JP4738615B2 - 撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents

撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記憶媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4738615B2
JP4738615B2 JP2001081339A JP2001081339A JP4738615B2 JP 4738615 B2 JP4738615 B2 JP 4738615B2 JP 2001081339 A JP2001081339 A JP 2001081339A JP 2001081339 A JP2001081339 A JP 2001081339A JP 4738615 B2 JP4738615 B2 JP 4738615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
photoelectric conversion
correction
imaging
conversion element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001081339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002281399A5 (ja
JP2002281399A (ja
Inventor
博人 北井
敏和 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001081339A priority Critical patent/JP4738615B2/ja
Publication of JP2002281399A publication Critical patent/JP2002281399A/ja
Publication of JP2002281399A5 publication Critical patent/JP2002281399A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4738615B2 publication Critical patent/JP4738615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光もしくは放射線により像を形成する撮像装置及び撮像方法に係り、たとえばファクシミリ、デジタル複写機、スチールカメラあるいは放射線撮像装置等の一次元もしくは二次元の撮像装置及び撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CCD型センサ、MOS型センサで代表されるSi単結晶センサや、水素化アモルファスシリコン(以下、a−Siと記す)のPIN型センサを用いた撮像素子を、一次元、もしくは二次元に並べた大型センサを用いた撮像装置が各種生産されている。
【0003】
これらの撮像装置は、可視光の像を形成するのみならず、原子力開発、放射線医療機器および非破壊検査の発達にともない放射線像を電気信号に変換する撮像装置も開発されている。
【0004】
しかしながら、それらS/Nは2〜3桁のものが多く、それ以上のS/Nは求められていなかった。これは、高S/Nの出力を高精度でデジタル化するのに適したA/D変換器がなかったり、また変換後のデータ量が大量になりメモリの制限や通信の制限を受け使い勝手が悪く、結果、高S/Nの撮像装置の必要性が小さかったためである。
【0005】
ところが近年、大容量のメモリや高速な通信の開発がめざましく、これにともない、4〜5桁の高S/Nを持つ撮像装置の要求が高まっている。
【0006】
しかしながら、通常、生産工程のばらつきにより固定パターンや感度ばらつきによるS/Nの低下は避けられず、これを防ぐため、工場出荷時に固定パターンや感度ばらつきをメモリに記憶させて、実際に使う場合に撮影出力とこのメモリとの情報で補正する手法がとられていたが、この方法では補正に使うデータが撮影より前にとられているため、撮像を実際に行った条件と補正に使用するデータを作った条件とは異なっており、S/Nの低下の原因となる固定パターンや感度ばらつきはこれら条件で微妙に異なるため、撮影出力に含まれる誤差は完全に補正されなかった。
【0007】
そこで、特開平10-327317号公報では一次元もしくは二次元に配列した複数の光電変換素子を含む撮像手段を有する撮像装置において、撮影モード時の撮影出力を記憶しておき、次に光が入射しない状態で撮影モード時と同じ撮影条件を用いて動作させる補正モードで得た補正出力を用いて撮影出力を補正する方法を開示している。以下、そのような従来例について図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は従来例の撮像装置の全体システムブロック図である。この従来例では医療用X線診断を目的とする放射線撮像装置が構成されている。
【0009】
図1において、10はX線13をパルス状に発することができるX線源であり、撮影条件制御手段として働くAEコントローラ30によりX線パルスのオン、オフやX線源内の管球の管電圧、管電流が制御される。X線源10で発したX線13は診断対象となる患者である被写体11を透過しX線を可視光に変換するCsI、Gd2 O2 S等で構成される蛍光体12に入射する。このとき被写体11を透過するX線は被写体11の内部の骨や内蔵の大きさや形、病巣の有無により透過量が異なりそれらの像情報が含まれている。このX線13は蛍光体12により可視光に変換され像情報光14として撮像手段として働く二次元エリアセンサ20に入射する。二次元エリアセンサ20は二次元に配列した複数の光電変換素子とそれらを駆動する駆動回路からなり、像情報光14を二次元情報を含む電気信号に変換して出力する。
【0010】
二次元エリアセンサ20は、AEコントローラ30により蓄積時間や駆動スピードが制御される。二次元エリアセンサ20の出力はゲイン調整回路21に入力されるとともにAEコントローラ30にも撮影条件を制御するための情報として入力される。
【0011】
AEコントローラ30には、撮影条件を制御するために制御パネル32や温度センサ33およびフォトタイマ31の出力も入力されている。制御パネル32は医師もしくは技師が患者の症状、体格、年齢や得たい情報を考慮し撮影露光の度に最適な撮影出力が得られるように条件をパネル操作で入力し、電気信号に変換されAEコントローラ30に入力される。
【0012】
温度センサ33は撮影露光時における部屋の温度や管球の温度および二次元エリアセンサ20等の、温度により特性が変化し最適な動作条件が変化する構成部品の温度を検出しAEコントローラ30に入力される。これら検出される温度はまさに撮影露光されている時点の温度であることが好ましい。
【0013】
フォトタイマ31は、被写体11と二次元エリアセンサ20との間におかれ撮影露光中に被写体11の基準部分(例えば肺胞部)を透過するX線の量を検知しAEコントローラ30に入力される。フォトタイマ31でのX線の吸収は微少なため撮影露光にほとんど悪影響しない。
【0014】
AEコントローラ30は、これら入力の撮影露光の直前の値もしくは撮影露光中の値をもとにX線源10のX線パルス幅や二次元エリアセンサ20の蓄積時間・駆動スピードおよびゲイン調整回路21の増幅率を自動制御および設定制御できる。これら制御によりゲイン調整回路21の出力を適切な撮影出力にすることが可能である。
【0015】
また、このときAEコントローラ30が撮影露光時に制御・設定した条件は条件記憶手段として働く条件メモリ回路40に条件値として記憶しておくことが可能である。この条件メモリ回路40は条件を記憶できると同時に、逆に記憶した条件値をAEコントローラ30に入力することも可能である。このときAEコントローラ30は条件メモリ回路40から入力された条件値をもとにX線源10、二次元エリアセンサ20およびゲイン調整回路21を制御・設定し動作させることができる。つまり、過去の撮影露光条件と同じ制御・設定で再び撮影露光することが可能となっている。このとき一部の条件や制御・設定を異ならすことにより補正露光としゲイン調整回路21の出力を補正出力とすることができる。つまり、X線パルスを発せずに他は前回の撮影露光時と同じにしシステムを動作させれば、二次元エリアセンサ20の暗時出力の補正出力が得られる。
【0016】
図1中、補正回路80の破線内は補正回路であり、撮影露光時に得られる撮影出力はスイッチ51を介し撮影出力記憶手段であるフレームメモリ50に一度記録でき、補正露光時に得られる補正出力Bとフレームメモリ50に記憶された撮影出力Aにより演算処理回路60で処理し撮影時の誤差を取り除いた像情報出力Oとすることができる。この像情報出力Oは画像処理システム等に電送される。
【0017】
70はシステム制御回路であり撮影露光開始ボタン71が押されたことを検知し、図示はしていないがAEコントローラ30を介してX線源10、二次元エリアセンサ20、ゲイン調整回路21を制御し撮影露光や補正露光を行ない、また、スイッチ51、フレームメモリ50および演算処理回路60を制御し補正回路80として動作させる。
【0018】
図2は、二次元エリアセンサ20の構成を示す全体回路図である。なお、図1と同一機能の部分には同一符号を付している。
【0019】
