[第1実施形態]
図1から図10には、本開示の第1実施形態に係るパチンコ遊技機10(以下、「遊技機10」という)が示されている。図1に示すように、遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、図2に示す遊技板11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
図1に示すように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、操作ハンドル28が備えられている。そして、操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1(図2参照)に向けて弾き出される。
図2に示すように、遊技領域R1は遊技板11の前面から突出したガイドレール12に包囲されている。遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されており、その表示開口11Hに遊技板11の裏面側から表示装置13の表示画面13Gが対向している。遊技板11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面から突出していて、遊技領域R1を流下する遊技球を表示装飾枠23の内側に進入させないように構成されている。
表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄の当否判定が行われる。
表示装飾枠23の下方中央には、第1の始動入賞口14Aと第2の始動入賞口14Bとが上下2段に並べて配置され、その右方に大入賞口15が設けられている。始動入賞口14A,14Bの左方や大入賞口15の右方には、一般入賞口20が複数配されている。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。この一般入賞口20に遊技球が入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき10個の賞球が上皿26に払い出される。
第1の始動入賞口14Aは、ポケット構造をなして遊技球が1つずつ入球可能な大きさで上方に開口している。第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさで前方に開口し、回動扉14Tによって開閉される。回動扉14Tは、通常は、閉状態となっていて、上述した普通図柄の当否判定が当りになると、開状態となる。第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき4個の賞球が上皿26に払い出されると共に、特別図柄の当否判定が行われる。そして、特別図柄の当否判定が当りになると、通常の遊技状態から大当り遊技状態へ移行し、大当り遊技が実行される。
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、遊技状態が大当り遊技状態となって大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が上皿26に払い出される。なお、各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技級は、遊技領域R1の下端部に配されたアウト口16から排出される。
図3には、遊技機10の電気的な構成が示されている。同図において、符号50は、主制御回路50であって、CPU50A、RAM50B、ROM50C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を結ぶ入出力回路と、大入賞装置等が接続された中継回路及び払出制御回路等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM50Cには、制御データ、特別図柄及び普通図柄の変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当否判定及び普通図柄当否判定の判定値等が書き込まれている。
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータと主制御回路50、表示装置13に設けられた表示制御回路54、次述する可動役物装置31等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54、可動役物装置31等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、各種演出のデータ等が記憶されている。
さて、本実施形態の遊技機10では、上述した特別図柄の当否判定で当りとなると、表示画面13Gで表示演出が行われるとともに、可動演出部材30(図4参照)による役物演出が行われる。図4に示すように、遊技板11の裏側には、可動演出部材30を含む可動役物装置31が配されている。可動役物装置31は、遊技板11に固定された固定ベース33,33と、固定ベース33に対して移動可能に支持された可動ベース38と、を有し、可動演出部材30は、可動ベース38に移動可能に支持されている。
