JP4735910B2 - 水性インク組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鮮やかな発色と優れた耐光性を提供可能なインク組成物に関し、加えて吐出安定性を損なうことのないインクジェットプリンタ用インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
分散安定性と吐出安定性と印刷品質に優れたインクジェット記録用インクとして、特開平8−183920号公報には、マイクロカプセル化した着色剤からなる着色樹脂粒子を含有する記録用水性インクが提案されている。
【0003】
一方、特開平6−287492号公報では、水性媒体中に顔料、及び、分散剤を含むインクにおいて、前記インクが二酸化チタン微粒子、又は、アルミナ微粒子から選ばれる少なくとも1種以上の白色無機微粒子を含有するインクが、特開平9−194774号公報では水を含む媒体中に、粒子径0.01〜0.5μmの微粒子有機顔料100重量部に対して粒子径0.01〜0.1μmの微粒子酸化チタン1〜500重量部からなる着色剤を分散したインクジェット記録用液が、それぞれ提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロカプセル化した着色剤からなる着色樹脂粒子を含有する記録用水性インクは分散安定性と印刷品質に優れているが、分散安定性を落とさずに更に印刷品質を高め、かつ色材(顔料)に左右されない耐光性向上が課題である。
一方、前記公知文献に記載の顔料と二酸化チタン等の超微粒子金属酸化物を組み合わせたインクは、異種の顔料同士のいわゆるヘテロ凝集による複合粒子化による分散の不安定化や、金属酸化物粒子の二次凝集による光散乱能が高まり、インクの透明性が低下する欠点を有していた。
また顔料と共に用いる場合には、強力な分散工程を加えねばならず、このようにしてインクが得られても、インクジェットプリンタ用インクとして用いる場合には顔料粒子と金属酸化物超微粒子の複合粒子化によりインクの吐出安定性が著しく低下するという欠点を有していた。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、鮮やかな発色と優れた耐光性を有するインクに関し、特にインクジェットプリンタ用として優れた連続吐出安定性と、記録メディアに対する印刷画像特性と耐光性が良好な水性インク組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、皮膜形成性樹脂、より好ましくは少なくとも一部が塩基によって中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって、顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子を含有する水性インクにおいて、該インク中に金属酸化物ゾルを含有する水性インク組成物を提供する。
【0007】
金属酸化物ゾルは粒子径がほぼ0.1μm以下の親水性粒子で、公知慣用の方法で得ることが可能で、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の無色または白色のものが好ましい。これら金属酸化物は紫外線遮閉効果に優れ、本発明に記載の皮膜形成性樹脂、より好ましくは少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子と組み合わせることにより、印刷物の耐光性を向上させることが可能となる。また、一般の顔料と異なり、顔料は樹脂によりほぼ完全に被覆されて安定化しているために、粒子の複合化に伴う分散の不安定化やインクの吐出安定性の低下を避けることが可能になる。それでも問題となる場合には、界面活性剤や皮膜形成性樹脂、より好ましくは少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって金属酸化物ゾル粒子表面を被覆しても良い。
【0008】
本発明では、着色樹脂粒子と金属酸化物ゾルの比率が、顔料の質量比で50:1〜5:1の範囲とすることが好ましく、金属酸化物ゾルが50:1より小さいと効果が小さく、5:1より大きいと金属酸化物ゾルによる凝集やインクの不吐出、更には本来の着色顔料による着色力の低下を生じることから好ましくない。
【0009】
金属酸化物ゾルとしては、二酸化チタンが分散したチタニアゾルが好ましい。チタニアゾルは高い屈折率を有し、本発明の皮膜形成性樹脂、より好ましくは少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子と組み合わせることにより、印刷後のインク層の光沢性が大幅にアップし、同一顔料濃度にも拘わらず見かけの印刷濃度もアップすることが可能になる。この現象は多くの印刷用紙にあてはまり、特にインクジェット専用紙等のコート紙で著しい効果を発揮する。
【0010】
超微粒子二酸化チタンは光触媒機能を発現することから、本発明で耐光性を低下させないためにチタニアゾルの二酸化チタン粒子表面が二酸化ケイ素でコーティングされていることが好ましい。チタニアゾルの二酸化チタンと二酸化ケイ素の質量比率は10:1〜4:1の範囲が好ましい。このような特性を有するチタニアゾルは具体的には、中性チタニアゾルTSK−5(石原産業製、固形分濃度28質量%、体積平均粒子径95nm)として商業的に入手可能である。
【0011】
本発明のインクに用いる顔料は、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、チタンホワイト(0.1μm以上の白色顔料)、硫化亜鉛、ベンガラの如き無機顔料;フタロシアニン顔料、モノアゾ系、ジスアゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料の如き有機顔料が挙げられる。
