JP4741139B2 - 可溶性インターロイキン−20レセプター - Google Patents
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Description
発明の背景
本明細書において引用するすべての参考文献の教示は、それらの全体において引用することによって本明細書の一部とされる。
サイトカインは、多数の細胞型の増殖および分化に影響を及ぼす可溶性タンパク質である。それらのレセプターは、高いアフィニティーでサイトカインに結合する1またはそれ以上の内在性膜タンパク質から構成されており、そしてある種のレセプターサブユニットを通して細胞に対するこの結合事象をトランスデュースする。サイトカインレセプターは、それらの細胞外結合結合ドメインに基づいていくつかのクラスにグループ化されてきている。
【0002】
例えば、インターフェロン(IFN)に結合しおよび/またはそれらの作用をトランスデュースすることに関係するレセプター鎖は、特徴的な200残基に基づく、II型サイトカインレセプターファミリー(CRF2)のメンバーである。これらのインターフェロンの証明されたin vivo研究は、他のサイトカイン、サイトカインアゴニスト、およびサイトカインアンタゴニストの多数の臨床的可能性、およびそれらの必要性を例示している。
【0003】
いくつかのサイトカインは炎症性カスケードに関係し、慢性関節リウマチ、クローン病、乾癬、心臓疾患、およびその他のような疾患を促進することがある。こうして、炎症に関係するサイトカインおよびサイトカインレセプターを発見することが必要である。次いで、サイトカイン仲介炎症を阻害するためにサイトカインの単離された可溶性レセプターを使用することができる。
【0004】
発明の説明
本発明は、インターロイキン−20(IL−20)の新しく発見された可溶性レセプターを提供することによってこの必要性を満足する。可溶性レセプターをを使用してIL−20をダウンレギュレートし、こうして炎症性疾患、例えば、乾癬および炎症性肺疾患を治療することができる。
【0005】
IL−20は形式的に「Zcyto10」と呼ばれ(国際特許公開No.WO99/27103)、
配列番号1〜9のアミノ酸配列を有する。IL−20に対するレセプターは2つの鎖、アルファ鎖およびベータ鎖から構成されている。アルファ鎖は、以後においてIL−20RAと呼び、形式的にZcytoR7と呼ばれる。米国特許第5,945,511号参照。ベータ鎖は、以後においてIL−20RBと呼び、形式的にDIRS17と呼ばれる。PCT/US99/03735号参照。本発明は、IL−20RAの細胞外ドメインおよびIL−20RBの細胞外ドメインから構成された可溶性レセプターである。
【0006】
本発明は、IL−20Aサブユニットが配列番号12、38、55、63、および65から成る群から選択されるアミノ酸配列を有するから構成されたポリペプチド、そしてIL−20Bサブユニットが配列番号15、59、61、67、68、および69から成る群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドから構成されている、「IL−20RA」サブユニットおよび「IL−20RB」サブユニットから構成された単離された可溶性レセプターを包含する。
【0007】
IL−20AサブユニットおよびIL−20Bサブユニットは一般にポリペプチドリンカーにより一緒に結合されている。結合は任意の手段することができるが、一般にIL−20RAサブユニットに接続されたポリペプチドと、IL−20RBサブユニットに接続されたポリペプチドとの間のペプチド結合またはジサルファイド結合によることができる。本発明は、また、本発明の新規なIL−20RAおよびIL−20RBポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関する。
【0008】
1つの態様において、IL−20RAサブユニットが免疫グロブリン(Ig)分子の重鎖の定常領域または一部分に融合されており、そしてIL−20RBサブユニットがIg分子の軽鎖の定常領域に融合されており、こうして軽鎖の定常領域は重鎖の定常領域、一般に重鎖のヒンジ領域上のシステイン残基にジサルファイド結合されている。また、反対のことが起こることができ、IL−20RAサブユニットはIg分子の軽鎖の定常領域に融合することができ、そしてIL−20RBサブユニットはIg分子の重鎖の定常領域に供給することができる。
【0009】
本発明の可溶性レセプターの1つの態様において、重鎖の定常領域に融合されたIL−20RAサブユニットは配列番号23、53、54および62から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成され、そしてIgGの軽鎖の定常領域に融合されたIL−20RBサブユニットは配列番号21、57、58および60から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成されている。
【0010】
また、第1ポリペプチドが配列番号66のアミノ酸から構成されており、そして第2ポリペプチドが配列番号70および71から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成されている、第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドを有するタンパク質が特許請求される。生ずるタンパク質を使用して、IL−20RAサブユニットおよびIL−20RBサブユニットに対する抗体を発生させることができる。
【0011】
定義
本発明を詳細に説明する前に、下記の用語を定義することはその理解の助けとなるであろう:
用語「アミノ末端」または「カルボキシル末端」は、本明細書において、ポリペプチド内の位置を表すために使用される。この関係が許す場合、これらの用語は近接性または相対的位置を表すためにポリペプチドの特定の配列または部分を参照して使用される。例えば、ペプチド内の参照配列に対してカルボキシル末端に位置するある種の配列は、参照配列のカルボキシル末端に対して近接して位置するが、完全なポリペプチドのカルボキシル末端に必ずしも存在しない。
【0012】
本明細書において使用するとき、「抗融合タンパク質」は、抗体成分と、治療剤とを含んでなる組換え分子を意味する。このような融合タンパク質のために適当な治療剤の例は、免疫モジュレーター(「抗体−免疫モジュレーター融合タンパク質」)およびトキシン(「抗体−トキシン融合タンパク質」)を包含する。
用語「相補体/抗相補体の対」は、適当な条件下に非共有結合的にアソシエートした安定な対を形成する、非同一部分を表す。例えば、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)は、相補体/抗相補体の対のプロトタイプのメンバーである。他の典型的な相補体/抗相補体の対は、レセプター/リガンドの対、抗体/抗原(またはハプテンまたはエピトープ)の対、センス/アンチセンスポリヌクレオチドの対、およびその他を包含する。相補体/抗相補体の対の引き続く解離を望む場合、相補体/抗相補体の対は好ましくは<109/Mの結合アフィニティーを有する。
【0013】
用語「ポリヌクレオチド分子の相補体」は、相補的塩基配列を有しかつ参照配列に比較して逆の向きを有するポリヌクレオチド分子である。例えば、配列5' ATGCACGGG 3'は5' CCCGTGCAT 3'に対して相補的である。
用語「contig」は、他のポリヌクレオチドに対して同一であるか、あるいは相補的な配列の隣接するストレッチを有するポリヌクレオチドを表す。隣接する配列は、それらの全体においてあるいはポリヌクレオチドの部分的ストレッチに沿って、ポリヌクレオチド配列の所定のストレッチを「オーバーラップ」させると言われる。例えば、ポリヌクレオチド配列5'−ATGGAGCTT−3'に対する代表的なcontigは5'−AGCTTgagt−3'および3'−tcgacTACC−3'である。
【0014】
用語「縮重ヌクレオチド配列」は、1またはそれ以上の縮重コドンを含むヌクレオチド配列(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子に比較して)を表す。縮重コドンはヌクレオチドの異なるトリプレットを含有するが、同一アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAUおよびGACのトリプレットの各々はAspをコードする)。
【0015】
用語「発現ベクター」は、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能に連鎖された、問題のポリペプチドをコードするセグメントからなる、線状または円形のDNA分子を表すために使用される。このような追加のセグメントは、プロモーターおよびターミネーターの配列を包含し、そして、また、1またはそれ以上の複製起点、1またはそれ以上の選択可能なマーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、およびその他を包含することができる。発現ベクターは、一般に、プラスミドまたはウイルスDNAから誘導されるか、あるいは双方の因子を含有することができる。
【0016】
用語「単離された」は、ポリヌクレオチドに適用されるとき、ポリヌクレオチドがその自然の遺伝的環境から取出され、こうして、他の余分または望ましくないコーディング配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質の産生系内で使用するために適当な形態であることを表す。このような単離された分子は、それらの自然の環境から分離されたものであり、そしてcDNAおよびゲノムのクローンを包含する。本発明の単離されたDNA分子は、それらが通常アソシエートされる他の遺伝子を含まないが、天然に存在する5'および3'の非翻訳領域、例えば、プロモーターおよびターミネーター、およびその他を包含することができる。アソシエートされた領域の同定は、当業者にとって明らかであろう(例えば、DynanおよびTijan、Nature 316:774−78、1985、参照)。
【0017】
「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、その自然環境、例えば、血液および動物の組織、以外の条件において見出されるポリペプチドまたはタンパク質である。好ましい形態において、単離されたポリペプチドは他のポリペプチド、特に動物由来の他のポリペプチドを実質的に含まない。高度に精製された形態、すなわち、95%より大きい純度、より好ましくは99%より大きい純度のポリペプチドを提供することが好ましい。この関係において使用するとき、用語「単離された」は別の物理的形態、例えば、二量体、あるいはグリコシル化または誘導化された形態の同一のポリペプチドの存在を排除しない。
【0018】
用語「作用可能に連鎖された」は、DNAセグメントについて言及するとき、セグメントがそれらの意図する目的のために調和して機能するように、例えば、転写がプロモーターにおいて開始し、コーディングセグメントを通してターミネーターに進行するように、セグメントが配置されていることを示す。
【0019】
「ポリヌクレオチド」は、5'→3'末端の方向に読んだ、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖のポリマーである。ポリヌクレオチドはRNAおよびDNAを包含し、天然源から単離され、in vitroで合成されるか、あるいは天然の分子と合成の分子との組合わせから製造することができる。ポリヌクレオチドのサイズは、塩基対(略号「bp」)、ヌクレオチド(「nt」)、またはキロ塩基(「kb」)として表される。
【0020】
この関係が許す場合、後者の2つの用語は一本鎖または二本鎖であるポリヌクレオチドを記載することができる。この用語を二本鎖の分子に適用するとき、それは全体の長さを表すために使用され、そして用語「塩基対」に等しいと理解されるであろう。当業者は認識するように、二本鎖ポリヌクレオチドの2つの鎖はわずかに長さが異なることがあり、そして酵素の切断の結果その末端は食い違うことがある;こうして、二本鎖ポリヌクレオチド内のすべてのヌクレオチドは対合していなことがある。
【0021】
「ポリペプチド」は、自然にまたは合成的に生産された、ペプチド結合により結合されたアミノ酸残基のポリマーである。約10アミノ酸残基より小さいポリペプチドは普通に「ペプチド」と呼ばれる。
用語「プロモーター」は、本明細書において、RNAポリメラーゼの結合を提供しかつ転写を開始させるDNA配列を含有する遺伝子の部分を表す、この分野において認識されている意味において使用される。プロモーター配列は普通に、しかし常にではないが、遺伝子の5'非コーディング領域の中に見出される。
【0022】
「タンパク質」は、1または2以上のポリペプチド鎖を含んでなる高分子である。タンパク質は、また、非ペプチド成分、例えば、炭水化物基からなることができる。炭水化物および他の非ペプチド置換基を細胞によりタンパク質に付加することができ、細胞においてタンパク質は産生され、そして細胞の型とともに変化するであろう。タンパク質はアミノ酸主鎖構造により本明細書において定義される;置換基、例えば、炭水化物基は一般に特定されないが、それにもかかわらず、存在することができる。
【0023】
用語「レセプター」は、生物活性分子(すなわち、リガンド)に結合し、細胞上のリガンドの作用を伝達する、細胞関連タンパク質を表す。膜に結合したレセプターは、細胞外リガンド結合ドメインと、典型的にはシグナルトランスダクションに関係する細胞内エフェクタードメインとからなる、多ペプチド構造により特徴づけられる。レセプターへのリガンドの結合は、エフェクタードメインと、細胞中の1またはそれ以上の他の分子との間の相互作用を引き起こす、レセプターにおけるコンフォメーションの変化を生ずる。この相互作用は、引き続いて、細胞の代謝の変更に導く。
【0024】
レセプター−リガンドの相互作用に関係する代謝の事象は、遺伝子の転写、リン酸化、脱リン酸化、サイクル的AMP産生の増加、細胞のカルシウムの移動化、膜脂質の移動化、細胞の接着、イノシトール脂質の加水分解、およびリン脂質の加水分解を包含する。一般に、レセプターは、膜結合、細胞質ゾルまたは核レセプター;モノマーのレセプター(例えば、甲状腺刺激ホルモンのレセプター、ベータ−アドレナリン作動性レセプター)またはマルチマーのレセプター(例えば、PDGFレセプター、成長ホルモンレセプター、IL−3レセプター、GM−CSFレセプター、G−CSFレセプター、エリトロポイエチンレセプターおよびIL−6レセプター)であることができる。
【0025】
用語「分泌シグナル配列」は、ポリペプチド(「分泌ペプチド」)をコードするDNA配列を表し、それは、より大きいポリペプチドの1成分として、より大きいポリペプチドが合成される細胞の分泌経路を通してそのポリペプチドを向ける。通常、より大きいポリペプチドは、分泌経路を通る移行の間に切断されて、分泌ペプチドを除去する。
【0026】
用語「スプライス変異型」は、本明細書において、遺伝子から転写されたRNAの別の形態を表すために使用される。スプライス変異型は転写されたRNA分子内の、あるいはそれ程普通ではないが別々に転写されたRNA分子の間の、オールタネイトスプライス部位の使用により自然に発生し、そして同一遺伝子から転写されたいくつかのmRNAを生ずることがある。スプライス変異型は、変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。また、スプライス変異型という用語は、本明細書において、ある遺伝子から転写されたmRNAのスプライス変異型によりコードされるタンパク質を表すために使用される。
【0027】
不正確な分析法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されたポリマーの分子量および長さは、近似値であると理解されるであろう。このような値を「約」Xまたは「ほぼ」Xとして表すとき、Xの記載する値は±10%の正確さであると理解されるであろう。
前述したように、IL−20(形式的にZcyto10と呼ぶ)は定義され、そしてそれを製造する方法およびIL−20に対する抗体は国際特許出願No.PCT/US98/25228号、公開WO99/27103、1988年11月25日発行および米国特許出願第09/313,458号、1999年5月17日提出に記載されている。ヒトIL−20のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは配列番号1〜4により表され、そしてマウスIL−20のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは配列番号5〜9により表される。
