JP4742215B2 - クロマン化合物、この化合物を含有する液晶組成物およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子 - Google Patents

クロマン化合物、この化合物を含有する液晶組成物およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子 Download PDF

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本発明は液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子に関する。さらに詳しくはクロマン化合物、これを含有し、そしてネマチック相を有する液晶組成物およびこの組成物を含有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子において、液晶の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、BTN(Bistable twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)などである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PM(passive matrix)はスタティック(static)とマルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMはTFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。
これらの素子は、適切な物性を有する組成物を含有する。素子の特性を向上させるには、この組成物が適切な物性を有するのが好ましい。組成物の成分である化合物に必要な一般的物性は、次のとおりである。(1)化学的な安定性と物理的な安定性。(2)高い透明点。透明点は、液晶相−等方相の転移温度である。(3)液晶相の低い下限温度。液晶相は、ネマチック相、スメクチック相などを意味する。(4)小さな粘度。(5)適切な光学異方性。(6)適切な誘電率異方性。大きな誘電率異方性を有する化合物は、大きな粘度を有することが多い。(7)大きな比抵抗。
組成物は多くの化合物を混合して調製される。したがって、化合物は他の化合物とよく混和するのが好ましい。素子を氷点下の温度で使うこともあるので、低い温度で良好な相溶性を有する化合物が好ましい。高い透明点または液晶相の低い下限温度を有する化合物は、組成物におけるネマチック相の広い温度範囲に寄与する。好ましい組成物は、小さな粘度と素子のモードに適した光学異方性を有する。化合物の大きな誘電率異方性は、組成物の低いしきい値電圧に寄与する。このような組成物によって、使用できる温度範囲が広い、応答時間が短い、コントラスト比が大きい、駆動電圧が小さい、消費電力が小さい、電圧保持率が大きいなどの特性を有する素子を得ることができる。
従来、クロマン化合物として、例えば下記の化合物(15)が報告されている。(特許文献4参照。)しかしながら、この化合物(15)は誘電率異方性が十分に大きくはない。
Figure 0004742215
従来の技術は下記のとおりである。さらに好ましい液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子が望まれている。
特開平6−256337号公報 特開平5−25158号公報 特開2001−316347公報 特開平6−256339号公報 Molecular Crystals and Liquid Crystals (1996), 290, 49-65 Journal of Organic Chemistry (1994), 59(20), 5930-5936 Ferroelectrics (1993), 148(1-4), 195-202 Helvetica Chimica Acta (1985), 68(5), 1406-1426
本発明の第一の目的は、化合物に必要な一般的物性、小さな粘度、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、および他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する液晶性化合物である。第二の目的は、この化合物を含有し、ネマチック相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、および低いしきい値電圧を有する液晶組成物である。第三の目的は、この組成物を含有し、短い応答時間、小さな消費電力、大きなコントラスト、および高い電圧保持率を有する液晶表示素子を提供することにある。
本発明は下記の項1から項38などである。化合物(1)における末端基、環および結合基に関して好ましい例も述べる。
1. 下記の式(1)で表される化合物。
Figure 0004742215
式(1)において、RaおよびRbは独立して水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、−CN、−C≡C−CN、−NCO、または−NCSであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;環A、A、A、A、A、およびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンにおいて任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において任意の水素はハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよい。
「アルキルにおいて任意の−CH−は−O−などで、任意の−(CH−は−CH=CH−などで置き換えられてもよい」の句の意味を一例で示す。CH(CH−において任意の−CH−を−O−で、または任意の−(CH−を−CH=CH−で置き換えた基の例は、CH(CHO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−CH−、CH−CH=CH−O−などである。このように「任意の」語は、「区別なく選択された少なくとも一つの」を意味する。化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH−O−O−CH−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH−O−CH−O−の方が好ましい。
RaおよびRbの例は、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルコキシ、アシル、アシルアルキル、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルオキシアルキル、アルコキシアルケニル、アルキニル、アルキニルオキシ、シラアルキル、およびジシラアルキルである。少なくとも一つの水素がハロゲンで置き換えられたこれらの基も好ましい。好ましいハロゲンはフッ素および塩素である。さらに好ましいハロゲンはフッ素である。これらの基において分岐よりも直鎖の方が好ましい。RaおよびRbが分岐の基であっても光学活性であるときは好ましい。好ましいRaおよびRbは、フッ素、塩素、−CN、および−C≡C−CNでもある。
好ましいRaおよびRbはアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、ポリフルオロアルキル、ポリフルオロアルコキシ、フッ素、および−CNである。さらに好ましいRaおよびRbはアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、−OCFCHFCF、フッ素、塩素、および−CNである。最も好ましいRaおよびRbはアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、−OCFCHFCF、フッ素、および−CNである。
アルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。−CH=CHCH、−CH=CHC、−CH=CHC、−CH=CHC、−CCH=CHCH、および−CCH=CHCのような奇数位に二重結合をもつアルケニルにおいてはトランス配置が好ましい。−CHCH=CHCH、−CHCH=CHC、および−CHCH=CHCのような偶数位に二重結合をもつアルケニルにおいてはシス配置が好ましい。
アルキルの具体的な例は、−CH、−C、−C、−C、−C10、−C13、−C15、または−C17である。アルコキシの具体的な例は、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC10、−OC13、または−OC15、である。アルコキシアルキルの具体的な例は、−CHOCH、−CHOC、−CHOC、−(CHOCH、−(CHOC、−(CHOC、−(CHOCH、−(CHOCH、または−(CHOCHである。
アルケニルの具体的な例は、−CH=CH、−CH=CHCH、−CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHCH、−(CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHC、−(CHCH=CHCH、または−(CHCH=CHである。アルケニルオキシの具体的な例は、−OCHCH=CH、−OCHCH=CHCH、または−OCHCH=CHCである。アルキニルの具体的な例は、−C≡CCHまたは−C≡CCである。
少なくとも一つの水素がハロゲンで置き換えられたアルキルの具体的な例は、−CHF、−CHF、−CF、−(CHF、−CFCHF、−CFCHF、−CHCF、−CFCF、−(CHF、−(CFCF、−CFCHFCF、または−CHFCFCFである。少なくとも一つの水素がハロゲンで置き換えられたアルコキシの具体的な例は、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCFCF、−OCFCHF、−OCFCHF、−OCFCFCF、−OCFCHFCF、または−OCHFCFCFである。少なくとも一つの水素がハロゲンで置き換えられたアルケニルの具体的な例は、−CH=CHF、−CH=CF、−CF=CHF、−CH=CHCHF、−CH=CHCF、または−(CHCH=CFである。
好ましいRaまたはRbの具体的な例は、独立して−CH、−C、−C、−C、−C10、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC10、−CHOCH、−(CHOCH、−(CHOCH、−CH=CH、−CH=CHCH、−CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHCH、−(CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHC、−(CHCH=CHCH、−(CHCH=CH、−OCHCH=CH、−OCHCH=CHCH、−OCHCH=CHC、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCFCF、−OCFCHF、−OCFCHF、−OCFCFCF、−OCFCHFCF、−OCHFCFCF、フッ素、塩素、および−CNである。
さらに好ましいRaまたはRbの具体的な例は、独立して−CH、−C、−C、−C、−C10、−OCH、−OC、−OC、−OC、−OC10、−CHOCH、−CH=CH、−CH=CHCH、−CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHCH、−(CHCH=CH、−CH=CHC、−CHCH=CHC、−(CHCH=CHCH、−(CHCH=CH、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−OCFCF、−OCFCHF、−OCFCHF、−OCFCFCF、−OCFCHFCF、−OCHFCFCF、フッ素、塩素、および−CNである。
最も好ましいRaまたはRbの具体的な例は、独立して−CH、−C、−C、−C、−C10、−OCH、−OC、−OC、−CHOCH、−CH=CH、−CH=CHCH、−(CHCH=CH、−(CHCH=CHCH、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、−OCFCHFCF、フッ素、および−CNである。
環A、A、A、A、A、およびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンにおいて任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において任意の水素はハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよい。
