しかしながら、上記従来の構成であると、無線式指令手段の出力制御手段が指令拒否状態であると、被操作部の作動は停止することになるので、出力制御手段が指令受付状態であるときに指令した操作指令に基づいて被操作部が作動している場合には、出力制御手段が指令拒否状態になると、その作動中の被操作部の作動が停止してしまい、以下に示すような不都合が生じるものであった。
すなわち、機体側制御手段が、被操作部の作動として、例えば特許文献1のように、コンバインの穀粒排出オーガの排出作動を制御するものにおいては、操作指令としての排出開始指令をオーガリモコンにて指令して穀粒の排出作動を開始させた後、穀粒の排出が完了するまでの間に、オーガリモコンの電源を切ると、穀粒排出オーガの排出作動が停止してしまうので、穀粒の排出が完了するまで排出作動を継続させるためには、オーガリモコンの電源を入れたままにしておく必要があり、オーガリモコンにより穀粒排出オーガの作動が誤操作されるおそれのある状態を維持しなければならないという不都合が生じる。
つまり、従来の作業機の無線式操作装置では、無線式指令手段の出力制御手段を指令拒否状態にすることで被操作部の作動についての誤操作を防止できるが、操作指令に基づいて被操作部が作動しているときに、その被操作部の作動を継続させるためには出力制御手段を指令受付状態に維持しておく必要がある。したがって、被操作部の作動を継続させようと思えば、その間に操作指令を指令する必要がなくても被操作部の作動についての誤操作を防止するべく出力制御手段を指令拒否状態にすることができない点で使い勝手が良いとは言えないものであった。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することを、使い勝手を損なわずに行うことができる作業機の無線式操作装置を提供する点にある。
本発明にかかる作業機の無線式操作装置は、作業機本体に、被操作部と、その被操作部の作動を制御する機体側制御手段とが備えられ、前記被操作部の複数種の作動についての複数種の操作指令を前記機体側制御手段に無線信号にて指令する手動操作式の無線式指令手段が設けられ、前記無線式指令手段が、前記複数種の操作指令を指令する指令操作手段、前記指令操作手段にて指令される前記複数種の操作指令に対応する指令用無線信号を出力する指令受付状態と前記指令用無線信号を出力しない指令拒否状態とに切換自在で、かつ、前記指令拒否状態であることを示す非送信動作状態情報を出力するように構成された出力制御手段、この出力制御手段を前記指令受付状態と前記指令拒否状態とに切り換える切換指令を指令する人為操作式の切換操作手段による前記切換指令に基づいて、前記出力制御手段を前記指令受付状態と前記指令拒否状態とに切り換える動作状態切換制御手段を備えて構成され、前記機体側制御手段が、前記非送信動作状態情報を受信すると、前記被操作部の複数種の作動を停止させるべく、前記被操作部の作動を制御するように構成されているものであって、
その第1特徴構成は、前記機体側制御手段が、前記非送信動作状態情報を受信したときに、前記複数種の操作指令のうち特定の特定操作指令に基づいて前記被操作部が作動している場合には、その被操作部の作動を継続させるべく、前記被操作部の作動を制御するように構成されている点にある。
本発明の第1特徴構成によると、無線式指令手段が指令拒否状態であると、非送信動作状態情報が出力される。この非送信動作状態情報を機体側制御手段が受信したときに、特定の特定操作指令に基づいて被操作部が作動している場合には、機体側制御手段は、その被操作部の作動を停止させることなく継続させるので、無線式指令手段の出力制御手段が指令受付状態であるときに指令した特定操作指令に基づいて作動している被操作部については、出力制御手段が指令拒否状態になってからもその作動が継続する。
したがって、作業者が特定操作指令を指令して、被操作部の作動を開始させた後は、出力制御手段を指令拒否状態に切り換えるべく切換操作手段を切り換え操作しても、当該特定操作指令に基づいて作動している被操作部の作動を継続させることができる。これにより、作業者が無線式指令手段にて特定操作指令を指令した後は、いつでも切換操作手段を切り換え操作することができ、被操作部の誤操作の防止が図られた状態で無線式指令手段を携帯することができる。
例えば、作業機本体としてのコンバインに備えられた穀粒排出オーガの排出作動の開始及び停止を無線信号にて指令自在なオーガリモコンが無線式指令手段として備えられたものである場合、オーガリモコンにて穀粒の排出作動を開始させた後、排出作業の完了を待たずに、また、排出作動を停止させずに、いつでもオーガリモコンの電源を切る等してオーガリモコンの出力制御手段を指令拒否状態にして、穀粒排出オーガの誤操作を防止を図られた状態とすることができる。
このように、本発明の第1特徴構成によると、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することを、使い勝手を損なわずに行うことができる作業機の無線式操作装置を得るに至った。
本発明の第2特徴構成は、本発明の第1特徴構成において、前記出力制御手段が、前記指令受付状態においては監視用無線信号を出力し、かつ、前記指令拒否状態においては前記監視用無線信号を出力しないことで前記非送信動作状態情報を出力するように構成され、前記機体側制御手段が、前記監視用無線信号を受信自在に構成され、かつ、前記監視用無線信号を受信しない状態であることを判別するように構成されている点にある。
本発明の第2特徴構成によると、無線式指令手段の出力制御手段が監視用無線信号を出力しなくなると、監視用無線信号が存在しなくなるので、機体側制御手段は、無線式指令手段の出力制御手段が出力する監視用無線信号を受信しない状態となる。そして、機体側制御手段は、監視用無線信号を受信しない状態となると、そのことを判別するものであるから、監視用無線信号を受信しない状態であると判別することで、無線式指令手段が出力した非送信動作状態情報を受信することができる。
したがって、非送信動作状態情報を出力する出力制御手段を、監視用無線信号を出力しないという簡単なもので構成することができ、また、非送信動作状態情報を受信する機体側制御手段を、監視用無線信号の受信状態を判別するという簡単なもので構成することができる。
このように、本発明の第2特徴構成によると、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することを、使い勝手を損なわずに行うことができ、しかも、装置の構成を簡素なものとすることができる作業機の無線式操作装置を得るに至った。
本発明の第3特徴構成は、本発明の第2特徴構成において、前記動作状態切換制御手段が、前記出力制御手段を前記指令受付状態と前記指令拒否状態に切り換えるべく、前記出力制御手段に対して無線信号出力用の電力を供給する電力供給状態と供給しない電力非供給状態とに切り換えるように構成されている点にある。
本発明の第3特徴構成によると、動作状態切換制御手段は、出力制御手段に対して無線信号出力用の電力を供給する電力供給状態と供給しない電力非供給状態とに切り換えることにより、出力制御手段を前記指令受付状態と前記指令拒否状態とに切り換えるので、操作指令を指令しない間は、切換指令手段にて動作状態切換制御手段に対して切換指令を指令して出力制御手段を指令拒否状態しておけば、出力制御手段には無線信号出力用の電力が供給されないことになる。
したがって、出力制御手段を指令拒否状態に切り換えるべく切換操作手段にて切換指令が指令された場合に、出力制御手段を確実に監視用無線信号を出力しないようにして、もって、無線式指令手段の出力制御手段が指令拒否状態であることを機体側指令手段にて確実に判別することができ、被操作部の誤作動を確実に防止することができる。また、出力制御手段を指令拒否状態にした場合における無線式指令手段の消費電力量を抑制することができる。
