JP4744632B2 - 車線逸脱防止装置、車線逸脱防止方法、車線逸脱防止プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
本発明は、車両等の車線逸脱を防止する手法に関する。
従来、車両から撮像した道路画像を用いて車線を逸脱したか否かを検出して、車線を逸脱した場合、警告を行う車線逸脱警報装置がある(例えば特許文献1参照)。
しかし、上記のような車線逸脱警報装置では、高速道路等比較的整備されている道路を想定していることから、車線の境界線である白線を撮像できることを前提としている。
よって、整備がされていないことにより、白線が消えかかっている道路上では、上記車線逸脱警報装置は、白線を検出できない可能性があるため、適切に車線逸脱を検出することができないという問題点があった。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、車線の境界線のうち、片側の境界線を検出できない場合でも適切に車線逸脱を検出できる装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明では、車線逸脱防止装置であって、車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段と、道路通行情報を含む道路情報を保持する道路情報保持手段と、前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持手段と、前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得手段と、前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出手段と、前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告手段と、前記道路通行情報を参照した結果、前記道路通行情報が対面通行を示す値ではない場合、前記車線逸脱危険性検出処理を施さない車線逸脱危険性検出処理制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、車線逸脱防止方法であって、車両の現在位置を取得する車両現在位置取得工程と、道路通行情報を含む道路情報を保持する道路情報保持工程と、前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持工程と、前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得工程と、前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出工程と、前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出工程と、前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出工程と、前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告工程と、前記道路通行情報を参照した結果、前記道路通行情報が対面通行を示す値ではない場合、前記車線逸脱危険性検出処理を施さない車線逸脱危険性検出処理制御工程と、を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、コンピュータを備える装置によって実行される車線逸脱防止プログラムであって、車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段と、道路通行情報を含む道路情報を保持する道路情報保持手段と、前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持手段と、前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得手段と、前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出手段と、前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告手段と、前記道路通行情報を参照した結果、前記道路通行情報が対面通行を示す値ではない場合、前記車線逸脱危険性検出処理を施さない車線逸脱危険性検出処理制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
1 車両
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
36 データ記憶ユニット
80 地図情報DB
70 カメラ
200 ナビゲーション装置
300 車線逸脱防止ユニット
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
36 データ記憶ユニット
80 地図情報DB
70 カメラ
200 ナビゲーション装置
300 車線逸脱防止ユニット
本発明の1つの観点では、車線逸脱防止装置は、車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段と、道路情報を保持する道路情報保持手段と、前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持手段と、前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得手段と、前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出手段と、前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告手段とを備える。