図2において、S11〜S33は光電変換素子で下部電極側をG、上部電極側をDで示している。C11〜C33は蓄積用コンデンサ、T11〜T33は転送用TFTである。Vsは読み出し用電源、Vgはリフレッシュ用電源であり、それぞれスイッチSWs、SWgを介して光電変換素子S11〜S33のG電極に接続されている。スイッチSWsはインバータを介して、スイッチSWgは直接にリフレッシュ制御回路RFに接続されており、リフレッシュ期間はSWgがon、その他の期間はSWsがonするよう制御されている。
【0020】
1画素は1個の光電変換素子とコンデンサ、およびTFTで構成され、その信号出力は信号配線SIGにより検出用集積回路ICに接続されている。この二次元エリアセンサは計9個の画素を3つのブロックに分け1ブッロクあたり3画素の出力を同時に転送しこの信号配線を通して検出用集積回路によって順次出力に変換され出力される。また1ブロック内の3画素を横方向に配置し、3ブロックを順に縦に配置することにより各画素を二次元的に配置している。
【0021】
次に図1、図2によって従来例の放射線撮像装置の動作について説明する。前述の説明のように従来例においての光電変換素子は定期的にリフレッシュすれば光電変換モードにおいては入射した光に比例した光電流を出力する光センサとして動作する。図3は撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0022】
まず、医師または技師は診断対象である患者、つまり被写体11をX線源10と二次元エリアセンサ20の間に置き診断したい部位が観察できるように被写体にポーズさせる。同時に前もって問診等で得た患者の症状、体格、年齢や得たい情報を考慮し最適な撮影出力が得られるように条件を制御パネル32に入力する。この信号は電気信号でAEコントローラ30に電送される。同時に条件メモリ回路40にこれら条件が記憶される。
【0023】
この状態で医師または技師が撮影露光開始ボタン71を押すと撮影モードが開始される。まずシステム制御回路70は二次元エリアセンサ20をリフレッシュ動作させる。ここでリフレッシュ動作を説明する。まずシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s2にHiが印可される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイッチM1〜M3がonし導通し、光電変換素子S11〜S33のD電極はGND電位になる(積分検出器Ampの入力端子はGND電位に設計されているため)。同時にリフレッシュ制御回路RFがHiを出力しスイッチSWgがonし光電変換素子S11〜S33のG電極はリフレッシュ用電源Vgにより正電位になる。すると光電変換素子S11〜S33はリフレシュモードになりリフレッシュされる。つぎにリフレッシュ制御回路RFがLoを出力しスイッチSWsがonし光電変換素子S11〜S33のG電極は読み取り用電源Vsにより負電位になる。すると光電変換素子S11〜S33は光電変換モードになり同時にコンデンサC11〜C33は初期化される。この状態でシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s2にLoが印可される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイッチM1〜M3がoffし、光電変換素子S11〜S33のD電極はDC的にはオープンになるがコンデンサC11〜C13によって電位は保持される。しかしこの時点ではX線は入射されていないため光電変換素子S11〜S33には光は入射されず光電流は流れない。これでリフレッシュ動作は終了する。
【0024】
この時点で温度センサ33は撮影露光時における部屋の温度や管球の温度および二次元エリアセンサ20等の、温度により特性が変化し最適な動作条件が変化する構成部品の温度を検出しAEコントローラ30に入力される。これら検出される温度はまさに撮影露光される直前の温度である。同時に条件メモリ回路40にこれら温度が条件として記憶される。
【0025】
ここでAEコントローラは制御パネル32からの情報と温度センサ33からの情報で撮影露光時における初期条件を決定する。同時に条件メモリ回路40にこれら初期条件が記憶される。初期条件の内容はX線源10の管球の電圧、電流および最大パルス幅や二次元エリアセンサ20の駆動スピードである。例えば、制御パネル32で胸部が設定されていればX線源10の管球の電圧は高く、腹部の場合は低く条件を設定する。また、制御パネル32で患者が子どもや妊婦が指示されていれば、フォトタイマ31による終了条件を短く設定し、最大パルス幅も短く設定される。二次元エリアセンサ20の温度が高い場合は光電変換素子の暗電流が高いがTFTの能力が高いため駆動スピードを速くし暗電流の蓄積を抑えS/Nの低下を防ぐ最適条件にしたり、逆に温度が低いときはTFTの能力が低いが光電変換素子の暗電流も低いため駆動スピードを低くしTFTの電荷の転送の低下による画像の歪みを抑える。
【0026】
この初期条件でX線が出射され被写体11を通過し蛍光体12に入射すると光に変換され、その光がそれぞれの光電変換素子S11〜S33に入射する。同時に被写体11と二次元エリアセンサ20との間におかれたフォトタイマ31にも入射する。これら光は人体等の内部構造の情報が含まれている。フォトタイマ31の出力は随時AEコントローラ30に入力され、この値の積分が初期条件で決められた一定値を越えるとAEコントローラ30はX線をストップさせる。これにより撮影露光において最適な露光量が得られる。また、もし初期条件で決められた最大パルス幅になった場合はフォトセンサ31にかかわらずAEコントローラ30はX線をストップさせる。このとき、条件メモリ回路40にはこれら実際に出射されたパルス幅を露光時間として記憶される。
【0027】
ある一定量この光により流れた光電流は電荷としてそれぞれのコンデンサC11〜C33に蓄積されX線の入射終了後も保持される。つぎに二次元エリアセンサ20は読み出し動作をする。シフトレジスタSR1により制御配線g1にHiの制御パルスが印可され、シフトレジスタSR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印可によって転送用TFT・T11〜T13、スイッチM1〜M3を通してv1〜v3が順次出力される。同様にシフトレジスタSR1、SR2の制御により他の光信号も出力される。これにより人体等の内部構造の二次元情報がv1〜v9として得られる。
【0028】
これら出力はゲイン調整回路21に入力されると共にAEコントローラ30にも入力される。AEコントローラ30ではこれら出力を適切な値にするためのゲインを随時判断し、その値を条件メモリ回路40に記憶させると同時にゲイン調整回路21に指示する。これによりゲイン調整回路21の出力は後にそれらを処理するのに最適な撮影出力となる。この撮影出力はシステム制御回路70によって制御されたスイッチ51を介し撮影出力記憶手段であるフレームメモリ50に一度記録される。
【0029】
以上の説明のとおり、AEコントローラ30は制御パネル32、温度センサ33、フォトタイマ31および二次元エリアセンサ20の設定や出力によりX線源10や二次元エリアセンサ20やゲイン調整回路21をほぼリアルタイムに自動制御し、その結果、最適に近い各種条件で撮影出力を得ることができる。これで撮影モードは終了する。
【0030】
次に、システム制御回路70は補正モードに入り再び二次元エリアセンサ20をリフレッシュ動作させる。リフレッシュ終了後、撮影露光時に条件メモリ回路40に記憶された各種条件をAEコントローラ30に呼び出す。そして、X線源10以外は撮影モード時と全く同じ条件で動作させる。つまり、温度センサ33やフォトタイマ31の出力は使わずに条件メモリ回路40に記憶された値に基づき動作させる。X線源10は補正モードでは動作させず、X線は出射しない。ただし、X線源10を動かさなくとも撮影モード時の露光時間に相当する時間を待ってから二次元エリアセンサ20は読み出し動作を行う。駆動スピードやゲイン調整回路21のゲインは撮影モードと同じ条件で動作させる。この時のゲイン調整回路21の出力を補正出力とする。つまり、X線源10や二次元エリアセンサ20やゲイン調整回路21を条件メモリ回路40の記憶された値に設定制御し補正出力を得ることができる。
【0031】
この補正出力は各画素のダーク時の電流や、転送時の固定パターンノイズや、二次元エリアセンサ20の内部のアンプやゲイン調整回路21のオフセット電圧などを反映した出力である。この補正出力は撮影モード時と同じ蓄積時間であるからダーク時の電流の蓄積による影響量も同じである。また、この補正出力は駆動スピードも同じであるからクロックリーク等の影響による固定パターンの影響量も同じである。さらにゲインも同じためオフセット電圧の影響量も同じである。つまり、条件メモリ回路40により撮影モードと補正モードでX線源以外全く同じ動作であるから先に述べた影響量のみならずX線の出射、非出射以外の撮影にとって好ましくない影響量が全て同じになる。したがって、補正出力は撮影出力中の好ましくない誤差だけが同じ量含まれていることになる。
【0032】
よって、フレームメモリ50に記憶されている撮影出力をAとし、補正モードで得られた補正出力をBとし、演算処理回路60で減算処理し、
O=A−B
とすると、撮影モード時に得られた撮影出力の固定パターン等の誤差を取り除いた良好な像情報出力Oとすることができる。
【0033】
しかし、上記のような事が言えるのは2次元エリアセンサの電源をon、つまり光電変換素子S11〜S33のG電極は読み取り用電源Vsにより負電位にしてから所定時間経過して安定した状態になっている場合である。そのため装置の電源投入時に光電変換素子S11〜S33のG電極を読み取り用電源Vsにより負電位にして安定した状態にした後以降、装置の電源を切断するまでG電極に負電圧印加した状態を保っていた。
