JP4743829B2 - 記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、音楽情報や映像情報などのデジタル情報を記録したディスク状の記録媒体に関する。
デジタル情報を記録するディスク状の記録媒体には、音楽情報を収録したCD(コンパクトディスク)や、映画などの映像情報を記録したDVD(Digital Versatile Video Disc)などの再生専用型光ディスク、光ディスク上に1回だけデータを記録することが可能な追記型光ディスク、何回でも書き換え可能な書換型光ディスクが存在する。
ところで、これらの記録媒体に記録されたデータを読み出し、追記型光ディスクや書換型光ディスクにそのデータを記録することは、極めて容易に行うことができる。このため、例えばDVDの場合、デジタル著作物が不正にコピーされることを防止する技術が採用されてきた。
例えば、CSS(Content Scrambling System)と呼ばれる不正コピー防止システムでは、映画等の圧縮されたデジタルコンテンツを3階層の秘密鍵(タイトル鍵、ディスク鍵、マスター鍵)を用いて暗号化した後に、その暗号化コンテンツをユーザーがアクセス可能なユーザー情報として、ディスク(記録媒体)に映像情報とともに記録しておく。そして、それらの暗号鍵の中で最も重要なマスター鍵についてはライセンスを受けた正規のDVD機器メーカーにだけ通知しておき、個々のDVD毎及びタイトル毎に必要とされるディスク鍵及びタイトル鍵については、マスター鍵に基づいて暗号化した後に、ユーザーがアクセスできない制御情報領域(リードイン領域)に格納しておくというものである。
これによって、ライセンスを受けていない不正なDVD再生装置による暗号化コンテンツの復号は不可能となるので、暗号化されていない状態のデジタル著作物が記録されたDVDを大量に製造し販売する等の不正行為が防止される(以上、下記非特許文献1参照)。
またこの他にも、DVDの内周にあるプリフォーマット領域にコピー禁止のビットを設けたアンチコピープロテクト技術がある。この技術では、再生側のDVDプレーヤー側にもコピー禁止のビットを検出する機構が設けてあり、このビットを有するDVDが再生された場合、コピーできないようにロックがかかる。
さらに、一部の高価なソフトウェアでは、特別なハードウエアキーの外部への追加や、キーディスクと呼ばれるコピー防止のための特別なデータディスクを添付する等して違法コピーを防止する対策を取っているものもある。
日経エレクトロニクス1996.11.18 p.13−14
しかしながら、上述したCSS不正コピー防止システムでは、ライセンスを受けた者が誤って暗号鍵を市場に流通させる等、不測の人為的ミスによって暗号が流出した場合には、データのコピーを防止することはできない。また、暗号が解読される危険性もある。
そして、上述したアンチコピープロテクト技術では、プリフォーマット領域に設けたコピー禁止のビットの信号検出を回避する再生装置が出現した場合には、データのコピーを防止することはできない。
さらに、特別なハードウエアキーや特別なデータディスクを用いた違法コピー防止方法では、同一ユーザーでも再生装置の機種に限定された使い方などがあり、ユーザーの使い勝手が不便であった。しかも、特別なキーディスクを添付する場合には、キーディスクの紛失に注意するなど、ユーザー側にも特別な注意が必要とされる。
そこで本発明は、特別な再生装置を必要とせずに一般的な生成装置を用いて再生が可能でありながら、不正コピーを確実に防止可能なデジタル情報の記録媒体を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、ディスク状基材の記録面にデジタルデータが記録された記録媒体に関し、少なくとも1つのプログラムファイル内に、データの複製が不可能な読取不可領域を設けたことを特徴としている。この読取不可領域は、データの認識が不可能な構成となっている。
このような構成の記録媒体では、プログラムファイル内に、データの認識が不可能な構成となっている読取不可領域を設けたことにより、パーソナルコンピュータなどのコンピュータでプログラムファイルを複製しようとした場合に、プログラムファイル全体を認識することができず、コンピュータへのプログラムファイルの読み込みが不可能となる。このため、プログラムファイルを複製することができない。
