JP4740188B2 - 搬送アーム用パッド - Google Patents
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Description
また、図11(B)の従来のパッド31は、外周面に凹溝36を有するゴム製短筒状であって、しかも、薄肉状内鍔部34を有する取付孔35が搬送アーム40に貫設されており、この薄肉状内鍔部34にパッド31の凹溝36が嵌着して、不意に取付孔35からパッド31が脱落しない構成となっている。そして、このパッド31には、凹凸の無い平滑な中央孔部37が(上下に)貫設されると共に、環状の上面部38は(中心)軸心Lに直交面状の平坦面39に形成されている。つまり、この図11(B)の従来のパッド31の環状の上面部38は、中央孔部37の上方開口端縁37aの角部から、外周端縁38aの角部まで、平坦面39に形成され、この凹凸のない平滑な平坦面39にて、薄板状ワークWの下面を受持していた。
また、図11(C)の従来のパッド31は、主要な構成と形状は、前述の図11(B)と同様である。しかし、この図11(C)のパッド31が図11(B)と相違する点は、次の通りである。即ち、環状の上面部38には、2本の横断面半円山型の突条部41, 42が形成されており、かつ、内側の突条部41は中央孔部37の上方開口端縁37aに、外側の突条部42は上面部外周端縁38aに、各々、配設されている。このような突条部41, 42にて、薄板状被搬送部材Wの下面を受持していた。
即ち、図11(A)に示した従来例では、薄板状ワークWの下面と、Oリング32から成るパッド31とは、線接触となるため抵抗が小さく、搬送アーム40の加速,制動(減速)時に、位置ズレを生じるという問題、及び、薄板状ワークWが高温下でパッド31が固着状態となって、蟻溝33から脱落する虞がある。
このような過大な接触面圧Pmax の発生と、これに伴う薄板状ワークWの下面の応力集中により、下面に「接触跡」が残存する虞がある。(これは、パーティクル発生の原因となるので半導体や液晶製造に於ては許されない。)
なお、ワークが撓みを生じないものと仮定した場合にも、接触面積が大きく、ワークの分離が難しくなる(外し抵抗が過大となる)。
図11(C)に示した従来例では、薄板状ワークWの下面と、パッド31の突条部41, 42とが線接触になり、抵抗が小さく、搬送アーム40の加速,制動時に、位置ズレが生じ易い。
また、弾性変形助長用凹周溝の断面形状が頂部が丸味のある三角形状である。又は、弾性変形助長用凹周溝の断面形状が、半円形状である。あるいは、弾性変形助長用凹周溝の断面形状が、半長円形状乃至半楕円形状である。
また、上記搬送アームの取付孔の薄肉状内鍔部が嵌着される凹溝が外周面に形成され、上記上面部の内側の上記軸心直交平坦面部の外周端縁の位置は、上記凹溝の溝底の位置よりも、内周側に配設されている。
また、上記搬送アームの取付孔は、複数の小径円から大径円から成る同心円群の各円上に等間隔に配設されている。
搬送アーム用パッド1は、図1(A)の矢印Eのように、取付孔2へ押込んで嵌着される。この取付孔2は、例えば円形孔として、薄肉状内鍔部3を有する。詳しくは、この内鍔部3の肉厚寸法T3 は、先端保持部12の厚さ寸法T12の20%〜40%の薄肉状に設定されると共に、この薄肉状内鍔部3の上面は先端保持部12の上面12aから小寸法H4 だけ沈み込んだ位置とする。内鍔部3の下面から、先端保持部12の下面12bまでは、比較的大きい軸心方向寸法H5 の取付孔基本径部5とされ、H5 >T3 >H4 の関係が成立する。しかも、上面12aから小寸法H4 の範囲は、中径部4として、この中径部4の内径寸法をD4 とし、前記基本径部5の内径寸法をD5 とし、内鍔部3の内径寸法D3 とすると、D5 >D4 >D3 の関係が成立する。
この搬送アーム用パッド1は、円形の中央孔部6を有し、中央孔部6の内周面6aには、上方開口端縁6cの近傍に、弾性変形助長用凹周溝7が形成されている。
この凹周溝7の断面形状は、頂部が(小アール状の)丸味のある三角形状である(図3参照)。
また、このパッド1は、軸心方向中間位置に凹溝8が周状に形成され、パッド1の外周には、外鍔部9と凹溝8と、下方縮径テーパ面13を有する取付孔挿入誘導凸条部14とを、上から下に順次有している。
この軸心直交平坦面部15Aの外周端縁16からパッド外周(外鍔部9の外周縁)に向かって緩やかに下傾する環状勾配面部15Bが外側(外周側)に形成されている。