固定ベース33,33は、表示画面13Gを左右方向に挟むようにして、遊技板11の後面に取り付けられた図示しない機構枠の左右の辺部にそれぞれ固定され、遊技板11及び表示装飾枠23(図2参照)の後側に隠れるように配置されている。各固定ベース33,33には、上下方向に延びた1対のボール螺子32,32が1本ずつ固定されている。ボール螺子32,32の上方には、ボール螺子32,32をそれぞれ回転駆動する1対の昇降用モータ34,34が備えられている。1対の昇降用モータ34,34は、例えばステッピングモータであり、サブ制御回路52(図3参照)によってステップ数で制御され、同期して回転する。また、ボール螺子32,32の上下の両端には、側方に張り出した上方ストッパ32A、下方ストッパ32Bがそれぞれ設けられている。
1対のボール螺子32,32の間には、横長の長方形板状の可動ベース38が差し渡されている。可動ベース38は、1対のボール螺子32,32の間の距離よりも長く、裏面に設けられたボールナット38N,38N(図5参照)によってボール螺子32,32と螺合していて、ボール螺子32,32の回転に合わせて上下動する。ボールナット38N,38Nは、ボール螺子32,32の上方及び下方のストッパ32A,32Bと当接可能となっていて、これにより、可動ベース38の可動範囲が定められる。
図4に示すように、可動ベース38には、左右方向に延びた長孔38Bが形成されている。この長孔38Bは、表示開口11Hの横幅と略同じ長さとなっている。図5に示すように、可動ベース38の裏面には、左右方向に延びたボール螺子38Aが取り付けられている。ボール螺子38Aは、長孔38Bより僅かに短くなっていて、ボール螺子38Aの両端は、長孔38Bの両端よりも内側に位置している。また、可動ベース38の裏面のうちボール螺子38Aの右端部(図4における左端部)には、ボール螺子38Aを回転駆動する左右移動用モータ40が配されている。左右移動用モータ40については、後に詳細を説明する。
可動ベース38には、可動演出部材30が左右方向に移動可能に固定されている。図6に示すように、可動演出部材30は、長孔38Bに挿通される挿通部30Sと、挿通部30Sの前端部に配されたUFOを模した形状をなす装飾部30Aと、挿通部30Sの後端部に配されてボール螺子38Aと螺合するボールナット30Nと、を有し、ボール螺子38Aの回転に合わせて左右方向に移動する。
図5に示すように、ボール螺子38Aの両端部には、可動演出部材30のボールナット30Nと当接可能で、可動演出部材30の可動範囲を規制するメカストッパ39A,39Bがそれぞれ設けられている。以降、適宜、2つのメカストッパ39A,39Bのうち図5における左側(図4における右側)を第1メカストッパ39Aといい、図5における右側(図4における左側)を、第2メカストッパ39Bという。なお、長孔38Bは、ボール螺子38Aよりも短くなっているため、ボールナット30Nが第1及び第2のメカストッパ39A,39Bと当接すると、挿通部30Sは長孔38Bの端部に当接しないようになっている。
また、図5に示すように、可動ベース38の裏面には、可動演出部材30の可動範囲のうち第1メカストッパ39A寄りの第1位置に配された第1センサ41Aと、第2メカストッパ39B寄りの第2位置に配された第2センサ41Bと、が備えられている。これら第1及び第2のセンサ41A,42Bは、可動演出部材30のボールナット30Nを検出することで、可動演出部材30が第1位置及び第2位置に配されたことを検出する。なお、第1及び第2のセンサ41A,42Bは、例えば、発光素子と受光素子とからなる光センサである。
上記構成により、可動演出部材30は、上下方向及び左右方向に移動可能となる。図4に示すように、可動演出部材30は、常には表示開口11Hの下方右側(以下、適宜「待機位置」という)に配され、視認不可能となっている。そして、特別図柄の当否判定で当りとなり、役物演出が始まると、可動演出部材30は、左上方へ移動して表示開口11Hから視認可能となり、そのまま同図に示す表示開口11H内の左上隅の位置Aに移動する。その後、可動演出部材30が、位置Aの右下の位置B、位置Bの右下の位置Cと順に移動したのち、可動演出部材30が待機位置に戻り、役物演出が終了する。このように、本実施形態では、役物演出が、UFOが不規則な動きをしているような演出内容となっていて、この動きを実現するために、可動ベース38が固定ベース33に対して目標位置を変えながら移動すると共に、可動演出部材30が、可動ベース38に対して目標位置を変えながら移動する。
以下、可動演出部材30の可動ベース38に対する動き(つまり、左右方向の動き)について、左右移動用モータ40の構成と併せて詳説する。ここで、待機位置での左右方向の位置(つまり、可動ベース38に対する可動演出部材30の位置)を適宜「原点位置」という。図5(A)に示すように、原点位置は、可動演出部材30が第1センサ41Aに検出される位置となっている。また、図4に示すように、位置Aと位置Cとは、左右方向の位置が同じになっていて、その位置は、役物演出において可動演出部材30が移動する範囲の中で最も第2メカストッパ39B(図5参照)に近い位置(以下、適宜「端部目標位置」という)となっている。図5(B)に示すように、この端部目標位置は、可動演出部材30が第2センサ41Bに検出される位置(以下、適宜「検知位置」という)より僅かに手前の位置となっている。これにより、役物演出において、原点位置から出発した可動演出部材30は、第2センサ41Bに検知されない範囲で移動するようになっている。