一方、読取不可領域を回避して前記記録領域に記録されたデジタルデータを再生するための再生制御用のデジタルデータが記録された再生用のプログラムファイルを備えたことにより、読取不可領域を有するプログラムファイルに記録されているコンテンツを再生する場合には、当該読取不可領域を回避してコンテンツデータが再生されるようにする。
以上説明したように本発明の記録媒体によれば、コンテンツデータであるデジタルデータを有するプログラムファイル内に読取不可領域を設けたことにより、パーソナルコンピュータなどへのプログラムファイルの読み込み自体が不可能となる。したがって、特別な再生装置を必要とすることなく、またユーザーに特別な注意を求められることなく、コンテンツデータの他の記録媒体へのコピーを完全に防止することが可能になる。
以下、本発明の記録媒体の詳細な構成を説明する。
図1の斜視図に示すように、本発明の記録媒体はディスク状の記録媒体1であり、特に本実施形態では、映画などの映像情報を記録したDVD(Digital Versatile Video Disc)などの光ディスクを例示して実施の形態を説明する。
図1に示す記録媒体100は、センターホール101が設けられた直径12cm程度の円形ディスクからなる基体の記録面に、内周側から外周側に向けて、例えばリードインエリア102、データエリア103、リードアウトエリア104が設けられている。各エリア102〜104には、センターホール101を中心に螺旋状、または同心円状に記録ピットが配列されている。ただし、本発明の記録媒体は、このような3つのエリアを有する記録媒体に限定されることはない。
このような記録媒体100には、複数のプログラムファイルが収納されている。例えば、この記録媒体100が、映画などの映像情報を記録したDVDであれば、本編のコンテンツデータが記録された少なくとも1つのプログラムファイル(以下、コンテンツファイル)と共に、このコンテンツファイルに収納されたコンテンツデータを再生するための再生制御データが記録されたプログラムファイル(以下、再生制御ファイル)、再生部を選択するためのメニュー画面用のプロググラムファイル(メニュー画面用ファイル)、最初に表示されるファーストプレイ用のプログラムファイル(ファーストプレイ用ファイル)、さらには記録媒体の記録面にキズなどが入った場合に動作する誤り訂正用のプログラムファイル(誤り訂正ファイル)などが収納されている。
図2には、プログラムファイルの構成として、コンテンツファイルの構成を、再生順に従って時系列で示す。
この図に示すように、コンテンツファイル1は、コンテンツデータが記録された記録領域3-1,3-2,…、および各記録領域3-1,3-2,…の先頭(前)に設けられたチャプタ領域5-1,5-2,…を備えている。そして、本実施形態における特徴として、先頭の記録領域3-1の前に、読取不可領域7が設けられている。尚、読取不可領域7は、コンテンツファイル1内に少なくとも1箇所設けられていれば良く、記録領域3-1,3-2の間に設けても良い。
このうち、記録領域3-1,3-2,…は、各オブジェクトに分割されたコンテンツデータをデジタル信号化したデジタルデータが設けられた領域である。これらの記録領域3-1,3-2,…に設けられたデジタルデータは、それぞれ所定長さを有する記録ピット11a、11bを、それぞれ所定の間隔でディスクの周方向に沿って配列したピット列からなる。
また、チャプタ領域5-1,5-2,…は、各記録領域3-1,3-2,…の「頭だし」を決めるための領域である。これらのチャプタ領域5-1,5-2,…に設けられたデジタルデータは、例えば所定長さLの記録ピット11aを所定間隔dでディスクの周方向に配列したピット列からなり、ゼロ信号の配列で構成されている。そして、このピット列の長さ、すなわち各チャプタ領域5-1,5-2,…の長さは、所定の長さLcに設定されている。この長さLcは、この記録媒体を再生する再生装置の訂正信号が作動しないように十分な長さに設定されていることとする。
ここで、記録領域3-1,3-2,…に設けられた各記録ピット11a,11b、およびチャプタ領域5-1,5-2,…に設けられた記録ピット11a、11bは、記録媒体の記録形式によって異なる構成となっている。例えば、この記録媒体が、再生成型光ディスク(DVD−ROM)であれば、ディスク状の基体の記録面を構成する反射膜に設けた凹凸形状の記録ピット11a,11bを有する。この記録ピット11a,11bは、記録面のランドに対して凹(または凸)となっている。また、この記録媒体が、追記型光ディスク(DVD−R,DVD+Rなど)であれば、記録面を構成する記録膜の結晶性や相状態によって反射率を変化させた部分が記録ピット11a,11bとなる。