上記の車線逸脱防止装置は、ナビゲーション装置として構成することができる。境界線車両間距離算出手段は、車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、境界線と車両との距離を算出する。未検出境界線車両間距離算出手段は、上記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線のみ検出した場合、検出済みの境界線と車両間の距離、道路情報保持手段が保持している道路情報、及び車両幅情報保持手段が保持している車両の幅情報を利用して未検出境界線車両間距離を算出する。ここで道路情報とは、道路全体の幅情報や車線数等を含む。
そして、車線逸脱危険性検出手段は、上記境界線車両間距離及び未検出境界線車両間距離に基づいて車両の車線逸脱危険性検出処理を行う。ここで、車線逸脱危険性検出処理とは、上記境界線車両間距離及び未検出境界線車両間距離が、所定の値(例えば20cm等)より下回るか否かを判定することにより、車線逸脱危険性があるか否かを判定する処理である。そして、警告手段は、所定の警告処理を行う。警告処理の具体例として、警告音を出力する等がある。
このように、車線逸脱防止装置は、走行中の画像データから片側の境界線しか検出できない場合でも、検出済みの境界線車両間距離と、車両幅情報と、道路情報を基に未検出境界線車両間の距離を算出することができる。従って、車線逸脱防止装置は、未検出の境界線側へ車両が寄りすぎているか否かを判断することが可能となるので、片側の境界線を検出できない場合でも適切に車線逸脱を検出できる。
上記の車線逸脱防止装置の一態様では、前記道路情報は、道路通行情報を含み、前記道路通行情報を参照した結果、前記道路通行情報が対面通行を示す値ではない場合、前記車線逸脱危険性検出処理を施さない車線逸脱危険性検出処理制御手段をさらに備える。この場合、車線逸脱防止装置は、道路情報内の道路通行情報が対面通行を示す値でない場合(例えば、一方通行等)、車線逸脱危険性検出処理を施さない。これにより、車線逸脱防止装置は、対向車線が無いにも関わらず、車線変更に応じて不要に警告を行わないようにすることができる。
上記の車線逸脱防止装置の他の一態様では、前記道路情報は、道路通行情報を含み、前記警告手段は、前記車線逸脱危険性検出手段が前記車線逸脱危険性を検出した場合において、前記車両が路側帯又は対向車線へ進入すると判定した場合に前記警告処理を施す。 これにより、車線逸脱防止装置は、路側帯又は対向車線へ車両が移動すると判断した場合は、警告を行い、走行車線へ車両が移動すると判断した場合は、警告を行わない。従って、車線逸脱防止装置は、隣接する車線が走行車線であるにも関わらず、不要に警告を行ってしまうことを回避することができる。
上記の車線逸脱防止装置の他の一態様では、境界線車両間距離算出手段は、前記車両前方と前記車両後方との道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出する。これにより、車線逸脱防止装置は、1つのカメラによって得られた画像データに基づいて車線逸脱危険性を検出する場合に比して、境界線を1つも検出できない可能性が低くなるため、車線逸脱危険性検出処理を実行できる可能性を向上できる。また、車線逸脱防止装置は、境界線を2つ検出できる可能性も向上することができる。
本発明の他の観点では、車線逸脱防止方法は、車両の現在位置を取得する車両現在位置取得工程と、道路情報を保持する道路情報保持工程と、前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持工程と、前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得工程と、前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出工程と、前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出工程と、前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出工程と、前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告工程と、を備える。
この方法によっても、走行中の画像データから片側の境界線しか検出できない場合に、検出済みの境界線車両間距離と、車両幅情報と、道路情報を基に未検出境界線車両間の距離を算出することができる。従って、車線逸脱防止装置は、未検出の境界線側へ車両が寄りすぎているか否かを判断することが可能となるので、片側の境界線を検出できない場合でも適切に車線逸脱を検出できる。
本発明のさらに他の観点では、コンピュータを備える装置によって実行される車線逸脱防止プログラムであって、コンピュータを備える装置によって実行される車線逸脱防止プログラムであって、車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段と、道路情報を保持する道路情報保持手段と、前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持手段と、前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得手段と、前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出手段と、前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出手段と、前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