本実施形態の遊技機10では、左右移動用モータ40としてDCモータが用いられている。この左右移動用モータ40は、サブ制御回路52(図3参照)から出力される電流により回転制御される。図7に示すように、サブ制御回路52は、指令制御部55と、PWM出力部56と、を有している。また、左右移動用モータ40には、エンコーダ40Aが取り付けられている。エンコーダ40Aは、左右移動用モータ40の1回転を例えば400ステップに分割して、左右移動用モータ40の回転位置を可動演出部材30の位置の代用値として検出する。本実施形態では、原点位置を0stepとすると、端部目標位置は4000stepとなっていて、位置Bにおける左右方向の位置(以下、適宜「中間目標位置」という)は2000stepとなっている。また、端部目標位置と検知位置との間は100step離れていて、原点位置と第1メカストッパ39Aとの間、及び、検知位置と第2メカストッパ39Bとの間はそれぞれ600step離れている。
指令制御部55は、役物演出の演出内容に基づいて、可動演出部材30の目標位置としての位置指令値を設定する。そして、その位置指令値と、エンコーダ40Aにより検出された可動演出部材30の現在位置とのずれ量から速度指令値を設定する。具体的には、ずれ量が大きい場合、左右移動用モータ40が、予め設定された目標速度(例えば、1000pps)まで加速してからその目標速度で定速回転するように、速度指令値を設定する。ずれ量が予め定められた値(例えば、500step)以下になると、左右移動用モータ40が徐々に減速して可動演出部材30が端部目標位置で停止するように、速度指令値を設定する。
そして、指令制御部55は、左右移動用モータ40の速度が設定された速度指令値になるように、速度指令値と、エンコーダ40Aの検出結果から算出される速度と、から電流指令値を設定し、PWM出力部56に出力する。PWM出力部56はその電流指令値に従って、パルス列のオンとオフの一定周期を作り、オンの時間幅(デューティ比)を周期的に変化させるPWM(Pulse Width Modulation)方式で回転速度を制御するように、左右移動用モータ40に電流を供給する。
上述した左右移動用モータ40の速度の変化について、図8に基づいて、可動演出部材30が原点位置(0step)から端部目標位置(4000step)に移動する場合を例にして説明する。まず、原点位置(0step)から左右移動用モータ40の回転が開始すると、速度が1000ppsになるまで加速する。1秒後に速度が1000ppsになると、1000ppsのまま3500step(即ち、端部目標位置より500step手前の位置)に到達するまで定速回転する。そして、3500stepに到達すると、1000ppsから徐々に減速して、4000stepに到達したところで速度が0ppsとなり、左右移動用モータ40が停止する。
図9に示すように、端部目標位置(4000step)から中間目標位置(2000step)へ2000step移動するとき等も同様に、左右移動用モータ40は、加速、定速移動、減速を行うが、移動距離に合わせて定速回転する時間が短くなる。なお、移動距離が1000step以下のときは、左右移動用モータ40は、1000ppsになる前に減速を開始する。つまり、左右移動用モータ40は、速度変化線図が略台形又は略三角形状になるように制御されている。なお、これらの速度変化線図は理想図であり、摩擦等により多少変動する。
ところで、上述したように、役物演出において、原点位置から出発した可動演出部材30は、第2センサ41Bを超えないように駆動されるが、左右移動用モータ40の不具合や振動等により、可動演出部材30が第2センサ41Bを超えて、第2メカストッパ39B側へ移動してしまうという事態が起こり得る。本実施形態の遊技機10では、そのような場合に可動演出部材30が第2メカストッパ39Bに衝突することを回避するため、サブ制御回路52が図10に示したモータ異常検知処理(S10)を行う。
モータ異常検知処理(S10)は、サブ制御回路52が所定時間(例えば、10ミリ秒)ごとに実行する処理の中で行われる。モータ異常検知処理(S10)では、まず、第2センサ41Bが可動演出部材30を検知したか否かが判断される(S11)。第2センサが可動演出部材30を検知していない場合(S11でNo)、そのままこの処理(S10)を抜ける。第2センサが可動演出部材30を検知した場合(S11でYes)、モータ停止処理(S12)を行う。モータ停止処理(S12)では、DCモータである左右移動用モータ40への通電を停止し、可動演出部材30を停止させると共に、ステッピングモータである昇降用モータ34の回転を停止して強励磁状態にし、可動ベース38を停止させる。その後、再び左右移動用モータ40を駆動して可動演出部材30を原点位置に移動させる原点復帰処理(S13)を行い、モータ異常検知処理(S10)を抜ける。このように、遊技機10では、可動演出部材30が第2センサ41Bに検知されると、可動演出部材30が停止して原点位置に戻り、役物演出が強制終了する。また、検知位置と第2メカストッパ39Bとの間の距離は、左右移動用モータ40を1000ppsで回転しているときに停止させたときに可動演出部材30が惰性で進む距離よりも長くなっている。
なお、原点復帰処理(S13)では、第1センサ41Aが検知されたことを契機として左右移動用モータ40の制御を停止する。また、原点復帰処理(S13)後や役物演出中以外は、左右移動用モータ40に対する制御を行わなくてもよいし、第1センサ41Aが可動演出部材30を検知している状態(つまり、可動演出部材30が原点位置に配されている状態)が維持されるように左右移動用モータ40を制御してもよい。また、原点復帰処理(S13)後は、役物演出のみを終了し、遊技は続行させる構成であってもよいし、遊技を中断して異常を報知する構成としてもよい。