このように、本発明の第3特徴構成によると、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することを、使い勝手を損なわずに行うことができ、しかも、被操作部の誤作動を確実に防止することができ、かつ、無線式指令手段の消費電力量を抑制することができる作業機の無線式操作装置を得るに至った。
本発明の第4特徴構成は、本発明の第1〜第3特徴構成のうちのいずれか一つにおいて、前記無線式指令手段の前記指令操作手段が、前記複数種の操作指令の1つとして前記被操作部の複数種の作動の全てを停止させる作動停止指令を指令自在に構成され、前記動作状態切換制御手段が、前記出力制御手段が前記指令拒否状態である場合に前記作動停止指令が指令されると、前記出力制御手段を前記指令受付状態に切り換えるように構成されている点にある。
本発明の第4特徴構成によると、出力制御手段が指令拒否状態である場合に指令操作手段にて作動停止指令が指令されると、動作状態切換制御手段が出力制御手段を指令受付状態に切り換えるので、出力制御手段が指令拒否状態であっても、指令操作手段にて作動停止指令を指令すると、作動停止指令に対応する指令用無線信号が出力されることになる。
したがって、出力制御手段が指令拒否状態であって、指令受付状態に切り換えなければ指令操作手段にて操作指令を指令しても対応する指令用無線信号が出力されない状態において、作動停止指令にて作動が停止される被操作部の作動を緊急に停止する必要が生じた場合には、わざわざ出力制御手段を切換操作手段にて指令受付状態に切り換える別途の切換操作をすることなく、指令操作手段にて作動停止指令を指令する操作だけで、被操作部の複数種の作動の全てを停止させることができる。
つまり、指令操作手段の誤操作により被操作部が不意に操作されないようにするために出力制御手段が指令拒否状態に切り換えられていたとしても、作業者は、指令受付状態において複数種の操作指令を指令する場合と同様の操作により作動停止指令を指令することができるので、被操作部の複数種の作動の全てを緊急に停止させる場合に、出力制御手段の動作状態に応じて異なった操作をする必要はなく、出力制御手段の動作状態を意識せずに指令操作手段にて作動停止指令を指令するだけの操作を行えばよい。
このように、本発明の第4特徴構成によると、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することを、使い勝手を損なわずに行うことができ、しかも、被操作部の複数種の作動の全てを停止させる場合の操作性の向上を図ることができる作業機の無線式操作装置を得るに至った。
本発明の第5特徴構成は、本発明の第1〜第4特徴構成のうちのいずれか一つにおいて、前記被操作部として、可動式の作動部が備えられ、前記無線式指令手段の前記指令操作手段が、前記複数種の操作指令の1つとして、パターン作動開始指令を指令自在に構成され、前記機体側制御手段が、前記パターン作動開始指令が指令された場合は対応する前記作動部を設定作動パターンにて作動させる形態でその作動部の作動を制御するように構成され、かつ、前記非送信動作状態情報を受信したときに、前記特定操作指令としての前記パターン作動開始指令に基づいて前記作動部が作動している場合には、その作動部の作動を継続させるべく、前記作動部の作動を制御するように構成されている点にある。
本発明の第5特徴構成によると、被操作部として、可動式の作動部が備えられた場合に、機体側制御手段が、無線式指令手段にてパターン作動開始指令が指令されると、前記作動部を設定作動パターンにて作動させる形態でその作動部の作動を制御するので、予め作動パターンを設定しておけば、無線式指令手段にてパターン作動開始指令を指令するだけで、前記作動部を設定作動パターンにて作動させることができる。
したがって、作動部を決まった作動パターンにて作動させる場合に、作動パターンの作動内容に応じた複数種の操作指令を順次指令して、各操作指令に応じた作動の連続により作動パターンにて作動させるような面倒な操作を指令する必要はなく、パターン作動開始指令という一つの操作指令を指令するだけで済むので使い勝手がよいものである。
そして、機体側制御手段は、非送信動作状態情報を受信したときに、特定操作指令としてのパターン作動開始指令に基づいて作動部が作動している場合には、その作動部の作動を継続させるので、無線式指令手段にてパターン作動開始指令が指令された後に、出力制御手段が指令拒否状態に切り換えられて、非送信動作状態情報が出力されても、パターン作動開始指令に基づいて作動部が作動している場合には、その作動部の作動が継続することになる。
したがって、作動部が設定作動パターンにて作動している途中で機体側制御手段が非送信動作状態情報を受信しても、作動している作動部が設定作動パターンの途中で停止してしまうことはなく、非送信動作状態情報を受信した後も設定作動パターンによる作動を継続させることができ、使い勝手のよさが損なわれることがない。
このように、本発明の第5特徴構成によると、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することに加え、被操作部としての作動部を設定作動パターンにて作動させることを、使い勝手を損なわずに行うことができる作業機の無線式操作装置を得るに至った。
本発明の第6特徴構成は、本発明の第5特徴構成において、前記作業機本体としてのコンバイン本体に、前記作動部としての穀粒排出オーガが旋回及び昇降自在に設けられ、前記無線式指令手段の前記指令操作手段が、前記パターン作動開始指令として、自動旋回昇降指令を指令するように構成され、前記機体側制御手段が、前記自動旋回昇降指令が指令されると、前記穀粒排出オーガを目標旋回昇降位置に位置させるべく、前記設定作動パターンとしての設定旋回昇降パターンにて旋回及び昇降作動させる形態で前記穀粒排出オーガの旋回及び昇降作動を制御するように構成されている点にある。
本発明の第6特徴構成によると、無線式指令手段の指令操作手段にて自動旋回昇降指令を指令すれば、機体側制御手段が、設定旋回昇降パターンにて旋回及び昇降作動させる形態で穀粒排出オーガの旋回及び昇降作動を制御するので、自動旋回昇降指令を指令するだけで、コンバインの穀粒排出オーガを目標旋回昇降位置に位置させることができる。そして、自動旋回昇降指令を指令して、穀粒排出オーガの旋回及び昇降作動を開始させた後に、無線式指令手段の出力制御手段が指令拒否状態になっても、設定旋回昇降パターンによる旋回及び昇降作動は停止することなく継続し、穀粒排出オーガを目標旋回昇降位置に位置させることができる。
したがって、例えば、穀粒排出オーガによる穀粒の排出作業が終了して、穀粒排出オーガを目標旋回昇降位置としての格納用の旋回昇降位置に位置させる場合には、自動旋回昇降指令を指令するだけで済み、しかも、自動旋回昇降指令に基づいて旋回及び昇降作動している途中に電源スイッチやホールドスイッチ等の切換操作手段を切り換え操作することにより、無線式指令手段の出力制御手段が指令拒否状態となっても、目標旋回昇降位置までの旋回及び昇降作動を継続するので、作業者は、無線式指令手段にて自動旋回昇降指令を指令した後、いち早く穀粒排出オーガが誤操作されない状態にすることができ、これにより、無線式指令手段をポケットに入れる等して目標旋回昇降位置までの旋回及び昇降作動が完了するまでの間に別の作業に移行したり、作業場から離れることができる。
このように、本発明の第6特徴構成によると、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することを、使い勝手を損なわずに行うことができるコンバインの無線式操作装置の好適な実施形態を得るに至った。
