<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。尚、図1はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例1において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。尚、本実施例1では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
又、各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。このバックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。尚、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。尚、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナス遊技中(BB遊技中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例1においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。尚、メダル受皿156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプと呼ぶこともある。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。上部ランプ150の下部には演出ユニット180が備えられており、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置157(詳細後述)を含み、この液晶表示装置157には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。尚、符号170は灰皿であり、符号201Cはスロットマシン100を移動等する際の取手部である。
<制御部>
次に、図2及び図3を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。尚、図2は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
又、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
更に、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324の状態を検出し、各センサ等を監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算/貯留スイッチ324は、精算ボタン132に連動して設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示省略。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
又、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。尚、図3は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
又、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
又、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
更に、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、演出ユニット制御部490からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ、タイトルパネルランプ、受け皿ランプ156、払出口ストロボを制御する。タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボは、メダル払出口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。尚、CPU410は、演出ユニット制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。
<演出ユニット制御部>
次に、図4及び図5を用いて演出ユニット制御部490について説明する。
演出ユニット制御部490は独自のCPU(図示しない)を備えており、後述する演出ユニット180を構成する液晶表示部158の種々の表示内容を制御したり、扉163の動きを制御するほか、本実施例1においては移動体である液晶表示装置157の移動についても制御している(詳細後述)。即ち、演出ユニット制御部490は本発明に係る移動体制御装置としても機能している。但し、液晶表示装置157の移動の制御については、後述するように+(プラス)リミットセンサ220、減速センサ222、−(マイナス)リミットセンサ224(以下、これら+リミットセンサ、減速センサ、−リミットセンサを、単に「センサ」と表現する場合がある。)、制御信号変換回路(以降単に回路Aと表現する)、モータドライバ262及びモータ230を利用することで、移動体の移動の制御(減速制御、停止制御など)をプログラム(ソフトウェア)によらずに機械的に(ハードウェアで)行っており、この点が本発明の特徴的部分となっている。
