JP2004020300A - 放射線診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】臨床の遂行を妨げることなくオフセットゴーストを補正すること。
【解決手段】放射線を検知する放射線検知部に半導体を利用したフラットパネル型放射線検出器(FPD)を具備する放射線診断装置において、FPD100の出力に対して、このFPDへの放射線の入射履歴に基づき、オフセットゴースト分を補正する補正手段を具備した。
これにより、FPDに入射するX線線量履歴に基づき発生するオフセットゴーストを、臨床検査や治療の遂行を妨げることなく精度良く補正することができる。よって、ゴーストが抑制された鮮明な診断画像を得ることができ、診断精度の向上に大きく寄与できる。
【選択図】 図2
【解決手段】放射線を検知する放射線検知部に半導体を利用したフラットパネル型放射線検出器(FPD)を具備する放射線診断装置において、FPD100の出力に対して、このFPDへの放射線の入射履歴に基づき、オフセットゴースト分を補正する補正手段を具備した。
これにより、FPDに入射するX線線量履歴に基づき発生するオフセットゴーストを、臨床検査や治療の遂行を妨げることなく精度良く補正することができる。よって、ゴーストが抑制された鮮明な診断画像を得ることができ、診断精度の向上に大きく寄与できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体アレイで構成されるフラットパネル型放射線検出器を備えた放射線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体の放射線透視画像を得るための放射線検出器として、従来からイメージインテンシファイア(Image Intensifier:I.I.)と撮像管あるいは固体撮像素子(例えば、Charge Coupled Device:CCD)とを組合せたものが用いられている。これは、被検体を透過した放射線情報を光学情報に変換し、この光学情報をテレビカメラに取り込んで、テレビモニタに画像として表示したり、フィルムに焼き込んだりするものである。
このような、I.I.と撮像管あるいはCCDとを組合せた放射線検出器に対し、より繊細な欠陥や病変を検出したいという強いニーズに応える新しい放射線検出器として、近時、半導体技術を駆使したフラットパネル型放射線検出器(Flat Panel Detector:FPD)が開発されてきている。このFPDは、例えばガラス基板上に形成されるスイッチング素子や容量を、放射線を電荷などに変換する光導電膜などで覆うように形成した半導体アレイであり、高解像度、軽量・コンパクトで、画像歪みも少ないという特徴を備えている。
そこで、このFPDの概要について説明する。
なおFPDには、放射線を一旦光に変換し、その光を電気信号に変換する間接変換型と、放射線を直接電気信号に変換する直接変換型とがあり、間接変換型FPDとしては、例えば米国特許第4689487号などが知られており、直接変換型FPDとしては、例えば米国特許第5319206号などが知られている。ただし、両者とも変換された電気信号を読み出してデジタル画像信号を得る手段はほぼ共通しているので、ここでは直接変換型のFPDについて説明するものとする。
【0003】
図5は、FPDの一例の概略構成を示した説明図である。FPD100は、表面が放射線を電荷に変換する変換膜で覆われた多数の画素1から成り、画素1がマトリックス状に配列されて1画面を形成している。FPD100を構成する画素1の断面構造の一例を、図6に模式的に示してあるので、次に、画素1について説明する。
ガラス基板11の上に形成されるスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)12や信号蓄積容量13等により画素1が構成されている。TFT12は、ゲート電極Gと、ソース電極Sおよびドレイン電極Dとから成っている。そして、ゲート電極Gはゲート線GLjに接続され、ソース電極Sは信号線SLiに接続され、さらにドレイン電極Dは、画素電極18に接続されている。
信号蓄積容量13は、画素電極18とバイアス用の高電圧電源19の負端子との間に接続され、また、ソース電極S、ドレイン電極Dおよび画素電極18を覆うように、電子阻止層22が形成されている。さらに、TFT12および信号蓄積容量13は、放射線を電荷に変換する変換膜23で覆われている。なお、変換膜23用の材料としては、放射線を吸収して電荷に変換する効率の高い半導体材料、例えば、真空蒸着法によって数100〜1000μmの厚さに形成されるアモルファスセレニウム(a−Se)膜が用いられる。この半導体材料で形成された膜は、光導電膜とも称される。
【0004】
このように構成されているFPD100の変換膜23に放射線が入射すると、この放射線が変換膜23中で吸収され、放射線量に応じた電荷に変換される。変換膜23と信号蓄積容量13とは、構造上電気的に直列に接続された容量を形成するので、これらに高電圧電源19によってバイアス電圧を印加することにより、発生した電荷(電子、正孔)は、それぞれ極性の異なる電極側へ移動し、これによって信号蓄積容量13には所定の電荷が蓄積される。よって、被検体を透過した放射線は電荷に変換されて、画素1毎の信号蓄積容量13に蓄積されるので、この電荷を前述のように、所定のタイミングでゲート線GLj毎に各画素1の信号線SLiから取り出し、電圧変換、増幅、A/D変換などを行うことによって、デジタル画像信号が得られ、ゲート線GLjに対応する行毎の各画素1のデジタル画像信号を基に、放射線画像を形成することができる。
ところで、FPD100から得られる画像信号には、入射した放射線エネルギーから変換された純粋な信号成分に付加されたオフセット成分が含まれている。このオフセット成分は、FPD100に放射線が入射していないのに発生した電荷と、TFT12のスイッチング特性に起因した他の画素1からの漏れ電荷と、配線間の浮遊容量に蓄積されて、TFT12のオン/オフによって注入された電荷などによるものである。よって、入射した放射線エネルギーによる純粋な信号成分を取り出すためには、オフセット成分を取り除くことが必要となる。そのため、FPD100のオフセット特性を、放射線を入射させずに予め測定しておき、実際の画像データの収集時には、画素毎にこのオフセット分をデジタル的に差し引いて補正することが行われる。このことをオフセット補正と称している。
【0005】
また、FPD100の変換膜23に発生した電荷の一部が、或るトラップ準位にトラップされたり、トラップされた電荷が或る時間経過後にそのトラップ準位から解放されたりする現象を呈することが分かっており、これも二次元分布を持っていて、オフセット成分の一部として読み出される。そしてこの現象は、放射線の入射線量履歴に応じて顕著となる。すなわち、X線の場合は、X線管の管電流と曝射時間の積(=X線量)が大きい程顕著に表れる。例えば、比較的弱いX線を連続的に照射する透視モードでは、曝射時間が長い場合に顕著となり、比較的強いX線を断続的に曝射する撮影モードでは、強X線を曝射した場合に顕著となる。そして、この現象は、透視モードまたは撮影モードによって取得された画像上に、ゴーストと呼ばれる幻影を発生させる原因となる。以下これをオフセットゴーストと称する。
【0006】
図7は、従来のオフセット補正を説明するために示した図である。図7(a)は、FPDに入射するX線の状況を示し、ここでは説明を簡単にするために、X線量は毎回同じとし、X線の曝射タイミングが異なっているものとする。また、図7(b)は、入射X線に伴うFPDの出力信号レベルを、入射X線量とX線線量履歴によって変化するオフセットとの関係から示したものである。さらに、図7(c)は、オフセット補正に伴い、FPDの出力として得られるX線信号レベルを示したものである。
図7(a)に示すように、時間経過とともにX線x1、x2、x3、...xnが順次FPDに入射する。最初のX線x1が入射したとき、図7(b)に示すように、FPDには既に或るレベルのオフセットが存在しており、このオフセットのレベルはX線の入射により増加する。図中OfはX線線量履歴により変化するオフセットレベルである。従って、FPDの出力Outの値もオフセットレベルOfに応じて変化することになる。ここでXsは真のX線信号値であり、入射X線量を毎回同じとしたので、FPDの出力OutはオフセットレベルOfと平行に変化する。
次に、図7(c)に示すように、t1、t2、t3、...tmのタイミングでオフセット補正を実施する。すなわち、時間t1でオフセット補正を実施してオフセットレベルをゼロにすると、このときFPDの出力Outは真のX線信号値Xsと同じになる。その後のX線入射と時間経過により徐々にオフセットゴーストが増加するが、時間t2で次のオフセット補正を実施するまでの間は、各入射X線x2、x3については、時間t1におけるオフセット分しか補正されない。すなわち、図7(b)に示すようにこの間のオフセット補正量は一定である。よって、この間のFPDの出力Outは、図7(c)に示すように、オフセットゴースト分だけ徐々に増加したものとなる。
【0007】
そして、時間t2で再度オフセット補正を実施すると、それまでの間に増加したオフセットゴースト分を含めてオフセットレベルをゼロにするので、FPDの出力Outは真のX線信号値Xsと同じになる。ところで、同様のオフセット補正を時間t3で実施して、FPDの出力Outを真のX線信号値Xsとした後、X線の入射間隔が広がってオフセットゴースト分の増加が微少なものとなったとする。そして、さらにX線の入射間隔が広がるとオフセットゴースト分は増加から減少に転じることになる。このような状況のもとでは、FPDの出力Outが真のX線信号値Xsよりも低く表されることになり、時間t5でオフセット補正を実施して、FPDの出力Outを真のX線信号値Xsと同じにしても、その後X線の入射間隔が広ければオフセットゴースト分は減少し、やはりFPDの出力Outが真のX線信号値Xsよりも低く表されることになる。