本実施形態の遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、この遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、特別図柄の当否判定で当りとなると、表示画面13Gで表示演出が行われるとともに、可動演出部材30が待機位置から動き出す役物演出が行われ、遊技が盛り上げられる。
ここで、従来の遊技機では、可動演出部材の駆動源として、ステッピングモータを用いることが一般的であった。しかしながら、ステッピングモータは、エネルギー効率が低く、発熱しやすいという問題があった。これに対して、本実施形態では、左右移動用モータ40にDCモータが用いられているので、ステッピングモータを用いていた従来の遊技機よりも駆動源の発熱が抑えられる。また、左右移動用モータ40と昇降用モータ34とのうち、重力をの影響を受けにくい左右移動用モータ40をDCモータにしたので、モータの制御が複雑になることが避けられる。
ところで、ステッピングモータをDCモータに単に置き換えただけでは、可動演出部材30の移動速度や停止位置等にばらつきが生じ、役物演出が設定通りに行われないことが考えられるが、本実施形態では、左右移動用モータ40にエンコーダ40Aが取り付けられていて、左右移動用モータ40がフィードバック制御されるので、可動演出部材30の移動速度や停止位置等の精度が向上し、役物演出が設定に沿って実行されやすくなる。
また、役物演出において、端部目標位置が検知位置の手前に配されていて、原点位置を出発した可動演出部材30が、第2メカストッパ39Bの手前の第2センサ41Bに検知されない範囲で移動するように駆動されるため、可動演出部材30が第2メカストッパ39Bに衝突して破損することが防がれる。さらに、原点位置も第1メカストッパ39Aの手前に配されているので、可動演出部材30が第1メカストッパ39Aに衝突することも防がれる。
さらに、可動演出部材30が第2センサ41Bに検知されると、左右移動用モータ40への通電を停止して可動演出部材30を停止させるので、ノイズや振動等による左右移動用モータ40の不具合により、可動演出部材30が第2センサ41Bを超えて、第2メカストッパ39B側へ移動しても、可動演出部材30が第2メカストッパ39Bに衝突することが防がれる。しかも、可動演出部材30を停止した後、可動演出部材30が原点位置に戻されるので、停止した位置に放置された可動演出部材30が振動等により移動して第2メカストッパ39Bに衝突することも防がれる。そのうえ、原点位置に第1センサ41Aが配されているので可動演出部材30が確実に原点位置に戻される。なお、原点復帰処理(S13)後も可動演出部材30が原点位置に配されている状態が維持されるように左右移動用モータ40を制御する構成とした場合、原点復帰処理(S13)後に振動等により可動演出部材30が移動して第1メカストッパ39Aに衝突することも防がれる。
[第2実施形態]
図11~13に基づいて、第2実施形態の遊技機10について説明する。以下の説明では、上記第1実施形態との相違点のみを説明し、同一部位については同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
本実施形態の遊技機10では、役物演出での可動演出部材30の可動ベース38に対する動き(つまり、左右方向の動き)において、可動演出部材30が原点位置(0step)に戻る際の速度変化が、他の目標位置への移動と異なっている。以下、その相違点について、図11に基づいて、端部目標位置(4000step)から原点位置(0step)へ戻る場合を例にして説明する。まず、可動演出部材30が原点位置(0step)から端部目標位置(4000step)に移動する場合と同様に、左右移動用モータ40を1000ppsになるまで加速した後、1000ppsのまま定速回転する。
そして、t1秒後(例えば3.75秒後)に可動演出部材30が原点位置よりもX1step(例えば750step)手前の減速開始位置に到達すると、左右移動用モータ40を1000ppsから徐々に減速して、t2秒後(例えば4.7秒後)に速度が50ppsとなった原点手前位置(原点位置よりもX2step手前の位置)から50ppsで定速回転する。その後、第1センサ41Aが可動演出部材30を検出すると(t3秒後)、左右移動用モータ40を停止する。なお、50ppsで回転している左右移動用モータ40は急停止可能であり、可動演出部材30は原点位置に停止する。この減速開始位置に到達してからの左右移動用モータ40の速度制御を適宜「減速処理」という。
ところで、役物演出において可動演出部材30が位置指令値として設定された目標位置に到達した後に、その目標位置から少しでもずれると、可動演出部材30を目標位置に戻そうとして可動演出部材30が発振してしまうことが考えられる。本実施形態の遊技機10では、その発振を防止するために、移動動作において、可動演出部材30が目標位置に到達すると、フィードバック制御を中断して左右移動用モータ40による可動演出部材30の駆動を停止する中断処理が行われる。
ここで、フィードバック制御を中断すると、エンコーダ40Aが検出する可動演出部材30の位置と可動演出部材30の実際の位置とにずれが生じることがある。すると、上述した減速処理において、可動演出部材30が第1センサ41Aに検出されるまでに減速が十分されておらず、左右移動用モータ40が停止しても可動演出部材30が慣性移動によって原点位置を通り過ぎてしまうという問題が発生し得る。
