JP2004305480A - 放射線撮像装置 - Google Patents

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朋之 八木
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Abstract

【課題】光電変換して得られた撮像画像に残像が残ってしまうことにより、撮影を何度も行わなければならなくなることを防止するようにする。
【解決手段】2次元センサー103の暗状態における暗電流の信号を画像化したFPN画像を取得し、取得したFPN画像の信号値のヒストグラムを計算して、FPN画像の信号値の最大値と最小値とを抽出し、抽出した最大値と最小値との差が基準値以内であるかどうかを判定して、次のX線撮影に支障がないかどうかを判断することにより、残像が残ってしまうかどうかを撮影前に把握することができるようにし、撮像を何度も行わなければならなくなる事態を防止することができるようにする。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線撮像装置に関し、特に、放射線を照射して被写体を撮像するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体技術の進歩により、フラットパネルディテクター(Flat Panel Detector;以下、FPDと称する)と呼ばれる光電変換素子を用いて、光を電気信号へ変換するデジタルX線撮像装置が実用化され普及しはじめている。
【0003】
デジタルX線撮像装置は、従来のフィルム式のX線撮像装置よりも優れた感度や画質を有する。また、デジタルX線撮像装置を用いれば、短時間に画像が得られるようになるとともに、画像のデジタル化によって画像の管理が容易になる。この他、デジタルX線撮像装置は、ネットワークを利用した遠隔診断などの新たな医療サービスを提供することが可能になるなど、従来のフィルム式のX線撮像装置に比べ多くの利点を持っている。
【0004】
したがって、デジタルX線撮像装置を用いることにより、診断精度の向上や診断の効率化などを行って、新たな医療サービスの展開を行うことなどが期待されている。
【0005】
このような多くの利点を有するデジタルX線撮像装置では、上述したように、光電変換素子を用いている。具体的に説明すると、蛍光体でX線を可視光に変換し、この変換した可視光を水酸化アモルファスシリコンなどからなる光電変換層で光電変換し、電荷を発生させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記光電変換素子を用いた従来のデジタルX線撮像装置では、短い撮影間隔で被写体を撮影すると、1枚前の撮影画像が残像として見えるという問題がある。
【0007】
この残像には、上記光電変換層や、上記光電変換層と絶縁層の界面に在る深い局在準位が関与している。
上記光電変換素子で光電変換することにより発生した電荷が、上記局在準位にトラップされると、その電荷は熱的励起によって少しずつ局在準位から放出される。
しかし、このような電荷の放出は、長い時定数を持っているため、撮影間隔が短いと、上記局在準位から放出される電荷による画像が残像として見える。
【0008】
残像が強く現れる条件の1つは、被写体に照射された光の量が大きい場合である。
光電効果で発生した電荷が多いほど、上記局在準位にトラップされる電荷も多くなり、発生する残像も大きくなる。つまり、X線の照射が強い巣抜けの部分のようなところでは残像が大きく、前回の撮影で巣抜けの部分とそうでなかった部分が次の撮影で残像として見えやすい。
【0009】
また、部位の右/左を判断するために、鉛でできた文字を撮影時にセンサー面に置くような場合や、患者の身体に入れられた金属のように、X線を良く遮蔽する物質が被写体に含まれている場合の様に、光の照射量が極端に異なる場所があると、残像が見えやすい。
【0010】
しかし、従来のデジタルX線撮像装置には、残像が起きているかどうかを撮影前に判定する手段がないために、オペレータは、撮影された画像を見るまで、残像が発生しているか否かが分からない。
【0011】
そのため、もし、撮影した画像に前回撮影した画像が残像として見えた場合、十分な時間待って、残像が十分小さくなってから再撮影を行わなければならい。
再撮影を行うことは、患者の被爆線量が増すだけでなく、残像が十分小さくなり再撮影ができるようになるまで患者は待たされるので、精神的にも、肉体的にも大きな負担を患者にかけることとなる。
【0012】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、光電変換して得られた撮像画像に残像が残ってしまうことにより、撮影を何度も行わなければならなくなることを防止するようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線撮像装置は、放射線または可視光を電気信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段から出力される電気信号を任意のタイミングで転送するための転送手段とを組み合わせて構成した画素を2次元的に複数配置して成る2次元センサーに、上記光電変換手段で得た電気信号を増幅しデジタルデータに変換する回路と、上記転送手段及び上記光電変換手段を駆動する回路とを接続して成る光電変換装置を有する放射線撮像装置であって、上記2次元センサーに発生する残像を検知する残像検知手段を有することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
次に、図面を参照しながら、本発明の放射線撮像装置の第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示し、放射線撮像装置として配設されるデジタルX線撮像装置の構成の一例を示した図である。