【0028】
IL−20に対するレセプターは発見され、「IL−20RA」(形式的にZcytoR7と呼ぶ)と命名されるポリペプチドと、「IL−20RB」と命名されるポリペプチドとから構成されている。IL−20RAポリペプチド、それをコードする核酸、IL−20RAに対する抗体、およびそれを製造する方法は、米国特許第5,945,511号、1999年8月31日発行、に開示されている。配列番号10〜12はIL−20RAポリヌクレオチドおよびポリペプチドである。ヒトIL−20RAの細胞外ドメインは配列番号12、38、55、63、および65から成る群から選択されるポリペプチドから構成され、全長レセプターサブユニットは配列番号11から構成されている。マウスIL−20RAの細胞外ドメインは配列番号38であり、配列番号37は全マウスIL−20RAである。
【0029】
IL−20RB(配列番号13〜14、および変異型配列番号18および19)の細胞外ドメインは、配列番号15、59、61、67、68、および69から成る群から選択されるポリペプチドから構成されたヘテロダイマーである。好ましくは、IL−20RAポリペプチドの細胞外ドメインおよびIL−20RBポリペプチドの細胞外ドメインが一緒に共有結合されている。好ましい態様において、一方の細胞外サブユニットはそのカルボキシ末端に融合された免疫グロブリンの重鎖の定常領域を有し、そして他方の細胞外サブユニットはそのカルボキシ末端に融合された免疫グロブリン(Ig)の軽鎖の定常領域を有し、こうして2つのポリペプチドは一緒に可溶性レセプターを形成し、そして重鎖および軽鎖Ig鎖の間でジサルファイド結合が形成される。他の方法において、ペプチドリンカーはポリペプチドの2つのカルボキシ末端にに融合して共有結合した可溶性レセプターを形成する。
【0030】
配列番号22および23は、実施例5に記載する手順に従い製造された、突然変異したヒト免疫グロブリンガンマ1定常領域に融合されたIL−20RAの細胞外ドメインの構築物である。配列番号62は、シグナル配列を含まない予測された成熟配列である。配列番号20および21は、実施例5に記載する手順に従い製造された、野生型ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域に融合されたIL−20RBの細胞外ドメインの構築物である。配列番号60は、シグナル配列を含まない予測された成熟配列である。実施例5により製造されたヘテロダイマーを第1図に描写する。
【0031】
配列番号52および53は、実施例12に記載する手順に従い製造された、突然変異したヒト免疫グロブリンガンマ1定常領域に融合されたIL−20RAの細胞外ドメインの構築物である。配列番号54は、シグナル配列を含まない予測された成熟配列である。配列番号56および57は、実施例12に記載する手順に従い製造された、野生型ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域に融合されたIL−20RBの細胞外ドメインの構築物である。配列番号58は、シグナル配列を含まない予測された成熟配列である。生ずるヘテロダイマーは実施例5により製造されたヘテロダイマーとほとんど同一であり、主要な差は細胞外ドメインと、Ig定常領域の開始、第1図において22との間のポリペプチドリンカーの非存在である。以後において、用語「レセプターの細胞外ドメイン」は、レセプターの細胞外ドメイン、またはリガンドがIL−20である場合において、そのリガンドに結合するために必要である細胞外ドメインの部分を意味する。
【0032】
生ずる可溶性レセプターがIL−20に結合することができる多数の方法において、IL−20RAおよびIL−20RBの細胞外ドメインを一緒に結合することができる。第1図〜第8図は、本発明の代表的数の態様を例示する。図面の各々において共通な要素は同一数字で記載されている。第1図は、下記の実施例5に従い製造された本発明の態様を表す。10と表示する可溶性レセプター構築物は、12および14と表示する2つのIL−20結合部位のポリペプチド鎖から構成されている。各結合部位は、16と表示するIL−20RAの細胞外ドメインと、18と表示するIL−20RBの細胞外ドメインとから構成されている。
【0033】
IL−20RAの細胞外ドメインは、配列番号72である、リンカー22を介して、ヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域の定常重(CH1)ドメイン20に結合されている。次いで、CH1ドメイン20は、ヒンジ領域23を介して、CH2ドメイン24に結合されている。CH2ドメイン24は、ヒンジ領域25を介して、CH3ドメイン26に結合されている。
【0034】
第1図の構築物を配列番号22と比較すると、IL−20RAの細胞外ドメイン16は配列番号22のアミノ酸残基36、バリンからアミノ酸残基249、グルタミンまで伸長し、かつそれを含む。ポリペプチドリンカー22は、配列番号22のアミノ酸残基250、グリシンからアミノ酸残基264、セリンまで伸長し、かつそれを含む。第1図のCH1ドメイン22は、配列番号22のアミノ酸残基265、アラニンからアミノ酸残基362、バリンまで伸長し、かつそれを含む。第1図のヒンジ領域23は、配列番号22のアミノ酸残基363、グルタミン酸からアミノ酸残基377、プロリンまで伸長し、かつそれを含む。鎖12および14は、ジサルファイド結合28および30により一緒にのジサルファイド結合されている。ジサルファイド結合は、2つの重鎖の各々の配列番号22の位置373および376においてシステイン残基により重鎖間で形成される。
【0035】
IL−20RBの細胞外ドメイン18は、ポリペプチド配列番号72である、ポリペプチドリンカー32を介して第1図のヒトカッパ軽鎖(Cl)34の定常領域に結合されている。IL−20RBの細胞外ドメイン18は配列番号20のアミノ酸残基30、バリンからアミノ酸残基230、アラニンまで伸長し、かつそれを含む。ポリペプチドリンカー32は、配列番号20のアミノ酸残基231、グリシンからアミノ酸残基245、セリンまで伸長し、かつそれを含む。
【0036】
カッパ定常軽領域34は、配列番号20のアミノ酸残基246、アルギニンからアミノ酸残基352、システインまで伸長し、かつそれを含む。配列番号20の位置352におけるシステインは、配列番号22の位置367におけるシステインと、第1図においてジサルファイド結合36を形成する。こうして、定常軽鎖34はジサルファイド結合36によりヒンジ領域23に結合されている。このようにして、IL−20RAの細胞外ドメイン16はIL−20RBの細胞外ドメイン18に結合して、可溶性レセプターを形成する。
【0037】
配列番号22の位置373および376におけるシステイン残基が異なるアミノ酸残基に変化する場合、2つのIL−20結合性ポリペプチド12および14は一緒にジサルファイド結合し、ヒンジ領域27を有する第2図に示す構築物を形成するであろう。
第3図は本発明の非常に簡単な可溶性レセプター38を示し、ここでIL−20RAの細胞外ドメイン16はポリペプチドリンカー40によりIL−20RBの細胞外ドメイン18に接続されている。ポリペプチドリンカーはIL−20RAの細胞外ドメイン16のアミノ末端から伸長し、IL−20RBの細胞外ドメイン18のカルボキシ末端に接続されている。ポリペプチドリンカーは100〜240アミノ酸長さ、好ましくは約170アミノ酸残基長さである。適当なリンカーはグリシン残基およびセリン残基から構成されている。可能なリンカーは配列番号72の多重単位、好ましくは約12である。
【0038】
第4図は、第3図におけるように、リンカー40によりIL−20RBの細胞外ドメイン18に結合されたIL−20RAの細胞外ドメイン16を有する態様を示す。IL−20RAの細胞外ドメイン16が、第1図に示すように、ポリペプチドリンカー42によりCH1ドメイン20に結合されており、ポリペプチドリンカー42は約30アミノ酸残基長さであろう。理想的リンカーは、配列番号72におけるようにグリシンおよびセリン、および第1図のヒンジ領域23から構成されている。
【0039】
第5図は、本発明の他の可能な態様を示す。この態様において、例えば、配列番号72の、約15アミノ酸残基のポリペプチドリンカー44は、IL−20RBの細胞外ドメイン18のカルボキシル末端をIL−20RAの細胞外ドメイン16のアミノ末端に結合する。約30アミノ酸残基のポリペプチドリンカー46は、IL−20RAの細胞外ドメイン16のカルボキシ末端からCH2ドメインに伸長している。リンカー46のカルボキシル末端は、好ましくは、配列番号22のアミノ酸残基363、グルタミン酸からアミノ酸残基377、プロリンまで伸長し、かつそれを含む。それにもかかわらず、ポリペプチドリンカー46は理想的にはそのカルボキシル末端に少なくとも1つのシステイン残基を有するので、ジサルファイド結合を形成することができる。
【0040】
第6図の可溶性IL−20レセプターは第1図のそれと同一であり、ただし第1図のCH3ドメイン26は第6図の態様の中に存在しない。CH3領域はアミノ酸残基488、グリシンにおいて開始し、配列番号22の少なくとも594に伸長する。
第7図は、CH2およびCH3の両方のドメインが存在しない以外、第1図の概念と同一である、可溶性IL−20レセプター構築物を示す。CH2およびCH3ドメインはアミノ酸残基378、アラニンから、配列番号22のポリペプチド配列の末端に伸長する。
【0041】
第8図は、IL−20RA、16、およびIL−20RBの両方が、それらのそれぞれのカルボキシル末端に融合されたポリペプチドリンカー48を有する構築物を示す。各ポリペプチドリンカーは2つのシステインを有し、こうしてそれらが発現されるとき、システインは2つのジサルファイド結合50を形成する。この場合において、ポリペプチドリンカーは第1図においてヒンジ領域23から構成されている。ヒンジ領域は、配列番号22のアミノ酸残基363、グルタミン〜アミノ酸残基377から構成されている。
【0042】
本発明の他の面において、IL−20RAおよびIL−20RBの細胞外ドメインから構成された可溶性レセプターを製造する方法が提供され、この方法は下記の工程を含む:
(a)第1分泌シグナル配列に作用可能に連鎖された転写プロモーターと、下流の適切なリーディングフレームでIL−20RAの細胞外部分をコードするDNAおよび免疫グロブリン軽鎖定常領域をコードするDNAとから構成された第1DNA配列を宿主細胞の中に導入し;
【0043】
(b)第2分泌シグナル配列に作用可能に連鎖された転写プロモーターと、下流の適切なリーディングフレームでIL−20RBの細胞外部分をコードするDNA配列およびCH1、CH2、CH3およびCH4から成る群から選択される免疫グロブリン重鎖定常領域をコードするDNA配列とから構成された第2DNA構築物を宿主細胞の中に導入し;
(c)IL−20RAおよびIL−20RBの細胞外ドメインから構成された融合タンパク質の分泌を可能とする生理学的条件下に、適当な成長培地中で宿主細胞を成長させ;そして
【0044】
(d)ポリペプチドを宿主細胞から単離する。
1つの態様において、第2DNA配列は免疫グロブリン重鎖ヒンジ領域をさらにコードし、ここでヒンジ領域は重鎖定常領域ドメインに結合されている。他の態様において、第2DNA配列は上流において適切なリーディングフレームで免疫グロブリン重鎖定常領域と結合した免疫グロブリン可変領域をさらにコードする。
【0045】
本発明の選択的面において、IL−20RAおよびIL−20RBの細胞外ドメインから構成された可溶性レセプターを製造する方法が提供され、この方法は下記の工程を含む:
(a)第1分泌シグナル配列に作用可能に連鎖された転写プロモーターと、下流の適切なリーディングフレームでIL−20RBの細胞外部分をコードするDNAおよび免疫グロブリン軽鎖定常領域をコードするDNAとから構成された第1DNA配列を宿主細胞の中に導入し;
【0046】
(b)第2分泌シグナル配列に作用可能に連鎖された転写プロモーターと、下流の適切なリーディングフレームでIL−20RAの細胞外部分をコードするDNA配列およびCH1、CH2、CH3およびCH4から成る群から選択される免疫グロブリン重鎖定常領域をコードするDNA配列とから構成された第2DNA構築物を宿主細胞の中に導入し;
(c)IL−20RAおよびIL−20RBの細胞外ドメインから構成された二量化ヘテロダイマーの融合タンパク質の分泌を可能とする生理学的条件下に、適当な成長培地中で宿主細胞を成長させ;そして
【0047】
(d)二量化ポリペプチドを宿主細胞から単離する。
1つの態様において、第2DNA配列は免疫グロブリン重鎖ヒンジ領域をさらにコードし、ここでヒンジ領域は重鎖定常領域ドメインに結合されている。他の態様において、第2DNA配列は上流において適切なリーディングフレームで免疫グロブリン重鎖定常領域と結合した免疫グロブリン可変領域をさらにコードする(米国特許第5,843,725号参照)。
【0048】
ポリヌクレオチド、一般にcDNA配列は、記載したここにおけるポリペプチドをコードする。本発明のポリペプチドをコードするcDNA配列は1系列のコドンから構成されており、ポリペプチドの各アミノ酸残基は1つのコドンによりコードされ、そして各コドンは3つのヌクレオチドから構成されている。アミノ酸残基は次のようにそれらのそれぞれのコドンによりコードされる。
【0049】
アラニン(Ala)は、GCA、GCC、GCGまたはGCTによりコードされる。
システイン(Cys)は、TGCまたはTGTによりコードされる。
アスパラギン酸(Asp)は、GACまたはGATによりコードされる。
グルタミン酸(Glu)は、GAAまたはGAGによりコードされる。
フェニルアラニン(Phe)は、TTCまたはTTTによりコードされる。
グリシン(Gly)は、GGA、GGC、GGGまたはGGTによりコードされる。
ヒスチジン(His)は、CACまたはCATによりコードされる。
イソロイシン(Ile)は、ATA、ATCまたはATTによりコードされる。
リシン(Lys)は、AAA、またはAAGによりコードされる。
ロイシン(Leu)は、TTA、TTG、CTA、CTC、CTGまたはCTTによりコードされる。
【0050】
メチオニン(Met)は、ATGによりコードされる。
アスパラギン(Asn)は、AACまたはAATによりコードされる。
プロリン(Pro)は、CCA、CCC、CCGまたはCCTによりコードされる。
グルタミン(Gln)は、CAAまたはCAGによりコードされる。
アルギニン(Arg)は、AGA、AGG、CGA、CGC、CGGまたはCGTによりコードされる。
セリン(Ser)は、AGC、AGT、TCA、TCC、TCGまたはTCTによりコードされる。
トレオニン(Thr)は、ACA、ACC、ACGまたはACTによりコードされる。
バリン(Val)は、GTA、GTC、GTGまたはGTTによりコードされる。
トリプトファン(Trp)は、TGGによりコードされる。
チロシン(Tyr)は、TACまたはTATによりコードされる。
【0051】
本発明によれば、ポリヌクレオチドは本明細書に記載するように特許請求されるとき、特許請求されるものは、理解されるように、センス鎖、アンチセンス鎖、およびそれらのそれぞれの水素結合により一緒にアニールされたセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方を有する二本鎖としてのDNAであることを認識すべきである。また、本発明のポリヌクレオチドをコードするメッセンジャーRNA(mRNA)が特許請求され、mRNAは本明細書に記載するcDNAによりコードされる。メッセンジャーRNA(mRNA)は本明細書において定義する同一コドンを使用してポリペプチドをコードし、ただし各チミンヌクレオチド(T)はウラシルヌクレオチド(U)で置換されている。
【0052】