「これらの環において任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンにおいて任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく」を適用した環の好ましい例は、下記の環(15−1)〜(15−53)である。さらに好ましい例は、環(15−1)、(15−2)、(15−3)、(15−4)、(15−15)、(15−23)、(15−31)、(15−32)、(15−33)、(15−40)、(15−43)、および(15−48)である。
Figure 0004742215
Figure 0004742215
「これらの環において任意の水素はハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよく」の好ましい例は、下記の環(16−1)〜(16−71)である。さらに好ましい例は、環(16−1)、(16−2)、(16−3)、(16−4)、(16−6)、(16−10)、(16−11)、(16−12)、(16−13)、(16−14)、(16−15)、(16−54)、(16−55)、(16−56)、(16−57)、(16−58)、および(16−59)である。
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
好ましい環A、A、A、A、A、またはAは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、およびナフタレン−2,6−ジイルである。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はシスよりもトランスが好ましい。1,3−ジオキサン−2,5−ジイルは、4,6−ジオキサン−2,5−ジイルと構造的に同一であるので、後者は例示しなかった。この規則は、2−フルオロ−1,4−フェニレンと2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンの関係などにも適用される。
さらに好ましい環A、A、A、A、A、またはAは、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、およびピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイルである。
最も好ましい環A、A、A、A、A、またはAは、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、およびピリミジン−2,5−ジイルである。
11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16は独立して単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、アルキレンにおいて任意の−CH−は−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
好ましいZ11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16は、単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCO−、−COCH−、−CHSiH−、−SiHCH−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−(CHCFO−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−、および−OCH−CH=CH−である。−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−CHO−、および−OCH−CH=CH−のような結合基の二重結合に関する立体配置はシスよりもトランスが好ましい。
さらに好ましいZ11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16は、単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、および−(CH−である。最も好ましいZ11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16は、単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、および−C≡C−である。
およびYは独立して水素、ハロゲン、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであるが、YおよびYは同時に水素ではない。好ましいハロゲンはフッ素および塩素である。最も好ましいハロゲンはフッ素である。好ましいYおよびYは独立して水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである。さらに好ましいYおよびYは独立して水素、フッ素、塩素、−CN、−CF、−CHF、−CHF、または−OCFである。最も好ましいYおよびYは独立して水素またはフッ素である。
およびYを有するクロマン−2,6−ジイルの好ましい例は環(17−1)〜(17−43)である。さらに好ましい例は、環(17−1)、(17−2)、(17−3)、(17−16)、(17−17)、(17−18)、(17−21)、(17−22)、(17−23)、(17−26)、(17−27)、および(17−28)である。最も好ましい例は、環(17−1)、(17−2)、および(17−3)である。
Figure 0004742215
Figure 0004742215
k、l、m、n、p、およびqは独立して0または1であり、そしてk、l、m、n、p、およびqの和は1、2または3である。化合物の物性に大きな差異がないので、化合物(1)はH(重水素)、13Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含んでもよい。
2. 式(1)において、YおよびYの一方が水素であり、そして他方がハロゲン、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである項1に記載の化合物。
3. 式(1)において、YおよびYが独立してハロゲン、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである項1に記載の化合物。
4. 式(1)において、YおよびYの一方が水素であり、そして他方がフッ素である項1に記載の化合物。
5. 式(1)において、YおよびYがフッ素である項1に記載の化合物。
6. 下記の式(1−1)から式(1−9)のいずれか1つの式で表される化合物。
Figure 0004742215
式(1−1)から式(1−9)において、RaおよびRbは独立して水素、炭素数1〜20のアルキル、フッ素、塩素、−CN、または−C≡C−CNであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられもよく;環A、A、A、A、A、およびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり;Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16は独立して単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CHCO−、−COCH−、−CHSiH−、−SiHCH−、−(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−(CHCFO−、−OCF(CH−、−CH=CH−CHO−、または−OCH−CH=CH−であり;そしてYおよびYは独立して水素、ハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり、そしてYおよびYは同時に水素ではない。
7. 式(1−1)から式(1−9)において、RaおよびRbが独立してアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニル、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、−OCFCHFCF、フッ素、塩素、または−CNであり;環A、A、A、A、A、およびAが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16が独立して単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;そしてYおよびYが独立して水素またはフッ素である項6に記載の化合物。
8. 式(1−1)から式(1−9)において、RaおよびRbが独立してアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルである項6または7に記載の化合物。
9. 式(1−1)から式(1−9)において、RaおよびRbの一方がアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルであり、そして他方が−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFである項6または7に記載の化合物。
10. 式(1−1)から式(1−9)において、RaおよびRbの一方がアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルであり、そして他方がフッ素または塩素である項6または7に記載の化合物。
11. 式(1−1)から式(1−9)において、RaおよびRbの一方がアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルであり、そして他方が−CNである項6または7に記載の化合物。
12. 式(1−1)から式(1−9)において、環A、A、A、A、A、およびAが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである項6から11のいずれか1項に記載の化合物。
13. 式(1−1)から式(1−9)において、環A、A、A、A、A、およびAが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンである項6から11のいずれか1項に記載の化合物。
14. 式(1−1)から式(1−9)において、環A、A、A、A、A、およびAが独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、または2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである項6から11のいずれか1項に記載の化合物。
15. 式(1−1)から式(1−9)において、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16が独立して単結合または−(CH−である項6から14のいずれか1項に記載の化合物。
16. 式(1−1)から式(1−9)において、YおよびYの一方が水素であり、そして他方がフッ素、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである項6、8から15のいずれか1項に記載の化合物。
17. 式(1−1)から式(1−9)において、YおよびYの一方が水素であり、そして他方がフッ素である項6から15のいずれか1項に記載の化合物。
18. 式(1−1)から式(1−9)において、YおよびYが独立してハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである項6、8から15のいずれか1項に記載の化合物。
19. 式(1−1)から式(1−9)において、YおよびYがフッ素である項6から15のいずれか1項に記載の化合物。
20. 式(1−1)から式(1−5)において、RaおよびRbが独立してアルキルまたはアルケニルである項17または項19記載の化合物。
21. 式(1−1)から式(1−5)において、環A、A、A、およびAが独立して1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンである項20に記載の化合物
22. 式(1−1)から式(1−5)において、Z12、Z13、Z14、およびZ15が独立して単結合または−(CH−である項20または項21記載の化合物。
23. 項1〜22のいずれか1項に記載した化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
