以下、図面を参照して、本発明による逆止弁を説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
最初に、図1及び図2を参照して、本発明による第1の実施形態の逆止弁1の全体構成を説明する。図1は、本発明を適用したスイング式逆止弁1の全体構成を示す断面図であり、図2は、図1に示されている弁体5の拡大断面図である。
逆止弁1は、弁箱9と、弁箱9に搖動可能に軸支されている弁体5とを備える。
弁箱9は、弁本体2と、弁本体2の上部開口部に固定されるボンネット3とによって構成されており、弁本体2とボンネット3との接合面の間には、シール部材6が設けられている。弁本体2とボンネット3との固定方法は、限定されるものではなく、図示されている実施形態のように、弁本体2とボンネット3とにネジ部を設けて螺合させることによって行ってもよく、ボルト等の締結具を用いて行ってもよい。シール部材6も、特に限定されるものではなく、例えば、図示されている実施形態のように、Oリングとしてもよく、ガスケットとしてもよい。
弁本体2には、弁室22と弁室22に連通する入口流路23及び出口流路24とが形成されている。入口流路23及び出口流路24の流路軸線は一直線上に延びていることが好ましい。また、入口流路23の弁室22側の開口部の周囲には、環状の平坦面である弁座21が形成されている。弁座21は、入口流路23の流路軸線に垂直な平面に対して僅かに上向きに傾けて形成されていることが好ましい。特に好ましくは、弁座21は、入口流路23の流路軸線に垂直な平面に対して6°〜8°の範囲で傾いて形成される。
弁室22内には、シャフト4が入口流路23の流路軸線と垂直に延びるように弁箱9に支持されており、シャフト4周りに回動可能にアーム8が設けられている。アーム8の先端には弁体5が取り付けられており、弁箱9にアーム8を介して搖動可能に軸支される弁体5が弁座21に接離するようになっている。シャフト4が挿通されるアーム8のシャフト孔81は、アーム8がシャフト4に対して径方向に移動することを許容できるように、シャフト4の直径よりも大きく形成されていることが好ましい。この場合、シャフト孔81は、シャフト4の直径よりも大きい直径の円形断面を有してもよく、少なくとも短軸がシャフト4の直径よりも大きい直径の楕円形断面を有してもよい。
開弁時に流体の圧力で、アーム8がシャフト4周りに過度に搖動して弁体5が弁室22の壁に衝突し、弁体5や弁箱9が損傷することを防ぐために、弁箱9の弁室22には、アーム8に当接してアーム8の搖動範囲を規制する規制部31が設けられている。図1に示されている実施形態では、規制部31がボンネット3から弁室22内に延びるように設けられている。
弁体5は、アーム8に取り付けられるディスク51と、ディスク51に固定されるシートホルダ53と、ディスク51とシートホルダ53との間に保持されるバルブシート52とを含んでいる。図示されている実施形態では、アーム8とディスク51とが一体的に形成されていると共に、ディスク51、バルブシート52、シートホルダ53の中央部に貫通孔が設けられており、ディスク51とシートホルダ53との間にバルブシート52を挟んだ状態で、これらの貫通孔に挿通させたボルトにナットを締結し、ディスク51にシートホルダ53を固定することにより、ディスク51に、バルブシート52を保持している。また、ディスク51、バルブシート52、シートホルダ53の貫通孔を通じた漏れを防止するために、ディスク51の貫通孔のボルトのヘッド側の開口部には、シール部材7として、Oリングが装着されている。
図1及び図2に示されている実施形態では、アーム8とディスク51とを一体的に形成しているが、アーム8へのディスク51の取り付け方法は、図示されている実施形態に限定されるものではない。例えば、後述する第2の実施形態のように、ボルトなどの締結具によってアーム8にディスク51を装着してもよい。また、ディスク51へのバルブシート52の保持方法も図示されている実施形態に限定されるものではなく、接着、溶着、溶接などにより行うことも可能である。
図2に詳細に示されているように、ディスク51は、閉弁時の弁座側の面に形成されたシート受容凹部512と、シート受容凹部512の周囲部分によって構成されるシートガイド部511とを含んでおり、バルブシート52の少なくとも一部(後述する環状隆起部521)がシートガイド部511を越えて外部へ突出した状態となるように、バルブシート52がシート受容凹部512内にシートホルダ53によって保持される。また、後述するバルブシート52の外周部(閉弁時に弁座21と相対するバルブシート52の領域)の撓み変形を許容するように、バルブシート52の外周とシートガイド部511との間に隙間が形成されるようになっている。
バルブシート52は、熱可塑性樹脂から形成されており、略円盤形状を有し、その外周縁部に環状に延びる隆起部521が形成されている。このような環状隆起部521を設けることにより、バルブシート52と弁座21との接触面積を小さくし、比較的小さな流体圧の作用下でも、バルブシート52と弁座21との間に大きな面圧を得ることができる。この結果、低圧時でもシール性を向上させることができる。