【0034】
しかしこのような二次元エリアセンサは光電変換素子S11〜S33のG電極に電圧を印加した状態を長時間続けると性能が劣化するという欠点があった。これを改善するために、撮影時以外では、光電変換素子S11〜S33のG電極に電圧印加を中止するスリ−プ状態にし、撮影時では、光電変換素子S11〜S33のG電極に電圧印加を行うレディ状態にするという駆動方法を用いる必要がある。
【0035】
図4は、そのような駆動制御を示すタイミング図である。mは撮影モードや補正モードを示し、pは上記スリープ状態やレディ状態を示し、xはX線曝射を示し、dはダーク電流の変化を示している。スリープ状態(光電変換素子S11〜S33のG電極に電圧印加を中止する)からa点でレディ状態(光電変換素子S11〜S33のG電極に電圧印加を行なう)とした後、かなり長い所定時間(10sec程度)経過後以降にb点からc点までを撮影モード、d点からe点までを補正モードとしていた。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では光電変換素子のG電極に電圧印加を行なう事に起因するダーク電流の変化があるために、以下のような欠点があった。図4のdkは光電変換素子のG電極に電圧印加を行う事に起因するダーク電流の変化を示しており、スリープ状態からレディ状態にしたa点でダーク電流は大きくなった後、時間の経過とともに減少していく様子を表している。図4でダーク電流がほぼ一定に落ち着いたb点〜e点にて撮影や補正を行う事により上記のようなダーク電流の変化の影響を避けていた。しかしながらレディ状態にしてからダーク電流をほぼ一定に落ち着かす為には待ち時間を大きく(通常10sec程度)設定する必要があり、その結果、撮影しようとしてから実際の撮影を行うまでに長時間待たねばならず、使い勝手の悪い装置になるという欠点があった。
【0037】
また、逆に上記欠点を回避して待ち時間を少なくしようとして、スリープ状態からレディ状態にしたa点からすぐに撮影モードや補正モードを行うと、ダーク電流が変化している時に補正を行おうとするので、その変化分だけ誤差が発生してしまい精度良い補正が出来ないという欠点があった。図5は上記のような待ち時間を少なくした時の誤差を説明した信号図である。dkのダーク電流の変化が急な時にAの撮影モードやBの補正モードを行っている。このAの撮影モードやBの補正モードは図3のA,Bに対応するものであり、dkのようにダーク電流が変化している事を考慮してA、Bのv1〜v9までの出力を考え、v1(A)−v1(B)≡v1(A−B)と表記すると、
v1(A―B)>v2(A−B)>・・・・・>v9(A−B)
のような関係となり補正誤差が出ることになる。
【0038】
図6は、そのような補正誤差を図示したものであり、図2のS11〜S33に対応させてその出力v1〜v9の(A−B)の大きさを棒グラフに表している。このようにスリープ状態からレディ状態にしたa点からすぐに撮影モードや補正モードを行うと、ダーク電流の変化の影響を受け、図6のように強度分布が発生してしまう。これを画像で見ると左上が明るく、右下が暗い画像になってしまい、求めようとする画像に好ましくない影響を与えてしまっていた。(図4のようにdkのダーク電流が一定になった時にAの撮影モードやBの補正モードを行った場合は、図6のv1(A−B)〜v9(A−B)はゼロとなりダーク電流の変化の影響はゼロとなり補正出力は撮影出力中の好ましくない誤差だけが同じ量含まれていることになる。)
【0039】
本発明はこのような問題を解決するために成されたものであり、撮影しようとしてから実際の撮影を行うまでの待ち時間が少なくても、誤差の少ない撮影出力を得ることを可能とした撮像装置、撮像方法及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、二次元に配列した複数の光電変換素子を有し、その一部に光を検出しないダミーの光電変換素子を含む撮像手段と、撮影時の撮影出力を記憶する手段と、前記撮影時の撮影条件を記憶する手段と、前記撮影の後に、光が入射しない状態で、前記記憶しておいた前記撮影条件を用いて前記撮像手段を動作させることにより得られる補正出力を記憶する手段と、前記ダミーの光電変換素子ではない前記光電変換素子の前記撮影出力と前記補正出力との差分から、前記ダミーの光電変換素子の前記撮影出力と前記補正出力との差分を引いて、像情報出力とする手段とを有することを特徴とする。
本発明の撮像方法は、二次元に配列した複数の光電変換素子を有し、その一部に光を検出しないダミーの光電変換素子を含む撮像手段を備えた撮像装置による撮像方法であって、撮影時の撮影出力を記憶する手順と、前記撮影時の撮影条件を記憶する手順と、前記撮影の後に、光が入射しない状態で、前記記憶しておいた前記撮影条件を用いて前記撮像手段を動作させることにより得られる補正出力を記憶する手順と、前記ダミーの光電変換素子ではない前記光電変換素子の前記撮影出力と前記補正出力との差分から、前記ダミーの光電変換素子の前記撮影出力と前記補正出力との差分を引いて、像情報出力とする手順とを有することを特徴とする。
【0057】
本発明のプログラムは、上記の撮像方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0058】
本発明の記憶媒体は、上記撮像方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0059】
【作用】
本発明においては、二次元に配列した複数の光電変換素子を有し、その一部に光を検出しないダミーの光電変換素子を含む撮像手段を備えた撮像装置を用いて先ず撮影を行い、撮影出力を得て、この撮影出力と、撮影条件を記憶しておき、前記撮影の後に、光が入射しない状態で、記憶しておいた撮影条件を用いて撮像手段を動作させることにより得られる補正出力を記憶する。そして、「前記ダミー光電変換素子ではない前記光電変換素子の撮影出力と補正出力との差分」から「前記ダミーの光電変換素子の撮影出力と補正出力との差分」を引くことにより、より誤差の少ない撮影出力を得ることが可能となり、高S/Nの像情報を得ることができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図7は本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の全体システムブロック図である。なお、図1と同一機能の部分には同一符号を付している。本実施形態では医療用X線診断を目的とする放射線撮像装置が構成されている。
【0062】
図7において、10はX線13をパルス状に発することができるX線源であり、撮影条件制御手段として働くAEコントローラ30によりX線パルスのオン、オフやX線源内の管球の管電圧、管電流が制御される。X線源10で発したX線13は診断対象となる患者である被写体11を透過しX線を可視光に変換するCsI、Gd2 O2 S等で構成される蛍光体12に入射する。このとき被写体11を透過するX線は被写体11の内部の骨や内蔵の大きさや形、病巣の有無により透過量が異なりそれらの像情報が含まれている。このX線13は蛍光体12により可視光に変換され像情報光14として撮像手段として働く二次元エリアセンサ20に入射する。二次元エリアセンサ20は二次元に配列した複数の光電変換素子とそれらを駆動する駆動回路からなり、像情報光14を二次元情報を含む電気信号に変換して出力する。
【0063】
二次元エリアセンサ20は、AEコントローラ30により蓄積時間や駆動スピードが制御される。二次元エリアセンサ20の出力はゲイン調整回路21に入力されるとともにAEコントローラ30にも撮影条件を制御するための情報として入力される。
【0064】
AEコントローラ30には、撮影条件を制御するために制御パネル32や温度センサ33およびフォトタイマ31の出力も入力されている。制御パネル32は医師もしくは技師が患者の症状、体格、年齢や得たい情報を考慮し撮影露光の度に最適な撮影出力が得られるように条件をパネル操作で入力し、電気信号に変換されAEコントローラ30に入力される。
【0065】
温度センサ33は撮影露光時における部屋の温度や管球の温度および二次元エリアセンサ20等の、温度により特性が変化し最適な動作条件が変化する構成部品の温度を検出しAEコントローラ30に入力される。これら検出される温度はまさに撮影露光されている時点の温度であることが好ましい。
【0066】
フォトタイマ31は、被写体11と二次元エリアセンサ20との間におかれ撮影露光中に被写体11の基準部分(例えば肺胞部)を透過するX線の量を検知しAEコントローラ30に入力される。フォトタイマ31でのX線の吸収は微少なため撮影露光にほとんど悪影響しない。
【0067】
AEコントローラ30は、これら入力の撮影露光の直前の値もしくは撮影露光中の値をもとにX線源10のX線パルス幅や二次元エリアセンサ20の蓄積時間・駆動スピードおよびゲイン調整回路21の増幅率を自動制御および設定制御できる。これら制御によりゲイン調整回路21の出力を適切な撮影出力にすることが可能である。
【0068】
また、このときAEコントローラ30が撮影露光時に制御・設定した条件は条件記憶手段として働く条件メモリ回路40に条件値として記憶しておくことが可能である。この条件メモリ回路40は条件を記憶できると同時に、逆に記憶した条件値をAEコントローラ30に入力することも可能である。このときAEコントローラ30は条件メモリ回路40から入力された条件値をもとにX線源10、二次元エリアセンサ20およびゲイン調整回路21を制御・設定し動作させることができる。つまり、過去の撮影露光条件と同じ制御・設定で再び撮影露光することが可能となっている。このとき一部の条件や制御・設定を異ならすことにより補正露光としゲイン調整回路21の出力を補正出力とすることができる。つまり、X線パルスを発せずに他は前回の撮影露光時と同じにしシステムを動作させれば、二次元エリアセンサ20の暗時出力の補正出力が得られる。