これに対して、本実施形態では、1回の中断処理において発生し得るエンコーダ40Aが検出する可動演出部材30の位置と可動演出部材30の実際の位置とのずれ量の最大値としての規定量(例えば50step)が予め設定されていて、この規定量に原点位置を出発してからの中断処理の回数を乗じた距離分、減速開始位置を手前にするように構成されている。例えば、デフォルトの減速開始位置を600stepとし、原点位置を出発してからの中断処理の回数を3回とすると、減速開始位置は750step(図11の例)となる。これにより、中断処理の回数に応じて左右移動用モータ40を急停止可能な50ppsとなる原点手前位置も手前になるので、可動演出部材30が原点位置を通り過ぎてしまうことが抑制される。
次に、図12及び図13に基づいて、上述した制御を行うためにサブ制御回路52が実行する役物演出処理(S20)について説明する。図12に示すように、役物演出処理(S20)では、まず、可動演出部材30が移動中か否かが判断される(S21)。可動演出部材30が移動中でない場合(S21でNo)、移動開始を指示する移動コマンドを受信したか否かを判断する(S22)。移動コマンドを受信した場合(S22でYes)、演出内容に対応した指令値(位置及び速度)をセットし(S23)、左右移動用モータ40の回転を開始する(S24)。その後、その他の処理(S25)を行ってこの処理(S20)を抜ける。一方、ステップS22で移動コマンドを受信していない場合(S22でNo)、そのままその他の処理(S25)を行ってこの処理(S20)を抜ける。
ステップS21で可動演出部材30が移動中の場合(S21でYes)、モータ異常検知処理(S10)を行ってから、その移動が原点位置への移動か否かを判断する(S26)。原点位置への移動ではない場合(S26でNo)、目標位置に到達したか否かを判断する(S27)。目標位置に到達した場合(S27でYes)、中断処理を行う(S28)と共に中断カウンタに1追加して(S29)、その他の処理(S25)を行った後、この処理(S20)を抜ける。一方、ステップS27で目標位置に到達していない場合(S27でNo)、そのままその他の処理(S25)を行ってこの処理(S20)を抜ける。
ステップS26で原点位置への移動である場合(S26でYes)、図13に示される原点検知処理(S30)を行う。同図に示すように、原点検知処理(S30)では、フラグ1がONであるか否かを判断する(S31)。フラグ1がOFFである場合(S31でNo)、中断カウンタを確認し(S32)、その中断カウンタの数に規定量を乗じて算出したずれの最大値に基づいて減速開始位置を設定した(S33)後、フラグ1をONにする(S34)と共に中断カウンタをリセットして(S35)、その他の処理(S36)を行った後、この処理(S30)を抜ける。
ステップS31でフラグ1がONである場合(S31でYes)、第1センサ41AがONであるか否かを判断し(S37)、第1センサ41AがONである場合(S37でYes)、左右移動用モータ40を停止して(S38)、フラグ1をOFFにした(S39)後、その他の処理(S36)を行って、この処理(S30)を抜ける。一方、第1センサ41AがOFFである場合(S37でNo)、そのままその他の処理(S25)を行ってこの処理(S20)を抜ける。
図12に示すように、役物演出処理(S20)では、原点検知処理(S30)に次いでその他の処理(S25)を行い、この処理(S20)を抜ける。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、可動演出部材30が、固定ベース33に対して移動する可動ベース38に支持されていたが、可動ベース38を備えずに固定ベース33に直接支持される構成であってもよい。
(2)上記実施形態では、可動演出部材30が左右方向に直動する構成であったが、上下方向や斜め方向に直動する構成であってもよいし、可動演出部材30が回動又は回転する構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、左右移動用モータ40のみがDCモータであったが、昇降用モータ34のみをDCモータとしてもよいし、左右移動用モータ40と昇降用モータ34との両方をDCモータとしてもよい。
(4)上記実施形態では、モータ停止処理が、左右移動用モータ40への通電を停止する構成であったが、左右移動用モータ40を逆回転させて可動演出部材30を急停止させる構成であってもよい。
(5)上記実施形態では、可動演出部材30の位置を検出するものがエンコーダであったが、ポテンションメータ等であってもよい。
(6)上記実施形態は、左右移動用モータ40をフィードバック制御する構成であったが、フィードバック制御しない構成であってもよい。この場合であっても、第2センサ41Bにより可動演出部材30が第2メカストッパ39Bに衝突することが防がれる。
(7)上記実施形態では、モータ停止処理が、第2センサ41Bが可動演出部材30を検知するとすぐに行われたが、第2センサ41Bが可動演出部材30を検知してから可動演出部材30が停止するまでに進むであろう予測距離を算出し、その予測距離が予め定められた規定距離(例えば、400step)よりも大きい場合にのみ行われる構成であってもよい。
具体的には、図14に示すように、モータ異常検知処理(S10)において、第2センサ41Bが可動演出部材30を検知すると(S11でYes)、まず、エンコーダ40Aの検出結果から、そのときの速度と減速度とを算出し、さらに、算出された減速度のまま可動演出部材30が移動した場合に可動演出部材30が停止するまでに進む予測距離を算出する(S111)。そして、予測距離が規定距離(例えば、400step)以上か否かを判断する(S112)。予測距離が規定距離よりも小さい場合(S112でNo)、この処理(S10)を抜ける。予測距離が規定距離以上の場合(S112でYes)、モータ停止処理(S12)、原点復帰処理(S13)を順に行い、この処理(S10)を抜ける。