また、上述したように、シートガイド部511とバルブシート52の外周との間には隙間が形成されているため、ディスク51にバルブシート52を保持する際に、バルブシート52がディスク51上の予め定められた位置からずれて配置される可能性があり、シール不良の原因となり得る。このため、逆止弁1では、ディスク51に対してバルブシート52を予め定められた位置に配置するための軸合わせ部が設けられている。
図1及び図2に示されている実施形態では、軸合わせ部として、ディスク51と反対側のバルブシート52の面に、シートホルダ53と嵌合する嵌合凹部522が形成されている。また、嵌合凹部522の縁部には、嵌合凹部522の周囲を取り囲むように、バルブシート52の表面から突出する環状突起523が設けられている。嵌合凹部522にシートホルダ53を嵌合させて嵌合凹部522の内周面とシートホルダ53の外周面とを係合させ、シートホルダ53とディスク51とを固定することにより、ディスク51に対して予め定められた位置にバルブシート52を位置決めすることができる。また、嵌合凹部522の周囲に環状突起523を設けることにより、嵌合凹部522の位置の視認性が高まり、シートホルダ53を嵌合凹部522に嵌合させる作業が容易となる。
図1及び図2に示されている実施形態では、軸合わせ部として、バルブシート52に嵌合凹部522を設け、嵌合凹部522の周囲を取り囲むように環状突起523を設けているが、軸合わせ部は、図1示されている形態に限定されるものではない。例えば、図3(a)に示されているように、嵌合凹部522の周囲に環状突起523を設けなくてもよい。また、図3(b)に示されているように、軸合わせ部として、ディスク51のシート受容凹部512の底面から突出する突出部513を設けると共に、バルブシート52に突出部513と相補的形状の嵌合凹部524を設けてもよい。この場合、突出部513の外周面と嵌合凹部524の内周面との係合により、バルブシート52の位置決めが行われる。嵌合凹部522や嵌合凹部524は、貫通孔の形態であってもよい(図7、図9、図11参照)。同様に、軸合わせ部として、バルブシート52のディスク側表面の中央部から突出する突出部を設けると共に、ディスク51のシート受容凹部512の底面の中央部にバルブシート52の突出部と相補的形状の嵌合凹部を設け、バルブシート52の突出部とディスク51の嵌合凹部との嵌合により、バルブシート52の位置決めを行ってもよい。
スイング式逆止弁1では、シャフト4周りの弁体5の搖動により、弁座21に弁体5の当接面が当接することから、閉弁時におけるシャフト4周りの回転角度に応じて弁体5の当接面の角度(入口流路23の流路軸線に対して垂直な平面に対する角度)が変化する。このため、入口流路23の流路軸線に対して垂直な平面に対する弁座21の面(以下、弁座面とも記載する。)の角度が加工精度などにより設計角度からずれると、弁体5と弁座21との当接時に、弁体5の当接面の角度と弁座面の角度とが一致しなくなり、不均一な当接の原因となって、弁体5と弁座21とのシール性を低下させる。また、ディスク51やバルブシート52の形状(厚さを含む。)の誤差、アーム8の形状の誤差、アーム8へのディスク51の取り付け精度なども同様に、弁体5と弁座21との当接時における弁体5の当接面の角度と弁座面の角度との不一致を招き、不均一な当接の原因となって、弁体5と弁座21とのシール性を低下させる。
本発明による逆止弁では、上記のような原因の弁体5と弁座21とのシール性の低下を防止するために、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との対向面の間に空間54を形成して、弁体5と弁座21との当接時にバルブシート52の撓み変形を許容することにより、弁体5のバルブシート52と弁座21の弁座面とをより均一に当接させるようにしている。
図1及び図2に示されている実施形態では、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、バルブシート52のディスク側表面の外周部が外周縁部へ向かうにつれディスク51から離れる方向にテーパ状に傾斜するようにバルブシート52を形成することによって、ディスク51とバルブシート52との間に空間54を形成している。この場合、図2に詳細に示されているように、バルブシート52は、中央部のみがディスク51と接するような円錐形状又は円錐台形状を有していることが好ましい。しかしながら、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との対向面の間に空間54が形成されていればよく、テーパ状傾斜部は、バルブシート52の中央部と外周縁部との間の一部のみに形成されていてもよい。テーパ状部分の傾斜角度(ディスク51のシート受容凹部512の底面と平行な平面とテーパ状部分の表面とがなす角度θ)は、3°〜30°の範囲であることが好ましい。