このプログラムを、各種装置上で実行することにより、本発明の車線逸脱防止装置を実現することができる。なお、この車線逸脱防止プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[ナビゲーション装置]
図1に、本発明の実施例に係るナビゲーション装置200の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置200は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50、入力装置60及びカメラ70を備える。
図1に、本発明の実施例に係るナビゲーション装置200の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置200は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50、入力装置60及びカメラ70を備える。
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU22、ROM23及びRAM24を含んでおり、ナビゲーション装置200全体の制御を行う。
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図情報や施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶する。
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、各種情報を受信する。
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データを、ディスプレイなどの表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、ディスクドライブ31又はRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
カメラ70は、車両に取り付けられ、当該車両が走行している間、当該車両が走行している道路を所定の撮影間隔で撮影する。カメラ70の撮影間隔は、システムコントローラ20によって制御される。なお、ナビゲーション装置200は、車両の前方を撮像する前方撮像カメラ70Aと、車両の後方を撮像する後方撮像カメラ70Bとを備える。
[車線逸脱防止ユニット]
図2に、車線逸脱を防止するための車線逸脱防止ユニット300の機能構成を示す。車線逸脱防止ユニット300は、実体的には、ナビゲーション装置200の構成要素により構成される。車線逸脱防止ユニット300は、図示のように、GPS受信機18と、カメラ70(前方撮像カメラ70Aと後方撮像カメラ70B)と、地図情報DB80及び車両幅情報を有するデータ記憶ユニット36と、境界線車両間距離算出部101と、現在位置道路情報取得部102と、未検出境界線車両間距離算出部103と、車線逸脱危険性検出部104と、警告部105と、車線逸脱危険性検出処理制御部106とを備える。
図2に、車線逸脱を防止するための車線逸脱防止ユニット300の機能構成を示す。車線逸脱防止ユニット300は、実体的には、ナビゲーション装置200の構成要素により構成される。車線逸脱防止ユニット300は、図示のように、GPS受信機18と、カメラ70(前方撮像カメラ70Aと後方撮像カメラ70B)と、地図情報DB80及び車両幅情報を有するデータ記憶ユニット36と、境界線車両間距離算出部101と、現在位置道路情報取得部102と、未検出境界線車両間距離算出部103と、車線逸脱危険性検出部104と、警告部105と、車線逸脱危険性検出処理制御部106とを備える。
地図情報DB80は、道路情報を含む地図情報を保持しており、実際には、データ記憶ユニット36で構成される。ここで、道路情報とは、道路の座標範囲、道路通行情報、道路幅、車線数、道路種別等、道路に関する情報のことである。図3に道路情報90の例を示す。なお、図3に図示していないが、「交差点」や「分岐」等種々の情報を道路情報90に含めても良い。また、データ記憶ユニット36では、車両幅情報を保持する。本実施例では、車両幅を1.7mとする。
境界線車両間距離算出部101は、前方撮像カメラ70Aが撮像したことにより得られた画像データに対して、画像解析処理を施し、車両が走行している道路の車線間の境界線を検出する。境界線を検出する方法の具体例には、上記画像データから車線を意味する白線位置の候補点を抽出し、当該候補点に基づいて、白線を検出する方法などがある。ここで前方撮像カメラ70Aが撮像したことにより得られた画像データの例である画像データ350aを図4(a)に示す。この画像データ350aは、前方撮像カメラ70Aが走行中の車線を撮像した画像データである。また、図4(b)には、車両が車線の右側へ寄っている場合における画像データ350bを示し、図4(c)には、車両が車線の左側へ寄っている場合における画像データ350cを示す。なお、図4(a)、図4(b)及び図4(c)には、境界線車両間距離算出部101が検出できなかった未検出境界線502も示している。
そして、境界線車両間距離算出部101は、車両から境界線501までの距離を算出する。具体的には、画像データ350の画像中央ライン701から境界線501までの距離である中央ライン境界線間距離702や、画像中央ライン701と境界線501がなす角度である境界線角度703等を用いて境界線501と車両との距離を算出する。なお、これらは、公知技術である。
現在位置道路情報取得部102は、GPS受信機18から取得した現在位置情報(例えば、緯度経度等)に対応する道路情報90を地図情報DB80から取得する。