このようなオフセットゴースト分を補償することをオフセットゴースト補正と称し、オフセットゴーストを正しく補償できなかった場合には、その後収集される画像上に幻影を生じ、診断上に大きな支障となるものである。そして、オフセットゴーストは放射線の入射線量履歴によって変化し、通常は増加するものなので、オフセット補正をできるだけ頻繁に施すことが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オフセット補正を頻繁に実施することによってオフセットゴースト補正を行うのには、次のような問題があった。
すなわち、病院など実際の臨床現場において、放射線(ここではX線とする)診断装置は、頻繁に患者の診断のために使用されており、或るまとまった時間にわたりX線を曝射していないことは稀な場合が多い。そのため、実際上、X線を曝射していない合間毎に、オフセット補正を実施することは困難である。また、X線診断画像を収集している間にもX線の入射線量履歴は変化しているので、これに伴いオフセットゴースト量も変化しており、換言すればX線診断画像の1フレーム毎にオフセットゴースト量が変化していることになる。しかし、X線診断画像の収集中は、オフセット補正を実施することができないので、精度の良いオフセットゴースト補正を行うことは困難である。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、臨床の遂行を妨げることなく精度良くオフセットゴースト補正を行うことのできる放射線診断装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、放射線を検知する放射線検知部に半導体を利用した放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力に対して、当該放射線検出手段への放射線の入射線量履歴に基づき、オフセットゴースト分を補正する第1の補正手段とを具備することを特徴とする放射線診断装置であり、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線診断装置において、前記第1の補正手段は、前記放射線検出手段の出力信号レベルから、発生した電荷量および放射線から電荷への変換過程においてトラップ準位にトラップされる電荷量を推定するとともに、放射線の曝射間隔時間に基づき、前記トラップされた電荷の解放量を推定する演算手段を有することを特徴とする。
これにより、精度良くオフセットゴーストの補正を行うことができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の放射線診断装置において、前記第1の補正手段により補正された前記放射線検出手段の出力信号に対して、感度ゴースト分を補正する第2の補正手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、オフセットゴーストの補正に加えて感度ゴーストをも補正することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る放射線診断装置の実施の形態について、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される放射線診断装置の一実施の形態を系統図で示したものである。この放射線診断装置において、フラットパネル型放射線検出器(FPD)100は、被検体Pを載置する寝台200を間にしてX線管300と対向するように配置されている。そして、FPD100は、駆動制御/画像処理ユニット400の駆動制御部400aによってその駆動が制御されるとともに、FPD100で収集したX線診断画像の信号は、駆動制御/画像処理ユニット400の画像処理部400bによって補正処理が施される。また、X線管300は、X線制御器500によって例えば管電流、管電圧、曝射タイミングなどが制御される。なお詳細は後述するが、X線制御器500における曝射間隔データは、駆動制御/画像処理ユニット400の画像処理部400bに供給され、補正処理のために使用される。そして、駆動制御/画像処理ユニット400を介して得られる補正処理の施されたX線診断画像信号は、画像収集/保存プロセッサ600へ供給され、ここで画像が形成されて適宜保存される。なお、形成された画像は、適宜読み出され、モニタ700に動画像あるいは静止画像として表示される。
【0011】
次に、駆動制御/画像処理ユニット400における画像処理部400bの詳細について説明する。
図2は、画像処理部400bの、第1の実施の形態を示した系統図である。この実施の形態では、画像処理部400bは3つのフレームメモリFM1〜FM3、2つのルックアップテーブルLUT1、LUT2、1つの発生電荷数計算器CCおよびA/D変換器AD、それと7つの演算器OP1〜OP7とを有している。
先ず第1のフレームメモリFM1には、事前に放射線診断装置において収集した、X線が入射していない状態におけるFPD100の出力、すなわち、暗時画像信号を保存しておき、これをオフセット補正処理のためのオフセット補正データとして使用する。そして、X線管300から曝射され、被検体Pを透過したX線によるFPD100での検出信号(X線画像信号)を第1の演算器OP1へ供給し、ここで、この実際に取得されたX線画像信号から、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減ずることにより、第1の演算器OP1の出力としてオフセット補正処理の施されたX線画像信号を得る。そして、第1の演算器OP1の出力は第2の演算器OP2へ供給されて、後述するオフセットゴースト分を減算することにより、オフセットゴースト分の補正されたX線画像信号が得られ、この信号が画像収集/保存プロセッサ600へ供給されることになる。
【0012】
この第2の演算器OP2の出力は、デジタル化された画素毎の値であり、これを発生電荷数計算器CCへ供給して、ここで、ゴースト量を計算するのに都合の良い、1枚目の画像を得るために曝射されたX線が、FPD100の変換膜23に入射したことにより発生する電荷量に換算する。また、第1のルックアップテーブルLUT1には、X線の入射により発生した電荷量と現フレームのX線画像を収集する直前までにトラップされていた電荷量との関数が記録されている。そこで、発生電荷数計算器CCで換算された電荷量は、第1のルックアップテーブルLUT1に記録されている関数に基づき、1枚目のX線入射により生成されトラップされた電荷量として計算される。ここで求められたトラップされた電荷量は、第3の演算器OP3を経て第2のフレームメモリFM2に格納され、次の信号が入るまで保存される。
さて、第2のルックアップテーブルLUT2には、トラップされた電荷が時間経過によって解放される係数を表す関数が記録されている。よって、この第2のルックアップテーブルLUT2に、現在収集中の画像に関して、フレーム間の画像の収集時間差すなわち、X線制御器500によって制御しているX線の曝射間隔についてのデータを供給することによって、ここでトラップされていた電荷の解放係数が算出される。そこで、第2のフレームメモリFM2に格納されている、ある収集されたX線画像の直前までの入射X線線量履歴によりトラップされた電荷量の値に、第2のルックアップテーブルLUT2で得られた係数値を第4の演算器OP4にて乗算することにより、既にトラップされていた電荷量の中からフレーム間収集時間差(X線の曝射間隔)内に解放された電荷量が算出される。この値はA/D変換器ADによってデジタル値に変換される。
なお、第1のルックアップテーブルLUT1およびに第2のルックアップテーブルLUT2に記録されている関数は、夫々実験によって求めたものである。
【0013】
また、第3のフレームメモリFM3には、1枚目のX線画像に対して使用されたオフセット補正データのみが、初期オフセット補正データとして格納されている。よって、1枚目の画像を得たときには、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データと、第3のフレームメモリFM3に保存されているオフセット補正データとは同一であり、両データを第5の演算器OP5で減算すると、その値はゼロとなる。さらに、今1枚目の画像に着目しているので、第2のフレームメモリFM2の内容はゼロであり、第4の演算器OP4の出力およびその出力値をA/D変換器ADによって変換したデジタル値もゼロとなる。従って、第6の演算器OP6において、A/D変換器ADの出力から第5の演算器OP5の出力を減算してもその結果はゼロであり、第2の演算器OP2において、オフセット補正処理の施されたX線診断画像信号(第1の演算器OP1の出力)から差し引く値もゼロとなる。すなわち、差し引くオフセットゴースト分の値はゼロである。このことは、1枚目の画像に対しては、オフセットゴースト補正は適用されないということを意味しているが、第5の演算器OP5および第6の演算器OP6における演算の意味合いについては後述する。
【0014】
次に、2枚目のX線画像が収集された場合について説明する。
1枚目の画像を得るためにX線管300から曝射されたX線によるFPD100の出力が、第1の演算器OP1に供給され、ここで第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減算して、2枚目のX線画像信号が生成される。同時に、1枚目と2枚目の画像収集の時間差(X線の曝射間隔)が第2のルックアップテーブルLUT2へ入力され、この時間差内にトラップされていた電荷の解放係数が算出される。この算出値は、第4の演算器OP4において、第2のフレームメモリFM2に格納されている、1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量の値に掛け合わされて、2枚目のX線画像信号に載るであろうオフセットゴースト分の電荷量を算出する。そして、第4の演算器OP4での算出値は、A/D変換器ADによってデジタル値に変換される。