なお、弁本体2、ボンネット3、シャフト4、アーム8、ディスク51、シートホルダ53は、例えば、熱可塑性樹脂から形成することができ、熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(PVC−C)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシルアルカン(PFA)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフェニレンエーテル(PPE)等を用いることができる。ポリ塩化ビニル(PVC)には、硬質ポリ塩化ビニル、硬質耐衝撃性ポリ塩化ビニルも含まれる。耐薬品性が要求される場合には、熱可塑性樹脂として、PVDF、PTFE、PFAを用いることが好ましい。
また、シール部材6、7であるO−リングやガスケットは、弾性体であればよく特に限定されるものではない。シール部材6,7を形成する好ましい材料としては、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、塩素化ポリエチレン、フッ素ゴムなどが挙げられる。耐薬品性が要求される場合には、フッ素ゴムや弾性体にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシルアルカン(PFA)を被覆して用いてもよい。
バルブシート52である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシルアルカン(PFA)等を用いることができる。
次に、図1に示されている実施形態の逆止弁1の動作を説明する。入口流路23から弁室22へ向かって流体が流入すると、その圧力で弁座21と当接する弁体5が図1中の反時計回りにシャフト4周りに回動して、弁体5の当接部(詳細には、バルブシート52の環状隆起部521)が弁座21から離間し、開弁状態となり、入口流路から弁室22への流体の流入を許容する。一方、入口流路23からの流体の流入が停止するか、または、出口流路24から流体が逆流して弁室22に流入すると、弁体5の自重及び逆流する流体の圧力で、弁体5が図1中の時計回りにシャフト4周りに回動して、弁体5の当接部が弁座21に圧接され、閉弁状態となり、出口流路から入口流路への逆流を防止する。
加工精度などによるアーム8、ディスク51、バルブシート52などの形状誤差がない場合には、図4(a)に示されているように、閉弁時に、バルブシート52と弁座21との相対面がほぼ平行となることから、ディスク51のシートガイド部511を越えて弁座21へ向かって突出している環状隆起部521が変形することなく又は均等に変形した状態で弁座21の弁座面に均一に圧接される。一方、アーム8、ディスク51、バルブシート52などに形状誤差がある場合、図4(b)に示されているように、閉弁時に、バルブシート52と弁座21の相対面は平行とならない。このような場合、バルブシート52(詳細には、その環状隆起部521)の一部のみが先に弁座21に当接してしまうため、バルブシート52の撓み変形が許容されていなければ、バルブシート52と弁座21とは均一な圧接ができず、シール性が低下して漏れが生じやすくなる。
しかしながら、逆止弁1では、ディスク51とバルブシート52との対向面の間に空間54が形成されており、バルブシート52の撓曲変形が許容されるようになっているので、バルブシート52(詳細には、その環状隆起部521)の一部のみが先に弁座21に当接してしまった後も、バルブシート52が撓み変形して、ディスク51がさらに弁座21へ接近し、バルブシート52の残余の部分も弁座21に当接する。また、バルブシート52の外周部は、テーパ状傾斜部の形成により、中央部よりも薄くなっているので、撓み変形がさらに容易となる。さらに、バルブシート52が円錐形状又は円錐台形状を有している場合には、円錐形状又は円錐台形状のバルブシート52の頂部近傍のみがディスク51に接触しており、接触面積が小さいことから、バルブシート52の全体がディスク51に対して傾斜することにより、バルブシート51の当接部を弁座21の弁座面の傾きに合せることが可能となる。このような作用の結果、バルブシート51と弁座21とがより均一に圧接することが可能となり、シール性を向上させる。
加えて、アーム8のシャフト孔81がシャフト4の直径よりも大きく、アーム8がシャフト4に対して径方向に移動することが許容されるようになっていれば、アーム8に取り付けられている弁体5のディスク51の姿勢変化の自由度が高まり、流体圧の作用下での弁体5と弁座21との当接により、ディスク51が傾斜して、バルブシート52が弁座21に均一に当接させることが容易となる。また、アーム8に対するディスク51の傾斜が許容されるように、アーム8にディスク51が取り付けられていれば(図4参照)、同様に、弁体5のディスク51の姿勢変化の自由度が高まり、バルブシート52が弁座21に均一に当接させることが容易となる。これらの効果がバルブシート51の撓み変形の効果と相乗することにより、バルブシート52と弁座21とのより均一な当接が可能となり、シール性がさらに向上される。