そして、読取不可領域7は、データの読み取りが不可能な領域として設けられている。
ここで、記録媒体1が再生専用型光ディスクである場合、情報の識別は「0」と「1」のデジタル信号で行われるが、この「0」と「1」は記録ピット11a,11bの長さではなく、記録ピット11a,11bの周期を利用している。したがって、パーソナルコンピュータ等の読み取り装置では、この周期(周波数変換)が検出されない領域は、正常な領域ではないと判断されてデータの読み取り作業が中断されるため、読み取りが不可能な領域となる。
そこで、この読取不可領域7は、例えば、少なくともこの記録媒体を再生する再生装置の訂正信号が作動しない充分な長さLeのピット13が配置されている領域として構成されていることとする。ここで、再生装置の訂正信号は、この記録媒体の誤り訂正ファイルに記録されている誤り訂正プログラムによって作動する。したがって、ピット13の長さLeは、記録媒体が保有する誤り訂正プログラムが作動する範囲以上の長さとなっている。このため、ピット13の長さLeは、典型的には、ディスク状の記録媒体の記録面に対して、同心円状に中心角で1度〜360度の長さであることとする。また、ピット13は、記録ピット11a,11bの幅以上で、かつ5cm以下の幅を有していれば良い。尚、この様な長さLeのピット13が配置されている読取不可領域7の長さL0は、ピット13の長さLe以上となっている。
そして、この読取不可領域7に設けられるピット13の構成は、上述した長さLeを有していれば、記録領域3-1,3-2,…およびチャプタ領域5-1,5-2,…に設けられた記録ピット11a,11bと同様であって良い。すなわち、この記録媒体が、再生成型光ディスク(DVD−ROM)であれば、ディスク状の基体の記録面を構成する反射膜に設けた凹凸形状の記録ピット11a,11bと同様な幅と深さで、長さのみが異なる形状でピット13が構成される。一方、この記録媒体が、追記型光ディスク(DVD−R,DVD+Rなど)であれば、記録ピット11a,11bは、レーザーで加工する場合があるので、ピット13は、追記型光ディスクの記録マークを上書きする幅以上で、かつ100μm以下の幅で、上記の長さLeで構成されることになる。
尚、読取不可領域7は、長さLe以上の範囲にピット13が配置されておらず、ディスク状の基体の記録面が平坦であるかまたは反射率が均一に設定されていても良い。
また読取不可領域7には、上述した長さLeで記録ピット11a,11bとして認識されないような規格外の形状のピットのみが配列されていても良い。
またこの他にも、読取不可領域7としては、読み取り装置によるレーザーでの読み取りができないように物理的な処置が施されていても良い。このような構成として、例えばレーザー光の反射を抑える塗装などを塗布した領域を読取不可領域7としても良い。またさらに、特定の波長の光だけ、その透過率を変えることができるフィルターを設けた領域を読取不可領域7としても良い。この場合、信号ピット11a,11bよりも十分に広い幅(1μm〜500μmの幅)で塗料またはフィルターが設けられていることとする。
そして、この記録媒体に収納された再生制御ファイルには、このコンテンツファイル1に設けられた読取不可領域7を回避し、記録領域3-1,3-2,…に記録されたデジタルデータのみが再生されるように、再生用のプログラムが記録されていることとする。
また、このような読取不可領域7を備えたコンテンツファイル1を有する記録媒体には、読取不可領域7を含まない他のプログラムファイル(他のコンテンツファイル)に対して、読取不可領域7を含むプログラムファイル1を優先して読み込ませるためのプログラムファイル(優先順位ファイル)を設けても良い。
このような記録媒体の作製は、図3に示すような次の手順で行われる。
先ず、ステップS1では、画像情報などのコンテンツデータをMPEG2(Moving Picture Experts Group Phase 2)フォーマットに変換して圧縮してデジタル信号化する、いわゆるエンコードを行う。