ここで、第1のフレームメモリFM1と第3のフレームメモリFM3に格納されているオフセット補正データが同一値であったとする。前述のように、第3のフレームメモリFM3には、1枚目のX線画像に対して使用されたオフセット補正データのみが格納されているので、両フレームメモリFM1、FM3が同一値であるということは、1枚目と2枚目の画像収集の間に、オフセット補正データが再収集されていないことを意味している。この場合は、第5の演算器OP5での演算結果は、1枚目の画像収集時と同じくゼロであり、従って、第6の演算器OP6の演算出力は、A/D変換器ADによって変換されたデジタル値と同じ値となるが、第6の演算器OP6の出力を第2の演算器OP2において第1の演算器OP1の出力から減ずることによって、1枚目の入射X線に基づくオフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号を得ることができる。
【0015】
なお、第5の演算器OP5および第6の演算器OP6における、演算することの意味合いは次のとおりである。
すなわち、A/D変換器ADの出力値は、トラップされている電荷量が全くない1枚目のX線画像を収集した時点からの、入射X線線量履歴により算出されたトラップされた電荷量の値であり、第1の演算器OP1におけるオフセット補正処理のために、第1のフレームメモリFM1から供給されるオフセット補正データは、同様に、トラップされている電荷量が全くない1枚目のオフセット補正データであるべきである。
そこで、1枚目の画像信号を収集した後にオフセット補正データを再収集した場合、新しく第1のフレームメモリFM1に書き込まれるオフセット補正データは、それまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴースト分を含んだものとなり、ここには、A/D変換器ADの出力値が既に含まれていることになる。よって、この含まれてしまっているそれまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴーストの変動分を、第5の演算器OP5の処理によって算出し、第6の演算器OP6の処理により、それを除去しているのである。
さて、このオフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号、すなわち、1枚目のX線照射履歴の影響が除去されたX線画像信号は、1枚目と同様に、発生電荷数計算器CCにおいて、2枚目の画像を得るために曝射されたX線により発生する電荷量に換算され、さらに、換算された電荷量は、第1のルックアップテーブルLUT1に記録されている関数に基づき、2枚目のX線入射により生成されトラップされた電荷量が計算される。
【0016】
一方、第7の演算器OP7において、第2のフレームメモリFM2に格納されていた1枚目のX線照射によってトラップされた電荷量から、第4の演算器OP4にて算出されたフレーム間収集時間差(X線の曝射間隔)内に解放された電荷量を減ずることによって、1枚目のX線照射によってトラップされ未だ解放されていない電荷量を算出する。そして、この算出値を、第3の演算器OP3において、第1のルックアップテーブルLUT1から得られた電荷量に加算することにより、2枚目のX線画像を得るために、X線が照射された直後のトラップ準位にトラップされている総電荷量を算出する。さらに、この第3の演算器OP3での算出値を第2のフレームメモリFM2に次の信号が入るまで保存する。
以下この操作を、X線画像を収集する毎に繰り返すことによって、X線入射量およびX線入射間隔に応じたオフセットゴースト量を算出することができ、同時にこれを補正したX線画像信号を得ることができる。よって、このオフセットゴーストの補正された画像信号をもとに、画像収集・保存プロセッサ600(図1参照)において、幻影のないX線画像を生成することができる。また、X線を曝射する毎にオフセットゴースト分を除去する補正が施されるので、臨床の遂行を妨げることはない。
【0017】
そこで、図3に、図7に示した従来のオフセット補正についての説明図に対応させて、本発明によるオフセットゴーストを含むオフセット補正についての説明図を示してあるので、この図により本発明の作用を説明する。なお、図3(a)は、FPD100に入射するX線の状況を示し、図3(b)は、入射X線に伴うFPD100の出力信号レベルを、入射X線量とX線線量履歴によって変化するオフセットとの関係から示し、さらに、図3(c)は、オフセットゴーストを含むオフセット補正に伴い、FPD100の出力として得られるX線信号レベルを示したものである。
すなわち、図3(a)に示すように、FPD100に入射するX線の状況は、図7(a)と同様に、説明を簡単にするために、X線量は毎回同じとし、X線の曝射タイミングが異なっているものとしている。従って、時間経過とともにX線x1、x2、x3、...xnが順次FPD100に入射すると、最初のX線x1が入射したとき、図3(b)に示すように、FPD100には既に或るレベルのオフセットが存在しており、このオフセットのレベルOfは入射するX線の線量履歴により変化する。よって、FPD100の出力Outの値もオフセットレベルOfに応じて変化することになる。ここでXsは真のX線信号値であり、入射X線量を毎回同じとしたので、FPDの出力OutはオフセットレベルOfと平行に変化する。また、Xgは、X線が曝射される毎に除去されるオフセットゴースト分を示している。このように、X線が曝射される毎にオフセットゴースト分が除去されるので、t1、t2、t3、...tmのタイミングでオフセット補正を実施すると、図3(c)に示すように、FPD100の出力Outは、真のX線信号値Xsと同じになる。
【0018】
次に、本発明が適用される放射線診断装置における画像処理部400bの、第2の実施の形態について、図4に示した系統図を参照して説明する。なお、本実施の形態は、FPD100の変換膜23に発生した電荷の一部が、或るトラップ準位にトラップされることに伴ってX線に対する感度が変化し、それにより発生するゴースト現象(以下、この現象を感度ゴーストと称する)を、先の実施の形態において行ったオフセットゴースト補正とともに、補正するようにしたものである。従って、図4において、図2に示した実施の形態におけるオフセットゴースト補正部と同等の部位には符号410を付して示し、本実施の形態において追加した、感度ゴースト補正部には符号420を付して示してある。また、図4には、オフセットゴースト補正部410の各構成要素を含め、図2と同様の部分には同じ符号を付して示してある。
さて、図4に示すように、オフセットゴースト補正部410は、2つのフレームメモリFM2、FM3、1つのルックアップテーブルLUT1、それと6つの演算器OP2〜OP7とを有している。また、本実施の形態として追加した感度ゴースト補正部420は、2つの感度低減率計算器RE1、RE2と4つの演算器OP8〜OP11とを有している。そして、第1のフレームメモリFM1、第2のルックアップテーブルLUT2、第1の演算器OP1、発生電荷数計算器CCおよびA/D変換器ADは、共通的な構成要素として備えられている。
なお、本実施の形態において、オフセットゴーストの補正の仕方は、図2で説明したものと同様であり、これに加えて、次の1式に示すアルゴリズムにより、トラップされた電荷による感度低減率Rを算出し、この値の逆数(1/R)をオフセットゴースト補正の施されたX線画像信号に乗算することにより感度ゴースト補正を施すものである。
感度低減率R = (N−n)/N (1)
ここでNは、トラップされることのできる最大電荷量であり、これは固定の定数ある。またnは、X線線量履歴によりトラップされている電荷量である。
【0019】
さて、第1のフレームメモリFM1には、事前に放射線診断装置において収集した、オフセット補正データとしての暗時画像信号が保存されている。被検体Pを透過したX線によるFPD100での検出信号(実際に取得された画像信号)は第1の演算器OP1に供給され、ここで、画像信号から、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減ずることにより、第1の演算器OP1の出力としてオフセット補正処理の施されたX線画像信号を得る。この第1の演算器OP1の出力は、デジタル化された画素毎の値であり、これを発生電荷数計算器CCへ供給して、ここで、ゴースト量を計算するのに都合の良い、1枚目の画像を得るために曝射されたX線が、FPD100の変換膜23に入射したことにより発生する電荷量に換算する。
【0020】
第2のルックアップテーブルLUT2には、実験データを元に作成された、トラップされた電荷が時間経過によって解放される係数を表す関数が記録されている。よって、この第2のルックアップテーブルLUT2に、現在収集中の画像に関して、フレーム間の画像の収集時間差すなわち、X線制御器500によって制御しているX線の曝射間隔についてのデータを入力して、トラップされていた電荷の解放係数を算出する。この算出値を、第4の演算器OP4において、第2のフレームメモリFM2に格納されている、ある収集されたX線画像の直前までの入射X線線量履歴によりトラップされた電荷量の値に乗算することにより、既にトラップされていた電荷量の中からフレーム間収集時間差(X線の曝射間隔)内に解放された電荷量が算出される。