未検出境界線車両間距離算出部103は、境界線車両間距離算出部101が片側の境界線501のみを検出した場合に、未検出境界線502と車両との距離を算出する。具体的には、未検出境界線車両間距離算出部103は、地図情報DB80内の道路情報90から現在走行中の道路の道路幅情報を取得し、当該道路幅情報を基に算出した車線幅情報から、「境界線車両間距離算出部101が検出した車線間の境界線と車両との距離」及び「車両自体の幅の和」を差し引いた値を算出することにより、車両から未検出境界線502までの距離を求めることができる。これにより、未検出境界線車両間距離算出部103は、未検出境界線車両間距離を算出することができる。
車線逸脱危険性検出部104は、上記境界線車両間距離及び未検出境界線車両間距離に基づいて車両の車線逸脱危険性検出処理を行う。ここで、車線逸脱危険性検出処理とは、上記境界線車両間距離又は未検出境界線車両間距離が、所定の値(例えば20cm等)より下回るか否かを判定することにより、車線逸脱危険性があるか否かを判定する処理である。車線逸脱危険性検出部104は、境界線501又は未検出境界線502の内側の所定の距離(例えば、20cm)に位置する図4(a)に示す車線逸脱危険ライン503を車両が超えるか否かについて画像データ350内の境界線501又は未検出境界線502の位置等に基づいて判定し、車線逸脱危険性を検出する。ここで、車両が車線逸脱危険ライン503を超えた場合は、車線逸脱危険性があるものとする。
警告部105は、車線逸脱危険性検出部104が車線逸脱危険性を検出した場合に、警告処理を行う。本実施例では、警告処理として、音声出力ユニット50を介して、警告音を出力する。
車線逸脱危険性検出処理制御部106は、現在位置道路情報取得部102が取得した道路情報90における道路通行情報が「対面通行」でない場合、車線逸脱危険性検出処理を施さないようにする。
なお、境界線車両間距離算出部101、現在位置道路情報取得部102、未検出境界線車両間距離算出部103、車線逸脱危険性検出部104、警告部105、及び車線逸脱危険性検出処理制御部106は、図1に示すシステムコントローラ20により構成される。即ち、システムコントローラ20が所定のプログラムを実行することにより、境界線車両間距離算出部101、未検出境界線車両間距離算出部103、車線逸脱危険性検出部104、警告部105、及び車線逸脱危険性検出処理制御部106を実現する。そして、本実施例においては、GPS受信機18が車両現在位置取得手段として機能し、地図情報DB80が道路情報保持手段として機能し、データ記憶ユニット36が車両幅情報保持手段として機能する。
[車線逸脱防止の概略説明]
次に、車線逸脱防止の概略説明について図5を用いて説明する。
次に、車線逸脱防止の概略説明について図5を用いて説明する。
車両1に搭載されている車線逸脱防止ユニット300では、車両の運転中、境界線車両間距離算出部101が画像データ350から走行中の車線500の境界線501を検出した後、車両1と境界線501との距離である境界線車両間距離603を算出する。
そして、境界線車両間距離算出部101が片側の境界線501のみを検出した場合、未検出境界線車両間距離算出部103は、未検出境界線502と車両1との距離である未検出境界線車両間距離605を算出する。なお、未検出境界線車両間距離605を算出する方法については、後述する。そして、車線逸脱危険性検出部104は、未検出境界線車両間距離605又は境界線車両間距離603の内、小さい方の値が、境界線501又は未検出境界線502と、車線逸脱危険ライン503との距離である車線逸脱危険性距離606(例えば20cm等)より小さい場合、車線逸脱危険性があると判断する。
そして、車線逸脱危険性検出部104が車線逸脱危険性を検出した場合、警告部105が所定の警告処理を行い、運転手に対して、車線逸脱する可能性がある旨を通知する。
このように、車線逸脱防止ユニット300は、車道の境界線501が片側しか検出できなくても、未検出境界線車両間距離算出部103が未検出境界線502と車両との距離である未検出境界線車両間距離605を算出し、未検出境界線車両間距離605と車線逸脱危険性距離606とを比較することにより、車両が車線を逸脱する危険性があると判定した場合には、警告を行う。
従って、車線逸脱防止ユニット300は、車両1が走行している車線500の境界線501について片側の境界線501のみ検出した場合でも、車線500を逸脱する危険性があるか否かを判定することができ、適切に車両の車線逸脱の防止を行うことができる。
[未検出境界線と車両との距離算出方法]
次に、図6を用いて、センターライン(図6(b)における境界線501A)のみ検出できた場合における未検出境界線502と車両1との距離算出方法の例を示す。車線逸脱防止ユニット300は、境界線車両間距離算出部101が図6(a)のような画像データ350dを取得し、画像解析処理を行った結果、走行中の車線500に関する境界線501を片側のみ検出した場合、検出した境界線501Aと車両1との距離である境界線車両間距離603を算出する。ここでは、境界線車両間距離算出部101が境界線車両間距離603を「20cm」と算出したものとする。
次に、図6を用いて、センターライン(図6(b)における境界線501A)のみ検出できた場合における未検出境界線502と車両1との距離算出方法の例を示す。車線逸脱防止ユニット300は、境界線車両間距離算出部101が図6(a)のような画像データ350dを取得し、画像解析処理を行った結果、走行中の車線500に関する境界線501を片側のみ検出した場合、検出した境界線501Aと車両1との距離である境界線車両間距離603を算出する。ここでは、境界線車両間距離算出部101が境界線車両間距離603を「20cm」と算出したものとする。
次に、GPS受信機18が現在位置(緯度経度等)を取得し、現在位置道路情報取得部102が現在位置に対応する道路情報90を取得する。例えば、GPS受信機18が取得した現在位置の緯度経度情報が、図3の道路情報90における道路ID「A001」の道路範囲に含まれる場合、現在位置道路情報取得部102は、道路ID「A001」に対応する道路情報90Aを取得する。これにより、車線逸脱防止ユニット300は、現在車両1が走行している道路における道路幅600が「6m」であり、車線数が「2」であることを認識できる。