次のステップS2では、エンコードによりデジタル信号化されたコンテンツデータに、チャプタポイントを設定したり、メニュー画面を作成するオーサリング作業を行い、各種プログラムファイルとして、コンテンツファイル、再生制御ファイル、ファーストプレイ用ファイル、さらにはメニュー画面用ファイルを作製する。
すなわち、このオーサリング作業においては、コンテンツデータの先頭にパーソナルコンピュータなどでは複製が不可能な読取不可領域を形成するためのデータを作成する。そして、コンテンツデータにチャプタポイントを設定することで、コンテンツデータを複数のオブジェクトにグループ分けする。そして各オブジェクトの先頭にチャプタポイントが設定された状態とする。またさらに、コンテンツデータと共に、設定したチャプタポイントと読取不可領域のデータとを1つのまとまりを持ったプログラムファイル(コンテンツファイル)として定義する。
またこのオーサリング作業においては、1つのコンテンツファイルにおいて設定された読取不可領域の後の先頭のオブジェクトから順に再生が行われるように、各オブジェクトの再生に必要な再生制御データを作成し、これを1つのプログラムファイル(再生制御ファイル)として定義する。
さらに、複数のオブジェクトを先頭から順に再生したり、選択したオブジェクト毎に再生したり、選択したオブジェクト以降を順に再生するなどの選択が可能なメニュー画面などに関するデータを作成する。
ここでは、例えば図4に示すように、記録媒体を再生装置にセットした場合に、最初に再生されるファーストプレイ画面41のデータを作成し、これを1つのプログラムファイル(ファーストプレイ用ファイル)として定義する。
さらにファーストプレイ画面41の再生に続いて再生されるメニュー画面42のデータを作成する。この場合、このメニュー画面42には、記録媒体に収録されているコンテンツのタイトルa,b,…が表示され、メニュー画面42に表示されたタイトルa,b,…のうち、視聴者が選択したタイトル(例えばタイトルa)についてのコンテンツファイルaが、上述した再生制御ファイルの再生制御データに基づいて再生されるようにデータを作成し、これを1つのプルグラムファイル(メニュー画面用ファイル)として定義する。
以上のようなオーサリング作業を終了した後、図3に示すステップS3では、このオーサリング作業によって作成したデータをマスターテープに収録する。
そして続くステップS4では、このマスターテープに収録されたデータに基づいて、例えばDVD−ROMの原盤となるスタンパーを作製する。ここで、スタンパーには、図2のプログラムファイルの構成図を用いて説明したような、記録ピット11a,11bおよびピット13が凹凸形状で各領域に形成される。つまり、各記録領域3-1,3-2,…には、コンテンツデータをグループ分けした各オブジェクトのデジタルデータが、凹凸形状の記録ピット11a,11bとして形成される。また、各チャプタ領域5-1,5-2,…には、チャプタポイントに関するデジタルデータが、凹凸形状の記録ピット11a,11bとして形成される。そして、読取不可領域7には、連続した凹部または凸部で構成されたでピット13が形成されるか、またはピット13が設けられない平坦面に保たれる。
そして、ステップS5では、先に作製したスタンパーを用い、スタンパー表面に形成された凹凸形状を、円形ディスクの表面に転写する。そして凹凸形状が形成された円形ディスクの表面を反射膜で覆ってこれを記録面とし、更にこの記録面を保護膜で覆い、図1に示した記録媒体1を完成させる。
また、例えばここで作製する記録媒体1が、DVD−RなどのレーザーでDVD情報をディスクに焼き付けるものである場合には、ステップS2のオーサリング作業によって作成したデータを、円形ディスクからなる基体の記録面に焼き付けることによって転写し、記録媒体1を完成させる。
尚、以上の各データで構成されたプログラムファイルのうち、ファーストプレイ用ファイル、メニュー画面用ファイル、再生制御ファイル、さらに優先順位ファイル、コンテンツファイル、および上述したその他のプログラムファイル、さらにはオーサリング作業の後に発生する画像構成を記述したVIDEO TS.IFOファイル等は、図1のデータ記録エリア103に記録されることになる。
以上のような構成の記録媒体におけるコンテンツデータの再生は、一例として図4を参照して次のように行われる。