ところで、第3のフレームメモリFM3には、1枚目のX線画像に対して使用されたオフセット補正データのみが、初期オフセット補正データとして格納されている。よって、1枚目の画像を得たときには、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データと、第3のフレームメモリFM3に保存されているオフセット補正データとは同一であり、両データを第5の演算器OP5で減算すると、その値はゼロとなる。さらに、今1枚目の画像に着目しているので、第2のフレームメモリFM2の内容はゼロであり、第4の演算器OP4の出力もゼロとなる。従って、第6の演算器OP6において、第4の演算器OP4の出力から第5の演算器OP5の出力を減算してもその結果はゼロであり、第2の演算器OP2において、オフセット補正処理の施されたX線診断画像信号(発生電荷数計算器CCの出力)から差し引くオフセットゴースト分の値もゼロとなる。このことは、1枚目の画像信号に対してはオフセットゴースト補正が適用されないことを意味している。
【0021】
オフセットゴースト補正部410においてオフセットゴースト補正のされた画像信号は、次に、感度ゴースト補正部420における最初の演算器(第8の演算器OP8)へ供給され、ここで1枚目の画像信号を収集する以前のX線線量履歴に基づき発生していた感度低下分が補正される。すなわち、第2の演算器OP2の出力は、感度ゴースト補正部420の第8の演算器OP8へ供給され、ここで第1の感度低減率計算器RE1の出力を逆数にして感度低減補正係数を求める第9の演算器OP9の出力と乗算される。
ただし、オフセットゴースト補正の場合と同様に、今1枚目の画像に着目しているので、第2のフレームメモリFM2の内容はゼロであり、第4の演算器OP4の出力もゼロである。よって、第7の演算器OP7の出力もゼロとなって、これが第1の感度低減率計算器RE1へ供給されて(1)式に基づく感度低減率の計算がされることになるが、第1の感度低減率計算器RE1は、入力がゼロのときは1を出力すると設定されているので、ここでは1が出力され、第9の演算器OP9の出力も1となり、その出力1が第8の演算器OP8へ供給される。つまり、第8の演算器OP8で乗算される補正係数は1となる。
【0022】
この第8の演算器OP8の出力は、オフセットゴースト補正部410のルックアップテーブルLUT1へ供給され、1枚目の画像に対しては、1枚目のX線画像信号のみから、トラップ準位にトラップされるであろう電荷量を計算することになり、この計算結果は第3の演算器OP3を経由して第2のフレームメモリFM2に次の信号が入るまで保存される。なおこのとき、第7の演算器OP7の出力はゼロなので、第3の演算器OP3で加算されるものはない。そして、第3の演算器OP3の出力は第2の感度低減率計算器RE2へ供給されて、(1)式に基づく感度低減率の計算がされ、第10の演算器OP10においてその逆数を求めることによって、感度低減補正係数が演算される。よって、この係数を第11の演算器OP11において第8の演算器OP8の出力に乗じることにより、1枚目の画像に対する感度ゴーストの補正がなされ、A/D変換器ADによって最終的にデジタル信号値に変換することによって、オフセットゴーストと感度ゴーストの補正された1枚目のX線画像信号が得られ、この信号が画像収集・保存プロセッサ600(図1参照)へ供給される。
【0023】
次に、2枚目のX線診断画像が収集された場合について説明する。
1枚目の画像を得るために曝射されたX線によるFPD100の出力が、第1の演算器OP1に供給され、ここで第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減算して、2枚目のX線画像信号が生成され、さらに発生電荷数計算器CCにおいて、2枚目の画像を得るために曝射されたX線によりFPD100の変換膜23で発生した電荷量に換算される。同時に、1枚目と2枚目の画像収集の時間差(X線の曝射間隔)が第2のルックアップテーブルLUT2へ入力され、この時間差内にトラップされていた電荷の解放係数が算出される。この算出値は、第4の演算器OP4において、第2のフレームメモリFM2に格納されている、1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量の値に掛け合わされて、2枚目のX線画像信号に載るであろうオフセットゴースト分の電荷量を算出する。よってこれを、電荷量の単位に変換された2枚目のX線画像信号から第2の演算器OP2において減じ、オフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号が得られる。
なお、第4の演算器OP4の出力を、第7の演算器OP7において第2のフレームメモリFM2に格納されていた1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量から減ずることにより、解放されていない1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量が算出されるので、この電荷量を第1の感度低減率計算器RE1へ供給し、(1)式に基づく感度低減率を計算する。さらにこの逆数を第9の演算器OP9で算出して感度低減率補正係数を求め、この係数を第8の演算器OP8においてオフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号である第2の演算器OP2の出力に乗じて、2枚目に収集したX線画像信号に載っていた1枚目のX線画像信号を得るためのX線による感度ゴースト分を補正することができる。
【0024】
このようなプロセスによって、1枚目のX線画像を得るために曝射されたX線の履歴によるオフセットゴーストおよび感度ゴーストの補正された2枚目のX線画像信号が算出されるので、これを利用して第1のルックアップテーブルLUT1において、2枚目の画像を得るためのX線のみによってトラップされるであろう電荷量を計算し、この電荷量を解放されていない1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量と第3の演算器OP3で加算し、2枚目のX線画像を得るためにX線が曝射された直後のトラップ準位にトラップされている総電荷量を算出する。この算出値は第2のフレームメモリFM2に次の信号が入るまで保存される。
収集された2枚目のX線診断画像は、上記のトラップされている総電荷量による感度劣化の影響を受けるので、第3の演算器OP3の出力を第2の感度低減率計算器RE2へ供給して、(1)式に基づく感度低減率を計算する。そして、第10の演算器OP10においてその逆数を求めることによって感度低減補正係数を算出し、この係数を第11の演算器OP11において第8の演算器OP8の出力に乗じることにより、2枚目の画像に対してオフセット補正処理と感度ゴースト補正処理を施し、A/D変換器ADによってデジタル信号値に変換することによって、最終的なX線画像信号を得る。
以下この操作を、X線画像信号を収集する毎に繰り返すことによって、X線入射量およびX線入射間隔に応じたオフセットゴースト量および感度ゴースト量を算出することができ、同時にこれらを補正したX線画像を、画像収集/保存プロセッサ600において得ることができる。
なお、1枚目の画像信号を収集した後にオフセット補正データを再収集した場合には、新しく第1のフレームメモリFM1に書き込まれるオフセット補正データは、それまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴースト分と感度ゴースト分を含んだものとなる。よって、この含まれてしまっているそれまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴーストの変動分と感度ゴーストの変動分を、第5の演算器OP5の処理によって算出し、第6の演算器OP6の処理により、それを除去しているのは第1の実施の形態の場合と同様の考え方によるものである。また、感度補正データの再収集は頻繁に行われるものではないので、その影響は特に考慮していない。
【0025】
本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々の形態で実施することが可能である。例えば、駆動制御/画像処理ユニット400や画像処理/保存プロセッサ600を、必ずしも独立した構成機器とすることなく、これらを一体化したユニットとして構成するようにしても良い。また、画像処理部400bをFPD100内に設けるようにしても良い。さらに、本明細書において、直接変換型のFPDについてのみその概要を説明したが、本発明は、間接変換型のFPDを備えた放射線診断装置にも適用されることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、フラットパネル型放射線検出器(FPD)に入射するX線線量履歴に基づき発生するオフセットゴーストによるオフセットの変動を、臨床検査や治療の遂行を妨げることなく精度良く補正することを可能とした放射線診断装置が提供され、これにより、ゴーストが抑制された鮮明な診断画像を得ることができ、診断精度の向上に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される放射線診断装置の一実施の形態を示した系統図である。
【図2】本発明における画像処理部の第1の実施の形態を示した系統図である。
【図3】本発明の作用を説明するために示した説明図である。
【図4】本発明における画像処理部の第2の実施の形態を示した系統図である。
【図5】フラットパネル型放射線検出器の一例の概略構成を示した説明図である。
【図6】フラットパネル型X線検出器を構成する画素の断面構造の一例を模式的に示した説明図である。
【図7】従来のオフセット補正について説明するために示した説明図である。
【符号の説明】
100 フラットパネル型放射線検出器(FPD)
200 寝台
300 X線管
400 駆動制御/画像処理ユニット
400a 駆動制御部
400b 画像処理部
410 オフセットゴースト補正部
420 感度ゴースト補正部
500 X線制御器
600 画像収集/保存プロセッサ
700 モニタ
AD A/D変換器
CC 発生電荷数計算器
FM1〜FM3 フレームメモリ
LUT1、LUT2 ルックアップテーブル