(8)また、モータ停止処理が、第2センサ41Bが可動演出部材30を検知してからの可動演出部材30の移動距離が規定距離(例えば、400step)以上になったときにのみ行われる構成であってもよい。
具体的には、図15に示すように、モータ異常検知処理(S10)において、第2センサ41Bが可動演出部材30を検知すると(S11でYes)、その後の可動演出部材30の移動距離を検出し、その移動距離が規定距離(例えば、300step)以上か否かを判断する(S113)。移動距離が規定距離よりも小さい場合(S113でNo)、この処理(S10)を抜ける。移動距離が規定距離以上の場合(S113でYes)、モータ停止処理(S12)、原点復帰処理(S13)を順に行い、この処理(S10)を抜ける。
(9)上記実施形態では、モータ停止処理が行われるのが、第2センサ41Bに検知されたときのみであったが、第1センサ41Aに検知されたときにも行われる構成であってもよい。
(10)上記実施形態では、モータ停止処理の後に原点復帰処理が行われていたが、原点復帰処理を行わない構成であってもよい。
(11)上記実施形態では、検知位置と第2メカストッパ39Bとの間の距離が、左右移動用モータ40を1000ppsで回転中に停止させたときに可動演出部材30が惰性で進む距離よりも長くなっていたが、短くてもよい。この場合であっても、左右移動用モータ40を停止することで、可動演出部材30が衝突するときの速度が小さくなるため、衝突の衝撃が緩和し、破損が抑制される。
(12)上記実施形態では、原点復帰処理が、可動ベース38をその場で停止した状態で左右移動用モータ40のみを駆動する構成であったが、昇降用モータ34も駆動して可動演出部材30を待機位置に戻す構成であってもよい。
(13)上記実施形態では、中断処理が、可動演出部材30が目標位置に到達したときに行われる構成であったが、左右移動用モータ40による駆動停止後に可動演出部材30が慣性移動により目標位置に到達し得るように目標位置の手前に設定された目標手前位置に到達したときに行われる構成であってもよい。
(14)フィードバック制御の中断として、単に、左右移動用モータ40の駆動を停止する構成であってもよいし、位置指令値の設定をリセットする構成であってもよいし、その他の構成であってもよい。
(15)上記実施形態では、原点手前位置の変更を、減速開始位置を手前にすることにより行っていたが、減速開始位置は同じで減速度を変更することにより行う構成であってもよい。
(16)上記実施形態では、第1センサ41Aに検知される位置が可動演出部材30が通常時に配される原点位置であったが、これに限られるものではなく、役物演出中にのみ停止する目標位置の1つであってもよい。
(17)原点位置への移動時も速度変化線図が略台形状又は略三角形状であってもよい。この場合でも、減速開始位置を手前にすることで原点位置を通り過ぎてしまうことが防がれる
(18)なお、上記実施形態では、本開示の技術をDCモータに適用していたが、本技術をブラシレスDCモータやステッピングモータに適用してもよい。
[上記実施形態から抽出される技術的な特徴群について]
以下、本実施形態の遊技機10から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
[特徴群A]
[特徴1]
メカストッパにて可動範囲を規制された可動役物を、前記メカストッパに当接させずに駆動する役物演出を行う遊技機において、
前記可動役物の駆動源としてのDCモータと、
前記メカストッパの手前の検知位置で前記可動役物を検出する検知センサと、
前記役物演出中は、前記可動役物が前記検知センサに検知されない範囲で移動するように前記DCモータを制御する演出制御部と、
前記役物演出中に前記検知センサが前記可動役物を検出したことに起因して、前記可動役物を停止させる停止処理を行う停止制御部と、を備える遊技機。
従来の遊技機では、可動役物の駆動源として、ステッピングモータが用いられていた。そのため、駆動源のエネルギー効率が低く、発熱しやすいという欠点があった。これに対して、本特徴に示す構成では、可動役物の駆動源として、DCモータを用いているので、ステッピングモータを用いる場合よりも、駆動源の発熱を抑えることが可能となる。
また、メカストッパの手前の検知位置に検知センサが配されていて、役物演出中は、可動役物が前記検知センサに検知されない範囲で移動するので、可動役物がメカストッパに衝突して破損することが防がれる。
さらに、もしDCモータに不具合が発生して、可動役物が検知位置を超えてメカストッパに近づくようなことがあっても、停止制御部が、検知センサが可動役物を検出したことに起因して、可動役物を停止させるので、可動役物のメカストッパへの衝突が防がれる。
[特徴2]
前記可動役物の位置を検出する位置センサを備え、
前記演出制御部は、前記役物演出中は、前記可動役物が、予め設定された複数の目標位置に移動するように前記位置センサの検出結果に基づいて前記可動役物の位置をフィードバック制御し、
前記複数の目標位置のうち最も前記メカストッパに近い端部目標位置は、前記検知位置より前記メカストッパから離して配置されている特徴1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、可動役物の位置がフィードバック制御されているので、役物演出の精度が向上する。
[特徴3]