また、当業者は認識するように、異なる種は「優先的コドンの使用」を示すことができる。一般に、下記の文献を参照のこと:Grantham他、Nucl. Acids Res. 8:1893−912、1980;Haas他、Curr. Biol. 6:315−24、1996;Wain−Hobson他、Gene 13:355−64、1981;GrosjeanおよびFiers、Gene 18:199−209、1982;Holm、Nucl. Acids Res. 14:3075−87、1986;Ikemura、J. Mol. Biol. 158:573−97、1982。本発明において使用するとき、用語「優先的コドンの使用」または「優先的コドン」は、ある種の細胞において最も頻繁に使用され、こうして各アミノ酸をコードする可能なコドンの1つまたはわずかの代表的なものに好んで使用される、タンパク質翻訳コドンを言及する、この分野の用語である。
【0053】
例えば、アミノ酸のスレオニン(Thr)はACA、ACC、ACG、またはACTによりコードされることができるが、哺乳動物細胞において、ACCは最も普通に使用されるコドンである;他の種、例えば、昆虫細胞、酵母、ウイルスまたは細菌において、異なるThrコドンは優先的であることができる。特定の種の優先的コドンを、この分野において知られている種々の技術により、本発明のポリヌクレオチドの中に導入することができる。組換えDNAの中への優先的コドンの導入は、例えば、特定の細胞の型または種内のタンパク質の翻訳を効率よくすることによって、タンパク質の産生を増強することができる。優先的コドンを含有する配列を、本明細書において開示するように、種々の種における発現について試験し、発現のために最適化し、そして機能性について試験することができる。
【0054】
アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化する方法はこの分野において知られている。ナンセンス突然変異を含有するプラスミドの転写および翻訳は、大腸菌(E. coli)S30抽出物および商業的に入手可能な酵素および他の試薬を含んでなる無細胞系中で実施される。タンパク質はクロマトグラフィーにより精製される。例えば、下記の文献を参照のこと:Robertosn他、J. Am. Chem. Soc. 113:2722(1991);Ellman他、Methods Enzymol. 202:301(1991);Chung他、Science 259:806−809(1993);およびChung他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145−1019(1993)。
【0055】
第2方法において、翻訳はクセノプス(Xenopus)卵母細胞中で突然変異したmRNAをマイクロインジェクトし、サプレッサーtRNAを化学的にアミノアシル化することによって実施される、Turcatti他、J. Biol. Chem. 271:19991−19998(1996)。
第3方法において、大腸菌(E. coli)細胞を置換すべき天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の非存在下にかつ1またはそれ以上の所望の天然に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、または4−フルオロフェニルアラニン)の存在下に培養する。
【0056】
天然に存在しないアミノ酸を天然対応物の代わりにタンパク質の中に組込む。Koide他、Biochem. 33:7470−7476(1994)参照。天然に存在するアミノ酸残基をin vitro化学的修飾により天然に存在しない種に変換する。化学的修飾を部位特異的突然変異誘発と組合わせて、置換の範囲をさらに拡張することができる。
制限された数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によりコードされないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、および非天然アミノ酸をアミノ酸残基と置換することができる。
【0057】
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、この分野において知られている手順、例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発に従い同定することができる、CunninghamおよびWells、Science 244:1081−5(1989);Bass他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4498−502(1991)。後者の技術において、単一のアラニンの突然変異を分子中のすべての残基において導入し、そして後述するように生ずる突然変異体分子を生物学的活性について試験して、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定する。
【0058】
また、下記の文献を参照のこと:Hilton他、J. Biol. Chem. 271:4699−708、1996。また、リガンド−レセプターまたは他の生物学的相互作用の部位は、構造の物理的解析により決定することができ、例えば、核磁気共鳴、結晶学、電子回折またはフォトアフィニティー標識化のような技術と、推定上の接触部位のアミノ酸の突然変異との組合わせにより決定することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:de Vos他、Science 255:306−312(1992);Smith他、J. Mol. Biol. 224:899−904(1992);Wlodaver他、FEBS Lett. 309:59−64(1992)。
【0059】
既知の突然変異誘発およびスクリーニングの方法、例えば、下記の文献に記載されている方法を使用して、多重アミノ酸置換を行い、試験することができる:Reidhaar−OlsonおよびSauer、Science 241:53−7(1988)またはBowieおよびSauer、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 86:2152−6(1989)。簡単に述べると、これらの著者らはポリペプチド中の2またはそれ以上の位置を同時にランダム化し、機能的ポリペプチドについて選択し、次いで突然変異化ポリペプチドを配列決定して、各位置における許容可能な置換のスペクトルを決定する方法を開示している。使用できる他の方法は下記の方法を包含する:ファージディスプレイ、例えば、Lowman他、Biochem. 30:10832−7(1991);Ladner他、米国特許第5,223,409号;Huse、WIPO公開WO 92/06204)および領域特異的突然変異誘発、Derbyshire他、Gene 46:145、1986;Ner他、DNA 7:127(1988)。
【0060】
開示したIL−20、IL−20RAおよびIL−20RB DNAおよびポリペプチド配列の変異型を、下記の文献に開示されているように、DNAシャフリングにより発生させることができる:Stemmer、Nature 370:389(1994)、Stemmer、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91:10747−10751(1994)およびWIPO公開WO 97/20078。簡単に述べると、親DNAをランダムフラグメント化し、次いでPCRによりリアセンブリーして、ランダムに導入された点突然変異を生じさせることによって、in vitro相同的組換えにより変異型DNA分子を発生させる。親DNA分子のファミリー、例えば、アレレ変異型または異なる種からのDNA分子を使用して、追加の可変性をプロセスの中に導入することによって、この技術を修飾することができる。所望の活性について選択またはスクリーニングし、次いで突然変異誘発およびアッセイをさらに反復して、所望の突然変異を選択すると同時に有害な変化に対して選択することによって、配列を急速に「進化」させる。
【0061】
本明細書に開示する突然変異誘発法を大きい処理量の自動化スクリーニング法と組合わせて、宿主細胞においてクローニングされ、突然変異化されたポリペプチドの活性を検出することができる。活性ポリペプチドをコードする突然変異化DNA分子を宿主細胞から回収し、現代的装置を使用して急速に配列決定することができる。これらの方法は、問題のポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能とし、未知構造のポリペプチドに適用することができる。
【0062】
タンパク質の製造
ポリペプチドは遺伝子操作した宿主細胞において慣用技術に従い製造することができる。適当な宿主細胞は、外因的DNAで形質転換またはトランスフェクトすることができ、培養により増殖させることができる細胞型であり、そして細菌、真菌細胞、および培養された高等真核細胞を包含する。真核細胞、特に多細胞の微生物の培養された細胞は好ましい。クローニングされたDNA分子を操作し、外因的DNAを種々の宿主細胞の中に導入する技術は、下記の文献に記載されている:Sambrook他、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989)およびAusubel他(編者)、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,Inc.、NY、1987)。
【0063】
一般に、ポリペプチドをコードするDNA配列は、発現ベクター内に一般に転写プロモーターおよびターミネーターを包含する、その発現のための必要な他の遺伝因子に作用可能に連鎖される。ベクターは、また、1またはそれ以上の選択可能なマーカーおよび1またはそれ以上の複製起点を普通に含有するが、当業者は認識するように、ある種の系内で選択可能なマーカーを別々のベクター上に提供し、そして宿主細胞のゲノムの中への組込みにより外因的DNAの複製を得ることができる。プロモーター、ターミネーター、選択可能なマーカー、ベクターおよび他の因子の選択は、当業者のレベル内の日常的設計事項である。多数のこのような因子は文献に記載されており、そして商業的供給会社から入手可能である。
【0064】
ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路の中に向けるために、分泌シグナル配列(また、リーダー配列、プレプロ配列または前配列として知られている)を発現ベクターの中に準備する。分泌シグナル配列は天然ポリペプチドのそれであることができるか、あるいは他の分泌されたタンパク質(例えば、t−PA)から誘導するか、あるいは新規に合成することができる。
【0065】
分泌シグナル配列はDNA配列にに作用可能に連鎖される、すなわち、2つの配列を正しいリーディングフレームで結合し、新しく合成されたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路の中に向けるように位置決定する。分泌シグナル配列は普通に問題のポリペプチドをコードするDNA配列に対して5'に配置されるが、ある種の分泌シグナル配列は問題のDNA配列の中のどこかに位置決定することができる(例えば、Welch他、米国特許第5,037,743号;Holland他、米国特許第5,143,830号、参照)。
【0066】
選択的に、本発明のポリペプチドの中に含有される分泌シグナル配列を使用して、他のポリペプチドを分泌経路の中に向けることができる。本発明は、このような融合ポリペプチドを提供する。好ましくは、本発明の融合ポリペプチドの中に含有される分泌シグナル配列を追加のペプチドに対してアミノ末端的に融合させて、追加のペプチドを分泌経路の中に向ける。このような構築物はこの分野において知られている多数の用途を有する。例えば、これらの新規な分泌シグナル配列の融合構築物は、常態で分泌されないタンパク質の活性成分、例えば、レセプターの分泌を指令することができる。このような融合物をin vivoまたはin vitroにおいて使用して、ペプチドを分泌経路を通して向けることができる。
【0067】
培養された哺乳動物細胞は、本発明において適当な宿主である。外因的DNAを哺乳動物の宿主細胞の中に導入する方法は下記の方法を包含する:リン酸カルシウム仲介トランスフェクション、Wigler他、Cell 14:725(1978);CorsaroおよびPearson、Somatic Cell Genetics 7:603(1981);GrahamおよびVan der Eb、Virology 52:456、1973)、エレクトロポレーション、Neumann他、EMBO J. 1:841−845(1982)、DEAE−デキストリン仲介トランスフェクション、Ausubel他、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons,Inc.、NY(1987)、リポソーム仲介トランスフェクション、Hawley−Nelson他、Focus 15:73(1993);Ciccarone他、Focus 15:80(1993)、およびウイルスベクター、MillerおよびRosman、BioTechniques 7:980(1989);WangおよびFiner、Nature Med. 2:714(1996)。
【0068】
培養された哺乳動物細胞における組換えポリペプチドの産生は、例えば、下記の特許文献に記載されている:Levinson他、米国特許第4,713,339号;Hagen他、米国特許第4,784,950号;Palmiter他、米国特許第4,579,821号;およびRingold、米国特許第4,656,134号。適当な培養された哺乳動物細胞は下記のものを包含する:COS−1(ATCC No. CRL 1650)、COS−7(ATCC No. CRL 1651)、BHK(ATCC No. CRL 1632)、BHK570(ATCC No. CRL 10314)、293(ATCC No. CRL 1573;Graham他、J. Gen. Virol. 36:59−72(1977)およびチャイニーズハムスター卵巣(例えば、CHO−K1;ATCC No. CRL 61)細胞系統。
【0069】
追加の適当な細胞系統はこの分野において知られており、そして公衆の寄託機関、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(マリイランド州ロックビレ)から入手可能である。一般に、強い転写プロモーター、例えば、SV−40またはサイトメガロウイルスからのプロモーターは好ましい。例えば、米国特許第4,956,288号参照。他の適当なプロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からプロモーター(米国特許第4,579,821号および米国特許第4,601,978号)およびアデノウイルスの主要な後期プロモーターを包含する。
【0070】
薬剤選択を一般に使用して、外来DNAが挿入された、培養された哺乳動物細胞について選択する。このような細胞は普通に「トランスフェクタント」と呼ばれる。選択因子の存在において培養され、問題の遺伝子をそれらの子孫に移行させることができる細胞は、「安定なトランスフェクタント」と呼ばれる。好ましい選択可能なマーカーは、抗生物質のネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選択はネオマイシン型薬剤、例えば、G−418またはその他の存在において実施される。
【0071】
また、選択系を使用して、問題の遺伝子の発現レベルを増加することができる、「増幅」と呼ぶ方法。低いレベルの選択因子の存在においてトランスフェクタントを培養し、次いで選択因子の量を増加して、導入された遺伝子の産物を高いレベルで産生する細胞について選択することによって、増幅は実施される。好ましい増幅可能な選択可能なマーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与する、ジヒドロフォレートリダクターゼである。
【0072】
他の薬剤耐性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、多薬剤耐性、プロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)を使用することもできる。FACSソーティングまたは磁気ビーズ分離技術のような手段により、変更された表現型を導入するオールタネイティブマーカー、例えば、緑色蛍光タンパク質、または細胞表面のタンパク質、例えば、CD4、CD8、クラスIのMHC、胎盤アルカリ性ホスファターゼを使用して、非トランスフェクト細胞からトランスフェクトされた細胞を選別することができる。
【0073】
植物細胞、昆虫細胞およびトリの細胞を包含する、他の高等真核細胞を宿主細胞として使用することもできる。植物細胞中で遺伝子を発現するのためのベクターとしてアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を使用することは、Sinkar他、J. Biosci.(Bangalore)11:47−58(1987)において概観されている。昆虫細胞の形質転換およびその中の外来ポリペプチドの産生は、Guarino他、米国特許第5,162,222号およびWIPO公開WO 94/06463号に記載されている。
【0074】
オートグラファト・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体病ウイルス(AcNPV)から普通に誘導される、組換えバキュロウイルスで、昆虫細胞を感染させることができる。2つの方法の1つにより、ポリペプチドをコードするDNAをAcNPVポリヘドリン遺伝子のコーディング配列の代わりにバキュロウイルスのゲノムの中に挿入する。第1は、野生型AcNPVとAcNPV配列によりフランクされた遺伝子を含有する転移ベクターとの間の相同的DNA組換えの伝統的方法である。適当な昆虫細胞、例えば、SF9細胞を野生型AcNPVで感染させ、そしてAcNPVポリヘドリン遺伝子プロモーター、ターミネーター、およびフランキング配列に作用可能に連鎖されたポリペプチドからなる転移ベクターでトランスフェクトする。
【0075】
下記の文献を参照のこと:King、L. A. およびPossee、R. D. The Baculovirus Expression System:A Laboratory Guide(Chapman & Hall、London);O'Reilly、D. R.他、Baculovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual(Oxford University Press、New York、New York、1994);およびRichardson、C. D. 編、Baculovirus Expression Protocols、 Methods in Molecular Biology、(Humana Press、Totowa、NJ、1995)。昆虫細胞内の自然の組換えは、ポリヘドリンプロモーターにより推進されたコーディング配列を含有する組換えバキュロウイルスを生ずるであろう。組換えウイルスの系統は、この分野において普通に使用されている方法により作られる。
【0076】
組換えバキュロウイルスを作る第2の方法は、Luckowが記載するトランスポゾンをベースとする系を利用する、Luckow、V. A.、他、J. Virol. 67:4566(1993)。この系はBac−to−Bacキット(Life Technologies、マリイランド州ロックビレ)で販売されている。この系は転移ベクター、pFastBac1TM(Life Technologies)を利用し、ここでpFastBac1TMは「バクミド(bacmid)」と呼ばれる大きいプラスミドとして大腸菌(E. coli)の中に維持されたバキュロウイルスのゲノムの中にポリペプチドをコードするDNAを動かすために、Tn7トランスポゾンを含有する。
【0077】
pFastBac1TM転移ベクターは、AcNPVポリヘドリンプロモーターを利用して、問題の遺伝子の発現を推進する。しかしながら、pFastBac1TMはかなりな程度に修飾可能である。ポリヘドリンプロモーターを除去し、バキュロウイルスをベースとするタンパク質プロモーター(また、Pcor、p6.9またはMPプロモーターとして知られている)で置換し、ここでこのプロモーターは以前にバキュロウイルスの感染において発現され、そして分泌されたタンパク質の発現に好都合であることが示されている。下記の文献を参照のこと:Hill−Perkins、M. S. およびPossee、R. D.、J. Gen. Virol. 71:971(1990);Bonning、B. C.、他、J. Gen. Virol. 75:1551(1994);およびChazenbalk、G. D.、およびRapoport、B.、J. Biol. Chem. 270:1543(1995)。
【0078】
このような転移ベクター構築物において、基本的タンパク質プロモーターの短いまたは長いバージョンを使用することができる。その上、天然分泌シグナル配列を昆虫タンパク質から誘導された分泌シグナル配列で置換する、転移ベクターを構築することができる。例えば、エクジステロイドグルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、蜜蜂のメリチン(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)、またはバキュロウイルスgp67(PharMingen、カリフォルニア州サンディエゴ)からの分泌シグナル配列を構築物において使用して、天然分泌シグナル配列を置換することができる。
【0079】
さらに、転移ベクターは、発現されたポリペプチドのC末端またはN末端におけるエピトープ標識、例えば、Glu−Gluエピトープ標識をコードするDNAとのインフレーム融合物を含むことができる、Grussenmeyer、T.、他、Proc. Natl. Acad. Sci. 82:7952(1985)。この分野において知られている技術を使用して、組換え遺伝子を含有する転移ベクターを大腸菌(E. coli)の中に形質転換し、そして組換えバキュロウイルスを示す中断されたlacZ遺伝子を含有するバクミドについてスクリーニングする。
【0080】
組換えバキュロウイルスのゲノムを含有するバクミドDNAを普通の技術に従い単離し、そしてスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、例えば、Sf9細胞をトランスフェクトする。ポリペプチドを発現する組換えウイルスを引き続いて生成させる。この分野において普通に使用されている方法により、組換えウイルスの系統を作る。
【0081】
宿主細胞、典型的にはヨトウガ、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)から誘導された細胞系統を感染させるために、組換えウイルスを使用する。一般に、下記の文献を参照のこと:GlickおよびPasternak、Molecular Biotechnology:Principle and Applications of Recombinant DNA(ASM Press、Washington、D. C.、1994)。他の適当な細胞系統は、トリコデルマ・ニ(Trichoderma ni)から誘導されたHigh FiveOTM細胞系統(Invitrogen)である(米国特許第5,300,435号)。
【0082】
商業的に入手可能な無血清培地を使用して、細胞を増殖させかつ維持する。適当な培地はSf9細胞についてSf900 IITM(Life Technologies)またはESF 921TM(Expression System);およびトリコデルマ・ニ(T.ni)細胞についてEx−cellO450TM(JRH Bioscience、カンサス州レネクサ)またはExpress FiveOTM(Life Technologies)である。細胞をほぼ2〜5×105細胞の接種密度から1〜2×106細胞の密度に増殖させ、この時組換えウイルスの系統を0.1〜10、より典型的には約3の感染の多重度(MOI)で添加する。組換えウイルスが感染した細胞は典型的には感染後12〜72時間で組換えポリペプチドを産生し、そしてそれを変化する効率で培地の中に分泌する。
【0083】
培養物を通常感染後48時間に収集する。遠心を使用して培地(上清)から細胞を分離する。ポリペプチドを含有する上清を、微小孔フィルター、通常0.45μmの孔大きさのフィルターを通して濾過する。使用する手順は一般に入手可能な実験室のマニュアルに記載されている(King、L. A. およびPossee、R. D.、前掲;O'Reilly、D. R.、他、前掲;Richardson、C. D.、前掲)。本明細書に記載する方法に従い、上清からのポリペプチドの引き続く精製を実施することができる。
【0084】
酵母細胞を包含する真菌細胞を本発明において使用することもできる。これに関して特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、およびピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)を包含する。外因的DNAでサッカロミセス・セレビシエ(S. cerevisiae)を形質転換し、それから組換えポリペプチドを生産する方法は、例えば、下記の特許文献に記載されている:Kawasaki、米国特許第4,599,311号;Kawasaki他、米国特許第4,931,373号;Brake、米国特許第4,870,008号;Welch他、米国特許第5,037,743号;およびMurry他、米国特許第4,845,075号。
【0085】
選択可能なマーカーにより決定された表現型、普通の薬剤耐性または特定の栄養(例えば、ロイシン)の非存在において増殖する能力により、形質転換された細胞を選択する。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において使用するために好ましいベクター系は、Kawasaki他(米国特許第4,931,373号)により開示されているPOT1ベクター系であり、これによりグルコースを含有する培地中の増殖により形質転換細胞を選択することができる。酵母において使用するために適当なプロモーターおよびターミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki、米国特許第4,599,311号;Kingsman他、米国特許第4,615,974号;およびBitter、米国特許第4,977,092号、参照)およびアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。
【0086】
また、米国特許第4,990,446号;米国特許第5,063,154号;米国特許第5,139,936号および米国特許第4,661,454号、参照。ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカラロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・フラギリス(Kluyveromyces frgilis)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)、ピキア・グイレルモンディイ(Pichia guillermondii)およびカンジダ・マルトサ(Candida maltosa)を包含する、他の酵母のための形質転換系はこの分野において知られている。
【0087】
例えば、Gleeson他、J. Gen. Microbiol. 132:3459(1986)およびCregg、米国特許第4,882,279号、参照。McKnight他、米国特許第4,935,349号の方法に従い、アスペルギルス(Aspergillus)細胞を利用することができる。アクレモニウム・クリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)は、Sumino他、米国特許第5,162,228号に開示されている。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換する方法は、Lambowitz、米国特許第4,486,533号に開示されている。
【0088】
組換えタンパク質の生産のための宿主としてピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)を使用することは、WIPO公開WO 97/17450号、WO 97/17451号、WO 98/02536号、およびWO98/02565号に開示されている。ピキア・メタノリカ(P. metanolica)の形質転換において使用するDNA分子は二本鎖、円形のプラスミドとして普通に製造され、これらは好ましくは形質転換の前に線状化される。ピキア・メタノリカ(P. metanolica)におけるタンパク質の生産のために、プラスミド中のプロモーターおよびターミネーターはピキア・メタノリカ(P. metanolica)の遺伝子、例えば、ピキア・メタノリカ(P. metanolica)のアルコール利用遺伝子(AUG1またはAUG2)のそれであることが好ましい。
【0089】
他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ホルメートデヒドロゲナーゼ(FMD)、およびカタラーゼ(CAT)遺伝子のプロモーターを包含する。宿主染色体の中へのDNAの組込みを促進するために、宿主DNA配列により双方の末端においてフランクされたプラスミドの全体の発現セグメントを有することが好ましい。ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)において使用するために好ましい選択可能なマーカーはピキア・メタノリカ(P. metanolica)のADE2遺伝子であり、これはホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC;EC4.1.1.21)をコードし、これはアデニンの非存在においてade2宿主細胞を増殖させる。
【0090】
メタノールの使用を最小としようとする、大規模の工業的方法のために、双方のメタノール利用遺伝子(AUG1およびAUG2)が欠失されている、宿主細胞を使用することが好ましい。分泌されたタンパク質の生産のために、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4およびPRB1)を欠如する宿主細胞は好ましい。問題のポリペプチドをコードするDNAを含有するプラスミドをピキア・メタノリカ(P. metanolica)細胞の中に導入することを促進するために、エレクトロポレーションを使用する。2.5〜4.5kV/cm、好ましくは約3.75kV/cmの電界強度を有する、指数的に減衰する、パルス電界、および1〜40ミリセカント、最も好ましくは約20ミリセカントの時間定数(t)を使用する、エレクトロポレーションにより、ピキア・メタノリカ(P. metanolica)細胞を形質転換することが好ましい。
【0091】
細菌大腸菌(Escherichia coli)、バシラス(Bacillus)および他の属の株を包含する、原核宿主細胞は、また、本発明において有用である。これらの宿主を形質転換し、その中にクローニングされた外来DNA配列を発現する技術はこの分野においてよく知られている(例えば、Sambrook他、前掲、参照)。大腸菌(E. coli)のような細菌においてポリペプチドを発現させるとき、ポリペプチドを、典型的には不溶性粒子として、細胞質の中に保持させることができるか、あるいは細菌の分泌配列によりペリプラスミック空間の中に向けることができる。前者の場合において、細胞を溶解し、粒子を回収し、例えば、グアニジンイソチオシアネートまたは尿素を使用して、変性する。
【0092】
次いで変性されたポリペプチドをリフォルディングさせ、変性物の希釈により、例えば、尿素の溶液および還元されたグルタチオンおよび酸化されたグルタチオンとの組合わせに対する透析、および引き続く緩衝化生理食塩水に対する透析により、二量体化させることができる。後者の場合において、細胞を崩壊させて(例えば、超音波処理または浸透圧ショックにより)ペリプラスミック空間の内容物を解放し、これにより変性およびリフォルディングの必要性を排除することによって、ポリペプチドをペリプラスミック空間から可溶性の、機能的形態で回収することができる。
【0093】
形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を、慣用手順に従い、栄養素および選択した宿主細胞の成長に必要な他の成分を含有する培地中で培養する。規定された培地および複合培地を包含する、種々の適当な培地は、この分野において知られており、そして一般に炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミンおよび無機質を含む。培地は、また、成長因子または血清のような成分を含有することができる。一般に、外因的に添加されたDNAを含有する細胞について成長培地を選択する。
【0094】
この選択は、例えば、薬剤選択または必須栄養素の欠如により実施され、必須栄養素は発現ベクター上に担持されるか、あるいは宿主細胞の中に共トランスフェクトされた選択可能なマーカーにより補足される。炭素、窒素および微量栄養素の適切な源を含む培地中で約25℃〜35℃の温度において、ピキア・メタノリカ(P. metanolica)細胞を培養する。慣用の手段、例えば、小さいフラスコの震盪または発酵槽のスパージにより、液体培地を十分にエアレーションする。ピキア・メタノリカ(P. metanolica)のために好ましい培地は、YEPD(2%のD−グルコース、2%のBactoTMペプトン(Difco Laboratories、ミシガン州デトロイト)、1%のBactoTM酵母エキス(Difco Laboratories)、0.004%のアデニンおよび0.006%のL−ロイシン)である。
【0095】
タンパク質の単離
本発明のポリペプチドを好ましくは≧80%、より好ましくは≧90%、なおより好ましくは≧95%に精製し、そして薬学的に純粋な状態、すなわち、汚染する高分子、特に他のタンパク質および核酸に関して99.9%より大きい純度でありかつ感染因子および発熱物質を含有しないことが特に好ましい。好ましくは、精製されたポリペプチドは他のポリペプチド、特に動物由来の他のポリペプチドを実質的に含有しない。
【0096】
分画および/または慣用の精製方法および培地を使用して、発現された組換えポリペプチド(またはキメラポリペプチド)を精製することができる。試料の分画のために、硫酸アンモニウム沈降および酸またはカオトロープ抽出を使用することができる。典型的な精製工程は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除クロマトグラフィー、FPLCおよび逆相高性能液体クロマトグラフィーを包含することができる。適当なクロマトグラフィーの媒質は、誘導化デキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特製のシリカ、およびその他を包含する。PEI、DEAE、QAEおよびQ誘導体は好ましい。
【0097】
典型的なクロマトグラフィー媒質は、フェニル、ブチル、またはオクチル基で誘導化された媒質、例えば、フェニル−セファローズFF(Pharmacia)、トヨパールブチル650(Toso Haas、ペンシルベニア州モントゴメリヴィレ)、オクチル−セファローズ(Pharmacia)およびその他;またはポリアクリル樹脂、例えば、Amberchrom CG 71(Toso Haas)およびその他を包含する。適当な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカをベースとする樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋アガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋ポリアクリルアミド樹脂、およびその他を包含し、これらはこれらを使用する条件下に不溶性である。
【0098】
これらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基および/または炭水化物部分によるタンパク質の結合を可能とする反応性基で修飾することができる。化学的カップリングの例は、臭化シアンの活性化、N−ヒドロキシスクシンイミドの活性化、エポキシドの活性化、スルフヒドリルの活性化、ヒドラジドの活性化、およびカーボジイミドの化学的カップリングのためのカルボキシルおよびアミノ誘導体を包含する。これらおよび他の固体の媒質はこの分野においてよく知られており、かつ広く使用されており、そして商業的供給会社から入手可能である。
【0099】
レセプターのポリペプチドを固体の媒質に結合する方法は、この分野においてよく知られている。特定の方法の選択は日常的設計事項であり、そして一部分選択した支持体の性質により決定される。例えば、Affinity Chromatography:Principle & Methods(Pharmacia LKB Biotechnology、スイス国ウップサラ、1988)参照。 本発明のポリペプチドは、特定の性質を利用することによって、単離することができる。例えば、固定化金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーを使用して、ポリヒスチジン標識からなるものを包含する、ヒスチジンに富んだタンパク質を精製することができる。
【0100】
簡単に述べると、ゲルにまず2価の金属イオンを負荷してキレート化剤を形成する、Sulkowsiki、Trends in Biochem. 3:1(1985)。使用する金属イオンに依存して、異なるアフィニティーを有する、このマトリックスにヒスチジンに富んだタンパク質を吸着させ、競合溶離、pHの低下、または強いキレート化剤を使用して、吸着されたタンパク質を溶離する。他の精製法は、レクチンアフィニティークロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーによるグリコシル化タンパク質の精製を包含する。
【0101】
「プロテインAカラム」を使用して、免疫グロブリンのFc部分に融合されたタンパク質を精製することができる。Methods in Enzymol.、Vol. 182、″Guide to Protein Purification″、M. Deutscher(編者)、pp. 529−539(Academic Press、サンディエゴ、1990)。本発明の追加の態様の範囲内において、問題のポリペプチドと親和標識(例えば、マルトース結合性タンパク質、免疫グロブリンドメイン)との融合物を構築して、精製を促進することができる。
【0102】
本明細書において使用するとき、用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、アフィニティー精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および抗原結合性フラグメント、例えば、F(ab')2、およびFabタンパク質分解フラグメントを包含する。遺伝子操作された無傷の抗体またはフラグメント、例えば、キメラ抗体、Fvフラグメント、一本鎖抗体およびその他、ならびに合成抗原結合性ペプチドおよびポリペプチドもまた包含される。
【0103】
非ヒトCDRをヒトフレームワークおよび定常領域上にグラフト化するか、あるいは全非ヒト可変ドメインを組込むことによって(必要に応じて暴露された残基の置換によりヒト様表面でそれらを「クローキング(cloaking)」し、ここで「ベニヤ化」抗原が得られる)非ヒト抗体をヒト化することができる。ある場合において、ヒト化抗体はヒト可変領域フレームワークドメイン内に非ヒト残基を保持して、適切な結合特性を増強することができる。ヒト化抗体により、生物学的半減期を増加することができ、ヒトへの投与時における悪い免疫反応に対する可能性は減少する。
【0104】
この分野において知られている種々のアッセイを利用して、タンパク質またはペプチドに対する抗体を検出することができる。典型的なアッセイは下記の文献に詳細に記載されている:Antibodies:A Laboratory Manual、HarlowおよびLane(編者)(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1988)。このようなアッセイの代表例は下記のものを包含する:並流免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、再免疫沈降、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、ドットブロットまたはウェスタンブロットアッセイ、阻害または競合アッセイ、およびサンドイッチアッセイ。
【0105】
多数の免疫プロセスに関係することが示されたIL−20をダウンレギュレートするために、本発明の可溶性レセプターを使用することができる。詳しくは、IL−20はIL−8をアップレギュレートすることが示された。IL−8が有意な役割を演じ、かつIL−8の減少が有益である炎症疾患は、大人の呼吸疾患(ARD)、敗血性ショック、多発性器官不全、炎症性肺損傷、例えば、ぜん息または気管支炎、細菌性肺炎、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、および炎症性腸疾患、例えば、潰瘍化大腸炎およびクローン病である。こうして、、本発明のIL−20に対する可溶性レセプターは、これらの疾患を治療するために患者に投与することができる。
【0106】
IL−20の生物学、そのレセプターおよび乾癬におけるその役割
2つのオーファン(orphan)クラスIIのサイトカインレセプターの両方は皮膚において発現され、IL−20レセプターサブユニットとして同定された。IL−20レセプターサブユニットの両方は、リガンドの結合、それらの役割を4つの既知クラスIIのサイトカインレセプターにおけるサブユニットの役割と区別するために必要である。また、IL−20RAおよびIL−20RBは皮膚以外の多数のヒト組織、例えば、卵巣、副腎、精巣、唾液腺、筋肉、肺、腎臓、心臓において発現され、そしてより少ない程度に小腸において発現され、IL−20の追加のターゲット組織が示唆される。IL−20ヘテロダイマーレセプターは他のクラスIIのサイトカインレセプターに類似する構造を有し、我々がIL−20リガンドの活性を証明した皮膚において発現されると、我々は結論する。
【0107】
2つの系統の証拠は、IL−20およびそのレセプターの役割が乾癬に関係することを示す。多発性皮膚疾患は、ケラチノサイト増殖の増加、ケラチノサイト分化の変更、および皮膚の中への免疫細胞の浸潤により特徴づけられる。乾癬におけるIL−20の役割についての証拠の第1系統は、トランスジェニックマウスにおいて観測された過角質化および表皮肥厚がヒト乾癬の異常性に類似することを示す。欠陥ケラチン化に関係すると考えられる、トノフィラメントの数の減少は、ヒト乾癬の顕著な特徴である。ミトコンドリア内封入は、マウスにおける化学的に誘導されかつ天然に起こる増殖性皮膚症状であることが見出された。封入体の原因およびミトコンドリア機能に対するそれらの作用は、いずれかと言えば、未知である。IL−20トランスジェニックマウスはヒト乾癬において観測される多数の特性を示すと、我々は結論する。
【0108】
乾癬にIL−20レセプターを関係づける証拠の第2系統は、IL−20RAおよびIL−20RBの両方が正常皮膚に比較してヒト乾癬皮膚において顕著にアップレギュレートされることである。両方のIL−20レセプターは表皮を通じてケラチノサイト中で発現され、また、免疫細胞および内皮細胞のサブセットにおいて発現される。活性化されたIL−20レセプターの発現の増加は、内皮細胞、免疫細胞およびケラチノサイトの間の相互作用を変更して、ケラチノサイトの増殖および分化の調節不良に導くことを我々は提案する。
【0109】
新規なサイトカインの機能を理解するときのきわめて重要な工程は、そのコグネイトレセプターの同定および特性決定である。新規なインターロイキンを単離するために構造に基づくアプローチを使用することに我々は成功し、これはそのレセプターの単離に直ちに導いた。IL−20はヒトケラチノサイトHaCaT細胞系統におけるシグナルトランスダクションを刺激し、皮膚におけるこの新規なリガンドの直接的作用を支持する。
【0110】
さらに、ケラチノサイトにおいて活性でありかつ皮膚における増殖および前炎症シグナルに関係づけられることが知られているタンパク質であるIL−1β、EGFおよびTNF−αはIL−20に対する応答を増強する。IL−20レセプターを発現するHaCaTおよびBHK細胞の両方において、IL−20シグナル
はSTAT3を通してシグナルする。こうして、IL−20はケラチノサイト上のそのレセプターに結合し、STAT3を含有するシグナルトランスダクション経路を刺激する。
【0111】
乾癬を治療するためのIL−20に対するアンタゴニストの使用
上の論考および下記の実施例において示すように、IL−20は乾癬の病理学に関係する。こうして、本発明の可溶性レセプターを個体に投与してIL−20をダウンレギュレートし、こうして乾癬を治療する。
乾癬は、世界の人口の1〜2%までに影響を与える、最も普通の皮膚科学的疾患である。それは銀様雲母状鱗片により被覆された、紅班の、鋭く分画された丘疹および丸いプラークにより特徴づけられる、慢性炎症性皮膚疾患である。乾癬の皮膚病変は変動的かゆみをを引き起こす。外傷を受けた領域はしばしば乾癬の病変を発生する。さらに、他の外部因子、例えば、感染、ストレス、および投薬、例えば、リチウム、ベータ遮断薬、および抗マラリア剤は乾癬を増悪させる。
【0112】
最も普通の種類の乾癬はプラーク型と呼ばれる。プラーク型乾癬の患者は、安定な、ゆっくり増殖するプラークを有し、これは基本的には長期間にわたって未変化のままである。プラーク乾癬が発生する最も普通の領域は、肘膝、臀裂溝、および頭皮である。包含は対称である傾向がある。逆位乾癬は、腋窩、鼠径部、乳腺下領域、および臍を含む間擦性領域に影響を与え、また、頭皮、手のひら、および足裏に影響を与える傾向がある。個々の病変は鋭く分画されたプラークであるが、これらの位置のために湿ることがある。プラーク型乾癬は一般にゆっくり発生し、無痛性過程をたどる。それは稀に自発的に寛解する。
【0113】
発疹性乾癬(滴状乾癬)は子供および若い成人において最も普通である。それは乾癬をもたない個体、または慢性プラーク乾癬をもつ個体において急性的に発生する。患者は、しばしばベータ溶血性スタヒロコッカスによる上部気道感染後に、多数の紅班、鱗片状丘疹を提示する。乾癬の患者は、また、嚢胞性病変を発生する。これらは手のひらおよび足裏に局在化することがあるか、あるいは一般化し、熱、倦怠、下痢、および関節痛に関連することがある。
【0114】
すべての乾癬患者のほぼ半分は、点状くぼみ、爪の肥厚または爪下過角質化として出現する、爪の包含を有する。乾癬患者の約5〜10%は関連した関節病訴を有し、これらは爪の包含を有する患者において最もしばしば見出される。あるものは古典的慢性関節リウマチの同時発生を有するが、多数は5つの乾癬に関連する型の1つに入る関節疾患を有する:(1)単一またはわずかの関節に制限される疾患(症例の70%);(2)血清陰性慢性関節リウマチ様疾患;(3)指節間関節の包含;(4)「破壊性関節炎」の発生を伴う重度の破壊的関節炎;および(5)脊髄に限定される疾患。
【0115】
乾癬はIL−20に対するアンタゴニストの投与により治療することができる。好ましいアンタゴニストはIL−20に対する可溶性レセプター、またはIL−20レセプターまたはIL−20に結合する抗体、抗体フラグメントまたは一本鎖抗体である。IL−20に対するアンタゴニストは単独でまたは他の確立された治療剤、例えば、滑剤、角質溶解剤、局所用コルチコステロイド、局所用ビタミンD誘導体、アントラニン、全身的抗代謝物質、例えば、メトトレキセート、プソラレン−紫外線治療(PUVA)、エトレチネート、イソトレチノイン、シクロスポリン、および局所用ビタミンD3誘導体カルシポトリオールと組合わせて投与することができる。
【0116】
アンタゴニスト、特にIL−20またはIL−20レセプターに結合する可溶性レセプターまたは抗体は、個体に皮下的、静脈内、または経皮的にIL−20に対するアンタゴニストを含有するクリームまたは経皮的パッチを使用して投与することができる。皮下投与する場合、アンタゴニストは1またはそれ以上の乾癬プラークの中に注射することができる。経皮的に投与する場合、アンタゴニストはIL−20に対するアンタゴニストを含有するクリームを使用してプラーク上に直接投与することができる。
【0117】
肺の炎症症状を治療するためのIL−20に対するアンタゴニストの使用
本発明のIL−20の可溶性レセプターは、ぜん息、気管支炎または嚢胞性繊維症または他の炎症性肺疾患を有する人に投与して、この疾患を治療することができる。アンタゴニストは、静脈内、皮下、気管支洗浄、およびIL−20に対するアンタゴニストを含有する吸入剤の使用を包含する任意の適当な方法により投与することができる。
【0118】
IL−20の可溶性レセプターの投与
有効な治療に必要なIL−20の可溶性レセプターの量は、多数の異なる因子、例えば、投与手段、ターゲット部位、患者の生理学的状態、および投与する他の薬剤に依存するであろう。こうして、治療投与量は安全性および効能を最適化するために滴定すべきである。典型的には、in vitroにおいて使用する投与量はこれらの薬剤のin vivo投与に有効な量において有用な指針を提供するであろう。特定の障害の治療のために有効な投与量の動物試験は、ヒト投与量のそれ以上の予測的指示を提供する。
【0119】
投与方法は、経口、静脈内、腹腔、筋肉内、経皮または肺または気管内への噴霧化装置または微粉化装置によるスプレー形態の投与を包含する。薬学上許容される担体は、なかでも、水、生理食塩水、緩衝剤を包含する。投与量範囲は通常1μg〜1000μg/kg体重/日である。平均的成人のためのIL−20の可溶性レセプターの投与量は、皮下注射として約25mg×2回/週であろう。注射は乾癬の治療のために乾癬病変に行われる。IL−20に対するアンタゴニストの皮下または静脈内投与のために、抗体または可溶性レセプターはリン酸塩緩衝液の中に存在させることができる。
【0120】
また、皮膚疾患、例えば、乾癬において、IL−20に対するアンタゴニストは軟膏または経皮パッチを介して投与することができる。通常の技量を有する医師は決定できるように、投与量はより多いか、より少ないことができる。薬剤処方物および投与量範囲の完全な説明については、下記の文献を参照のこと:Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、(Mack Publishing Co.、Easton、Penn.、1996)およびGoodmanおよびGilman's:The Pharmacological Bases of Therapeutics、第9版、(Pergamon Press、1996)。
【0121】
下記の実施例は本発明の例示であるが、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
実施例 1. IL − 20 により IL − 8 のアップレギュレーション
方法:
継代培養2における正常ヒト表皮新生児ケラチノサイト(NHEK)(Cloneticsから)を12ウェルの組織培養プレートの中にプレートし、コンフルエンシーに増殖させた。KGM(ケラチノサイト増殖培地)をクロネチクス(Clonetics)から購入した。細胞がコンフルエンシーに到達したとき、細胞を増殖因子を含有しないKGM培地=KBM(ケラチノサイト基底培地)で洗浄した。細胞をKBM中の72時間血清飢餓させた後、被検化合物を添加した。1IU/mlのトロンビンおよび25nMのトリプシンを陽性対照として使用した。1mlの培地/ウェルを添加した。
【0122】
IL−20をKBM培地の中に入れ、第1実験において2.5μg/mlから618ng/mlまで、そして第2実験において2.5μg/mlから3ng/mlまで変化する濃度で添加した。
細胞を37℃、5%CO2において48時間インキュベートした。上清を取出し、−80℃において数日間凍結させた後、IL−8およびGM−CSFレベルについてアッセイした。ヒトIL−8イムノアッセイキット#D8050(RandD Systems,Inc.)およびヒトGM−CSFイムノアッセイキット#HSGMO(RandD Systems,Inc.)を製造業者の使用説明書に従い使用して、サイトカイン産生を測定した。
結果
IL−8およびGM−CSFはIL−20により誘導されることが、結果により示された。
【0123】
実施例 2. IL − 20RB のクローニング
IL−20RBコーディング領域のクローニング
国際特許出願No.PCT/US99/03735(公開No.WO99/46379)1999年3月8日提出からの配列に基づいて、2つのPCRプライマーを設計した。配列番号16はEcoRI制限部位をもつATG(Met1)コドンを含有する。配列番号17はXhoI制限部位をもつ停止コドン(TAG)を含有する。鋳型としてヒトケラチノサイト(HaCaT)cDNAライブラリーDNAおよびプライマーとして配列番号16および配列番号17を使用して、PCR増幅を実施した。PCR反応を次のようにして実施した:94℃における1分間のインキュベーション、次いで30サイクルの94℃において30秒間および60℃において2分間、次いでさらに68℃において4分間、反応を4℃において貯蔵した。
【0124】
PCR生成物を1%のアガロースゲル上で開発し、そして1kbのDNAが観測された。PCR生成物をゲルから切断し、QIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を使用してDNAを精製した。精製したDNAをEcoRIおよびXhoIで消化し、pZPベクターの中にクローニングし、これをpZP7Nと呼んだ。pZPプラスミドはマウスメタロチオネイン−1プロモーター、ヒトtPAリーダーペプチド、コーディング配列を挿入するための多重制限部位、Glu−Gluタグ、およびヒト成長ホルモンターミネーターを有する発現カセットを含有する哺乳動物発現ベクターである。
【0125】
このプラスミドは、また、大腸菌(E. coli)複製起点、SV40プロモーターを有する選択可能なマーカー発現単位、エンハンサーおよび複製起点、ならびにDHFR遺伝子、およびSV40ターミネーターを有する。いくつかのIL−20RB−pZP7Nを配列決定した。それらのすべてはPCT/US99/03735中のIL−20RBと比較して3つの非保存突然変異を含有する:(配列IL−20RB−pZP7N)、146Pro(CCC)、148His(CAT)−Asp(GAT)、および171Thr(ACG)−Arg(AGG)。
【0126】
IL−20RB−pZP7Nクローン中の3つの置換を確認するために、3つの異なるcDNA源−胎児皮膚マラソンcDNA、HaCaT cDNAライブラリーDNA、および前立腺平滑筋cDNAライブラリーDNA−を鋳型として使用して、PCR増幅を実施した。PCR生成物をゲル精製し、配列決定した。3つのPCR生成物の各々の配列は、IL−20RB−pZP7Nクローンの配列と一致した。IL−20RBは配列番号13および14であり、そして成熟細胞外ドメインは配列番号15である。
【0127】
実施例 3. IL − 20RB / IL − 20RA ヘテロダイマーに対する IL − 20 の結合
細胞をベースとする結合アッセイを使用して、IL−20RA−IL−20RBヘテロダイマーに対するIL−20を確認した。
既知のオーファンクラスIIサイトカインレセプター(IL−20RAおよびIL−20RBを包含する)を含有する発現ベクターを種々の組合わせでCOS細胞の中に一時的にトランスフェクトし、次いでこれらをビオチン標識化IL−20タンパク質に結合する能力についてアッセイした。IL−20RA−IL−20RBヘテロダイマーはIL−20に対するレセプターであることが、結果により示される。使用した手順を後述する。
【0128】
COS細胞のトランスフェクションを次のようにして12ウェルの組織培養プレート中の実行した:92μlの無血清ダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)(200mlのDMEM中の55mgのピルビン酸ナトリウム、146mgのL−グルタミン、5mgのトランスフェリン、2.5mgのインスリン、1μgのセレンおよび5mgのフェツイン)の中に5μlのリポフェタミンを含有する培地と、0.5μgのDNAを混合し、室温において30分間インキュベートし、次いで400μlの無血清DMEM培地に添加した。次いでこの500μlの混合物を1.5×105COS細胞/ウェルに添加し、37℃において5時間インキュベートした。500μlの20%の胎仔ウシ血清(FBS)DMEM培地を添加し、一夜インキュベートした。
【0129】
アッセイ、「分泌トラップ」(Davis、S.他、Cell 87:1161−1169(1996)の変法を次のようにして実施した:細胞をPBS/1%ウシ血清アルブミン(BSA)でリンスし、TNB(水中の0.1MのTris−HCl、0.15MのNaClおよび0.5%のブロッキング試薬(NEN Renaissance TSA−Direct Kit Cat#NEL701))で1時間ブロックした。次いでTNB中で3μg/mlのビオチニル化IL−20タンパク質と1時間インキュベートした。細胞をPBS/1%BSAで洗浄し、TNB中の1:300希釈ストレプトアビジン−HRP(NENキット)とさらに1時間インキュベートした。
【0130】
さらに洗浄した後、細胞をリン酸塩緩衝液(PBS)中の1.8%のホルムアルデヒドで15分間固定した。次いで細胞をTNB(水中の0.1MのTris−HCl、0.15MのNaClおよび0.05%のTween−20)で洗浄した。希釈緩衝液(NENキット)中で1:50に希釈したフルオレセインチラミド試薬と5分間インキュベートした後、陽性結合シグナルを検出した。細胞をTNTで洗浄し、TNT中で1:5に希釈したヴェクタシールドマウント培地(Vectashield Mounting Media)(Vector Labs)で保存し、倒立蛍光顕微鏡によりFITCフィルターを使用して可視化した。
【0131】
実施例 4. IL − 20 による炎症性サイトカインのアップレギュレーション
細胞処理
ヒトケラチノサイト細胞系統、HaCaTを、37℃においてコンフルエンス後数日間T−75組織培養フラスコ中で増殖させる。この時点において、正常増殖培地(DMEM+10%FBS)を取出し、無血清培地と置換した。次いで細胞を37℃において2日間インキュベートした。次いでDMEMを取出し、4フラスコの細胞/処理を下記の条件の各々の1つで37℃において4時間処理した:組換えヒト(rh)IL−1アルファ、5ng/ml;rhIL−1アルファ、20ng/ml;rhIL−1アルファ、5ng/ml+IL−20、1μg/ml;IL−20、1μg/ml;またはIL−10、10ng/ml。
【0132】
RNAの単離
サイトカイン処理後、培地を取出し、細胞をチオシアン酸グアニジニウム溶液で溶解した。塩化セシウム勾配で一夜回転することによって、細胞ライゼイトから全RNAを単離した。次の日に、RNAペレットをTE/SDS溶液中に再懸濁させ、エタノール沈降させた。次いでRNAを分光光度計で定量し、次いで下記の文献に記載されているようにDNアーゼ処理した:Clontech's cDNA Expression Arrays User Manual、Section V.B.(バージョンPT3140−1/PR9X390、1999年11月5日発行)。RNA試料の品質を規格書の読みに基づく純度の計算、およびアガロースゲル上の可視化により確認した。RNA試料のゲノムの汚染をベータ−アクチン遺伝子のPCR分析により除外した。
【0133】
プローブ合成
ポリA+の濃縮、プローブ合成およびAtlasTMアレイに対するハイブリダイゼーションについてのクロンテク(Clontech)のプロトコルに従った(前述参照、+AtlasTM Pure Total RNA Labeling System Unser Manual、PT3231−1/PR96157、1999年6月22日発行)。簡単に述べると、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズ(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)および磁気粒子分離装置を使用して、ポリA+RNAを50mgの全RNAから単離した。次いでポリA+RNAをアルファ32P−dATPでRT−PCRにより標識化した。AtlasTMヒトサイトカイン/レセプターアレイ(Cat#7744−1)上の268遺伝子に対して特異的なクロンテクCDSプライマーを反応において使用した。標識化プローブをカラムクロマトグラフィーにより単離し、シンチレーション流体中で計数した。
【0134】
アレイ膜ハイブリダイゼーション
AtlasTMアッセイをクロンテクExpressHyb+100mg/mlの加熱変性サケ精子DNAと、68℃において少なくとも30分間連続的に撹拌しながら前ハイブリダイゼーションした。次いで、膜を1.9×106CPM/ml(合計1.14×107CPM)と一夜68℃において連続的に撹拌しながらハイブリダイゼーションさせた。次の日に、膜を2×SSC、1%SDS中で68℃において30分間4回洗浄し、次いで0.1×SSC、0.5%SDS中で68℃において30分間1回洗浄し、次いで最後に2×SSC中で室温において5分間洗浄した。次いでアレイ膜をコダック(Kodak)プラスチックパウチの中に入れ、シールし、リン光体イメジャースクリーンに対して室温において一夜露出した。次の日に、リン光体スクリーンをリン光体イメジャー上で走査し、クロンテクのAtlasImageTM1.0ソフトウェアで解析した。
【0135】
結果
IL−20によりアップレギュレートされた遺伝子
1. 腫瘍壊死因子(TNF)はIL−20により1.9〜2.4倍アップレギュレートされた。
2. 血小板増殖因子1および2(PLGF)はIL−20により1.9〜2.0倍アップレギュレートされた。
3. 凝固因子IIレセプターはIL−20により2.0〜2.5倍アップレギュレートされた。
4. カルシトニンレセプターはIL−20により2.2〜2.3倍アップレギュレートされた。
5. TNF誘導可能なヒアルロネート結合性タンパク質TSG−6はIL−20により2.1〜2.2倍アップレギュレートされた。
【0136】
6. 脈管内皮増殖因子(VEGF)レセプター−1前駆体、チロシン−タンパク質キナーゼレセプター(FLT−1)(SFLT)はIL−20により2.1〜2.7倍アップレギュレートされた。
7. MRP−8(マクロファージ中のカルシウム結合性タンパク質、MIF関係)はIL−20により2.9〜4.1倍アップレギュレートされた。
8. MRP−14(マクロファージ中のカルシウム結合性タンパク質、MIF関係)はIL−20により3.0〜3.8倍アップレギュレートされた。
9. レラクシンH2はIL−20により3.14倍アップレギュレートされた。
10. 形質転換性増殖因子ベータ(TGFβ)レセプターIII300kDaはIL−20により2.4〜3.6倍アップレギュレートされた。
【0137】
IL−20+IL−1処理と相乗性を示す遺伝子
1. 骨形態形成タンパク質2aは、IL−20処理単独で1.8倍、IL−1処理単独で2.5倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で8.2倍アップレギュレートされた。
2. MRP−8は、IL−20処理単独で2.9倍、IL−1処理単独で10.7倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で18.0倍アップレギュレートされた。
3. 赤血球系分化タンパク質(EDF)は、IL−20処理単独で1.9倍、IL−1処理単独で9.7倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で19.0倍アップレギュレートされた。
【0138】
4. MRP−14(マクロファージ中のカルシウム結合性タンパク質、MIF関係)は、IL−20処理単独で3.0倍、IL−1処理単独で12.2倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で20.3倍アップレギュレートされた。
5. ヘパリン結合性EGF様増殖因子は、IL−20処理単独で2.0倍、IL−1処理単独で14倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で25.0倍アップレギュレートされた。
6. ベータ−トロンボグロブリン様タンパク質は、IL−20処理単独で1.5倍、IL−1処理単独で15倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で27倍アップレギュレートされた。
【0139】
7. 脳由来神経向性因子(BDNF)は、IL−20処理単独で1.7倍、IL−1処理単独で25倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で48倍アップレギュレートされた。
8. 単球化学走性および活性化因子MCAFは、IL−20処理単独で1.3倍、IL−1処理単独で32倍、そしてIL−20およびIL−1の両方の組合わせ処理で56倍アップレギュレートされた。
【0140】
実施例 5. IL − 20RA / RB レセプター− Ig 融合ヘテロダイマー