【0015】
本実施の形態のデジタルX線撮像装置では、図1に示すように、人体121を透過したX線120を蛍光体101で可視光102に変換し、その変換した可視光102に基づく画像を、ガラス基板上にアモルファスシリコンプロセスを用いて作られた2次元センサー103によって等倍で読み取るようにしている。
【0016】
2次元センサー103は、光を電気信号に変換する光電変換素子と、光電変換素子からの信号をON/OFF(オン及びオフ)するためのスイッチング素子とからなる画素が、2次元状(マトリックス状)に複数配置されたものである。上記スイッチング素子としては、例えば、TFT(Thin−Film−Transistor)が挙げられる。
【0017】
この2次元センサー103では、蛍光体101が発した人体121の情報を担った可視光102を上記光電変換素子によって電気信号へ変換して、蓄積する。そして、蓄積した電気信号は、垂直駆動回路105によって駆動される上記TFTによって出力される。
【0018】
上記TFTから出力された電気信号は、信号増幅回路104で増幅された後、中継基板123を介して、制御基板124へ送られ、この制御基板124に設けられたADコンバータ106でデジタル信号へ変換される。
【0019】
制御基板124は、2次元センサー103を駆動するための制御信号を、信号増幅回路104や、垂直駆動回路105へ送るための制御用コンピュータのほかに、2次元センサー103、垂直駆動回路105、及び信号増幅回路104で必要な電源を作ることができるレギュレータを内包している。
【0020】
ADコンバータ106でデジタル信号へ変換されることにより得られた画像データは、画像処理装置109に送られて、診断に適したコントラストが得られるように処理され、モニター118へ表示される。
【0021】
また、上記のようにして画像処理装置109で処理された画像データに基づく画像は、オペレータの操作によってプリンター116に出力することもできる。
【0022】
さらに、上記のようにして画像処理装置109で処理された画像データは、コントロールPC(パーソナルコンピュータ)111内の記録装置122や、外部記録装置117や、病院のネットワーク126上にある記録装置などに適宜保存される。
【0023】
以上のようなデジタルX線像撮影装置における制御は、コントロールPC111によってすべて行われる。また、X線源119との同期や、画像の保存や、画像の印刷や、病院内ネットワーク126との接続などもこのコントロールPC111で行うことができる。
【0024】
制御卓113は、患者ID、撮影部位の情報、X線源119の設定、ならびに撮影した画像の画像処理の方法などを入力し、コントロールPC111に伝える。
また、FPD112の動作状態は、動作表示灯125や、モニター118によって表示される。
【0025】
図2は、デジタルX線撮像装置に用いられる2次元センサー103の1画素のパターンの一例を示した図である。
2次元センサー103の1画素は、蛍光体101から発せられた可視光102を電気信号へ変換蓄積する光電変換素子として配設されるMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)型光電変換素部202と、MIS型光電変換部202に蓄積された電荷を転送する転送手段として配設されるTFT(Thin−Film−Transistor)201とをそれぞれ一つずつ有している。
【0026】
そして、TFT201を駆動する為のゲート電極302と、光電変換や電荷蓄積に必要な電圧をMIS型光電変換部202に供給する為のセンサーバイアス線314と、TFT201から図2には図示していない読み出し回路へ電気信号を伝送する為の信号線308とが上記画素に接続されている。
【0027】
図3は、図2のA−A´間の断面図を示したものである。
上記画素はガラス基板301上に形成される。具体的に説明すると、TFT201は、クロムまたはアルミニウムまたはアルミニウムの合金からなるゲート電極302と、アモルファスシリコン窒化膜で形成される絶縁膜303と、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)によって形成されるチャネル層304と、チャネル層304と金属電極とのオーミックコンタクトをとるためのN+アモルファスシリコン層305と、アルミニウムまたはアルミニウムの合金などの金属によって形成されるソース電極306及びドレイン電極307とを有して構成される。
【0028】
本実施の形態のMIS型光電変換素子202は、MIS型アモルファスシリコンフォトセンサーであり、クロムまたはアルミニウムやアルミニウムの合金などの金属によってガラス基板301上に形成されるセンサー下部電極309と、MIS型光電変換部(フォトセンサー)202の絶縁層となる窒化シリコン薄膜からなる絶縁層310と、可視光102を電気信号へ変換する水素化アモルファスシリコンによって形成される光電変換層311と、光電変換層311と電極とのオーミックコンタクトをとるとともに、センサーバイアス線314からの正孔の注入をブロックするN+型アモルファスシリコン層312と、MIS型光電変換部(フォトセンサー)202に電圧を供給するITO(Indium Tin Oxide;インジウム酸化第一錫)からなる透明電極313と、アルミニウムやクロムで形成されるセンサーバイアス線314とを有して構成される。
【0029】
さらに、MIS型光電変換部(光電変換素子)202と、TFT201とを湿度や異物から保護するための保護層315と、放射線を可視光に変換する蛍光体317と、蛍光体317を保護層315に接着するための接着層316と、蛍光体317とを湿度から保護するための蛍光体保護層318とが、TFT201とMIS型光電変換部202の上方に形成されている。なお、図3に示した蛍光体317と、図1に示した蛍光体101とは同じものである。
【0030】