先ず、記録媒体を再生装置にセットすると、先ず、再生制御用ファイルに従って、例えばファーストプレイ画面41が再生され、次いでメニュー画面42が再生される。そして、メニュー画面42において再生されたタイトルa,b,…のうち、視聴者が選択したタイトル(例えばタイトルa)にしたがって、そのタイトルaのコンテンツファイルaが指定される。そして、指定されたコンテンツファイルaに記録されたコンテンツデータが、再生制御ファイルに記録された再生制御データに基づいて再生される。
この際、再生制御データにより、図2を用いて説明したように、コンテンツファイル1(ここでは、先に指定されたコンテンツファイルa)において、読取不可領域7の次に設けられた記録領域3-1の先頭を再生開始ポイントpとし、この再生開始ポイントpから時間経過に沿って記録領域3-1、記録領域3-2、…の順にデータの再生を行う。したがって、再生ポイントが、記録領域3-1よりも前に設けられている読取不可領域7を経由することはない。
そして、以上説明した構成の記録媒体では、プログラムファイルの1つであるコンテンツファイル1内に読取不可領域7を設けたことにより、パーソナルコンピュータ等の読取装置にコンテンツファイル1を読み込もうとした場合には、読取装置は記録媒体100のリードインエリア102から順に(ピット構成された順に)記録媒体100に記録されたデータを読み込む。このため、読取不可領域7を備えたコンテンツファイル1から読取が開始されるが、このコンテンツファイル1の読取不可領域7には、上述したようにデータとして読取ができないピット13が設けられているため、読取装置のピックアップ用レーザではデータとして読み取ることができず、コンテンツファイル1の読取動作を停止してしまうのである。
つまり、パーソナルコンピュータなどの読取装置では、記録媒体に記録されたプログラムファイルをそのまま読み取ってコピーするため、プログラムファイルに読み取り不能な領域が存在した場合、この領域によってプログラムファイルが物理的に分断され、これを不良ディスクと認識する。したがって、プログラムファイル自体の読み込み自体が中断されるのである。仮に、この読取不可領域でもデータが認識されるように読取装置側の読み取り精度のマージンを広くすると、今度は正規のデータとして記録領域やチャプタ領域に設けられた記録ピットを識別できなくなるため、読取装置として機能しなくなる。
ここで、多くのピッキングソフトを用いて違法コピーを行う場合には、記録媒体に記録されたプログラムファイルを、一旦、パーソナルコンピュータのハードディスクにコピーし、プログラムファイル内の画像を含む部分のCSSの暗号化した秘密鍵を解読するしくみになっている。ところが、本実施形態の記録媒体では、上述したように、パーソナルコンピュータにコンテンツファイル1を読み込むこと自体が不可能となるため、コンテンツファイル1を他の記録媒体にコピーすることが不可能となる。
この結果、特別な再生装置を必要とすることなく、またユーザーに特別な注意を求められることなく、他の記録媒体に対してのコンテンツデータのコピーを完全に防止することが可能になる。
そして特に、優先順位ファイルを設けた場合には、記録媒体に記録された全てのコンテンツデータの読取り、および複製が不可能になる。
尚、上述した実施の形態においては、図2を用いて説明したように、コンテンツファイル1の先頭に、読取不可領域7を設けた構成を説明した。しかしながら、読取不可領域7は、コンテンツファイル1内に少なくとも1箇所設けられていれば良く、記録領域3-1,3-2の間に設けても良い。この場合であっても、読取不可領域7を回避して先頭の記録領域3-1に記録されたデータ(オブジェクト)から順に再生が行われるように、各オブジェクトの再生に必要な再生制御データを作成する。尚、このような読取不可領域7の設定と再生制御データの再生制御ファイルの作成は、図3を用いて説明したオーサリング作業によって実施されることとする。
尚、上述した実施の形態においては、コンテンツファイル1に読取不可領域を設けた構成を説明した。しかしながら、読取不可領域を設けるプログラムファイルは、ファーストプレイ用ファイルや、VIDEO TS.IFOファイルのような再生制御ファイル、およびメニュー画面用ファイルであっても良い。ただし、これらのファイルに読取不可領域を設ける場合であっても、読取不可領域を回避してこれらのファイルのデータを正常に作動させるための再生制御ファイルを、記録媒体に設けることは必須である。