24. 下記の式(2)、(3)および(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項23に記載の液晶組成物。
Figure 0004742215
式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xはフッ素、塩素、−OCF、−OCHF、−CF、−CHF、−CHF、−OCFCHF、または−OCFCHFCFであり;環Bおよび環Dは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、環Eは1,4−シクロヘキシレンまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;ZおよびZは独立して−(CH)−、−(CH)−、−COO−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素である。
25. 下記の式(5)および(6)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項23に記載の液晶組成物。
Figure 0004742215
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Xは−CNまたは−C≡C−CNであり;環Gは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはピリミジン−2,5−ジイルであり;環Jは1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;環Kは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり;Zは−(CH−、−COO−、−CFO−、−OCF−、または単結合であり;L、LおよびLは独立して水素またはフッ素であり;そしてb、cおよびdは独立して0または1である。
26. 下記の式(7)、(8)、(9)、(10)、および(11)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項23に記載の液晶組成物。
Figure 0004742215
式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rはフッ素または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH)−、−COO−または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素であり、LとLの少なくとも一つはフッ素である。
27. 下記の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項23に記載の液晶組成物。
Figure 0004742215
式中、RおよびRは独立して炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
28. 項25に記載の式(5)および(6)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する項24に記載の液晶組成物。
29. 項27に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項24に記載の液晶組成物。
30. 項27に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項25に記載の液晶組成物。
31. 項27に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する項26に記載の液晶組成物。
32. 少なくとも一つの光学活性化合物をさらに含有する項23〜31のいずれか1項に記載の液晶組成物。
33. 項23〜32のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
34. 下記の式(41)で表される化合物。
Figure 0004742215
式(41)において、Rbは水素、炭素数1〜20のアルキル、ハロゲン、−CN、−C≡C−CN、−NCO、または−NCSであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;環A、A、およびAは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−で置き換えられてもよく、1,4−フェニレンにおいて任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、そしてこれらの環において任意の水素はハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFで置き換えられてもよく;Z14、Z15、およびZ16は独立して単結合または炭素数1〜4のアルキレンであり、このアルキレンにおいて任意の−CH−は−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;YおよびYは独立して水素、ハロゲン、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFであり、そしてYおよびYは同時に水素ではなく;n、pおよびqは独立して0または1であり、そしてn、pおよびqの和は1、2または3である。
35. 式(41)において、YおよびYの一方が水素であり、そして他方がハロゲン、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである項34に記載の化合物。
36. 式(41)において、YおよびYが独立してハロゲン、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである項34に記載の化合物。
37. 式(41)において、YおよびYの一方が水素であり、そして他方がフッ素である項34に記載の化合物。
38. 式(41)において、YおよびYがフッ素である項34に記載の化合物。
本発明の化合物は、化合物に必要な一般的物性、熱、光などに対する安定性、適切な光学異方性、適切な誘電率異方性、他の液晶性化合物との優れた相溶性を有する。本発明の液晶組成物は、これらの化合物の少なくとも一つを含有し、そしてネマチック相の高い上限温度、ネマチック相の低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、低いしきい値電圧を有する。本発明の液晶表示素子は、この組成物を含有し、そして使用できる広い温度範囲、短い応答時間、大きなコントラスト比、低い駆動電圧を有する。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶性化合物は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶性化合物、液晶組成物、液晶表示素子をそれぞれ化合物、組成物、素子と略すことがある。液晶表示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。ネマチック相の上限温度はネマチック相−等方相の相転移温度であり、そして単に上限温度と略すことがある。ネマチック相の下限温度を単に下限温度と略すことがある。式(1)で表わされる化合物を化合物(1)と略すことがある。この略記は式(2)などで表される化合物にも適用することがある。式(1)から式(14)において、六角形で囲んだA、B、D、Eなどの記号はそれぞれ環A、環B、環D、環Eなどに対応する。百分率で表した化合物の量は組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)である。以下に本発明をさらに説明する。
第一に、本発明の化合物(1)をさらに説明する。クロマン環またはナフタレン環などの縮合環は一環と数える。化合物(1)はクロマン環を有する二環、三環および四環の化合物である。この化合物は、素子が通常使用される条件下において物理的および化学的に極めて安定であり、そして他の液晶性化合物との相溶性がよい。この化合物を含有する組成物は素子が通常使用される条件下で安定である。この組成物を低い温度で保管しても、この化合物が結晶(またはスメクチック相)として析出することがない。この化合物は、化合物に必要な一般的物性、適切な光学異方性、そして適切な誘電率異方性を有する。
化合物(1)の末端基、環および結合基を適切に選択することによって、光学異方性、誘電率異方性などの物性を任意に調整することが可能である。末端基RaおよびRb、環A、A、A、A、A、およびA、結合基Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16の種類が、化合物(1)の物性に与える効果を以下に説明する。
化合物(1)は、誘電率異方性が正で大きい、負で大きい、そして小さい、の三つに分類される。「大きい」と「小さい」は相対的な表現である。「小さい」は、約−1から約+2の範囲である。正で大きなまたは負で大きな誘電率異方性を有する化合物は、組成物のしきい値電圧を下げるための成分である。小さな誘電率異方性を有する化合物は、組成物の粘度などの物性を調整するための成分である。Raが水素、アルキル、アルコキシなどであり、そしてRbが−OCF、−OCHF、フッ素、−CNなどであるとき、この化合物の誘電率異方性は正で大きい。RaおよびRbが水素、アルキル、アルコキシなどであり、そしてYおよびYがフッ素、−CFなどであるとき、この化合物の誘電率異方性は負で大きい。RaおよびRbが水素、アルキル、アルコキシなどであり、そしてYおよびYがフッ素、−CFなどでないとき、この化合物の誘電率異方性は小さい。
RaまたはRbが直鎖であるときは液晶相の温度範囲が広くそして粘度が小さい。RaまたはRbが分岐鎖であるときは他の液晶性化合物との相溶性がよい。RaまたはRbが光学活性基である化合物は、キラルドーパントとして有用である。この化合物を組成物に添加することによって、素子に発生するリバース・ツイスト・ドメイン(Reverse twisted domain)を防止することができる。RaまたはRbが光学活性基でない化合物は組成物の成分として有用である。RaまたはRbがアルケニルであるとき、好ましい立体配置は二重結合の位置に依存する。好ましい立体配置を有するアルケニル化合物は、高い上限温度または液晶相の広い温度範囲を有する。Mol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 109およびMol. Cryst. Liq. Cryst., 1985, 131, 327に詳細な説明がある。
環A、A、A、A、A、およびAが、任意の水素がハロゲンで置き換えられた1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは誘電率異方性が大きい。環AまたはAが、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリダジン−3,6−ジイルであるときは光学異方性が大きい。環A、A、A、A、A、およびAが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであるときは光学異方性が小さい。
少なくとも二つの環が1,4−シクロヘキシレンであるときは、上限温度が高く、光学異方性が小さく、そして粘度が小さい。少なくとも一つの環が1,4−フェニレンのときは、光学異方性が比較的大きく、そして配向秩序パラメーター(orientational order parameter)が大きい。少なくとも二つの環が1,4−フェニレンであるときは、光学異方性が大きく、液晶相の温度範囲が広く、そして上限温度が高い。
結合基Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、またはZ16が単結合、−(CH22−、−CH2O−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−(CH2−であるときは粘度が小さい。結合基が単結合、−(CH22−、−OCF−、−CFO−、または−CH=CH−であるときは粘度がより小さい。結合基が−CH=CH−であるときは液晶相の温度範囲が広く、そして弾性定数比K33/K11(K33:ベンド弾性定数、K11:スプレイ弾性定数)が大きい。結合基が−C≡C−のときは光学異方性が大きい。
化合物(1)が二環または三環を有するときは粘度が小さい。化合物(1)が三環または四環を有するときは上限温度が高い。以上のように、末端基、環および結合基の種類、環の数を適当に選択することにより目的の物性を有する化合物を得ることができる。したがって、化合物(1)はPC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VAなどの素子に用いられる組成物の成分として有用である。