図4(A)は演出ユニット制御部490のうち、移動体を制御する部分の回路図であり、移動体の駆動源となる単相DCモータ230(以下単にモータという。)と、モータドライバ262と、このモータドライバ262を介して接続される回路Aと、第1のセンサである減速センサ222と、第2のセンサである+リミットセンサ220、同じく第2のセンサである−リミットセンサ224と、演出ユニット制御部490に備わるCPUからの信号CPU1、CPU2の接続状態を示している。尚、図中のENABLE信号は、モータドライバ262の出力信号OUT1、OUT2の許可(1)/禁止(0)を制御するための制御信号である。
図4(A)に示すように、各センサ220、222、224からの信号及び演出ユニット制御部490に備わるCPUからの信号CPU1、CPU2は、回路A及びモータドライバ262を経て、モータ230へと伝達される。
図5は回路Aの内部構成を示す論理回路図である。回路Aは、NOR回路と等価な回路(以下単にNOR回路と表現する)R101と、第1のAND回路R102と、NOT回路R103と、第2のAND回路R104とで構成されており、入力された制御信号を変換して出力する制御信号変換回路である。NOR回路R101の入力側には、減速センサ222からの信号と+リミットセンサ220からの信号とが入力可能とされている。第1のAND回路R102の入力側にはNOR回路R101の出力信号と、CPU2信号が入力可能とされている。NOT回路R103の入力側には−リミットセンサ224からの信号が入力可能とされている。第2のAND回路R104にはNOT回路R103の出力信号と、CPU1信号が入力可能とされている。
図4(B)は、回路Aからモータドライバ262への入力信号と、この入力信号に対してモータドライバ262からモータ230へと出力される信号と、この出力信号に対応したモータ230の駆動状態の関係を示した図である。
図4(B)に示すように回路Aからの入力信号INA1及びINA2のいずれもが0(ローレベル)又は1(ハイレベル)のときはモータ230への信号OUT1及びOUT2はいずれも0(ローレベル)となり、モータ230は駆動停止状態(非駆動)となる。ここでの駆動停止状態は、いわゆる「発電制動(発電ブレーキ)」の状態であり、モータが発電した電流をモータ自身へと逆流させ、逆トルクによる制動が可能な状態のことである。
尚、本実施例1においては適用していないが、水平移動する移動体などを減速制御する場合には、前述の発電制動を用いずにいわゆるフリーモード(モータに電源を供給しないことによって駆動も制動も行わない)状態を利用して減速させてもよい。一方、入力信号INA1が0(ローレベル)で入力信号INA2が1(ハイレベル)の場合には、出力信号OUT1は0(ローレベル)、出力信号OUT2が1(ハイレベル)となり、モータ230の駆動状態はCW(液晶表示装置157を上側の停止位置から下側の停止位置へと降下させる駆動状態(図8参照))となる。更に、入力信号INA1が1(ハイレベル)で入力信号INA2が0(ローレベル)のときは、出力信号OUT1が1(ハイレベル)、出力信号OUT2が0(ローレベル)となり、モータ230の駆動状態はCCW(液晶表示装置157を下側の停止位置から上側の停止位置へと上昇させる駆動状態(図8参照))となる。尚、この例ではモータドライバ262のENABLE信号には1(ハイレベル)が入力されており、モータ230の駆動及び発電制動が常に可能な状態となっている。
<演出ユニット>
続いて、図6乃至図8を用いて演出ユニット180について説明する。但し、前述したとおり、各センサ220、222、224、及びモータ230については演出ユニット制御部490を構成する部品である。
演出ユニット180は底面板242、上面板240(一部図示略)、左側面板236、右側面板(図示略)、背面板238とで構成される略長方体の枠内に配設されている。演出ユニット180の最も手前(遊技者から見て手前)側には2枚の扉163が配置され、図示せぬモータ等により水平方向に開閉可能とされている。尚、本実施例1では扉163は2枚で構成されているが、これに限らず1枚又は3枚以上であってもよい。
又、遊技者から見て、扉163の奥側には、2枚の扉163と略同程度の大きさの液晶表示部158を備えた液晶表示装置157が備わっている。本実施例1においては、この液晶表示装置157が移動体として機能している。液晶表示部158は演出ユニット制御部490からの命令を受け、種々の図柄や文字情報を表示可能とされている。液晶表示装置157の上部両側面には止め具232が設けられており、液晶表示装置157は止め具232を介して左側面板236及び右側面板(図示略)に、軸心O1を中心として移動自在に保持されている。
又、左側面板236側に備わる止め具232には、モータ230が一体的に連結されており、モータ230の駆動によって液晶表示装置157を軸心O1を中心に回転可能なように構成されている。尚、モータ230の駆動に伴う液晶表示装置157の動きについては後に詳述する。