そして、未検出境界線車両間距離算出部103は、最初に、現在位置道路情報取得部102が取得した道路幅情報から道路内の車線全体幅601を推定する。本実施例における車線全体幅601は、道路幅600の値に0.8を乗算したものとする。よって、道路幅600の値が「6m」であることより、未検出境界線車両間距離算出部103は、車線全体幅601を「4.8m」と算出する。
次に、未検出境界線車両間距離算出部103は、次に車線幅602を算出する。車線数が「2」であることから、未検出境界線車両間距離算出部103は、車線幅602を「2.4m」と算出する。そして、未検出境界線車両間距離算出部103は、車線幅602から車両幅604を減算することにより、車両1における左右の境界線(境界線501と未検出境界線502)までの間隔の和を算出する。ここで、車両1における左右の境界線までの間隔の和は、境界線車両間距離603と未検出境界線車両間距離605との和になる。
本実施例では、データユニット36内に車両幅が「1.7m」と定義していることより、未検出境界線車両間距離算出部103は、車両1における上記左右の境界線までの間隔の和を「0.7m」と算出する。
そして、未検出境界線車両間距離算出部103は、境界線車両間距離算出部101が境界線車両間距離603を「20cm」と算出していることから、未検出境界線車両間距離605を「50cm」と算出することができる。
よって、システムコントローラ20は、片側の境界線501を検出できない場合でも、検出済みの境界線501と車両1との距離、車両の幅、道路情報90における車線数情報と道路幅情報を用いることにより、車両1と未検出境界線502との距離を算出することができる。そして、システムコントローラ20は、車両1と未検出境界線502間の距離を用いることにより、車両1が未検出境界線502を越えてしまう危険性があるか否かを判別することができる。
そして、図6(c)のように路側帯との境界線を示す境界線501Aのみ検出した場合についても、同様に、境界線車両間距離算出部101が境界線車両間距離603を算出し、車両の幅、道路情報90における車線数情報と道路幅情報を用いることにより、未検出境界線車両間距離605を算出することができる。
本実施例における車線逸脱防止ユニット300は、従来のように、整備された道路で車線逸脱検出を行うことができるだけでなく、白線が見えづらい状況や、最初から白線が片側のみに設定されている場合にも、白線の位置を推測して、車両が境界線に寄りすぎていないか否かを判別することができるため、従来に比して、より多くの道路で車線逸脱検出を適切に行うことができ、より利便性が向上している。
[車線逸脱防止処理]
次に、本実施例による車線逸脱防止処理について説明する。本実施例における車線逸脱防止処理では、車両1が走行している車線500の境界線501を前方撮像カメラ70Aが撮像した画像データ350から検出し、片側の境界線501のみ検出した場合、当該境界線501と車両1との距離である境界線車両間距離603を算出した後、地図情報DB80内の道路情報90等を用いて、未検出境界線502と車両1との距離である未検出境界線車両間距離605を算出し、未検出境界線車両間距離605及び境界線車両間距離603に基づいて車線逸脱危険性検出処理を行う。
次に、本実施例による車線逸脱防止処理について説明する。本実施例における車線逸脱防止処理では、車両1が走行している車線500の境界線501を前方撮像カメラ70Aが撮像した画像データ350から検出し、片側の境界線501のみ検出した場合、当該境界線501と車両1との距離である境界線車両間距離603を算出した後、地図情報DB80内の道路情報90等を用いて、未検出境界線502と車両1との距離である未検出境界線車両間距離605を算出し、未検出境界線車両間距離605及び境界線車両間距離603に基づいて車線逸脱危険性検出処理を行う。
図7に、本実施例による「車線逸脱防止処理」のフローチャートを示す。この処理は、図1に示すシステムコントローラ20が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、運転手の運転操作により、車両1が運転を開始すると(ステップS1)、システムコントローラ20は、所定間隔で前方撮像カメラ70Aから走行中の道路に関する画像データ350を取得する(ステップS2)。そして、境界線車両間距離算出部101は、上記画像データ350から境界線501を検出し、境界線501と車両1との距離である境界線車両間距離603を算出する(ステップS3)。境界線車両間距離算出部101が、走行中の車線における境界線501を2本検出した場合は(ステップS4;Yes)、ステップS9へ移り、後述する車線逸脱検出を行う。境界線車両間距離算出部101が車線境界線を2本検出しなかった場合において(ステップS4;No)、境界線車両間距離算出部101が片側の境界線501のみ検出した場合(ステップS5;Yes)、GPS受信機18が現在位置(例えば、緯度経度情報等)を取得する(ステップS6)。現在位置道路情報取得部102は、地図情報DB80から現在位置に対応する道路情報90を取得する(ステップS7)。
次に、未検出境界線車両間距離算出部103は、未検出境界線502と車両1との距離である未検出境界線車両間距離605を算出する(ステップS8)。
次に、車線逸脱危険性検出部104は、車両1と境界線501との距離である境界線車両間距離603又は未検出境界線車両間距離605に基づいて車線逸脱危険性を検出する(ステップS9)。
そして、車線逸脱危険性検出部104が車線逸脱危険性を検出すると(ステップS10;Yes)、警告部105が所定の警告を行い(ステップS11)、運転が終了していない場合(ステップS12;No)、ステップS2へ移り、運転が終了している場合(ステップS12;Yes)、システムコントローラ20は、車線逸脱防止処理を終了する。