【0069】
図7中、80内は補正回路であり、撮影露光時に得られる撮影出力はスイッチ56を介し撮影出力記憶手段であるフレームメモリ50に一度記録でき、補正露光時に得られる補正出力はスイッチ56を介し補正出力記憶手段であるフレームメモリ57に一度記録でき、フレームメモリ50に記憶された撮影出力Aとフレームメモリ57に記憶された補正出力Bにより演算処理回路60で処理し撮影時の誤差を取り除いた像情報出力Oとすることができる。この像情報出力Oは画像処理システム等に電送される。
【0070】
70はシステム制御回路であり撮影露光開始ボタン71が押されたことを検知し、図示はしていないがAEコントローラ30を介してX線源10、二次元エリアセンサ20、ゲイン調整回路21を制御し撮影露光や補正露光を行い、また、スイッチ51、フレームメモリ50および演算処理回路60を制御し補正回路80として動作させる。
【0071】
すなわち、図7に示す構成は、二次元に配列した複数の光電変換素子を含む撮像手段20と、前記光電変換素子に像情報光の入射を制御可能な像情報入射手段10と、撮影条件を自動制御および設定制御可能な撮影条件制御手段30と、および前記撮影条件制御手段が自動制御された条件を記憶する条件記憶手段40とを有する撮像装置において、先ず、自動制御で所望の撮影出力が得られるよう前記撮影条件制御手段30を動作させながら前記像情報入射手段31により像情報光を前記撮像手段20に入射させ、このときの撮影出力を撮影出力記憶手段50に記憶させると同時に前記撮影条件制御手段30が選択した設定値を前記条件記憶手段40に記憶させ、その後、前記条件記憶手段40に記憶された設定値により前記撮影条件制御手段30を設定動作させ、このときの出力を補正出力とし、このときの補正出力を補正出力記憶手段57に記憶させこれと前記撮影出力記憶手段50に記憶された撮影出力と前記補正出力記憶手段57に記憶された補正出力により演算処理回路60で処理し、撮像手段20の誤差を取り除いた出力とすることを特徴とする撮像装置、及び撮像方法である。
【0072】
図2は、二次元エリアセンサ20の構成を示す全体回路図である。図2において、S11〜S33は光電変換素子で下部電極側をG、上部電極側をDで示している。C11〜C33は蓄積用コンデンサ、T11〜T33は転送用TFTである。Vsは読み出し用電源、Vgはリフレッシュ用電源であり、それぞれスイッチSWs、SWgを介して光電変換素子S11〜S33のG電極に接続されている。スイッチSWsはインバータを介して、スイッチSWgは直接にリフレッシュ制御回路RFに接続されており、リフレッシュ期間はSWgがon、その他の期間はSWsがonするよう制御されている。1画素は1個の光電変換素子とコンデンサ、およびTFTで構成され、その信号出力は信号配線SIGにより検出用集積回路ICに接続されている。本実施形態の二次元エリアセンサは計9個の画素を3つのブロックに分け1ブッロクあたり3画素の出力を同時に転送しこの信号配線を通して検出用集積回路によって順次出力に変換され出力される。また1ブロック内の3画素を横方向に配置し、3ブロックを順に縦に配置することにより各画素を二次元的に配置している。
【0073】
S11は光電変換素子、T11はTFT、C11はコンデンサ、およびSIGは信号配線である。本実施形態においてはコンデンサC11と光電変換素子S11とは特別に素子を分離しておらず光電変換素子S11の電極の面積を大きくすることによりコンデンサC11を形成している。これは本実施形態の光電変換素子とコンデンサが同じ層構成であるから可能で本実施形態の特徴でもある。画素上部にはパッシベーション用窒化シリコン膜SiN8 とCsI、Gd2 O2 S等の蛍光体12が形成されている。上方より像情報の含まれるX線13が入射すると蛍光体12により像情報光14に変換され、この光が光電変換素子に入射される。
【0074】
前記光電変換素子はその一部に光が入射しないよう受光面を遮光膜や遮光板などでマスクしたダミー光電変換素子を設けておく。この第1の実施形態では図2、8において左端部のS11、S21、S31をダミー光電変換素子部としている。
【0075】
次に図7、図2および図3によって本実施形態の放射線撮像装置の動作について説明する。前述の説明のように本実施形態においての光電変換素子は定期的にリフレッシュすれば光電電変換モードにおいては入射した光に比例した光電流を出力する光センサとして動作する。図3は撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0076】
まず、医師または技師は診断対象である患者、つまり被写体11をX線源10と二次元エリアセンサ20の間に置き診断したい部位が観察できるように被写体にポーズさせる。同時に前もって問診等で得た患者の症状、体格、年齢や得たい情報を考慮し最適な撮影出力が得られるように条件を制御パネル32に入力する。この信号は電気信号でAEコントローラ30に電送される。同時に条件メモリ回路40にこれら条件が記憶される。
【0077】
この状態で医師または技師が撮影露光開始ボタン71を押すと撮影モードが開始される。
【0078】
図5のa点でレディ状態、つまり2次元エリアセンサの電源をon、つまり光電変換素子S11〜S33のG電極は読み取り用電源Vsにより負電位にする。次にシステム制御回路70は二次元エリアセンサ20をリフレッシュ動作させる。ここでリフレッシュ動作を説明する。まずシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s2にHiが印可される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイッチM1〜M3がonし導通し、光電変換素子S11〜S33のD電極はGND電位になる(積分検出器Ampの入力端子はGND電位に設計されているため)。同時にリフレッシュ制御回路RFがHiを出力しスイッチSWgがonし光電変換素子S11〜S33のG電極はリフレッシュ用電源Vgにより正電位になる。すると光電変換素子S11〜S33はリフレシュモードになりリフレッシュされる。つぎにリフレッシュ制御回路RFがLoを出力しスイッチSWsがonし光電変換素子S11〜S33のG電極は読み取り用電源Vsにより負電位になる。すると光電変換素子S11〜S33は光電変換モードになり同時にコンデンサC11〜C33は初期化される。この状態でシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s2にLoが印可される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイッチM1〜M3がoffし、光電変換素子S11〜S33のD電極はDC的にはオープンになるがコンデンサC11〜C13によって電位は保持される。しかしこの時点ではX線は入射されていないため光電変換素子S11〜S33には光は入射されず光電流は流れない。これでリフレッシュ動作は終了する。
【0079】
この時点で温度センサ33は撮影露光時における部屋の温度や管球の温度および二次元エリアセンサ20等の、温度により特性が変化し最適な動作条件が変化する構成部品の温度を検出しAEコントローラ30に入力される。これら検出される温度はまさに撮影露光される直前の温度である。同時に条件メモリ回路40にこれら温度が条件として記憶される。
【0080】
ここでAEコントローラは制御パネル32からの情報と温度センサ33からの情報で撮影露光時における初期条件を決定する。同時に条件メモリ回路40にこれら初期条件が記憶される。初期条件の内容はX線源10の管球の電圧、電流および最大パルス幅や二次元エリアセンサ20の駆動スピードである。例えば、制御パネル32で胸部が設定されていればX線源10の管球の電圧は高く、腹部の場合は低く条件を設定する。また、制御パネル32で患者が子どもや妊婦が指示されていれば、フォトタイマ31による終了条件を短く設定し、最大パルス幅も短く設定される。二次元エリアセンサ20の温度が高い場合は光電変換素子の暗電流が高いがTFTの能力が高いため駆動スピードを速くし暗電流の蓄積を抑えS/Nの低下を防ぐ最適条件にしたり、逆に温度が低いときはTFTの能力が低いが光電変換素子の暗電流も低いため駆動スピードを低くしTFTの電荷の転送の低下による画像の歪みを抑える。
【0081】
この初期条件でX線が出射され被写体11を通過し蛍光体12に入射すると光に変換され、その光がそれぞれの光電変換素子S11〜S33に入射する。同時に被写体11と二次元エリアセンサ20との間におかれたフォトタイマ31にも入射する。これら光は人体等の内部構造の情報が含まれている。フォトタイマ31の出力は随時AEコントローラ30に入力され、この値の積分が初期条件で決められた一定値を越えるとAEコントローラ30はX線をストップさせる。これにより撮影露光において最適な露光量が得られる。また、もし初期条件で決められた最大パルス幅になった場合はフォトセンサ31にかかわらずAEコントローラ30はX線をストップさせる。このとき、条件メモリ回路40にはこれら実際に出射されたパルス幅を露光時間として記憶される。
【0082】