又、液晶表示装置157が下側の停止位置(図6に図示するように扉163と略平行な位置に在る状態)に停止している場合において、液晶表示装置157の右側面板側の下方における底面板242上には、遊技者からみて奥方に、減速センサ222が、又、扉163側に+リミットセンサ220がそれぞれ設けられている。これらのセンサ220、222はともに凹字状に形成された透過型の光学センサである。これらの両センサ220、222の一方の柱部220A、222Aには図示せぬ投光部が設けられ、他方の柱部220B(減速センサ222の他方の柱部は被検知部226に隠れて図面上現れていない)には受光部が設けられている。尚、本実施例1ではセンサとして透過型の光学センサを使用しているがこれに限られるものではなく、例えば、反射型の光学センサを用いてもよく、又、超音波センサや磁気センサなどであってもよい。又、光学センサの投光部と受光部は反対に設けられていてもよい。更に凹字状の形状に限定されるものではない。
又、液晶表示装置157の右側面板側下部には、液晶表示装置157が軸心O1を中心に移動した場合において、これらの+リミットセンサ220及び減速センサ222の2本の柱部の間を非接触のままで通過可能な位置にセンサの被検知部226が設けられている。この被検知部226は櫛歯形状の板状体からなり、4箇所の遮光部226A〜226Dと3箇所の透過部226E〜226Gが形成されている。この遮光部226A〜226Dと透過部226E〜226Gがセンサ220、222を通過することによって各センサ220、222の投光部からの光が遮光又は透過され、各センサ220、222の出力信号が複数回ON/OFFするような構成とされている。尚、この遮光部と透過部の数や形は必要に応じて適宜変更することが可能である。又、光センサ以外のセンサを用いる場合には、センサの出力信号を複数回ON/OFFできる構成の被検知部であればよい。
本実施例1においては、各センサ220、222の2本の柱部の間に遮光部226A〜226Dが位置するときに、投光部からの光が遮光され、各センサ220、222の出力信号がON(1、ハイレベル)となるように設定されている。一方、透過部226E〜226Gが位置しているとき、即ち、投光部からの光を遮光しないときには投光部からの光を受光部が受光し、各センサ220、222の出力信号がOFF(0、ローレベル)となるように設定されている。勿論、ONとOFFの状態を逆に設定してもよい。
本実施例1においては、液晶表示装置157が下側の停止位置に停止している状態で、被検知部226に設けられた複数の遮光部のうち最も扉163側の遮光部226Dが+リミットセンサ220の出力信号をON(1、ハイレベル)としている。又同時に、最も反扉163側の遮光部226Aが減速センサ222の出力信号をON(1、ハイレベル)としている。
又、遊技者からみて、演出ユニット180の奥方向には種々の模型244が配置され、更に、模型244の上方の上面板240には照明装置246が設けられ、LEDなどにより模型244に対して光を照射し演出可能とされている。
尚、これらの模型244は図6に示すように液晶表示装置157が下側の停止位置(扉163と略平行な位置)に停止しているとき、又は、扉163が完全に閉じている時は遊技者からは見ることができない。
図7は液晶表示装置157がモータ230の駆動によって上側の停止位置(上面板240と略平行な位置)に停止している状態の斜視図である。この状態において被検知部226の最も上面板240側に位置する遮光部226Aに対応する位置に、−リミットセンサ224が設けられている(具体的には一部図示を省略した部分の上面板240に設置されている。)。この状態で、遮光部226Aが−リミットセンサ224の投光部からの光を遮光することで、−リミットセンサ224の出力信号をON(1、ハイレベル)としている。
尚、この状態で扉163が開いていれば遊技者は模型244を見ることができる。
図8は演出ユニット180を右側面から見た図である。同図(A)は液晶表示装置157がモータ230の駆動により、上側の停止位置と下側の停止位置の間を移動する様子を示した図である。本実施例1においては、移動角度は略90度として構成されているが、これに限られるものではない。同図(B)は液晶表示部158に表示されることのある図柄例としてUFOの図を記載したものである。同図(C)は液晶表示装置157が上側の位置に在る場合に、遊技者が見ることのできる模型244を示している。
又、符号234は液晶表示装置157を保護するためのクッション付のストッパである。
<図柄配列>
次に、図9を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。尚、図9は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
図に示されるように、各リール110〜112には、複数種類の図柄が所定コマ数(本実施例1では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。又、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施例1では、左リール110の番号4のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号1のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号7のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図10を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。