このように、2次元センサー103を形成する際にアモルファスシリコンプロセスが用いられる理由は、大面積を均一に成膜でき、MIS型光電変換部202やTFT201の特性を均一にすることができるためである。
【0031】
次に、MIS型光電変換部202の動作原理を、図4に示すMIS型光電変換部202のエネルギーバンド図を用いて説明する。
図4(a)では、MIS型光電変換部202のセンサーバイアス線314側に正の電圧を印加した蓄積動作時(光電変換モード)の状態を示している。
【0032】
この光電変換モードでは、光電変換層311内で光電効果によって発生した正孔403は、光電変換層311間の電界によって、絶縁層310と光電変換層311の界面(光電変換層−絶縁層界面)に移動し、電子402はN+アモルファスシリコン層312側へと移動する。
【0033】
このとき、正孔403は、絶縁層310を抜けて移動することができないため、光電変換層―絶縁層界面に蓄積することになる。よって、光401の照射量や時間に比例した電圧がMIS型光電変換部202に発生する。
【0034】
しかしながら、ある一定量の正孔403を蓄積すると、図4(b)に示すように、光電変換層−絶縁層界面に蓄積した正孔403に起因する電圧と、MIS型光電変換部(フォトセンサー)202に印加している電圧とが等しくなり、光電変換層311に電界が発生しなくなる。
【0035】
この状態では、光電変換層311で発生した正孔403は、光電変換層―絶縁層界面に移動できず、電子402と再結合し消滅してしまうため、光401の照射量や時間に比例した電圧が発生しなくなる。この状態を飽和状態と呼ぶ。
【0036】
飽和状態になったMIS型光電変換部202では、光401の照射量や時間に比例した電圧が発生しないため、この状態で撮影を行っても正常なX線画像を得ることができない。
【0037】
MIS型光電変換部202を再び図4(a)の状態(光電変換モード)にするためには、図4(c)に示すように、センサーバイアス線314の電圧を図4(a)および図4(b)の状態より低い電圧にして、光電変換層―絶縁層界面に蓄積した正孔403を掃き出す動作が必要である。この動作をリフレッシュ動作という。
【0038】
このとき、センサーバイアス線314の電圧を上記蓄積動作時よりも低い電圧にすることで正孔403を掃き出すことができる。そして、掃き出した正孔403の量だけ、光電変換モード時に新たに正孔403を蓄積できるようになる。
【0039】
よって、センサーバイアス線314の電圧をより低く設定することで、多くの光が照射されてもセンサーが飽和状態になりにくくすることができる。
しかし、リフレッシュ動作から光電変換モードに変わった直後は、リフレッシュ動作時に光電変換層311に注入された電子に起因する電流が流れ、一時的に暗電流が大きくなる。
【0040】
また、リフレッシュ動作時のセンサーバイアス線314の電圧を低くすればするほど、リフレッシュ動作時に光電変換層311へ注入される電子が多くなるため、センサーバイアス線314の電圧(バイアス)を蓄積動作時における電圧(バイアス)に再び戻すと、多くの電流が発生する。
【0041】
よって、リフレッシュ動作時及び光電変換モード時におけるセンサーバイアスは、MIS型光電変換部(光電変換素子)202がデジタルX線撮像装置として望まれるダイナミックレンジと暗電流とが確保されるように最適化される。
【0042】
MIS型光電変換部202でX線画像(撮像画像)を得るには、リフレッシュ動作を行った後、光電変換モードとし、光電変換モード時にX線を照射する。その後、TFT201を順次ONしてMIS型光電変換部(光電変換素子)202に蓄積した電荷を信号増幅回路104へ転送する必要がある。
【0043】
また、デジタルX線撮像装置では、上記MIS型光電変換部(MIS型光電変換素子)202を光電変換素子として用いる以外に、PIN型光電変換部(PIN型光電変換素子)を光電変換素子として用いてもよい。
【0044】
図5に、PIN型光電変換部を用いた画素の断面図を示す。
TFTは、ガラス基板501上に形成されたクロムまたはアルミニウムまたはアルミニウムの合金からなるゲート電極502と、アモルファスシリコン窒化膜で形成される絶縁膜503と、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)によって形成されるチャネル層504と、チャネル層504と金属電極とのオーミックコンタクトをとるための負の導電性を持つN+アモルファスシリコン層505と、アルミニウムまたはアルミニウムの合金などの金属によって形成されるソース電極506及びドレイン電極507とを有して構成される。
【0045】
PIN型光電変換部は、アルミニウムまたはアルミニウムの合金からなるセンサー下部電極層509と、センサー下部電極層509から光電変換層511への正孔の注入を阻止するための、負の導電性を持つN+アモルファスシリコン層510と、水素化アモルファスシリコンからなる光電変換層511と、センサーバイアス線514ならびに透明電極513から、光電変換層511への電子の注入を阻止するための、正の導電性をもつP+型アモルファスシリコン層512と、PIN型光電変換部に電圧を供給するための、アルミニウムやアルミニウム合金からなるセンサーバイアス線514と、ITOなどの透明電極材料で形成される透明電極層513とを有して構成される。
【0046】
図6に、PIN型光電変換部の動作原理を説明するためのエネルギーバンド図を示す。
図6(a)及び図6(b)は、PIN型光電変換部のP+アモルファスシリコン層512に負の電圧を印加した状態、またはN+アモルファスシリコン層510に正の電圧を印加した状態のPIN型光電変換部のバンドダイアグラムを示している。
【0047】
図6(a)では、PIN型光電変換部に光が照射されていない状態を示している。PIN型光電変換部の両端にかかる電圧によって、P+アモルファスシリコン層512側からは電子が、N+アモルファスシリコン層510側からは正孔がそれぞれ注入される。
【0048】
しかし、上記注入された電子と正孔は、N+アモルファスシリコン層510やP+アモルファスシリコン層512内で再結合し、光電変換層511を通って対極へと流れることができないため、この状態では、PIN型光電変換部は電流を流さない。
【0049】
しかしながら、光電変換層511にトラップされている電荷601が熱的に放出され、放出された電子602が、PIN型光電変換部にかかっている電圧によって光電変換層511の外へと流れ出るため、光電変換で発生する電流より微量ではあるが電流(暗電流)が流れる。
【0050】
図6(b)は、図6(a)の状態のPIN型光電変換部に光を照射した状態を示している。
光が照射されると光電変換層511では、電子・正孔対が発生し光電変換層511にかかっている電圧によって電子603はN+アモルファスシリコン層510へ、正孔はP+アモルファスシリコン層512へドリフトする。このとき、光電変換層511を移動する時間を電子及び正孔の寿命より十分短くなるようPIN型光電変換部に印加する電圧を設定することで光量に比例した電流を得ることができる。
【0051】
PIN型光電変換部の特長は、MIS型光電変換部のようにリフレッシュ動作が必要ないことである。
【0052】
また、実用化はされていないが、結晶半導体材料で構成されるPIN型光電変換部を用いてX線を電気信号に直接変換するものや、アモルファスセレンを用いたものも研究されており、このような光電変換部を光電変換素子として用いてもよい。
【0053】
なお、上述したアモルファスシリコンと蛍光体とを用いたものは間接型と呼ばれ、上記結晶半導体材料などを用いてX線を電気信号に直接変換するものは直接型と呼ばれる。
【0054】
ところで、上述したような残像を無くすためには、アモルファスシリコン(光電変換層311、511)や、アモルファスシリコン窒化膜(絶縁層310)の局在準位を減らすことが必要であるが、アモルファスシリコンより局在準位の少ないポリシリコンや結晶シリコンによって、アモルファスシリコンと同等の均一性でFPDを作ることは技術的に困難である。
【0055】
また、研究段階であるが、直接型の光電変換素子に用いられている材料で有用なものは、結晶半導体であるが、この結晶半導体であっても局在準位が多いものがほとんどである。
残像の問題を解決するためには、これら材料の改善が必要であるが、局在準位を減らすことは非常に困難である。
【0056】
よって、本実施の形態のデジタルX線撮像装置においては、残像の発生による再撮影を回避するために、デジタルX線撮像装置自らが残像の発生を判断するとともに、残像の発生をオペレータに告知し、さらに、残像を無くすための方法や処理を行うようにする。
【0057】
図7に、上記FPDを用いた本実施の形態のデジタルX線撮像装置の動作の一例を説明するフローチャートを示す。
【0058】
まず、ステップS701において、X線画像を撮影した直後に、後述する残像検知処理を行う。
次に、ステップS702において、この残像検知処理の結果に基づいて、直前の撮影によって発生した残像が、その後の撮影に影響が出る量か、それとも問題とならない量なのかを判定する。
【0059】
この結果、問題とならないと判定された場合にはステップS701に戻り、X線撮影を続けて行える。一方、問題有りと判定された場合には、ステップS703に進み、動作表示灯125やモニター118を用いて、後述する残像除去処理を行うようオペレータに警告を発する。
【0060】
オペレータに警告を発した後(オペレータコールの後)、ステップS704に進み、デジタルX線撮像装置は、オペレータに残像を除去する方法を指示し、これに従い後述する残像除去処理を行う。そして、この残像除去処理が終了した後、ステップS701に戻り、X線撮影を正常に行うことができる。
【0061】
図8に、上記残像検知処理を行う際のデジタルX線撮像装置の動作の一例を説明するフローチャートを示す。
まず、ステップS801において、X線を照射せずに読み出し動作を行って、図9(a)に示すようなFPN(Fixed Pattern Noise)画像を得る。このFPN画像では、2次元センサー103の暗状態における暗電流の信号を画像化するので、画素の暗電流のばらつきや残像などの情報を得ることができる。
【0062】
診断用のX線画像では、黒いほど被写体でのX線の吸収が少なく、蛍光体101の発光量が大きいことを示している。一方、FPN画像では、白くなるほどデジタルX線撮像装置のFPN出力が高いことを示している。
【0063】
このようなFPN画像を撮影する場合において、3秒程度の長時間の蓄積動作を行うことで上述した情報が明確に得られるようになる。つまり、光電変換に必要なセンサーバイアスを光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)に与え、TFT201をOFFにした状態を続けた後、光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)に蓄積した電荷を読み出すことで、上述した情報が明確になる。なお、上記において、長時間の蓄積動作とは、一般のX線撮影での蓄積時間に比べて長時間の蓄積動作ということであり、この蓄積動作における蓄積時間は、3秒程度に限定されるものではない。
【0064】
X線撮影を行った直後のFPN画像は残像が支配的になっているため、図9(a)に示したFPN画像では、被写体の無い四隅や、X線が透過しやすい肺野の部分でFPN出力が高くなっている。
【0065】
このFPN出力から、実際の撮影時に発生する残像量を割りだし、この割り出した残像量と、一般のX線撮影での蓄積時間における残像量との関係から、次のX線撮影に支障がないかどうかを判断する。
【0066】
この判断を行うための具体的な方法は、ステップS802において、図9(b)に示すようなFPN画像のヒストグラムを計算し、ステップS803において、その最大値と最小値とを抽出し、ステップS804において、抽出した最大値と最小値との差が基準値以内であるかどうか判定する方法がとられる。