OP1〜OP11 演算器
RE1、RE2 感度低減率計算器
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体アレイで構成されるフラットパネル型放射線検出器を備えた放射線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体の放射線透視画像を得るための放射線検出器として、従来からイメージインテンシファイア(Image Intensifier:I.I.)と撮像管あるいは固体撮像素子(例えば、Charge Coupled Device:CCD)とを組合せたものが用いられている。これは、被検体を透過した放射線情報を光学情報に変換し、この光学情報をテレビカメラに取り込んで、テレビモニタに画像として表示したり、フィルムに焼き込んだりするものである。
このような、I.I.と撮像管あるいはCCDとを組合せた放射線検出器に対し、より繊細な欠陥や病変を検出したいという強いニーズに応える新しい放射線検出器として、近時、半導体技術を駆使したフラットパネル型放射線検出器(Flat Panel Detector:FPD)が開発されてきている。このFPDは、例えばガラス基板上に形成されるスイッチング素子や容量を、放射線を電荷などに変換する光導電膜などで覆うように形成した半導体アレイであり、高解像度、軽量・コンパクトで、画像歪みも少ないという特徴を備えている。
そこで、このFPDの概要について説明する。
なおFPDには、放射線を一旦光に変換し、その光を電気信号に変換する間接変換型と、放射線を直接電気信号に変換する直接変換型とがあり、間接変換型FPDとしては、例えば米国特許第4689487号などが知られており、直接変換型FPDとしては、例えば米国特許第5319206号などが知られている。ただし、両者とも変換された電気信号を読み出してデジタル画像信号を得る手段はほぼ共通しているので、ここでは直接変換型のFPDについて説明するものとする。
【0003】
図5は、FPDの一例の概略構成を示した説明図である。FPD100は、表面が放射線を電荷に変換する変換膜で覆われた多数の画素1から成り、画素1がマトリックス状に配列されて1画面を形成している。FPD100を構成する画素1の断面構造の一例を、図6に模式的に示してあるので、次に、画素1について説明する。
ガラス基板11の上に形成されるスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)12や信号蓄積容量13等により画素1が構成されている。TFT12は、ゲート電極Gと、ソース電極Sおよびドレイン電極Dとから成っている。そして、ゲート電極Gはゲート線GLjに接続され、ソース電極Sは信号線SLiに接続され、さらにドレイン電極Dは、画素電極18に接続されている。
信号蓄積容量13は、画素電極18とバイアス用の高電圧電源19の負端子との間に接続され、また、ソース電極S、ドレイン電極Dおよび画素電極18を覆うように、電子阻止層22が形成されている。さらに、TFT12および信号蓄積容量13は、放射線を電荷に変換する変換膜23で覆われている。なお、変換膜23用の材料としては、放射線を吸収して電荷に変換する効率の高い半導体材料、例えば、真空蒸着法によって数100〜1000μmの厚さに形成されるアモルファスセレニウム(a−Se)膜が用いられる。この半導体材料で形成された膜は、光導電膜とも称される。
【0004】
このように構成されているFPD100の変換膜23に放射線が入射すると、この放射線が変換膜23中で吸収され、放射線量に応じた電荷に変換される。変換膜23と信号蓄積容量13とは、構造上電気的に直列に接続された容量を形成するので、これらに高電圧電源19によってバイアス電圧を印加することにより、発生した電荷(電子、正孔)は、それぞれ極性の異なる電極側へ移動し、これによって信号蓄積容量13には所定の電荷が蓄積される。よって、被検体を透過した放射線は電荷に変換されて、画素1毎の信号蓄積容量13に蓄積されるので、この電荷を前述のように、所定のタイミングでゲート線GLj毎に各画素1の信号線SLiから取り出し、電圧変換、増幅、A/D変換などを行うことによって、デジタル画像信号が得られ、ゲート線GLjに対応する行毎の各画素1のデジタル画像信号を基に、放射線画像を形成することができる。
ところで、FPD100から得られる画像信号には、入射した放射線エネルギーから変換された純粋な信号成分に付加されたオフセット成分が含まれている。このオフセット成分は、FPD100に放射線が入射していないのに発生した電荷と、TFT12のスイッチング特性に起因した他の画素1からの漏れ電荷と、配線間の浮遊容量に蓄積されて、TFT12のオン/オフによって注入された電荷などによるものである。よって、入射した放射線エネルギーによる純粋な信号成分を取り出すためには、オフセット成分を取り除くことが必要となる。そのため、FPD100のオフセット特性を、放射線を入射させずに予め測定しておき、実際の画像データの収集時には、画素毎にこのオフセット分をデジタル的に差し引いて補正することが行われる。このことをオフセット補正と称している。
【0005】
また、FPD100の変換膜23に発生した電荷の一部が、或るトラップ準位にトラップされたり、トラップされた電荷が或る時間経過後にそのトラップ準位から解放されたりする現象を呈することが分かっており、これも二次元分布を持っていて、オフセット成分の一部として読み出される。そしてこの現象は、放射線の入射線量履歴に応じて顕著となる。すなわち、X線の場合は、X線管の管電流と曝射時間の積(=X線量)が大きい程顕著に表れる。例えば、比較的弱いX線を連続的に照射する透視モードでは、曝射時間が長い場合に顕著となり、比較的強いX線を断続的に曝射する撮影モードでは、強X線を曝射した場合に顕著となる。そして、この現象は、透視モードまたは撮影モードによって取得された画像上に、ゴーストと呼ばれる幻影を発生させる原因となる。以下これをオフセットゴーストと称する。
【0006】
図7は、従来のオフセット補正を説明するために示した図である。図7(a)は、FPDに入射するX線の状況を示し、ここでは説明を簡単にするために、X線量は毎回同じとし、X線の曝射タイミングが異なっているものとする。また、図7(b)は、入射X線に伴うFPDの出力信号レベルを、入射X線量とX線線量履歴によって変化するオフセットとの関係から示したものである。さらに、図7(c)は、オフセット補正に伴い、FPDの出力として得られるX線信号レベルを示したものである。
図7(a)に示すように、時間経過とともにX線x1、x2、x3、...xnが順次FPDに入射する。最初のX線x1が入射したとき、図7(b)に示すように、FPDには既に或るレベルのオフセットが存在しており、このオフセットのレベルはX線の入射により増加する。図中OfはX線線量履歴により変化するオフセットレベルである。従って、FPDの出力Outの値もオフセットレベルOfに応じて変化することになる。ここでXsは真のX線信号値であり、入射X線量を毎回同じとしたので、FPDの出力OutはオフセットレベルOfと平行に変化する。
次に、図7(c)に示すように、t1、t2、t3、...tmのタイミングでオフセット補正を実施する。すなわち、時間t1でオフセット補正を実施してオフセットレベルをゼロにすると、このときFPDの出力Outは真のX線信号値Xsと同じになる。その後のX線入射と時間経過により徐々にオフセットゴーストが増加するが、時間t2で次のオフセット補正を実施するまでの間は、各入射X線x2、x3については、時間t1におけるオフセット分しか補正されない。すなわち、図7(b)に示すようにこの間のオフセット補正量は一定である。よって、この間のFPDの出力Outは、図7(c)に示すように、オフセットゴースト分だけ徐々に増加したものとなる。
【0007】
そして、時間t2で再度オフセット補正を実施すると、それまでの間に増加したオフセットゴースト分を含めてオフセットレベルをゼロにするので、FPDの出力Outは真のX線信号値Xsと同じになる。ところで、同様のオフセット補正を時間t3で実施して、FPDの出力Outを真のX線信号値Xsとした後、X線の入射間隔が広がってオフセットゴースト分の増加が微少なものとなったとする。そして、さらにX線の入射間隔が広がるとオフセットゴースト分は増加から減少に転じることになる。このような状況のもとでは、FPDの出力Outが真のX線信号値Xsよりも低く表されることになり、時間t5でオフセット補正を実施して、FPDの出力Outを真のX線信号値Xsと同じにしても、その後X線の入射間隔が広ければオフセットゴースト分は減少し、やはりFPDの出力Outが真のX線信号値Xsよりも低く表されることになる。
このようなオフセットゴースト分を補償することをオフセットゴースト補正と称し、オフセットゴーストを正しく補償できなかった場合には、その後収集される画像上に幻影を生じ、診断上に大きな支障となるものである。そして、オフセットゴーストは放射線の入射線量履歴によって変化し、通常は増加するものなので、オフセット補正をできるだけ頻繁に施すことが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オフセット補正を頻繁に実施することによってオフセットゴースト補正を行うのには、次のような問題があった。
