JP4743695B2 - エッジプロテクター及び当該エッジプロテクターを用いた浴槽蓋 - Google Patents

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本発明は蓋本体の周縁部に嵌着するエラストマーないし軟質合成樹脂製のエッジプロテクター及び当該エッジプロテクターを用いた浴槽蓋に関する。
浴槽内の湯の保温能力を高めるには、浴槽本体の断熱性能の向上を図るのは勿論のこと、浴槽の上面を覆う浴槽蓋においても特に高い断熱性能が要求されるようになってきている。
2枚一組、あるいは3枚一組というように複数枚の薄板状パネルを組み合わせて使用する組合せ式等の浴槽蓋においては、従来、断熱性能を高めるため、次に示す特許文献にも記載されているように、合成樹脂発泡体等からなる断熱芯材の表裏両面に、硬質のポリプロピレン樹脂、あるいはアルミニウム薄板等によって作成された化粧パネルを積層一体化させて蓋本体を形成し、当該蓋本体の周縁部に滑り止め効果を有するエラストマー製ないし軟質合成樹脂製のエッジプロテクターを嵌め付けて構成したものが一般に市販されている。
特開平11−32930公報
外周縁全体にエッジプロテクターを嵌着した浴槽蓋の場合、浴槽本体のフランジ部上面が水平を保持しており、且つ蓋本体のエッジプロテクターもその長手方向に沿って水平状態を保持しているものであれば、施蓋状態において両者間に隙間が生ぜず、湯気の散逸を防ぐことができる。
しかしながら、従来のエッジプロテクターは前記した特許文献にも開示されているように、内側には蓋本体の周縁部を抱き込む凹所が形成され、外側は単純に浴槽本体のフランジ部上面に当接する厚肉部が形成されているだけのものであり、浴槽本体のフランジ部上面が水平状態を保持するものであったとしても、蓋本体のエッジプロテクターの当接面を水平に保持するのは不可能であるか、あるいは非常に困難なことであった。
そのため、施蓋状態において、浴槽本体のフランジ部上面とエッジプロテクターの間には全体を通じて何箇所かの隙間が生ずるのが常であり、この隙間を通じて外気が取り込まれることにより湯温の低下を招来するという問題点があった。
したがって、本発明の目的は、浴槽本体のフランジ部の上面に蓋本体を被せた状態においてエッジプロテクターと浴槽上面との間に隙間が生ずるようなことがなく、湯温の低下を有効に防止することができるようになしたエッジプロテクター及び当該エッジプロテクターを用いた浴槽蓋を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の構成を詳述すれば、請求項1に係る発明は、薄板状をなす蓋本体の外周縁全体に嵌着して蓋本体の周縁部を落下衝撃等から保護すると共に、蓋本体が施蓋時において浴槽上で滑動するのを防ぐエッジプロテクターにおいて、当該エッジプロテクター本体の長手方向外縁部にヒレを連続して突成し、且つ当該ヒレの先端縁に膨出部を連続して形成し、当該膨出部を施蓋時に浴槽の上面に当接させるようになしたことを特徴とするエッジプロテクターである。
請求項2に係る発明は、合成樹脂発泡体のような断熱芯材の表裏両面に化粧板を貼設すると共に、外周縁全体にエッジプロテクターを嵌着してなる浴槽蓋において、前記エッジプロテクターの長手方向外縁部にヒレを連続して突成し、且つ当該ヒレの先端縁に膨出部を連続して形成し、当該膨出部を施蓋時に浴槽の上面に当接させるようになしたことを特徴とする浴槽蓋である。
本発明によれば、エッジプロテクターの長手方向外縁部にヒレを突成してあると共に、当該ヒレの先端縁に膨出部を連続して形成してあるので、当該膨出部が僅かではあるが重錘の作用をなし浴槽本体のフランジ部上面に良好に密着し、隙間の発生を完全になくすことができる。したがって、浴槽蓋本体の断熱性能向上に多大な効果を奏する。
以下、図面に基づき本発明に係るエッジプロテクター及び当該エッジプロテクターを用いた浴槽蓋の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明浴槽蓋の一実施形態を示す部分斜視図、図2は図1のA−A線断面図、図3はエッジプロテクターの他の実施形態を示す断面図、図4はヒレ付きエッジプロテクターを用いた浴槽蓋の使用例を示す断面図、図5はヒレの先端に膨出部を形成したエッジプロテクターを用いてなる浴槽蓋の使用例を示す断面図である。
図中1は組合せ蓋等をなす薄板状の蓋本体を示し、2は当該蓋本体1の外周縁全体に嵌め付けた滑り止め効果を有するエラストマー製ないし軟質合成樹脂製のエッジプロテクターである。
蓋本体1は図示する実施形態の場合、合成樹脂発泡体のような高い断熱性能を示現する断熱芯材3の表裏両面に、アルミニウム薄板、あるいは硬質ポリプロピレン樹脂等によって作製された美麗な表面を有する化粧板4,4を接着等の手段で貼設一体化してなるものであるが、本発明を実施する対象としての浴槽蓋はこれに限定されるものではなく、全体として薄板状をなし、浴槽蓋として要求される断熱性能ないし耐熱性を具備するものであれば、積層構造以外のものであってもよいのは勿論である。