本発明の第7特徴構成は、本発明の第1〜第6特徴構成のうちのいずれか一つにおいて、前記作業機本体としてのコンバイン本体に、前記被操作部としての穀粒排出オーガが、穀粒を排出する排出作動状態と穀粒を排出しない排出停止状態とに切換自在に設けられ、前記無線式指令手段の前記指令操作手段が、前記複数種の前記操作指令の1つとして、前記穀粒排出オーガを排出作動状態にする排出開始指令を指令するように構成され、前記機体側制御手段が、前記排出開始指令が指令されると、前記穀粒排出オーガを前記排出作動状態にするべく、前記穀粒排出オーガの穀粒排出作動を制御するように構成され、かつ、前記非送信動作状態情報を受信したときに、前記特定操作指令としての前記排出開始指令に基づいて前記穀粒排出オーガが排出作動している場合には、その排出作動を継続させるべく、前記穀粒排出オーガの排出作動を制御するように構成されている点にある。
本発明の第7特徴構成によると、無線式指令手段の指令操作手段にて排出開始指令を指令すれば、機体側制御手段が、穀粒排出オーガを排出作動状態にするべく、穀粒排出オーガの穀粒排出作動を制御するので、排出開始指令を指令するだけで、コンバインの穀粒排出オーガを排出作動状態にすることができる。そして、排出開始指令を指令して、穀粒排出オーガを排出作動状態にした後に、無線式指令手段の出力制御手段が指令拒否状態になっても、穀粒排出オーガの排出作動は停止することなく継続し、穀粒排出オーガを排出作動状態で維持させることができる。
したがって、例えば、穀粒排出オーガによる穀粒の排出作動を開始させて、穀粒排出オーガを排出作動状態で維持させる場合には、排出開始指令を指令するだけで済み、しかも、排出開始指令に基づいて排出作動している途中に電源スイッチやホールドスイッチ等の切換操作手段を切り換え操作することにより、無線式指令手段の出力制御手段が指令拒否状態となっても、穀粒排出オーガの排出作動は継続するので、作業者は、無線式指令手段にて排出開始指令を指令した後、いち早く穀粒排出オーガが誤操作されない状態にすることができ、これにより、無線式指令手段をポケットに入れる等して穀粒の排出が行われている間に別の作業に移行したり、作業場から離れることができる。
このように、本発明の第7特徴構成によると、無線式指令手段による被操作部の誤操作を防止することを、使い勝手を損なわずに行うことができるコンバインの無線式操作装置の好適な実施形態を得るに至った。
以下、本発明の作業機の無線式操作装置の実施形態について、作業機としてのコンバインに適用したものを例に、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1の上部に設けた機体Vの前部に、刈取部3が横軸芯周りに揺動操作自在な状態で付設され、機体Vには、操縦部2、刈取穀稈を脱穀・選別する脱穀部4、脱穀部4にて選別回収された穀粒を貯留する穀粒タンク5、及び穀粒タンク5に貯留された穀粒を機外に排出するための穀粒排出オーガ9等が装備されている。穀粒排出オーガ9が本発明の被操作部に相当する。
穀粒タンク5の底部に前後方向に沿う状態で底部スクリューコンベア7が設けられ、その底部スクリューコンベア7の搬送終端部から上方に向けてベベルギア連動される状態で縦送りスクリューコンベア8が延設され、この縦送りスクリューコンベア8の上部には、ベベルギア連動される状態で前記穀粒排出オーガ9が、横軸芯P1周りに揺動操作自在で、且つ、縦軸芯P2周りに旋回操作自在に装備されている。
尚、図2には、穀粒排出オーガ9が格納用の旋回位置HPに旋回した状態を示し、この格納用の旋回位置HPに旋回した状態で穀粒排出オーガ9を下降させて格納用保持具としての受止具30に受け止めさせて、穀粒排出オーガ9を格納することになる。受止具30には、マイクロスイッチで構成された格納スイッチ31が設けられており、穀粒排出オーガ9の外装ケース9Bの下端面が格納スイッチ31に当接することでオン状態になることにより、穀粒排出オーガ9が格納位置に位置することを検出できるようになっている。
底部スクリューコンベア7の搬送始端部には、機体右前部に設けたエンジンEから底部スクリューコンベア7への動力伝達を断続するベルトテンション式の排出クラッチ13の出力プーリ13Aが装着されている。さらに、縦送りスクリューコンベア8は、底部スクリューコンベア7にベベルギアを介して連動連結された縦コンベアスクリュー8Aと、それを覆うとともに穀粒タンク5に連通接続された円筒ケース8Bとからなる。
穀粒排出オーガ9(以下、単にオーガという)は、オーガスクリュー9Aとこれを覆う外装ケース9Bとからなる。外装ケース9Bは、縦コンベアスクリュー8Aの円筒ケース8Bに回動ケース6を介して連通接続されており、回動ケース6が、縦送りスクリューコンベア8の円筒ケース8Bに縦軸芯P2周りに相対回動可能に接続されるとともに、穀粒排出オーガ9の外装ケース9Bに横軸芯P1周りに相対回動可能に接続されている。
前記排出クラッチ13を入り状態と切り状態とに切り換え操作するためのクラッチ操作用の電動モータM1(図5参照)が備えられ、このクラッチ操作用の電動モータM1(以下、クラッチモータと略称する)を正転方向に駆動することで排出クラッチ13が入り状態に切り換えられ、クラッチモータM1を逆転方向に駆動することで排出クラッチ13が切り状態に切り換えられる構成となっている。
この排出クラッチ13を入り状態に切り換えると、底部スクリューコンベア7、縦スクリューコンベア8及びオーガ9が、排出クラッチ13を介して伝達されるエンジンEの動力で駆動されて、穀粒タンク5に貯留された穀粒がオーガ9の先端部の穀粒排出口10から排出される排出作動状態となり、排出クラッチ13を切り状態に切り換えると、底部スクリューコンベア7、及び、縦スクリューコンベア8の駆動が停止されて、穀粒がオーガ9の先端部の穀粒排出口10から排出されない排出停止状態となる構成となっている。
オーガ9の旋回操作の駆動構成について説明すると、図3に示すように、回動ケース6の外側面に、旋回駆動用の大径ギア11が固着され、その大径ギア11に咬合するピニオンギア12を回転駆動する旋回用電動モータM2が縦送りスクリューコンベヤ8に固定され、この旋回用電動モータM2(以下、旋回モータと略称する)を正逆転駆動するに伴って、オーガ9が縦軸芯P2周りに旋回操作され、かつ、旋回モータM2を作動停止させるに伴って旋回停止するように構成されている。図中、Ryはオーガ9の旋回位置を検出する多回転型のポテンショメータを利用した旋回位置検出センサであって、旋回モータM2で駆動されるギア12によって旋回駆動用の大径ギア11と同時に回動操作されるようになっている。
尚、図2に示すように、予め旋回可能範囲が設定され、上記旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、オーガ9がその旋回可能範囲の左限界位置LE及び右限界位置REに達したときには、自動的にオーガ9の旋回を停止するように、旋回モータM2が制御される構成となっている。
次に、オーガ9の昇降操作の駆動構成について説明すると、図3に示すように、オーガ9の基端部と、回動ケース6との間に、昇降用油圧シリンダ15が設けられ、この昇降用油圧シリンダ15を伸長させるに伴ってオーガ9が横軸芯P1周りで上昇操作され、かつ、昇降用油圧シリンダ15を短縮させるに伴ってオーガ9が横軸芯P1周りで下降操作されるように構成されている。尚、オーガ9が昇降操作範囲の上限位置UEにあるときにオン作動する上限スイッチ14が設けられている。
このように、このコンバインは、作動部としてのオーガ9が旋回及び昇降自在に並びに排出作動状態と排出停止状態とに切換自在に設けられており、オーガ9を旋回作動及び昇降作動させる旋回昇降駆動手段としての旋回モータM2及び昇降用油圧シリンダ15、並びに、排出作動状態と排出停止状態とに切り換える排出駆動手段としてのクラッチモータM1が設けられている。