前記位置センサは、前記可動役物の位置の代用値として前記DCモータの回転位置を検出するエンコーダである特徴2に記載の遊技機。
位置センサは、ポテンションメータ等であってもよいし、本特徴の構成のように、エンコーダであってもよい。
[特徴4]
前記停止制御部は、前記DCモータへの通電停止により前記停止処理を行う特徴2又は3に記載の遊技機。
停止制御部は、停止処理として、例えば、DCモータと可動役物との連結を切り離してもよいし、弾性部材を可動役物の軌道上に配置して可動役物を当接させてもよいし、本特徴の構成のように、DCモータへの通電を停止させてもよい。また、DCモータを逆回転させて可動役物を急停止する構成であってもよい。
[特徴5]
前記演出制御部は、前記役物演出中は、前記可動役物が、予め設定された目標速度で前記目標位置へ移動するように前記位置センサの検出結果に基づいて前記可動役物の速度をフィードバック制御する特徴2乃至4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、可動役物の速度がフィードバック制御されるので、役物演出の制度が向上する。
[特徴6]
前記停止制御部は、前記検知センサが前記可動役物を検出するとすぐに前記停止処理を行う特徴2乃至5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、検知センサが可動役物を検出するとすぐに停止処理が行われるので、可動役物のメカストッパへの衝突をより確実に防止することができる。
[特徴7]
前記停止制御部は、
前記検知センサが前記可動役物を検出したときの前記可動役物の速度及び減速度を前記位置センサの検出結果に基づいて算出する速度算出手段と、
前記速度算出手段により算出された前記減速度のまま前記可動役物が移動した場合に前記可動役物が停止するまでに進む予測距離を算出する距離算出手段と、を有し、
前記予測距離が予め設定された規定距離よりも大きい場合に前記停止処理を行う特徴5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、検知センサが可動役物を検出してから可動役物が停止するまでに進む予測距離を算出し、その予測距離が規定距離よりも大きい場合に停止処理が行われるので、メカストッパへ衝突する虞が低い場合にまで可動役物が不自然な動き(急減速等)をしたり、役物演出が中断されることが防がれる。
[特徴8]
前記停止制御部は、前記検知センサが前記可動役物を検出してからの前記可動役物の移動距離が予め設定された規定距離以上になったときに前記停止処理を行う特徴2乃至5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、検知センサが可動役物を検出してからの可動役物の移動距離が規定距離以上にならないと停止処理が行われないので、メカストッパへ衝突する虞が低い場合にまで可動役物が不自然な動き(急減速等)をしたり、役物演出が中断されることが防がれる。
[特徴9]
前記可動役物は、常には前記可動範囲内の原点位置に配され、
前記演出制御部は、前記役物演出が開始すると前記可動役物を前記原点位置から前記目標位置に移動させ、前記役物演出が終了するときに前記可動役物を前記原点位置に戻し、
前記停止制御部は、前記停止処理を行った後、前記可動役物を前記原点位置に戻す原点復帰処理を行う特徴2乃至8の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、停止処理が行われた後に、可動役物が原点位置に戻されるので、可動役物が検知位置を超えたところで放置されている場合よりも、メカストッパに衝突することが防止される。
[特徴10]
前記演出制御部は、前記役物演出中は、前記可動役物が前記端部目標位置と前記原点位置との間で移動するように前記DCモータを制御し、
前記原点位置で前記可動役物を検出する原点センサを備える特徴9に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、原点センサが配されているので、原点復帰処理において可動役物がより確実に原点位置に戻される。
[特徴11]
前記可動役物が移動可能に取り付けられた可動ベースと、
前記可動ベースが移動可能に取り付けられた固定ベースと、を備える特徴1乃至10の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、可動役物の動きを複雑にすることができ、役物演出の趣向性が向上する。
[特徴群B]
[特徴1]
可動役物が目標停止位置に向けて移動する移動動作を繰り返す役物演出を行う遊技機であって、
前記可動役物の位置を検出する位置センサと、
前記可動役物の駆動源としてのDCモータと、
前記DCモータを制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、前記目標停止位置と前記位置センサの検出結果とに基づいて前記可動役物の位置をフィードバック制御する遊技機。
従来の遊技機では、可動役物の駆動源として、ステッピングモータが用いられていた。そのため、駆動源のエネルギー効率が低く、発熱しやすいという欠点があった。これに対して、本特徴に示す構成では、可動役物の駆動源として、DCモータを用いているので、ステッピングモータを用いる場合よりも、駆動源の発熱を抑えることが可能となる。また、DCモータがフィードバック制御されるので、可動役物を役物演出の演出内容に即して移動させることができる。
[特徴2]