【0012】
本発明のインクに用いる皮膜形成性樹脂は、公知慣用の樹脂がいずれも使用することができる。このような皮膜形成性樹脂としては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0013】
一般的にはスチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂が好ましく、例えば、スチレンあるいはα−メチルスチレンのような置換スチレンと、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位とを含む共重合体である。これらの共重合体は、少なくともその一部が共有結合性の架橋や多価金属によるイオン架橋されていても良い。
【0014】
本発明のインクに用いる皮膜形成性樹脂は自己水分散性を有することが好ましく、公知慣用の水不溶性の皮膜形成性樹脂を自己水分散性に改質した樹脂をいずれも使用することができる。ここで樹脂は50〜280の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)を有することが好ましい。
【0015】
酸価を有する皮膜形成性樹脂を自己水分散性樹脂として用いる場合には、その酸基の少なくとも一部が塩基で中和されたものである必要がある。塩基、即ち、アルカリ性中和剤は、得られる自己水分散性樹脂が水に溶解しない程度に加えることができる。
【0016】
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムの如きアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリエチルアミン、モルホリンの如き塩基性物質;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きアルコールアミンが挙げられる。
【0017】
塩基による中和率は、必ずしも限定されるものではないが、酸価を有する被膜形成性樹脂の酸価の40モル%以上を中和することが好ましい。中和率が40モル%以上であると、得られる着色樹脂粒子が微粒子で、かつ、分散安定性に優れているので、好ましい。
【0018】
本発明のインク中の着色樹脂粒子の割合は、最終的に得られる水性インク中で0.5〜20質量%となるような量が好ましい。また、着色樹脂粒子は、平均粒子径が1μm未満のサブミクロンオーダー、好ましくは0.5μm以下がよく、これは公知慣用の手段で得ることができる。
【0019】
本発明の着色樹脂粒子を作製する方法には、特に限定されるものではないが、より好ましい自己水分散性を有する樹脂を用いる方法は、以下の(1)〜(3)の工程からなる方法である。
【0020】
(1)酸価を有する樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る樹脂着色工程。
【0021】
(2)少なくとも、水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し、分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る懸濁工程。
【0022】
(3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している樹脂を沈着させる再沈殿工程。
【0023】
上記(1)の樹脂着色工程は、酸基、好ましくはカルボキシル基を有する樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る工程である。この工程は、例えば、従来知られているロールやニーダーやビーズミル等の混練装置を用いて、溶液や加熱溶融された状態で、顔料を、樹脂に均一に溶解または分散させ、最終的に固体混練物(固形着色コンパウンド)として取り出すことにより行うことができる。
【0024】
上記(2)の懸濁工程は、少なくとも、水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し、分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る工程である。上記(1)の樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを、分散媒として水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基を必須とする混合溶媒に加えて、均一に分散する様に攪拌することによって、固形着色コンパウンド表面から、顔料を包含する樹脂が、有機溶媒と塩基の助けを借りて、溶解または自己乳化し、いずれの場合も少なくとも当該樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液が得られる。
【0025】
懸濁液を得るための撹拌方法としては、公知慣用の手法がいずれも採用でき、例えば従来の1軸のプロペラ型の撹拌翼の他に、目的に応じた形状の撹拌翼や撹拌容器を用いて容易に懸濁可能である。
【0026】
懸濁液を得るに当たって、せん断力がない或いは相対的に小さい、単なる混合撹拌のみで、或いは、顔料が比較的凝集しやすい場合には、それに加えて更に、次いで高せん断力下において、より分散を安定させてもよい。この場合の分散機としては、高圧ホモジナイザーや商品名マイクロフルイダイザーやナノマイザーで知られるビーズレス分散装置等を用いるのが、顔料の再凝集が少なく好ましい。
【0027】
上記(3)の再沈殿工程は、前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している樹脂を沈着させる工程である。本発明において「再沈殿」とは、顔料、或いは溶解している樹脂が顔料表面に吸着した着色剤を懸濁液の液媒体から、分離沈降させることを意味するものではない。従って、この工程で得られるものは、固形成分と液体成分とが明らかに分離した単なる混合物ではなく、溶解している樹脂が顔料表面に吸着した着色剤が、懸濁液の液媒体に安定的に分散した着色樹脂粒子水性分散液である。
【0028】
この(2)の懸濁工程の着色剤懸濁液中の顔料表面へ溶解樹脂の沈着は、例えば、少なくとも一部当該樹脂が溶解している着色剤懸濁液に、当該樹脂に対して貧溶媒として機能する水または水性媒体を加えて行う方法、及び/又は、着色剤懸濁液から有機溶媒を除去して行う方法によって容易に行うことができる。
【0029】
このようにして得られた着色樹脂粒子水分散液から共存している有機溶媒を更に除いて、樹脂によって包含された顔料着色樹脂粒子の安定な水分散液を得ることができる。
【0030】
前述の製造方法において、カルボキシル基を有する樹脂を溶解する有機溶媒が用いられるが、これは当該樹脂に対して良溶媒として機能するものである。そのような有機溶媒としては、当該樹脂に対して適宜選択することができ、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンの如きケトン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールの如きアルコール系溶媒;クロロホルム、塩化メチレンの如き塩素系溶媒;ベンゼン、トルエンの如き芳香族系溶媒;酢酸エチルエステルの如きエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルの如きグリコールエーテル系溶媒;アミド類、などが挙げられる。
【0031】
当該樹脂が、スチレン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸とを含む組成物の共重合体の場合には、メチルエチルケトンの如きケトン系溶媒を主として、助溶媒としてイソプロピルアルコールの如きアルコール系溶媒から選ばれる少なくとも1種類以上の組み合わせが好ましい。
【0032】
上記水性媒体は、主としてジェットインクとして用いるため、ノズル目詰まりを回避するために、イオン交換水以上のグレードの水が好ましい。なお、本発明における水性媒体とは、水を主成分として含む液媒体を言う。
【0033】
かかる水性媒体には、インクジェット記録用インクとして乾燥防止のための水溶性有機溶媒を乾燥防止剤として併用するのが好ましい。かかる乾燥防止剤としては、インクジェットの噴射ノズル口でのインクの乾燥を防止する効果を与えるものであり、通常水の沸点以上の沸点を有するものが使用される。
【0034】
このような乾燥防止剤としては、特に限定されるものではなく、従来知られているものが特に制限なく用いることができる。そのような乾燥防止剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンの如き多価アルコール類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンの如きピロリドン類;アミド類;ジメチルスルホオキサイド、イミダゾリジノン、などが挙げられる。
【0035】
本発明の水性インク組成物には、必要に応じて、浸透剤(水溶性有機溶剤や界面活性剤)、水溶性樹脂、pH調整剤、防腐剤、キレート剤等の添加剤を加えることができる。
【0036】
本発明の水性インク組成物は、そのままでも使用できるが、好適には、1μm以上の粗大粒子を含まないように、さらに好適には0.5μmを越える粗大粒子を含まないようにフィルター濾過を行い、サブミクロンオーダーの着色樹脂微粒子を主体としたものが好ましい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例中における「部」は、特に断りがない限り、『質量部』を表わす。なお、平均粒子径はレーザー回折式粒度分析計マイクロトラックUPA(リーズ&ノースラップ社製)を用いて測定した。
【0038】
<調製例>(着色樹脂粒子水分散液の調製例)
キナクリドン顔料20部及びスチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂(スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13;分子量5万・酸価160・ガラス転移温度107℃)20部を二本ロールを用いて混練した混練物を、水210部、グリセリン35部、トリエタノールアミン8部、メチルエチルケトン90部及びイソプロピルアルコール40部からなる混合溶液に入れ、室温で3時間撹拌して着色剤懸濁液を得た。
【0039】
得られた懸濁液に撹拌しながら、グリセリン30部と水210部の混合液を毎分5mlの速度で滴下して、マゼンタ色着色樹脂粒子水分散液を得た。得られた水分散液をロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールと水の一部を留去し、顔料分12質量%のマゼンタ色着色樹脂粒子水分散液を得た。
【0040】
(実施例)
調製例で得たマゼンタ色着色樹脂粒子水分散液31.0部を中性チタニアゾルTSK−5(石原産業製、固形分28質量%)0.5部、グリセリン13.5部、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド6モル付加体1.0部、界面活性剤サーフィノール420(エアープロダクツ製)0.1部、プロピレングリコールプロピルエーテル7.0部及びイオン交換水46.9部からなる水溶液に加えた後、混合して、0.5μmメンブランフィルターでろ過を行い、インクジェット記録用水性インクとした。
【0041】
得られた水性インク中の粒子は、平均粒子径が138nmであり、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散性を示し、粘度3.39mPa・s、表面張力33.7mN/mの物性を有するインクであった。
【0042】
ピエゾ式インクジェットプリンター(セイコーエプソン製MJ8000C)を用いたベタ印字は非常に安定しており、420mm幅ロール紙に15m以上連続印刷可能でノズル目詰まりも生じなかった。また、得られたインクを用いて各種用紙にベタ印刷を行った結果マクベス濃度計による印刷濃度は、インクジェット専用紙ミマキエンジニアリング製合成紙SPC−0113(ID=1.42)、セイコーエプソン製ファイン紙(ID=1.46)、普通紙Xerox製4024コピー紙(ID=0.97)で、かつ鮮やかな色彩であった。
【0043】
インクジェット専用紙ミマキエンジニアリング製合成紙SPC−0113のベタ印刷物をキセノンランプ300時間照射(太陽光曝露2年相当)した後のマクベス濃度は1.38であった。
【0044】
(比較例)
実施例において、チタニアゾルTSK−5に替えて水を増量したこと以外は、実施例と同様にして、インクジェット記録用水性インクとした。
【0045】
得られた水性インク中の粒子は、平均粒子径が136nmであり、凝集物もなく、長期にわたって安定な分散性を示し、粘度3.30mPa・s、表面張力34.4mN/mの物性を有するインクであった。
【0046】
ピエゾ式インクジェットプリンター(セイコーエプソン製MJ8000C)を用いたベタ印字は非常に安定しており、420mm幅ロール紙に15m以上連続印刷可能でノズル目詰まりも生じなかった。また、得られたインクを用いて各種用紙にベタ印刷を行った結果マクベス濃度計による印刷濃度は、インクジェット専用紙ミマキエンジニアリング製合成紙SPC−0113でID=1.25、セイコーエプソン製ファイン紙でID=1.44、普通紙Xerox製4024コピー紙でID=0.91で実施例と比較するとやや鮮やさに劣っていた。
【0047】
インクジェット専用紙ミマキエンジニアリング製合成紙SPC−0113のベタ印刷物をキセノンランプ300時間照射(太陽光曝露2年相当)した後のマクベス濃度は1.10であった。
【0048】
【表1】
Figure 0004735910
【0049】
表1に示した結果から、本発明による水性インク組成物は高品質な印刷画像が得られ、かつその耐光性は非常に優れており、インクの吐出安定性にも優れていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明のインク組成物は、インクジェットプリンター用に用いた場合に、吐出安定性に優れ、高品質な印刷画像と優れた耐光性を提供することができる。

Claims (9)

  1. 皮膜形成性樹脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子を含有する水性インクにおいて、該インクが金属酸化物ゾルを含有し、前記皮膜形成性樹脂は少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する樹脂であることを特徴とする水性インク組成物。
  2. 前記塩基による中和は酸価を有する皮膜形成性樹脂の酸価の40モル%以上を中和し、かつ中和によって自己水分散性樹脂が水に溶解しない請求項1記載の水性インク組成物。
  3. 着色樹脂粒子中の顔料と金属酸化物ゾルの固形分の比率が、50:1〜5:1の範囲であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の水性インク組成物。
  4. 金属酸化物ゾルが、チタニアゾルであることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか記載の水性インク組成物。
  5. チタニアゾルが、表面を二酸化ケイ素でコーティングされた二酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項4記載の水性インク組成物。
  6. チタニアゾルの二酸化チタンと二酸化ケイ素の質量比率が10:1〜4:1の範囲にあることを特徴とする請求項5記載の水性インク組成物。
  7. 前記水性インク組成物は、顔料が被覆された着色樹脂粒子の水分散液に対して、金属酸化物ゾルを含む水溶液を混合することによって作製される請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  8. 皮膜形成性樹脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子を含有する水性インク組成物の製造方法であって、顔料が被覆された着色樹脂粒子の水分散液に対して、金属酸化物ゾルを含む水溶液の混合によって製造されることを特徴とする水性インク組成物の製造方法。
  9. 前記皮膜形成性樹脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂微粒子を、
    (1)酸価を有する樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る樹脂着色工程
    (2)少なくとも、水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し、分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る懸濁工程、および
    (3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している樹脂を沈着させる再沈殿工程を経て製造する、請求項8に記載の水性インク組成物の製造方法。
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