操縦部2には、オーガ9を旋回及び昇降するための操作指令を指示するレバー式の操作部20が設けられている。このコンバイン本体側の操作部20について説明を加えれば、図4に示すように、中央位置に復帰するように付勢されて前後方向並びに左右方向夫々に十字揺動操作自在な操作レバー20Aが備えられ、操作レバー20Aを前方側に倒した状態では上昇指令スイッチS1がオン作動して本機上昇指令が指令され、操作レバー20Aを手前側に倒した状態では下降指令スイッチS2がオン作動して本機下降指令が指令され、操作レバー20Aを左側に倒した状態では右旋回指令スイッチS3がオン作動して本機右旋回指令が指令され、操作レバー20Aを右側に倒した状態では左旋回指令スイッチS4がオン作動して本機左旋回指令が指令される(図5参照)。また、上記操作レバー20Aを中央位置に復帰させた状態では、オーガ9の旋回操作及び昇降操作についての指令は指令されないので、操作レバー20Aを手指にて左右前後の何れかの方向に倒した状態から手指を離すことにより中央位置に復帰させて、本機上昇指令、本機下降指令、本機左旋回指令、本機右旋回指令を中止させることができる。
また、図2及び図5に示すように、前記操作部20の近くには、オーガ9を自動的に格納位置又は目標排出位置に移動させる本機自動旋回昇降指令を指令するための自動スイッチ21と、移動中においてオーガ9を停止させる移動停止指令を指令するための停止スイッチ22と、上記目標排出位置を設定するための排出位置設定ボリューム23と、オーガ9の穀粒排出作動の開始を指令する本機排出開始指令又はオーガ9の穀粒排出作動の停止を指令する排出停止指令を指令するための2位置切換式のトグルスイッチで構成されたクラッチ入切スイッチ24とが設けられている。
クラッチ入切スイッチ24は、オフ位置に位置していると排出クラッチ13を切り状態にし、オン位置に位置していると排出クラッチ13を入り状態にできるようになっている。したがって、クラッチ入切スイッチ24をオフ位置からオン位置に切り換えることで、本機排出開始指令が指令され、クラッチ入切スイッチ24をオン位置からオフ位置に切り換えることで、排出停止指令が指令される。
コンバイン本体には、機体側制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置Hが設けられ、その制御装置Hに、前記旋回位置検出センサRy、前記上限スイッチ14、前記格納スイッチ31、操作部20の前記各指令スイッチS1、S2、S3、S4、前記自動スイッチ21、前記停止スイッチ22、前記排出位置設定ボリューム23、及び前記クラッチ入切スイッチ24の各信号が信号線を通して入力され、前記各指令スイッチの操作に対応する制御を実行するように構成されている。
つまり、制御装置Hは、操作レバー20Aが前方側に倒し操作されて上昇指令スイッチS1がオン作動して本機上昇指令が指令されると、オーガ9を上昇作動させるべく、昇降用油圧シリンダ15を上昇側に作動させ、操作レバー20Aが後方側に倒し操作されて下降指令スイッチS2がオン作動して本機下降指令が指令されると、オーガ9を下降作動させるべく、昇降用油圧シリンダ15を下降側に作動させ、操作レバー20Aが左側に倒し操作されて右旋回指令スイッチS3がオン作動して本機右旋回指令が指令されると、オーガ9を右旋回作動させるべく、旋回モータM2を右旋回側に作動させ、操作レバー20Aが右側に倒し操作されて左旋回指令スイッチS4がオン作動して本機左旋回指令が指令されると、オーガ9を左旋回作動させるべく、旋回モータM2を左旋回側に作動させる。
また、制御装置Hは、本機自動旋回昇降指令が指令されると、格納スイッチ31の検出情報に基づいて、オーガ9が格納位置に位置するかどうかを判別した上で、オーガ9の位置に応じて自動的にオーガ9を格納位置又は目標排出位置に移動させるべく、昇降用油圧シリンダ15及び旋回モータM2の作動を制御するように構成されている。
つまり、制御装置Hは、自動スイッチ21が押し操作されて本機自動旋回昇降指令が指令されると、オーガ9が格納位置に位置する場合(格納スイッチ31がオンの場合)には、オーガ9を目標排出位置に移動させるべく、昇降用油圧シリンダ15及び旋回モータM2を作動させ、オーガ9が排出作業用の排出位置に位置する場合(格納スイッチ31がオフの場合)には、オーガ9を格納位置に移動させるべく、昇降用油圧シリンダ15及び旋回モータM2を作動させる。
さらに、制御装置Hは、本機排出開始指令が指令されると、オーガ9を排出作動状態とするべく、かつ、排出停止指令が指令されると、オーガ9を排出停止状態とするべく、クラッチモータM1の作動を制御するように構成されている。
つまり、制御装置Hは、クラッチ入切スイッチ24がオフ位置からオン位置に切り換え操作されて本機排出開始指令が指令されると、オーガ9を排出作動状態とするべく、クラッチモータM1を正転方向に駆動させ、クラッチ入切スイッチ24がオン位置からオフ位置に切り換え操作されて排出停止指令が指令されると、オーガ9を排出停止状態とするべく、クラッチモータM1を逆転方向に駆動させる。
そして、このコンバインでは、オーガ9の旋回昇降作動及び穀粒排出作動についての複数種の操作指令、並びに、本機側の操縦部に設けられた作業員呼び出し用の呼出アラーム16の呼出作動についての操作指令を無線信号にて指令する手動操作式の無線式指令手段として、無線リモコン42が備えられている。この無線リモコン42は、穀粒運搬車両Nへの穀粒排出作業を行っているときに、穀粒運搬車両Nの近くにいる作業者がオーガ9や呼出アラーム16を操作する場合に利用するものである。
詳述すると、図6及び図7に示すように、無線リモコン42は、作業者が容易に持ち運び可能なように小型軽量の装置として構成され、また、下記の各指令スイッチにて指令される複数の操作指令としての端末上昇指令や端末排出開始指令や端末停止指令等(詳しくは後述する)の夫々に対応する指令用無線信号として互いに異なる単一周波数の電波を送信するように構成されている。
そして、この無線リモコン42には、オーガ9を上昇作動させる端末上昇指令を指令する上昇指令スイッチ43、オーガ9を下降作動させる端末下降指令を指令する下降指令スイッチ44、オーガ9を左旋回作動させる端末左旋回指令を指令する左旋回指令スイッチ45、オーガ9を右旋回作動させる端末右旋回指令を指令する右旋回指令スイッチ46、オーガ9を自動的に格納位置又は目標排出位置に移動させる端末自動旋回昇降指令(本発明の自動旋回昇降指令に相当)を指令する自動スイッチ47、コンバイン本体の操縦部2に設けられた呼出アラーム16を鳴動させる呼出指令を指令する呼出スイッチ48、オーガ9の穀粒排出作動を開始させる端末排出開始指令(本発明の排出開始指令に相当)を指令する排出スイッチ49、オーガ9の旋回昇降作動を停止させ、かつ、オーガ9の穀粒排出作動を停止させる端末停止指令(本発明の作動停止指令に相当)を指令する停止スイッチ50、後述する電源の入切を切り換えるための電源スイッチ51が夫々設けられている。
これらの各スイッチは、指で押し操作するとオンして指を離すとオフするようにオフ状態に復帰付勢される構成となっている。また、電源スイッチ51には、電源が入っていれば点灯するパイロットランプ52が設けられている。
また、無線リモコン42には、指令用の上記各スイッチの操作に対応させて、スイッチがオンすると、各スイッチ毎に異ならせて対応して設定された特定の周波数の信号を発振してその信号を一定出力の電波として送信アンテナ54を介して送信する出力制御手段としての信号送信器53、及び、それらに電力を供給するバッテリー55とが備えられている。
つまり、上昇指令スイッチ43を指で押し操作してオンすると、端末上昇指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで端末上昇指令が指令され、上昇指令スイッチ43から指を離してオフすると、端末上昇指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して端末上昇指令が停止することになる。
