読取可能となるものあればよく、単なる切り欠き形状等であってもよい。
【0048】
なお、本形態においては、カード32に設けられる情報記録領域の数を4つとしたが、本発明はこれに限らず、1つ以上であればよい。
【0049】
上記のように構成された情報記録媒体を用いて所望の用途を実行する場合は、まず、情報記録媒体に内蔵されたカード32に設けられた情報記録領域36a〜36dのうち、所望の用途に用いられる情報が印字された情報記録領域を選択する。本形態においては、情報記録領域36aを選択するとする。その場合、カード32を軸35を中心に回転させ、情報記録領域36aを識別可能な情報が窓33から視認可能となるようにする。本形態においては、情報記録領域36a〜36dを識別可能な情報として、それらによって実行可能な処理JobA〜JobDがカード32の表面にそれぞれ印字されているため、JobAが窓33から視認可能となるようにカード32を回転させれば、対向部34に情報記録領域36aが配置されることになる。
【0050】
この状態で情報記録媒体を図2に示したような情報読取装置に装着する。ただし、本形態においては、カード32に設けられた情報記録領域が情報読取装置の読取部と対向することにより情報の読み取りが可能な二次元バーコード37a〜37dが印字された情報記録領域36a〜36dであるため、情報読取装置の読取部は、情報記録領域36a〜36dと対向した状態で情報記録領域36a〜36dに書き込まれた情報を光学的に読み出すことが可能なものとする。
【0051】
情報記録媒体を情報読取装置に装着すると、情報記録媒体の対向部34に配置された情報記録領域36aが情報読取装置の読取部と対向するようになる。
【0052】
すると、情報読取装置の読取部において、情報記録領域36aに書き込まれた情報が光学的に読み出され、その後、読み出された情報を用いて所望の用途が実行される。
【0053】
なお、本形態においては、情報記録領域36a〜36dに二次元バーコード37a〜37dが印字されたものを例に挙げて説明したが、光学的に読取可能なものであれば二次元バーコードに限らない。
【0054】
また、上述した4つの実施の形態をそれぞれ任意に組み合わせて構成することも可能であることは言うまでもない。
【0055】
また、上述した4つの実施の形態においては、内蔵されるカードを円盤状のものとしたが、複数の情報が書き込まれた領域が設けられ、その領域が選択可能なものであればその形状は円盤状に限られるものではない。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0057】
内蔵されたICカードに複数の非接触型ICモジュールが搭載され、非接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出す際に情報読取手段に近接する近接部に対して複数の非接触型ICモジュールがそれぞれ選択的に配置可能となるようにICカードが内蔵されているものにおいては、所望の用途に用いられる情報が書き込まれた非接触型ICモジュールを選択して近接部に配置し、この状態で情報記録媒体を情報読取装置に装着すれば、近接部に配置された非接触型ICモジュールが情報読取手段に近接することになり、それにより、選択された非接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出され、所望の用途を実行することができる。
【0058】
また、内蔵されたICカードに複数の接触型ICモジュールが搭載され、接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出す際に情報読取手段に接触する接触部に対して複数の接触型ICモジュールがそれぞれ選択的に配置可能となるようにICカードが内蔵されているものにおいては、所望の用途に用いられる情報が書き込まれた接触型ICモジュールを選択して接触部に配置し、この状態で情報記録媒体を情報読取装置に装着すれば、接触部に配置された接触型ICモジュールが接触部において情報読取手段に接触することになり、それにより、選択された接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出され、所望の用途を実行することができる。
【0059】
また、内蔵されたカードに複数の情報記録領域が設けられ、情報記録領域に印字された情報を読み取る際に情報読取手段に対向する対向部に対して複数の情報記録領域がそれぞれ選択的に配置可能となるようにカードが内蔵されているものにおいては、所望の用途に用いられる情報が印字された情報記録領域を選択して対向部に配置し、この状態で情報記録媒体を情報読取装置に装着すれば、対向部に配置された情報記録領域が情報読取手段に対向することになり、それにより、選択された情報記録領域に印字された情報が読み取られ、所望の用途を実行することができる。
【0060】
このように、本発明においては、1つの情報記録媒体に複数の情報が書き込まれた領域が設けられ、その領域を選択することにより所定の用途に用いられる情報が読み出されてその用途が実行されるため、ユーザが利用する用途の数が多くなった場合においても、管理が煩雑にならず、かつ、紛失する可能性が高くなることのない情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は裏面構造を示す図、(c)は断面図、(d)は内蔵されるICカードの表面構造を示す図、(e)は内蔵されるICカードの裏面構造を示す図である。
