JP4737872B2 - シームレスベルト内表面へのパターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの内表面の導電性パターンを形成する方法として好適な、シームレスベルト内面へのパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電式複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の、電子写真技術による画像形成装置においては、近年、形成画像のフルカラー化が広く検討されている。また、電子写真技術の進歩により、形成画像の高品質化や画像形成の高速化がより一層、強く求められている。
電子写真画像形成装置によるフルカラー画像の形成は、例えば下記(A) ,(B) に示す方法によって達成される。
【0003】
(A) シアン(C)、マゼンダ(M)およびイエロー(Y)の3つまたはこれにブラック(BK)を加えた4つの色に対応した現像装置90によってそれぞれの像担持体(感光体ドラム)91表面に単色のトナー画像(図示せず)を形成し、さらにこの単色のトナー画像を順次、中間転写ベルト10に転写して、中間転写ベルト10の表面にフルカラーのトナー像(図示せず)を形成した後、これを転写材92に転写、定着させる(図11参照)。
【0004】
(B) 現像装置90によって像担持体91表面に形成された単色のトナー像を中間転写ベルト10の表面に転写し、この操作を各色のトナー像について繰り返すことによって中間転写ベルト10の表面にフルカラーのトナー像を形成した後、これを転写材92に転写、定着させる(図12参照)。
この電子写真画像形成装置におけるフルカラー画像の形成において、像担持体91から転写材92へのトナー像の受け渡しは、中間転写ベルト10に電界を与えることによって行われる。すなわち、像担持体91から中間転写ベルト10へのトナー像の転写は、中間転写ベルト10への一次転写ローラ93の接触によって達成され、中間転写ベルト10から転写材92へのトナー像の転写は、二次転写ローラ94との接触等によって達成される。従って、中間転写ベルト10は、トナー像の受け渡しを行う上で極めて重要な部材である。
【0005】
中間転写ベルト10は、抵抗が厳密に制御された電気抵抗体からなるものであって、その表面の帯電状態はトナーの転写の良否を大きく左右するものである。例えば、高品質の画像を形成する目的で粒径の小さなトナーを用いた場合、高速の画像形成を実現する目的でトナーの転写効率を向上させる場合、あるいはフルカラー印刷のように複数色のトナー像を中間転写ベルト上に重ねて形成する場合には、中間転写ベルト10に印加される転写電界の強度を上げて、その表面の帯電状態を調節する必要がある。
【0006】
しかしながら、一次転写ローラ93や二次転写ローラ94からの転写電界が大きくなると、転写電流が中間転写ベルト10の表面に沿って移動し易くなり、その結果、図13に示すように、転写部分(ニップ部)95の周辺でトナー96が散らばって転写される、いわゆるブラー現象を生じるおそれがある。ブラー現象の発生は、画像の太り、にじみ、トナーの飛散といった画像乱れの発生を招き、形成画像の品質を著しく低下させる原因となるものであることから、これを防止することが求められている。
【0007】
また、長期間に亘って高強度の転写電界を印加し続けると、転写ローラの径が細くなったり、中間転写ベルト10との接触圧が部分的に弱くなったりするおそれがあり、転写効率の著しい低下を招くという問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の課題を解決するための中間転写ベルトとして、特開平5−119638号公報には、電気抵抗体により形成された輪状のベルトが開示されている。このベルトは導電体からなるものであって、その内表面(裏側)には、像担持体(感光体ドラム)や二次転写ローラとの接触部に平行で、かつ互いに接触しない程度に隙間を有する多数の細長いパターン(導電性パターン)が、ベルトに密着した状態で並設されている。
【0009】
この公報に開示の中間転写ベルトによれば、当該ベルトの内表面(裏側)に前記導電体からなるパターンを有する部分と一次転写ローラや二次転写ローラとが接触することによって、像担持体や二次転写ローラとの接触部(転写部)には、ベルトの幅方向に均一な電界が形成される。一方、ベルトの内表面(裏側)に前記導電体からなるパターンを有しない部分では、その部分の電気抵抗が高いことから、ベルト表面に加えられた電荷がベルトの表面に沿って(ベルトの周方向に)移動する現象を抑制することができ、ブラー現象等に伴う画像乱れの発生が防止される。
【0010】
しかしながら、上記中間転写ベルトは、像担持体91や転写材92との接触時に段差によってブレを生じたりすることがないように、継ぎ目のない(シームレス)ベルトであることが望まれている。それゆえ、あらかじめ輪状でかつシームレス状に成形されたベルトの内表面に、直接に導電性パターンを形成する必要があるが、輪状かつシームレスであるベルトの内表面に均一なピッチで、しかも微細かつ高精度のストライプパターンを形成するのは困難であった。
【0011】
上記公報において、ベルトの内表面に導電体のパターンを形成する方法としては、例えば電気抵抗体の内表面にアルミニウムを蒸着した後、所望の導電体のパターン部分以外をエッチングにより除去する方法や、導電性ペーストを電気抵抗体にスクリーン印刷することによって形成する方法が開示されている。しかし、かかる方法のうち、前者のアルミニウムの蒸着膜をエッチングする方法では、蒸着処理やエッチング処理の工程が複雑でコストもかかる上、エッチングによって除去される蒸着膜の量が多いために材料のコストや処理液のコストも高くなるという問題がある。一方、後者のスクリーン印刷を用いる方法では、導電体のパターンを極めて微細なパターンとして、しかもばらつきを生じさせることなく形成するのに具体的にどのような方法が採用されるのかについて、何らの記載もなされていない。しかも、従来公知のスクリーン印刷方法を単に適用するだけでは、かかる技術的課題を解決することが困難であって、中間転写ベルト上に形成されるトナー像に対して、高い印刷精度、とりわけ高い解像度を要求することができないという問題がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、輪状でかつシームレスであるベルトの内表面に微細でかつ高精度のストライプパターンを印刷形成する方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、転写電流が表面に沿って移動するのを防止する手段を備え、かつ解像度に優れたトナー像の転写を実現することができる中間転写ベルトの製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねていく中で、輪状かつシームレスであるベルトの内表面にストライプ状のパターンを形成させる方式として、従来の印刷にパターン形成体として用いられる部材、すなわちスクリーン版、凹版、凸版またはオフセット印刷におけるブランケットを円筒状の部材とするとともに、この円筒状の部材(円筒状パターン形成体)を前記ベルトの内表面に摺動させて前記パターンを印刷形成する方式を採用することとした。そして、かかる方式にて形成されるストライプパターンの解像度を極めて優れたものとすべく、極めて微細なストライプパターンを前記内表面にて優れた印刷精度でもって印刷形成すること、とりわけストライプパターンのピッチの均一性を極めて優れたものとするための手段についてさらに検討を重ねた。
【0014】
その結果、輪状であるベルトの内表面に印刷を行う場合に、円筒状のパターン形成体(スクリーン版やブランケット)をベルトの回旋移動につられて回転させる、いわゆるつれ周りによって実現するのではなく、パターン形成体をベルトの回旋移動を担う駆動ローラに従動させて、すなわち前記駆動ローラの回転に合わせて強制的に回転させることにより、パターン形成体と駆動ローラとの周速度を一致させたときは、輪状かつシームレスのベルトの内表面にストライプパターンを均等なピッチでもって、しかも極めて高い精度でもって印刷形成することができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明に係るシームレスベルトの内表面へのパターン形成方法は、
輪状かつシームレスであるベルトと、当該ベルトの外表面に当接する駆動ローラと、当該ベルトの内表面に当接する円筒状のパターン形成体とを、それぞれの軸の方向が平行となるように配置して、前記駆動ローラの回転により前記ベルトを回旋移動させるとともに、前記パターン形成体を前記駆動ローラの回転に応じて強制的に回転するように設定して、前記パターン形成体を前記駆動ローラと同一の周速度で逆方向に回転させることにより、
前記ベルトの内表面に、
(i) 当該ベルトの軸の方向に伸びるパターン部を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン、または
(ii)当該ベルトの軸の方向に伸びるパターン本体部と、当該軸の方向における少なくとも一方の端部において当該パターン本体部に連接しかつ当該パターン本体部に対して70°以下の角度に折れ曲がった状態で配置される斜設パターン部と、を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン
を印刷形成する
ことを特徴とする。
【0016】
上記本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法によれば、たとえベルトの内表面の周長に誤差が含まれていたとしても、ベルトの回旋移動時の移動量と同じ移動量でパターン形成体の外周面(インキパターン担持面)を回転移動させることができることから、ベルトの内表面に均一なピッチでパターンを形成することができる。
また、本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法によれば、ベルトを輪状に成形した状態で、その内表面(裏面)に均等なストライプパターンを形成することができることから、従来のように、ベルトの表面にストライプパターンを形成した上でこれを輪状に成形する必要がない。従って、輪状でかつシームレスでありながら、内表面に高精度でかつ均等なストライプパターンを備えたベルトを提供することができる。
【0017】
本発明において、「ストライプ状のインキパターン」とは、例えば図9(a) に示すように、ベルト本体の軸の方向(すなわち、ベルト本体の周方向と直交する方向)に伸びるパターン部12’を繰り返し配列してなるインキパターン12であるほか、図9(b),(c) に示すように、インキパターン12の端部(一方または両方の端部)において折れ曲がり部分(斜設パターン部)17を有するパターンが挙げられる。図9(b),(c) に示す場合においても、インキパターン12の主たる部分は、ベルト本体の軸の方向に伸びる直線部分(パターン本体部)16である。
【0018】
図9(b) および(c) に示す導電性パターン12のように、パターン15’に折れ曲がり部分を設ける理由は、次の通りである。
感光体ドラム(像担持体)91から中間転写ベルト10にトナー96を転写させる場合には、例えば図10に示すように、感光体ドラム91とは逆の方向から、転写ローラ93を使用することによって電荷が供給される。この際、転写ローラ93からだけでなく、中間転写ベルト10の裏面に設けられる導電性パターン12からも電荷を供給すれば、トナーの転写効率をより一層向上させることができる。しかしながら、導電性パターン12が形成されている部分は、通常、転写ローラ93(もしくはそのシャフト93’、または感光体ドラム91)によって覆われているため、直接に電荷を供給することは困難である。
【0019】
これに対し、中間転写ベルト10の端部において斜めに伸びる導電性パターン(斜設パターン部17)を設けた場合には、当該斜設パターン部17にブラシ97等から電荷を与えることができる。従って、感光体ドラム91と接触している部分の導電性パターン(パターン本体部16)にも、直接に電荷を与えることができ、トナーの転写効率を上昇させることができる。
なお、中間転写ベルト10の幅Wと、感光体ドラム91、転写ローラ93および被印刷体である印刷用紙(図示せず)等の幅とは、通常同一ではなく、一般に、被印刷物である印刷用紙の幅Wp よりもパターン本体部16の幅W16が長く、さらにその幅よりも中間転写ベルトWの幅が長い。一般的な印刷の場合、中間転写ベルト10の幅Wと印刷用紙との幅Wp とには50mm程度の差があることから、中間転写ベルト10のそれぞれの端部で20mm程度ずつ斜設パターン17を設ける余裕が生じることとなる。
【0020】
本発明のシームレスベルト内表面へのパターン形成方法は、例えば電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトや、吸着搬送ベルト等のように、輪状でかつ継ぎ目のないベルトであることと、その内表面に微細でかつ均等な間隔のストライプ状のパターンが形成されていること、が求められている場合に、特に好適に使用することができる。
上記本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法についての具体的態様は、下記の(1) 〜(3) に示すとおりである。
【0021】
(1) 本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法において、
前記円筒状パターン形成体が、前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに対応する画線部を備えており、その軸の方向と、前記画線部の方向または前記画線部のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向とが平行である円筒状のスクリーン版であって、かつ、
前記ベルト内表面へのストライプ状インキパターンの印刷形成が、前記スクリーン版を前記ベルトの内表面に当接させる際に、当該スクリーン版の内部に配置されてなるスキージで前記画線部からインキを押し出すことにより行われるものであることを特徴とする。
【0022】
(2) 本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法において、
前記円筒状パターン形成体が円筒状のブランケットであって、
前記ベルト内表面へのストライプ状インキパターンの印刷形成が、前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに相当するインキ像を印刷版から前記ブランケットの表面に転写した後、当該ブランケットを前記ベルトの内表面に当接させることにより行われるものであり、かつ、
前記ブランケットの表面へのインキ像の転写が、印刷版上に形成された前記インキ像の方向または前記インキ像のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向と、当該ブランケットの軸の方向とが平行となるように設定して行割れるものであることを特徴とする。
【0023】
(3) 本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法において、
前記円筒状パターン形成体が、その表面に前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに対応する画線部を備えており、その軸の方向と、前記画線部の方向または前記画線部のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向とが平行である円筒状の印刷版であって、かつ、
前記ベルト内表面へのストライプ状インキパターンの印刷形成が、前記印刷版の画線部にインキを配した上で、当該印刷版を前記ベルトの内表面に当接させることにより行われるものであることを特徴とする。
【0024】
上記本発明のシームレスベルト内表面へのパターン形成方法を、電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトの製造に適用する場合には、前記ベルトの体積抵抗率が107 〜1015Ω・cmであり、かつ、前記インキパターンの体積抵抗率が10-5〜105 Ω・cmであるのが好ましい。
ベルトの体積抵抗率とインキパターンの体積抵抗率とを上記範囲に設定することにより、すなわちベルトを高抵抗体とし、インキパターンを導電性パターンとすることによって、ブラー現象等の不具合を防止し、高画質の画像形成を実現し得る中間転写ベルトを提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法は、前述のように、ベルトの内表面(裏面)に当接して当該内表面にインキパターンを形成する円筒状パターン形成体を、ベルトの回旋移動に合わせたつれ周りによって回転させるのではなく、ベルトの回旋移動を担う駆動ローラの回転に合わせて強制的に回転させて、当該駆動ローラと円筒状パターン形成体との周速度を一致させつつ、インキパターンの転写を実現することを特徴とする。これにより、円筒状パターンの周速度と、ベルトの内表面の移動速度とが合致するため、精度が高くかつピッチの均一性が極めて高いストライプ状のインキパターンを印刷形成することができる。
【0026】
駆動ローラと円筒状パターン形成体とを同一の周速度で回転させる具体的な手段としては、例えば、前記駆動ローラと円筒状パターン形成体とを一対のギヤ、または二対以上のギヤ対で回転させ、両者の周速度が同一となるように、そのギヤ比を両者の半径比に合わせて設定する方法が挙げられる。
本発明に係るシームレスベルトの内表面へのパターン形成方法は、使用する円筒状パターン形成体の形状や、インキパターンを形成する際の印刷方式によって、前述の(1) 〜(3) に示す態様に分類される。そこで、個々の態様について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
〔スクリーン印刷によるパターン形成:前述の(1) に示す態様〕
輪状かつシームレスであるベルトの内表面へのパターン形成をスクリーン印刷によって行う場合の一実施形態を図1(a),(b) に示す。
図1に示す実施形態において、輪状かつシームレスのベルト10の内表面13に対するインキパターン12の形成は、ベルト10がなす空間の内部に配置された円筒状のスクリーン版(円筒状パターン形成体)20をベルトの内表面13に当接させ、かつ当該円筒状スクリーン版20の内部に設置されたスキージ21を用いて、スクリーン版20の画線部(メッシュ部分)からインキ25を押し出すことによって達成される。
【0028】
円筒状パターン形成体としての円筒状スクリーン版20には、その軸にギヤ(従動ギヤ)23bが取付けられており、駆動ローラ22の軸に設けられたギヤ(駆動ギヤ)23aと直接に、または複数のギヤ対23を介して、互いに噛み合っている。
ここで、駆動ローラ22は、ベルト10の外表面14と外接しており、駆動ローラ22自体が回転することで、前記外表面14との摩擦によってベルト10をその周方向xに回旋移動させるものである。円筒状スクリーン版20は、ベルトの内表面13と外接しており、駆動ローラ22に従動して回転することで、ベルトの内表面13に、前記周方向xと直交するベルト10の軸方向(円筒状スクリーン版20と駆動ローラ22との接線方向)yに沿って伸びるストライプ状のインキパターン12を印刷形成するものである。
【0029】
駆動ローラ22と円筒状パターン形成体(この場合、円筒状スクリーン版20)とは、それぞれ駆動ギヤ23a、従動ギヤ23b(またはこれらを含むギヤ対23)によって、両者が同じ周速度でかつ互いに逆方向に回転するように調整されている。
従って、円筒状パターン形成体としてのスクリーン版20は、ベルトの移動に伴うつれ回りによって回転するのではなく、駆動ローラ22の回転に応じて強制的に回転するように設定されている。その結果、円筒状スクリーン版20の外周面(インキパターン12の担持面)の移動量が、ベルト10の周方向xにおける移動量と合致することとなり、円筒状スクリーン版20からベルトの内表面13に対して、ストライプパターンを極めて高い精度でもってかつ均等に形成することができる。
【0030】
支持ローラ24は、輪状かつシームレスのベルト10の内側にあって、当該ベルト10を張架するものである。この支持ローラ24は、ベルトの内表面13に形成されたインキパターン12と直接接触することがないように、例えば図1(a) や、後述する図2(a) に示すように、ベルト10の軸方向yにおける両端部分にのみ設けるのが好ましい。
前記スクリーン版20には、金属製メッシュ等の、自己の形状を保持し得るのに十分な強度を有する素材からなる筒状部材が用いられる。
【0031】
前記スクリーン版20は、前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに対応する画線部(図示せず)を備えるものであって、当該スクリーン版20の軸方向yと、前記画線部の方向または前記画線部のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向とは、平行となるように設定される。
前記(ii)のストライプ状インキパターンを印刷形成する場合においては、必ずしも一のスクリーン版(円筒状パターン形成体)に、パターン本体部16と斜設パターン部17との両方に対応する部位が形成されていなくてもよく、パターン本体部16に対応する画線部を備えるスクリーン版と、斜設パターン部17に対応する画線部を備えるスクリーン版とが、それぞれ別のものであってもよい(図9参照)。パターン本体部16と斜設パターン部17との両方に対応する画線部を有するスクリーン版を用いる場合には、一度の印刷でパターン本体部16と斜設パターン部17との双方を印刷形成することができる。一方、後者の、2以上のスクリーン版を用いる場合には、パターン本体部16と斜設パターン部17とを別々に印刷形成することから、両者の接合部となる屈曲部18において厳密な位置合わせの精度が要求される。ベルトとスクリーン版との位置合わせの方法は、これに限定されるものではないが、例えばCCD等を用いてパターン等の位置を確認する方法が挙げられる。
【0032】
前述の(1) に示す態様によって得られるシームレスベルトは、
輪状かつシームレスであるベルトの内表面に、
(i) 当該ベルトの軸の方向に伸びるパターン部を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン、または
(ii)前記ベルトの軸の方向に伸びるパターン本体部と、当該軸の方向における少なくとも一方の端部において当該パターン本体部に連接しかつ当該パターン本体部に対して70°以下の角度に折れ曲がった状態で配置される斜設パターン部と、を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン
を備えており、
当該ストライプ状インキパターンが、
(a) 前記ベルトと、
(b) 当該ベルトの外表面に当接する駆動ローラと、
(c) 前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに対応する画線部を備え、その軸の方向と、前記画線部または前記画線部のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向とが平行であり、かつ前記ベルトの内表面に当接する円筒状のスクリーン版と、
を、それぞれの軸の方向が平行となるように配置し、
前記(b) の駆動ローラの回転により前記(a) のベルトを回旋移動させるとともに、前記(c) のスクリーン版を前記(b) の駆動ローラと同一の周速度で逆方向に回転させ、かつ、前記(a) のベルトの内表面に当接させて、当該(c) のスクリーン版の内部に配置されたスキージで前記画線部からインキを押し出す
ことにより印刷形成されてなるものである
ことを特徴とする。
【0033】
上記シームレスベルトにおいて、前記ベルトの体積抵抗率が107 〜1015Ω・cmであり、かつ、前記インキパターンの体積抵抗率が10-5〜105 Ω・cmである場合は、例えば静電式複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置にて、感光体等の像担持体から紙等の被印刷物へのトナー像の転写の用に供される中間転写ベルトとして好適である。
〔オフセット印刷によるパターン形成:前述の(2) に示す態様〕
輪状かつシームレスであるベルトの内表面へのパターン形成をオフセット印刷によって行う場合の一実施形態を図2および図3に、他の実施形態を図4および図5に示す。
【0034】
図2および図3に示す実施形態において、輪状かつシームレスのベルト10の内表面13に対するインキパターン12の形成は、ベルト10がなす空間の内部に配置された円筒状のブランケット(円筒状パターン形成体)30をベルトの内表面13に当接させ、かつ当該ベルト10と同軸方向に回転させることによって達成される。
円筒状パターン形成体としてのブランケット30には、その軸にギヤ(従動ギヤ)23bが取付けられており、駆動ローラ22の軸(駆動軸)に設けられたギヤ(駆動ギヤ)23aと直接に、または複数のギヤ対23を介して、互いに噛み合っている。
【0035】
図2および図3に示す実施形態は、円筒状パターン形成体としてのスクリーン版20を円筒状ブランケット30に置き換えたものであるほかは、図1に示す実施形態の場合と同様である。駆動ローラ22と円筒状パターン形成体(この場合、円筒状ブランケット30)とは、それぞれベルト10の外表面14と内表面13とに外接しており、両者の回転は、同じ周速度でかつ互いに逆方向に回転するように調整される。また、ベルト10の移動量と円筒状パターン形成体(円筒状ブランケット30)の外周面の移動量とが合致することから、円筒状ブランケット30からベルト10の内表面に対して、ストライプパターンを高い精度でもってかつ均等に形成することができる。
【0036】
図2および図3に示す実施形態において、前記ブランケット30としては、オフセット印刷に用いられる従来公知の種々のブランケットを用いることができる。ブランケットは円筒状のものであってもよく、平板状に作製されたブランケットを円筒状のブランケット胴に巻き付けたものであってもよい。ベルト内表面13に形成するインキパターンの印刷精度を優れたものとするには、これに限定されるものではないが、表面がシリコーンゴム等のインキ離型性に優れた素材からなるブランケットを用いるのが好ましい。
【0037】
前記ブランケット30には、印刷版40から、前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターン12に相当するインキ像15が転写される(図3参照)。ここで、前記ブランケット30の軸方向yと、前記インキ像15または前記インキ像15のうち前記(ii)のパターン本体部16に対応する部位の方向とは、平行となるように設定される。
図2および図3に示す実施形態において、印刷版40は、凹版、平版および凸版のいずれであってもよい。印刷版40の表面には、前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターン12に対応する画線部(凹版の場合は凹部、凸版の場合は凸部)が形成される。
【0038】
図2および図3に示す実施形態では、円筒状ブランケット30の表面へのインキパターン12の形成を、ベルト10がなす空間の外部にて、当該円筒状ブランケット30を印刷版40に当接、転動させることによって行っている。この場合、図示していないが、円筒状ブランケット30には、ベルト10がなす空間の内部および外部への移動と、ベルト10の内表面13への接触・離間とを制御する手段が設けられる。かかる移動手段としては、例えばブランケット30を回転自在に保持し、かつ移動させる架台等が挙げられる。
【0039】
円筒状ブランケット30をベルト10の内表面13に当接して回転させることで1回の印刷操作が終了するが、その後、円筒状ブランケット30の表面に再び印刷版40からインキパターン12を転写させた上で、ベルト内表面13にインキパターン12を印刷する操作が行われる。この2回目以降の印刷操作に際しては、1回の印刷操作によって形成されたインキパターンと、新たに形成するインキパターンとが同ピッチで形成されるように、その位置合わせを精度よく行う必要がある。ベルト10と円筒状ブランケット30との位置合わせの方法は、これに限定されるものではないが、例えばCCD等を用いてパターン等の位置を確認する方法が挙げられる。
【0040】
(図4および図5に示す実施形態)
図4および図5に示す実施形態において、輪状かつシームレスのベルト10の内表面13に対するインキパターン12の形成は、ベルト10がなす空間の内部に配置された円筒状のブランケット(円筒状パターン形成体)30と、円筒状の凹版40aまたは凸版40bとによって達成される。
図4および図5に示す実施形態においても、図2および図3に示す実施形態と同様に、駆動ローラ22と円筒状パターン形成体(この場合、円筒状ブランケット30)とは、それぞれベルト10の外表面14と内表面13とに外接しており、両者の回転は、同じ周速度でかつ互いに逆方向に回転するように調整される。また、ベルト10の移動量と円筒状パターン形成体(円筒状ブランケット30)の外周面の移動量とが合致することから、円筒状ブランケット30からベルト10の内表面に対して、ストライプパターンを高い精度でもってかつ均等に形成することができる。円筒状ブランケット30と駆動ローラ22との回転の制御は、例えばその軸にギヤ(従動ギヤ,図示せず)を取付けて、駆動ローラ22の軸(駆動軸)に設けられたギヤ(駆動ギヤ,図示せず)と直接に、または複数のギヤ対を介して、互いに噛み合わせるなど、図1および図2に示す実施形態と同様の手段を用いることができる。
【0041】
図4および図5に示す実施形態では、円筒状ブランケット30の表面へのインキパターン12の形成を、ベルト10がなす空間の内部にて、当該円筒状ブランケット30と円筒状の凹版40aまたは凸版40bとを当接、転動させることによって行っている。この場合、前記凹版40aまたは凸版40bから円筒状ブランケット30へのインキの供給(インキパターン12の転移)と、円筒状ブランケット30からベルト10の内表面13へのインキパターン12の印刷とを、連続的に行うことができる。円筒状ブランケット30の表面へのインキパターン12の形成は、図4および図5に示すようにベルト10がなす空間の内部で行うことに限定されるものではなく、例えば図3に示すように、円筒状ブランケットを印刷版上に移動させるなどして、ベルトがなす空間の外部で行ってもよい。
【0042】
輪状かつシームレスであるベルトの内表面へのパターン形成は、前述の凹版オフセット印刷や凸版オフセット印刷に代えて、平版オフセット印刷によって達成することもできる(図示せず)。この場合、輪状かつシームレスのベルトの内表面に対するインキパターンの形成は、印刷版としての凹版または凸版に代えて平版を使用するほかは、図4および図5に示す場合と同様にして行われる。すなわち、ベルトがなす空間の内部に配置された円筒状のブランケット(円筒状パターン形成体)をベルトの内表面に当接させ、かつ当該ベルトと同軸方向に回転させることによって、インキパターンの形成が達成される。
【0043】
図4および図5に示す実施形態において、円筒状パターン形成体としてのブランケット30には、図2に示す実施形態において使用したものと同様のものが挙げられる。前記凹版40a、凸版40bまたは平版(図示せず)は、その表面に前記(i) または(ii)のストライプ状パターンに対応した画線部(凹版の場合は凹部、凸版の場合は凸部)を有するものであるほかは、従来公知の種々の凹版、平版または凸版を用いることができる。
【0044】
図2〜図5に示す実施形態において、前記(ii)のストライプ状インキパターンを印刷形成する場合には、必ずしも一のブランケット(円筒状パターン形成体)に、パターン本体部16と斜設パターン17との両方に相当するインキ像が形成されていなくてもよく、パターン本体部16に相当するインキ像を備えるブランケットと、斜設パターン部17に相当するインキ像を備えるブランケットとが、それぞれ別のものであってもよい(図9参照)。パターン本体部16と斜設パターン部17との両方に対応する画線部を有する印刷版を用いる場合には、一度の印刷でパターン本体部16と斜設パターン部17との双方を印刷形成することができる。パターン本体部16に対応する画線部を有する印刷版と、斜設パターン部17に対応する画線部を有する印刷版との、2以上の印刷版を用いる場合には、パターン本体部16と斜設パターン部17とを別々に印刷形成することから、両者の接合部となる屈曲部18において厳密な位置合わせの精度が要求される。ベルトとブランケットとの位置合わせの方法は、これに限定されるものではないが、例えばCCD等を用いてパターン等の位置を確認する方法が挙げられる。
【0045】
前述の(2) に示す態様によって、より詳しくは、凹版オフセット印刷、平版オフセット印刷または凸版オフセット印刷によって得られるシームレスベルトは、
輪状かつシームレスであるベルトの内表面に、
(i) 当該ベルトの軸の方向に伸びるパターン部を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン、または
(ii)前記ベルトの軸の方向に伸びるパターン本体部と、当該軸の方向における少なくとも一方の端部において当該パターン本体部に連接しかつ当該パターン本体部に対して70°以下の角度に折れ曲がった状態で配置される斜設パターン部と、を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン
を備えており、
当該ストライプ状インキパターンが、
(m) 印刷版上に形成された前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに相当するインキ像を、当該インキ像の方向または当該インキ像のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向と、ブランケットの軸の方向とが平行となるようにして、前記印刷版から当該ブランケットの表面に転写し、
(n) 前記インキ像が転写されたブランケットと、前記ベルトと、当該ベルトの外表面に当接する駆動ローラとを、それぞれの軸の方向が平行となるように配置し、前記駆動ローラの回転により前記ベルトを回旋移動させるとともに、前記ブランケットを前記駆動ローラと同一の周速度で逆方向に回転させ、かつ、前記ベルトの内表面に当接させる
ことにより印刷形成されてなるものである
ことを特徴とする。
【0046】
上記シームレスベルトにおいて、前記ベルトの体積抵抗率が107 〜1015Ω・cmであり、かつ、前記インキパターンの体積抵抗率が10-5〜105 Ω・cmである場合は、例えば静電式複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置における中間転写ベルトとして好適である。
〔直刷り印刷によるパターン形成:前述の(3) に示す態様〕
輪状かつシームレスであるベルトの内表面へのパターン形成を直刷り印刷によって行う場合の一実施形態を図6、図7および図8に示す。
【0047】
図6〜図8に示す実施形態において、輪状かつシームレスのベルト10の内表面13に対するインキパターンの形成は、ベルト10がなす空間の内部に配置された円筒状パターン形成体(図6では円筒状凹版31、図7および図8では円筒状凸版32)に、スキージ21またはインキングローラ33でインキ25を供給し、かつこの円筒状凹版31または円筒状凸版32をベルト10の内表面に当接させることによって達成される。
【0048】
図6〜図8に示す実施形態においても、図1、図2、図4および図5に示す実施形態と同様に、駆動ローラ22と円筒状パターン形成体(この場合、円筒状凹版31または円筒状凸版32)とは、それぞれベルト10の外表面14と内表面13とに外接しており、両者の回転は、同じ周速度でかつ互いに逆方向に回転するように調整されている。また、ベルト10の移動量と円筒状パターン形成体の外周面の移動量とが合致することから、円筒状凹版31、円筒状凸版32または円筒状平版からベルト10の内表面に対して、ストライプパターンを高い精度でもってかつ均等に形成することができる。円筒状パターン形成体(円筒状凹版31または円筒状凸版32)と駆動ローラ22との回転の制御は、例えばその軸にギヤ(従動ギヤ,図示せず)を取付けて、駆動ローラ22の軸(駆動軸)に設けられたギヤ(駆動ギヤ,図示せず)と直接に、または複数のギヤ対を介して、互いに噛み合わせるなど、図1,図2,図4および図5に示す実施形態と同様の手段を用いることができる。
【0049】
図6〜図8に示す実施形態において、円筒状パターン形成体としての凹版31、凸版32および平版(図示せず)は、その表面に前記(i) または(ii)のストライプ状パターンに対応した画線部(凹版の場合は凹部、凸版の場合は凸部)が形成されているものであるほかは、従来公知の種々のものを用いることができる。図6に示す実施形態では、円筒状凹版31の凹部へのインキ25の充填を、ベルト10がなす空間の内部にて、当該円筒状凹版31をインキ25に浸漬させ、スキージ21でかき取ることによって行っている。また、図7および図8に示す実施形態では、円筒状凸版32の凸部へのインキ25の導入を、ベルト10がなす空間の内部にて、当該円筒状凸版にインキングローラ33を当接、摺動させることによって行っている。このような場合、円筒状凹版31、円筒状凸版32(または円筒状平版)からベルト10の内表面13へのインキパターン12の印刷を連続的に行うことができる。
【0050】
平版直刷り印刷によってインキパターンを形成する場合においても、図6、図7および図8に示す実施形態と同様に、駆動ローラと円筒状パターン形成体(この場合、円筒状平版)とは、それぞれベルトの外表面と内表面とに外接しており、両者の回転は、同じ周速度でかつ互いに逆方向に回転するように調整されている。また、図6、図7および図8に示す実施形態の場合と同様に、ベルトの移動量と円筒状パターン形成体(円筒状平版)の外周面の移動量とを合致させることができ、円筒状平版からベルトの内表面に対して、ストライプパターンを高い精度でもってかつ均等に形成することができる。
【0051】
図6〜図8に示す実施形態において、前記(ii)のストライプ状インキパターンを印刷形成する場合には、必ずしも一の円筒状パターン形成体(凹版、平版または凸版;以下、印刷版という。)に、パターン本体部16と斜設パターン17との両方に対応する画線部が形成されていなくてもよく、パターン本体部16に対応する画線部を備える印刷版と、斜設パターン部17に対応する画線部を備える印刷版とが、それぞれ別のものであってもよい(図9参照)。パターン本体部16と斜設パターン部17との両方に対応する画線部を有する印刷版を用いる場合には、一度の印刷でパターン本体部16と斜設パターン部17との双方を印刷形成することができる。パターン本体部16に対応する画線部を有する印刷版と、斜設パターン部17に対応する画線部を有する印刷版との、2以上の印刷版を用いる場合には、パターン本体部16と斜設パターン部17とを別々に印刷形成することから、両者の接合部となる屈曲部18において厳密な位置合わせの精度が要求される。ベルトと円筒状パターン形成体との位置合わせの方法は、これに限定されるものではないが、例えばCCD等を用いてパターン等の位置を確認する方法が挙げられる。
【0052】
前述の(3) に示す態様によって、より詳しくは、凹版直刷り印刷、平版直刷り印刷または凸版直刷り印刷によって得られるシームレスベルトは、
輪状かつシームレスであるベルトの内表面に、
(i) 当該ベルトの軸の方向に伸びるパターン部を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン、または
(ii)前記ベルトの軸の方向に伸びるパターン本体部と、当該軸の方向における少なくとも一方の端部において当該パターン本体部に連接しかつ当該パターン本体部に対して70°以下の角度に折れ曲がった状態で配置される斜設パターン部と、を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン
を備えており、
当該ストライプ状インキパターンが、
(x) 前記ベルトと、
(y) 当該ベルトの外表面に当接する駆動ローラと、
(z) 表面に前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに対応する画線部を備え、その軸の方向と、前記画線部の方向または前記画線部のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向とが平行であり、かつ前記ベルトの内表面に当接する円筒状の印刷版と、
を、それぞれの軸の方向が平行となるように配置し、
前記(y) の駆動ローラの回転により前記(x) のベルトを回旋移動させるとともに、前記画線部にインキを配してなる前記(z) の印刷版を前記(y) の駆動ローラと同一の周速度で逆方向に回転させ、かつ、前記(x) のベルトの内表面に当接させることにより印刷形成されてなるものである
ことを特徴とする。
【0053】
上記シームレスベルトにおいて、前記ベルトの体積抵抗率が107 〜1015Ω・cmであり、かつ、前記インキパターンの体積抵抗率が10-5〜105 Ω・cmである場合は、例えば静電式複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置における中間転写ベルトとして好適である。
〔インキパターン〕
本発明に係るシームレスベルト内表面へのパターン形成方法によって形成されるインキパターンの線幅、ピッチ、膜厚等については、特に限定されるものではなく、シームレスベルトの用途、インキパターンを設ける目的等に応じて適宜設定すればよい。
【0054】
本発明の方法により製造される輪状かつシームレスのベルトが、電子写真画像形成装置に用いられる中間転写ベルトである場合には、インキパターンとして、導電性ペーストからなる導電性パターンを形成すればよい。
かかる場合のインキパターン(導電性パターン)は、中間転写ベルトを高画質、とりわけ高解像度のトナー像の転写を実現し得るものにするという観点から、その線幅を40μm〜1mmとするのが好ましく、40〜200μmとするのがより好ましい。また、パターンのピッチは、20μm〜2mmとするのが好ましく、40〜100μmとするのがより好ましい。
【0055】
前記中間転写ベルトは、回転しながら使用されるものであることから、導電性パターンには繰り返し屈曲が加えられる。そのため、導電性パターンの膜厚が大きくなるとひびが生じ易くなり、耐久性が劣ってしまう。そこで、導電性パターンの厚みは、特に限定されるものではないが、0.1〜15μmとするのが好ましく、2〜10μmとするのがより好ましい。厚みが前記範囲内にあることにより、中間転写ベルトに対して屈曲試験を10万回繰り返し行った場合にも、導電性パターンの表面にひび割れ等が発生することがなく、十分な耐久性を得ることができる。
【0056】
なお、本発明の方法により製造されるベルトが前記中間転写ベルトである場合に、インキパターン(導電性パターン)を形成するための導電性ペーストとしては、例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、等の熱硬化性樹脂に、カーボンブラック、チタンブラック、酸化スズをコーティングした硫酸バリウム、酸化スズをコーティングしたホウ酸アルミニウム、およびインジウム−スズ酸化物(ITO)等の導電性充填剤を配合したものを用いることができる。
【0057】
また、本発明の方法により製造されるベルトが前記中間転写ベルトである場合、輪状かつシームレスのベルトは、厳密に抵抗が制御された電気抵抗体からなるものであることが求められる。具体的には、ベルト10の体積抵抗率ρ(Ω・cm)が、通常、その対数値log ρで9程度、好ましくはlog ρで8〜10程度となるように調整されたものであることが求められる。
さらにこの場合、ベルト10の材質には、従来の中間転写ベルトと同様に、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレートなど)、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。これらのうちポリイミド樹脂は、その電気抵抗が極めて高く、通常、その体積抵抗率ρ(Ω・cm)が対数値log ρで18程度(ρが1018Ω・cm程度)である。ベルトの体積抵抗率が高すぎる場合には、中間転写ベルトを帯電させた後の除電処理が困難になることから、通常、ベルト10を構成するポリイミド等の樹脂には、その体積抵抗率を調整するために、カーボンブラック、チタンブラック、酸化亜鉛等の充填剤;4級アンモニウム塩、リチウムイオン塩、硫酸バリウム等のイオン導電材料;銀、銅、金、白金、ニッケル、鉄、クロム等の金属粉体といった、いわゆる導電性充填剤が添加される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) はスクリーン印刷によるパターン形成方法の一例を示す斜視図、(b) はその正面図である。
【図2】 (a) はオフセット印刷によるパターン形成方法の一例を示す斜視図、(b) はその正面図である。
【図3】図2のパターン形成方法において、印刷版からブランケットへのインキの転移工程を示す斜視図である。
【図4】凹版オフセット印刷によるパターン形成方法の他の例を示す正面図である。
【図5】凸版オフセット印刷によるパターン形成方法の一例を示す正面図である。
【図6】凹版直刷り印刷によるパターン形成方法の一例を示す正面図である。
【図7】凸版直刷り印刷によるパターン形成方法の一例を示す正面図である。
【図8】凸版直刷り印刷によるパターン形成方法の他の例を示す正面図である。
【図9】シームレスベルトの内表面に形成されるストライプ状インキパターンの具体例を示す説明図である。
【図10】斜設パターン部の使用状態を示す説明図であって、(a) は画像形成装置の側面図を、(b) はその転写ローラ93側からみた平面図を示す。
【図11】フルカラー電子写真画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図12】フルカラー電子写真画像形成装置の他の例を示す概略図である。
【図13】従来の画像形成装置において画像乱れが発生する機構を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ベルト, 12 インキパターン, 12’ パターン部, 13 内表面, 14 外表面, 20 円筒状スクリーン版(円筒状パターン形成体), 22 駆動ローラ, 24 支持ローラ, 30 円筒状ブランケット(円筒状パターン形成体), 31 円筒状凹版(円筒状パターン形成体), 32円筒状凸版(円筒状パターン形成体), x 周方向, y 軸方向
Claims (5)
- 輪状かつシームレスであるベルトと、当該ベルトの外表面に当接する駆動ローラと、当該ベルトの内表面に当接する円筒状のパターン形成体とを、それぞれの軸の方向が平行となるように配置して、前記駆動ローラの回転により前記ベルトを回旋移動させるとともに、前記パターン形成体を前記駆動ローラの回転に応じて強制的に回転するように設定して、前記パターン形成体を前記駆動ローラと同一の周速度で逆方向に回転させることにより、
前記ベルトの内表面に、
(i) 当該ベルトの軸の方向に伸びるパターン部を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン、または
(ii)当該ベルトの軸の方向に伸びるパターン本体部と、当該軸の方向における少なくとも一方の端部において当該パターン本体部に連接しかつ当該パターン本体部に対して70°以下の角度に折れ曲がった状態で配置される斜設パターン部と、を一定間隔で並設してなるストライプ状のインキパターン
を印刷形成する
ことを特徴とするシームレスベルト内表面へのパターン形成方法。 - 前記円筒状パターン形成体が、前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに対応する画線部を備えており、その軸の方向と、前記画線部の方向または前記画線部のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向とが平行である円筒状のスクリーン版であって、かつ、
前記ベルト内表面へのストライプ状インキパターンの印刷形成が、前記スクリーン版を前記ベルトの内表面に当接させる際に、当該スクリーン版の内部に配置されてなるスキージで前記画線部からインキを押し出すことにより行われるものである
請求項1記載のシームレスベルト内表面へのパターン形成方法。 - 前記円筒状パターン形成体が円筒状のブランケットであって、
前記ベルト内表面へのストライプ状インキパターンの印刷形成が、前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに相当するインキ像を印刷版から前記ブランケットの表面に転写した後、当該ブランケットを前記ベルトの内表面に当接させることにより行われるものであり、かつ、
前記ブランケットの表面へのインキ像の転写が、印刷版上に形成された前記インキ像の方向または前記インキ像のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向と、当該ブランケットの軸の方向とが平行となるように設定して行われるものである
請求項1記載のシームレスベルト内表面へのパターン形成方法。 - 前記円筒状パターン形成体が、その表面に前記(i) または(ii)のストライプ状インキパターンに対応する画線部を備えており、その軸の方向と、前記画線部の方向または前記画線部のうち前記(ii)のパターン本体部に対応する部位の方向とが平行である円筒状の印刷版であって、かつ、
前記ベルト内表面へのストライプ状インキパターンの印刷形成が、前記印刷版の画線部にインキを配した上で、当該印刷版を前記ベルトの内表面に当接させることにより行われるものである
請求項1記載のシームレスベルト内表面へのパターン形成方法。 - 前記ベルトの体積抵抗率が107〜1015Ω・cmであり、かつ、前記インキパターンの体積抵抗率が10−5〜105Ω・cmである請求項1〜4のいずれかに記載のシームレスベルト内表面へのパターン形成方法。
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