[第2実施例]
次に第2実施例について説明する。第2実施例では、予め、車両が走行している道路に関する道路情報90を取得し、当該道路情報90を参照した結果、車両が対面走行の道路を走行していると判断した場合のみ車線逸脱危険性の検出を行う。なお、車線逸脱防止ユニット300の機能構成は、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
次に第2実施例について説明する。第2実施例では、予め、車両が走行している道路に関する道路情報90を取得し、当該道路情報90を参照した結果、車両が対面走行の道路を走行していると判断した場合のみ車線逸脱危険性の検出を行う。なお、車線逸脱防止ユニット300の機能構成は、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
第2実施例のフローチャートを図8に示す。この処理は、図1に示すシステムコントローラ20が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、運転手の運転操作により、車両1が運転を開始すると(ステップS21)、GPS受信機18が現在位置を取得する(ステップS22)。そして、現在位置道路情報取得部102は、上記現在位置に対応する道路情報90を取得する(ステップS23)。そして、車線逸脱危険性検出処理制御部106は、道路情報90における道路通行情報を参照し、当該道路通行情報が「対面通行」でない場合(ステップS24;No)、車線逸脱危険性の検出を行う必要がないと判断し、ステップS22へ移る。
また、車線逸脱危険性検出処理制御部106は、道路情報90における道路通行情報が「対面通行」である場合(ステップS24;Yes)、車線逸脱危険性の検出を行う必要があると判断する。そして、システムコントローラ20は、前方撮像カメラ70Aから走行中の道路に関する画像データ350を取得する(ステップS25)。そして、境界線車両間距離算出部101は、上記画像データ350から境界線501を検出し、境界線501と車両1との距離である境界線車両間距離603を算出する(ステップS26)。境界線車両間距離算出部101が、境界線501を2本検出した場合は(ステップS27;Yes)、ステップS30へ移り、後述する車線逸脱危険性の検出を行う。境界線車両間距離算出部101が境界線501を2本検出しなかった場合において(ステップS27;No)、境界線車両間距離算出部101が片側の境界線501のみ検出した場合(ステップS28;Yes)、未検出境界線車両間距離算出部103は、未検出境界線502と車両1との距離である未検出境界線車両間距離605を算出する(ステップS29)。
また、車線逸脱危険性検出部104は、境界線車両間距離603及び未検出境界線車両間距離605に基づいて車線逸脱危険性を検出する(ステップS30)。
そして、車線逸脱危険性検出部104が車線逸脱危険性を検出すると(ステップS31;Yes)、警告部105が警告音の出力を行い(ステップS32)、運転が終了していない場合(ステップS33;No)、ステップS22へ移り、運転が終了している場合(ステップS33;Yes)、システムコントローラ20は、第2実施例に係る車線逸脱防止処理を終了する。
これによれば、車両1が一方通行を走行している際の車線変更時に、車線逸脱防止ユニット300が車線逸脱危険性を検出することよって、不要に警告を行ってしまうことを回避することができる。
また、車線逸脱防止ユニット300は、対面走行の道路を走行していない場合、車線逸脱危険性検出処理を行わないので、装置に対する処理負荷を軽減することができる。
[第3実施例]
次に第3実施例について説明する。第3実施例では、車線逸脱防止ユニット300が車線逸脱危険性を検出した場合において、車両1が走行車線へ移動しようとしていると推定できる時には、車線逸脱防止ユニット300は、警告処理を行わないようにする。具体的には、道路情報90Aに対応する道路を走行している際に、図9(a)に示すように、車線500Aを走行している車両1が車線500Bへ接近したことにより、車線逸脱防止ユニット300が車線逸脱危険性を検出した場合に、まず、車線逸脱防止ユニット300は、図9(b)に示す上記車線逸脱危険性を検出した時の画像データ350eを参照し、その結果、車両1が車線のある方向へ移動していると判断する。そして、車線逸脱防止ユニット300は、道路情報90Aの道路通行情報を参照し、その結果、当該道路通行情報が「一方通行」であることにより走行車線と判断し、警告処理を行わない。
次に第3実施例について説明する。第3実施例では、車線逸脱防止ユニット300が車線逸脱危険性を検出した場合において、車両1が走行車線へ移動しようとしていると推定できる時には、車線逸脱防止ユニット300は、警告処理を行わないようにする。具体的には、道路情報90Aに対応する道路を走行している際に、図9(a)に示すように、車線500Aを走行している車両1が車線500Bへ接近したことにより、車線逸脱防止ユニット300が車線逸脱危険性を検出した場合に、まず、車線逸脱防止ユニット300は、図9(b)に示す上記車線逸脱危険性を検出した時の画像データ350eを参照し、その結果、車両1が車線のある方向へ移動していると判断する。そして、車線逸脱防止ユニット300は、道路情報90Aの道路通行情報を参照し、その結果、当該道路通行情報が「一方通行」であることにより走行車線と判断し、警告処理を行わない。
このように、車線逸脱防止ユニット300は、車両1が走行車線を変更する際に、不要に警告を行わないようにすることができる。なお、車線逸脱防止ユニット300の機能構成は、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