バルブシート52の厚さが階段状に変化すると、撓み変形時に段部で応力集中が発生し、塑性変形を生じやすいが、バルブシート52の厚さは傾斜により徐々に変化するため、階段状に変化する場合と比較して、撓み変形時の応力集中が抑制され、塑性変形が生じにくくなる。この結果、バルブシート52の耐久性が向上するという効果も奏する。なお、バルブシート52のテーパ状傾斜部が平坦部となす角度θは、応力集中を抑制する効果を向上させるために、3°≦θ≦30°の範囲とすることが好ましい。また、角度θが6°以上であると、低圧時でのシール性向上の効果を奏し、20°以下であると、屈曲した場合の変形を防止する効果を奏する。
また、バルブシート52は、シート受容凹部512に受容されているため、ディスク51のシートガイド部511と弁座21との突き当てにより、バルブシート52の撓み変形量が規制される。これにより、過度なバルブシート52の変形による塑性変形が防止され、バルブシート52の耐久性を向上させる効果を奏する。
逆止弁1では、弁体5がか閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との対向面の間に空間54を形成して、弁体5の弁座21との当接時にバルブシート52の撓み変形を許容するようになっていればよく、様々な変更が可能である。例えば、図5に示されているように、バルブシート52のディスク51と反対側の表面において、環状隆起部521よりも内側に、環状溝55を設けてもよい。環状溝55は、バルブシート52のテーパ状傾斜部(テーパ状傾斜部は、平坦部と角度θをなし、好ましくは3°≦θ≦30°の範囲となっている。)と対向する領域に設けることが好ましい。この場合、環状溝55の外周側側壁を傾斜壁56となるように形成して、環状隆起部521の内周側表面に接続するようにすることがさらに好ましい。このような環状隆起部521を設けることにより、バルブシート52が厚い場合でも、バルブシート52の外周部が撓み変形しやすくなる。また、逆止弁1では、ディスク51とシートホルダ53との間にバルブシート52を挟んだ状態でシートホルダ53の貫通孔に挿通させたボルトにナットを締結することにより、ディクス51にバルブシート52を保持している。しかしながら、例えば、図5に示されているように、ディスク51のシート受容凹部512内にバルブシート52を配置した状態で、シートホルダ53を用いずに、バルブシート52の中央の貫通孔に挿通させたボルトをディスク51の中央に設けたネジ孔に螺合させることにより、バルブシート52をディスク51に保持することも可能である。この場合、バルブシート52の外周とシートガイド部511との間に隙間が形成されるようにバルブシート52を位置決めするために、ディスク51と反対側のバルブシート52の面に設けられた嵌合凹部522の直径がボルトの頭部の最大径(丸ボルトの場合のボルト頭部の直径又は六角ボルトの場合の最大対角線の長さ)と等しくなるようにすることが好ましい。これにより、ボルトの頭部が嵌合凹部522に嵌合したときにボルトの頭部の外周が嵌合凹部522の内周面に係合して、予め定められた位置にバルブシート52を位置決めすることができる。すなわち、嵌合凹部522が軸合わせ部として機能する。
次に、図6及び図7を参照して、本発明の第2の実施形態のスイング式逆止弁1’を説明する。図6及び図7では、図1及び図2に示されている第1の実施形態の逆止弁1と同じ構成要素に共通の参照符号を付している。以下では、第1の実施形態の逆止弁1と第2の実施形態の逆止弁1’との相違点について主に説明する。
第2の実施形態の逆止弁1’では、バルブシート52ではなく、ディスク51のシート受容凹部512の底面の外周部が外周縁部へ向かうにつれバルブシート52から離れるようにテーパ状に傾斜することにより、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との対向面の間の空間54を形成している。この空間54により、第1の実施形態の逆止弁1と同様に、弁体5と弁座21との当接時にバルブシート52の撓み変形を許容して、弁体5のバルブシート52と弁座21の弁座面とを均一に当接させるようにしてる。なお、バルブシート52とディスク51との接触領域の終端がバルブシート52の撓み変形部の始点となるので、ディスク51のシート受容凹部512の底面が、テーパ状に傾斜していることにより、バルブシート52の撓み変形量が規制され、階段状の段部の場合と比較して、撓み変形時に始点部に生じる応力が緩和される。