ある一定量この光により流れた光電流は電荷としてそれぞれのコンデンサC11〜C33に蓄積されX線の入射終了後も保持される。つぎに二次元エリアセンサ20は読み出し動作をする。シフトレジスタSR1により制御配線g1にHiの制御パルスが印可され、シフトレジスタSR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印可によって転送用TFT・T11〜T13、スイッチM1〜M3を通してv1〜v3が順次出力される。同様にシフトレジスタSR1、SR2の制御により他の光信号も出力される。これにより人体等の内部構造の二次元情報がv1〜v9として得られる。
【0083】
これら出力はゲイン調整回路21に入力されると共にAEコントローラ30にも入力される。AEコントローラ30ではこれら出力を適切な値にするためのゲインを随時判断し、その値を条件メモリ回路40に記憶させると同時にゲイン調整回路21に指示する。これによりゲイン調整回路21の出力は後にそれらを処理するのに最適な撮影出力となる。この撮影出力はシステム制御回路70によって制御されたスイッチ56を介し撮影出力記憶手段であるフレームメモリ50に一度記録される。
【0084】
以上の説明のとおり、AEコントローラ30は制御パネル32、温度センサ33、フォトタイマ31および二次元エリアセンサ20の設定や出力によりX線源10や二次元エリアセンサ20やゲイン調整回路21をほぼリアルタイムに自動制御し、その結果、最適に近い各種条件で撮影出力を得ることができる。これで撮影モードは終了する。
【0085】
次に、システム制御回路70は補正モードに入り再び二次元エリアセンサ20をリフレッシュ動作させる。リフレッシュ終了後、撮影露光時に条件メモリ回路40に記憶された各種条件をAEコントローラ30に呼び出す。そして、X線源10以外は撮影モード時と全く同じ条件で動作させる。つまり、温度センサ33やフォトタイマ31の出力は使わずに条件メモリ回路40に記憶された値に基づき動作させる。X線源10は補正モードでは動作させず、X線は出射しない。ただし、X線源10を動かさなくとも撮影モード時の露光時間に相当する時間を待ってから二次元エリアセンサ20は読み出し動作を行う。駆動スピードやゲイン調整回路21のゲインは撮影モードと同じ条件で動作させる。この時のゲイン調整回路21の出力を補正出力とする。つまり、X線源10や二次元エリアセンサ20やゲイン調整回路21を条件メモリ回路40の記憶された値に設定制御し補正出力を得ることができる。この補正出力はシステム制御回路70によって制御されたスイッチ56を介し補正出力記憶手段であるフレームメモリ57に記録される。
【0086】
この補正出力は各画素のダーク時の電流や、転送時の固定パターンノイズや、二次元エリアセンサ20の内部のアンプやゲイン調整回路21のオフセット電圧などを反映した出力である。この補正出力は駆動スピードも同じであるからクロックリーク等の影響による固定パターンの影響量も同じである。さらにゲインも同じためオフセット電圧の影響量も同じである。しかし、この補正出力は撮影モード時と同じ蓄積時間であるがレディになってからすぐなのでダーク時の電流の蓄積による影響量が異なっている。つまり、条件メモリ回路40により撮影モードと補正モードでX線源以外全く同じ動作であるから先に述べた各画素のダーク時の電流以外はX線の出射、非出射以外の撮影にとって好ましくない影響量が同じになる。
【0087】
そこで、上記のダーク時の電流の蓄積による影響を下記のようにして補正する。図8は図2のように配置された光電変換素子の出力値との補正方法を示す図である。
【0088】
撮影出力Aは撮影出力記憶手段であるフレームメモリ50に記録された撮影時の出力を示す二次元情報がv1(A)〜v9(A)であり、補正出力Bは補正出力記憶手段であるフレームメモリ57に記録された補正時の出力を示す二次元情報がv1(B)〜v9(B)である。
【0089】
図8の補正1の図は図7の演算処理回路60で減算処理(撮影出力A−補正出力B)した値である。なおv1(A)−v1(B)はv1(A−B)等のように簡略化して記している。ここで図8において左端部のS11、S21、S31をダミー光電変換素子部とするとv1(A−B)、v4(A−B)、v7(A−B)はダミー光電変換素子部の撮影出力と補正出力の差分であり、これはダーク時の電流の蓄積による影響を表している。また、v2(A−B)、v3(A−B)、v5(A−B)、v6(A−B)、v8(A−B)、v9(A−B)は従来どおりに補正した結果である。
【0090】
そこで図8の補正2−1は従来どおりに補正した結果であるv2(A−B)、v3(A−B)、v5(A−B)、v6(A−B)、v8(A−B)、v9(A−B)から対応する行の左端部のダミー光電変換素子部の撮影出力と補正出力の差分を引いて補正した値である。つまりv2(A−B)、v3(A−B)からはv1(A−B)を引き、v5(A−B)、v6(A−B)からはv4(A−B)を引き、v8(A−B)、v9(A−B)からはv7(A−B)を引いたものである。
【0091】
これはv2(A−B)、v3(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その左端のv1(A−B)の量だけ影響が及んでいるものとして補正を行うものである。同様に、v5(A−B)、v6(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その左端のv4(A−B)の量だけ影響が及んでいるものとし、v8(A−B)、v9(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その左端のv7(A−B)の量だけ影響が及んでいるものとして補正を行う。
【0092】
このようにして撮影モード時に得られた撮影出力の固定パターン等の誤差及びダーク時の電流の蓄積による影響を取り除いた良好な像情報出力を得ることができる。図6においてs12、s22、s32をダミー光電変換素子とすると、左部のs11、s21、s31の部分と右部のs13、s23、s33の部分が連続しないので、s12、s22、s32の位置に不感部が出来てしまい、画像部にタテ筋が入ったようになってしまうが、本実施形態ではダミー光電変換素子の位置を2次元配置の端部に設けているので、実際に光を検知できる光電変換素子を連続して配置可能となり、2次元配置の内部にダミー素子部を無くせるので、画像内に不感部の無い良好な画像となる。
【0093】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態に比較して第2の実施形態の異なる大きな点は、図8の補正方法である。他は第1の実施形態とほぼ同じため図9に基づき異なる部分のみ説明する。
【0094】
図9は図2のように配置された光電変換素子の出力値と第2の実施形態の補正方法を示す図である。補正はフレームメモリ50に記憶されている撮影出力をAとし、フレームメモリ57に記憶されている補正出力をBとし、演算処理回路60で減算処理して行う。
【0095】
ここで図9において右端部のS13、S23、S33をダミー光電変換素子部とすると図9の補正1の図においてv3(A−B)、v6(A−B)、v9(A−B)はダミー光電変換素子部の撮影出力と補正出力の差分であり、これはダーク時の電流の蓄積による影響を表している。第1の実施形態を示す図9と異なる点はダミー光変換素子を左端部の代わりに右端部としている点である。そしてv1(A−B)、v2(A−B)、v4(A−B)、v5(A−B)、v7(A−B)、v8(A−B)は従来どおりに補正した結果である。補正1は第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0096】
図9の補正2−2は従来どおりに補正した結果であるv1(A−B)、v2(A−B)、v4(A−B)、v5(A−B)、v7(A−B)、v8(A−B)から対応する行の右端部のダミー光電変換素子部の撮影出力と補正出力の差分を引いて補正した値である。つまりv1(A−B)、v2(A−B)からはv3(A−B)を引き、v4(A−B)、v5(A−B)からはv6(A−B)を引き、v7(A−B)、v8(A−B)からはv9(A−B)を引いたものである。
【0097】
これはv1(A−B)、v2(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その右端のv3(A−B)の量だけ影響が及んでいるものとして補正を行うものである。同様に、v4(A−B)、v5(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その右端のv6(A−B)の量だけ影響が及んでいるものとし、v7(A−B)、v8(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その右端のv9(A−B)の量だけ影響が及んでいるものとして補正を行う。
【0098】
このようにして撮影モード時に得られた撮影出力の固定パターン等の誤差及びダーク時の電流の蓄積による影響を取り除いた良好な像情報出力を得ることができる。
【0099】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1、2の実施形態に比較して第3の実施形態の異なる大きな点は、図8、9の補正方法である。他は第1、2の実施形態とほぼ同じため図10に基づき異なる部分のみ説明する。
【0100】
図10は図2のように配置された光電変換素子の出力値と第3の実施形態の補正方法を示す図である。補正はフレームメモリ50に記憶されている撮影出力をAとし、フレームメモリ57に記憶されている補正出力をBとし、演算処理回路60で減算処理及び下記に示す演算を行う。
【0101】