発現ベクターpEZE3を使用して、組換えIL−20レセプター−Ig融合タンパク質を発現させた。プラスミドpEZE3をpDC312から誘導する。pDC312はイムイネックス・コーポレーション(Imuunex Corporation)からライセンスにより入手した。WO97/25420に記載されているように、プラスミドpDC312およびpEZE3はEASEセグメントを含有する。発現ベクター中のEASEセグメントの存在は、安定な細胞プールにおける組換えタンパク質の発現を2〜8倍改良する。
【0141】
プラスミドpEZE3は、哺乳動物細胞、好ましくはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において3つまでの異なるタンパク質を発現させるために使用できるトリシストロン発現ベクターである。pEZE3発現単位は、サイトメガロウイルス(CMV)エンハンサー/プロモーター、アデノウイルス三部分リーダー配列、第1組換えタンパク質のコーディング領域を挿入するための多重クローニング部位、ポリオウイルス2型内部リボソームエントリー部位、第2組換えタンパク質のコーディング領域を挿入するための第2多重クローニング部位、脳心筋炎ウイルス内部リボソームエントリー部位、マウスジヒドロフォレートレダクターゼ、およびSV40転写ターミネーターを含有する。さらに、pEZE3は大腸菌(E. coli)複製起点および細菌ベータラクタマーゼ遺伝子を含有する。
【0142】
IL−20レセプター−Ig融合タンパク質は、野生型ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域に融合されたヒトIL−20RBの細胞外ドメインの2つの鎖と、突然変異したヒト免疫グロブリンガンマ1定常領域に融合されたヒトIL−20RAタンパク質の細胞外ドメインの2つの鎖とから成るジサルファイド結合ヘテロダイマーである。ヒト免疫グロブリンガンマ1定常領域は、FcγRI結合およびC1q補体結合を減少させるアミノ酸置換を含有する。
【0143】
ヒトIL−20RB細胞外ドメインヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域融合構築物は、オーバーラップPCRにより発生させた。IL−20RBコーディングセグメントはアミノ酸1〜230から成る。IL−20RセグメントのPCR増幅に使用した鋳型は、実施例12に後述するように発生させたIL−20RBヒトカッパ軽鎖定常領域発現構築物であった。オリゴヌクレオチドプライマー配列番号24および配列番号25を使用して、IL−20RBセグメントを増幅した。全野生型ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域を使用した。
【0144】
野生型ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域セグメントのPCR増幅に使用した鋳型は、実施例12に記載するように発生させたIL−20RBヒトカッパ軽鎖定常領域発現構築物であった。オリゴヌクレオチドプライマー配列番号26および配列番号27を使用して、野生型ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域を増幅した。オリゴヌクレオチドプライマー配列番号24および配列番号27を使用してオーバーラップPCRにより、2つのタンパク質コーディングドメインを結合させた。
【0145】
(Gly4Ser)3(配列番号72)ペプチドリンカーを2つのタンパク質ドメイン間に挿入した。(Gly4Ser)3ペプチドリンカーは、PCRプライマー配列番号26および配列番号25上にコードされた。生ずるIL−20RB細胞外ドメイン/カッパ軽鎖定常領域融合構築物を配列番号20および21で示す。予測された成熟ポリペプチド、マイナスシグナル配列は、配列番号60である。実際に使用したIL−20RBの細胞外ドメインの部分を、配列番号61アミノ酸配列から構成した。N末端の配列決定は予測されたアミノ酸配列を生じた。
【0146】
各々がPCR増幅反応により発生された、4つの別々のDNAフラグメントのオーバーラップPCRにより、ヒトIL−20RA細胞外ドメインヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域融合構築物を発生させた。第1フラグメントは最適化tPA(組織プラスミノゲンアクチベーター)シグナル配列を含有した。鋳型として組織内で以前発生させた発現ベクターを用いオリゴヌクレオチドプライマー配列番号28および配列番号29を使用して、tPAシグナル配列を増幅した。第2フラグメントは、配列番号11のアミノ酸30〜243から成るIL−20RA細胞外ドメインコーディング領域を含有した。IL−20RAの以前に発生させたクローンを鋳型として用いオリゴヌクレオチドプライマー配列番号30および配列番号31を使用して、このIL−20RAセグメントを増幅した。
【0147】
ヒトガンマ1重鎖定常領域を2つのセグメントから発生させた。鋳型として野生型ヒトガンマ1重鎖定常領域のクローンを用いオリゴヌクレオチドプライマー配列番号32および配列番号33を使用して、CH1ドメインを含有する第1セグメントを増幅した。オリゴヌクレオチドプライマー配列番号34および配列番号35を使用するPCR増幅により、ヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域の残留ヒンジ領域、CH2、およびCH3領域を含有する第2フラグメントを発生させた。このPCR増幅に使用した鋳型は、実施例12に記載されているようにFcγRI結合およびC1q補体結合を減少させるアミノ酸置換のコドンを含有する、以前に発生させたヒトガンマ1Fc構築物からのものであった。
【0148】
オリゴヌクレオチド配列番号28および配列番号35を使用するオーバーラップPCRにより、4つのコーディングドメインを結合した。(Gly4Ser)3ペプチドリンカーをIL−20RAおよびCH1タンパク質ドメインの間に挿入した。(Gly4Ser)3ペプチドリンカーはPCRプライマー配列番号32および配列番号31上にコードされた。IL−20RA細胞外ドメイン/ドメインヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域融合タンパク質およびDNA配列を配列番号22および配列番号23に示す。予測されたポリペプチド配列、マイナスシグナル配列は、配列番号62に示されている。実際に使用したIL−20RAの細胞外ドメインの部分は配列番号63から構成されていた。
【0149】
IL−20RB細胞外ドメインヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域融合コーディングセグメントをpEZE3の第2MCSの中にクローニングしたが、ヒトIL−20RA細胞外ドメインヒトヒト免疫グロブリンガンマ1重鎖定常領域融合コーディングセグメントを第1MCSの中にクローニングした。このプラスミドを使用してCHO細胞をトランスフェクトした。
【0150】
ハイポキサンチンまたはチミジンを含まない培地中で細胞を選択し、そしてメトトレキセートを使用してトランスジーンを増幅した。抗ヒトガンマ1重鎖定常領域および抗ヒトカッパ軽鎖抗体を使用するウェスタンブロッティングにより、タンパク質の存在アッセイした。N末端の配列決定により、最適化tPAリーダーは完全には切断されないないことが明らかにされた。観測された質量はポリペプチド配列の第1残基がピログルタミン酸であることを示し、そしてN末端はピロEEIHAELRRFRRVPCVSGG(配列番号64)であるように見え、下線が引かれている部分はtPAリーダーのレムナントである。
【0151】
実施例 6. IL − 20 トランスジェニック表現型
種々のプロモーターを使用してトランスジェニックマウスにおいて、ヒトIL−20およびマウスIL−20の両方を過剰発現させた。ヒトIL−20の発現を指令する、肝臓特異的マウスアルブミンを最初に使用して、タンパク質の循環レベルを達成する試みをした。表皮および他の重層偏平表皮に発現をターゲッティングするケラチン14(K14)プロモーター;広い発現パターンを与えるマウスメタロチオネイン−1プロモーター;およびリンパ系細胞における発現を推進するEμLCLプロモーターを使用して、引き続く研究を実施した。多分これらのプロモーターのすべてはIL−20循環レベルを発生させるので、すべての4つの場合において、同様な結果が得られた。
【0152】
すべての場合において、IL−20トランスジーンを発現するトランスジェニック子は非トランスジェニック同腹子よりも小さく、堅い、しわが形成した皮膚もつ輝いた外観を有し、出産後最初の数日以内に死亡した。子はそれらの胃内に乳を有し、乳を飲むことができることが示された。これらのマウスは腫脹した四肢、尾、鼻孔および口領域を有し、動くことが困難であった。さらに、マウスは虚弱であり、脂肪組織を欠如し、耳および足指の発育が遅れていた。肝臓における低い発現レベル(100mRNA分子/細胞より低い)は新生児の死亡率および皮膚の異常性の両方について十分であった。いずれの可視の表現型をもたないトランスジェニックマウスはトランスジーンを発現せず、それを検出可能なレベルで発現せず、またはモザイクであった。
【0153】
IL−20トランスジェニックマウスの皮膚の組織学的分析は、非トランスジェニック同腹子に比較して、肥厚表皮、過角質化およびコンパクトな角質層を示した。漿液細胞外層(かさぶた)は時々観測された。トランスジェニックマウスからの皮膚の電子顕微鏡(EM)解析は、ミトコンドリア内リポイド封入体、斑状ケラトヒアリン顆粒、およびヒト乾癬皮膚およびマウス皮膚疾患モデルにおいて観測されるものに類似する比較的わずかのトノフィラメントを示した。さらに、トランスジェニックマウスの多数はアポトーシス胸腺リンパ球を有した。他の異常性は組織学的分析により観測されなかった。これらの組織学的およびEMの結果は、観測された全般的皮膚変更を支持し、拡張する。
【0154】
実施例 7. IL − 20 のそのレセプターに対する特異性およびアフィニティー
IL−20RA、IL−20RBまたは両方のレセプターサブユニットで安定にトランスフェクトしたBHKを使用して、 IL−20のそのレセプターに対する特異性およびアフィニティーを測定した。放射能標識化リガンドを使用する結合アッセイにおいて、IL−20はIL−20RAおよびIL−20RBの両方を発現するBHKトランスフェクタントに結合するが、非トランスフェクト細胞またはレセプターサブユニット単独を発現するトランスフェクタントには結合しないことが証明された。125I標識化IL−20の結合は100倍過剰の非標識化IL−20の存在下に排除されたが、100倍過剰の無関係のサイトカインIL−21で排除されなかった。IL−20RA/IL−20RBヘテロダイマーレセプターに対するIL−20の結合アフィニティー(kD)は、ほぼ1.5nMであると測定された。
【0155】
実施例 8. IL − 20 レセプターの活性化
IL−20結合がレセプターの活性化に導くかどうかを決定するために、因子依存性pre−B細胞系統BaF3をIL−20RAおよびIL−20RBと共トランスフェクトし、種々の濃度のIL−20で処理した。IL−20を投与量依存的方法で刺激し、IL−20は1.1pMにおいて検出可能なシグナルを与え、1/2最大応答は3.4pMにおいて得られた。BaF3における1/2最大増殖応答についてのIL−20濃度はBHK細胞における1/2最大結合アフィニティーについてよりも1000×低ことが認められる。
【0156】
この大きい差に対する可能な説明は、異なる細胞系統の使用、異なるレセプター発現レベルおよび異なるアッセイアウトプットを包含する。また、IL−20は生物学的に関係するヒトケラチノサイト細胞系統HaCaTにおけるシグナルトランスダクションを刺激し、HaCaTはIL−20RAおよびIL−20RBを自然に発現する。したがって、IL−20はサイトカインについて期待される濃度においてヘテロダイマーIL−20RA/IL−20RBに結合しかつそれらを活性化する。しかし陰性対照は非トランスフェクトBaF3を含有する。
【0157】
実施例 9. IL − 20RA および IL − 20RB の発現分析
RT−PCR分析を種々のヒト組織について実施して、IL−20RAおよびIL−20RBの発現パターンを測定した。両方レセプターサブユニットは、皮膚および精巣において最も高度に発現される。有意な結果が得られ、IL−20RAおよびIL−20RBの両方は皮膚において発現され、ここでそれらはIL−20誘導応答を仲介することが示された。また、IL−20RAおよびIL−20RBの両方は、単球、肺、卵、筋肉、精巣、副腎、心臓、唾液腺および胎盤において発現される。IL−20RAは、また、脳、腎臓、肝臓、結腸、小腸、胃、甲状腺、膵臓、子宮および前立腺において発現されるが、IL−20RBは発現されない。
【0158】
実施例 10. IL − 20RA および IL − 20RB は乾癬においてアップレギュレートされる
in situハイブリダイゼーションを使用して、IL−20レセプターの発現が乾癬において変更されるかどうかを決定した。2つのレセプターサブユニットmRNAに対して特異的なプローブを使用して、4人の乾癬患者および3人の影響を受けていない患者からの皮膚試料をアッセイした。
【0159】
すべての4つの乾癬皮膚試料はケラチノサイトにおいてIL−20RAおよびIL−20RB mRNAの高いレベルを有したが、正常皮膚試料はいずれのレセプターサブユニットmRNAの検出可能なレベルをもたなかった。また、単核免疫細胞および血管のサブユニット中の内皮細胞において、乾癬皮膚における陽性シグナルが観測された。したがって、IL−20RAおよびIL−20RBの両方は、乾癬において相互作用すると考えられる主要な細胞型である、ケラチノサイト、免疫細胞および内皮細胞において発現される。
【0160】
実施例 11. マウス IL − 20RA のクローニング
ヒトIL−20RAをコードする全長cDNAフラグメントを含有する交差種ハイブリダイゼーションプローブを発生させた。マウスゲノムDNAのサザンブロットおよびマウスRNAのノザンブロットを実行して、ヒトIL−20RA cDNAがマウス配列に特異的にハイブリダイゼーションできることを証明した。ノザンブロットの結果は、マウスIL−20RA RNAが15日および17日のマウス胚、ならびに心臓、脳、肺、肝臓、腎臓、精巣、脾臓、胸腺、肝臓、胃、および小腸の中に存在することを示した。
【0161】
ヒトIL−20RA全長DNAハイブリダイゼーションプローブを使用して、マウスゲノムライブラリーをスクリーニングした。クロンテク(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)から入手したライブラリーをマウスゲノムDNAのMboI消化から発生させ、ラムダバクテリオファージEMBL3 SP6/T7のBamHI部位の中にクローニングした。
【0162】
陽性バクテリオファージをプラーク精製し、そしてプロメガ(Promega)ウィザード・ラムダ・プレプスDNA精製システム(Wizard Lambda Preps DNA Purification System)を使用して、バクテリオファージDNAを調製した。2つのゲノム制限酵素フラグメント、5.7kbのEcoRIフラグメントおよび8.0kbのSacIフラグメントを陽性バクテリオファージから発生させ、pBluescriptの中にサブクローニングした。DNA配列分析は、ヒトIL−20RAに対するマウスオーソログからの3エクソンの存在を明らかにした。
【0163】
5'UTRからPCRプライマー配列番号40および3'UTRからPCRプライマー配列番号41を設計して、PCR増幅により全長マウスIL−20RA配列を増幅した。マウス胚15日+17日のcDNAをPCR増幅の鋳型として使用した。PCR生成物をサブクローニングし、確認のために配列決定した。マウス配列は配列番号36および37であった。成熟細胞外ドメインは配列番号38から構成されている。
【0164】
実施例 12. IL − 20 レセプターヘテロダイマーの構築
分泌されたhIL−20RA/hIL−20Bヘテロダイマーを構築した。この構築物において、hIL−20RAの細胞外ドメインをIgGガンマ1(IgGγ1)の重鎖に対して融合させ、IL−20RBの細胞外部分をヒトカッパ軽鎖(ヒトκ軽鎖)に対して融合させた。
【0165】
IgGガンマ1およびヒトκ軽融合ベクターの構築
IgGγ1の重鎖をZem229R哺乳動物発現ベクター(ATCC受託No.69447)の中にサブクローニングし、こうして5'EcoRIおよび3'NdeI部位を有するレセプターの細胞外部分をクローニングして、N末端細胞外ドメイン−C末端IgGγ1融合物を生ずることができるようにした。PCRにより鋳型としてクロンテク(Calbiochem)ヒト胎児肝臓cDNAライブラリーからIgGγ1配列をPCRにより単離することによって、この構築物において使用するIgGγ1フラグメントを作った。オリゴ配列番号42および配列番号43を使用するPCR反応を次のようにして実施した:40サイクルの94℃、60秒間、53℃、60秒、および72℃、120秒間;および72℃、7分間。
【0166】
PCR生成物をアガロースゲル電気泳動により分離し、QiaQuickTM(Qiagen,Inc.、カリフォルニア州バレンシア)ゲル抽出キットを使用して精製した。単離された990bpのDNAフラグメントをMluIおよびEcoRI(Boehringer−Mannheim)で消化し、QiaQuickTMゲル抽出キットを使用して抽出し、本明細書に開示する標準分子生物学的技術に従い、MluI/EcoRIリンカーを含んでなる、オリゴ配列番号44および配列番号45を使用して、以前にMluIおよびEcoRIで消化したZem229Rの中に結合した。
【0167】
この遺伝学的クローニングベクターをベクター#76hIgGgammal w/Ch1#786 Zem229R(ベクター#76)と呼んだ。IgGガンマ1の重鎖に融合したhIL−20RAの細胞外ドメインのポリヌクレオチド配列を配列番号52に示し、そして対応するポリペプチド配列を配列番号53に示し、成熟ポリペプチド、マイナスシグナル配列は配列番号54から構成されている。使用したIL−20RAの細胞外ドメインの部分は配列番号55から構成された。
【0168】
ヒトκ軽鎖をZem228R哺乳動物発現ベクター(ATCC受託No.69446)の中にサブクローニングし、こうして5'EcoRIおよび3'KpnI部位を有するレセプターの細胞外部分をクローニングして、N末端細胞外ドメイン−C末端ヒトκ軽鎖融合物を生ずることができるようにした。上で使用したクロンテク(Calbiochem)ヒト胎児肝臓cDNAライブラリーからヒトκ軽鎖配列をPCRにより単離することによって、この構築物において使用するヒトκ軽鎖フラグメントを作った。オリゴ配列番号46および配列番号47を使用してPCR反応を実施した。PCR生成物をアガロースゲル電気泳動により分離し、QiaQuickTM(Qiagen)ゲル抽出キットを使用して精製した。
【0169】
単離された315bpのDNAフラグメントをMluIおよびEcoRI(Boehringer−Mannheim)で消化し、QiaQuickTMゲル抽出キットで抽出し、本明細書に開示する標準分子生物学的技術に従い、MluI/EcoRIリンカーを使用して、以前にMluIおよびEcoRIで消化したZem228Rの中に結合した。この遺伝学的クローニングベクターをベクター#77hκlight#774 Zem228R(ベクター#77)と呼んだ。ヒトカッパ軽鎖に融合したIL−20RBの細胞外部分のポリヌクレオチド配列を配列番号56に示し、そして対応するポリペプチド配列を配列番号57に示し、成熟ポリペプチド、マイナスシグナル配列は配列番号58から構成されている。実際に使用したIL−20RBの細胞外ドメインの部分は配列番号59から構成された。
【0170】
融合ベクター構築物の中へのhIL−20RAおよびIL−20RB細胞外ドメインの挿入
上記構築ベクターを使用して、IgGγ1に融合されたヒトIL−20RAを有する構築物を作った。この構築をPCRにより実施して、hIL−20RA/IgGベクター#102からオリゴ配列番号48および配列番号49を使用して下記の条件下にヒトIL−20RAレセプターを得た:30サイクルの94℃、60秒間、57℃、60秒間、および72℃、120秒間;および72℃、7分間。
【0171】
本明細書に記載するように、生ずるPCR生成物をEcoRIおよびNdeIで消化し、ゲル精製し、そして以前にEcoRIおよびNdeI消化し、バンド精製したベクター#76(上記)の中に結合した。生ずるベクターを配列決定して、ヒトIL−20Rα/IgGガンマ1融合物(hIL−20RA/Ch1 IgG)が正しいことを確認した。hIL−20RA/Ch1 IgGガンマ1#1825 Zem229Rベクターをベクター#195と呼んだ。こうして得られたIL−20RA/Ch1 IgG1配列を配列番号52および53の描写する。N末端配列決定は、配列番号54の予測された成熟ポリペプチド配列の存在を示した。
【0172】
κ軽鎖に融合した2rvを有する別々の構築物をまた構築した。前述したように、PCRによりDR1/7N−4からオリゴ配列番号50および配列番号51を使用して、IL−20RB/ヒトκ軽鎖の構築を実行し、生ずるバンドをEcoRIおよびKpnIで消化し、次いでこの生成物を以前にEcoRIおよびKpnI消化し、バンド精製したベクター#77(上記)の中に結合した。生ずるベクターを配列決定して、IL−20RB /ヒトκ軽鎖融合物(IL−20RB/ κ軽鎖)が正しいことを確認した。このIL−20RB/ κ軽構築物を配列番号56および57で示す。N末端配列決定は、配列番号58の予測された成熟ポリペプチド配列の存在を示した。配列番号59は使用したIL−20RBの細胞外ドメインの成熟部分である。
【0173】
ヒトIL−20RAおよびヒトIL−20RBレセプターの共発現
リポフェクタミン(LipofectamineTM)試薬(Gibco/BRL)を製造業者の使用説明書に従い使用して、ほぼ16μgの上記ベクター#194および#195の各々をBHK−50細胞(ATCC No. CRL−10314)の中に共トランスフェクトした。1μgのメトトレキセート(MTX)(Sigma、ミゾリー州セントルイス)および0.5mg/mlのG418(Gibco/BRL)を含有するDMEM+5%FBS(Gibco/BRL)中で、トランスフェクトされた細胞を10日間選択した。生ずるトランスフェクタントのプールを再び10μMのMTXおよび0.5mg/mlのG418中で10日間選択した。
【0174】
生ずる二重選択した細胞のプールを使用して、タンパク質を発生させた。このプールの3つのファクトリー(デンマーク国ヌンク)を使用して、8リットルのコンディショニングした無血清培地を1mlのプロテインAカラム上に通過させ、(10)750μlの画分で溶離した。最高濃度を有することが見出されたこれらの画分のうちの4つをプールし、PBSに対して透析(10kDの分子量カットオフ)した。最後に、透析した物質をBCA(Pierce)により分析し、317μg/mlの濃度を有することが見出された。合計951μgが8リットルの精製から得られた。
【0175】
実施例 13. IL − 20 の結合は HaCaT ケラチノサイト細胞系統において STAT3 を活性化する
IL−20はそのレセプターの両方サブユニットでトランスフェトした細胞系統に結合する。しかしながら、これらの細胞系統はその正常レベルに関してIL−20レセプターを過剰に発現し、そしてIL−20の生理学的役割に対するそれらの関連性は不明瞭である。内因性IL−20RAおよびIL−20RBを発現する、ヒトHaCaTケラチノサイト細胞系統を使用して、生物学的に関係する細胞型におけるIL−20のシグナルトランスダクションを検査した。レセプター構築物を含有する組換えアデノウイルスでHaCaT細胞を感染させて、細胞内シグナリングの検出を可能とした。
【0176】
この構築物は新鮮なルシフェラーゼ遺伝子から成り、この遺伝子は血清応答性因子(SRE)およびトランスダクション因子のシグナルトランスデューサーおよびアクチベーター(STAT)から構成されたプロモーター/エンハンサー配列により推進される。このアッセイ系は産生的リガンド−レセプターの相互作用を検出し、レセプター活性化に関係する可能な下流のシグナルトランスダクション成分を示す。IL−20単独を使用する処理はルシフェラーゼ活性の投与量依存的増加を生じ、1/2最大応答はほぼ2.3nMにおいて起こった。SRE因子のみまたはSTAT因子のみを含有するアデノウイルスベクターを使用する、引き続くルシフェラーゼリポーターアッセイは、STATを通してのみ検出可能なリポーター活性化を産生した。
【0177】
他のサイトカインがIL−20と共同して作用するかどうかを決定するために、HaCaT細胞をIL−20単独で、またはIL−20と単一の最大より少ない量のEGF、IL−1βまたはTNFαと組合わせで処理した。これらの3つのタンパク質の存在下に、IL−20処理は投与量依存的にルシフェラーゼ活性を増加させた。IL−20はIL−1βと組み合わせてほぼ0.5nMにおいて1/2最大を生じ、IL−20単独で約5倍より低かった。さらに、IL−20単独が必要とする投与量の少なくとも10倍低い、0.1nMのIL−20において、リポーター遺伝子の活性化は検出可能である。
【0178】
IL−20RA、IL−20RBまたは両方のレセプターサブユニットでトランスフェトしたBHK細胞を使用して、STAT−ルシフェラーゼのIL−20刺激にレセプターの対合が必要であるかどうかを決定した。結合アッセイを使用する場合におけるように、両方レセプターサブユニットを使用してトランスフェトした細胞のみがIL−20に対して応答し、また1/2最大応答は5.7pMにおいて発生した。BHK細胞における1/2最大応答についてのIL−20濃度は、HaCaT細胞における1/2最大の応答についての濃度よりも400倍低いことが認められる。BHK IL−20レセプタートランスフェクタントにおけるレセプターレベルがより高いために、HaCaT細胞に比較して、BHKにおける1/2最大応答について、より低い濃度のIL−20が必要であることが推定される。
【0179】
核トランスロケーションアッセイを使用して、IL−20作用に関係するSTATタンパク質を同定した。内因性IL−20レセプターを有するHaCaT細胞、およびIL−20RAおよびIL−20RBでトランスフェトしたBHK細胞の両方をIL−20タンパク質で処理し、そしてSTAT3およびSTAT1転写因子のサイトカインから核へのトランスロケーションを免疫蛍光によりアッセイした。
【0180】
非刺激HaCaT細胞において、STAT3染色は主として細胞質ゾル中で起こた。IL−20を使用するHaCaT細胞の処理は、核におけるSTAT3の明確な蓄積を生じた。増加する濃度のIL−20に対して応答するSTAT3のトランスロケーションが起こり、1/2最大IL−20濃度は7nMであった。STAT3トランスロケーションと対照的に、IL−20で処理したHaCaT細胞はSTAT1の検出可能な核蓄積を示さなかった。
【0181】
IL−20RAおよびIL−20RBでトランスフェトしたBHK細胞を使用して、STAT3核トランスフェクションのIL−20刺激のためにIL−20レセプターが必要であることを確認した。IL−20レセプターを欠如するBHK細胞において、IL−20処理後にSTAT3は細胞質ゾルの中に止まった。対照的に、IL−20でトランスフェトしたBHK細胞において、STAT3はIL−20に応答して核に転位した。再び、STAT1はIL−20の処理またはIL−20レセプターの発現に無関係に細胞質ゾルの中に止まった。IL−20レセプターはIL−20仲介STAT3活性化するために必要であると、我々は結論する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【図2】 図2は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【図3】 図3は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【図4】 図4は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【図5】 図5は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【図6】 図6は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【図7】 図7は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【図8】 図8は、本発明の可溶性レセプターの概略的表示である。
【配列表】
Claims (12)
- IL−20RAサブユニットが配列番号12、38、55、63、および65から成る群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドから構成され、そしてIL−20RBサブユニットが配列番号15、59、61、67、68、および69から成る群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドから構成されている、IL−20RAサブユニットおよびIL−20RBサブユニットから構成された単離された可溶性レセプター。
- 前記IL−20RAサブユニットおよびIL−20RBサブユニットがポリペプチドリンカーにより一緒に結合されている、請求項1に記載の可溶性レセプター。
- 前記ポリペプチドリンカーが100〜240アミノ酸残基を有する、請求項2に記載の可溶性レセプター。
- 前記ポリペプチドリンカーが170アミノ酸残基を有する、請求項3に記載の可溶性レセプター。
- 前記IL−20RAサブユニットおよびIL−20RBサブユニットの各々が該サブユニットに融合されたポリペプチドリンカーを有し、かつポリペプチドリンカーの各々が少なくとも1つのシステイン残基を有し、そしてIL−20RAサブユニットのポリペプチドリンカーからのシステインとIL−20RBサブユニットのポリペプチドリンカーからのシステインとから少なくとも1つのジサルファイド結合を形成している、請求項1に記載の可溶性レセプター。
- 前記IL−20RAサブユニットが免疫グロブリン(Ig)分子の重鎖の定常領域のすべてまたは一部分に融合されており、そして前記IL−20RBサブユニットが免疫グロブリン分子の軽鎖の定常領域のすべてまたは一部分に融合されており、それら軽鎖および重鎖が一緒にジサルファイド結合されている、請求項5に記載の可溶性レセプター。
- 前記重鎖の定常領域がCH1ドメイン、CH2ドメイン、およびCH1ドメインをCH2ドメインに接続するヒンジ配列から構成されている、請求項6に記載の可溶性レセプター。
- 前記重鎖の定常領域に融合されたIL−20RAサブユニットが配列番号23、53、54および62から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成され、そして前記IgGの軽鎖の定常領域に融合されたIL−20RBサブユニットが配列番号21、57、58および60から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成されている、請求項6に記載の可溶性レセプター。
- 前記IL−20RBサブユニットがIg分子の重鎖の定常領域のすべてまたは一部分に融合されており、そして前記IL−20RAサブユニットが免疫グロブリン分子の軽鎖の定常領域のすべてまたは一部分に融合されており、それら軽鎖および重鎖が一緒にジサルファイド結合されている、請求項5に記載の可溶性レセプター。
- 第1ポリペプチドが配列番号53および54から成る群から選択されるアミノ酸から構成されており、そして第2ポリペプチドが配列番号57および58から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成されている、第2ポリペプチドに対してジサルファイド結合した第1ポリペプチドから構成されている可溶性IL−20レセプター。
- 第1ポリペプチドが配列番号23および62から成る群から選択されるアミノ酸から構成されており、そして第2ポリペプチドが配列番号21および60から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成されている、第2ポリペプチドに対してジサルファイド結合した第1ポリペプチドから構成されている可溶性レセプター。
- 第1ポリペプチドが配列番号66のアミノ酸から構成されており、そして第2ポリペプチドが配列番号70および71から成る群から選択されるアミノ酸配列から構成されている、第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドを有するタンパク質。
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