遊技状態毎に以下に説明する入賞役が採用されている。尚、各遊技状態における入賞役の種類は、本実施例1で示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。又、本実施例1における入賞役の内、ビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する図柄として、又、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる図柄として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本発明に係る「入賞役」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスが含まれ、本発明に係る「入賞」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスへの入賞が含まれる。
<通常遊技>
図10(A)は、通常遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、内部当選確率(メダル3枚投入時)とを示した図である。
尚、内部当選確率は、設定1〜設定6まで存在し(図10には内部当選確率の一例を示している)、遊技店の係員等はいずれかを任意に選択し、設定することができる。
通常遊技の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(小役1、小役2、小役3)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。本実施例1では、入賞時に所定数(ここでは15枚)のメダルの払い出しを行う。対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「青7−青7−青7」と「赤7−赤7−赤7」である。又、本実施例1ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。本実施例1では、入賞時に所定数(ここでは15枚)のメダルの払い出しも行う。対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「BAR−BAR−BAR」である。尚、本実施例1ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行わない。尚、対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
「小役(小役1、小役2、小役3)」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、本実施例1の場合、小役1は「スイカ−スイカ−スイカ」、小役2は「ベル−ベル−ベル」、小役3は「チェリー−ANY−ANY」である。対応する払出枚数は、同図に示す通りである。尚、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
<BB一般遊技>
図10(B)は、BB一般遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、内部当選確率(メダル3枚投入時)とを示した図である。尚、小役については、そのメダル払出枚数や内部当選確率を通常遊技とは異なるものとしてもよい。
本実施例1における特別遊技の入賞役には、シフトレギュラーボーナス(SRB)と、小役(小役1、小役2、小役3)がある。
「シフトレギュラーボーナス(SRB)」は、入賞により特殊遊技であるシフトレギュラーボーナス遊技(SRB遊技)が開始される入賞役(作動役)である。入賞時には所定数(例えば1枚)のメダルの払い出しも行う。尚、対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。又、前述したRBと比べるとSRBの方が内部当選確率が極めて高い。つまり、BB遊技ではこのSRBに入賞し易くすることで遊技者がより大きな利益(メダル)を得られることになる。尚、SRBについてはBBと同様にフラグ持越しを行うものとしても良い。
「小役(小役1、小役2、小役3)」は、通常遊技と同じであり、本実施例1の場合、小役1は「スイカ−スイカ−スイカ」、小役2は「ベル−ベル−ベル」、小役3は「チェリー−ANY−ANY」である。
<RB(SRB)遊技>
図10(C)は、RB(SRB)遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、内部当選確率(メダル1枚投入時)とを示した図である。RB(SRB)遊技における入賞役は「役物」のみであり、RB(SRB)遊技中の各遊技を役物遊技という。役物はRB(SRB)遊技中にのみ入賞する入賞役であって、本実施例1では、入賞時には所定数(ここでは15枚)のメダルの払い出しを行う。尚、対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「リプレイ―リプレイ―リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB(SRB)遊技と、に大別される。