【0067】
そして、この判定の結果、上記最大値と最小値との差が基準値以内である場合には、後述するステップS1001〜ステップS1003における残像除去作業が既に行われているかどうかを判定するステップS805に進む。
【0068】
ここで、後述する残像除去作業が既に行われている場合は、ステップS807(後述するステップS1004〜ステップS1006)の画像補正データを取得する作業に進み、そうでない場合は、正常に撮影が行えるので、撮影が可能であることをオペレータに知らせる。
一方、上記最大値と最小値との差が基準値以内でない場合には、ステップS806(後述するステップS1001〜ステップS1003)に進み、後述する残像除去作業のX線撮影を行う。
なお、この残像除去作業を行った後は、ステップS807における画像補正データを取得する作業に進むようにしたり、ステップS801に戻り、上記最大値と最小値との差が基準値以内になるまでステップS801からステップS804までの処理を繰り返すようにしたりすればよい。
【0069】
以上の処理は画像処理装置109によって行われ、また、次のX線撮影に支障がないかどうかを判断するための基準値は、2次元センサー103の特性評価で得られたものを用いる。
【0070】
図10に、上記残像除去処理を行う際のデジタルX線撮像装置の動作の一例を、作業手順を含めて説明するフローチャートを示す。
残像除去作業には、大きく分けて、デジタルX線撮像装置に発生した残像を除去する作業と、診断に最適なX線画像に処理する際に必要な画像補正データを取得する作業との2つの作業に分かれる。
【0071】
まず、ステップS1001において、オペレータは、撮像装置のダイナミックレンジを越えるような、強いX線を照射するよう、X線源119の管電圧と、管電流を設定する(第1の曝射条件)。
【0072】
次に、ステップS1002において、オペレータは、デジタルX線撮像装置の全面にX線が照射されるように調整し、被写体を何も置かないで、X線撮影を行うための操作を行う。この操作に従って、デジタルX線撮像装置は、X線撮影を行う。
【0073】
その後、ステップS1003において、デジタルX線撮像装置は、上述した残像検知処理によって、残像が除去されているかどうかを判定する。
【0074】
この判定の結果、残像が除去されていれば、画像補正データ取得作業に移る。一方、残像が除去されていない場合には、ステップS1002に戻り、X線撮影を再度行う。そして、デジタルX線撮像装置が、残像が除去されたと判断するまでステップS1002とステップS1003とを繰り返し行う。
【0075】
画像補正データ取得作業を行うのは、上述したステップS1002で行うX線撮影のように、強いX線が照射され光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)に多量の光が照射されると、光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)の感度特性が、X線を照射する以前と変わってしまい、今まで使用していた補正データを使用することができなくなるからである。
【0076】
画像補正データを取得するために、ステップS1005及びステップS1006に示すように、白補正データの作成と、FPN補正データの作成とを行う。
【0077】
上記白補正データの作成は、まず、ステップS1004において、オペレータは、デジタルX線撮像装置のダイナミックレンジに対し、20〜30%の画像出力となるようにX線の条件を設定する(第2の曝射条件)。
【0078】
そして、ステップS1005において、デジタルX線撮像装置は、上記設定された条件に従ってX線画像を数枚撮影する。
このX線画像から、信号増幅回路104におけるゲインのばらつきや、光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)における感度のばらつきの補正に使用される白補正データを作成する。
【0079】
FPN補正データは、上述したFPN画像から得られ、光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)や信号増幅回路104のばらつき、またはオフセットのばらつきの補正に使用される。
【0080】
以上のような一連の作業と処理により、残像を除去し、かつ、デジタルX線撮像装置を撮影に適した状態にすることができる。
また、これら一連の作業において、作業方法をモニター118へ表示し、オペレータが対話的に作業を進めていくことができる。
【0081】
以上のように本実施の形態によれば、アモルファスシリコンプロセスを用いて構成された光電変換素子を有するデジタルX線撮像装置に内在する残像の発生を検知して、オペレータに警告し、速やかに除去することができる。したがって、残像による撮影の失敗を未然に防ぐことができるとともに、発生した残像を早急に除去して正常な撮影を行うことができる。これにより、患者やオペレータの肉体的な負担や、精神的な負担の少ないデジタルX線撮像装置を提供することができる。
【0082】
(第2の実施の形態)
次に、図面を参照しながら、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態と残像検知処理が異なるだけであり、その他については、上述した第1の実施の形態と同じである。したがって、上述した第1の実施の形態と同一の部分については、図1〜図10に付した符号と同一の符号を付すなどして詳細な説明を省略する。
【0083】
図11に、本実施の形態における残像検知処理を行う際のデジタルX線撮像装置の動作の一例を説明するフローチャートを示す。
また、図12(a)に、残像検知処理を行う直前に撮影したX線画像を示し、図12(b)に、長時間電荷を蓄積して得られるFPN画像を示す。図12(c)に、図12(b)に示したFPN画像の出力値を表したグラフを示す。
