JP4744319B2 - ダイヤフラム弁 - Google Patents
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Description
また、ゴム製のダイヤフラムは、弁に流入する流体に固形状の異物が混入している場合、異物をシール部分に噛み込んだとしてもゴムの弾性力によりシール性を保持することができ、異物が外れた後のシール性も悪化することはない反面、ゴム製のダイヤフラムに対して弁座はゴムより硬い部材で形成されるので、ダイヤフラムに当接する弁座やその周辺に突起や角になる部分が形成されていて、その突起や角が弁の閉止時にダイヤフラムのシール部分に当接する場合、繰り返し開閉を行うことにより突起や角に接触するダイヤフラムのシール部分が劣化し易くなり破損する恐れがあった。
また、弁シート101とダイヤフラム102の連結は弁シート101のリング状凹溝105にダイヤフラム102の下端のリング状突起108を挿入することによりなされ、ダイヤフラム102から弁シート101が外れないようにリング状突起108の内外周壁に設けた凹条溝109、110に内外周側突条係合部106、107を嵌合させたものであるため、繰り返し開閉により弁シート101が破損した場合、弁シート101がダイヤフラム102から外れ易くなり、外れた弁シート101が流路を塞いだり、破損した弁シート101の破片がダイヤフラム弁から下流側に流出する恐れがあるという問題があった。
そのため、開閉ストロークを大きく確保するためには可曉部116を大きくするか可曉部116のたわみ部分を大きくする必要があるが、可曉部116を大きくするとダイヤフラムバルブのサイズが大きくなる問題があり、たわみ部分を大きくすると繰り返し開閉に対する可曉部116の強度が弱くなる問題があった。
また、バルブのコンパクト化が求められる現在では可曉部116は縮小傾向にあり、開閉ストロークが大きく確保できず大流量の流体を流すことができないという問題があった。また、バルブの閉止時に二次側から流体圧がかかる場合、ダイヤフラム113の可曉部116に直接流体圧がかかるためダイヤフラム113が劣化し易くなり破損する恐れがあるという問題があった。
前記ダイヤフラムの前記駆動部材が取り付けられる裏側に、前記駆動部材の往復動の方向に対して略直角に拡がる押圧部材が設けられており、
前記ダイヤフラムが、
前記駆動部材の端部が接続される厚肉の円形の中央部と、
該中央部から径方向外側へ前記押圧部材の中間部分に設けられた押圧部と常時添接するように延設された環状の中間部と、
該中間部の外周から径方向外側へ前記駆動部材の往復動の方向に対して略直角に延設され、弁閉時に前記押圧部材の前記押圧部の外側に設けられた膜受け部に添接可能な薄肉の環状の外側部と、を含み、
前記中央部と前記外側部はそれぞれ均等な厚さとされ
前記中間部は肉厚が、前記中央部の厚さから前記外側部に向かって徐々に薄くされており、
前記中間部の外周位置に前記本体の弁座部に向かって突出した環状のシール部が形成され、弁閉時には押圧部材の前記押圧部が前記シール部を押圧し、
前記外側部の外周縁には本体に嵌合される環状嵌合部が形成されている、
ことを特徴とするダイヤフラム弁が提供される。
(1)下方向へ環状に突出したシール部が弾性体で設けられているため、弁に流入する流体に異物が混入している場合でも確実に流体をシールすることができる。
(2)ダイヤフラムは外側部に加えて中間部が開閉動作に応じて変形可能であるため、より開閉ストロークを大きく確保することができ、開閉ストロークが大きく確保できることでコンパクトな弁の構成でありながら大流量の流体を流すことができる。
(3)ダイヤフラムの中間部の肉厚が、中央部から外側部に向かって徐々に薄くなるように形成されると、弁の開閉時に中間部や、中央部又は外側部と中間部とが繋がっている部分に応力が集中するのを防止することができ、またシール部と弁座部の粘着を防止することができる。
(4)ダイヤフラムの中央部の上部に連結体が埋設され、連結体の埋設部の外径が弁座部の内径より小さく設けられ、押圧部材の押圧部がダイヤフラムのシール部上方に相対するように配置して設けられると、中間部を大きく確保することができるので開閉ストロークを大きく確保することができ、シール部の上下方向の肉厚を厚く設けることができるのでシール部に異物を噛み込んだとしてもシール性が保持されシールを確実に行うことができる。