ここで図10において左端部のS11、S21、S31、右端部のS13、S23、S33をダミー光電変換素子部とすると図9の補正1の図においてv1(A−B)、v4(A−B)、v7(A−B)とv3(A−B)、v6(A−B)、v9(A−B)はダミー光電変換素子部の撮影出力と補正出力の差分であり、これはダーク時の電流の蓄積による影響を表している。第1及び第2の実施形態1、2を示す図8、9と異なる点はダミー光変換素子を左端部や右端部の代わりに左右の両端部としている点である。そしてv2(A−B)、v5(A−B)、v8(A−B)は従来どおりに補正した結果である。補正1は第1及び第2の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0102】
図10の補正2−3は従来どおりに補正した結果であるv2(A−B)、v5(A−B)、v8(A−B)から対応する行の左右端部のダミー光電変換素子部の撮影出力と補正出力の差分を平均化した値を引いて補正した値である。つまりv2(A−B)からは(v1(A−B)+v3(A−B))/2を引き、v5(A−B)からは(v4(A−B)+v6(A−B))/2を引き、v8(A−B)からは(v7(A−B)+v9(A−B))/2を引いたものである。
【0103】
これはv2(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その左右端のv1(A−B)とv3(A−B)の中間の量だけ影響が及んでいるものとして補正を行うものである。同様に、v5(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その左右端のv4(A−B)とv6(A−B)の中間の量だけ影響が及んでいるものとし、v8(A−B)には、ダーク時の電流の蓄積による影響が、その左右端のv7(A−B)とv9(A−B)の中間の量だけ影響が及んでいるものとして補正を行う。
【0104】
このようにして撮影モード時に得られた撮影出力の固定パターン等の誤差及びダーク時の電流の蓄積による影響を取り除いた良好な像情報出力を得ることができる。
【0105】
なおこの第3の実施形態では3×3の光電変換素子で説明を行っているため、v2(A−B)、v5(A−B)、v8(A−B)の補正は左右の各ダミー部の補正1の平均値を使用しているが、m×nの光電変換素子では左右のダミー部の間のマスクしていない光電変換素子のダーク時の電流の蓄積による変化がリニアに変化しているとして、左右の各ダミー部の補正1の値を直線補間して、その各光電変換素子の位置に応じて補正を行っても差し支えない。
【0106】
またm×nの光電変換素子であっても左右の各ダミー部の補正1の平均値を使用しても差し支えない。
【0107】
(第4の実施形態)
上記第3の実施形態では補正を、m×nの光電変換素子では左右のダミー部の間のマスクしていない光電変換素子のダーク時の電流の蓄積による変化がリニアに変化しているとして、左右のダミー部の補正1の値を直線補間して、その各光電変換素子の位置に応じて補正を行ったが、左右のダミー部の間のマスクしていない光電変換素子のダーク時の電流の蓄積による変化がある関数に従って変化している場合は、左右又は左端部、又は右端部のダミー部の補正1の値を使用して関数補間して行っても良い。
【0108】
本実施形態の二次元エリアセンサでは9個の画素を3×3に二次元配置し3画素ずつ同時に、3回に分割して転送・出力したがこれに限らず、例えば縦横1mmあたり5×5個の画素を2000×2000個の画素を二次元的に配置すれば40cm×40cmの二次元エリアセンサが得られ、医療用X線診断を目的とする放射線撮像装置が構成できる。するとフィルムと異なり瞬時にその出力をCRTで映し出すことが可能で、さらに出力をディジタルに変換しコンピュータで画像処理して目的に合わせた出力に変換することも可能である。また光磁気ディスクに保管もでき、過去の画像を瞬時に検索することもできる。また感度もフィルムより良く人体に影響の少ない微弱なX線で鮮明な画像を得ることもできる。
【0109】
本実施形態ではダミー光電変換素子を読み取り行の開始点と終了点の左右端部としているが、たとえば読み取り開始行や最終行、つまり上下端部をダミー光電変換素子として補正しても差し支えない。また、2次元配置の4隅や、上又は下端部の両端部、2次元配置の1隅として補正しても差し支えない。
【0110】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第1の実施形態に比較して第2の実施形態では、撮影モードと補正モードの時間間隔Δtを測定するようにしている。以下第1の実施形態に基づいて相違点を中心に説明する。この時間間隔はX線照射時間設定などにより変化するものであるので、その度毎に測定を行う。
【0111】
この補正出力は各画素のダーク時の電流や、転送時の固定パターンノイズや、二次元エリアセンサ20の内部のアンプやゲイン調整回路21のオフセット電圧などを反映した出力である。この補正出力は駆動スピードも同じであるからクロックリーク等の影響による固定パターンの影響量も同じである。さらにゲインも同じためオフセット電圧の影響量も同じである。しかし、この補正出力は撮影モード時と同じ蓄積時間であるがレディになってからすぐなのでダーク時の電流の蓄積による影響量が異なっている。つまり、条件メモリ回路40により撮影モードと補正モードでX線源以外全く同じ動作であるから先に述べた各画素のダーク時の電流以外はX線の出射、非出射以外の撮影にとって好ましくない影響量が同じになる。
【0112】
そこで、上記のダーク時の電流の蓄積による影響を下記のようにして補正する。図11は、駆動制御を示すタイミングと補正方法を示す図である。これは補正出力であるv1(B)〜v9(B)からX線照射が無いと仮定した時の撮影出力の値であるv01(A)〜v09(A)を推定し、撮影出力に対して補正を行うものである。
【0113】
図11において、あらかじめ求めておいたダーク電流の変化をv=f(t)とする。vがダーク電流であり、tがレディからの時間である。ここでは説明を容易にするためにv1についてのみ説明を行うがv2〜v9についても同様に計算を行う。
【0114】
▲1▼フレームメモリ57から補正出力であるv1(B)を読み出す。
▲2▼v=f(t)とv1(B)が既知となるのでt1≡f-1(v1(B))
▲3▼上記にあるように撮影モードと補正モードの時間間隔Δtは測定しておく
▲4▼撮影モードでのv01(A)のレディからの時間はt1−Δtとなる
▲5▼v=f(t)とt1−Δtが既知となるのでX線照射が無いと仮定した時
撮影出力v01(A)(=補正値)を下記のように算出する。
01(A)=f(t1−Δt)
▲6▼フレームメモリ50からの撮影出力v1(A)を下記のように補正する。
v1(A)−v01(A)
【0115】
図12は上記の補正方法に従って補正した時のフレームメモリ50,57、演算処理回路60の演算結果を示す図である。
【0116】
図12において「撮影出力A」は撮影出力記憶手段であるフレームメモリ50に記録された撮影時の出力を示す二次元情報がv1(A)〜v9(A)であり、「補正出力B」は補正出力記憶手段であるフレームメモリ57に記録された補正時の出力を示す二次元情報がv1(B)〜v9(B)である。「補正値1」は演算処理回路60による▲2▼〜▲5▼の計算結果、「補正」は同じく演算処理回路60による▲6▼の補正結果である。このように、第5の実施形態では各ポイントに対して個々に補正を行う。
【0117】
このようにして撮影モード時に得られた撮影出力の固定パターン等の誤差及びダーク時の電流の蓄積による影響を取り除いた良好な像情報出力を得ることができる。本実施形態では補正出力v1(B)〜v9(B)の全てを使用して補正を行っているので、2次元配置全面に渡って正確に補正できるので精度良い画像となる。
【0118】
また、このダーク時の電流の変化のグラフは、例えばレディからの時間を変化させて何回かv1(B)〜v9(B)の出力を得てプロットすれば簡単に求めることが出来る。そしてこの得たグラフを基に、通常は指数関数で近似した関数を求めても良いし、さらにはもっと高度な関数を用いて表してもよい。
【0119】
(第6の実施形態)
次に、本発明における第6の実施形態を説明する。第5の実施形態に比較して第6の実施形態の異なる大きな点は、図12の補正方法のうち補正値1の設定方法である。他は第5の実施形態とほぼ同じため図13の補正値2の図に基づき異なる部分のみ説明する。
【0120】
図13の補正値2の図は第5の実施形態に基づいて計算した演算処理回路60による計算結果である。この第6の実施形態では同じ読み取りラインの補正は、第5の実施形態の▲2▼〜▲5▼に従って算出した左端部の補正値であるv01(A)、v04(A)、v07(A)をその各読み取りライン上の補正値として、以降第5の実施形態と同様に補正を行うものである。
【0121】
これは、ダーク時の電流の蓄積による影響のを、読み取りラインの左端の補正値を代表値として近似的に補正するものであって、各ポイントに対して計算する必要が無いので処理時間を短縮することが出来る。
【0122】
(第7の実施形態)
次に、本発明における第3の実施形態を説明する。第5の実施形態に比較して第7の実施形態の異なる大きな点は、図12の補正方法のうち補正値1の設定方法である。他は第5の実施形態とほぼ同じため図13の補正値3の図に基づき異なる部分のみ説明する。
【0123】
図13の補正値3の図は第7の実施形態に基づいて計算した演算処理回路60による計算結果である。この第7の実施形態では同じ読み取りラインの補正は、第5の実施形態の▲2▼〜▲5▼に従って算出した右端部の補正値であるv03(A)、v06(A)、v09(A)をその各読み取りライン上の補正値として、以降第5の実施形態と同様に補正を行うものである。
【0124】