また、第2の実施形態の逆止弁1’では、バルブシート52の嵌合凹部524が貫通孔となっている。このため、図7(a)に詳細に示されているように、軸合わせ部が、ディスク51のシート受容凹部512の底面から突出する突出部513と相補的形状となるように設けられたバルブシート52の嵌合凹部524によって構成されていると共に、ディスク51とシートホルダ53との固定がシートホルダ53からディスク51の突出部513まで貫通するネジ穴にボルトを螺合させることにより行われている。本実施形態の軸合わせ部では、突出部513の外周面と嵌合凹部524の内周面との係合により、ディスク51に対するバルブシート52の位置決めが行われる。また、ボルトが貫通孔であるバルブシート52の嵌合凹部524に嵌合されるディスク51の突出部513に螺合されるため、バルブシート52にボルトの挿通のための貫通孔を別に設ける必要がない。
さらに、第2の実施形態の逆止弁1’では、ディスク51が、ディスク51に設けられた取付部514をアーム8に設けられた挿入孔82に遊嵌した状態で取付部514の先端部に設けられたネジ部にナットを締結することにより、アーム8に取り付けられている。このような構成により、アーム8に対するディスク51の傾斜が許容されるので、弁体5のディスク51の姿勢変化の自由度が高まり、バルブシート52が弁座21に均一に当接させることが容易となる。
加えて、第2の実施形態の逆止弁1’では、弁本体2とボンネット3との接続が螺合ではなく、ボルト及びナットの組み合わせにより行われている。
第2の実施形態の逆止弁1’は、他の点においては、第1の実施形態の逆止弁1と共通する構成及び動作であるので、説明を省略する。
なお、本実施形態も様々な変更が可能である。例えば、本実施形態では、ディスク51のシート受容凹部512の底面から突出する突出部513と相補的形状となるように設けられたバルブシート52の嵌合凹部524によって軸合わせ部が構成されているが、図7(b)に示されているように、突出部513と嵌合するバルブシート52の嵌合凹部524が貫通孔となっている点は変えず、ディスク51と反対側のバルブシート52の面にシートホルダ53と嵌合する嵌合凹部522をさらに形成することも可能である。この場合には、嵌合凹部522を軸合わせ部として機能させ、嵌合凹部524は、突出部513を遊嵌させる大きさとしてもよい。また、第1の実施形態の変形形態と同様に、軸合わせ部としての嵌合凹部524を貫通孔とせずに、バルブシート52及びシートホルダ53の中央部に付加的に貫通孔を設け、ディスク51とシートホルダ53との間にバルブシート52を挟んだ状態で、バルブシート52及びシートホルダ53に挿通させたボルトをディスク51に螺合させてシートホルダ53及びバルブシート52をディスク51に保持させるようにしてもよい。
次に、図8及び図9を参照して、本発明の第3の実施形態によるウエハ形逆止弁11を説明する。図8及び図9では、図1及び図2に示されている第1の実施形態の逆止弁1の各構成要素と対応する構成要素に共通の参照符号を付している。
ウエハ形逆止弁11は、弁箱9と、弁体5とを備える。弁箱9は、弁本体2と、弁体5の全開位置を規制するストッパー板3’とによって構成されており、弁本体2及びストッパー板3’は、概略同一の外径の略円環板形状を有している。ストッパー板3’は、弁本体2の下流側に固定され、弁本体2とストッパー板3’との接合面の間には、シール部材6が設けられている。弁本体2とストッパー板3’との固定方法は、限定されるものではなく、ボルト等の締結具を用いて行ってもよく、接着、溶着、溶接などによって行ってもよい。シール部材6も、特に限定されるものではなく、例えば、図8に示されているように、Oリングとしてもよく、ガスケットとしてもよい。
弁箱9の弁本体2部分には、弁室22と、弁室22に連通する入口流路23とが形成され、ストッパー板3’には弁室22に連通する出口流路32が形成されている。入口流路23及び出口流路32の流路軸線は一直線上に延びていることが好ましい。また、入口流路23の弁室22側の開口部の周囲には環状の平坦面である弁座21が形成されている。なお、図示されている実施形態では、弁座21の弁座面は、流路軸線に垂直な平面と平行に形成されているが、第1の実施形態と同様に、流路軸線に垂直な平面に対して僅かに上向きに傾けて形成されていてもよい。
開弁時に流体の圧力で、弁体5がシャフト4周りに過度に搖動して、弁室22や下流側配管の壁に衝突して、弁体5、弁箱9、下流側配管などが損傷することを防ぐために、弁箱9のストッパー板3’には、弁体5に当接して搖動範囲を規制する規制部31が設けられている。図8に示されている実施形態では、規制部31は、ストッパー板3’の出口流路32の流路壁の上部に設けられており、ストッパー板3’の上流側の弁本体2と当接する端面から下流側の端面に向かって流路中心軸線へ向かって延びるテーパ状に形成されている。