(5)弁座部に段差部が設けられると、弁閉時にシール部は段差部の底面と段差部内周面の二箇所で二重のシールができるため流体圧が高くなるにつれてシール性も高くなり、確実なシールが行われるので流体が漏洩することがない。
まず、本発明の第一の実施形態であるダイヤフラム弁について図1乃至図3に基づいて説明する。
1はダイヤフラムである。ダイヤフラム1中央部には駆動部から下方に延びた後記ピストン5の軸部34の下端に接続される中央部7が設けられ、中央部7から径方向外側へ延設して肉厚が中央部7から後術の外側部10に向かって徐々に薄くなるように形成された中間部8が設けられ、中間部8から径方向外側へ延設して薄肉の外側部10が設けられており、中間部8の外周位置において、後述の弁座部25に向かって突出した断面半円状のシール部9が設けられ、外側部10の外周縁には断面矩形状の環状嵌合部11が設けられている。環状嵌合部11は後述の本体3の環状突部18の内周に形成された環状溝19に嵌合する。
連結体12の材質は、ダイヤフラム1より剛性の高い材質であればよく、この第1の実施の形態ではステンレス(以下、SUSと記す)、とされているが、その他、鉄、銅、真鍮などの金属や樹脂などでも良く、特に限定されない。
押圧部16の構成は、第1の実施形態では押圧部材2下部の平坦面と後記膜受部17との境目の環状のエッジ部分とされているが、シール部9を弁座部25へ効率よく押圧させるのであれば、押圧部材2下部の平坦面がシール部9と同じかそれより大きい径を有するように設けて押圧部16を形成しても良く、ダイヤフラム1のシール部9の上方に相対する位置に押圧部材2から下方へ突出する環状突起を設けて押圧部16を形成しても良い。
また、押圧部16の外周には弁閉時のダイヤフラム1の外側部10形状と略同一形状の膜受部17が設けられている。これは弁開時に外側部10に流体圧がかかったときに外側部10と略同一形状であれば、流体圧に対して押圧部材2で保持するので外側部10の変形や破損を防ぐため好適である。
弁を開状態(図5の状態)から閉状態にすると、ダイヤフラム1のシール部9が段差部40の底面41に圧接されることでシール部9は弾性力により弁座部25とシールされて閉状態(図4の状態)となる。このときシール部9は弾性力により外周側に拡がるように潰れて変形し、段差部40の内周面42に圧接される。これによりシール部9は段差部40の底面41と段差部40の内周面42の二箇所で二重のシールができる。この場合、弁が閉状態のときにダイヤフラム1のシール部9が流体圧により変形するが、シール部9は弾性力により外側に向かって変形するため段差部40の内周面42を押圧し、内周面42のシール性が高くなる。これは流体圧が高ければ高いほどシール性が高くなるため、本実施形態であれば弁が閉状態のときに高い流体圧がかかっても高いシール性を発揮し、確実なシールが行なわれるので流体の漏洩することがない。また、シール部9の外径が段差部40の内周面42の径より僅かに小径に設けられていることにより、シール部9は、弁が閉状態のときに弾性力によって潰れるように変形して段差部40の内周面42に圧接される以外は、弁の開閉動作の時に段差部40の内周面42と当接することがないため、シール部9が擦れて摩耗することがない。これにより、ダイヤフラム1は長期使用において繰り返し開閉による破損がなく、シール部9の摩耗による劣化が抑えられるため、開閉による破損や劣化の心配なく長期間使用できる。第二の実施形態のその他の作用は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
2 押圧部材
3 本体
4 シリンダ本体
5 ピストン
6 隔膜押さえ
7 中央部
8 中間部
9 シール部
10 外側部
11 環状嵌合部
12 連結体
13 埋設部
14 雌ネジ部
15 貫通孔
16 押圧部
17 膜受部
18 環状突部
19 環状溝
20 弁室
21 連通口
22 連通口
23 流体流入路
24 流体流出路
25 弁座部
26 上部空間
27 下部空間
28 隔膜押さえ嵌合部
29 第一作動流体連通口
30 第二作動流体連通口