BB遊技の内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、BB一般遊技中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRB遊技が開始される。尚、BB遊技は、本実施例1では予め定めたメダル数を獲得した場合(例えば、入賞により獲得したメダル数が465枚に達した場合)に終了する。又、その他の条件を加えてBB遊技の終了条件としてもよく、例えば、SRB遊技を予め定めた遊技回数行った場合(例えば、SRB遊技が3回終了した場合)にBB遊技が終了するようにしてもよい。この場合、SRB遊技が終了するとBB一般遊技に戻るか、或いは、BB遊技が終了する(BB一般遊技の30回目にSRBに入賞してSRBが開始された場合)こととなる。
RB(SRB)遊技の内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、予め定めた回数(本実施例1では12回)の遊技を行うか、あるいは、役物が予め定めた回数(本実施例1では8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することを終了条件とする遊技である。
<主制御部メイン処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。尚、図11は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のメインCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、メインCPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、各種の初期化処理が実行され、その後、主制御部メイン処理のステップS101では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。尚、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。又、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS103では、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS104では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。
ステップS106では、ステップS105における入賞役の内部抽選の結果に基づいて、入賞役に対応したリール停止制御テーブルを選択する。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。この際、ステップS105の内部抽選結果等に基づき、停止位置データ選択テーブルを参照し、いずれか一つのリール停止制御テーブルを選択する。
ステップS108では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS106で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
ステップS109では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
又、ステップS109では、副制御部400に対して入賞判定コマンドを送信する。副制御部400は、この入賞判定コマンドを受信することによって遊技の終了を把握する。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やSRB入賞の場合に次回からBB遊技又はSRB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
以上により1遊技が終了し、以降、主制御部メイン処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部の割り込み処理及びメイン処理>
次に、図12を用いて、副制御部400の割り込み処理及びメイン処理について説明する。尚、図12(A)は副制御部400の割り込み処理の流れを示すフローチャートであり、図12(B)は副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図12(A)を用いて、副制御部400のCPU410の割り込み処理について説明する。この割り込み処理は、コマンドの受信に関する処理で、所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS201では、主制御部300からのコマンド(主制御コマンド)を受信したか否か判断し、主制御コマンドを受信した場合は、ステップS202に進む。
ステップS202では、受信した主制御コマンドをRAM413のバッファに格納して、処理を終了する。
次に、図12(B)を用いて、副制御部400のCPU410のメイン処理について説明する。
ステップS301では、主制御コマンドがバッファに格納されているか否かを判断し、主制御コマンドがバッファに格納されていれば、ステップS302に進み、そうでなければ、再びステップS301に戻り再度コマンド有無の判定を繰り返す。
ステップS302では、バッファに格納されている主制御コマンドを判定する。ステップS303では演出データを取得する。
ステップS304では、取得した演出データにデバイスドライバへの出力を要するデータがあるか否かを判断し、ある場合にはステップS305に進み、無い場合にはステップS306へと進む。
