JP4741756B2 - コンクリートミキサの洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生コンクリート製造用プラントに搭載されるコンクリートミキサの内部を洗浄する洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートミキサ内の洗浄は、高圧水をジェットノズルから噴射させて混練軸や壁面に付着する生コンクリートを洗い流す方法が広く採用されている。そして、従来のミキサ洗浄装置としては、図4のような構造のものがある。この洗浄装置の構造は、ミキサ101の側壁に洗浄ノズル進退用のノズル進退口102を穿設し、該ノズル進退口102に蓋体103を回動自在に備えて第1のシリンダ104にて任意に開閉できるようにしている。また、ミキサ101外側のノズル進退口102位置には第2のシリンダ105を水平方向に配設すると共に、該シリンダ105のピストンロッド106先端部に洗浄ノズル107を備え、ピストンロッド106の伸縮動作により洗浄ノズル107をノズル進退口102からミキサ内外へ進退自在としている。そして、ミキサ内へ進入した洗浄ノズル107に高圧水を供給すると、ノズル部分を回転させながら洗浄水を噴射してミキサ内部の隅々まで洗浄できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記洗浄装置では蓋体103開閉用と、洗浄ノズル107進退用の二つのシリンダ104、105を使用しているため、装置構造が複雑となると共に、コスト高となっている。また、洗浄ノズル107を動作させる第2のシリンダ105は洗浄ノズル107をミキサ内に進入させるだけの長さのものが必要で、ストロークの長い特殊なシリンダを使用するため、高価であり、かつ故障時には汎用のシリンダのようにすぐには入手できないのでメンテナンス面で問題がある。更に、第2のシリンダ105は、ミキサ側方に水平方向に長く突出しているために、洗浄装置をミキサに追加設置する際にはスペース面で無理がある場合もある。
【0004】
本発明は上記の点に鑑み、装置構造をシンプルにして低コスト化と省スペース化を図ったミキサ洗浄装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、請求項1記載のコンクリートミキサの洗浄装置は、ミキサの側壁に洗浄ノズル進退用のノズル進退口を穿設し、ミキサ外側にノズル進退口開閉用の外蓋を回動自在に備え、該外蓋とシリンダのピストンロッド先端とをリンク結合して外蓋を開閉自在とし、外蓋にはミキサ内部に向けて洗浄ノズルを配設すると共に、ミキサ内部に外蓋と連結アームにて連結したノズル進退口開閉用の内蓋を備え、洗浄ノズルのミキサ外後退時には内蓋によってノズル進退口を閉鎖する一方、洗浄ノズルのミキサ内進入時には前記外蓋によってノズル進退口を閉鎖するように構成したことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載のコンクリートミキサの洗浄装置は、前記洗浄ノズルのミキサ外後退位置の下位には洗浄ノズルからの水滴を受け止める樋を備えたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載のコンクリートミキサの洗浄装置によれば、生コンクリート製造時には、洗浄ノズルは外蓋と共にミキサ外方へと後退していると共に、ノズル進退口は内蓋にて閉鎖されており、洗浄ノズルに生コンクリートが付着しないようになっている。一方、ミキサ洗浄時には、シリンダのピストンロッドを伸縮調整し、リンク結合している外蓋をミキサ内側方向へと回動させ、洗浄ノズルをミキサ内部へ臨ませると共に、ノズル進退口を内蓋に代わって外蓋にて閉鎖する。そして、洗浄ノズルより洗浄水を噴射し、混練軸や側壁内面に付着した生コンクリートを洗い流す。このとき、ノズル進退口は外蓋にて閉鎖されているために洗浄水をミキサ外部へ噴出する恐れはない。そして、再度生コンクリートを製造する時には、再びシリンダのピストンロッドを伸縮調整して外蓋をミキサ外側方向へと回動させ、洗浄ノズルをミキサ外方へと退避させると共に、ノズル進退口を内蓋にて閉鎖する。