すなわち、病院など実際の臨床現場において、放射線(ここではX線とする)診断装置は、頻繁に患者の診断のために使用されており、或るまとまった時間にわたりX線を曝射していないことは稀な場合が多い。そのため、実際上、X線を曝射していない合間毎に、オフセット補正を実施することは困難である。また、X線診断画像を収集している間にもX線の入射線量履歴は変化しているので、これに伴いオフセットゴースト量も変化しており、換言すればX線診断画像の1フレーム毎にオフセットゴースト量が変化していることになる。しかし、X線診断画像の収集中は、オフセット補正を実施することができないので、精度の良いオフセットゴースト補正を行うことは困難である。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、臨床の遂行を妨げることなく精度良くオフセットゴースト補正を行うことのできる放射線診断装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、放射線を検知する放射線検知部に半導体を利用した放射線検出手段と、この放射線検出手段の出力に対して、当該放射線検出手段への放射線の入射線量履歴に基づき、オフセットゴースト分を補正する第1の補正手段とを具備することを特徴とする放射線診断装置であり、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線診断装置において、前記第1の補正手段は、前記放射線検出手段の出力信号レベルから、発生した電荷量および放射線から電荷への変換過程においてトラップ準位にトラップされる電荷量を推定するとともに、放射線の曝射間隔時間に基づき、前記トラップされた電荷の解放量を推定する演算手段を有することを特徴とする。
これにより、精度良くオフセットゴーストの補正を行うことができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の放射線診断装置において、前記第1の補正手段により補正された前記放射線検出手段の出力信号に対して、感度ゴースト分を補正する第2の補正手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、オフセットゴーストの補正に加えて感度ゴーストをも補正することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る放射線診断装置の実施の形態について、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される放射線診断装置の一実施の形態を系統図で示したものである。この放射線診断装置において、フラットパネル型放射線検出器(FPD)100は、被検体Pを載置する寝台200を間にしてX線管300と対向するように配置されている。そして、FPD100は、駆動制御/画像処理ユニット400の駆動制御部400aによってその駆動が制御されるとともに、FPD100で収集したX線診断画像の信号は、駆動制御/画像処理ユニット400の画像処理部400bによって補正処理が施される。また、X線管300は、X線制御器500によって例えば管電流、管電圧、曝射タイミングなどが制御される。なお詳細は後述するが、X線制御器500における曝射間隔データは、駆動制御/画像処理ユニット400の画像処理部400bに供給され、補正処理のために使用される。そして、駆動制御/画像処理ユニット400を介して得られる補正処理の施されたX線診断画像信号は、画像収集/保存プロセッサ600へ供給され、ここで画像が形成されて適宜保存される。なお、形成された画像は、適宜読み出され、モニタ700に動画像あるいは静止画像として表示される。
【0011】
次に、駆動制御/画像処理ユニット400における画像処理部400bの詳細について説明する。
図2は、画像処理部400bの、第1の実施の形態を示した系統図である。この実施の形態では、画像処理部400bは3つのフレームメモリFM1〜FM3、2つのルックアップテーブルLUT1、LUT2、1つの発生電荷数計算器CCおよびA/D変換器AD、それと7つの演算器OP1〜OP7とを有している。
先ず第1のフレームメモリFM1には、事前に放射線診断装置において収集した、X線が入射していない状態におけるFPD100の出力、すなわち、暗時画像信号を保存しておき、これをオフセット補正処理のためのオフセット補正データとして使用する。そして、X線管300から曝射され、被検体Pを透過したX線によるFPD100での検出信号(X線画像信号)を第1の演算器OP1へ供給し、ここで、この実際に取得されたX線画像信号から、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減ずることにより、第1の演算器OP1の出力としてオフセット補正処理の施されたX線画像信号を得る。そして、第1の演算器OP1の出力は第2の演算器OP2へ供給されて、後述するオフセットゴースト分を減算することにより、オフセットゴースト分の補正されたX線画像信号が得られ、この信号が画像収集/保存プロセッサ600へ供給されることになる。
【0012】
この第2の演算器OP2の出力は、デジタル化された画素毎の値であり、これを発生電荷数計算器CCへ供給して、ここで、ゴースト量を計算するのに都合の良い、1枚目の画像を得るために曝射されたX線が、FPD100の変換膜23に入射したことにより発生する電荷量に換算する。また、第1のルックアップテーブルLUT1には、X線の入射により発生した電荷量と現フレームのX線画像を収集する直前までにトラップされていた電荷量との関数が記録されている。そこで、発生電荷数計算器CCで換算された電荷量は、第1のルックアップテーブルLUT1に記録されている関数に基づき、1枚目のX線入射により生成されトラップされた電荷量として計算される。ここで求められたトラップされた電荷量は、第3の演算器OP3を経て第2のフレームメモリFM2に格納され、次の信号が入るまで保存される。
さて、第2のルックアップテーブルLUT2には、トラップされた電荷が時間経過によって解放される係数を表す関数が記録されている。よって、この第2のルックアップテーブルLUT2に、現在収集中の画像に関して、フレーム間の画像の収集時間差すなわち、X線制御器500によって制御しているX線の曝射間隔についてのデータを供給することによって、ここでトラップされていた電荷の解放係数が算出される。そこで、第2のフレームメモリFM2に格納されている、ある収集されたX線画像の直前までの入射X線線量履歴によりトラップされた電荷量の値に、第2のルックアップテーブルLUT2で得られた係数値を第4の演算器OP4にて乗算することにより、既にトラップされていた電荷量の中からフレーム間収集時間差(X線の曝射間隔)内に解放された電荷量が算出される。この値はA/D変換器ADによってデジタル値に変換される。
なお、第1のルックアップテーブルLUT1およびに第2のルックアップテーブルLUT2に記録されている関数は、夫々実験によって求めたものである。
【0013】
また、第3のフレームメモリFM3には、1枚目のX線画像に対して使用されたオフセット補正データのみが、初期オフセット補正データとして格納されている。よって、1枚目の画像を得たときには、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データと、第3のフレームメモリFM3に保存されているオフセット補正データとは同一であり、両データを第5の演算器OP5で減算すると、その値はゼロとなる。さらに、今1枚目の画像に着目しているので、第2のフレームメモリFM2の内容はゼロであり、第4の演算器OP4の出力およびその出力値をA/D変換器ADによって変換したデジタル値もゼロとなる。従って、第6の演算器OP6において、A/D変換器ADの出力から第5の演算器OP5の出力を減算してもその結果はゼロであり、第2の演算器OP2において、オフセット補正処理の施されたX線診断画像信号(第1の演算器OP1の出力)から差し引く値もゼロとなる。すなわち、差し引くオフセットゴースト分の値はゼロである。このことは、1枚目の画像に対しては、オフセットゴースト補正は適用されないということを意味しているが、第5の演算器OP5および第6の演算器OP6における演算の意味合いについては後述する。
【0014】
次に、2枚目のX線画像が収集された場合について説明する。
1枚目の画像を得るためにX線管300から曝射されたX線によるFPD100の出力が、第1の演算器OP1に供給され、ここで第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減算して、2枚目のX線画像信号が生成される。同時に、1枚目と2枚目の画像収集の時間差(X線の曝射間隔)が第2のルックアップテーブルLUT2へ入力され、この時間差内にトラップされていた電荷の解放係数が算出される。この算出値は、第4の演算器OP4において、第2のフレームメモリFM2に格納されている、1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量の値に掛け合わされて、2枚目のX線画像信号に載るであろうオフセットゴースト分の電荷量を算出する。そして、第4の演算器OP4での算出値は、A/D変換器ADによってデジタル値に変換される。
ここで、第1のフレームメモリFM1と第3のフレームメモリFM3に格納されているオフセット補正データが同一値であったとする。前述のように、第3のフレームメモリFM3には、1枚目のX線画像に対して使用されたオフセット補正データのみが格納されているので、両フレームメモリFM1、FM3が同一値であるということは、1枚目と2枚目の画像収集の間に、オフセット補正データが再収集されていないことを意味している。この場合は、第5の演算器OP5での演算結果は、1枚目の画像収集時と同じくゼロであり、従って、第6の演算器OP6の演算出力は、A/D変換器ADによって変換されたデジタル値と同じ値となるが、第6の演算器OP6の出力を第2の演算器OP2において第1の演算器OP1の出力から減ずることによって、1枚目の入射X線に基づくオフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号を得ることができる。
【0015】
なお、第5の演算器OP5および第6の演算器OP6における、演算することの意味合いは次のとおりである。
