JP4737047B2 - 光ディスク装置及び光ディスク装置のアドレス領域検出方法 - Google Patents

光ディスク装置及び光ディスク装置のアドレス領域検出方法 Download PDF

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本発明は、所定間隔ごとにトラックの上方向と下方向に半トラック分ずらしてアドレス情報が記録がされている領域を有する光ディスクに対してデータを記録又は再生するための光ディスク装置及び光ディスク装置のアドレス領域検出方法に関する。
従来より、光ディスクにはDVD−RAMのようにランドとグルーブの両方にデータの記録がされるとともに、所定間隔ごとにトラックの上方向と下方向に半トラック分ずらしてアドレス情報の記録がされている領域を有する光ディスクがある。このアドレス情報が記録された領域は、一般的にCAPA(Complimentary Allocated Pit Addressing)と呼ばれる。このCAPAをレーザ光が集光することで形成される光スポットが通過するとき、トラックの上方向と下方向に半トラック分ずらして記録がされているため、トラッキングエラー信号が乱れる。この乱れがあるままトラッキングサーボ制御を行うと、レーザ光を集光する対物レンズを駆動するアクチュエータは大きく変動し、トラッキングサーボ制御が外れてしまう可能性がある。また、トラッキングサーボ制御が外れなくてもCAPAの箇所における再生信号の精度が悪くなる。
このため、例えば特許文献1で示されているように、CAPAにより発生する信号を検出した後ウォブル信号(特許文献1ではTZC信号となっている)の波の数をカウントして次のCAPA領域を検出し、トラッキングサーボ制御に使用される信号をホールドすることでアクチュエータを大きく変動させない(すなわち、光スポットがCAPAの前後にあるトラックの中心線に光スポットの中心を合わせて進む)ようにしている。
また、この光ディスクに対してデータの記録または記録されたデータの再生を行う場合、ランドをレーザ光が追従する場合とグルーブをレーザ光が追従する場合、トラッキングエラー信号の極性を逆にしないとトラッキングサーポ制御を行うことができない。従って、ランドとグルーブが切り替わる点を正碓に検出する必要がある。通常、この検出にもCAPAにより発生する信号が使用される。例えば特許文献2には、CAPAによりトラッキングエラー信号に発生するS字信号の向きが変わったか否かによりランドとグルーブの切り替え点を検出する方法が示されている。
図1はDVD−RAMにおけるランドグルーブ切り替え点以外のCAPAとランドグルーブ切り替え点のCAPAを光スポットが通過するときのトラッキングエラー信号の波形を示した図であり、ランドグルーブ切り替え点以外のCAPA(図の左側)と、ランドグルーブ切り替え点のCAPA(図の右側)とではトラックの上方向と下方向への半トラック分のずらし方が反対になっているため、CAPAにおいて発生するトラッキングエラー信号のS字の向きも逆になる。よって、トラッキング工ラー信号にS字信号が発生したか否かを判定することによりCAPAが検出でき、トラッキングエラー信号に発生するS字信号の向きが変わったか否かを判定することによりランドグルーブ切り替え点が検出できる。そして、S字信号の向きが変わったか否かの判定は、特許文献1や特許文献2に示されるように、トラッキングエラー信号の平均レベルの上下に検出レベルを設定し、トラッキングエラー信号がこの検出レベルをクロスしたか否かおよびクロスする順がどうなっているかを検出することにより行われている。
特開2000−353318号公報 特開2003−178474号公報
しかしながら、従来の方法では、ディスクの反射率が場所によって異なることによりトラッキングエラー信号に周期の長い波が存在する場合、検出レベルが一律であると、場所によってはCAPAによるS字信号やCAPAによるS字信号の向きの変化が検出できなかつたり、誤検出したりする場合がある。