弁体5は、ディスク51と、ディスク51に固定されるシールホルダ53と、ディスク51とシートホルダ53との間に保持されるバルブシート52とを含んでおり、シートホルダ53とディスク51との固定は、ボルトのような締結具を用いる方法など適宜の方法によって行われる。ディスク51は、略円盤状であり、上部にシャフト4を挿通するためのアーム部を有する。弁室22内には、シャフト4が、入口流路23の流路軸線と垂直に延びるように弁箱9に支持され、ディスク部51のアーム部がシャフト4周りに回動可能となるように、シャフト4がアーム部に挿通されている。このように弁箱9に搖動可能に軸支された弁体5が弁座21に接離可能となっている。シャフト4が挿通されるアーム部のシャフト孔は、アーム部がシャフト4に対して径方向に移動することを許容できるように、シャフト4の直径よりも大きく形成されていることが好ましい。この場合、シャフト孔は、シャフト4の直径よりも大きい直径の円形断面を有してもよく、少なくとも短軸がシャフト4の直径よりも大きい直径の楕円形断面を有してもよい。このようにアーム部がシャフト4に対して径方向に移動することができるようになっていると、弁体5と弁座21との当接時にディスク51が弁座21の弁座面に合せて傾斜することが可能となり、弁体5(詳細には、バルブシート52の環状隆起部521)と弁座21とが均等に圧接しやすくなる。
図9に詳細に示されているように、ディスク51は、第1の実施形態のスイング式逆止弁1の場合と同様に、閉弁時の弁座側の面に形成されたシート受容凹部512と、シート受容凹部512の周囲部分によって構成されるシートガイド部511とを含んでおり、バルブシート52の少なくとも一部(後述する環状隆起部521)がシートガイド部511を越えて外部へ突出した状態となるように、バルブシート52がシート受容凹部512内にシートホルダ53によって保持される。また、後述するバルブシート52の外周部(閉弁時に弁座21と相対するバルブシート52の領域)の撓み変形を許容するように、バルブシート52の外周とシートガイド部511との間に隙間が形成されるようになっている。
バルブシート52は、熱可塑性樹脂から形成されており、略円盤形状を有し、その外周縁部に環状に延びる隆起部521が形成されている。このような環状隆起部521を設けることにより、バルブシート52と弁座21との接触面積を小さくし、比較的小さな流体圧の作用下でも、バルブシート52と弁座21との間に大きな面圧を得ることができる。この結果、低圧時でもシール性を向上させることが可能となる。
また、上述したように、シートガイド部511とバルブシート52の外周部との間には隙間が形成されているため、ディスク51にバルブシート52を保持する際に、バルブシート52がディスク51上の予め定められた位置からずれて配置される可能性があり、シール不良の原因となり得る。このため、ウエハ形逆止弁11では、ディスク51に対してバルブシート52を予め定められた位置に配置するための軸合わせ部が設けられている。
図8及び図9に示されている実施形態では、軸合わせ部として、貫通孔である嵌合凹部522が形成されており、シートホルダ53に形成された突出部531を嵌合凹部522に嵌合させて嵌合凹部522の内周面とシートホルダ53の突出部531の外周面とを係合させ、シートホルダ53とディスク51とを固定することにより、ディスク51に対して予め定められた位置にバルブシート52を位置決めできるようになっている。しかしながら、軸合わせ部は、ディスク51に対して予め定められた位置にバルブシート52を位置決めできるようになっていれば、図示されている形態に限定されるものではない。例えば、軸合わせ部は、第1の実施形態において例示した嵌合凹部524のような他の形態も採用することが可能である。
このような構成により、第1の実施形態のスイング式逆止弁1と同様に、入口流路23から弁室22へ向かって流体が流入すると、その圧力で弁座21と当接する弁体5が搖動して弁座21から離間し、開弁状態となり、入口流路23から弁室22への流体の流入を許容する一方、入口流路23からの流体の流入が停止するか、または、出口流路32から流体が逆流して弁室22に流入すると、弁体5の自重及び逆流する流体の圧力で、弁体5が回動して弁座21に圧接され、閉弁状態となり、出口流路32から入口流路23への逆流を防止する。
第3の実施形態によるウエハ形逆止弁11の弁体5は、上述したように、ディスク51と、ディスク51に固定されるシートホルダ52と、ディスク51とシートホルダ53との間に保持されるバルブシート52とを含んでいる点で、第1の実施形態のスイング式逆止弁1の弁体5と共通している。したがって、第3の実施形態のウエハ形逆止弁11の弁体5も第1の実施形態のスイング式逆止弁1の弁体5と同様の構成を採用することができ、同様に、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との対向面の間に空間54を形成して、弁体5と弁座21との当接時にバルブシート52の撓み変形を許容することにより、弁体5のバルブシート52と弁座21の弁座面とをより均一に当接させるようになっている。