下降指令スイッチ44を指で押し操作してオンすると、端末下降指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで端末下降指令が指令され、下降指令スイッチ44から指を離してオフすると、端末下降指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して端末下降指令が停止することになる。
左旋回指令スイッチ45を指で押し操作してオンすると、端末左旋回指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで端末が指令され、左旋回指令スイッチ45から指を離してオフすると、端末左旋回指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して端末左旋回指令が停止することになる。
右旋回指令スイッチ46を指で押し操作してオンすると、右旋回指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで端末右旋回指令が指令され、右旋回指令スイッチ46から指を離してオフすると、端末右旋回指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して端末右旋回指令が停止することになる。
なお、左旋回指令スイッチ45は無線リモコン42の正面において向って右側に設けられ、右旋回指令スイッチ46は無線リモコン42の正面において向って左側に設けられており、両指令スイッチ上に表示された夫々の内容が各指令スイッチの設置位置と反対となっている。これは、右旋回操作及び左旋回操作における旋回方向をコンバインの前進方向を12時の方向とする基準により定義し、各指令スイッチにより旋回操作される旋回方向をその旋回方向の定義に基づいて表示する一方、無線リモコン42を使用する作業者が、コンバイン本体から離れた位置でオーガ9の先端側からオーガ9の旋回操作を指令するときに、直感的に把握し易い位置に配置されたスイッチを操作することで旋回操作を指令できるように各指令スイッチを配置したことによる。
自動スイッチ47を指で押し操作してオンすると、端末自動旋回昇降指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで端末自動旋回昇降指令が指令され、自動スイッチ47から指を離してオフすると、端末自動旋回昇降指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して端末自動旋回昇降指令が停止することになる。
呼出スイッチ48を指で押し操作してオンすると、呼出指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで呼出指令が指令され、呼出スイッチ48から指を離してオフすると、呼出指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して呼出指令が停止することになる。
排出スイッチ49を指で押し操作してオンすると、端末排出開始指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで端末排出開始指令が指令され、排出スイッチ49から指を離してオフすると、端末排出開始指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して端末排出開始指令が停止することになる。
停止スイッチ50を指で押し操作してオンすると、端末停止指令に対応した周波数の無線信号が送信されることで端末停止指令が指令され、停止スイッチ50から指を離してオフすると、端末停止指令に対応した周波数の無線信号の送信が終了して端末停止指令が停止することになる。
このように、この無線リモコン42は、端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、端末右旋回指令、端末自動旋回昇降指令、端末排出開始指令、及び、端末停止指令を指令する指令操作手段としての、上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、左旋回指令スイッチ45、右旋回指令スイッチ46、自動スイッチ47、排出スイッチ49、及び、停止スイッチ50を備えて、被操作部としてのオーガ9の複数種の作動についての複数種の操作指令を制御装置Hに無線信号にて指令するように構成されている。
そして、上記各指令が、本発明の複数の操作指令に相当し、これらの複数の操作指令のうち、端末自動旋回昇降指令及び端末排出開始指令が本発明の特定操作指令に相当する。
バッテリー55と信号送信器53とは、電源制御回路56を介して接続されており、電源制御回路56が電力供給状態であると、バッテリー55から信号送信器53へ電力が供給され、信号送信器53は指令受付状態となって、無線信号を出力できる状態となるが、電源制御回路56が電力遮断状態であると、バッテリー55から信号送信器53へ電力が供給されず、信号送信器53は指令拒否状態となって、無線信号を出力できない状態となる。つまり、電源制御回路56は、信号送信器53を指令受付状態と指令拒否状態に切り換えるべく、信号送信器53に対して無線信号出力用の電力を供給する電力供給状態と供給しない電力非供給状態とに切り換えるように構成されており、本発明の動作状態切換制御手段として機能する。
このように、無線リモコン42は、出力制御手段としての信号送信器53と動作状態切換制御手段としての電源制御回路56とを備えて構成されている。
そして、電源制御回路56の電力供給状態と電力遮断状態との切換は、電源スイッチ51を入操作及び切操作して、稼動指令及び休止指令を指令することにより行われる。具体的には、電源制御回路56が電力遮断状態であるとき、電源スイッチ51を0.5[秒]間以上押し続ける長押し操作すると、電源制御回路56が電力供給状態に切り換わり、電源制御回路56が電力供給状態であるとき、電源スイッチ51を0.5[秒]間以上押し続ける長押し操作すると、電源制御回路56が電力遮断状態に切り換わる。なお、電源スイッチ51に備えられたパイロットランプ52は、電源制御回路56が電力供給状態である場合に点灯するように、電源制御回路56により点灯と消灯が制御される。
このように、電源スイッチ51の入切操作により、電力供給状態と電力遮断状態とに切り換える切換指令が指令され、この切換指令に基づいて、電源制御回路56が、信号送信器53を指令受付状態及び指令拒否状態に切り換えるように構成されている。したがって、電源スイッチ51は、本発明の切換操作手段として機能する。
そして、指令受付状態の信号送信器53は、無操作状態であっても、上記各操作指令に対応する各指令用無線信号のいずれもものとも異なる単一周波数の待機用無線信号を出力するように構成されている。つまり、信号送信器53は、指令受付状態においては、指令用無線信号及び待機用無線信号のいずれかの無線信号を監視用無線信号として出力していることになる。したがって、信号送信器53は、指令拒否状態においては指令用無線信号及び待機用無線信号のいずれの無線信号も一切出力しないことで、指令拒否状態であることを示す非送信動作状態情報を出力することができるのである。このように、本実施形態では、指令用無線信号及び待機用無線信号により監視用無線信号が構成されている。
また、電源制御回路56は、信号送信器53の指令受付状態において上昇指令スイッチ43、下降指令スイッチ44、左旋回指令スイッチ45、右旋回指令スイッチ46、自動スイッチ47、呼出スイッチ48、排出スイッチ49、及び、停止スイッチ50の何れもが操作されない無操作状態となることにより、端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、端末右旋回指令、端末自動旋回昇降指令、端末排出開始指令、呼出指令、及び、端末停止指令のいずれもが指令されない状態が設定時間継続したときには自動的に信号送信器53を指令拒否状態に切り換えるように構成されている。