なお、勾配面部15Bの最外周端角部は、極めて小さなアール状の丸味を持たせるのが好ましい。
また、図2と図3に示すように、上面部15の内側(内周側)の軸心直交平坦面部15Aの外周端縁16の位置は、(平面視に於て、)凹溝8の溝底8Aの位置よりも、内周側(内周寄り)に配設する。あるいは別の表現をすれば、上面部15の幅寸法の50%以上の幅寸法を、環状勾配面部15Bが占めるように、勾配面部15Bの幅寸法を十分大に設定する。
図4に於て、弾性変形助長用凹周溝7の断面形状は、半円形状である。
図5に於て、弾性変形助長用凹周溝7の断面形状は、長円形(トラック形)乃至楕円形を、短軸に沿って2分割した半長円形状乃至半楕円形状である。
図3と図4と図5の各実施の形態を、平面図としては図7のように示され、底面図としては、図8のように示され、正面図・右側面図・左側面図とすれば、図9のように示される。
なお、図1(A)に示した搬送アーム10は、一例に過ぎず搬送される薄板状ワークWの種類及び各部寸法に応じて、設計変更自由であり、取付孔2の数(従ってパッド1の個数)は、増減自由である。
また、図1(B)に示すように、多数の取付孔2を、複数の(図では3つの)小径円21と中径円22と大径円23から成る同心円群Mの各円21, 22, 23上に、各々、等間隔に配設するも、望ましい。そして全ての取付孔2にパッド1を嵌着する。例えば、円盤状(例えば、12インチ径、30μm厚さのSi)ウエハをワークWとして搬送するとき等に、好適である。
この圧縮変形状態を示す図6(A)について、従来例の図6(B)と比較して説明する。図11(B)で既に説明したように、中央孔部37の内周面には凹凸が無く、しかも、上面部38は平坦面39で軸心直交面状であるが、薄板状ワークWを受持した圧縮状態では、図6(B)に示す如くフランジ部43等が弾性的に圧縮変形し、しかも、薄板状ワークWは撓み変形することによって、上面部38の外周端縁38aが、局部的に過大な接触面圧(ピーク)Pmax を生ずる(接触面圧分布グラフ参照)。これに伴って薄板状ワークWの下面に於て、外周端縁38aの対応位置に、「接触跡」が残存し、その後、パーティクル発生の虞があった。
本発明は、以上述べたように、簡単な形状でありながら、エア吸着を用いずとも、ウエハやガラス等の薄板状ワークを、その自重だけで、安定して支え、移動(搬送)可能であり、半導体や液晶の製造の効率化と品質向上に大きく貢献する発明である。
2 取付孔
3 薄肉状内鍔部
6 中央孔部
6a 内周面
6c 上方開口端縁
7 弾性変形助長用凹周溝
8 凹溝
8A 溝底
10 搬送アーム
15 上面部
15A 平坦面部
15B 環状勾配面部
16 外周端縁
21 小径円
23 大径円
W 薄板状被搬送部材(薄板状ワーク)
M 同心円群
Claims (6)
- 薄肉状内鍔部(3)を有する取付孔(2)が貫設された搬送アーム(10)の該取付孔(2)に嵌着されるゴム製短筒状の搬送アーム用パッドに於て、
中央孔部(6)の内周面(6a)には上方開口端縁(6c)の近傍に、弾性変形助長用凹周溝(7)が形成され、かつ、環状の上面部(15)には、上記上方開口端縁(6c)に沿って環状の軸心直交平坦面部(15A)が内側に形成されると共に、該軸心直交平坦面部(15A)の外周端縁(16)からパッド外周に向かって緩やかに下傾する環状勾配面部(15B)が外側に形成されていることを特徴とする搬送アーム用パッド。 - 弾性変形助長用凹周溝(7)の断面形状が頂部が丸味のある三角形状である請求項1記載の搬送アーム用パッド。
- 弾性変形助長用凹周溝(7)の断面形状が、半円形状である請求項1記載の搬送アーム用パッド。
- 弾性変形助長用凹周溝(7)の断面形状が、半長円形状乃至半楕円形状である請求項1記載の搬送アーム用パッド。
- 上記搬送アーム(10)の取付孔(2)の薄肉状内鍔部(3)が嵌着される凹溝(8)が外周面に形成され、上記上面部(15)の内側の上記軸心直交平坦面部(15A)の外周端縁(16)の位置は、上記凹溝(8)の溝底(8A)の位置よりも、内周側に配設されている請求項1記載の搬送アーム用パッド。
- 上記搬送アーム(10)の取付孔(2)は、複数の小径円(21)から大径円(23)から成る同心円群(M)の各円上に等間隔に配設されている請求項1,2,3,4又は5記載の搬送アーム用パッド。
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