図8及び図9に示されている実施形態では、バルブシート52のディスク側表面の外周部が外周縁部へ向かうにつれディスク51から離れる方向にテーパ状に傾斜するようにバルブシート52を形成することによって、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との間に空間54を形成している。この場合、バルブシート52は、中央部のみがディスク51と接するような円錐形状又は円錐台形状を有していることが好ましい。テーパ状傾斜部は、バルブシート52の中央部と外周縁部との間の一部のみに形成されていてもよい。また、テーパ状部分の傾斜角度(ディスク51のシート受容凹部512の底面と平行な平面とテーパ状部分の表面とがなす角度)は、3°〜30°の範囲であることが好ましい。このような構成のバルブシート52の作用及び効果は、第1の実施形態におけるバルブシート52の作用及び効果と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第4の実施形態のリフト式逆止弁12を説明する。図10及び図11では、図1及び図2に示されている第1の実施形態の逆止弁1の各構成要素と対応する構成要素に共通の参照符号を付している。
第1の実施形態から第3の実施形態として、弁体5を搖動させて弁座21に当接させることによって、弁の開閉を行うタイプの逆止弁に本発明を適用した実施形態を説明した。しかしながら、本発明の適用対象は、弁体5を搖動させるタイプの逆止弁に限定されるものではない。例えば、図10及び図11に示されている実施形態のように、弁座21に対して垂直な方向に移動可能な弁体5を弁座21に接離することによって弁の開閉を行うリフト式逆止弁12にも適用可能である。
リフト式逆止弁12は、アングルタイプであり、弁箱9と、弁体5とを備える。弁箱9は、弁本体2と、弁本体2に固定されるボンネット3とによって構成されており、弁本体2とボンネット3との接合面の間には、シール部材6が設けられている。弁本体2とボンネット3との固定方法は、図10及び図11に示されている実施形態では、キャップナットを用いて、キャップナットと弁本体2との間にボンネット3の一部を挟持する方法が用いられているが、特に限定されるものではない。
弁本体2には、弁室22と、弁室22に連通する入口流路23及び出口流路24とが形成されている。また、入口流路23の弁室22側の開口部の周囲には、環状の平坦面である弁座21が形成されており、弁座21は、入口流路23の流路軸線に垂直な平面に対して上向きに傾斜されている。さらに、弁本体2には、弁座21に垂直に延びる側管部25が形成されており、側管部25の上部開口にボンネット3が装着される。
弁体5は、弁軸8’に支持されており、側管部25内に設けられた弁軸ガイド部33に沿った弁軸8’の移動により、弁座21に接離可能となっている。図10及び図11に示されている実施形態では、弁軸ガイド部33は、ボンネット3を側管部25に装着したときに側管部25内に挿入されるボンネット3の一部分として形成されている。
弁体5は、第1の実施形態の逆止弁1と同様に、弁軸8’に取り付けられるディスク51と、ディスク51に固定されるシートホルダ53と、ディスク51とシートホルダ53との間に保持されるバルブシート52とを含んでいる。図10及び図11に示されている実施形態では、弁軸8’とディスク51とが一体的に形成されていると共に、バルブシート52とシートホルダ53の中央部に貫通孔が設けられており、ディスク51とシートホルダ53との間にバルブシート52を挟んだ状態で、これら貫通孔に挿通したボルトをディスク51に設けられたネジ穴に螺合させ、ディスク51にシートホルダ53を固定することにより、ディスク51に、バルブシート52を保持している。
図10及び図11に示されている実施形態では、弁軸8’とディスク51とを一体的に形成しているが、弁軸8’へのディスク51の取り付け方法は、図示されている実施形態に限定されるものではなく、例えば、弁軸8’の先端に雄ネジ部を設けると共に、ディスク51に対応する雌ネジ部を設け、螺合により弁軸8’にディスク51を取り付けてもよい。また、ディスク51へのバルブシート52の保持方法も図示されている実施形態に限定されるものではなく、接着、溶着、溶接などにより行うことも可能である。
図11に詳細に示されているように、ディスク51は、閉弁時の弁座側の面に形成されたシート受容凹部512と、シート受容凹部512の周囲部分によって構成されるシートガイド部511とを含んでおり、バルブシート52の少なくとも一部(後述する環状隆起部521)がシートガイド部511を越えて外部へ突出した状態となるように、バルブシート52がシート受容凹部512内にシートホルダ53によって保持される。また、後述するバルブシート52の外周部(閉弁時の弁座21と相対するバルブシート52の領域)の撓み変形を許容するように、バルブシート52の外周とシートガイド部511との間に隙間が形成されるようになっている。
バルブシート52は、熱可塑性樹脂から形成されており、略円盤形状を有し、その外周縁部に環状に延びる隆起部521が形成されている。このような環状隆起部521を設けることにより、バルブシート52と弁座21との接触面積を小さくし、比較的小さな流体圧の作用下でも、バルブシート52と弁座21との間に大きな面圧を得ることができる。この結果、低圧時でもシール性を向上させることが可能となる。