また、光ディスクの汚れや塵の付着、光ディスク装置の振動などの原因によりCAPAによるS字信号の上方向下方向のどちらかまたは両方の振幅が小さい場合があり、この場合もCAPAによるS字信号やCAPAによるS字信号の向きの変化が検出できなかったり、誤検出したりする場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、トラッキングエラー信号に周期の長い波が存在していたり、何らかの原因でCAPAによるS字信号の振幅が小さい場合であっても精度よくCAPAによるS字信号やCAPAによるS字信号の向きの変化を検出でき、CAPA領域およびランドグルーブ切り替え点を検出することができる光ディスク装置及び光ディスク装置のアドレス領域検出方法を提供することにある。
請求項1記載の光ディスク装置は、光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号からトラッキングエラー信号を作成するトラッキングエラー信号作成手段と、トラッキングエラー信号にオフセット信号を加えるオフセット信号印加手段と、光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号からアドレス領域に存在するデータを検出するアドレス領域データ検出手段と、オフセット信号印加手段によりオフセット信号が印加されたトラッキングエラー信号を入力するとともに、アドレス領域データ検出手段によるアドレス領域に存在するデータの検出に基づいて該オフセット信号が印加されたトラッキングエラー信号を所定時間出力するゲート手段と、ゲート手段が出力するゲート期間が異なる少なくとも2つの信号のレベルを比較することにより、レーザ光のアドレス領域の通過を検出するアドレス領域検出手段とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の光ディスク装置は、光ディスクがランドとグルーブの両方にデータの記録がされる光ディスクであり、アドレス領域検出手段が、ゲート手段が出力する少なくとも2つの信号のレベルを比較することによりレーザ光のランドグルーブ切り替え点の通過を検出するランドグルーブ切り替え点検出手段を備えることを特徴とする。
請求項3記載の光ディスク装置は、アドレス領域データ検出手段が、アドレス領域に存在する特定信号長の連続データを検出する手段であることを特徴とする。
請求項4記載の光ディスク装置は、アドレス領域データ検出手段が、トラッキングエラー信号をハイパスフィルタを通した信号からアドレス領域に存在するデータを検出する手段であることを特徴とする。
請求項5記載の光ディスク装置のアドレス領域検出方法は、光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号からトラッキングエラー信号を作成し、トラッキングエラー信号にオフセット信号を加え、光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号からアドレス領域に存在するデータを検出し、アドレス領域に存在するデータの検出に基づいてオフセット信号が印加されたトラッキングエラー信号を所定時間ゲートして出力し、ゲート期間が異なる少なくとも2つの信号のレベルを比較することにより、レーザ光のアドレス領域の通過を検出することを特徴とする。
請求項6記載の光ディスク装置のアドレス領域検出方法は、光ディスクがランドとグルーブの両方にデータの記録がされる光ディスクであり、ゲート期間が異なる少なくとも2つの信号のレベルを比較することによりレーザ光のランドグルーブ切り替え点の通過を検出することを特徴とする。
請求項1及び請求項5の発明によれば、トラッキングエラー信号にオフセット信号を加え、CAPAに存在するデータの検出に基づいてオフセット信号を加えたトラッキングエラー信号を所定時間出力して、この出力される少なくとも2つの信号のレベルを比較することによりアドレス領域を検出するようにしたことから、トラッキングエラー信号に周期の長い波が存在していたり、何らかの原因でCAPAによるS字信号の振幅が小さい場合であっても、CAPAにより発生するS字信号の向きを検出でき、アドレス領域を検出することができる。
請求項2及び請求項6の発明によれば、少なくとも2つの信号のレベルを比較することによりランドグルーブ切り替え点を検出するようにしたことから、アドレス領域を検出すると共にランドグルーブ切り替え点を検出することができる。
請求項3の発明によれば、CAPAに存在するデータの検出を、特定信号長の連続データで行うようにしたことから、CAPAの所定箇所を精度よく検出することができる。例えばDVD−RAMではCAPAに存在する特定信号長の連続データは4Tが36個連続するデータであるが、このデータが存在するのは光ディスクにおいてCAPAの前半と後半の先頭領域のみであるので、CAPAの前半と後半の先頭を精度よく検出することができる。
請求項4の発明によれば、CAPAに存在するデータの検出を行う信号を、トラッキングエラー信号をハイパスフィルタを通した信号としたことから、トラックにレーザ光が集光しているときはトラッキングエラー信号には記録データによる信号がほとんど現れないのでCAPA以外の場所におけるCAPAに存在するデータの誤検出の可能性をなくすことができる。
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の形態における光ディスク装置は、所定間隔ごとにトラックの上方向と下方向に半トラック分ずらしてアドレス情報が記録がされている領域を有する光ディスクに対してデータを記録又は再生するためのものである。この所定間隔ごとにトラックの上方向と下方向に半トラック分ずらしてアドレス情報の記録がされている領域を有する光ディスクとしては、例えばDVD−RAMがある。
図1は、光ディスクにおけるランドとグルーブの切り替え点とレーザ光がこの切り替ええ点通過するときのトラッキングエラー信号の波形を示す説明図である。図2は、本発明の光ディスク装置の一例を示す構成図である。図3は、同光ディスク装置のCAPA検出回路を示す構成図である。図4及び図5は、同光ディスク装置のCAPA検出回路の動作に係る信号の波形を時間軸を合わせて示す説明図である。
図2において、光ディスク装置1は、光ピックアップ装置200の他、表示装置402や入力装置404を備えたコントローラ400、HF信号増幅回路102、フォーカスエラー信号生成回路104、フォーカスサーボ回路106、トラッキングエラー信号生成回路110、トラッキングサーボ回路114、ドライブ回路108,116、レーザ駆動回路202、ターンテーブル300、スピンドルモータ301、スピンドルモータ制御回路302、フィードモータ312、フィードモータ制御回路308等から構成されている。
スピンドルモータ制御回路302は、後述するバンドパスフィルタ120からウォブル信号が入力しないときはスピンドルモータ301内にあるエンコーダが出力するパルス信号の周波数がコントローラ400により設定された周波数になるようスピンドルモータ301を回転駆動し、バンドパスフィルタ120からウォブル信号が入力するときは、ウォブル信号の周波数がコントローラ400により設定された周波数になるようスピンドルモータ301を回転駆動する。レーザ駆動回路202はコントローラ400からの指令に基づいて、光ピックアップ装置200内にあるレーザ光源からレーザ光の出射を行う。
HF信号増幅回路102は、入力した信号を増幅してトラッキングエラー信号生成回路110へ出力する。そして、トラッキングエラー信号生成回路110は、トラッキングエラー信号を生成して信号ホールド回路112へ出力する。そして信号ホールド回路112は後述するように入力したトラッキングエラー信号をそのままトラッキングサーボ回路114へ出力するか、トラッキングエラー信号の波高値をホールドした信号をトラッキングサーボ回路114へ出力する。そして、トラッキングサーボ回路114は、入力されたトラッキングエラー信号に基づいて光ディスクDK上に成されたレーザ光による光スポットが光ディスクDKのトラックを追従するための制御信号を生成しドライブ回路116へ出力する。ドライブ回路116は、入力した信号に基づいて光ピックアップ装置200にあるトラッキングアクチュエータを駆動し、対物レンズが対物レンズの光軸と垂直な方向に駆動するようにする。これによりレーザ光による光スポットは光ディスクDKのトラックを追従する。
スレッドサーボ回路118は、トラッキングサーボ回路114が出力する信号を入力し、信号の直流成分を検出してこの直流成分が0になるよう、フィードモータ400の送り速度に相当する信号をフィードモータ制御回路308に出力する。フィードモータ制御回路308は、スレッドサーボ回路118から送り速度に相当する信号が入力すると、フィードモータ312内にあるエンコーダが出力するパルス信号から送り速度を算出し、送り速度が入力した速度に合うようフィードモータ400を駆動する。これにより、トラッキングサーボ制御においてトラッキングアクチュエータは中立位置付近で駆動する。尚、フィードモータ制御回路308は、トラッキングサーボ制御が行われないときコントローラ400から移動方向を示す信号が入力すると、その方向にターンテーブル300やスピンドルモータ301が移動するようフィードモータ312を回転する。これにより、記録再生を開始する半径位置への移動が行われる。
また、HF信号増幅回路102は、入力した信号を増幅してフォーカスエラー信号生成回路104へ出力する。そして、フォーカスエラー信号生成回路104は、レーザ光の焦点位置の光ディスクDKの表面からのずれであるフォーカスエラー信号を生成してフォーカスサーボ回路106へ出力する。そして、フォーカスサーボ回路106は、入力したフォーカスエラー信号に基づいてレーザ光の焦点位置を光ディスクDKの記録面に合わせるための制御信号を生成しドライブ回路108へ出力する。ドライブ回路108は、入力した信号に基づいて光ピックアップ装置にあるフォーカスアクチュエータを駆動し、対物レンズが対物レンズの光軸と平行な方向に駆動するようにする。これにより、レーザ光の焦点位置は光ディスクDKの記録面に合う。
信号ホールド回路112は、コントローラ400から指示がないときはトラッキングエラー信号生成回路110から入力したトラッキングエラー信号をそのまま出力するが、コントローラ400からホールド開始の指示があると、指示があった時点のトラッキングエラー信号の波高値をホールドして出力し、コントローラ400からホールド終了の指示があると、元の通り入力したトラッキングエラー信号をそのまま出力する。
信号ホールド回路l12の構成を示したものが図3である。波高値記憶・出力回路112aは内部にRAMを有し、トラッキングエラー信号の波高値のデジタルデータを所定間隔で記憶し続け、RAMの記憶容量が満杯になると最初の記憶領域に戻って記憶し続ける。そして、コントローラ400からホールド開始の指示があると最後に記憶したデータとそれより前の数個のデータ(例えば4個)の平均値を計算し、平均値に相当する波高値の信号を出力する。そして、コントローラ400からホールド終了の指示があると、出力を停止しRAMに記憶したデータをすべてクリアしてトラッキングエラー信号の波高値のデジタルデータの記憶を再開する。
信号切替回路112bは、トラッキングエラー信号と波高値記憶・出力回路112aからの信号の2つを入力し、いずれかの信号を出力する。通常はトラッキングエラー信号を出力するが、コントローラ400からホールド開始の指示があると、波高値記憶・出力回路112aからの信号を出力し、コントローラ400からホールド終了の指示があると、元の通りトラッキングエラー信号を出力する。
半径値計算回路3l0は、光ディスクDKにレーザ光が照射される位置の半径値をフィードモータ312内にあるエンコーダが出力するパルス信号とインデックス信号とから計算し、デジタルデータにしてコントローラ400に出力する。具体的には、コントローラ400から作動開始の指示がフィードモータ制御回路308に入ったとき、半径値計算回路310にも入り、フィードモータ制御回路308は、フィードモータ312を初期位置まで駆動させストップさせた後、設定された半径位置まで移動させるので、半径値計算回路310は作動開始の指示が入った後、フィードモータ312内にあるエンコーダからのパルス信号の入力がストップしたときを初期半径値として、そのときから入力したパルス信号とインデックス信号とにより駆動距離を算出して初期半径値に加減して半径値とする。
パルス数増加回路304は、スピンドルモータ301内にあるエンコーダが出力するパルス信号を入力し、このパルス信号の周波数を半径値計算回路310から入力した半径値により定まる割合で増加した周波数のパルス信号を生成して出力する。言い換えれば、エンコーダが出力するパルス信号1周期におけるパルス数が入力した半径値により定まる割合であるパルス数の信号を生成し、出力する。周波数の増加の割合kは、入力した半径値rから以下の式の数式1で計算される。ここでr0は任意に定めた半径位置であり、k0は任意に定めた半径位置における増加の割合である。
Figure 0004737047
パルス数カウント回路(回転角度)306は、パルス数増加回路304が出力する信号のパルスの数をカウントし、カウント値をデジタルデータにしてコントローラ400に出力する。カウント開始とカウント値のリセットはコントローラ400からの指示により行われる。
バンドパスフィルタ120は、トラッキングエラー信号を入力し、所定範囲の周波数の信号を抽出することでウォブル信号にして出力する。ウォブル信号は、光ディスクDKのトラックが小さく波をうつ形状になっていることを表す信号である。2値化回路122は、ウォブル信号の中間レベルに設定されたラインでハイレベルとローレベルのパルス信号を生成するとともに、そのパルス信号に同期したパルス信号(以下、2値化ウォブル信号という)を生成して出力する回路である。同期したパルス信号とするのは、CAPAの区間も2値化ウォブル信号を出力するためである。パルス数カウント回路(ウォブル)124は、2値化ウォブル信号のパルスの数をカウントし、カウント値をデジタルデータにしてコントローラ400に出力する。カウント開始とカウント値のリセットはコントローラ400からの指示により行われる。
CAPA検出回路130の構成を詳細に示したものが図4である。図4に示した回路のそれぞれが出力する信号を時間軸を合わせて示したものが図5及び図6である。尚、図5は概念を示す図であり実際は交流箇所は周波数がもっと高くなっている。以下、図4〜図6を用いてCAPA検出回路130について説明する。
まず、CAPA検出回路130のトラッキングエラー信号の入力箇所に設けられたオフセット電圧印加回路134は、トラッキングエラー信号(図5の(A))を入力し、所定のオフセット電圧を印加したトラッキングエラー信号(以下、オフセットトラッキングエラー信号という)を出力する。これによりトラッキングエラー信号はすべての箇所の波高値において同一の符合となる。ハイパスフィルタ148は、トラッキングエラー信号(図5の(A))を入力し、周波数の高い成分のみの信号(図5の(B))を出力する。出力する信号は、CAPAに記録されたデータによる信号である。
4T連続信号検出回路150は、内部に基準クロックを有し、4T連続信号を検出すると検出信号(図5の(C))を出力する。DVD−RAMは、通常CAPAの前半と後半の先頭に4Tが36個連続するデータが記録されているが、4T連続信号検出回路150は、4Tを所定数(例えば22個)検出した場合、検出信号を出力するように設定しておけばよい。尚、光ディスクDKの記録再生速度(光ディスクのレーザ光集光位置における線速度)により4Tの時間が変わってくるので、設定された記録再生速度によりコントローラ400により4Tの時間が回路に設定される。
ゲート信号発生回路152は、4T連続信号検出回路150から検出信号が入力すると入力してから所定時間Aが経過した後から信号長Cのゲート信号(図5の(D),(E))を出力する。尚、ゲート信号発生回路152は出力端が2つあり、4T連続信号検出回路150から検出信号が入力するごとにゲート信号の出力端が替わる。所定時間Aと信号長Cは後述するゲート回路A136、ゲート回路B138でトラッキングエラー信号におけるCAPAの前半部分と後半部分に相当する箇所が抽出できるよう適切な値に定める。また、この値も光ディスクの記録再生速度(光ディスクのレーザ光集光位置における線速度)により変わってくるので、設定された記録再生速度によりコントローラ400により所定時問Aと信号長Cが回路に設定される。
尚、4T連続信号検出回路150は、4T連続信号を検出した後、所定時間作動しないようにし(すなわちCAPAの前半部分における4T連続信号のみを検出するようにし)、ゲート信号発生回路152は、4T連続信号検出回路150から検出信号が入力すると、入力してから所定時間Aが経過した後と所定時間Bが経過した後に信号長Cのゲート信号(図5の(D),(E))を出力端を替えて出力するようにしてもよい。
ゲート回路A136、ゲート回路B138は、オフセットトラッキングエラー信号を入力し、ゲート信号発生回路152からゲート信号が入力した期間のみ、オフセットトラッキングエラー信号(図5の(F),(G))を出力する。
ローパスフィルタA140、ローパスフィルタB142は、ゲート回路A136、ゲート回路B138が出力するオフセットトラッキング工ラー信号を入力し、所定の周波数以上の交流成分を除外した信号(図6の(H),(I))を出カする。オフセットトラッキングエラー信号(図5の(F),(G))より後側にずれているのは、ローパスフィルタA140、ローパスフィルタB142による時間遅れであるが、少々の時間遅れは問題にならない。
ホールド回路A144、ホールド回路B146は、オペアンプ、コンデンサ、抵抗、スイッチ等から構成される通常のアナログのホールド回路である。ゲート信号発生回路152からゲート信号が入力した期間スイッチが入ってローパスフィルタA140、ローパスフィルタB142が出力する信号(図6の(H),(I))が入力してコンデンサが充電され、ゲート信号の入力がなくなるとスイッチが切れてコンデンサに充電した電荷による電圧が出力されることで、入力した信号の波高値に相当する信号(図6の(J),(K))が出力される。そして後述する比較器(コンパレータ)154から信号が入力すると、コンデンサが放電され、信号の出力がなくなる。
比較器(コンパレータ)154は、ホールド回路A144、ホールド回路B146が出力する信号(図6の(J),(K))を入力し、2つの信号レベルの大小により異なる2つの信号を出力する。図5ではトラッキングエラー信号に発生するS字信号は上下になっていて、図6の(J)の信号が図6の(K)の信号より信号レベルが大きくなっているが、トラッキングエラー信号に発生するS字信号が下上であると、図6の(K)の信号が図6の(J)の信号より信号レベルが大きくなる。これによりトラッキングエラー信号に発生するS字信号の向きにより異なる信号が極性切替指示回路l32とコントローラ400に入力する。
コントローラ400に入力した信号は、トラッキングエラー信号のホールドに利用される。具体的には、コントローラ400にCAPA検出回路130からの信号が入力してから、パルス数カウント回路(ウォブル)124又はパルス数カウント回路(回転角度)306により、2値化ウォブル信号の波数をカウント、またはスピンドルモータのエンコーダのパルス信号の波数を増加した信号の波数をカウントし、カウント値に基づいて次のCAPA領域においてトラッキングエラー信号を信号ホールド回路112でホールドする。
極性切替指示回路l32は、CAPA検出回路130(比較器(コンパレータ)154)から入力した信号が同じ信号から別の信号に変わった時点でトラッキングエラー信号生成回路110における極性の切り替えを指示する。具体的には、コントローラ400から作動指示がされると、ランドとグルーブの切り替え点検出により極性の切替を指示するようなプログラム処理を光ディスクの記録、再生が終了するまで繰り返し行う。
このように構成されたDVD−RAM用の光ディスク装置1において、光ディスクDKがセットされ、記録または再生が開始されると、その時点からCAPA検出回路l30および極性切替指示回路132が作動を開始し、ランドグルーブ切り替え点を検出してトラッキングエラー信号生成回路110における極性の切り替えが行われるので、光ディスクDKに集光されたレーザ光はランドとグルーブのトラックを追従し続ける。また、CAPA検出回路130によりCAPAが検出されてからの2値化ウォブル信号の波数のカウント値やスピンドルモータ301のエンコーダのパルス信号の波数を増加した信号の波数のカウント値により次のCAPA領域を検出し、信号ホールド回路112により、トラッキングエラー信号のホールドが行われるので、CAPAにより対物レンズを駆動するアクチュエータの変動は発生せずトラッキングサーボ制御が精度よく行われる。
以上のように、本実施例の光ディスク装置1によれば、トラッキングエラー信号にオフセット信号を加え、CAPAに存在するデータの検出に基づいてオフセット信号を加えたトラッキングエラー信号を所定時間出力して、この出力される少なくとも2つの信号のレベルを比較することによりアドレス領域を検出するようにしたことから、トラッキングエラー信号に周期の長い波が存在していたり、何らかの原因でCAPAによるS字信号の振幅が小さい場合であっても、CAPAにより発生するS字信号の向きを検出でき、アドレス領域を検出することができる。
また、CAPA検出回路130のゲート回路A136、ゲート回路B138のゲート手段が出力する少なくとも2つの信号のレベルを比較することによりランドグルーブ切り替え点を検出するようにしたことから、アドレス領域を検出すると共にランドグルーブ切り替え点を検出することができる。
さらに、CAPAに存在するデータの検出を、特定信号長の連続データで行うようにしたことから、CAPAの所定箇所を精度よく検出することができる。例えばDVD−RAMではCAPAに存在する特定信号長の連続データは4Tが36個連続するデータであるが、このデータが存在するのは光ディスクにおいてCAPAの前半と後半の先頭領域のみであるので、CAPAの前半と後半の先頭を精度よく検出することができる。
さらに、CAPAに存在するデータの検出を行う信号を、トラッキングエラー信号をハイパスフィルタ148を通した信号としたことから、トラックにレーザ光が集光しているときはトラッキングエラー信号には記録データによる信号がほとんど現れないのでCAPA以外の場所におけるCAPAに存在するデータの誤検出の可能性をなくすことができる。
尚、上記実施形態は色々な変形が可能である。上記実施形態ではCAPAの先頭にある4T連続信号を検出することで、ゲート信号を発生させてCAPAの前半部分と後半部分におけるトラッキングエラー信号を抽出したが、4T連続信号以外でもよい。例えば、再生信号からアドレスデータが復号されたときを検出してゲート信号を発生させてもよい。また、上記実施形態では4T連続信号の検出をトラッキングエラー信号をハイパスフィルタを通した信号から行ったが、再生信号(SUM信号)から4T連続信号の検出を行ってもよい。この場合はCAPA以外の箇所で信号の検出がされないよう、2値化ウォブル信号の波数のカウント値やスピンドルモータのエンコーダのパルス信号の波数を増加した信号の波数のカウント値によりCAPA領域を検出し、CAPA以外の領域で4T連続信号を検出しても、検出信号の出力を行わないようにすればよい。
以上のように、本発明によれば、トラッキングエラー信号に周期の長い波が存在していたり、何らかの原因でCAPAによるS字信号の振幅が小さい場合であっても精度よくCAPAによるS字信号やCAPAによるS字信号の向きの変化を検出でき、CAPA領域およびランドグルーブ切り替え点を検出することができる光ディスク装置及び光ディスク装置のアドレス領域検出方法を提供することができる。
光ディスクにおけるランドとグルーブの切り替え点とレーザ光がこの切り替ええ点通過するときのトラッキングエラー信号の波形を示す説明図である。 本発明の光ディスク装置の一例を示す構成図である。 同光ディスク装置の信号ホールド回路を示す構成図である。 同光ディスク装置のCAPA検出回路を示す構成図である。 同光ディスク装置のCAPA検出回路の動作に係る信号の波形を時間軸を合わせて示す説明図である。 同光ディスク装置のCAPA検出回路の動作に係る信号の波形を時間軸を合わせて示す説明図である。
符号の説明
1・・・・・・光ディスク装置
102・・・・HF信号増幅回路
104・・・・フォーカスエラー信号生成回路
106・・・・フォーカスサーボ回路
108・・・・ドライブ回路
110・・・・トラッキングエラー信号生成回路
112・・・・信号ホールド回路
112a・・・波高値記憶出力回路
112b・・・信号切替回路
114・・・・トラッキングサーボ回路
116・・・・ドライブ回路
118・・・・スレッドサーボ回路
120・・・・バンドパスフィルタ
122・・・・2値化回路
124・・・・パルス数カウント回路(ウォブル)
130・・・・CAPA検出回路
132・・・・極性切替指示回路
134・・・・オフセット電圧印可回路
136・・・・ゲート回路A
138・・・・ゲート回路B
140・・・・ローパスフィルタA
142・・・・ローパスフィルタB
144・・・・ホールド回路A
146・・・・ホールド回路B
148・・・・ハイパスフィルタ
150・・・・4T連続信号検出回路
152・・・・ゲート信号発生回路
154・・・・比較器
200・・・・光ピックアップ装置
202・・・・レーザ駆動回路
300・・・・ターンテーブル
301・・・・スピンドルモータ
302・・・・スピンドルモータ制御回路
304・・・・パルス数増加回路
306・・・・パルス数カウント回路(回転角度)
308・・・・フィードモータ制御回路
310・・・・半径値計算回路
312・・・・フィードモータ
400・・・・コントローラ
402・・・・表示装置
404・・・・入力装置
DK・・・・・光ディスク

Claims (6)

  1. 所定間隔ごとにトラックの上方向と下方向に半トラック分ずらしてアドレス情報が記録されているアドレス領域を有する光ディスクにレーザ光を照射することにより、該光ディスクにデータを記録又は記録されているデータを再生する光ディスク装置において、
    該光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号からトラッキングエラー信号を作成するトラッキングエラー信号作成手段と、
    該トラッキングエラー信号にオフセット信号を加えるオフセット信号印加手段と、
    該光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号から該アドレス領域に存在するデータを検出するアドレス領域データ検出手段と、
    該オフセット信号印加手段によりオフセット信号が印加されたトラッキングエラー信号を入力するとともに、該アドレス領域データ検出手段によるアドレス領域に存在するデータの検出に基づいて該オフセット信号が印加されたトラッキングエラー信号を所定時間出力するゲート手段と、
    該ゲート手段が出力するゲート期間が異なる少なくとも2つの信号のレベルを比較することにより、該レーザ光のアドレス領域の通過を検出するアドレス領域検出手段とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記光ディスクがランドとグルーブの両方にデータの記録がされる光ディスクであり、
    前記アドレス領域検出手段が、前記ゲート手段が出力する少なくとも2つの信号のレベルを比較することにより前記レーザ光のランドグルーブ切り替え点の通過を検出するランドグルーブ切り替え点検出手段を備えることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記アドレス領域データ検出手段が、前記アドレス領域に存在する特定信号長の連続データを検出する手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ディスク装置。
  4. 前記アドレス領域データ検出手段が、前記トラッキングエラー信号をハイパスフィルタを通した信号から前記アドレス領域に存在するデータを検出する手段であることを特徴とする請求項1又は請求項3記載の光ディスク装置。
  5. 所定間隔ごとにトラックの上方向と下方向に半トラック分ずらしてアドレス情報が記録されているアドレス領域を有する光ディスクにレーザ光を照射することにより、該光ディスクにデータを記録又は記録されているデータを再生する光ディスク装置のアドレス領域検出方法において、
    該光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号からトラッキングエラー信号を作成し、
    該トラッキングエラー信号にオフセット信号を加え、
    該光ディスクからの反射光に基づいて生成された信号から該アドレス領域に存在するデータを検出し、
    該アドレス領域に存在するデータの検出に基づいて該オフセット信号が印加されたトラッキングエラー信号を所定時間ゲートして出力し、ゲート期間が異なる少なくとも2つの信号のレベルを比較することにより、該レーザ光のアドレス領域の通過を検出することを特徴とする光ディスク装置のアドレス領域検出方法。
  6. 前記光ディスクがランドとグルーブの両方にデータの記録がされる光ディスクであり、
    前記ゲート期間が異なる少なくとも2つの信号のレベルを比較することにより前記レーザ光のランドグルーブ切り替え点の通過を検出することを特徴とする請求項5記載の光ディスク装置のアドレス領域検出方法。
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