化合物(1)の好ましい例は、本発明の項2に記載した化合物(1−1)〜(1−9)である。より具体的な例は、下記の化合物(1−1−1)〜(1−9−3)である。これらの化合物におけるRa、Rb、A1、A2、A、A、A、A、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、およびZ16の記号の意味は、項2に記載した記号の意味と同一である。YおよびYはハロゲン、−CF、−CHF、−CHF、−OCF、−OCHF、または−OCHFである。YおよびYは、それぞれが同一であってもよいし、または異なってもよい。好ましいハロゲンはフッ素および塩素である。さらに好ましいハロゲンはフッ素である。
Figure 0004742215
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Figure 0004742215
化合物(1)は有機合成化学における手法を適切に組み合わせることにより合成する。出発物に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、オーガニックシンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。
結合基Z11、Z12、Z13、Z14、Z15、またはZ16を生成する方法の一例に関して、最初にスキームを示し、次に項(I)〜項(XI)でスキームを説明する。このスキームにおいて、MSGまたはMSGは少なくとも一つの環を有する1価の有機基である。スキームで用いた複数のMSG(またはMSG)は、同一であってもよいし、または異なってもよい。化合物(1A)から(1K)は化合物(1)に相当する。
Figure 0004742215
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(I)単結合の生成
アリールホウ酸(21)と公知の方法で合成される化合物(22)とを、炭酸塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で反応させて化合物(1A)を合成する。この化合物(1A)は、公知の方法で合成される化合物(23)にn−ブチルリチウムを、次いで塩化亜鉛を反応させ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのような触媒の存在下で化合物(22)を反応させることによっても合成される。
(II)−COO−と−OCO−の生成
化合物(23)にn−ブチルリチウムを、続いて二酸化炭素を反応させてカルボン酸(24)を得る。化合物(24)と、公知の方法で合成されるフェノール(25)とをDDC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)とDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)の存在下で脱水させて−COO−を有する化合物(1B)を合成する。この方法によって−OCO−を有する化合物も合成する。
(III)−CFO−と−OCF−の生成
化合物(1B)をローソン試薬のような硫黄化剤で処理して化合物(26)を得る。化合物(26)をフッ化水素ピリジン錯体とNBS(N−ブロモスクシンイミド)でフッ素化し、−CFO−を有する化合物(1C)を合成する。M. Kuroboshi et al., Chem. Lett., 1992,827.を参照。化合物(1C)は化合物(26)を(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)でフッ素化しても合成される。W. H. Bunnelle et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 768.を参照。この方法によって−OCF−を有する化合物も合成する。Peer. Kirsch et al., Anbew. Chem. Int. Ed. 2001, 40, 1480.に記載の方法によってこれらの結合基を生成させることも可能である。
(IV)−CH=CH−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理した後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのホルムアミドと反応させてアルデヒド(28)を得る。公知の方法で合成されるホスホニウム塩(27)をカリウムtert−ブトキシドのような塩基で処理して発生させたリンイリドを、アルデヒド(28)に反応させて化合物(1D)を合成する。反応条件によってはシス体が生成するので、必要に応じて公知の方法によりシス体をトランス体に異性化する。
(V)−(CH−の生成
化合物(1D)をパラジウム炭素のような触媒の存在下で水素化することにより、化合物(1E)を合成する。
(VI)−(CH−の生成
ホスホニウム塩(27)の代わりにホスホニウム塩(29)を用い、項(IV)の方法に従って−(CH−CH=CH−を有する化合物を得る。これを接触水素化して化合物(1F)を合成する。
(VII)−C≡C−の生成
ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下で、化合物(23)に2−メチル−3−ブチン−2−オールを反応させたのち、塩基性条件下で脱保護して化合物(30)を得る。ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(30)を化合物(22)と反応させて、化合物(1G)を合成する。
(VIII)−CF=CF−の生成
化合物(23)をn−ブチルリチウムで処理したあと、テトラフルオロエチレンを反応させて化合物(31)を得る。化合物(22)をn−ブチルリチウムで処理したあと化合物(31)と反応させて化合物(1H)を合成する。
(IX)−CHO−または−OCH−の生成
化合物(28)を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元して化合物(32)を得る。これを臭化水素酸などでハロゲン化して化合物(33)を得る。炭酸カリウムなどの存在下で、化合物(33)を化合物(25)と反応させて化合物(1J)を合成する。
(X)−(CH23O−または−O(CH23−の生成
化合物(32)の代わりに化合物(34)を用いて、項(IX)の方法に従って化合物(1K)を合成する。
(XI)−(CF22−の生成
J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 5414.に記載された方法に従い、ジケトン(−COCO−)をフッ化水素触媒の存在下、四フッ化硫黄でフッ素化して−(CF22−を有する化合物を得る。
次に式(1)で表されるクロマン化合物を合成する方法の一例を下記のスキームに示す。初めにクロマン骨格を有する合成中間体(41)を合成するスキームを説明し、次いで(41)を出発物質としたクロマン化合物(45)、(48)、(50)、および(53)を合成する方法の一例を述べる。
Figure 0004742215
化合物(37)〜(41)において、Qは式(1)の構造単位である。構造単位はスキームに示した。これらの化合物におけるRb、A4、A5、A6、Z14、Z15、およびZ16の記号の意味は、項1に記載した記号の意味と同一である。例えば、化合物(41)は、化合物(36)を出発物として、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、1994、59、5930−5936(Journal of Organic Chemistry, 1994, 59, 5930-5936)に記載されている方法に準じて合成することができる。
すなわち、化合物(38)は、化合物(36)と酸クロリド(37)との反応によって合成する。これらの反応は、好ましくはトルエン等の芳香族系炭化水素、またはジエチルエーテル等のエーテル系炭化水素などの溶媒中、ピリジンなどの塩基の存在下、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(39)は、化合物(38)の転位反応によって合成する。これらの反応は、好ましくはピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中、水酸化カリウム、tert−ブトキシカリウム、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(40)は、化合物(39)の環化反応によって合成する。これらの反応は、好ましくは酢酸などの溶媒中、硫酸、塩酸などの酸の存在下、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(41)は、化合物(40)を水素添加することによって合成する。これらの反応は、好ましくはメタノール、エタノールなどのアルコール系炭化水素、トルエンなどの芳香族系炭化水素、ヘプタンなどの脂肪族系炭化水素、またはこれらの混合液などの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。反応を促進させるために硫酸、塩酸などの酸を添加してもよい。
出発物である化合物(36)は有機合成化学の方法に従って容易に合成することができる。
次に、化合物(45)、(48)、(50)、および(53)に関する合成法の一例を示す。
Figure 0004742215

化合物(41)〜(53)において、QまたはQは式(1)の構造単位である。構造単位はスキームに示した。これらの化合物におけるRa、Rb、A1、A2、A4、A5、A6、Z11、Z12、Z14、Z15、およびZ16の記号の意味は、項1に記載した記号の意味と同一である。
(I)Aが1,4−シクロへキシレンであり、Z13が単結合である化合物
化合物(43)は、化合物(41)をn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを用いてリチオ化した後、シクロヘキサノン(42)と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−100℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(44)は、化合物(43)をp−トルエンスルホン酸、硫酸等の酸を用いて脱水することによって合成する。これらの反応は、好ましくはトルエンなどの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(45)は、化合物(44)をラネーニッケル、パラジウム−カーボン等の触媒を用いて水素添加することによって合成する。これらの反応は、好ましくはメタノール、エタノールなどのアルコール系炭化水素、トルエンなどの芳香族系炭化水素、ヘプタンなどの脂肪族系炭化水素またはこれらの混合液などの溶媒中、室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。水素圧は常圧〜10気圧が好ましい。水素添加後の(45)はシス体とトランス体の異性体混合物として得られるが、再結晶によりトランス体を主成分として得ることができる。
(II)Aが1,4−フェニレンであり、Z13が単結合である化合物
化合物(48)は、化合物(41)をn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを用いてリチオ化した後、臭素またはヨウ素と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(48)は、化合物(46)をホウ酸化合物(47)と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはトルエン等の芳香族系炭化水素、エタノール等のアルコール系炭化水素、またはエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系炭化水素、またはこれらと水との混合液などの溶媒中、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、金属触媒を用いて室温から溶媒の沸点までの間の温度で行う。金属触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム−カーボンなどが用いられる。
(III)Raがアルキルであり、Z13が単結合である化合物