これは、ダーク時の電流の蓄積による影響を、読み取りラインの右の補正値を代表値として近似的に補正するものであって、各ポイントに対して計算する必要が無いので処理時間を短縮することが出来る。
【0125】
(第8の実施形態)
次に、本発明における第8の実施形態を説明する。第5の実施形態に比較して第8の実施形態の異なる大きな点は、図12の補正方法のうち補正値1の設定方法である。他は第5の実施形態とほぼ同じため図13の補正値4の図に基づき異なる部分のみ説明する。
【0126】
図13の補正値4の図は第8の実施形態に基づいて計算した演算処理回路60による計算結果である。この第8の実施形態では例えばs11、s12、s13の同じ読み取りラインの補正は、第5の実施形態の▲2▼〜▲5▼に従って算出した各補正値であるv01(A)、v02(A)、v03(A)の平均値をその各読み取りライン上の補正値とし、またs21、s22、s23の同じ読み取りラインの補正は、第5の実施形態の▲2▼〜▲5▼に従って算出した各補正値であるv04(A)、v05(A)、v06(A)の平均値をその各読み取りライン上の補正値とし、またs31、s32、s33の同じ読み取りラインの補正は、第5の実施形態の▲2▼〜▲5▼に従って算出した各補正値であるv07(A)、v08(A)、v09(A)の平均値をその各読み取りライン上の補正値とし、以降第5の実施形態と同様に補正を行うものである。
【0127】
これは、ダーク時の電流の蓄積による影響を、読み取りラインの各補正値の平均値を代表値として近似的に補正するものであって、光電変換素子の感度などの特異的バラツキ等の影響を受けないので誤差の少ない良好な像情報を得ることが出来る。
【0128】
(第9の実施形態)
次に、本発明における第9の実施形態を説明する。上記第5〜8の実施形態では補正を、あらかじめ求めておいたダーク電流の変化をv=f(t)として補正値を算出したが、予めこのv=f(t)を計算し、データテーブルにして準備しておき、テーブルから求めることも可能である。図14はそのような本発明の第9の実施形態に係る撮像装置の全体システムブロック図である。第5〜8の実施形態に比較して第5の実施形態の異なる大きな点は、図7のように演算処理回路60が接続したデータテーブル用メモリ58からテーブルにしたv=f(t)の値を得る事が出来るようになっている点である。
【0129】
準備するデータテーブルはレディからの時間である各tの値に対応してダーク電流のvの値を示すものである。補正値の算出は第5の実施形態と同様な方法で行う。データテーブルから補正出力であるv=v1(B)に対応するt=t1を読み出し、測定しておいたところの撮影モードと補正モードの時間間隔Δtを用いて、t1−Δtを算出し、同じテーブルから、このt=t1−Δtに対応するvを読み出し補正値v01(A)を得て、第5の実施形態と同様にv1(A)−v01(A)のように補正する。このようにテーブルを使用する事によって、計算処理に要する時間が短縮出来る。
【0130】
(その他の実施形態1)
上述した第5、第6の実施形態では、左又は右端部の補正値をその各読み取りライン上の補正値として補正を行っているが、読み取りラインの中点位置やその他の位置の補正値を使用しても差し支えない。
【0131】
本実施形態の二次元エリアセンサでは9個の画素を3×3に二次元配置し3画素ずつ同時に、3回に分割して転送・出力したがこれに限らず、例えば縦横1mmあたり5×5個の画素を2000×2000個の画素を二次元的に配置すれば40cm×40cmの二次元エリアセンサが得られ、医療用X線診断を目的とする放射線撮像装置が構成できる。するとフィルムと異なり瞬時にその出力をCRTで映し出すことが可能で、さらに出力をディジタルに変換しコンピュータで画像処理して目的に合わせた出力に変換することも可能である。また光磁気ディスクに保管もでき、過去の画像を瞬時に検索することもできる。また感度もフィルムより良く人体に影響の少ない微弱なX線で鮮明な画像を得ることもできる。
【0132】
なお、上述の第1、2,3の実施形態では、前記光電変換素子の一部に光が入射しないようにするために受光面をマスクしたダミー光変換素子を設けたが、図2において、一部の光電変換素子をパターン上初めから形成しないようなダミー変換素子を用いても同様の効果が得られる。また、形成しない部分に光電変換素子と同等のコンデンサを形成しておいても良い。さらに光電変換素子だけではなくTFTも形成しない構成にする事も可能である。
【0133】
(その他の実施形態2)
上記様々な実施形態に示した各機能ブロックおよび処理手順は、上述のようにハードウェアにより構成しても良いし、CPUあるいはMPU、ROMおよびRAM等からなるマイクロコンピュータシステムによって構成し、その動作をROMやRAMに格納された作業プログラムに従って実現するようにしても良い。また、上記各機能ブロックの機能を実現するように当該機能を実現するためのソフトウェアのプログラムをRAMに供給し、そのプログラムに従って上記各機能ブロックを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0134】
この場合、上記ソフトウェアのプログラム自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体、及びそのプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムを記憶する記憶媒体としては、上記ROMやRAMの他に、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-I、CD-R、CD-RW、DVD、zip、磁気テープ、あるいは不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
【0135】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等の共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0136】
さらに、供給されたプログラムがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、撮影しようとしてから実際の撮影を行うまでに待ち時間が少なくても誤差の少ない撮影出力を得ることが可能となり、高S/Nの像情報を得ることができる。
【0138】
また、本発明によれば、光電変換素子の一部に光が入射しないように受光面をマスクしたダミーの光変換素子を用いたため、より実際に近い補正出力を得ることが出来るので精度良い画像となる。この際、一部の光電変換素子をパターン上初めから形成しないでダミーの変換素子を構成することにより、より構造が簡単でコストの低い装置を提供できる。
【0139】
また、本発明によれば、ダミーの光電変換素子を光電変換素子面の周辺部に設けることにより、欠けの無い連続した画像を得ることができるので精度良い画像を得ることが可能となる。
【0140】
また、本発明によれば、読み取りラインの先頭又は最終のダミー変換素子の補正出力値を用いて補正することにより、2次元に配置した光電変換素子を有効かつ最大限に使用する事ができ、小型の装置を提供することが可能となる。
【0141】
また、本発明によれば、読み取りラインの先頭と最終のダミー変換素子補正出力値を用いて補正することにより精度の高い補正を行うことができ、高S/Nの像情報を得ることができる。
【0142】
また、本発明によれば、予め求めておいた所定の関数を用いて撮像信号の補正を行うため、精度の良い画像を得ることが可能となる。
【0143】
また、本発明によれば、予め準備しておいたデータテーブルを用いて撮像信号の補正を行うため、計算処理に要する時間が短縮出来、使い勝手の良い装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の撮像装置のシステムを示すブロック図である。
【図2】二次元エリアセンサの構成を示す全体回路図である。
【図3】撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】従来例の駆動制御を示すタイミングチャートである。
【図5】従来例の問題点を説明した駆動制御を示すタイミングチャートである。
【図6】従来例の問題点となる補正誤差を示す模式図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置のシステムを示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る光電変換素子の出力値との補正方法を示す模式図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る光電変換素子の出力値との補正方法を示す模式図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る光電変換素子の出力値との補正方法を示す模式図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る補正方法を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る光電変換素子の出力値と補正方法を示す模式図である。
【図13】本発明の第6〜8の実施形態に係る光電変換素子の出力値と補正方法を示す模式図である。
【図14】本発明の第9の実施形態に係る撮像装置のシステムを示すブロック図である。
【符号の説明】
10 X線源
11 被写体
12 蛍光体
13 X線
14 像情報光
20 二次元エリアセンサ
21 ゲイン調整回路
30 AEコントローラ
31 フォトタイマ
32 制御パネル
33 温度センサ