ステップS305では、副制御部400の各デバイスドライバ(例えば、音源IC480)に対して制御データを出力し、ステップS306へと進む。
ステップS306では、演出ユニット制御部490へのコマンド送信があるか否かを判定し、ある場合はステップS307へ進み、無い場合にはステップS301へと戻りコマンドの有無の判定から再度繰り返す。
ステップS307では、演出ユニット制御部490へコマンドを送信して、処理を終了する。
<移動体の制御>
次に図13及び14を用いてセンサを利用した移動体の制御について説明する。
図13は、液晶表示装置157が下側の停止位置に停止している状態(図13では左側)から上昇命令を受けて上側の停止位置へと移動する(図13右側)際の回路Aへの入力信号と、回路Aからの出力信号等の関係を示したタイミングチャートである。又、図14は、液晶表示装置157が上側の停止位置から下側の停止位置へと移動する際の回路Aへの入力信号と、回路Aからの出力信号等の関係を示したタイミングチャートである。
尚、本実施例1においてはCPU1信号がハイレベルとなると、液晶表示装置157を下側の停止位置から上側の停止位置へと移動させる。一方、CPU2信号がハイレベルとなると、反対に液晶表示装置157を上側の停止位置から下側の停止位置へと移動させる。
図13に示されているように、液晶表示装置157が下側の停止位置で停止している状態では、回路Aへの入力信号は、+リミットセンサ220及び減速センサ222の2つの信号がハイレベルとなっている他はローレベルとなっている。この状態では、図5に示す論理回路から構成される回路Aから出力される信号INA1、INA2は共にローレベルとなるため、モータ230は駆動停止状態(非駆動)となる。
しかし演出ユニット制御部490に備わるCPUからの信号(液晶表示装置157の上昇命令)であるCPU1信号がハイレベルとなると、回路Aの出力信号INA1がハイレベルとなり、モータ230は液晶表示装置157を上側へと上昇させはじめる。この移動に伴い、+リミットセンサ220の位置に在った遮光部226D及び減速センサ222位置に在った遮光部226Aが両センサ220、222を離れることで、両センサ220、222の信号に変化が生じる(ローレベルとなる)。しかし、CPU2信号がローレベルにある限り信号INA2に変化はなく、モータ230の駆動状態は変わらずに液晶表示装置157を上側へと駆動し続ける。これは順次遮光部226B〜226Dが減速センサ222を通過する(減速センサ222の信号をハイレベルにする)時も同様である。
更に進んで、液晶表示装置157が駆動されて上側の停止位置まで来ると、被検知部226の遮光部226Aが−リミットセンサ224を通過しようとする。それに伴い−リミットセンサ224の信号がハイレベルとなる。これにより、回路AにおけるNOT回路R103の出力信号がローレベルとなり、更に第2のAND回路R104の出力信号もローレベルとなることから回路Aからモータドライバ262への入力信号INA1、INA2ともにローレベルとなる。その結果、モータ230は駆動停止状態(非駆動)となり、液晶表示装置157が上側の停止位置に停止する。尚、液晶表示装置157が上側まで移動した場合、演出ユニット制御部490に備わるCPUがその状態を検知してCPU1信号をローレベルとする。又、本実施例1では液晶表示装置157が上側へと移動して停止する際には減速制御が働いていないが、この場合は液晶表示装置157自身の自重により自然とブレーキがかかるため、減速させなくとも特に問題は生じない。もちろん後述するような減速制御を行ってもよい。
次に、図14を用いて液晶表示装置157が上側の停止位置に停止している状態から下側へと移動する様子を説明する。液晶表示装置157が上側の停止位置に停止しているときは、−リミットセンサ224の信号のみがハイレベルとなっている他はすべてローレベルの状態にある。この状態では前述したように回路Aからモータドライバ262への入力信号(回路Aの出力信号)INA1、INA2はともにローレベルであるため、モータ230は駆動停止状態にある。
続いて、演出ユニット制御部490に備わるCPUからの信号(液晶表示装置157の下降命令)に基づいて、CPU2信号がハイレベルとなると、第1のAND回路R102の出力信号がハイレベルとなり(NOR回路R101は既にこの状態でハイレベル信号を出力している)、モータ230は液晶表示装置157を下側へと下降させはじめる。このとき、−リミットセンサ224の位置に在った遮光部226Aが−リミットセンサ224から離れることになるが、回路Aからモータドライバ262への入力信号INA1の状態に変化は無く、モータ230は液晶表示装置157を下側へと駆動し続ける。