化合物(49)は、化合物(41)をn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを用いてリチオ化した後、臭素またはヨウ素と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(50)は、金属触媒存在下、化合物(49)をグリニャール化合物と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。触媒としては、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(Pd(dppf))、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノエタン)ジクロロニッケル(Ni(dppe))、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノプロパン)ジクロロニッケル(Ni(dppp))などが用いられる。
(IV)Raがアルコキシであり、Z13が単結合である化合物
化合物(51)は、化合物(41)をn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキルリチウムを用いてリチオ化した後、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリイソプロピルなどと反応させ、さらに酸処理することによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(52)は、化合物(51)を過酸化水素水などの過酸化物と反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフランなどの溶媒中、−75℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。化合物(53)は、化合物(52)を炭酸カリウムなどの塩基の存在下、ハロゲン化アルキルと反応させることによって合成する。これらの反応は、好ましくはテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、−30℃から溶媒の沸点までの間の温度で行う。
第二に、本発明の組成物をさらに説明する。この組成物の成分は化合物(1)から選ばれた複数の化合物のみであってもよい。好ましい組成物は化合物(1)から選択された少なくとも一つの化合物を1〜99%の割合で含有する。この組成物は化合物(2)〜(14)の群から選択された成分を主として含有する。組成物を調製するときには、化合物(1)の誘電率異方性を考慮して成分を選択する。
誘電率異方性が正で大きい化合物(1)を含有する好ましい組成物は次のとおりである。この好ましい組成物は化合物(2)、(3)および(4)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、化合物(5)および(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、このような二つの群のそれぞれから選択された少なくとも二つの化合物を含有する。これらの組成物は、液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧などを調整する目的で、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。これらの組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
別の好ましい組成物は化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
誘電率異方性が負で大きい化合物(1)を含有する好ましい組成物は次のとおりである。好ましい組成物は化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。この組成物は、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(2)〜(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、VA素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
別の好ましい組成物は、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。この組成物は、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、化合物(2)〜(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物はその他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
誘電率異方性が小さい化合物(1)を含有する好ましい組成物は次のとおりである。好ましい組成物は化合物(2)、(3)および(4)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、化合物(5)および(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。別の好ましい組成物は、このような二つの群のそれぞれから選択された少なくとも二つの化合物を含有する。これらの組成物は、液晶相の温度範囲、粘度、光学異方性、誘電率異方性、しきい値電圧などを調整する目的で、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、AM−TN素子、STN素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
別の好ましい組成物は、化合物(7)〜(11)の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する。この組成物は、化合物(12)、(13)および(14)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、物性をさらに調整する目的で、化合物(2)〜(6)の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有してもよい。この組成物は、VA素子などに適合させる目的で、その他の液晶性化合物、添加物などの化合物をさらに含有してもよい。
化合物(2)、(3)および(4)は、誘電率異方性が正で大きいので、AM−TN素子用の組成物に主として用いられる。この組成物において、これらの化合物の量は1〜99%である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。この組成物に化合物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
化合物(5)および(6)は、誘電率異方性が正で非常に大きいので、STN素子用の組成物に主として用いられる。この組成物において、これらの化合物の量は1〜99%である。好ましい量は10〜97%である。より好ましい量は40〜95%である。この組成物に化合物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
化合物(7)、(8)、(9)、(10)、および(11)は、誘電率異方性が負であるので、VA素子用の組成物に主として用いられる。これらの化合物の好ましい量は80%以下である。より好ましい量は40〜80%である。この組成物に化合物(12)、(13)または(14)をさらに添加する場合、この化合物の好ましい量は60%以下である。より好ましい量は40%以下である。
化合物(12)、(13)および(14)の誘電率異方性は小さい。化合物(12)は粘度または光学異方性を調整する目的で主に使用される。化合物(13)および(14)は上限温度を上げて液晶相の温度範囲を広げる、または光学異方性を調整する目的で使用される。化合物(12)、(13)および(14)の量を増加させると組成物のしきい値電圧が高くなり、粘度が小さくなる。したがって、組成物のしきい値電圧の要求値を満たすかぎり多量に使用してもよい。
好ましい化合物(2)〜(14)は、それぞれ化合物(2−1)〜(2−9)、化合物(3−1)〜(3−97)、化合物(4−1)〜(4−33)、化合物(5−1)〜(5−56)、化合物(6−1)〜(6−3)、化合物(7−1)〜(7−4)、化合物(8−1)〜(8−6)、化合物(9−1)〜(9−4)、化合物(10−1)、化合物(11−1)、化合物(12−1)〜(12−11)、化合物(13−1)〜(13−21)、および化合物(14−1)〜(14−6)である。これらの化合物において、R1、R、R、R4、R、R6、R、X1、およびXの記号の意味は、化合物(2)〜(14)におけるこれらの記号の意味と同一である。
Figure 0004742215
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本発明の組成物は公知の方法によって調製される。例えば、成分である化合物を混合し、加熱によって互いに溶解させる。組成物に適当な添加物を加えて組成物の物性を調整してもよい。このような添加物は当業者によく知られている。メロシアニン、スチリル、アゾ、アゾメチン、アゾキシ、キノフタロン、アントラキノン、テトラジンなどの化合物である二色性色素を添加してGH素子用の組成物を調製してもよい。一方、液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を与える目的でキラルドーパントが添加される。キラルドーパントの例は上記の光学活性化合物(Op−1)〜(Op−13)である。
キラルドーパントを組成物に添加してねじれのピッチを調整する。TN素子およびTN−TFT素子用の好ましいピッチは40〜200μmの範囲である。STN素子用の好ましいピッチは6〜20μmの範囲である。BTN素子用の好ましいピッチは1.5〜4μmの範囲である。PC素子用の組成物にはキラルドーパントを比較的多量に添加する。ピッチの温度依存性を調整する目的で少なくとも二つのキラルドーパントを添加してもよい。
本発明の組成物は、PC、TN、STN、BTN,ECB、OCB、IPS、VAなどの素子に使用できる。これらの素子は駆動方式がPMであってもよいし、またはAMであってもよい。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)素子、例えばPN(polymer network)素子にも使用できる。
(実施例)
第三に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によって制限されない。No.1などの化合物番号は、実施例4において表で示した化合物のそれと対応する。得られた化合物は核磁気共鳴スペクトル、質量スペクトルなどで同定した。核磁気共鳴スペクトルにおいて、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレットである。
7,8−ジフルオロ−2−プロピルクロマン(化合物No.M−1)の合成
Figure 0004742215
第1工程
6−アセチル−2,3−ジフルオロフェノール(4.04g)をトルエン(40ml)に溶解した。この溶液に氷冷下にてピリジン(3.82g)、4−ジメチルアミノピリジン(0.15g)を加え、更にn−ブチリルクロライド(3.52g)を滴下した。同温度にて30分、さらに室温にて24時間攪拌した。氷冷下、反応混合物を冷水に注ぎ、トルエンで抽出した。有機層を1N塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。黄色油状残さ(6.36g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状の6−アセチル−2,3−ジフルオロフェニル ブチレート(5.80g)を得た。
第2工程
水素化ナトリウム(1.55g)をジメチルスルホキシド(40ml)に懸濁し、この懸濁液に第1工程で得られた6−アセチル−2,3−ジフルオロフェニル ブチレート(5.80g)のジメチルスルホキシド溶液(20ml)を室温にて滴下した。滴下終了後さらに室温にて7時間攪拌した。反応混合物を氷冷下、0.5N塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。黄色固体残さ(7.47g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、黄色固体の1−(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−プロパン−1,3−ジオン(4.85g)を得た。
第3工程