説明を加えると、信号送信器53は、指令受付状態において、無操作時間監視処理を実行して、上述の操作指令の有無に基づいて、上記の無操作状態が継続する時間を監視しており、無操作状態が設定時間(本実施形態では、3分としている。)だけ継続すると、無線リモコン42の使用場面ではないと判断して、電源制御回路56を電力遮断状態に切り換える指令を電源制御回路56に対して指令することにより、自らが指令する指令に基づいて電源制御回路56により指令拒否状態に切り換えられるようになっている。
上記のような構成によると、作業者が意識的に電源スイッチ51を切操作する場合の他、何れの操作スイッチも操作されない無操作状態が3分間継続した場合にも、自動的に信号送信器53を指令拒否状態に切り換えることができ、無線リモコン42を操作しないときは、誤操作によって不意にオーガ9の作動が操作されることがないようにすることができるとともに、無線リモコン42の省電力化を図ることができる。
また、無線リモコン42は、停止スイッチ50が押し操作されると、信号送信器53に対する制御信号に加えて電源制御回路56に対して電力供給状態に切り換える制御信号が出力されるように構成されている。これにより、電源制御回路56は、電力遮断状態において、電源スイッチ51が入操作されることなく停止スイッチ50が押し操作されると電力供給状態に切り換わる。
つまり、電源制御回路56が電力遮断状態であることにより信号送信器53が指令拒否状態である場合に、停止スイッチ50にて端末停止指令が指令されると、電源制御回路56が電力供給状態に切り換わって信号送信器53が指令受付状態に切り換わる。このように、本無線リモコン42の電源制御回路56は、信号送信器53が指令拒否状態である場合に停止スイッチ50にて端末停止指令が指令されると、信号送信器53を指令受付状態に切り換えるように構成されている。
このように構成することにより、電源スイッチ51の切操作又は3分間の無操作時間があって、電源制御回路56が電力遮断状態となった後に、オーガ9の作動を緊急に停止させる必要が生じた場合には、電源スイッチ51を入操作してから停止スイッチ50にて端末停止指令を指令するといった煩わしい操作をすることなく、停止スイッチ50をいきなり操作して、端末停止指令に対応する指令用無線信号を出力させることができる。
図1、図2に示すように、コンバイン本体の操作部20の周辺箇所には、前記無線リモコン42から送信される電波による無線信号を受信する受信アンテナ57及び受信器58が備えられるとともに、受信器58が受信した無線信号をその受信周波数に基づいて何れの操作指令に対応した指令用無線信号であるか、或いは、待機用無線信号であるかを判別して、指令用無線信号を受信した場合には、その指令用無線信号に対応する操作指令を制御用信号に変換する信号処理装置59(図5参照)が備えられている。
信号処理装置59は、受信器58が指令用無線信号及び待機用無線信号のいずれをも受信しない非受信状態である場合は、これらの無線信号を受信しない非受信状態であること示す情報を制御装置Hに対して出力するようになっている。これにより、制御装置Hは、受信器58が非受信状態であるか否かを判別できるようになっている。つまり、制御装置Hは、指令用無線信号及び待機用無線信号のいずれをも受信しない状態であることを判別するように構成されている。
そして、制御装置Hに、無線リモコン42から送信される操作指令が信号処理装置59を介して入力される構成となっており、制御装置Hは、コンバイン本体の操作部20からの操作指令に加えて、無線リモコン42からの操作指令に基づいて、昇降用油圧シリンダ15、旋回モータM2、クラッチモータM1、及び、呼出アラーム16の作動を制御する。
つまり、制御装置Hは、上昇指令スイッチ43にて端末上昇指令が指令されると、オーガ9を上昇作動させるべく、昇降用油圧シリンダ15を上昇側に作動させ、下降指令スイッチ44にて端末下降指令が指令されると、オーガ9を下降作動させるべく、昇降用油圧シリンダ15を下降側に作動させ、左旋回指令スイッチ45にて端末左旋回指令が指令されると、オーガ9を左旋回作動させるべく、旋回モータM2を左旋回側に作動させ、右旋回指令スイッチ46にて端末右旋回指令が指令されると、オーガ9を右旋回作動させるべく、旋回モータM2を右旋回側に作動させる。
制御装置Hは、自動スイッチ47にて端末自動旋回昇降指令が指令されると、旋回位置検出センサRy等の検出情報に基づいて、オーガ9が格納位置に位置するかどうかを判別した上で、オーガ9の位置に応じて自動的にオーガ9を格納位置又は目標排出位置に移動させるべく、設定作動パターンとしての設定旋回昇降パターンにて旋回及び昇降作動させる形態でオーガ9の旋回及び昇降作動を制御するように構成され、また、停止スイッチ50にて端末停止指令が指令されると、オーガ9の旋回作動及び昇降作動を停止すべく、オーガ9の旋回及び昇降作動を制御するように構成されている。
つまり、制御装置Hは、自動スイッチ47が押し操作されて端末自動旋回昇降指令が指令されると、オーガ9が格納位置に位置する場合(格納スイッチ31がオンの場合)には、オーガ9を設定旋回昇降パターンにて目標排出位置に移動させるべく、昇降用油圧シリンダ15及び旋回モータM2を作動させ、オーガ9が排出位置に位置する場合(格納スイッチ31がオフの場合)には、オーガ9を格納位置に移動させるべく、昇降用油圧シリンダ15及び旋回モータM2を作動させ、停止スイッチ50が押し操作されて端末停止指令が指令されると、オーガ9の旋回作動及び昇降作動を停止させるべく、昇降用油圧シリンダ15及び旋回モータM2を停止させる。つまり、目標排出位置及び格納位置が本発明の目標旋回昇降位置に相当する。
制御装置Hは、排出スイッチ49にて端末排出開始指令が指令されると、オーガ9を排出作動状態とするべく、オーガ9の排出作動を制御するように構成され、また、停止スイッチ50にて端末停止指令が指令されると、オーガ9の排出作動を停止すべく、オーガ9の排出作動を制御するように構成されている。つまり、制御装置Hは、排出スイッチ49が押し操作されて端末排出開始指令が指令されると、オーガ9を排出作動状態とするべく、クラッチモータM1を正転方向に駆動させ、停止スイッチ50が押し操作されて端末停止指令が指令されると、オーガ9の排出作動を停止させるべく、クラッチモータM1を逆転方向に駆動させる。
このように、制御装置Hは、無線リモコン42の停止スイッチ50が押し操作されて端末停止指令が指令されると、オーガ9の全ての作動を停止させるように構成されている。
オーガ9の設定旋回昇降パターンについて、図8に示すオーガ9の移動空間座標を参照しながら説明する。まず、オーガ9が格納位置に位置する場合(格納スイッチ31がオンの場合)に端末自動旋回昇降指令が指令されたときの設定旋回昇降パターンについて説明する。図8(イ)に示すように、格納位置のオーガ9は座標A1に位置している。端末自動旋回昇降指令が指令されると、オーガ9は、上限スイッチ14の検出情報に基づいて、座標A1から上限位置UE(座標A2の位置)まで上昇作動する。この間、旋回位置は格納用旋回位置HPが維持される。オーガ9が座標A2まで上昇作動すると、左旋回作動又は右旋回作動が開始され、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、排出位置設定ボリューム23の設定値に対応する旋回位置(座標A3の位置)まで旋回作動する。オーガ9が座標A3に位置すると旋回作動が停止し、端末自動旋回昇降指令に基づく目標排出位置への旋回昇降作動は終了する。ちなみに、図8(イ)では、右旋回作動する場合を例示しているが、排出位置設定ボリューム23の設定値によっては、左旋回作動して自動旋回昇降作動が終了する場合もある。なお、座標A3に位置した後は、作業者が無線リモコン42にて端末下降指令を指令する等して、オーガ9の位置を微調整する。