すなわち、A/D変換器ADの出力値は、トラップされている電荷量が全くない1枚目のX線画像を収集した時点からの、入射X線線量履歴により算出されたトラップされた電荷量の値であり、第1の演算器OP1におけるオフセット補正処理のために、第1のフレームメモリFM1から供給されるオフセット補正データは、同様に、トラップされている電荷量が全くない1枚目のオフセット補正データであるべきである。
そこで、1枚目の画像信号を収集した後にオフセット補正データを再収集した場合、新しく第1のフレームメモリFM1に書き込まれるオフセット補正データは、それまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴースト分を含んだものとなり、ここには、A/D変換器ADの出力値が既に含まれていることになる。よって、この含まれてしまっているそれまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴーストの変動分を、第5の演算器OP5の処理によって算出し、第6の演算器OP6の処理により、それを除去しているのである。
さて、このオフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号、すなわち、1枚目のX線照射履歴の影響が除去されたX線画像信号は、1枚目と同様に、発生電荷数計算器CCにおいて、2枚目の画像を得るために曝射されたX線により発生する電荷量に換算され、さらに、換算された電荷量は、第1のルックアップテーブルLUT1に記録されている関数に基づき、2枚目のX線入射により生成されトラップされた電荷量が計算される。
【0016】
一方、第7の演算器OP7において、第2のフレームメモリFM2に格納されていた1枚目のX線照射によってトラップされた電荷量から、第4の演算器OP4にて算出されたフレーム間収集時間差(X線の曝射間隔)内に解放された電荷量を減ずることによって、1枚目のX線照射によってトラップされ未だ解放されていない電荷量を算出する。そして、この算出値を、第3の演算器OP3において、第1のルックアップテーブルLUT1から得られた電荷量に加算することにより、2枚目のX線画像を得るために、X線が照射された直後のトラップ準位にトラップされている総電荷量を算出する。さらに、この第3の演算器OP3での算出値を第2のフレームメモリFM2に次の信号が入るまで保存する。
以下この操作を、X線画像を収集する毎に繰り返すことによって、X線入射量およびX線入射間隔に応じたオフセットゴースト量を算出することができ、同時にこれを補正したX線画像信号を得ることができる。よって、このオフセットゴーストの補正された画像信号をもとに、画像収集・保存プロセッサ600(図1参照)において、幻影のないX線画像を生成することができる。また、X線を曝射する毎にオフセットゴースト分を除去する補正が施されるので、臨床の遂行を妨げることはない。
【0017】
そこで、図3に、図7に示した従来のオフセット補正についての説明図に対応させて、本発明によるオフセットゴーストを含むオフセット補正についての説明図を示してあるので、この図により本発明の作用を説明する。なお、図3(a)は、FPD100に入射するX線の状況を示し、図3(b)は、入射X線に伴うFPD100の出力信号レベルを、入射X線量とX線線量履歴によって変化するオフセットとの関係から示し、さらに、図3(c)は、オフセットゴーストを含むオフセット補正に伴い、FPD100の出力として得られるX線信号レベルを示したものである。
すなわち、図3(a)に示すように、FPD100に入射するX線の状況は、図7(a)と同様に、説明を簡単にするために、X線量は毎回同じとし、X線の曝射タイミングが異なっているものとしている。従って、時間経過とともにX線x1、x2、x3、...xnが順次FPD100に入射すると、最初のX線x1が入射したとき、図3(b)に示すように、FPD100には既に或るレベルのオフセットが存在しており、このオフセットのレベルOfは入射するX線の線量履歴により変化する。よって、FPD100の出力Outの値もオフセットレベルOfに応じて変化することになる。ここでXsは真のX線信号値であり、入射X線量を毎回同じとしたので、FPDの出力OutはオフセットレベルOfと平行に変化する。また、Xgは、X線が曝射される毎に除去されるオフセットゴースト分を示している。このように、X線が曝射される毎にオフセットゴースト分が除去されるので、t1、t2、t3、...tmのタイミングでオフセット補正を実施すると、図3(c)に示すように、FPD100の出力Outは、真のX線信号値Xsと同じになる。
【0018】
次に、本発明が適用される放射線診断装置における画像処理部400bの、第2の実施の形態について、図4に示した系統図を参照して説明する。なお、本実施の形態は、FPD100の変換膜23に発生した電荷の一部が、或るトラップ準位にトラップされることに伴ってX線に対する感度が変化し、それにより発生するゴースト現象(以下、この現象を感度ゴーストと称する)を、先の実施の形態において行ったオフセットゴースト補正とともに、補正するようにしたものである。従って、図4において、図2に示した実施の形態におけるオフセットゴースト補正部と同等の部位には符号410を付して示し、本実施の形態において追加した、感度ゴースト補正部には符号420を付して示してある。また、図4には、オフセットゴースト補正部410の各構成要素を含め、図2と同様の部分には同じ符号を付して示してある。
さて、図4に示すように、オフセットゴースト補正部410は、2つのフレームメモリFM2、FM3、1つのルックアップテーブルLUT1、それと6つの演算器OP2〜OP7とを有している。また、本実施の形態として追加した感度ゴースト補正部420は、2つの感度低減率計算器RE1、RE2と4つの演算器OP8〜OP11とを有している。そして、第1のフレームメモリFM1、第2のルックアップテーブルLUT2、第1の演算器OP1、発生電荷数計算器CCおよびA/D変換器ADは、共通的な構成要素として備えられている。
なお、本実施の形態において、オフセットゴーストの補正の仕方は、図2で説明したものと同様であり、これに加えて、次の1式に示すアルゴリズムにより、トラップされた電荷による感度低減率Rを算出し、この値の逆数(1/R)をオフセットゴースト補正の施されたX線画像信号に乗算することにより感度ゴースト補正を施すものである。
感度低減率R = (N−n)/N (1)
ここでNは、トラップされることのできる最大電荷量であり、これは固定の定数ある。またnは、X線線量履歴によりトラップされている電荷量である。
【0019】
さて、第1のフレームメモリFM1には、事前に放射線診断装置において収集した、オフセット補正データとしての暗時画像信号が保存されている。被検体Pを透過したX線によるFPD100での検出信号(実際に取得された画像信号)は第1の演算器OP1に供給され、ここで、画像信号から、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減ずることにより、第1の演算器OP1の出力としてオフセット補正処理の施されたX線画像信号を得る。この第1の演算器OP1の出力は、デジタル化された画素毎の値であり、これを発生電荷数計算器CCへ供給して、ここで、ゴースト量を計算するのに都合の良い、1枚目の画像を得るために曝射されたX線が、FPD100の変換膜23に入射したことにより発生する電荷量に換算する。
【0020】
第2のルックアップテーブルLUT2には、実験データを元に作成された、トラップされた電荷が時間経過によって解放される係数を表す関数が記録されている。よって、この第2のルックアップテーブルLUT2に、現在収集中の画像に関して、フレーム間の画像の収集時間差すなわち、X線制御器500によって制御しているX線の曝射間隔についてのデータを入力して、トラップされていた電荷の解放係数を算出する。この算出値を、第4の演算器OP4において、第2のフレームメモリFM2に格納されている、ある収集されたX線画像の直前までの入射X線線量履歴によりトラップされた電荷量の値に乗算することにより、既にトラップされていた電荷量の中からフレーム間収集時間差(X線の曝射間隔)内に解放された電荷量が算出される。
ところで、第3のフレームメモリFM3には、1枚目のX線画像に対して使用されたオフセット補正データのみが、初期オフセット補正データとして格納されている。よって、1枚目の画像を得たときには、第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データと、第3のフレームメモリFM3に保存されているオフセット補正データとは同一であり、両データを第5の演算器OP5で減算すると、その値はゼロとなる。さらに、今1枚目の画像に着目しているので、第2のフレームメモリFM2の内容はゼロであり、第4の演算器OP4の出力もゼロとなる。従って、第6の演算器OP6において、第4の演算器OP4の出力から第5の演算器OP5の出力を減算してもその結果はゼロであり、第2の演算器OP2において、オフセット補正処理の施されたX線診断画像信号(発生電荷数計算器CCの出力)から差し引くオフセットゴースト分の値もゼロとなる。このことは、1枚目の画像信号に対してはオフセットゴースト補正が適用されないことを意味している。
【0021】
オフセットゴースト補正部410においてオフセットゴースト補正のされた画像信号は、次に、感度ゴースト補正部420における最初の演算器(第8の演算器OP8)へ供給され、ここで1枚目の画像信号を収集する以前のX線線量履歴に基づき発生していた感度低下分が補正される。すなわち、第2の演算器OP2の出力は、感度ゴースト補正部420の第8の演算器OP8へ供給され、ここで第1の感度低減率計算器RE1の出力を逆数にして感度低減補正係数を求める第9の演算器OP9の出力と乗算される。