モータ230が駆動し続けることで、液晶表示装置157が徐々に下側の停止位置へと近づいてくるが、液晶表示装置157に備わる被検知部226の遮光部226Dが最初に減速センサ222を通過することで減速センサ222の信号がハイレベルとなる。そうすると、減速センサ222の出力信号が接続された回路AのNOR回路R101の出力信号がローレベルとなり、それに伴い第1のAND回路R102の出力信号もローレベルとなる。即ち、回路Aからモータドライバ262への入力信号INA1、INA2のいずれの信号もローレベルとなって、モータ230は駆動停止状態(非駆動)となる(図4(B)参照)。しかしながら、この時点での液晶表示装置157の移動速度は自身の重みによる重力加速度の影響もあって相当程度に速くなっており、液晶表示装置157は、モータ230の駆動が停止しても(発電制動されても)慣性力によって直ぐには停止せずに動き続けようとする。そのため被検知部226の遮光部226Dが完全に減速センサ222を通過してしまい、続く透過部226Gが減速センサ222を通過するため、減速センサ222の信号が再びローレベルとなり、モータ230が駆動される。しかし、更に直後に続く遮光部226Cが減速センサ222を通過することで減速センサ222の信号がハイレベルとなり、再度モータ230が駆動停止状態(非駆動)となる。このように、被検知部226に形成された複数の遮光部(226A〜226D)及び透過部(226E〜226G)が交互に減速センサ222を通過することで、液晶表示装置157を駆動しているモータ230の駆動と非駆動とが切り替わることとなる。
一般的なモータがそうであるように、本実施例1におけるモータ230はモータ内部に備えられた永久磁石と、モータに供給される電力により磁化されるコイル体とが作用しあうことで駆動力を得ているが、発電制動状態(非駆動状態、駆動停止状態)では発電機として作用するモータの発電電流によって、モータの回転とは逆方向へのトルクが発生することにより、モータ(の軸)を回転させないとする力が働く。換言すると、この状態ではモータの発電制動により「モータにブレーキがかかったような状態」が生じる。その結果、移動体の移動にもブレーキ(減速)がかかる。このようにモータの駆動と非駆動とを切り替えて、結果的に断続的なブレーキをかけることで、液晶表示装置157の停止位置前から液晶表示装置157の移動速度を減速させ、停止位置において滑らかに停止させることが可能となっている。特に本実施例1のように、移動体自身の自重(重力)がかかる方向へと移動して停止するような移動がある場合には、モータの駆動力に加えて重力加速度が付加されることにより、停止位置付近での移動速度が速くなってしまう傾向がある。このようなときに本発明を適用すれば、予め移動体を減速させることで、衝撃音を発生させることなく滑らかに停止でき、又、移動体の耐久性を向上させることもできる。特に液晶表示装置のような高価且つ自重の大きな移動体に適用すればその効果は大である。勿論、自重のかかる方向に移動しない移動体(例えば水平方向に移動する扉など)に適用することも可能であり、この場合には、前述の発電制動ではなく、いわゆるフリーモードを利用しても十分な減速効果を得ることができる。
最終的には、被検知部226の遮光部226Dが+リミットセンサ220に検知されることで、モータ230は駆動停止状態(非駆動)となり、液晶表示装置157が下側の停止位置に停止する。この状態を演出ユニット制御部490に備わるCPUが検知し、CPU2信号をローレベルとする。
尚、本実施例1においては、第1のセンサである減速センサ222を(透過型の)光センサとし、被検知部226に複数の遮光部を形成することによって、制御プログラムによらずに簡易な構成で減速センサ222の出力信号を複数回ON/OFFさせることができる。
又、本実施例1においては、被検知部226を、液晶表示装置157が停止する手前の位置から減速センサ222の出力信号を複数回ON/OFFさせることが可能な位置に配設している。これにより、液晶表示装置157が停止位置に近づくにつれて、移動速度を減速させることができる。
又、本実施例1においては、移動体である液晶表示装置157の停止位置を検知する第2のセンサとして、+リミットセンサ220及び−リミットセンサ224を設け、このセンサ220、224の信号に基づいてモータ230を駆動停止状態(非駆動)としている。これによって、液晶表示装置157が停止位置を越えて移動することを防止できる。
又、本実施例1においては、第1のセンサである減速センサ222を、第2のセンサである+リミットセンサ220の位置(液晶表示装置157が自重のかかる方向へ移動した際の停止位置)の近傍に配設することにより、重力による加速度のついた液晶表示装置157を効果的に減速し停止させることができる。
尚、前記駆動源をモータとし、前記非駆動を前記モータの発電制動状態をとしてもよい。これにより安定して効率的な制動が可能となる。
尚、前記駆動源を単相DCモータ230としてもよい。これによりモータの制御を簡易に行うことできる。
尚、本発明に係る遊技台は、上記実施例1に係るスロットマシン100の構成に限定されるものではなく、例えば、図15に示すように、被検知部227を移動方向に長めに配設し、減速距離を長く設けることにより、より滑らかな減速を実現するようにしてもよい。特に、自重の大きな移動体の場合にはこのようにすることが効果的である。
又、図16に示すように、−リミットセンサ224側にも減速センサ228を更に備えて、液晶表示装置157が上側へと移動して停止する際に減速させてから停止するようにしてもよい。
このように本発明を適用すれば、予め複雑なプログラムを用意することなく、センサを利用した単純な機構を利用することで確実な減速制御を実現することが可能となる。又、記憶装置に記憶させる必要のあるデータ量を従来よりも削減することができる。
更に、上記実施例1においては、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシン(いわゆるパチロット)等にも適用可能である。