40 条件メモリ回路
50 フレームメモリ
51 スイッチ
60 演算処理回路
70 システム制御回路
71 撮影露光開始ボタン
S11〜S33 光電変換素子
T11〜T33 転送用TFT
C11〜C33 コンデンサ
SR1、SR2 シフトレジスタ
IC 検出用集積回路

Claims (8)

  1. 次元に配列した複数の光電変換素子を有し、その一部に光を検出しないダミーの光電変換素子を含む撮像手段と
    撮影時の撮影出力を記憶する手段と、
    前記撮影時の撮影条件を記憶する手段と、
    前記撮影の後に、光が入射しない状態で、前記記憶しておいた前記撮影条件を用いて前記撮像手段を動作させることにより得られる補正出力を記憶する手段と、
    前記ダミーの光電変換素子ではない前記光電変換素子前記撮影出力と前記補正出力との差分から、前記ダミーの光電変換素子の前記撮影出力と前記補正出力との差分を引いて、像情報出力とする手段を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記ダミーの光電変換素子は、前記光電変換素子の一部に光が入射しないようにマスクすることにより構成したものであることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  3. 前記ダミーの光電変換素子は、前記光電変換素子の一部の領域をパターン形成しないことにより構成したものであることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  4. 前記ダミーの光電変換素子は、前記二次元に配列した複数の光電変換素子のうち周辺部に配置されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記ダミーの光電変換素子は、前記二次元に配列した複数の光電変換素子の各読み取りラインの先頭及び最後の両方又はいずれか一方の光電変換素子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 二次元に配列した複数の光電変換素子を有し、その一部に光を検出しないダミーの光電変換素子を含む撮像手段を備えた撮像装置による撮像方法であって、
    撮影時の撮影出力を記憶する手順と、
    前記撮影時の撮影条件を記憶する手順と、
    前記撮影の後に、光が入射しない状態で、前記記憶しておいた前記撮影条件を用いて前記撮像手段を動作させることにより得られる補正出力を記憶する手順と、
    前記ダミーの光電変換素子ではない前記光電変換素子の前記撮影出力と前記補正出力との差分から、前記ダミーの光電変換素子の前記撮影出力と前記補正出力との差分を引いて、像情報出力とする手順とを有することを特徴とする撮像方法。
  7. 請求項に記載の撮像方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 請求項に記載の撮像方法の手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
JP2001081339A 2001-03-21 2001-03-21 撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記憶媒体 Expired - Fee Related JP4738615B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001081339A JP4738615B2 (ja) 2001-03-21 2001-03-21 撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001081339A JP4738615B2 (ja) 2001-03-21 2001-03-21 撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記憶媒体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002281399A JP2002281399A (ja) 2002-09-27
JP2002281399A5 JP2002281399A5 (ja) 2010-04-15
JP4738615B2 true JP4738615B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=18937468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001081339A Expired - Fee Related JP4738615B2 (ja) 2001-03-21 2001-03-21 撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4738615B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5105940B2 (ja) 2007-04-06 2012-12-26 キヤノン株式会社 撮像装置、撮像システム、その制御方法及びプログラム
JP5648404B2 (ja) * 2010-10-07 2015-01-07 コニカミノルタ株式会社 放射線画像撮影システムおよび放射線画像撮影装置
JP7368948B2 (ja) 2019-03-12 2023-10-25 キヤノン株式会社 画像処理装置、放射線撮影装置および画像処理方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6053383A (ja) * 1983-09-02 1985-03-27 Toshiba Corp 電子カメラにおける撮像方式
JPH02164184A (ja) * 1988-12-19 1990-06-25 Toshiba Corp X線診断装置
JP3321787B2 (ja) * 1993-06-04 2002-09-09 ソニー株式会社 固体撮像素子
JPH06350930A (ja) * 1993-06-11 1994-12-22 Nec Corp イメージセンサの暗時出力補正装置
JP3893181B2 (ja) * 1996-02-26 2007-03-14 キヤノン株式会社 放射線撮像装置及び該装置の駆動方法
JP3815755B2 (ja) * 1997-01-17 2006-08-30 キヤノン株式会社 撮像方法及び撮像装置
JP4164134B2 (ja) * 1997-05-26 2008-10-08 キヤノン株式会社 撮像装置及び撮像方法
JP2000350032A (ja) * 1999-06-08 2000-12-15 Canon Inc 画像読取方法及び装置並びに記憶媒体
JP4828687B2 (ja) * 1999-07-29 2011-11-30 東芝医用システムエンジニアリング株式会社 放射線検出器のノイズリダクション方法、放射線診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002281399A (ja) 2002-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4164134B2 (ja) 撮像装置及び撮像方法
JP3815755B2 (ja) 撮像方法及び撮像装置
US7460641B2 (en) X-ray image taking device
US6127684A (en) Photoelectric conversion apparatus and driving method of the apparatus
JP3893181B2 (ja) 放射線撮像装置及び該装置の駆動方法
WO2019181494A1 (ja) 放射線撮像装置および放射線撮像システム
US6448561B1 (en) Photoelectric conversion apparatus and driving method of the apparatus
JP2001189891A (ja) センサのセンサ要素を読み出す方法及びセンサ
JP4352057B2 (ja) 撮像装置
WO2018135293A1 (ja) 放射線撮像装置及び放射線撮像システム
JP4772998B2 (ja) 半導体x線検出器の光導線性fetによって誘引されるオフセットの簡単な測定手段
JP4314073B2 (ja) 放射線撮像装置及び放射線撮像方法
JP4738615B2 (ja) 撮像装置、撮像方法、プログラム、及び記憶媒体
JP2002345797A (ja) 放射線撮像装置及び放射線撮像システム
JP2006263483A (ja) 撮像装置
JP4724311B2 (ja) 放射線検出装置及びそれを用いた撮像システム
JP2006192150A (ja) X線撮影装置
JP2004020300A (ja) 放射線診断装置
JP2006198416A (ja) 放射線撮像システム
JP2006158608A (ja) X線撮影装置
JPH11177891A (ja) 撮像出力の補正方法、補正装置、撮像装置、及び撮像システム
JP2019164125A (ja) 放射線撮像装置および放射線撮像システム
JP4731732B2 (ja) 撮像装置及び撮像方法、並びに記録媒体及びプログラム
JP4649061B2 (ja) 撮像装置及び撮像方法、並びに記憶媒体及びプログラム
JP2003244557A (ja) 撮像装置、撮像システム及び撮像装置の駆動方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees