JP2002292730A - 搬送ベルトの製造方法、およびその製造方法により作製された搬送ベルト - Google Patents

搬送ベルトの製造方法、およびその製造方法により作製された搬送ベルト

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JP2002292730A
JP2002292730A JP2001100765A JP2001100765A JP2002292730A JP 2002292730 A JP2002292730 A JP 2002292730A JP 2001100765 A JP2001100765 A JP 2001100765A JP 2001100765 A JP2001100765 A JP 2001100765A JP 2002292730 A JP2002292730 A JP 2002292730A
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electrode pattern
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Shoichi Shimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録用紙等の被記録媒体を静電的な力によっ
て吸着するために電極パターンが形成された管状の搬送
ベルトを製造する際に、搬送ベルトを構成するフィルム
の接合個所で段差が生じることがなく、また、搬送ベル
トに折り目が付くことがなく、搬送ベルトを合理的に製
造する。 【解決手段】 表面に電極パターン4が形成されたシー
ト状の熱可塑性フィルム3を円柱部材1の外周面に複数
回巻き付けて熱可塑性フィルム3の巻き始めの部分の上
に巻き終わりの部分を重ね合わせる。次に、円柱部材1
上の熱可塑性フィルム3の外側に、円柱部材1よりも熱
膨張係数が小さい管状の型部材を嵌め込む。それらを一
体にした状態で加熱炉内で加熱し、円柱部材1と型部材
の熱膨張係数の差で円柱部材1と型部材の間に熱可塑性
フィルム3を挟み込ませることによって、熱可塑性フィ
ルム3の重ね合わせ部分同士が接合されてなる管状の搬
送ベルトが作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密機械の部品を
搬送する際に高精度の位置精度を保証してその部品を所
定の位置に搬送するために用いられる搬送ベルトの製造
方法、およびその製造方法により作製された搬送ベルト
に関する。本発明の製造方法により得られた搬送ベルト
は主に、画像形成装置における機能部品としての用途で
利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、搬送ベルトとして用いられる管状
ベルトの製造方法としては、例えば、シート状フィルム
を管状に巻いてから、そのシート状フィルムの重ね合わ
せ部分に加熱ヘッドを押し当て、その重ね合わせ部分同
士を熱溶着する方法がある。また、インフレーション成
形法に代表される押し出し熱溶融成形法がある。さら
に、別の製造方法としては、まず、樹脂もしくはその前
駆体を溶融状態とし、その樹脂もしくは前駆体を管状の
型部材の内周面もしくは外周面上に所定の量だけ塗布
し、塗布された樹脂もしくはその前駆体から溶媒を除去
してそれを乾燥させる脱溶媒処理をした後に、型部材の
内周面もしくは外周面上に残った管状のフィルムを剥離
するキャスト法等がある。
【0003】また、搬送ベルトの厚み方向の内側部分に
電極パターンを形成する方法としては、前記のいずれか
の方法により得られた管状ベルトの外周面上に、例えば
導電性ペーストのような導電性材料を印刷し、さらに、
印刷された外周面を樹脂でコート(被覆)する等して搬
送ベルトとする方法等が知られている。
【0004】管状ベルトの他の製造方法としては、例え
ば特開平8−187773号公報等に記載されたものが
ある。その公報に記載された製造方法では、シート状の
熱可塑性フィルムを円柱部材の外周面に巻き付け、その
熱可塑性フィルムの両端が重なった状態で、熱可塑性フ
ィルムおよび円柱部材を管状の型部材の中空部に挿入す
る。そして、それらを加熱することにより、円柱部材と
型部材との材料の熱膨張係数の差により両者の間の隙間
の減少と、熱可塑性フィルムの軟化によるその重ね合わ
された部分同士の溶着接合により、管状のベルトが作製
される。
【0005】また、電極パターンが形成された搬送ベル
トを使用した画像形成装置が特開平11−245389
号公報に開示されている。その公報に開示された画像形
成装置では、記録用紙と搬送ベルトとの間に静電吸着力
を発生させて記録用紙を搬送する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように管状に
巻かれたシート状フィルムの重ね合わせ部分同士を熱溶
着して管状の搬送ベルトを作製する方法では、熱溶着部
で段差が生じてしまい、その段差を思うように解消でき
ないので、その管状の搬送ベルトを、画像形成装置で被
記録媒体を搬送する搬送ベルトとして用いた場合には、
その段差部が被記録媒体への画像の形成に悪影響を与え
るという問題点がある。
【0007】また、インフレーション成形法により製造
した搬送ベルトでは、その製造工程における搬送ベルト
の巻き取り時に搬送ベルトに折り目部が形成されてお
り、そのように巻き取り時に生じた折り目部が搬送性を
悪くするという問題点がある。
【0008】さらに、上述したように管状の型部材の内
周面もしくは外周面に塗布された溶融状態の樹脂もしく
はその前駆体を乾燥させて搬送ベルトを作製するキャス
ト法に関しては、均一な厚みのフィルムを得るために、
溶媒の濃度管理、乾燥工程時の雰囲気の調整、乾燥工程
で溶媒の処理にかかるコスト等の問題点があった。
【0009】さらに、上述したように搬送ベルトの厚み
方向の内部に電極パターンを形成する方法として、管状
ベルトの外周面上に導電性材料を印刷し、さらにその外
周面に樹脂をコートする方法では、ベルト状に形成する
工程と、表面に樹膳をコートする工程の2つの工程が必
要となり、電極パターンを有する搬送ベルトの製造が合
理的ではなかった。
【0010】本発明の目的は、記録用紙等の被記録媒体
を静電的な力によって吸着するために電極パターンが形
成された管状の搬送ベルトを製造する際に、搬送ベルト
を構成するフィルムの接合個所で段差が生じることがな
く、またインフレーション成形法のように搬送ベルトに
折り目が付くことがなく、搬送ベルトを合理的に製造す
ることが可能な製造方法、およびその製造方法により作
製された搬送ベルトを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の搬送ベルトの製造方法は、表面に電極パタ
ーンが形成されたシート状の熱可塑性フィルムを円柱部
材に複数回巻き付けて、前記熱可塑性フィルムの巻き始
めの部分の上に巻き終わりの部分を重ね合わせる工程
と、前記円柱部材に巻き付けられた前記熱可塑性フィル
ムの外側に、前記円柱部材よりも熱膨張係数が小さい管
状の型部材を嵌め込む工程と、少なくとも前記熱可塑性
フィルムを加熱して、前記円柱部材および前記型部材の
熱膨張係数の差でそれらの間に前記熱可塑性フィルムを
挟み込むことによって前記熱可塑性フィルムの重ね合わ
せ部分同士を接合し、前記シート状熱可塑性フィルムが
管状に成形されてなる搬送ベルトを作製する工程とを有
する。
【0012】上記の発明では、まず、表面に電極パター
ンが形成されたシート状の熱可塑性フィルムを円柱部材
に複数回巻き付けてそのフィルムの巻き始めの部分の上
に巻き終わりの部分に重ね合わせ、その熱可塑性フィル
ムの外側に、円柱部材よりも熱膨張係数が小さい管状の
型部材を嵌め込む。そして、少なくとも熱可塑性フィル
ムを加熱して、円柱部材および型部材の熱膨張係数の差
でそれらの間に熱可塑性フィルムを挟み込むことによっ
て熱可塑性フィルムの重ね合わせ部分同士を接合し、シ
ート状熱可塑性フィルムが管状に成形されてなる搬送ベ
ルトが作製される。このような製造方法によれば、電極
パターンを有する管状の搬送ベルトを製造する際に、段
差がほとんどなく、また、インフレーション成形法のよ
うに搬送ベルトに折り目が付くことがなく、厚さがほぼ
均一な搬送ベルトを合理的に製造することができる。製
造された搬送ベルトを用いる場合には、それに設けられ
た電極パターンに電圧を印加して搬送ベルト上に電位を
生じさせることにより、例えば記録用紙等の被記録媒体
を静電的な力で搬送ベルトに吸着して、高い位置精度で
被記録媒体を搬送することが可能となり、高性能の搬送
ベルトが実現される。
【0013】また、前記熱可塑性フィルムを前記円柱部
材に複数回巻き付ける工程では、前記電極パターンが前
記搬送ベルトの厚み方向の内側部分に配置されるように
前記熱可塑性フィルムを巻き付けることが好ましい。
【0014】さらに上記の製造方法は、前記熱可塑性フ
ィルムを前記柱状部材に巻き付ける工程の前に、導電性
ペーストの印刷により前記熱可塑性フィルム上に前記電
極パターンを形成する工程をさらに有していてもよい。
この場合、前記導電性ペーストとして銀ペーストまたは
カーボンペーストを用いることができる。
【0015】さらに上記の製造方法は、前記熱可塑性フ
ィルムを前記柱状部材に巻き付ける工程の前に、導電性
粉末を含有すると共に接着剤が両面につけられた両面テ
ープを前記電極パターンとして前記熱可塑性フィルムに
貼り付ける工程をさらに有していてもよい。
【0016】さらに、本発明の搬送ベルトの製造法は、
表面に電極パターンが形成されたシート状の第1の熱可
塑性フィルムを、前記電極パターンが外側に配置される
ように円柱部材に巻き付けて、前記第1の熱可塑性フィ
ルムの巻き始めの部分の上に巻き終わりの部分を重ね合
わせる工程と、前記円柱部材に巻き付けられた前記第1
の熱可塑性フィルムの上にシート状の第2の熱可塑性フ
ィルムを巻き付けて、前記第2の熱可塑性フィルムの巻
き始めの部分と巻き終わりの部分を重ね合わせる工程
と、前記第1の熱可塑性フィルムの上に巻き付けられた
前記第2の熱可塑性フィルムの外側に、前記円柱部材よ
りも熱膨張係数が小さい管状の型部材を嵌め込む工程
と、少なくとも前記第1および第2の熱可塑性フィルム
を加熱して、前記円柱部材および前記型部材の熱膨張係
数の差でそれらの間に前記第1および第2の熱可塑性フ
ィルムを挟み込むことによって前記第1および第2の熱
可塑性フィルムにおける重ね合わせ部分同士を接合し、
シート状の前記第1および第2の熱可塑性フィルムが接
合されてなる管状の搬送ベルトを作製する工程とを有す
る。
【0017】上記の発明では、まず、表面に電極パター
ンが形成されたシート状の第1の熱可塑性フィルムを円
柱部材に巻き付けてそのフィルムの巻き始めの部分の上
に巻き終わりの部分に重ね合わせる。次に、円柱部材上
にある第1の熱可塑性フィルムの上に第2の熱可塑性フ
ィルムを巻き付けて、そのフィルムの巻き始めの部分と
巻き終わりの部分を重ね合わせ、その第2の熱可塑性フ
ィルムの外側に、円柱部材よりも熱膨張係数が小さい管
状の型部材を嵌め込む。そして、少なくとも第1および
第2の熱可塑性フィルムを加熱して、円柱部材および型
部材の熱膨張係数の差でそれらの間に第1および第2の
熱可塑性フィルムを挟み込むことによってそれらのフィ
ルムの重ね合わせ部分同士を接合し、シート状の第1お
よび第2の熱可塑性フィルムが接合されて構成された管
状の搬送ベルトが作製される。このような製造方法によ
れば、電極パターンを有する管状の搬送ベルトを製造す
る際に、段差がほとんどなく、また、インフレーション
成形法のように搬送ベルトに折り目が付くことがなく、
厚さがほぼ均一な搬送ベルトを合理的に製造することが
できる。製造された搬送ベルトを用いる場合には、上述
したのと同様に、搬送ベルトに設けられた電極パターン
に電圧を印加して搬送ベルト上に電位を生じさせること
により、例えば記録用紙等の被記録媒体を静電的な力で
搬送ベルトに吸着して、高い位置精度で被記録媒体を搬
送することが可能となり、高性能の搬送ベルトが実現さ
れる。
【0018】さらに上記の製造方法は、前記第1の熱可
塑性フィルムを前記柱状部材に巻き付ける工程の前に、
導電性ペーストの印刷により前記第1の熱可塑性フィル
ム上に前記電極パターンを形成する工程をさらに有して
いてもよい。この場合、前記導電性ペーストとして銀ペ
ーストまたはカーボンペーストを用いることができる。
【0019】さらに上記の製造方法は、前記第1の熱可
塑性フィルムを前記柱状部材に巻き付ける工程の前に、
導電性粉末を含有すると共に接着剤が両面につけられた
両面テープを前記電極パターンとして前記第1の熱可塑
性フィルムに貼り付ける工程をさらに有していてもよ
い。
【0020】さらに、本発明の搬送ベルトの製造方法
は、シート状の第1の熱可塑性フィルムを円柱部材に巻
き付けて、前記第1の熱可塑性フィルムの巻き始めの部
分の上に巻き終わりの部分を重ね合わせる工程と、前記
円柱部材に巻き付けられた前記第1の熱可塑性フィルム
の上に、表面に電極パターンが形成されたシート状の第
2の熱可塑性フィルムを、前記電極パターンが内側に配
置されるように巻き付けて、前記第2の熱可塑性フィル
ムの巻き始めの部分と巻き終わりの部分を重ね合わせる
工程と、前記第1の熱可塑性フィルムの上に巻き付けら
れた前記第2の熱可塑性フィルムの外側に、前記円柱部
材よりも熱膨張係数が小さい管状の型部材を嵌め込む工
程と、少なくとも前記第1および第2の熱可塑性フィル
ムを加熱して、前記円柱部材および前記型部材の熱膨張
係数の差でそれらの間に前記第1および第2の熱可塑性
フィルムを挟み込むことによって前記第1および第2の
熱可塑性フィルムにおける重ね合わせ部分同士を接合
し、シート状の前記第1および第2の熱可塑性フィルム
が接合されてなる管状の搬送ベルトを作製する工程とを
有する。
【0021】上記の発明は、前述したように電極パター
ンが形成された第1の熱可塑性フィルムの上に第2の熱
可塑性フィルムを巻き付けて管状の搬送ベルトを製造す
るのとは異なり、電極パターンが形成されていない第1
の熱可塑性フィルムを円柱部材に巻き付け、そのフィル
ムの上に、電極パターンが形成された第2の熱可塑性フ
ィルムを巻き付けて管状の搬送ベルトを製造する。この
場合、第2の熱可塑性フィルムを円柱部材上の第1の熱
可塑性フィルムに巻き付ける際に、第2の熱可塑性フィ
ルムに形成された電極パターンを内側に配置させる。こ
のような製造方法によっても、電極パターンを有する管
状の搬送ベルトを製造する際に、段差がほとんどなく、
また、インフレーション成形法のように搬送ベルトに折
り目が付くことがなく、厚さがほぼ均一な搬送ベルトを
合理的に製造することができる。製造された搬送ベルト
を用いる場合には、上述したのと同様に、搬送ベルトに
設けられた電極パターンに電圧を印加して搬送ベルト上
に電位を生じさせることにより、例えば記録用紙等の被
記録媒体を静電的な力で搬送ベルトに吸着して、高い位
置精度で被記録媒体を搬送することが可能となり、高性
能の搬送ベルトが実現される。
【0022】さらに上記の製造方法は、前記第2の熱可
塑性フィルムを巻き付ける工程の前に、導電性ペースト
の印刷により前記第2の熱可塑性フィルム上に前記電極
パターンを形成する工程をさらに有していてもよい。こ
の場合、前記導電性ペーストとして銀ペーストまたはカ
ーボンペーストを用いることができる。
【0023】さらに上記の製造方法は、前記第2の熱可
塑性フィルムを巻き付ける工程の前に、導電性粉末を含
有すると共に接着剤が両面につけられた両面テープを前
記電極パターンとして前記第2の熱可塑性フィルムに貼
り付ける工程をさらに有していてもよい。
【0024】さらに、本発明の搬送ベルトは、被記録媒
体に画像を形成する画像形成装置において前記被記録媒
体を搬送するために前記画像形成装置に備えられる搬送
ベルトであって、上述したいずれかの製造方法によって
作製されたものである。
【0025】上記の画像形成装置では、上述した製造方
法によって得られた管状の搬送ベルトが用いられてお
り、その搬送ベルトは段差がほとんどなく、折り目等も
ないので、その搬送ベルトによって被記録媒体を高い位
置精度で搬送することができ、高い画質の画像を被記録
媒体に形成することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1〜図3は、本発
明の第1の実施形態に係る搬送ベルトの製造方法につい
て説明するための図である。
【0028】本実施形態の搬送ベルトの製造方法では図
1に示されるように、まず、シート状の熱可塑性フィル
ム3が巻かれる心棒としての円柱部材1が用意される。
本実施形態では、円柱部材1として中実状棒部材が用い
られており、その円柱部材1の外周面に熱可塑性フィル
ム3が巻き付けられる。図2に示される管状すなわち中
空状の型部材2は、円柱部材1が型部材2内に挿通する
ような内径を有している。本実施形態においては、円柱
部材1の材質としてアルミニウムを使用し、型部材2の
材質としてステンレス鋼を使用しており、円柱部材1お
よび型部材2における熱膨張係数の関係としては、円柱
部材1の熱膨張係数が型部材2の熱膨張係数よりも大き
くなるように設定してある。これら円柱部材1および型
部材2を後述するように用いて、熱可塑性フィルム3の
端部同士を接合することにより、その熱可塑性フィルム
3からなる管状の搬送ベルトが製造される。
【0029】次に、本実施形態の搬送ベルトの製造方法
について具体的に説明する。熱可塑性フィルム3の寸法
は、製造する管状の搬送ベルトの内径等、その搬送ベル
トの寸法に応じて選定され、また、選定された熱可塑性
フィルム3の寸法に応じて、円柱部材1および型部材2
の寸法が選定される。
【0030】熱可塑性フィルム3の材料としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1、
ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリサ
ルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルニト
リル熱可塑性ポリイミド系材料、ポリエーテルエーテル
ケトン、サーモトロピック液晶ポリマー、フッ素系樹
脂、ポリアミド酸等の熱可塑性樹脂が用いられるが、本
実施形態では、フッ素系樹脂の一種であるポリビニリデ
ンフルオライドを用いた。熱可塑性フィルム3として
は、そのフィルムが平らの状態で縦の長さL1が270
mmで横の長さL2が732mm、すなわち270mm
×732mmの大きさにシート状に切断したものを使用
した(図3参照)。熱可塑性フィルム3の厚みは100
μmとした。
【0031】図3に示すように熱可塑性フィルム3の表
面には、その横方向の一端から、横方向に長さL3=3
14mmの距離だけ離れた位置までの間に、所定の間隔
をおいて横方向に配列された複数の電極パターン4が予
め形成されている。各電極パターン4の形状は、縦方向
に延びる帯状になっており、一つの電極パターン4の寸
法としては、横方向の幅を5mm、縦方向の長さを25
0mm、すなわち5mm×250mmとした。
【0032】ここで、電極パターン4は、例えば銀ペー
ストやカーボンペースト等の導電性ペーストを用いた印
刷、あるいは導電性粉末を含有すると共に接着剤が両面
につけられた両面テープ等を用いて形成することができ
るが、本実施形態では、銀ペーストを使用した印刷によ
って複数の電極パターン4を熱可塑性フィルム3の表面
に形成した。
【0033】アルミニウムによって構成された円柱部材
1の熱膨張係数は2.4×10-5(/℃)であり、型部
材2の材質としては、熱膨張係数が1.5×10-5(/
℃)のステンレス鋼を使用した。円柱部材1の寸法とし
ては直径を100mm、長さを300mmとした。型部
材2の寸法としては内径を101mm、外径を105m
m、長さを300mmとした。
【0034】次に、搬送ベルトの製造工程について説明
する。
【0035】まず、上述したような構成のシート状の熱
可塑性フィルム3を用意し、その熱可塑性フィルム3
を、図1に示すように円柱部材1の外周面に巻き付け
る。熱可塑性フィルム3および円柱部材1の各寸法が上
記のように設定されたことにより、熱可塑性フィルム3
が円柱部材1に2周巻き付けられ、さらに、熱可塑性フ
ィルム3の巻き始めの部分の上に、熱可塑性フィルム3
の巻き終わりの部分が重ね合わされている。ここでは、
熱可塑性フィルム3における電極パターン4側の横方向
端部から熱可塑性フィルム3を円柱部材1に巻き始めて
いき、熱可塑性フィルム3における電極パターン4が形
成された部分が、巻き始めから1周目の部分になるよう
に、かつ、円柱部材1の外周面に熱可塑性フィルム3が
1周分だけ巻かれた際に熱可塑性フィルム3の電極パタ
ーン4側の面が外側になるように、熱可塑性フィルム3
を円柱部材1に巻き付けていく。
【0036】次に、熱可塑性フィルム3が円柱部材1に
2周巻き付けられた状態で、それら熱可塑性フィルム3
および円柱部材1を型部材2の中空部の中に挿入し、円
柱部材1上にある熱可塑性フィルム3の外側に型部材2
を嵌め込む。そして、一体となった円柱部材1、熱可塑
性フィルム3、および型部材2を加熱炉に入れ、それら
を加熱する。本実施形態では、加熱炉の炉内の温度を2
00℃とし、約1時間加熱した。このような加熱工程で
は、円柱部材1および型部材2の温度上昇に伴ってそれ
ら膨張する際に、円柱部材1と型部材2の熱膨張係数の
差により、膨張による円柱部材1の体積の増加が型部材
2よりも大きくなるので、円柱部材1の外周面と型部材
2の内周面との間隔が狭くなり、それらの面に間に熱可
塑性フィルム3が挟み込まれる。このようにして可塑性
フィルム3が円柱部材1の外周面と型部材2の間で熱加
熱と共に加圧されることにより、熱可塑性フィルム3の
重ね合わせ部分同士が溶着によって接合され、そのフィ
ルムが管状に成形される。
【0037】次に、加熱炉内で加熱された円柱部材1、
熱可塑性フィルム3、および型部材2をその加熱炉から
取り出し、それらを冷却した後、円柱部材1と熱可塑性
フィルム3を型部材2内から抜き出す。さらに、管状の
熱可塑性フィルム3内から円柱部材1を抜き出して熱可
塑性フィルム3を円柱部材1から分離することにより、
管状の搬送ベルトを得た。この搬送ベルトの直径は約1
00mmであり、厚みは200μmであった。また、搬
送ベルトの厚み方向の中央部付近には電極パターン4が
形成されている。
【0038】以上で説明したような製造方法によれば、
電極パターンを有する管状の搬送ベルトを製造する際
に、段差がほとんどなく、また、インフレーション成形
法のように搬送ベルトに折り目が付くことがなく、厚さ
がほぼ均一な搬送ベルトを合理的に製造することができ
る。製造された搬送ベルトを、後述するように画像形成
装置で用いる場合には、それに設けられた電極パターン
に電圧を印加して搬送ベルト上に電位を生じさせること
により、例えば記録用紙等の被記録媒体を静電的な力で
搬送ベルトに吸着して、高い位置精度で被記録媒体を搬
送することが可能となり、高性能の搬送ベルトが実現さ
れる。
【0039】図4は、上述した方法により製造された搬
送ベルトが用いられたインクジェット装置の一部を模式
的に示す構成図である。図4に基づいて説明するインク
ジェット装置は、記録用シート等の被記録媒体に向けて
インクを吐出して被記録媒体にインクを付着させるさせ
ることによって文字や画像等を被記録媒体に形成する画
像形成装置である。
【0040】このインクジェット装置では、上述したよ
うな製造方法により得られた管状の搬送ベルトを、図4
に示すように搬送ベルト7として用いた。搬送ベルト7
は、その内側に配置された駆動ローラ11および従動ロ
ーラ12によって張られている。駆動ローラ11および
従動ローラ12は回転可能に支持されており、駆動ロー
ラ11はモーター等の不図示の駆動源によって回転され
る。その駆動ローラ11の回転に伴って搬送ベルト7が
一定の方向に走行する。搬送ベルト7の上面に、被記録
媒体である用紙13が載置され、その用紙13は搬送ベ
ルト7の走行にしたがって一方向に搬送される。
【0041】搬送ベルト7の上方には、搬送ベルト7の
走行方向に沿って所定の間隔をおいて配列された記録ヘ
ッド10a〜10dが配置されている。記録ヘッド10
a〜10dの各々からはインク等の液体が搬送ベルト7
上の用紙13に向けて吐出され、吐出されたインクが用
紙13に付着することにより、文字や画像等が用紙13
の表面に形成される。本実施形態では、記録ヘッド10
aがイエローの色のインク用、記録ヘッド10bがマゼ
ンタの色のインク用、記録ヘッド10cがシアンの色の
インク用、記録ヘッド10dがブラックの色のインク用
である。
【0042】また、搬送ベルト7は、インクの担持体で
ある用紙13を静電的な力によって吸着して用紙13を
搬送するものである。搬送ベルト7によって用紙13が
記録ヘッド10a〜10dの下方を通過する際に、それ
らの記録ヘッドによって用紙13に画像が形成される。
【0043】ここで、搬送ベルト7の表面への用紙13
の静電的な吸着は、図5に示すような電気回路を形成す
ることで行われる。本実施形態では、一方向に配列され
た複数の電極パターン4に直流電源の陽極と陰極を交互
に接続し、隣り合う2つの電極パターン4間に2kVの
印加電圧を掛けている。これにより、搬送ベルト7の表
面に約+800Vの電位が生じ、搬送ベルト7への用紙
13の吸着力は十分なものであった。
【0044】このようなインクジェット装置では、上述
した製造方法により得られた搬送ベルト7が用いられて
おり、搬送ベルト7の接続部分すなわち重ね合わせ部分
には、用紙13の搬送で問題となるような段差は形成さ
れていないので、4つの記録ヘッド10a〜10dから
打ち出されたインクは、位置ずれもなく用紙13に付着
し、良好な画像が得られた。
【0045】図6は、上述した方法により製造された搬
送ベルトが用いられたカラー複写機の一部を模式的に示
す構成図である。図6に基づいて説明するカラー複写機
すなわちレーザービームプリンターは、記録用シート等
の被記録媒体(像担持体)に感光体上のトナー像を転写
することによって文字や画像等を被記録媒体に形成する
画像形成装置(電子写真装置)である。
【0046】このカラー複写機では、上述したような製
造方法により得られた管状の搬送ベルトを、図6に示す
ように転写ベルト17として用いた。転写ベルト17
は、その内側に配置された駆動ローラ21および従動ロ
ーラ22によって張られている。駆動ローラ21および
従動ローラ22は回転可能に支持されており、駆動ロー
ラ21はモーター等の不図示の駆動源によって回転され
る。その駆動ローラ21の回転に伴って転写ベルト17
が一定の方向に走行する。転写ベルト17の上面に、ト
ナー(現像剤)の担持体である用紙23が載置され、そ
の用紙23は転写ベルト17の走行にしたがって一方向
に搬送される。
【0047】転写ベルト17の上方には、転写ベルト1
7の走行方向に沿って所定の間隔をおいて配列された感
光ドラム20a〜20dが配置されている。感光ドラム
20a〜20dの各々の表面には、現像工程においてト
ナーによってトナー像が形成され、転写ベルト17上の
用紙23が感光ドラム20a〜20dの各々と転写ベル
ト17との間に挟まれると、感光ドラム20a〜20d
上のトナー像が転写ベルト17上の用紙23に転写さ
れ、文字や画像等が用紙23の表面に形成される。本実
施形態では、感光ドラム20aがイエローの色のトナー
像を形成するもの、感光ドラム20bがマゼンタの色の
トナー像を形成するもの、感光ドラム20cがシアンの
色のトナー像を形成するもの、感光ドラム20dがブラ
ックの色のトナー像を形成するものである。
【0048】ここで、転写ベルト17の表面への用紙2
3の静電的な吸着は、図5に示した搬送ベルト7の電気
回路と同様な電気回路を転写ベルト17に形成すること
で行われる。転写ベルト17においても、一方向に配列
された複数の電極パターンに直流電源の陽極と陰極を交
互に接続し、隣り合う2つの電極パターン間に2kVの
印加電圧を掛けている。これにより、転写ベルト17の
表面に約+800Vの電位が生じ、転写ベルト17への
用紙23の吸着力は十分なものであった。
【0049】このようなカラー複写機においても、上述
した製造方法により得られた搬送ベルトが転写ベルト1
7として用いられているので、4つの感光ドラム20a
〜20dから用紙23に転写されたトナー像は用紙23
上で位置ずれもなく、良好な画像が得られた。
【0050】インクジェット装置やカラー複写機等の画
像形成装置において、上述した製造方法によって得られ
た管状の搬送ベルトを用いた場合、その搬送ベルトでは
段差がほとんどなく、折り目等もないので、その搬送ベ
ルトによって被記録媒体を高い位置精度で搬送すること
ができ、高い画質の画像を被記録媒体に形成することが
可能となる。
【0051】(第2の実施の形態)図7〜9は、本発明
の第2の実施形態に係る搬送ベルトの製造方法について
説明するための図である。本実施形態の搬送ベルトの製
造方法では、第1の実施形態で用いた円柱部材1および
型部材2が用いられており、図7や以下の説明では第1
の実施形態と同一の構成部品に同一の符号を付し、以下
では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】本実施形態の搬送ベルトの製造方法におい
ても、円柱部材1の材質としてアルミニウムを使用し、
型部材2の材質としてステンレス鋼を使用しており、円
柱部材1および型部材2における熱膨張係数の関係とし
ては、円柱部材1の熱膨張係数が型部材2の熱膨張係数
よりも大きくなるように設定してある。搬送ベルトの製
造する際には、円柱部材1の外周面に、図7および図8
に示される第1の熱可塑性フィルム5、および図7およ
び図9に示される第2の熱可塑性フィルム6がこの順番
で、後述するように巻き付けられる。
【0053】第1の熱可塑性フィルム5の材料としては
第1の実施形態と同様に、フッ素系樹脂の一種であるポ
リビニリデンフルオライドを用いた。また、第1の熱可
塑性フィルム5としては、そのフィルムが平らの状態で
縦の長さが270mmで横の長さが316mm、すなわ
ち270mm×316mmの大きさにシート状に切断し
たものを使用した。第1の熱可塑性フィルム5の厚みは
100μmとした。
【0054】図8に示すように第1の熱可塑性フィルム
5の表面には、所定の間隔をおいて横方向に配列された
複数の電極パターン8が予め形成されている。各電極パ
ターン8の形状は、縦方向に延びる帯状になっており、
一つの電極パターン8の寸法としては、横方向の幅を5
mm、縦方向の長さを250mm、すなわち5mm×2
50mmとした。本実施形態においても、電極パターン
8の材料として第1の実施形態と同様に銀ペーストを使
用した。
【0055】図7および図9に示される第2の熱可塑性
フィルム6には電極パターンが形成されていない。第2
の熱可塑性フィルム6の材料としてもポリビニリデンフ
ルオライドを用い、第2の熱可塑性フィルム6として、
そのフィルムが平らの状態で縦の長さが270mmで横
の長さが316mm、すなわち270mm×316mm
の大きさにシート状に切断したものを用意した。この、
電極パターンが形成されていない第2の熱可塑性フィル
ム6の厚みも100μmとした。
【0056】第1の実施形態と同様に、円柱部材1の寸
法としては直径を100mm、長さを300mmとし、
型部材2の寸法としては内径を101mm、外径を10
5mm、長さを300mmとした。
【0057】次に、搬送ベルトの製造工程について説明
する。
【0058】まず、図7に示すように、円柱部材1の外
周面にシート状の第1の熱可塑性フィルム5を巻き付け
る。第1の熱可塑性フィルム5および円柱部材1の各寸
法が上記のように設定されたことにより、第1の熱可塑
性フィルム5が円柱部材1に1周巻き付けられ、さら
に、第1の熱可塑性フィルム5の巻き始めの部分の上
に、第1の熱可塑性フィルム5の巻き終わりの部分が重
ね合わされている。第1の熱可塑性フィルム5の巻き始
めと巻き終わりの部分、すなわち第1の熱可塑性フィル
ム5の重なり部は、図7において円柱部材1の裏側に配
置されている。また、ここでは、第1の熱可塑性フィル
ム5における電極パターン8側の面が外側になるように
第1の熱可塑性フィルム5を円柱部材1に巻き付ける。
【0059】次に、図7に示すように、円柱部材1に巻
き付けられた第1の熱可塑性フィルム5の外側に、第2
の熱可塑性フィルム6を、その巻き姶めと巻き終わり部
分が重なり合うように巻き付ける。第2の熱可塑性フィ
ルム6の巻き始めと巻き終わりの部分、すなわち第2の
熱可塑性フィルム6の重なり部は、図7において円柱部
材1の手前側に配置されている。
【0060】次に、第1および第2の熱可塑性フィルム
5,6が円柱部材1に巻き付けられた状態で、それらを
型部材2の中空部の中に挿入し、円柱部材1上にある第
2の熱可塑性フィルム6の外側に型部材2を嵌め込む。
そして、一体となった円柱部材1、第1および第2の熱
可塑性フィルム5,6、ならびに型部材2を加熱炉に入
れ、それらを加熱する。本実施形態では、加熱炉の炉内
の温度を第1の実施形態と同様に200℃とし、約1時
間加熱した。このような加熱工程では、第1の実施形態
と同様に円柱部材1の外周面と型部材2の内周面との間
隔が狭くなり、それらの面に間に第1および第2の熱可
塑性フィルム5,6が挟み込まれる。このようにして第
1および第2の熱可塑性フィルム5,6が円柱部材1の
外周面と型部材2の間で加熱と共に加圧されることによ
り、第1および第2の熱可塑性フィルム5,6の互いの
重ね合わせ部分同士が溶着によって接合され、それらの
フィルムが接合されてなる管状のベルト部材が形成され
る。
【0061】次に、加熱炉内で加熱された円柱部材1、
第1および第2の熱可塑性フィルム5,6、ならびに型
部材2を加熱炉から取り出し、それらを冷却した後、円
柱部材1と第1および第2の熱可塑性フィルム5,6を
型部材2内から抜き出す。さらに管状の第1および第2
の熱可塑性フィルム5,6内から円柱部材1を抜き出し
て第1および第2の熱可塑性フィルム5,6を円柱部材
1から分離することにより、管状の搬送ベルトを得た。
得られた搬送ベルトは、第1および第2の熱可塑性フィ
ルム5,6が熱融着されたものであり、その搬送ベルト
の寸法は直径が約100mm、厚みが200μmであっ
た。また、搬送ベルトの厚み方向の中央部付近には電極
パターン8が形成されている。
【0062】本実施形態の製造方法によっても、電極パ
ターンを有する管状の搬送ベルトを製造する際に、段差
がほとんどなく、また、インフレーション成形法のよう
に搬送ベルトに折り目が付くことがなく、厚さがほぼ均
一な搬送ベルトを合理的に製造することができる。製造
された搬送ベルトを、後述するように画像形成装置で用
いる場合には、それに設けられた電極パターンに電圧を
印加して搬送ベルト上に電位を生じさせることにより、
例えば記録用紙等の被記録媒体を静電的な力で搬送ベル
トに吸着して、高い位置精度で被記録媒体を搬送するこ
とが可能となり、高性能の搬送ベルトが実現される。
【0063】上記の工程を経て作製された搬送ベルトを
第1の実施形態と同様に、図4に示したインクジェット
装置における搬送ベルト7として用いた。ここでも、搬
送ベルト7の電極パターン間に2kVの印加電圧を掛け
ることで、搬送ベルト7の表面に約+800Vの電位が
生じ、搬送ベルト7への用紙13の吸着力は十分なもの
であった。
【0064】また、4つの記録ヘッド10a〜10dか
ら打ち出されたインクは、位置ずれもなく用紙13に付
着し、良好な画像が得られた。
【0065】次に、本実施形態で作製された搬送ベルト
を第1の実施形態と同様に、図6に示したカラー複写機
における転写ベルト17として使用した。ここでも、転
写ベルト17の電極パターン間に2kVの印加電圧を掛
けることで、転写ベルト17の表面に約+800Vの電
位が生じ、転写ベルト17への用紙23の吸着力は十分
なものであった。
【0066】また、4つの感光ドラム20a〜20dか
ら用紙23に転写されたトナー像は用紙23上で位置ず
れもなく、良好な画像が得られた。
【0067】本実施形態においては、第1の熱可塑性フ
ィルム5の表面に電極パターン8が形成されているが、
第1の熱可塑性フィルム5には電極パターン8を形成せ
ずに第2の熱可塑性フィルム6の表面に電極パターンを
形成してもよい。その場合には、第2の熱可塑性フィル
ム6上の電極パターンがそのフィルムの内側に配置され
るように、円柱部材1上にある第1の熱可塑性フィルム
の上に第2の熱可塑性フィルム6を巻き付ければよい。
あるいは、第1および第2の熱可塑性フィルム5,6の
両方に電極パターンを形成してもよい。この場合には、
第1および第2の熱可塑性フィルム5,6の電極パター
ン側の面が互いに対向するように、円柱部材1上に第1
および第2の熱可塑性フィルム5,6を巻き付ければよ
い。
【0068】また、第1および第2の熱可塑性フィルム
5,6の表面に電極パターンを形成する方法としては、
第1の実施形態における電極パターン4と同様に、銀ペ
ーストまたカーボンペースト等の導電性ペーストの印刷
により電極パターンを形成する他に、導電性粉末を含有
すると共に接着剤が両面につけられた両面テープを電極
パターンとして熱可塑性フィルムに貼り付けてもよい。
いずれの方法においても、電極パターンが形成される熱
可塑性フィルムを円柱部材1上に巻き付ける工程の前
に、熱可塑性フィルムに電極パターンを予め形成してお
くことが好ましい。
【0069】さらに、第1または第2の実施形態の製造
方法により得られた搬送ベルトの用途としては、画像形
成装置のみでなく、精密機械の部品等を搬送する際に、
高い位置精度を保証して部品を所定の位置に搬送するこ
とが必要とされる装置等においても好適に使用される。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明の搬送ベルト
の製造方法によれば、表面に電極パターンが形成された
シート状の熱可塑性フィルムを円柱部材に複数回巻き付
け、熱可塑性フィルムを加熱する際にその円柱部材とそ
れよりも熱膨張係数が小さい管状の型部材とを用いて熱
可塑性フィルムの重ね合わされた部分同士を接合するの
で、段差がほとんどなく、また、インフレーション成形
法のように搬送ベルトに折り目が付くことがなく、厚さ
がほぼ均一な搬送ベルトを合理的に製造することができ
る。製造された搬送ベルトを用いる場合には、それに設
けられた電極パターンに電圧を印加して搬送ベルト上に
電位を生じさせることにより、例えば記録用紙等の被記
録媒体を静電的な力で搬送ベルトに吸着して、高い位置
精度で被記録媒体を搬送することが可能となり、高性能
の搬送ベルトが実現される。
【0071】また、本発明の搬送ベルトの製造方法は、
表面に電極パターンが形成されたシート状の第1の熱可
塑性フィルムと、第2の熱可塑性フィルムとをこの順番
でを円柱部材に巻き付け、それらのフィルムを加熱する
際にその円柱部材とそれよりも熱膨張係数が小さい管状
の型部材とを用いてそれらのフィルムの重ね合わせ部分
同士を接合するので、段差がほとんどなく、また、イン
フレーション成形法のように搬送ベルトに折り目が付く
ことがなく、厚さがほぼ均一な搬送ベルトを合理的に製
造することができる。製造された搬送ベルトを用いる場
合には、上述したのと同様に、搬送ベルトに設けられた
電極パターンに電圧を印加して搬送ベルト上に電位を生
じさせることにより、例えば記録用紙等の被記録媒体を
静電的な力で搬送ベルトに吸着して、高い位置精度で被
記録媒体を搬送することが可能となり、高性能の搬送ベ
ルトが実現される。
【0072】さらに、本発明の搬送ベルトの製造方法
は、前述したように電極パターンが形成された第1の熱
可塑性フィルムの上に第2の熱可塑性フィルムを巻き付
けて管状の搬送ベルトを製造するのとは異なり、電極パ
ターンが形成されていない第1の熱可塑性フィルムを円
柱部材に巻き付け、そのフィルムの上に、電極パターン
が形成された第2の熱可塑性フィルムを巻き付けるの
で、このような製造方法によっても、段差がほとんどな
く、また、インフレーション成形法のように搬送ベルト
に折り目が付くことがなく、厚さがほぼ均一な搬送ベル
トを合理的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る搬送ベルトの製
造方法においてフィルムを円柱部材に巻き付けた状態を
示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る搬送ベルトの製
造方法で使用される型部材を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る搬送ベルトの製
造方法で使用したシート状の熱可塑性フィルムを示す平
面図である。
【図4】搬送ベルトが用いられたインクジェット装置の
一部を模式的に示す構成図である。
【図5】搬送ベルトの表面に静電的な吸着力を発生させ
るための電気回路の構成を示す図である。
【図6】搬送ベルトが用いられたカラー複写機の一部を
模式的に示す構成図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る搬送ベルトの製
造方法において2つのフィルムを円柱部材に巻き付けた
状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る搬送ベルトの製
造方法で使用した第1の熱可塑性フィルムを示す平面図
である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る搬送ベルトの製
造方法で使用した第2の熱可塑性フィルムを示す平面図
である。
【符号の説明】 1 円柱部材 2 型部材 3 熱可塑性フィルム 4,8 電極パターン 5 第1の熱可塑性フィルム 6 第2の熱可塑性フィルム 7 搬送ベルト 10a〜10d 記録ヘッド 11,21 駆動ローラ 12,22 従動ローラ 13,23 用紙 17 転写ベルト 20a〜20d 感光ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16 4F211 // B65H 5/00 B65H 5/00 D 5/02 5/02 C B29L 29:00 B29L 29:00 Fターム(参考) 2H200 GA12 GA23 JB06 JB27 JB43 JB45 MA04 MA20 3F024 AA19 BA01 CA04 CB02 CB07 3F049 AA06 BA13 LA01 LB03 3F101 LA01 LB03 4F209 AA04 AC03 AG08 AG16 AH12 NA16 NB01 NG02 NK01 NK07 4F211 AD05 AD08 AG08 AG16 AH12 TA01 TC09 TC14 TD11 TH02 TH06 TH18 TJ22 TQ01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に電極パターンが形成されたシート
    状の熱可塑性フィルムを円柱部材に複数回巻き付けて、
    前記熱可塑性フィルムの巻き始めの部分の上に巻き終わ
    りの部分を重ね合わせる工程と、 前記円柱部材に巻き付けられた前記熱可塑性フィルムの
    外側に、前記円柱部材よりも熱膨張係数が小さい管状の
    型部材を嵌め込む工程と、 少なくとも前記熱可塑性フィルムを加熱して、前記円柱
    部材および前記型部材の熱膨張係数の差でそれらの間に
    前記熱可塑性フィルムを挟み込むことによって前記熱可
    塑性フィルムの重ね合わせ部分同士を接合し、前記シー
    ト状熱可塑性フィルムが管状に成形されてなる搬送ベル
    トを作製する工程とを有する、搬送ベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性フィルムを前記円柱部材に
    複数回巻き付ける工程では、前記電極パターンが前記搬
    送ベルトの厚み方向の内側部分に配置されるように前記
    熱可塑性フィルムを巻き付ける請求項1に記載の搬送ベ
    ルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性フィルムを前記柱状部材に
    巻き付ける工程の前に、導電性ペーストの印刷により前
    記熱可塑性フィルム上に前記電極パターンを形成する工
    程をさらに有する請求項1に記載の搬送ベルトの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記導電性ペーストとして銀ペーストま
    たはカーボンペーストを用いる請求項3に記載の搬送ベ
    ルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性フィルムを前記柱状部材に
    巻き付ける工程の前に、導電性粉末を含有すると共に接
    着剤が両面につけられた両面テープを前記電極パターン
    として前記熱可塑性フィルムに貼り付ける工程をさらに
    有する請求項1に記載の搬送ベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 表面に電極パターンが形成されたシート
    状の第1の熱可塑性フィルムを、前記電極パターンが外
    側に配置されるように円柱部材に巻き付けて、前記第1
    の熱可塑性フィルムの巻き始めの部分の上に巻き終わり
    の部分を重ね合わせる工程と、 前記円柱部材に巻き付けられた前記第1の熱可塑性フィ
    ルムの上にシート状の第2の熱可塑性フィルムを巻き付
    けて、前記第2の熱可塑性フィルムの巻き始めの部分と
    巻き終わりの部分を重ね合わせる工程と、 前記第1の熱可塑性フィルムの上に巻き付けられた前記
    第2の熱可塑性フィルムの外側に、前記円柱部材よりも
    熱膨張係数が小さい管状の型部材を嵌め込む工程と、 少なくとも前記第1および第2の熱可塑性フィルムを加
    熱して、前記円柱部材および前記型部材の熱膨張係数の
    差でそれらの間に前記第1および第2の熱可塑性フィル
    ムを挟み込むことによって前記第1および第2の熱可塑
    性フィルムにおける重ね合わせ部分同士を接合し、シー
    ト状の前記第1および第2の熱可塑性フィルムが接合さ
    れてなる管状の搬送ベルトを作製する工程とを有する、
    搬送ベルトの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の熱可塑性フィルムを前記柱状
    部材に巻き付ける工程の前に、導電性ペーストの印刷に
    より前記第1の熱可塑性フィルム上に前記電極パターン
    を形成する工程をさらに有する請求項6に記載の搬送ベ
    ルトの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記導電性ペーストとして銀ペーストま
    たはカーボンペーストを用いる請求項7に記載の搬送ベ
    ルトの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の熱可塑性フィルムを前記柱状
    部材に巻き付ける工程の前に、導電性粉末を含有すると
    共に接着剤が両面につけられた両面テープを前記電極パ
    ターンとして前記第1の熱可塑性フィルムに貼り付ける
    工程をさらに有する請求項6に記載の搬送ベルトの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 シート状の第1の熱可塑性フィルムを
    円柱部材に巻き付けて、前記第1の熱可塑性フィルムの
    巻き始めの部分の上に巻き終わりの部分を重ね合わせる
    工程と、 前記円柱部材に巻き付けられた前記第1の熱可塑性フィ
    ルムの上に、表面に電極パターンが形成されたシート状
    の第2の熱可塑性フィルムを、前記電極パターンが内側
    に配置されるように巻き付けて、前記第2の熱可塑性フ
    ィルムの巻き始めの部分と巻き終わりの部分を重ね合わ
    せる工程と、 前記第1の熱可塑性フィルムの上に巻き付けられた前記
    第2の熱可塑性フィルムの外側に、前記円柱部材よりも
    熱膨張係数が小さい管状の型部材を嵌め込む工程と、 少なくとも前記第1および第2の熱可塑性フィルムを加
    熱して、前記円柱部材および前記型部材の熱膨張係数の
    差でそれらの間に前記第1および第2の熱可塑性フィル
    ムを挟み込むことによって前記第1および第2の熱可塑
    性フィルムにおける重ね合わせ部分同士を接合し、シー
    ト状の前記第1および第2の熱可塑性フィルムが接合さ
    れてなる管状の搬送ベルトを作製する工程とを有する、
    搬送ベルトの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の熱可塑性フィルムを巻き付
    ける工程の前に、導電性ペーストの印刷により前記第2
    の熱可塑性フィルム上に前記電極パターンを形成する工
    程をさらに有する請求項10に記載の搬送ベルトの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記導電性ペーストとして銀ペースト
    またはカーボンペーストを用いる請求項11に記載の搬
    送ベルトの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の熱可塑性フィルムを巻き付
    ける工程の前に、導電性粉末を含有すると共に接着剤が
    両面につけられた両面テープを前記電極パターンとして
    前記第2の熱可塑性フィルムに貼り付ける工程をさらに
    有する請求項10に記載の搬送ベルトの製造方法。
  14. 【請求項14】 被記録媒体に画像を形成する画像形成
    装置において前記被記録媒体を搬送するために前記画像
    形成装置に備えられる搬送ベルトであって、請求項1〜
    13のいずれか1項に記載の搬送ベルトの製造方法によ
    って作製された搬送ベルト。
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JP2001100765A Pending JP2002292730A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 搬送ベルトの製造方法、およびその製造方法により作製された搬送ベルト

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001920A (ja) * 2001-06-25 2003-01-08 Sumitomo Rubber Ind Ltd シームレスベルト内表面へのパターン形成方法

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