次に、オーガ9が作業用の排出位置に位置する場合(格納スイッチ31がオフの場合)に端末自動旋回昇降指令が指令されたときの設定旋回昇降パターンについて説明する。図8(ロ)に示すように、作業用の排出位置のオーガ9は座標B1に位置している。端末自動旋回昇降指令が指令されると、オーガ9は、上限スイッチ14の検出情報に基づいて、座標B1から上限位置UE(座標B2の位置)まで上昇作動する。この間、旋回位置は、上昇作動開始時のものに維持される。オーガ9が座標B2まで上昇作動すると、左旋回作動又は右旋回作動が開始され、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、格納用旋回位置HP(座標B3の位置)まで旋回作動する。オーガ9が座標B3に位置すると旋回作動が停止し、格納スイッチ31の検出情報に基づいて、座標B3から格納位置(座標B4の位置)まで下降作動する。オーガ9が座標B4に位置すると下降作動が停止し、端末自動旋回昇降指令に基づく格納位置への旋回昇降作動は終了する。ちなみに、図8(ロ)では、左旋回作動する場合を例示しているが、端末自動旋回昇降指令に基づく格納位置への旋回昇降作動を開始したときのオーガ9の位置によっては、オーガ9は、上限位置UEまで上昇作動した後、右旋回作動する場合もある。
また、制御装置Hは、指令操作用無線信号又は待機用無線信号の何れかを受信しているときに、これらの無線信号の何れをも受信しない状態になったときに、端末自動旋回昇降指令に基づいてオーガ9が上記設定旋回昇降パターンによる旋回作動又は昇降作動をしている場合には、オーガ9の旋回作動及び昇降作動を継続させるべく、オーガ9の作動を制御するように構成されている。
さらに、制御装置Hは、指令操作用無線信号又は待機用無線信号の何れかを受信しているときに、これらの無線信号の何れをも受信しない状態になったときに、端末排出開始指令に基づいてオーガ9が排出作動している場合には、その排出作動を継続するべく、オーガ9の排出作動を制御するように構成されている。
制御装置Hは、呼出指令が指令されると、呼出アラーム16を鳴動させるべく、呼出アラーム16の作動を制御するように構成されている。つまり、制御装置Hは、呼出スイッチ48にて呼出指令が指令されると、呼出アラーム16を鳴動させる。
以下、無線リモコン42によるオーガ9の旋回昇降作動及び排出作動についての各操作指令に基づく制御装置Hの制御動作について、図9〜図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、無線リモコン42にてオーガ9の各種の操作指令が指令された場合の制御装置Hの制御動作について説明する。図9に示すように、制御装置Hは、無線式指令手段が出力する操作用無線信号を受信して、その操作用無線信号により指令される操作指令に応じて以下のような制御動作をする。
すなわち、端末上昇指令が指令されている間は、オーガ9を上昇作動させ(ステップ#A1及びステップ#A2)、端末下降指令が指令されている間は、オーガ9を下降作動させ(ステップ#A3及びステップ#A4)、端末左旋回指令が指令されている間は、オーガ9を左旋回作動させ(ステップ#A5及びステップ#A6)、端末右旋回指令が指令されている間は、オーガ9を右旋回作動させる(ステップ#A7及びステップ#A8)。これらの旋回昇降作動は、それに対応する操作指令が途絶えると作動を停止することになる。
端末排出開始指令が指令されると、図10のフローチャートに示す排出開始制御が行われる(ステップ#A9及びステップ#A10)。端末自動旋回昇降指令が指令されると、図11のフローチャートに示す自動旋回昇降制御が行われる(ステップ#A11及びステップ#A12)。端末停止指令が指令されると、オーガ9が端末自動旋回昇降指令に基づいて旋回及び昇降作動している場合は、その旋回昇降作動が停止され、オーガ9が端末排出開始指令に基づいて排出作動している場合は、その排出作動が停止される(ステップ#A13及びステップ#A14)。
次に、上記排出開始制御における制御装置Hの制御動作について図10のフローチャートに基づいて説明する。図9に示すように、制御装置Hは、格納スイッチ31がオンでなければ(ステップ#B1)、オーガ9は格納位置に位置しておらず作業用の排出位置に位置しているとして、既に排出作動状態となっていなければ(ステップ#B2)、排出作動状態に切り換える(ステップ#B3)。なお、ステップ#B2では、排出クラッチの入り状態を検出する図外のクラッチセンサの検出情報に基づいて判別される。
次に、上記自動旋回昇降制御における制御装置Hの制御動作について図11のフローチャートに基づいて説明する。図11に示すように、制御装置Hは、ステップ#C1で格納スイッチ16がオンでなければ、オーガ9は格納位置ではなく所定の作業用の排出位置にあるとして、オーガ9を格納位置に位置させるべく、ステップ#C2〜ステップ#C12の処理を実行し、ステップ#C1で格納スイッチ16がオンであれば、オーガ9が格納位置であるとして、オーガ9を目標排出位置に位置させるべく、ステップ#C13〜ステップ#C19の処理を実行する。
オーガ9を格納位置に位置させる場合は、既に述べたように、制御装置Hは、オーガ9を図8(ロ)の座標B1から座標B4に至る軌跡で示すような設定旋回昇降パターンにて旋回及び昇降作動させる形態でオーガ9の旋回及び昇降作動を制御する。具体的には、次のような処理を実行する。
すなわち、作業用の排出位置にあるオーガ9を旋回位置を維持したまま上昇作動を開始させ(ステップ#C4)、上限スイッチ14がオンするまで上昇作動を継続させ(ステップ#C5)、上限スイッチ14がオンすると上昇作動を停止させる(ステップ#C6)。次に、旋回作動を開始させ(ステップ#C7)、旋回位置が格納用旋回位置HPになるまで旋回作動を継続させ(ステップ#C8)、旋回位置が格納用旋回位置HPになると旋回作動を停止させる(ステップ#C9)。そして、格納用旋回位置HPにあるオーガ9を旋回位置を維持したまま下降作動を開始させ(ステップ#C10)、格納スイッチ31がオンするまで下降作動を継続させ(ステップ#C11)、格納スイッチ31がオンすると下降作動を停止させる(ステップ#C12)。
オーガ9を目標排出位置に位置させる場合は、既に述べたように、制御装置Hは、オーガ9を図8(イ)の座標A1から座標A3に至る軌跡で示すような設定旋回昇降パターンにて旋回及び昇降作動させる形態でオーガ9の旋回及び昇降作動を制御する。具体的には、次のような処理を実行する。
すなわち、Cステップ#13で排出位置設定ボリューム23の設定値を読み込み、その設定値に対応する旋回位置を目標旋回位置に設定する。そして、格納位置にあるオーガ9を旋回位置を格納用旋回位置HPに維持したまま上昇作動を開始させ(ステップ#C14)、上限スイッチ14がオンするまで上昇作動を継続させ(ステップ#C15)、上限スイッチ14がオンすると上昇作動を停止させる(ステップ#C16)。次に、旋回作動を開始させ(ステップ#C17)、旋回位置が目標旋回位置になるまで旋回作動を継続させ(ステップ#C18)、旋回位置検出センサRyの検出情報に基づいて、旋回位置が目標旋回位置になると旋回作動を停止させる(ステップ#C19)。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、制御装置Hが、無線リモコン42にて端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、及び、端末右旋回指令の各操作指令が無線信号にて指令されると、その操作指令が指令されている間オーガ9を上昇作動、下降作動、左旋回作動、及び、右旋回作動させるべく、オーガ9の作動を制御するように構成されたものを例示したが、これに代えて、制御装置Hが、無線リモコン42にて端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、及び、端末右旋回指令の各操作指令が無線信号にて指令されると、操作指令が指令されなくなった後も端末停止指令が指令されるまでオーガ9を上昇作動、下降作動、左旋回作動、及び、右旋回作動させるべく、オーガ9の作動を制御するように構成されたものであってもよい。