【0008】
このように、一つのシリンダのみで洗浄ノズルのミキサ内への進退操作と、外蓋と内蓋によるノズル進退口の閉塞切り替え操作を行うことができる。
【0009】
また、請求項2記載のコンクリートミキサの洗浄装置によれば、ミキサ外部へ後退させた洗浄ノズルから滴り落ちる水滴を樋で受け止めた後、ミキサ下位のコンクリートホッパなどへと投入して処理する。これによってミキサ周囲を洗浄水で濡らしてしまうようなことはなくなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】
図中の1は生コンクリート製造用プラントに搭載されるミキサであって、二本の平行な混練軸2を混練槽3に貫通して相反する方向に回転自在に軸止している。前記混練軸2には軸線に沿って螺旋状に多数のアーム4を突設しており、各アーム4の先端には各種材料を混練する混練羽根5を取り付けている。
【0012】
6はミキサ1内壁や、混練軸2、或いは混練羽根5などの表面に付着する生コンクリートに向けて洗浄水を噴射して剥離するための洗浄ノズルであって、洗浄水供給管7より供給される洗浄水の水圧によってノズル本体8を混練軸2の回転方向と平行に回転させると共に、ノズルヘッド9をノズル本体8に対して直交方向に回転させるノズルを採用しており、別途駆動力を要することなく洗浄水を四方八方へ噴射してミキサ1内部を隅々まで洗浄することができるようにしている。
【0013】
10はミキサ1の側壁11に穿設した洗浄ノズル6進退用のノズル進退口であって、洗浄ノズル6が十分通過できる程度の大きさを有している。12はノズル進退口9を開放・閉鎖する外蓋であり、該外蓋12の支持片13を軸受14に軸支した軸体15に取り付けている。そして、外蓋12近傍にはシリンダ16を略垂直方向に配設し、該ピストンロッド17先端と前記軸体15とをリンク材18にてリンク結合しており、ピストンロッド17の伸縮に応じて外蓋12を開閉するようにしている。このように、シリンダ16と外蓋12とをリンク材18にてリンク結合することにより、シリンダ16のストロークが短いものを採用でき、また、略垂直方向に配設することも可能となり、従来のようにストロークの長いシリンダを水平配置するのと比較して大幅に省スペース化を図ることもできる。
【0014】
そして、外蓋12のミキサ側には洗浄ノズル6を配設しており、図2に示すように、外蓋12閉鎖時には洗浄ノズル6がミキサ1内部へ臨むように、また外蓋12開放時には洗浄ノズル6がミキサ1外方へと退避するように構成している。
【0015】
19は前記外蓋12と同様にノズル進退口10を開放、閉鎖する内蓋であって、ミキサ1内部に外蓋12と略直交方向へ配置しており、外蓋12とノズル進退口10を挿通させた連結アーム20にて連結している。したがって、外蓋12によるノズル進退口10の開放・閉塞動作に連動して内蓋19によるノズル進退口10の閉塞・開放動作が行われる。なお、本実施例においては、内蓋19を外蓋10に対して略直交方向へ配置したが、別段この角度に限定する必要はない。
【0016】
また、シリンダ16や外蓋12の周囲を枠体21にて包囲しており、枠体21にカバーを適宜するなどして駆動中のシリンダ16や外蓋12に対する作業員の安全を図る。また、枠体21の下端部には樋22を備え、洗浄後の洗浄ノズル8をミキサ1外方へ後退させたときに滴り落ちる水滴を受け止め、排水口23よりホース24を介してミキサ1下位のコンクリートホッパへと流し込み、ミキサ周囲を洗浄水で濡らさないようにしている。
【0017】
しかして、本発明のコンクリートミキサの洗浄装置によれば、生コンクリート製造時には、図2の二点鎖線にて示すように、洗浄ノズル8をミキサ1外方へ後退させる一方、ノズル進退口10を内蓋19にて閉鎖し、ミキサ1外部への粉塵等の飛散防止を行う。
【0018】