また、上述したように、シートガイド部511とバルブシート52の外周との間には隙間が形成されているため、ディスク51にバルブシート52を保持する際に、バルブシート52がディスク51上の予め定められた位置からずれて配置される可能性があり、シール不良の原因となり得る。このため、リフト式逆止弁12では、ディスク51に対してバルブシート52を予め定められた位置に配置するための軸合わせ部が設けられている。
図10及び図11に示されている実施形態では、軸合わせ部として、貫通孔である嵌合凹部524が形成されており、ディスク51のシート受容凹部512の底面から突出する突出部513を嵌合凹部524に嵌合させて嵌合凹部524の内周面とディスク51の突出部513の外周面とを係合させ、シートホルダ53とディスク51とを固定することにより、ディスク51に対して予め定められた位置にバルブシート52を位置決めできるようになっている。しかしながら、軸合わせ部は、ディスク51に対して予め定めれた位置にバルブシート52を位置決めできるようになっていれば、図示されている実施形態に限定されるものではない。例えば、軸合わせ部は、第1の実施形態において例示した嵌合凹部522のような他の形態も採用することが可能である。
このような構成により、第1の実施形態のスイング式逆止弁1と同様に、入口流路23から弁室22へ向かって流体が流入すると、その圧力で弁座21と当接する弁体5が上昇して弁座21から離間し、開弁状態となり、入口流路から弁室22への流体の流入を許容する一方、入口流路23からの流体の流入が停止するか、または、出口流路24から流体が逆流して弁室22に流入すると、弁体5の自重及び逆流する流体の圧力で、弁体5が下降して弁座21に圧接され、閉弁状態となり、出口流路24から入口流路23への逆流を防止する。
第4の実施形態によるリフト式逆止弁12の弁体5は、上述したように、ディスク51と、ディスク51に固定されるシートホルダ52と、ディスク51とシートホルダ53との間に保持されるバルブシート52とを含んでいる点で、第1の実施形態のスイング式逆止弁1の弁体5と共通している。したがって、第4の実施形態のリフト式逆止弁12の弁体5も第1の実施形態のスイング式逆止弁1の弁体5と同様の構成を採用することができ、同様に、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との対向面の間に空間54を形成して、弁体5と弁座21との当接時にバルブシート52の撓み変形を許容することにより、弁体5のバルブシート52と弁座21の弁座面とをより均一に当接させるようになっている。
図10及び図11に示されている実施形態では、バルブシート52のディスク側表面の外周部とディスク51のシート受容凹部512の底面の外周部が外周縁部へ向かうにつれ互いから離れる方向にテーパ状に傾斜するようにディスク51のシート受容凹部512及びバルブシート52を形成することによって、弁体5が閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52との間に空間54を形成している。テーパ状傾斜部は、ディスク51のシート受容凹部512又はバルブシート52の中央部と外周縁部との間の一部のみに形成されていてもよい。また、テーパ状部分の傾斜角度(ディスク51のシート受容凹部512の底面と平行な平面とテーパ状部分の表面とがなす角度)は、3°〜30°の範囲であることが好ましい。このような構成のバルブシート52の作用及び効果は、第1の実施形態や第2の実施形態におけるバルブシート52の作用及び効果と同様であるので、ここでは説明を省略する。
以上、図示された実施形態を参照して、本発明による逆止弁を説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではない。例えば、図示されている第1の実施形態及び第2の実施形態のスイング式逆止弁1,1’や第3の実施形態のウエハ形逆止弁11では、閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51とバルブシート52の対向面の間に空間54を形成するために、ディスク51又はバルブシート52の一方にテーパ状の傾斜部を設けている。しかしながら、例えば、第4の実施形態のリフト式逆止弁12のように、スイング式逆止弁1,11でも、閉弁時に弁座21と相対する領域において、ディスク51及びバルブシート52の両方で、互いから離れる方向にテーパ状に傾斜させるように形成してもよい。また、第1の実施形態から第4の実施形態の説明において、例示されている各構成要素間の固定方法、例えば、ディスク51とシートホルダ53との固定方法など、は、異なる実施形態の逆止弁にも適用可能である。さらに、第1の実施形態の説明で記載したように、第2の実施形態から第4の実施形態でも、シートホルダ53を用いることなく、ディスク51にバルブシート52を固定することも可能である。