この場合、制御装置Hは、指令用無線信号及び待機用無線信号の何れをも受信しない状態であることを判別したとき(本発明の「非送信動作状態情報を受信したとき」に相当)に、端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、及び、端末右旋回指令の各操作指令に基づいてオーガ9を旋回昇降作動させている場合は、その作動を停止させるべく、オーガ9の作動を制御することになる。
説明を加えると、制御装置Hは、図12のフローチャートに示す端末動作状態監視処理を設定周期ごとに実行して、無線リモコン42の電源スイッチ51が切操作されると、上記端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、及び、端末右旋回指令の各操作指令に基づく作動を停止させる。なお、この端末動作状態監視処理は、設定周期(例えば、200[μs])毎に繰り返し実行される。
端末動作状態監視処理では、図12のフローチャートに示すように、ステップ#D1で指令用無線信号又は待機用無線信号のいずれかを受信していると判別された場合は、無線リモコン42(正確には、信号送信器53)が指令受付状態であって指令拒否状態でないとして、特段の処理を行わず端末動作状態監視処理を終了する。ステップ#D1で指令用無線信号及び待機用無線信号のいずれをも受信していないと判別された場合は、ステップ#D2で、オーガ9が、端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、及び、端末右旋回指令の各操作指令に基づいて旋回昇降作動しているか否か判別し、Yesと判別された場合は、ステップ#D3で、その作動が停止される。
このように、この別実施形態では、制御装置Hは、無線リモコン42が指令拒否状態となったときに、端末上昇指令、端末下降指令、端末左旋回指令、及び、端末右旋回指令の各操作指令に基づいてオーガ9が旋回昇降作動している場合は、その作動を停止させ、特定操作指令としての端末自動旋回昇降指令に基づいてオーガ9が旋回昇降作動している場合や、特定操作指令としての端末排出開始指令に基づいてオーガ9が排出作動している場合には、その作動(端末自動旋回昇降指令に基づく旋回昇降作動や端末排出開始指令に基づく排出作動)を継続させるように構成されている。
(2)上記実施形態では、動作状態切換制御手段としての電源制御回路56の詳細は省略しているが、一例としては、信号送信器53とバッテリー55との電気的接続を断続するようにラッチリレーを設け、電源スイッチ51による稼動指令及び停止スイッチ50による端末停止指令をラッチリレーのセット入力とし、電源スイッチ51による休止指令及び3分間の無操作状態がある信号送信器53が出力する制御信号をラッチリレーのリセット入力となるように構成された電気回路が考えられるが、これに限らず、トランジスタやマイコン等を用いて構成してもよく、動作状態切換制御手段の具体的構成は種々変更可能である。
(3)上記実施形態では、旋回昇降駆動手段を電動モータ及び油圧シリンダにて構成し、排出駆動手段を電動モータにて構成したものを例示したが、これに限るものではなく、例えば、電動モータに代えて油圧モータを用いたり、油圧シリンダに代えて電動モータや電動シリンダ等を用いる構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、無線式指令手段が、切換操作手段としての電源スイッチ51にて指令される切換指令に基づいて、出力制御手段としての信号送信機53を指令受付状態と指令拒否状態とに切り換える動作状態切換制御手段としての電源制御回路56を備えて構成されたものを例示したが、これに代えて、無線式指令手段が、例えばホールド機能用のボタン或いはスイッチ等で構成された切換操作手段にて指令される切換指令に基づいて、出力制御手段を指令受付状態と指令拒否状態とに切り換える動作状態切換制御手段をプログラム形式で備えて構成されたものであってもよい。
この場合、動作状態切換制御手段は、切換指令に基づいて操作指令無効化処理を実行して、操作指令が指令されてもその操作指令が出力制御種手段に指令なれないようにすることで出力制御手段を指令拒否状態にし、切換指令に基づいて操作指令無効化処理を実行しないで、操作指令が指令されるとその操作指令が出力制御種手段に指令されるようにすることで出力制御手段を指令受付状態にするように構成すればよい。
(5)上記実施形態では、無線式指令手段の出力制御手段が、指令受付状態においては監視用無線信号を出力し、かつ、指令拒否状態においては監視用無線信号を出力しないことで非送信動作状態情報を出力するように構成されたものを例示したが、これに代えて、無線式指令手段の出力制御手段が、切換指令が指令されると、その切換指令に対応した切替伝達用無線信号を出力することで、非送信動作状態情報を出力するように構成されたものであってもよい。
(6)上記実施形態では、無線式指令手段の動作状態切換制御手段が、出力制御手段が指令拒否状態である場合に作動停止指令が指令されると、出力制御手段を指令受付状態に切り換え、その後、作動停止指令が指令されなくなっても、出力制御手段が指令受付状態を維持するように構成されているものを例示したが、これに代えて、無線式指令手段の動作状態切換制御手段が、出力制御手段が指令拒否状態である場合に作動停止指令が指令されると、出力制御手段を指令受付状態に切り換え、その後、作動停止指令が指令されなくなると、出力制御手段が指令拒否状態に戻るように構成されたものであってもよい。
(7)
上記実施形態では、無線リモコン42の信号送信器53が、操作指令毎に異ならせて対応して設定された特定の単一周波数の信号を発振してその信号を指令用無線信号として一定出力の電波にて送信アンテナ54を介して送信し、操作指令が指令されないときは指令用無線信号の何れの周波数とも異なる特定の単一周波数の信号を発振してその信号を待機用無線信号として一定出力の電波にて送信アンテナ54を介して送信するように構成されたものを例示したが、これに代えて、無線リモコン42の信号送信器53が、マーク(例えば「1」)及びスペース(例えば「0」)の組み合わせにより操作指令毎に異ならせて符号化された指令コードに応じて特定周波数fcのキャリア信号をマーク周波数fm及びスペース周波数fsに変化させる周波数変調による変調信号を発振して、その信号を指令用無線信号として一定出力の電波にて送信アンテナ54を介して送信し、操作指令が指令されないときは変調がかかっていないキャリア信号(マーク周波数fmとスペース周波数fsとの中間であるキャリア周波数fcの信号)を発振してその信号を一定出力の電波にて送信アンテナ54を介して送信するように構成されたものであってもよい。この場合、無線リモコン42の信号送信器53が指令受付状態にある間は、キャリア周波数fcの単一周波数の無線信号、及び、キャリア周波数fcを含むマーク周波数fm〜スペース周波数fsの帯域をもつ無線信号のいずれかが出力されることになる。したがって、このように構成した場合は、キャリア周波数fcの無線信号が監視用無線信号に相当する。
(8)上記実施形態では、複数種の操作指令が単一の被操作部についてのものであるものを例示したが、複数種の操作指令が複数の被操作部についてのものであるものであってもよい。
(9)上記実施形態では、作業機を農作業機の一例であるコンバインで構成したものを例示したが、これに限らず、作業機としては、建設機械や、工作機械等でもよい。