エッジプロテクター2は前記蓋本体1の周縁部を密に抱き込むための凹所5を有すると共に、その長手方向外縁部6に所定の幅でヒレ7を連続して突成してある。このヒレ7はエッジプロテクター2の成形の際に同時に押出成形されるものであって、エッジプロテクター2と同一材、すなわち常温で高い弾性を発現するエラストマーとしての合成ゴムのような高分子物質あるいは軟質合成樹脂材等によって製せられるものである。
エッジプロテクター2の外縁部6に突成するヒレ7と、施蓋時に浴槽上面と当接することとなるエッジプロテクター2の底面8とがなす角度は、各種実験の結果、130°〜170°の範囲内、特に150°とした場合が、浴槽のフランジ部上面に良好に接触できることが判明した。
エッジプロテクター2の外縁部6には上記したようにヒレ7のみを連設して、当該ヒレ7の自由端を施蓋時に浴槽のフランジ部上面に当接させるようにしてもよいのは勿論であるが、さらに、当該ヒレ7の先端縁に図2に示すように、膨出部9を連続して形成するようにすると浴槽上面への接触性が一層良好なものとなり、より高い断熱効果が得られる。
前記した膨出部9は図2及び図5に示すように断面円形状となしてもよいし、あるいは図3に示すように下面側に円弧部がくるようにした断面半球状となしてもよい。いずれにしても、ヒレ7の先端縁に膨出部9が形成されることによって、僅かではあるが重錘効果によってヒレ7が斜め下方に垂下するので、浴槽フランジ部上面に良好に接触することができるのである。
図4及び図5により、使用状態につき説明すれば、先ず、エッジプロテクター2の外縁部6にヒレ7のみを連設した実施形態の場合、不使用時(図4A)にはヒレ7は斜め下方を向いている。そして、施蓋時(図4B)において、エッジプロテクター2と浴槽10の間に比較的大きな隙間11が生じたとしても、エッジプロテクター2の外縁部6に突成してあるヒレ7の自由端12が浴槽10の上面に接触して湯気の散逸を防ぐことができる。
また、施蓋時において、エッジプロテクター2と浴槽10の間にほんの僅かな隙間11が生じたとしても、エラストマー等によって製せられたヒレ7は自在に変形して浴槽10の上面に密着し(図4C)、外気が入るのを防ぐことができる。
次に、ヒレ7の先端縁に膨出部9を連続して形成した実施形態の場合、不使用時(図5A)には膨出部9は斜め下方を向いている。そして、施蓋時(図5B)において、エッジプロテクター2と浴槽10の間に比較的大きな隙間11が生じたとしても、エッジプロテクター2の外縁部6に突成してあるヒレ7の先端に形成してある膨出部9が浴槽10のフランジ部上面に接触して隙間11を塞ぐことができる。
また、施蓋時において、エッジプロテクター2と浴槽10の間にほんの僅かな隙間11が生じた場合、エラストマー等によって製せられたヒレ7の先端の膨出部9が浴槽10の上面に密着すると共に、外縁部6と膨出部9を繋ぐヒレ7も浴槽10の上面に当接して(図5C)、隙間11を完璧に塞ぐことができ、外気の侵入を防ぐことができる。
なお、本発明に係る浴槽蓋は、主に2枚一組、あるいは3枚一組というように複数枚の薄板状パネルを組み合わせて使用する所謂組合せ式浴槽蓋を対象としたものであるが、薄板状をなす蓋本体の外周縁にエッジプロテクターを嵌着する浴槽蓋であれば、組合せ式でなくても一枚の蓋本体で浴槽上面を覆うようにしたものであっても本発明を適用できるのは云うまでもない。
このように、本発明エッジプロテクターはその長手方向外縁部にヒレを連続して突成すると共に、当該ヒレの先端部に膨出部を形成したものであり、浴槽上面との接触性を高めることができ、当該エッジプロテクターを薄板状をなす蓋本体の外周縁全体に嵌着することによって浴槽蓋の断熱性能を従来より格段に向上させることができる。
本発明浴槽蓋の一実施形態を示す部分斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 エッジプロテクターの他の実施形態を示す断面図である。 ヒレ付きエッジプロテクターを用いた浴槽蓋の使用例を示す断面図である。 ヒレの先端に膨出部を形成したエッジプロテクターを用いてなる浴槽蓋の使用例を示す断面図である。
1:蓋本体
2:エッジプロテクター
3:断熱芯材
4:化粧板
5:凹所
6:外縁部
7:ヒレ
8:底面
9:膨出部
10:浴槽
11:隙間
12:自由端

Claims (2)

  1. 薄板状をなす蓋本体の外周縁全体に嵌着して蓋本体の周縁部を落下衝撃等から保護すると共に、蓋本体が施蓋時において浴槽上で滑動するのを防ぐエッジプロテクターにおいて、当該エッジプロテクター本体の長手方向外縁部にヒレを連続して突成し、且つ当該ヒレの先端縁に膨出部を連続して形成し、当該膨出部を施蓋時に浴槽の上面に当接させるようになしたことを特徴とするエッジプロテクター。
  2. 合成樹脂発泡体のような断熱芯材の表裏両面に化粧板を貼設すると共に、外周縁全体にエッジプロテクターを嵌着してなる浴槽蓋において、前記エッジプロテクターの長手方向外縁部にヒレを連続して突成し、且つ当該ヒレの先端縁に膨出部を連続して形成し、当該膨出部を施蓋時に浴槽の上面に当接させるようになしたことを特徴とする浴槽蓋。
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