第2工程で得られた1−(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−プロパン−1,3−ジオン(5.00g)を酢酸(50ml)に溶解した。この溶液に濃硫酸(0.32g)を加え、100℃にて2.5時間加熱攪拌した。室温に放冷後、反応混合物を冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。赤色固体残さ(4.65g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、橙色固体の7,8−ジフルオロ−2−プロピル−4H−クロメン−4−オン(3.52g)を得た。
第4工程
第3工程で得られた7,8−ジフルオロ−2−プロピル−4H−クロメン−4−オン(1.02g)をソルミックス(20ml)に溶解した。この溶液に窒素雰囲気下にて5%パラジウム−炭素触媒(0.51g)、濃塩酸(2ml)を加え、常温常圧にて11日間水素添加反応を行った。反応終了後、触媒を濾過により除去し、濾液を減圧下に濃縮した。無色油状の残さ(0.93g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状の7,8−ジフルオロ−2−プロピルクロマン(0.85g)を得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.70−2.30(m,9H),2.60−3.15(m,2H),3.90−4.35(m,1H),6.40−7.00(m,2H)
7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.M−21)の合成
Figure 0004742215
第1工程
6−アセチル−2,3−ジフルオロフェノール(1.83g)をトルエン(20ml)に溶解した。この溶液に氷冷下にてピリジン(1.82g)、4−ジメチルアミノピリジン(65mg)を加え、更に4−プロピルシクロヘキサンカルボニルクロライド(2.83g)を滴下した。同温度にて30分、さらに室温にて20時間攪拌した。氷冷下、反応混合物を冷水に注ぎ、トルエンで抽出した。有機層を1N塩酸、水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。無色油状残さ(4.49g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状の6−アセチル−2,3−ジフルオロフェニル 4−プロピルシクロヘキサンカルボキシレート(3.72g)を得た。
第2工程
水素化ナトリウム(0.82g)をジメチルスルホキシド(25ml)に懸濁し、この懸濁液に第1工程で得られた6−アセチル−2,3−ジフルオロフェニル4−プロピルシクロヘキサンカルボキシレート(3.72g)のジメチルスルホキシド溶液(15ml)を室温にて滴下した。滴下終了後さらに室温にて5.5時間攪拌した。反応混合物を氷冷下、1N塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。黄色固体残さ(3.93g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、橙色固体の1−(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−プロピルシクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオン(2.74g)を得た。
第3工程
第2工程で得られた1−(3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−プロピルシクロヘキシル)プロパン−1,3−ジオン(2.74g)を酢酸(27ml)に溶解した。この溶液に濃硫酸(53mg)を加え、110℃にて3時間加熱攪拌した。室温に放冷後、反応混合物を冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。黄色固体残さ(2.50g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色固体の7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)−4H−クロメン−4−オン(2.30g)を得た。このものは再結晶によりさらに精製した。
第4工程
第3工程で得られた7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)−4H−クロメン−4−オン(1.65g)をトルエン/ソルミックス(1/4)混合溶媒(33ml)に溶解した。この溶液に窒素雰囲気下にて5%パラジウム−炭素触媒(0.33g)、濃塩酸(0.5ml)を加え、常温常圧にて3日間水素添加反応を行った。反応終了後、触媒を濾過により除去し、濾液を減圧下に濃縮した。無色固体の残さ(1.67g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色固体の7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン−4−オール(1.52g)を得た。
第5工程
第4工程で得られた7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン−4−オール(1.51g)を塩化メチレン(7.5ml)に溶解した。氷冷下、この溶液にトリフルオロ酢酸(7.5ml)を加えた後、トリエチルシラン(1.51g)を滴下し、同温度にて3.5時間攪拌した。反応混合物を冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。無色固体残さ(2.02g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色固体の7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.44g)を得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.40−2.35(m,19H),2.60−2.95(m,2H),3.65−3.95(m,1H),6.40−6.85(m,2H)
7−フルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.M−23)の合成
Figure 0004742215
6−アセチル−3−フルオロフェノールを原料として用い、実施例2の第1工程〜第5工程と同様にして7−フルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンを得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.40−2.35(m,19H),2.60−2.95(m,2H),3.65−3.95(m,1H),6.40−7.00(m,3H)
実施例1〜3、さらに記載した合成法をもとに、下記の化合物No.M−1〜No.M−92を合成する。実施例1〜3で得られた化合物(No.M−1、No.M−21、およびNo.M−23)もリストアップした。化合物No.M−1〜No.M−70において、Rbは項1に記載した記号の意味と同一であるが、具体的な例としては、水素、−CH、−C、−C、−C、−C10、−OCH、−OC、−OC、−OC、−CHOCH、−CH=CF、−CH=CH、−CH=CHCH、−(CHCH=CH、−(CHCH=CHCH、−OCF、および−CFである。

Figure 0004742215


Figure 0004742215
Figure 0004742215
7,8−ジフルオロ−2−プロピル−6−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.4)の合成
Figure 0004742215
第1工程
実施例1で得られた7,8−ジフルオロ−2−プロピルクロマン(2.50g)をTHF(25ml)に溶解した後、sec−BuLi(0.99M溶液 14.5ml)を−70〜−75℃にて滴下し、さらに同温度にて1時間攪拌した。この溶液に4−プロピルシクロヘキサノン(2.00g)のTHF溶液(7ml)を−70〜−75℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度で3時間攪拌した後、徐々に室温まで昇温し、そのまま一晩攪拌した。反応混合物を0.5M塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた淡黄色油状の7,8−ジフルオロ−6−(1−ヒドロキシ−4−プロピルシクロヘキシル)−2−プロピルクロマン(4.87g)を精製することなく第2工程に用いた。
第2工程
第1工程で得られた粗製の7,8−ジフルオロ−6−(1−ヒドロキシ−4−プロピルシクロヘキシル)−2−プロピルクロマン(4.87g)をトルエン(100ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(320mg)を加えてディーンスターク装置を用いて脱水しながら4時間加熱還流した。反応混合物を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた橙色油状の残さ(5.14g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状の7,8−ジフルオロ−6−(4−プロピルシクロヘキセニル)−2−プロピルクロマン(4.24g)を得た。
第3工程
第2工程で得られた7,8−ジフルオロ−6−(4−プロピルシクロヘキセニル)−2−プロピルクロマン(3.94g)をトルエン−ソルミックス混合溶媒(トルエン、ソルミックス各20ml)に溶解した。この溶液に窒素雰囲気下にてラネーニッケル触媒(1.38g)を加え、常温常圧にて10日間水素添加反応を行った。反応終了後、触媒を濾過により除去し、濾液を減圧下に濃縮した。無色油状の残さ(3.87g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状の7,8−ジフルオロ−6−(4−プロピルシクロヘキシル)−2−プロピルクロマン(3.56g)を得た。このものをさらに再結晶を繰り返すことにより精製し、純粋な7,8−ジフルオロ−6−(4−プロピルシクロヘキシル)−2−プロピルクロマンを得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.55−2.15(m,25H),2.40−2.95(m,3H),3.80−4.10(m,1H),6.40−6.65(d,J=8Hz,1H)
MS:336(M
7,8−ジフルオロ−6−エトキシ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.78)の合成
Figure 0004742215
第1工程
実施例2で得られた7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(3.82g)をTHF(38ml)に溶解した。この溶液にsec−BuLi(0.99M溶液、15.5ml)を−70〜−75℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度にて1時間攪拌した。この溶液にホウ酸トリイソプロピル(2.15g)のTHF溶液(5ml)を−70〜−75℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度で3時間攪拌した後、徐々に室温まで昇温し、そのまま一晩攪拌した。氷冷下、反応混合物に2M塩酸を加え、さらに室温にて2時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。濃縮残渣を更にヘプタンで洗浄し、粗製の7,8−ジフルオロ−6−ジヒロドロキシボリル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンを得た。このものは精製することなく第2工程に用いた。
第2工程
第1工程で得られた粗製の7,8−ジフルオロ−6−ジヒロドロキシボリル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンをテトラヒドロフラン(38ml)に溶解した。室温にて過酸化水素水(3.23g)をゆっくりと滴下し、そのまま8時間攪拌した。反応混合物を亜硫酸ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。黄色固体残さ(4.63g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色固体の7,8−ジフルオロ−6−ヒドロキシ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(3.77g)を得た。
第3工程