【0084】
本実施の形態における残像検知処理は、まず、ステップS1101において、直前に撮影したX線画像で最も白い箇所、つまり、X線の照射量が最小で光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)に蓄積される電荷量が最小の場所と、最も黒い箇所、つまり、X線の照射量が最大で光電変換素子(MIS型光電変換部やPIN型光電変換部など)に蓄積される電荷量が最大の場所とを割り出す。
【0085】
その後、ステップS1102において、上述した第1の実施の形態で説明した電荷を長時間蓄積することにより得られるFPN画像を撮影する(図8のステップS801を参照)。
【0086】
そして、ステップS1103において、ステップS1101で割り出した電荷量が最大値であった箇所と最小値であった箇所とに対応するFPN画像の出力を抽出する。
【0087】
そして、ステップS1104において、抽出したFPN画像の出力の差が基準値以内であるかどうかを判定し、次のX線撮影に支障がないかどうかを判断する。
【0088】
すなわち、抽出したFPN画像の出力の差が基準値以内である場合には、次のX線撮影に支障がないと判断して、ステップS1105に進み、上記ステップS1001〜ステップS1003における残像除去作業が既に行われているかどうかを判定する。
【0089】
そして、上記残像除去作業が既に行われている場合は、ステップS1007(上記ステップS1004〜ステップS1006)に進み、上述したステップS807と同様に、画像補正データを取得し、そうでない場合は、正常に撮影が行えるので、撮影が可能であることをオペレータに知らせる。
【0090】
一方、抽出したFPN画像の出力の差が基準値以内でない場合には、次のX線撮影に支障があると判断して、ステップS1106に進み、上述したステップS806(上記ステップS1001〜ステップS1003)と同様に、残像除去作業を行う。
なお、この残像除去作業を行った後は、上述した第1の実施の形態と同様に、ステップS1107における画像補正データを取得する作業に進むようにしたり、ステップS1101に戻り、上記最大値と最小値との差が基準値以内になるまでステップS1101からステップS1104までの処理を繰り返すようにしたりすればよい。
【0091】
以上の処理は、画像処理装置109によって行われ、また、次のX線撮影に支障がないかどうかを判断するための基準値は2次元センサー103の特性評価で得られたものを用いる。
【0092】
以上のような残像検知処理により、画像診断に悪影響を及ぼす量の残像を撮影部位や条件に依らず検知できることが可能となる。
また、上述した図10に示したフローチャートに従って残像を除去することによって、上述した第1の実施の形態と同様に残像による撮影の失敗を未然に防ぐことができるとともに、発生した残像を早急に除去して正常な撮影を行うことができる。
【0093】
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0094】
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0095】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0096】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0097】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
(実施態様1) 放射線または可視光を電気信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段から出力される電気信号を任意のタイミングで転送するための転送手段とを組み合わせて構成した画素を2次元的に複数配置して成る2次元センサーに、上記光電変換手段で得た電気信号を増幅しデジタルデータに変換する回路と、上記転送手段及び上記光電変換手段を駆動する回路とを接続して成る光電変換装置を有する放射線撮像装置であって、
上記2次元センサーに発生する残像を検知する残像検知手段を有することを特徴とする放射線撮像装置。
(実施態様2) 上記残像検知手段は、上記2次センサーにおける暗電流の信号を画像化することにより得られた画像データに基づいて、上記残像を検知することを特徴とする実施態様1に記載の放射線撮像装置。
【0098】
(実施態様3) 上記残像検知手段は、上記2次元センサーの暗電流を画像化することによって得られた画像データの最大値と最小値とから、上記残像が次に撮像される撮像画像に与える影響を判断する判断手段を有し、
上記判断手段による判断の結果に基づいて、上記残像を検知することを特徴とする実施態様1または2に記載の放射線撮像装置。
【0099】
(実施態様4) 上記残像検知手段は、上記2次元センサーの暗電流を画像化することによって画像データを得るとともに、直前に撮像された撮像画像から、可視光または放射線の照射量が最も多い照射領域と、最も少ない照射領域とを判別し、判別した2つの照射領域に対応する画像データの差から、上記残像が次に撮像される撮像画像に与える影響を判断する判断手段を有し、
上記判断手段による判断の結果に基づいて、上記残像を検知することを特徴とする実施態様1または2に記載の放射線撮像装置。
【0100】
(実施態様5) 被写体が無い状態でX線を曝射してX線画像を取得し、取得したX線画像に基づいて、上記2次元センサーに発生した残像を除去する残像除去手段を有することを特徴とする実施態様1〜4の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0101】