第3実施例のフローチャートを図10に示す。この処理は、図1に示すシステムコントローラ20が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
まず、運転手の運転操作により、車両1が運転を開始すると(ステップS31)、GPS受信機18が現在位置を取得する(ステップS32)。現在位置道路情報取得部102は、道路通行情報を含む上記現在位置に対応する道路情報90を取得する(ステップS33)。
そして、システムコントローラ20は、前方撮像カメラ70Aから走行中の道路に関する画像データ350を取得する(ステップS34)。境界線車両間距離算出部101は、上記画像データ350から車線境界線501を検出し、境界線501と車両1との距離である境界線車両間距離603を算出する(ステップS35)。境界線車両間距離算出部101が、境界線を2本検出した場合は(ステップS36;Yes)、ステップS39へ移り、後述する車線逸脱危険性検出を行う。境界線車両間距離算出部101が境界線を2本検出しなかった場合において(ステップS36;No)、境界線車両間距離算出部101が片側の境界線501のみ検出した場合(ステップS37;Yes)、未検出境界線車両間距離算出部103は、上記現在地位置に対応する道路情報90に基づいて未検出境界線502と車両1との距離である未検出境界線車両間距離605を算出する(ステップS38)。
また、車線逸脱危険性検出部104は、前方撮像カメラ70Aが撮像した画像内の車線境界線または、未検出境界線車両間距離算出部103が算出した車線境界推定線に関して車線逸脱危険性を検出する(ステップS39)。
そして、車線逸脱危険性検出部104が車線逸脱危険性を検出した場合(ステップS40;Yes)、警告部105は、画像データ350を参照し、車両1が路側帯へ移動しようとしているか否かを判断する(ステップS41)。
警告部105が画像データ350を参照した結果、車両1が路側帯を越えようとしていると判断した場合(ステップS42;Yes)、警告部105は、警告音を出力する(ステップS43)。そして、警告部105が画像データ350を参照した結果、車両1が他の車線500へ移動しようとしていると判断した場合(ステップS42;No)、警告部105は、取得済みの道路情報90を参照して、車両1の移動先の車線500が走行車線か否か判断する(ステップS44)。
そして、警告部105は、道路情報90を参照した結果、道路通行情報が「一方通行」である場合等、車両1の移動先の車線が走行車線であると判断できる場合(ステップS45;Yes)、運転上問題がないと判断し、報知音を出力する(ステップS46)。なお、この場合、警告部105は、何も出力しなくても良い。また、警告部105は、道路情報90を参照した結果、道路情報90の道路通行情報が「対面通行」である等、車両1の移動先の車線が対向車線であると判断できる場合(ステップS45;No)、運転上問題があるため、警告音を出力する(ステップS43)。運転が終了していない場合(ステップS47;No)、ステップS32へ移り、運転が終了している場合(ステップS47;Yes)、システムコントローラ20は、第3実施例に係る車線逸脱防止処理を終了する。
これによれば、車線逸脱防止ユニット300は、隣接する車線500が走行車線であるにも関わらず、不要に警告を行ってしまうことを回避することができる。
上述の実施例では、警告処理として、警告音を出力する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、警告処理として、自動でハンドル修正したり、香りや冷気を出力したり、通信装置38を介してサービスセンター等に通知したりしても良い。
上述の実施例では、車線逸脱危険性検出部104が、前方撮像カメラ70Aによって撮像された画像データ350に基づいて車線逸脱危険性を検出する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、後方撮像カメラ70Bによって撮像された画像データ350に基づいて車線逸脱危険性を検出するようにしても良い。また、車線逸脱危険性検出部104は、前方撮像カメラ70Aによって撮像された画像データ350と後方撮像カメラ70Bによって撮像された画像350との両方の画像データ350に対して画像解析処理を行い、境界線501を検出した数が多い画像データ350に基づいて車線逸脱危険性を検出するようにしても良い。
これにより、車線逸脱防止ユニット300は、1つのカメラ70によって得られた画像データに基づいて車線逸脱危険性を検出する場合に比して、境界線501を1つも検出できない可能性が低くなるため、車線逸脱危険性検出処理を実行できる可能性を向上させることができる。また、車線逸脱防止ユニット300は、境界線501を2つ検出できる可能性も向上させることができる。
上述の実施例では、車線逸脱危険性検出部104が、前方撮像カメラ70Aによって撮像された画像データ350に基づいて車線逸脱危険性を検出する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、他の種々の方法により生成された画像データ350に基づいて車線逸脱危険性を検出しても良い。