【図2】図1に示した情報記録媒体を用いた情報処理を説明するための図である。
【図3】本発明の情報記録媒体の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(c)は内蔵されるICカードの裏面構造を示す図である。
【図4】本発明の情報記録媒体の第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は裏面構造を示す図、(c)は断面図、(d)は内蔵されるICカードの表面構造を示す図、(e)は内蔵されるICカードの裏面構造を示す図である。
【図5】本発明の情報記録媒体の第4の実施の形態を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は裏面構造を示す図、(c)は断面図、(d)は内蔵されるカードの表面構造を示す図、(e)は内蔵されるカードの裏面構造を示す図である。
【図6】接触型ICカードの構造の一例を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は断面図である。
【図7】非接触型ICカードの構造の一例を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 ケース
2,12,22 ICカード
3,23,33 窓
4 近接部
5,25,35 軸
6a〜6d,16a〜16d 非接触型ICモジュール
7a〜7d,17a〜17d 非接触型ICチップ
8a〜8d,18a〜18d アンテナ
10 情報記録媒体
24 接触部
26a〜26d 接触型ICモジュール
27a〜27d 接触型ICチップ
28a〜28d 端子
32 カード
34 対向部
36a〜36d 情報記録領域
37a〜37d 二次元バーコード
50 情報読取装置
51 読取部
52 ディスプレイ
53 キーボード
54 制御部
55 装着部

Claims (5)

  1. ケースと、所定の情報が書き込まれた非接触型ICモジュールが搭載され、その一部が前記ケースから突出するように前記ケースに内蔵されたICカードとを有し、前記非接触型ICモジュールを所定の情報読取手段に近接させることにより該非接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出し可能な情報記録媒体であって、
    前記非接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出す際に前記情報読取手段に近接する近接部を有し、
    前記ICカードは、前記非接触型ICモジュールが複数搭載され、前記ケースから突出した部分を操作することで回転することにより該複数の非接触型ICモジュールがそれぞれ選択的に前記近接部に配置可能となるように前記ケースに内蔵されているとともに、前記ケースから突出する部分の前記複数の非接触型ICモジュールのそれぞれに対応する領域に、互いに異なる形状の凹凸が形成されている情報記録媒体。
  2. 請求項に記載の情報記録媒体において、
    前記複数の非接触型ICモジュールは、前記近接部が前記情報読取手段に近接した場合に、前記近接部に配置されていない非接触型ICモジュールに書き込まれた情報が前記情報読取手段によって読み出されない程度の間隔を互いに有して前記ICカードに搭載されていることを特徴とする情報記録媒体。
  3. ケースと、所定の情報が書き込まれた接触型ICモジュールが搭載され、その一部が前記ケースから突出するように前記ケースに内蔵されたICカードとを有し、前記接触型ICモジュールを所定の情報読取手段に接触させることにより該接触型ICモジュールに書き込まれた情報が読み出し可能な情報記録媒体であって、
    前記接触型ICモジュールに書き込まれた情報を読み出す際に前記接触型ICモジュールを前記情報読取手段に接触させるための接触部を有し、
    前記ICカードは、前記接触型ICモジュールが複数搭載され、前記ケースから突出した部分を操作することで回転することにより該複数の接触型ICモジュールがそれぞれ選択的に前記接触部において前記情報読取手段に接触可能となるように前記ケースに内蔵されているとともに、前記ケースから突出する部分の前記複数の接触型ICモジュールのそれぞれに対応する領域に、互いに異なる形状の凹凸が形成されている情報記録媒体。
  4. ケースと、所定の情報が書き込まれた情報記録領域が設けられ、その一部が前記ケースから突出するように前記ケースに内蔵されたカードとを有し、前記情報記録領域を所定の情報読取手段に対向させることにより該情報記録領域に書き込まれた情報が読み出し可能な情報記録媒体であって、
    前記情報記録領域に書き込まれた情報を読み出す際に前記情報読取手段に対向する対向部を有し、
    前記カードは、前記情報記録領域が複数設けられ、前記ケースから突出した部分を操作することで回転することにより該複数の情報記録領域がそれぞれ選択的に前記対向部に配置可能となるように前記ケースに内蔵されているとともに、前記ケースから突出する部分の前記複数の情報記録領域のそれぞれに対応する領域に、互いに異なる形状の凹凸が形成されている情報記録媒体。
  5. 請求項に記載の情報記録媒体において、
    前記情報記録領域に書き込まれた情報は、光学的に読み出し可能であることを特徴とする情報記録媒体。
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