ただし、オフセットゴースト補正の場合と同様に、今1枚目の画像に着目しているので、第2のフレームメモリFM2の内容はゼロであり、第4の演算器OP4の出力もゼロである。よって、第7の演算器OP7の出力もゼロとなって、これが第1の感度低減率計算器RE1へ供給されて(1)式に基づく感度低減率の計算がされることになるが、第1の感度低減率計算器RE1は、入力がゼロのときは1を出力すると設定されているので、ここでは1が出力され、第9の演算器OP9の出力も1となり、その出力1が第8の演算器OP8へ供給される。つまり、第8の演算器OP8で乗算される補正係数は1となる。
【0022】
この第8の演算器OP8の出力は、オフセットゴースト補正部410のルックアップテーブルLUT1へ供給され、1枚目の画像に対しては、1枚目のX線画像信号のみから、トラップ準位にトラップされるであろう電荷量を計算することになり、この計算結果は第3の演算器OP3を経由して第2のフレームメモリFM2に次の信号が入るまで保存される。なおこのとき、第7の演算器OP7の出力はゼロなので、第3の演算器OP3で加算されるものはない。そして、第3の演算器OP3の出力は第2の感度低減率計算器RE2へ供給されて、(1)式に基づく感度低減率の計算がされ、第10の演算器OP10においてその逆数を求めることによって、感度低減補正係数が演算される。よって、この係数を第11の演算器OP11において第8の演算器OP8の出力に乗じることにより、1枚目の画像に対する感度ゴーストの補正がなされ、A/D変換器ADによって最終的にデジタル信号値に変換することによって、オフセットゴーストと感度ゴーストの補正された1枚目のX線画像信号が得られ、この信号が画像収集・保存プロセッサ600(図1参照)へ供給される。
【0023】
次に、2枚目のX線診断画像が収集された場合について説明する。
1枚目の画像を得るために曝射されたX線によるFPD100の出力が、第1の演算器OP1に供給され、ここで第1のフレームメモリFM1に保存されているオフセット補正データを減算して、2枚目のX線画像信号が生成され、さらに発生電荷数計算器CCにおいて、2枚目の画像を得るために曝射されたX線によりFPD100の変換膜23で発生した電荷量に換算される。同時に、1枚目と2枚目の画像収集の時間差(X線の曝射間隔)が第2のルックアップテーブルLUT2へ入力され、この時間差内にトラップされていた電荷の解放係数が算出される。この算出値は、第4の演算器OP4において、第2のフレームメモリFM2に格納されている、1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量の値に掛け合わされて、2枚目のX線画像信号に載るであろうオフセットゴースト分の電荷量を算出する。よってこれを、電荷量の単位に変換された2枚目のX線画像信号から第2の演算器OP2において減じ、オフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号が得られる。
なお、第4の演算器OP4の出力を、第7の演算器OP7において第2のフレームメモリFM2に格納されていた1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量から減ずることにより、解放されていない1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量が算出されるので、この電荷量を第1の感度低減率計算器RE1へ供給し、(1)式に基づく感度低減率を計算する。さらにこの逆数を第9の演算器OP9で算出して感度低減率補正係数を求め、この係数を第8の演算器OP8においてオフセットゴースト分の補正された2枚目のX線画像信号である第2の演算器OP2の出力に乗じて、2枚目に収集したX線画像信号に載っていた1枚目のX線画像信号を得るためのX線による感度ゴースト分を補正することができる。
【0024】
このようなプロセスによって、1枚目のX線画像を得るために曝射されたX線の履歴によるオフセットゴーストおよび感度ゴーストの補正された2枚目のX線画像信号が算出されるので、これを利用して第1のルックアップテーブルLUT1において、2枚目の画像を得るためのX線のみによってトラップされるであろう電荷量を計算し、この電荷量を解放されていない1枚目のX線曝射によりトラップされた電荷量と第3の演算器OP3で加算し、2枚目のX線画像を得るためにX線が曝射された直後のトラップ準位にトラップされている総電荷量を算出する。この算出値は第2のフレームメモリFM2に次の信号が入るまで保存される。
収集された2枚目のX線診断画像は、上記のトラップされている総電荷量による感度劣化の影響を受けるので、第3の演算器OP3の出力を第2の感度低減率計算器RE2へ供給して、(1)式に基づく感度低減率を計算する。そして、第10の演算器OP10においてその逆数を求めることによって感度低減補正係数を算出し、この係数を第11の演算器OP11において第8の演算器OP8の出力に乗じることにより、2枚目の画像に対してオフセット補正処理と感度ゴースト補正処理を施し、A/D変換器ADによってデジタル信号値に変換することによって、最終的なX線画像信号を得る。
以下この操作を、X線画像信号を収集する毎に繰り返すことによって、X線入射量およびX線入射間隔に応じたオフセットゴースト量および感度ゴースト量を算出することができ、同時にこれらを補正したX線画像を、画像収集/保存プロセッサ600において得ることができる。
なお、1枚目の画像信号を収集した後にオフセット補正データを再収集した場合には、新しく第1のフレームメモリFM1に書き込まれるオフセット補正データは、それまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴースト分と感度ゴースト分を含んだものとなる。よって、この含まれてしまっているそれまでの入射X線線量履歴に基づくオフセットゴーストの変動分と感度ゴーストの変動分を、第5の演算器OP5の処理によって算出し、第6の演算器OP6の処理により、それを除去しているのは第1の実施の形態の場合と同様の考え方によるものである。また、感度補正データの再収集は頻繁に行われるものではないので、その影響は特に考慮していない。
【0025】
本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、種々の形態で実施することが可能である。例えば、駆動制御/画像処理ユニット400や画像処理/保存プロセッサ600を、必ずしも独立した構成機器とすることなく、これらを一体化したユニットとして構成するようにしても良い。また、画像処理部400bをFPD100内に設けるようにしても良い。さらに、本明細書において、直接変換型のFPDについてのみその概要を説明したが、本発明は、間接変換型のFPDを備えた放射線診断装置にも適用されることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、フラットパネル型放射線検出器(FPD)に入射するX線線量履歴に基づき発生するオフセットゴーストによるオフセットの変動を、臨床検査や治療の遂行を妨げることなく精度良く補正することを可能とした放射線診断装置が提供され、これにより、ゴーストが抑制された鮮明な診断画像を得ることができ、診断精度の向上に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される放射線診断装置の一実施の形態を示した系統図である。
【図2】本発明における画像処理部の第1の実施の形態を示した系統図である。
【図3】本発明の作用を説明するために示した説明図である。
【図4】本発明における画像処理部の第2の実施の形態を示した系統図である。
【図5】フラットパネル型放射線検出器の一例の概略構成を示した説明図である。
【図6】フラットパネル型X線検出器を構成する画素の断面構造の一例を模式的に示した説明図である。
【図7】従来のオフセット補正について説明するために示した説明図である。
【符号の説明】
100 フラットパネル型放射線検出器(FPD)
200 寝台
300 X線管
400 駆動制御/画像処理ユニット
400a 駆動制御部
400b 画像処理部
410 オフセットゴースト補正部
420 感度ゴースト補正部
500 X線制御器
600 画像収集/保存プロセッサ
700 モニタ
AD A/D変換器
CC 発生電荷数計算器
FM1〜FM3 フレームメモリ
LUT1、LUT2 ルックアップテーブル
OP1〜OP11 演算器
RE1、RE2 感度低減率計算器
Claims (4)
- 放射線を検知する放射線検知部に半導体を利用した放射線検出手段と、
この放射線検出手段の出力に対して、当該放射線検出手段への放射線の入射線量履歴に基づき、オフセットゴースト分を補正する第1の補正手段と
を具備することを特徴とする放射線診断装置。 - 前記第1の補正手段は、前記放射線検出手段の出力信号レベルから、発生した電荷量および放射線から電荷への変換過程においてトラップ準位にトラップされる電荷量を推定するとともに、放射線の曝射間隔時間に基づき、前記トラップされた電荷の解放量を推定する演算手段を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線診断装置。
- 前記第1の補正手段により補正された前記放射線検出手段の出力信号に対して、感度ゴースト分を補正する第2の補正手段をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の放射線診断装置。
- 前記放射線検出手段のオフセット特性を補正するオフセット補正手段と、
このオフセット補正手段により補正すべきオフセット補正データを再収集したときに、それまでの入射放射線線量履歴に基づくオフセットゴーストの変動分を除去するオフセットゴースト変動分除去手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の放射線診断装置。
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