31 溝部
32 鍔部
33 雄ネジ部
34 駆動部材(軸部)
35 空間部
36 貫通孔
37 Oリング
38 環状突起部
39 シリンダ部
40 段差部
41 底面
42 内周面
47 電気駆動部
48 ハンドル
49 ステム
Claims (9)
- 弁室(20)に連通する流体流入路(23)と流体流出路(21)とを有し、前記流体流入路(23)の下流側の開口部(21)の外周に弁座部(25)が形成されている本体(3)と、駆動部材(34)により往復動せしめられ前記弁座部(25)に圧接または離間されるダイヤフラム(1)と、を具備して弁の開閉をおこなうダイヤフラム弁において、
前記ダイヤフラム(1)の前記駆動部材(34)が取り付けられる裏側に、前記駆動部材(34)の往復動の方向に対して略直角に拡がる押圧部材(2)が設けられており、
前記ダイヤフラム(1)が、
前記駆動部材(34)の端部が接続される厚肉の円形の中央部(7)と、該中央部(7)から径方向外側へ前記押圧部材(2)の中間部分に設けられた押圧部(16)と常時添接するように延設された環状の中間部(8)と、
該中間部(8)の外周から径方向外側へ前記駆動部材(34)の往復動の方向に対して略直角に延設され、弁閉時に前記押圧部材(2)の前記押圧部(16)の外側に設けられた膜受け部(17)に添接可能な薄肉の環状の外側部(10)と、を含み、
前記中央部(7)と前記外側部(10)はそれぞれ均等な厚さとされ
前記中間部(8)は肉厚が、前記中央部(7)の厚さから前記外側部(10)に向かって徐々に薄くされており、
前記中間部の外周位置に前記本体の弁座部に向かって突出した環状のシール部(9)が形成され、弁閉時には押圧部材(2)の前記押圧部(16)が前記シール部(9)を押圧し、
前記外側部(10)の外周縁には本体(3)に嵌合される環状嵌合部(11)が形成されている、
ことを特徴とするダイヤフラム弁。 - 前記ダイヤフラムの前記中央部(7)の裏面側に前記ダイヤフラムより剛性の高い材質で形成された連結体(12)が埋設され、該連結体(12)の埋設部(13)の外径が前記弁座部(25)の内径より小さく形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム弁。 - 前記押圧部(16)が前記押圧部材(2)のダイヤフラム(1)の側の平坦面として形成され、その径がシール部の径と同じか、それよりも大きくされている、ことを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム弁。
- 前記押圧部材(2)の前記膜受部(17)が、弁閉時のダイヤフラム(1)の形状と略同一形状にされている、ことを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム弁。
- 前記押圧部材(2)の前記膜受部(17)が、弁閉時かつ前記ダイヤフラム弁の二次側に圧力がかかっていない状態において、前記ダイヤフラム(1)の外側部(10)と添接しないように形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のダイヤフラム弁。
- 前記ダイヤフラム(1)の前記シール部(9)が、半円状の局所断面形状を有する、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
- 前記弁座部(25)の内周縁部に段差部(40)が設けられている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
- 前記弁座部(25)から離間している状態の前記シール部(9)の外径が、前記弁座部(25)の前記段差部(40)の内径より僅かに小径に形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載のダイヤフラム弁。
- 前記駆動部材(34)が、空気、電気、手動のいずれかで前記ダイヤフラム(1)を駆動することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のダイヤフラム弁。
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