通常、これらのプログラムファイルには、CSSの暗号化した秘密鍵が設定されていない。このため、これらのプログラムファイルに読取不可領域を設けることにより、より効果的にピッキングソフトを用いたコンテンツデータの違法コピーを防止することが可能になる。これは、リッピングソフトが当該プログラムファイルの情報を基にコンテンツの映像データを分析することによる。
また、パーソナルコンピュータで当該コンテンツをコピーしようとした場合、または当該コンテンツの各種ファイルを記述した領域を閲覧する場合にのみ、前記読取不可領域を含んだファイルに優先して再生するようにしても良い。
また、上述した製造方法では、記録領域の記録ピット11a,11bと、読取不可領域のピット13を同時に形成する手順を説明した。しかしながら、読取不可領域のピット13の形成は、記録領域の記録ピット11a,11bの形成と別工程で行っても良い。
例えば、凹凸形状の記録ピット11a、11bの形成とは別に、読取不可領域に、上述した長さLeでレーザーでの読み取りが出来なくなる程度の幅1μm〜500μmの幅で塗料を塗る工程を行っても良い。
またこの記録媒体が、追記型光ディスク(DVD−R,DVD+Rなど)であれば、追記型光ディスクにおける記録ピットである記録マークは、緑色レーザーで50mwの熱エネルギーを短時間に照射することで、容易に記録ピットを消滅させることができる。この際、毎分60回転程度の回転速度で追記型光ディスクを回転し、当該読取不可領域内に幅100μm程度の幅で前記緑色レーザーを2秒程度照射することにより、当該追記型光ディスクの読取不可領域内に記録されたピットを損壊させ、所定長さLe以上でピットが配置されない部分を形成しても良い。
さらに、上述したステップS5では、読取不可領域にも予め記録ピットを形成しておき、その後レーザー等の光源を利用して予め記録された記録ピットを、上述した長さLe分だけ破壊しても良い。また、読取不可領域に予め形成した記録ピットを、上述した長さLe分だけつぶすように、幅1μm〜1mm、深さ1μm〜500μm程度の凹部を形成しても良い。
本発明により、DVDなどの記録媒体のコンテンツデータを違法にコピーしようとする行為を未然に防ぐことができ、コンテンツ制作者の権利を保護できるため、健全なコンテンツを作る環境に対しての多大な貢献が可能となる。
本発明が適用される記録媒体の一構成例を示す斜視図である。 実施形態の記録媒体におけるプログラムファイルの一構成例を示す図である。 実施形態の記録媒体の作製手順を示す図である。 実施形態の記録媒体におけるコンテンツデータの再生手順を説明する図である。
符号の説明
1…コンテンツファイル(プログラムファイル)、3-1,3-2,…記録領域、5-1,5-2,…チャプタ領域、7…読取不可領域7、11a,11b…記録ピット、13…ピット、100…記録媒体

Claims (4)

  1. ディスク状基材の記録面にデジタルデータが記録された記録媒体であって、
    少なくとも1つのプログラムファイル内に、デジタルデータが記録された記録領域と共にデータの複製が不可能な読取不可領域が設けられ、
    前記読取不可領域を回避して前記記録領域に記録されたデジタルデータを再生するための再生制御用のデジタルデータが記録された再生用のプログラムファイルを備え、
    前記記録領域には、前記デジタルデータとして所定長さを有する記録ピットが所定間隔で配列され、
    前記読取不可領域には、認識不可能なデータとして、当該記録媒体が保有する誤り訂正プログラムが作動する範囲以上の長さを有するピットが配置されている部分を有し、
    前記記録領域に設けられた記録ピットおよび前記読取不可領域に設けられたピットは、前記記録面に設けられた反射率を変化させた部分によって構成されている
    ことを特徴とする記録媒体。
  2. 請求項1記載の記録媒体において、
    前記読取不可領域には、同心円状に中心角で1度〜360度の長さを有するピットが配置されている
    ことを特徴とする記録媒体。
  3. 請求項1または2に記載の記録媒体において、
    前記読取不可領域に設けられたピットは、当該記録媒体の記録ピットの幅以上でかつ5cm以下の幅を有する
    ことを特徴とする記録媒体。
  4. 請求項1記載の記録媒体において、
    前記読取不可領域は、前記プログラムファイルの先頭または中間に、少なくとも1箇所設けられている
    ことを特徴とする記録媒体。
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