(実施態様6) 上記残像検知手段により残像が検知された後に、上記残像の発生をオペレータに知らせる報知手段を有することを特徴とする実施態様1〜5の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0102】
(実施態様7) 上記光電変換手段は、絶縁性の基板上に、
第1の電極層と、
第1の導電型のキャリア、および上記第1の導電型のキャリアとは正負の異なる第2の導電型のキャリアの両方のキャリアの通過を阻止する第1の非単結晶の絶縁層と、
非単結晶の半導体で形成される光電変換半導体層と、
第2の電極層と、
上記第2の電極層と上記光電変換半導体層の間に形成され、上記光電変換半導体層に第1の導電型のキャリアが注入されることを阻止する注入阻止層と、
金属で形成された第3の電極層とを少なくとも有し、
上記第2の電極層は、上記注入阻止層上に形成され、可視光に対し透明であることを特徴とする実施態様1〜6の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0103】
(実施態様8) 上記光電変換手段は、
絶縁性の基板と、
上記絶縁性の基板上に形成される第1の電極層と、
上記第1の電極層上に形成され、第1の導電型のキャリア、および上記第1の導電型のキャリアとは正負の異なる第2の導電型のキャリアの両方のキャリアの通過を阻止する第1の絶縁層と、
上記第1の絶縁層上に、非単結晶の半導体を用いて形成される光電変換半導体層と、
上記光電変換半導体層上に形成され、上記光電変換半導体層に第1の導電型のキャリアが注入されることを阻止する注入阻止層と、
上記注入素子層上に形成され、可視光に対し透明である第2の電極層と、
上記第2の電極層と上記光電変換半導体層との間に、金属を用いて形成される第3の電極層とを少なくとも有することを特徴とする実施態様1〜6の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0104】
(実施態様9) 上記光電変換手段は、絶縁性の基板上に、
第1の電極層と、
第1の導電型の電荷の注入を阻止する第1の注入阻止層と、
非結晶の半導体で形成される光電変換半導体層と、
上記第1の導電型の電荷とは正負の異なる第2の導電型の電荷の注入を阻止する第2の注入阻止層と、
上記第2の注入阻止層上に形成され、可視光に対し透明である第2の電極層と、
金属で形成される第3の電極層とを少なくとも有することを特徴とする実施態様1〜6の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0105】
(実施態様10) 上記光電変換手段は、
絶縁性の基板と、
上記絶縁性の基板上に形成される第1の電極層と、
上記第1の電極層上に形成され、第1の導電型のキャリアの注入を阻止する第1の注入阻止層と、
上記第1の注入阻止層上に、非結晶の半導体を用いて形成される光電変換半導体層と、
上記光電変換半導体層上に形成され、上記第1の導電型のキャリアとは正負の異なる第2の導電型のキャリアの注入を阻止する第2の注入阻止層と、
上記第2の注入阻止層上に形成され、可視光に対し透明である第2の電極層と、
上記第2の電極層と、上記第2の注入阻止層との間に、金属を用いて形成される第3の電極層とを少なくとも有することを特徴とする実施態様1〜6の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0106】
(実施態様11) 上記光電変換手段は、
第1の電極層と、
第1の導電型の電荷の注入を阻止する第1の注入阻止層と、
半絶縁性を有する結晶基板を用いて形成される光電変換半導体層と、
上記第1の導電型の電荷とは正負の異なる第2の導電型の電荷の注入を阻止する第2の注入阻止層と、
上記第2の注入阻止層上に、金属を用いて形成される第2の電極層とを少なくとも有することを特徴とする実施態様1〜6の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0107】
(実施態様12) 上記光電変換手段は、
第1の電極層と、
上記第1の電極層上に形成され、第1の導電型の電荷の注入を阻止する第1の注入阻止層と、
上記第1の注入阻止層上に、半絶縁性を有する結晶基板を用いて形成される光電変換半導体層と、
上記光電変換半導体層上に形成され、上記第1の導電型の電荷とは正負の異なる第2の導電型の電荷の注入を阻止する第2の注入阻止層と、
上記第2の注入阻止層上に、金属を用いて形成される第2の電極層とを少なくとも有することを特徴とする実施態様1〜6の何れか1態様に記載の放射線撮像装置。
【0108】
(実施態様13) 上記光電変換装置の照射面に張り合わされる蛍光体を有し、
上記蛍光体は、人体を透過したX線を可視光に変換することを特徴とする放射線撮像装置。
【0109】
(実施態様14) 放射線または可視光を電気信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段から出力される電気信号を任意のタイミングで転送するための転送手段とを組み合わせて構成した画素を2次元的に複数配置して成る2次元センサーに、上記光電変換手段で得た電気信号を増幅しデジタルデータに変換する回路と、上記転送手段及び上記光電変換手段を駆動する回路とを接続して成る光電変換装置を有する放射線撮像装置の制御方法であって、
上記2次元センサーに発生する残像を検知する残像検知処理を行うことを特徴とする放射線撮像装置の制御方法。
【0110】
(実施態様15) 上記残像検知処理は、上記2次センサーにおける暗電流の信号を画像化することにより得られた画像データに基づいて、上記残像を検知することを特徴とする実施態様14に記載の放射線撮像装置の制御方法。
【0111】
(実施態様16) 上記残像検知処理は、上記2次元センサーの暗電流を画像化することによって得られた画像データの最大値と最小値とから、上記残像が次に撮像される撮像画像に与える影響を判断する判断処理を行い、
上記判断処理による判断の結果に基づいて、上記残像を検知することを特徴とする実施態様14または15に記載の放射線撮像装置の制御方法。