前記演出制御手段は、前記移動動作において、前記可動役物が設定された前記目標停止位置に到達すると、前記フィードバック制御を中断して前記DCモータによる前記可動役物の駆動を停止する中断処理を行う特徴1に記載の遊技機。
可動役物が目標停止位置に到達した後にその目標停止位置からずれると、可動役物を目標停止位置に戻そうとして発振してしまうことが考えられるが、本特徴によれば、可動役物が目標停止位置に到達するとフィードバック制御が中断されるので、可動役物が発振してしまうことが防がれる。
[特徴3]
前記演出制御手段は、前記移動動作において、前記可動役物が前記目標停止位置よりも手前に設定された目標手前位置に到達すると、前記フィードバック制御を中断して前記DCモータによる前記可動役物の駆動を停止する中断処理を行い、
前記目標手前位置は、前記DCモータによる駆動停止後に前記可動役物が慣性移動により前記目標停止位置に到達し得るように設定されている特徴1に記載の遊技機。
可動役物が目標停止位置に到達した後にその目標停止位置からずれると、可動役物を目標停止位置に戻そうとして発振してしまうことが考えられるが、本特徴によれば、可動役物が目標手前位置に到達するとフィードバック制御が中断されるので、可動役物が発振してしまうことが防がれる。
[特徴4]
複数の前記目標停止位置の1つとして特別位置が設定され、
前記特別位置を離れてから次に前記特別位置に向かうまでの間の前記中断処理の実行回数に基づいて、前記可動役物を前記特別位置で停止するための減速状況を変更する減速変更処理を行う特徴2又は3に記載の遊技機。
本特徴によれば、可動役物を特別位置で停止するための減速状況が中断処理の実行回数によって変更されるので、可動役物が特別位置を通り過ぎてしまうことが抑制される。
[特徴5]
前記演出制御手段は、複数の前記目標停止位置に含まれる通常の前記目標停止位置に関しては、前記可動役物が移動し始めてから前記目標停止位置に到達するまでの速度変化線図が略台形又は略三角形状になるように制御し、
前記特別位置に関しては、前記可動役物が移動し始めてから前記特別位置に到達するまでの速度変化線図の減速部分が、前記目標停止位置の手前に設定される特別手前位置までに第1の減速を行ってから、前記特別手前位置から前記特別位置までの間に第2の減速又は低速移動を行うように制御する特徴4に記載の遊技機。
可動役物が特別位置に到達するまでの減速は、一定の減速度で行われてもよいし、本特徴のように、一旦第1の減速をしてから第2の減速が行われる、又は、低速移動させる構成であってもよい。
[特徴6]
前記可動役物が前記特別位置に配されているか否かを検知する特別センサを備え、
前記演出制御手段は、前記第1の減速において、前記DCモータを急停止可能な速度まで減速し、前記特別センサの検知信号を受けて前記DCモータを停止する特徴5に記載の遊技機。
本特徴では、DCモータを急停止可能な速度まで減速したのち、特別センサの検知信号を受けて停止するので、可動役物をより確実に特別位置に停止させることができる。
[特徴7]
前記演出制御手段は、前記特別位置を離れてから次に前記特別位置に向かうまでの間の前記中断処理の実行回数に規定量を乗じた分だけ、前記特別手前位置を手前にする特徴5又は6に記載の遊技機。
本特徴では、前記中断処理の実行回数に規定量を乗じた分だけ特別手前位置が手前になるので、減速が十分に行われずに可動役物が特別位置を通り過ぎてしまうことが抑制される。
[特徴8]
前記減速変更処理では、前記特別位置を離れてから次に前記特別位置に向かうまでの間の前記中断処理の実行回数に規定量を乗じた分だけ減速を開始する位置を手前にする特徴4乃至7の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴によれば、前記中断処理の実行回数に規定量を乗じた分だけ、減速を開始する位置が手前になるので、減速が十分に行われずに可動役物が特別位置を通り過ぎてしまうことが抑制される。
[特徴9]
前記役物演出において前記可動役物が移動する演出範囲の一端が前記特別位置であり、前記特別位置よりも外側にメカストッパが設けられている特徴4乃至8の何れか1の特徴に記載の遊技機。
特別位置がメカストッパよりも手前位置に配されているので、メカストッパに衝突して破損することが防がれる。
[特徴10]
前記位置センサは、前記可動役物の位置の代用値として前記DCモータの回転位置を検出するエンコーダである特徴2乃至9の何れか1の特徴に記載の遊技機。
位置センサは、可動役物の実際の位置を検出する測距センサであってもよいし、本特徴のようにエンコーダであってもよい。なお、エンコーダにした場合、エンコーダが検出する可動役物の位置と実際の可動役物の位置とにずれが発生してしまう虞があるが、特徴6に従属する特徴10によれば、そのずれが可動役物が特別位置に到達したときに解消される。
[特徴11]
前記演出制御手段は、前記役物演出中は、前記可動役物が、予め設定された目標速度で前記目標停止位置へ移動するように前記位置センサの検出結果に基づいて前記可動役物の速度をフィードバック制御する特徴2乃至10の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、可動役物の速度がフィードバック制御されるので、役物演出の制度が向上する。
[特徴12]
前記可動役物が移動可能に取り付けられた前記ベース部材としての可動ベースと、
前記可動ベースが移動可能に取り付けられた固定ベースと、を備える特徴1乃至11の何れか1の特徴に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、可動役物の動きを複雑にすることができ、役物演出の趣向性が向上する。