第2工程で得られた7,8−ジフルオロ−6−ヒドロキシ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.89g)をN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)に溶解した。この溶液に炭酸カリウム(1.77g)を懸濁させた後、ヨウ化エチル(1.55g)、臭化テトラブチルアンモニウム(0.22g)を加え、60℃にて6.5時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。無色固体残さ(2.04g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色固体の7,8−ジフルオロ−6−エトキシ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(2.03g)を得た。このものをさらに再結晶を繰り返すことにより精製し、純粋な7,8−ジフルオロ−6−エトキシ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.88g)を得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.85−2.17(m,22H),2.67(dt,J=16Hz,5Hz,1H),2.74(ddd,J=16Hz,11Hz,6Hz,1H),3.72(ddd,J=10Hz,7Hz,2Hz,1H),4.02(q,J=7Hz,2H),6.40(dd,J=8Hz,2Hz,1H)
MS:338(M
7,8−ジフルオロ−6−エチル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.331)の合成
Figure 0004742215
第1工程
実施例2で得られた7,8−ジフルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.43g)をTHF(15ml)に溶解した。この溶液にsec−BuLi(0.97M溶液、6.5ml)を−70〜−75℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度にて1.5時間攪拌した。この溶液に臭素(1.47g)を−70〜−75℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度で2.5時間攪拌した。氷冷下、反応混合物を1M塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。淡黄色固体残さ(1.85g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色固体の7,8−ジフルオロ−6−ブロモ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.71g)を得た。
第2工程
第1工程で得られた7,8−ジフルオロ−6−ブロモ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.71g)をテトラヒドロフラン(17ml)に溶解した。この溶液にsec−BuLi(0.97M溶液、6.5ml)を−70〜−75℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度にて2時間攪拌した。この溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(0.55g)を−70〜−75℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度で5時間攪拌した。反応混合物を1M塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。淡黄色固体残さ(1.39g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、淡黄色固体の7,8−ジフルオロ−6−ホルミル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(0.99g)を得た。
第3工程
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(2.06g)をテトラヒドロフラン(20ml)に懸濁した。この懸濁液にtert−ブトキシカリウム(626mg)を−60℃にて加え、さらに同温度にて1時間攪拌した。この懸濁液に7,8−ジフルオロ−6−ホルミル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.19g)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を−60℃にて滴下し、滴下終了後さらに同温度で3時間攪拌した後、徐々に室温まで昇温し、そのまま一晩攪拌した。反応混合物を1M塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮した。淡黄色固体残さ(2.72g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色固体の7,8−ジフルオロ−6−エチニル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.02g)を得た。
第4工程
第3工程で得られた7,8−ジフルオロ−6−エチニル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.02g)をトルエン−ソルミックス混合溶媒(トルエン、ソルミックス各10ml)に溶解した。この溶液に窒素雰囲気下にて5%パラジウム−炭素触媒(0.12g)を加え、常温常圧にて25.5時間水素添加反応を行った。反応終了後、触媒を濾過により除去し、濾液を減圧下に濃縮した。無色油状の残さ(1.14g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色油状の7,8−ジフルオロ−6−エチル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(1.12g)を得た。このものをさらに再結晶を繰り返すことにより精製し、純粋な7,8−ジフルオロ−6−エチル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(0.95g)を得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.85−2.17(m,22H),2.64−2.79(m,4H),3.72(ddd,J=9.7Hz,6.6Hz,2.1Hz,1H),6.75(dd,J=8.2Hz,1.6Hz,1H)
MS:322(M
6−エトキシ−7−フルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.76)の合成
Figure 0004742215
実施例3で得られた7−フルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンを原料として用い、実施例6の第1工程〜第3工程と同様にして6−エトキシ−7−フルオロ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンを得た。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)0.85−2.17(m,22H),2.67(dt,J=16Hz,4Hz,1H),2.74(ddd,J=16Hz,11Hz,6Hz,1H),3.72(ddd,J=10Hz,7Hz,2Hz,1H),4.02(q,J=7Hz,2H),6.37−6.42(m,1H),6.55−6.60(m,1H)
MS:320(M
実施例1〜8、さらに記載した合成法をもとに、下記の化合物No.1〜No.364を合成する。実施例5〜8で得られた化合物(No.4、No.78、No.331、およびNo.76)もリストアップした。上限温度、粘度、光学異方性および誘電率異方性の測定手順は組成物例で説明する。
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215
Figure 0004742215



Figure 0004742215


Figure 0004742215
5つの化合物を混合して、ネマチック相を有する組成物A(母液晶)を調製した。5つの化合物は、4−エトキシフェニル=4−プロピルシクロヘキサンカルボキシレート(17.2%)、4−ブトキシフェニル=4−プロピルシクロヘキサンカルボキシレート(27.6%)、4−エトキシフェニル=4−ブチルシクロヘキサンカルボキシレート(20.7%)、4−メトキシフェニル=4−ペンチルシクロヘキサンカルボキシレート(20.7%)、および4−エトキシフェニル=4−ペンチルシクロヘキサンカルボキシレート(13.8%)である。組成物Aの物性値は次のとおりであった。上限温度(NI)=74.0℃;粘度(η20)=18.9mPa・s;光学異方性(Δn)=0.087;誘電率異方性(Δε)=−1.3。
この組成物Aの85%と実施例5で得られた7,8−ジフルオロ−2−プロピル−6−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.4)の15%とからなる組成物Bを調製した。測定した組成物Bの物性値を外挿して化合物No.4の物性値を算出した。光学異方性(Δn)=0.096;誘電率異方性(Δε)=−7.1。化合物No.4を加えることによって、誘電率異方性が負に大きくなり、液晶表示素子にしたときに低い駆動電圧を有することが分かった。
実施例10に記載した組成物Aの95%と実施例6で得られた7,8−ジフルオロ−6−エトキシ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.78)の5%とからなる組成物Cを調製した。測定した組成物Cの物性値を外挿して化合物No.78の物性値を算出した。光学異方性(Δn)=0.087;誘電率異方性(Δε)=−9.8。化合物No.78を加えることによって、誘電率異方性が負に大きくなり、液晶表示素子にしたときに低い駆動電圧を有することが分かった。
実施例10に記載した組成物Aの85%と実施例7で得られた7,8−ジフルオロ−6−エチル−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.331)の15%とからなる組成物Dを調製した。測定した組成物Dの物性値を外挿して化合物No.331の物性値を算出した。光学異方性(Δn)=0.031;誘電率異方性(Δε)=−5.2。化合物No.331を加えることによって、誘電率異方性が負に大きくなり、液晶表示素子にしたときに低い駆動電圧を有することが分かった。
実施例10に記載した組成物Aの85%と実施例8で得られた7−フルオロ−6−エトキシ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマン(化合物No.76)の15%とからなる組成物Eを調製した。測定した組成物Eの物性値を外挿して化合物No.76の物性値を算出した。光学異方性(Δn)=0.081;誘電率異方性(Δε)=−5.9。化合物No.76を加えることによって、誘電率異方性が負に大きくなり、液晶表示素子にしたときに低い駆動電圧を有することが分かった。
(比較例1)
実施例10に記載した組成物Aの85%と2−プロピル−6−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンの15%とからなる組成物Fを調製した。測定した組成物Fの物性値を外挿して2−プロピル−6−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンの物性値を算出した。光学異方性(Δn)=0.099;誘電率異方性(Δε)=−2.3。2−プロピル−6−(4−プロピルシクロヘキシル)クロマンを加えても、誘電率異方性が負に大きくならないことが分かった。
本発明の代表的な組成物を組成物例1〜5にまとめた。最初に、組成物の成分である化合物とその量(重量%)を示した。化合物は上記の表1の取り決めに従い、左末端基、結合基、環構造、および右末端基の記号によって表示した。1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置はトランスである。末端基の記号がない場合は、末端基が水素であることを意味する。次に組成物の物性値を示した。物性値の測定は、日本電子機械工業規格(Standard of Electronic Industries Association of Japan)、EIAJ・ED−2521Aに記載された方法、またはこれを修飾した方法に従った。
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