以上、説明したように、本実施例における車線逸脱防止ユニット300は、車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段と、道路情報を保持する道路情報保持手段と、車両の幅情報を保持する車両幅情報保持手段と、車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得手段と、車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出手段と、境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、前記現在位置に対応する道路情報を用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出手段と、境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出手段と、車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告手段と、を備える。これにより、車両が走行している車線の画像データから片側の車線の境界線のみ検出した場合でも、「検出した境界線と車両の距離」、「車両幅」、及び「道路情報」を用いることにより未検出の境界線と車両との距離を算出することができるため、車線の片側のみに境界線がある場合でも適切に車線逸脱の危険性を検出することができる。
本発明は、車両などに代表される移動体のナビゲーション装置に利用することができる。
Claims (7)
- 車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段と、
道路通行情報を含む道路情報を保持する道路情報保持手段と、
前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持手段と、
前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得手段と、
前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出手段と、
前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出手段と、
前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出手段と、
前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告手段と、
前記道路通行情報を参照した結果、前記道路通行情報が対面通行を示す値ではない場合、前記車線逸脱危険性検出処理を施さない車線逸脱危険性検出処理制御手段と、を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 前記警告手段は、前記車線逸脱危険性検出手段が前記車道逸脱危険性を検出した場合において、前記車両が路側帯又は対向車線へ進入すると判定した場合に前記警告処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記警告手段は、前記車線逸脱危険性検出手段が前記車道逸脱危険性を検出した場合において、前記車両が走行車線へ進入すると判定した場合、前記警告処理を施さないことを特徴とする請求項2に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記境界線車両間距離算出手段は、前記車両前方と前記車両後方との道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車線逸脱防止装置。
- 車両の現在位置を取得する車両現在位置取得工程と、
道路通行情報を含む道路情報を保持する道路情報保持工程と、
前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持工程と、
前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得工程と、
前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出工程と、
前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出工程と、
前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出工程と、
前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告工程と、
前記道路通行情報を参照した結果、前記道路通行情報が対面通行を示す値ではない場合、前記車線逸脱危険性検出処理を施さない車線逸脱危険性検出処理制御工程と、を備えることを特徴とする車線逸脱防止方法。 - コンピュータを備える装置によって実行される車線逸脱防止プログラムであって、
車両の現在位置を取得する車両現在位置取得手段と、
道路通行情報を含む道路情報を保持する道路情報保持手段と、
前記車両の幅情報を保持する車両幅情報保持手段と、
前記車両の現在位置に対応する前記道路情報を取得する現在位置道路情報取得手段と、
前記車両より撮像された道路画像に基づいて走行中の車線の境界線を検出した後、前記境界線と前記車両との距離を算出する境界線車両間距離算出手段と、
前記境界線車両間距離算出手段が片側の境界線を検出できない場合、検出済みの境界線から車両までの距離と、前記現在位置に対応する道路情報と、前記車両の幅情報とを用いて未検出境界線と車両との距離を算出する未検出境界線車両間距離算出手段と、
前記境界線車両間距離及び前記未検出境界線車両間距離に基づいて前記車両の車線逸脱危険性検出処理を行う車線逸脱危険性検出手段と、
前記車線逸脱危険性検出結果に応じて警告処理を行う警告手段と、
前記道路通行情報を参照した結果、前記道路通行情報が対面通行を示す値ではない場合、前記車線逸脱危険性検出処理を施さない車線逸脱危険性検出処理制御手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする車線逸脱防止プログラム。 - 請求項6に記載の車線逸脱防止プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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