次に、ミキサ洗浄時には、図2の実線にて示すように、ノズル進退口10を外蓋12を閉鎖して洗浄ノズル8をミキサ1内部へ臨ませる。このとき、内蓋19は開放されてミキサ1内部へと逃げている。そして、洗浄水供給管7を介して洗浄ノズル8より洗浄水を噴射し、ミキサ内壁や、混練軸2、及び混練羽根5などの表面に付着した生コンクリートを洗い流す。このとき、ノズル進退口10は外蓋12にて閉鎖されており、洗浄水がミキサ1外部へ噴出する恐れはない。
【0019】
そして、再度生コンクリートを製造する時には、再び洗浄ノズル8をミキサ1外方へ後退させると共に、ノズル進退口10を内蓋19にて閉鎖して生コンクリートの製造に備える。このとき、洗浄ノズル8からしばらくの間は洗浄水の水滴が滴り落ちるものの、それらは樋22によって受け止められた後、排水口23からホース24を介してコンクリートホッパへと排出される。
【0020】
なお、本実施例ではノズル進退口10開閉用の外蓋12、及び内蓋19を別々の構成としたが、外蓋12と内蓋19とが一体の、例えば断面略L字形状の板体などを採用し、該板体の一方の板面に洗浄ノズル8を備えると共に、屈曲部を中心に回動させてノズル進退口10を開放、閉鎖するようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1記載のコンクリートミキサの洗浄装置によれば、ミキサの側壁に洗浄ノズル進退用のノズル進退口を穿設し、ミキサ外側にノズル進退口開閉用の外蓋を回動自在に備え、該外蓋とシリンダのピストンロッド先端とをリンク結合して外蓋を開閉自在とし、外蓋にはミキサ内部に向けて洗浄ノズルを配設すると共に、ミキサ内部に外蓋と連結アームにて連結したノズル進退口開閉用の内蓋を備え、洗浄ノズルのミキサ外後退時には内蓋によってノズル進退口を閉鎖する一方、洗浄ノズルのミキサ内進入時には前記外蓋によってノズル進退口を閉鎖するように構成したので、一つのシリンダで洗浄ノズルのミキサ内外への進退操作と、外蓋と内蓋によるノズル進退口の閉塞切り替え操作を行うことができ、洗浄装置の構造のシンプル化と低コスト化を図れる。また、ストロークの短い汎用のシリンダを採用できてシリンダも安価になると共に、故障時にも簡単に入手可能となってメンテナンスしやすくなる。更に、洗浄装置のコンパクト化によって既存のミキサに追加設置するのも容易に行える。
【0022】
また、請求項2記載のコンクリートミキサの洗浄装置によれば、洗浄ノズルのミキサ外後退位置の下位には洗浄ノズルからの水滴を受け止める樋を備えたので、ミキサ周囲を洗浄水で濡らしてしまうようなことはなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンクリートミキサの洗浄装置を採用したミキサの一部切り欠き正面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】従来例を示す図1に相当する図である。
【符号の説明】
1…コンクリートミキサ 6…洗浄ノズル
10…ノズル進退口 11…側壁
12…外蓋 16…シリンダ
17…ピストンロッド 18…リンク材
19…内蓋 20…連結アーム
22…樋
Claims (2)
- ミキサの側壁に洗浄ノズル進退用のノズル進退口を穿設し、ミキサ外側にノズル進退口開閉用の外蓋を回動自在に備え、該外蓋とシリンダのピストンロッド先端とをリンク結合して外蓋を開閉自在とし、外蓋にはミキサ内部に向けて洗浄ノズルを配設すると共に、ミキサ内部に外蓋と連結アームにて連結したノズル進退口開閉用の内蓋を備え、洗浄ノズルのミキサ外後退時には内蓋によってノズル進退口を閉鎖する一方、洗浄ノズルのミキサ内進入時には前記外蓋によってノズル進退口を閉鎖するように構成したことを特徴とするコンクリートミキサの洗浄装置。
- 前記洗浄ノズルのミキサ外後退位置の下位には洗浄ノズルからの水滴を受け止める樋を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンクリートミキサの洗浄装置。
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