【0112】
(実施態様17) 上記残像検知手段は、上記2次元センサーの暗電流を画像化することによって画像データを得るとともに、直前に撮像された撮像画像から、可視光または放射線の照射量が最も多い照射領域と、最も少ない照射領域とを判別し、判別した2つの照射領域に対応する画像データの差から、上記残像が次に撮像される撮像画像に与える影響を判断する判断処理を行い、
上記判断処理による判断の結果に基づいて、上記残像を検知することを特徴とする実施態様14または15に記載の放射線撮像装置の制御方法。
【0113】
(実施態様18) 被写体が無い状態でX線を曝射してX線画像を取得し、取得したX線画像に基づいて、上記2次元センサーに発生した残像を除去する残像除去処理を行うことを特徴とする実施態様14〜17の何れか1態様に記載の放射線撮像装置の制御方法。
【0114】
(実施態様19) 上記残像検知処理により残像が検知された後に、上記残像の発生をオペレータに知らせる報知処理を行うことを特徴とする実施態様14〜18の何れか1態様に記載の放射線撮像装置の制御方法。
【0115】
(実施態様20) 放射線または可視光を電気信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段から出力される電気信号を任意のタイミングで転送するための転送手段とを組み合わせて構成した画素を2次元的に複数配置して成る2次元センサーに、上記光電変換手段で得た電気信号を増幅しデジタルデータに変換する回路と、上記転送手段及び上記光電変換手段を駆動する回路とを接続して成る光電変換装置を有する放射線撮像装置を制御することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
上記2次元センサーに発生する残像を検知する残像検知処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【0116】
(実施態様21) 前記実施態様20に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、放射線または可視光を電気信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段から出力される電気信号を転送するための転送手段とを組み合わせて構成した画素を2次元的に複数配置して成る2次元センサーに発生する残像を検知するようにしたので、残像による撮影の失敗を未然に防ぐことができ、撮像画像に残像が残ってしまうことにより、撮影を何度も行わなければならなくなることを防止することができる。これにより、使用者の肉体的な負担や、精神的な負担を可及的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、デジタルX線撮像装置の構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、2次元センサーの1画素の一例を示した平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、図2に示した2次元センサーの1画素のA−A´間の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示し、MIS型光電変換部のエネルギーバンドを示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示し、PIN型光電変換部と、TFTとを組みあわせた画素の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示し、PIN型光電変換部のエネルギーバンドを示した図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態を示し、デジタルX線撮像装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示し、残像検知処理を行う際のデジタルX線撮像装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態を示し、FPN画像と、そのヒストグラムとを示した図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態を示し、残像除去処理を行う際のデジタルX線撮像装置の動作の一例を、作業手順を含めて説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示し、残像検知処理を行う際のデジタルX線撮像装置の動作の一例を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示し、X線画像と、FPN画像と、FPN画像の信号値とを示した図である。
【符号の説明】
101 蛍光体
102 可視光
103 2次元センサー
104 信号増幅回路
105 垂直駆動回路
106 A/Dコンバータ
109 画像処理装置
118 モニター
119 X線源
120 X線
121 人体

Claims (1)

  1. 放射線または可視光を電気信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段から出力される電気信号を任意のタイミングで転送するための転送手段とを組み合わせて構成した画素を2次元的に複数配置して成る2次元センサーに、上記光電変換手段で得た電気信号を増幅しデジタルデータに変換する回路と、上記転送手段及び上記光電変換手段を駆動する回路とを接続して成る光電変換装置を有する放射線撮像装置であって、
    上記2次元センサーに発生する残像を検知する残像検知手段を有することを特徴とする放射線撮像装置。
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