ネマチック相の下限温度(T;℃):ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶(またはスメクチック相)に変化したとき、Tを<−20℃と記載する。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
化合物の相溶性:類似の構造を有する幾つかの化合物を混合してネマチック相を有する母液晶を調製した。測定する化合物とこの母液晶とを混合した組成物を得た。混合する割合の一例は、15%の化合物と85%の母液晶である。この組成物を−20℃、−30℃のような低い温度で30日間保管した。この組成物の一部が結晶(またはスメクチック相)に変化したか否かを観察した。必要に応じて混合する割合と保管温度とを変更した。このようにして測定した結果から、結晶(またはスメクチック相)が析出する条件および結晶(またはスメクチック相)が析出しない条件を求めた。これらの条件が相溶性の尺度である。
粘度(η;20℃で測定;mPa・s):粘度の測定にはE型粘度計を用いた。
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビング(rubbing)したあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。試料が組成物のときはこの方法によって光学異方性を測定した。試料が化合物のときは、化合物を適切な組成物に混合したあと光学異方性を測定した。化合物の光学異方性は外挿値である。
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):試料が化合物のときは、化合物を適切な組成物に混合したあと誘電率異方性を測定した。化合物の誘電率異方性は外挿値である。
1)誘電率異方性が正である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μm、ツイスト角が80度の液晶セルに試料を入れた。このセルに20ボルトを印加して、液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。0.5ボルトを印加して、液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
2)誘電率異方性が負である組成物:ホメオトロピック配向に処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε‖)を測定した。ホモジニアス配向に処理した液晶セルに試料を入れ、0.5ボルトを印加して誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):試料が化合物のときは、化合物を適切な組成物に混合したあとしきい値電圧を測定した。化合物のしきい値電圧は外挿値である。
1)誘電率異方性が正である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が(0.5/Δn)μmであり、ツイスト角が80度である、ノーマリーホワイトモード(normally white mode)の液晶表示素子に試料を入れた。Δnは上記の方法で測定した光学異方性の値である。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率が90%になったときの電圧の値を測定した。
2)誘電率異方性が負である組成物:2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)が約9μmであり、ホメオトロピック配向に処理したノーマリーブラックモード(normally black mode)の液晶表示素子に試料を入れた。この素子に周波数が32Hzである矩形波を印加した。矩形波の電圧を上昇させ、素子を通過する光の透過率10%になったときの電圧の値を測定した。
Figure 0004742215
(組成物例1)
2−HCro(7F)−4(No.2) 5%
3−HCro(7F,8F)−3(No.4) 5%
4O−Cro(7F,8F)H−3(No.336) 7%
3−HH−4 5%
3−HH−5 5%
3−HH−O1 3%
3−HH−O3 3%
3−HB−O1 5%
3−HB−O2 5%
3−HB(2F,3F)−O2 10%
5−HB(2F,3F)−O2 10%
3−HHEH−3 3%
3−HHEH−5 2%
4−HHEH−3 2%
2−HHB(2F,3F)−1 4%
3−HHB(2F,3F)−2 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 10%
NI=71.1℃;Δn=0.080;η(20℃)=32.3mPa・s;Δε=−4.6.
上記組成物に100部に(Op−5)を0.25部添加したときのピッチは60.0μmであった
(組成物例2)
2O−Cro(7F)H−3(No.76) 4%
2O−Cro(7F,8F)H−3(No.78) 4%
4O−Cro(7F,8F)H−3(No.336) 6%
3−HH−4 5%
3−HH−5 5%
3−HH−O1 6%
3−HH−O3 6%
3−HB−O1 5%
3−HB−O2 5%
3−HB(2F,3F)−O2 10%
3−HHEH−3 5%
3−HHEH−5 5%
4−HHEH−3 5%
2−HHB(2F,3F)−1 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 13%
NI=83.0℃;Δn=0.077;η(20℃)=32.6mPa・s;Δε=−3.8.
(組成物例3)
4O−Cro(7F,8F)H−3(No.336) 6%
2−Cro(7F,8F)H−3(No.331) 3%
2−Cro(7F,8F)HH−2(No.335) 3%
3−HH−4 5%
3−HH−5 5%
3−HH−O1 4%
3−HH−O3 4%
3−HB−O1 4%
3−HB−O2 3%
3−HB(2F,3F)−O2 10%
5−HB(2F,3F)−O2 5%
3−HHEH−3 5%
3−HHEH−5 5%
4−HHEH−3 5%
2−HHB(2F,3F)−1 4%
3−HHB(2F,3F)−2 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 13%
NI=88.2℃;Δn=0.081;η(20℃)=35.5mPa・s;Δε=−4.3.
(組成物例4)
2−HCro(7F)−4(No.2) 4%
3−HCro(7F,8F)−3(No.4) 4%
2O−Cro(7F,8F)H−3(No.78) 4%
3−HH−4 5%
3−HH−5 5%
3−HH−O1 6%
3−HH−O3 6%
3−HB−O1 5%
3−HB−O2 5%
3−HB(2F,3F)−O2 10%
5−HB(2F,3F)−O2 10%
3−HHEH−3 4%
3−HHEH−5 3%
2−HHB(2F,3F)−1 4%
3−HHB(2F,3F)−2 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 12%
5−HHB(2F,3F)−O2 9%
NI=70.0℃;Δn=0.077;η(20℃)=28.9mPa・s;Δε=−4.2.
(組成物例5)
2O−Cro(7F)H−3(No.76) 5%
4O−Cro(7F,8F)H−3(No.336) 5%
2−Cro(7F,8F)HH−2(No.335) 5%
3−HH−4 5%
3−HH−5 5%
3−HH−O1 3%
3−HH−O3 3%
3−HB−O1 5%
3−HB−O2 3%
3−HB(2F,3F)―O2 10%
5−HB(2F,3F)−O2 10%
3−HHEH−3 5%
3−HHEH−5 5%
4−HHEH−3 5%
2−HHB(2F,3F)−1 4%
3−HHB(2F,3F)−2 4%
3−HHB(2F,3F)−O2 10%
5−HHB(2F,3F)−O2 8%
NI=80.7℃;Δn=0.081;η(20℃)=35.7mPa・s;Δε=−4.3.

Claims (10)

  1. 下記の式(1)で表される化合物。
    Figure 0004742215

    式(1)において、RaおよびRbは独立して水素、または炭素数1〜のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環A およびは1,4−シクロヘキシレンであり;Z12 および13は独立して単結合、−(CH −、−COO−、−OCO−、−CH O−、−OCH −、−CF O−、−OCF −、−CH=CH−、または−C≡C−であり;YおよびYはフッ素であり;k、n、p、およびqは0であり、lおよびmは独立して0または1であり、lおよびmの和は1または2である。
  2. 下記の式(1−1)および式(1−3)のいずれか1つの式で表される化合物。
    Figure 0004742215

    式(1−1)および式(1−3)において、RaおよびRbは独立して水素、炭素数1〜のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−(CH−は−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられもよく;環A およびは1,4−シクロヘキシレンであり;Z12 および13は独立して単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、または−C≡C−であり;そしてYおよびYはフッ素である。
  3. 式(1−1)および式(1−3)において、RaおよびRbが独立してアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、またはアルケニルであり;環A およびが1,4−シクロヘキシレンであり;Z12 および13が独立して単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、または−C≡C−であり;そしてYおよびYがフッ素である請求項に記載の化合物。
  4. 式(1−1)および式(1−3)において、Z12 および13が独立して単結合または−(CH−である請求項2または3に記載の化合物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載した化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物を含有する液晶組成物。
  6. 下記の式(7)、(8)、(9)、(10)、および(11)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項に記載の液晶組成物。
    Figure 0004742215

    式中、Rは炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;Rはフッ素または炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Mおよび環Pは独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたはデカヒドロ−2,6−ナフチレンであり;ZおよびZは独立して−(CH)−、−COO−または単結合であり;そしてLおよびLは独立して水素またはフッ素であり、LとLの少なくとも一つはフッ素である。
  7. 下記の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも一つの化合物をさらに含有する請求項に記載の液晶組成物。
    Figure 0004742215

    式中、RおよびRは独立して端素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく、そして任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく;環Q、環Tおよび環Uは独立して1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2、5−ジイル、または任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり;そしてZおよびZ10は独立して−C≡C−、−COO−、−(CH−、−CH=CH−、または単結合である。
  8. 請求項に記載の式(12)、(13)および(14)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物をさらに含有する請求項に記載の液晶組成物。
  9. 少なくとも一つの光学活性化合物をさらに含有する請求項のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
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