JP4732877B2 - 液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド - Google Patents

液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP4732877B2
JP4732877B2 JP2005347292A JP2005347292A JP4732877B2 JP 4732877 B2 JP4732877 B2 JP 4732877B2 JP 2005347292 A JP2005347292 A JP 2005347292A JP 2005347292 A JP2005347292 A JP 2005347292A JP 4732877 B2 JP4732877 B2 JP 4732877B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
ink
nozzle
deformation region
pressure chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005347292A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007152596A (ja
Inventor
歩 松元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2005347292A priority Critical patent/JP4732877B2/ja
Publication of JP2007152596A publication Critical patent/JP2007152596A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4732877B2 publication Critical patent/JP4732877B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
    • B41J2002/14266Sheet-like thin film type piezoelectric element

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、液体吐出装置の駆動方法と、前記駆動方法によってインク滴を吐出させる機能を備えた圧電インクジェットヘッドとに関するものである。
図2は、オンデマンド型のインクジェットプリンタ等において、圧電インクジェットヘッドとして用いられる、液体吐出装置1の一例を示す断面図である。図3は、前記液体吐出装置1の一例の、要部を拡大した断面図である。図2、図3を参照して、この例の液体吐出装置1は、インクが充てんされる加圧室2と、前記加圧室2に連通し、加圧室2内のインクを、インク滴として吐出させるためのノズル3とを有する複数の液滴吐出部4を、面方向に配列させて形成した基板5と、前記基板5上に積層された、基板5の複数の加圧室2を覆う大きさを有する圧電セラミック層6を含む、板状の圧電アクチュエータ7とを備えている。
圧電アクチュエータ7は、個々の加圧室2に対応して配設され、個別に電圧が印加されることによって、個別に、厚み方向に撓み変形する複数の圧電変形領域8と、前記圧電変形領域8を囲んで配設され、前記基板5に固定されることで変形が防止された拘束領域9とに区画されている。また、図の例の圧電アクチュエータ7は、圧電セラミック層6の、両図において上面に、各加圧室2ごとに個別に形成されて、圧電変形領域8を区画する個別電極10と、前記圧電セラミック層6の下面に、順に積層された、共に、複数の加圧室2を覆う大きさを有する、共通電極11と振動板12とを備えた、いわゆるユニモルフ型の構成を有している。各個別電極10と、共通電極11とは、それぞれ別個に、駆動回路13に接続されており、駆動回路13は、制御手段14に接続されている。
圧電セラミック層6は、例えば、PZT等の圧電材料によって形成されていると共に、層の厚み方向に、あらかじめ分極されて、いわゆる横振動モードの圧電変形特性が付与されており、制御手段14からの制御信号によって、駆動回路13が駆動されて、任意の個別電極10と、共通電極11との間に、前記分極方向と同方向の電圧が印加されると、両電極10、11間に挟まれた、圧電変形領域8に対応する活性領域15が、図3に横向きの白矢印で示すように、層の面方向に収縮される。
しかし、圧電セラミック層6の下面は、共通電極11を介して振動板12に固定されているため、活性領域15が収縮すると、それに伴って、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8が、図3に下向きの白矢印で示すように、加圧室2の方向に突出するように撓み変形して、加圧室2内に充てんされたインクを振動させ、この振動によって加圧されたインクが、ノズル3を通して、インク滴として吐出される。
特許文献1に記載されているように、液体吐出装置においては、いわゆる、引き打ち式の駆動方法が、広く一般に採用される。図7は、図2の液体吐出装置1を、従来の、引き打ち式の駆動方法によって駆動する際に、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8に印加される駆動電圧VPの駆動電圧波形(太線の一点鎖線で示す)の一例と、前記駆動電圧波形が印加された際の、ノズル3内における、インクの体積速度の変化〔太線の実線で示す、(+)がノズル3の先端側、つまりインク滴の吐出側、(−)が加圧室2側〕との関係を簡略化して示すグラフである。
図2、図3、図7を参照して、前記液体吐出装置1の、1つの液滴吐出部4を、引き打ち式の駆動方法によって駆動させる場合を例にとって説明すると、図7中のt1より左側の、ノズル3からインク滴を吐出させない待機時に、制御手段14は、駆動回路13を駆動させて、前記液滴吐出部4に対応する圧電変形領域8に印加する駆動電圧VPをVHに維持(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させ続けることによって、前記圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させて、前記加圧室2の容積を減少させた状態を維持させており、この間、インクは静止状態、すなわち、ノズル3におけるインクの体積速度は0を維持し、前記ノズル3内に、インクの表面張力によって形成されるインクメニスカスは静止している。
ノズル3からインク滴を吐出させて、紙面にドットを形成する際、制御手段14は、まず、その直前のt1の時点で、駆動回路13の駆動を切り替えてて、圧電変形領域8に印加していた駆動電圧VPを放電(VP=0)させて、活性領域15の面方向の収縮を解除させることによって、前記圧電変形領域8の撓み変形を解除させる。そうすると、加圧室2の容積が一定量だけ増加するため、ノズル3内のインクメニスカスは、その容積の増加分だけ、前記加圧室2の方向に引き込まれる。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt1とt2との間の部分に示すように、一旦、(−)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。これは、太線の実線で示す、駆動電圧パルスの印加によって、ノズル3内のインクに発生する、インクの体積速度の固有振動周期T1の、ほぼ半周期分に相当する。
次に、ノズル3でのインクの体積速度が限りなく0に近づいたt2の時点で、制御手段14は、駆動回路13の駆動を再び切り替えて、駆動電圧VPを、再度、VHまで充電(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させることによって、圧電変形領域8を撓み変形させる。そうすると、ノズル3内のインクは、インクメニスカスが加圧室2の側に最も大きく引き込まれた状態(t2の時点の、体積速度が0の状態)から、逆に、ノズル3の先端方向へ戻ろうとしているところに、圧電変形領域8を撓み変形させて、加圧室2の容積を減少させることによって、前記加圧室2から押し出されたインクの圧力が加わることになるため、ノズル3の先端側の方向へ加速されて、前記ノズル3の外方へ大きく突出する。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt2とt3との間の部分に示すように、一旦、(+)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。ノズル3の外方へ突出したインクが略円柱状に見えることから、この突出状態のインクを、一般に、インク柱と称する。
そして、ノズル3の外方に突出したインクの体積速度が限りなく0に近づいた時点(図7のt3の時点)以降、インクの振動の速度が、加圧室2の側に向かうことによって、ノズル3の外方へ伸びきったインク柱が切り離されて、1つまたは2つ以上のインク滴が生成され、生成されたインク滴が、ノズル3の先端に対向させて配設した紙面まで飛翔して、前記紙面に付着することで、ドットが形成される。前記一連の動作は、図7に太線の一点鎖線で示すように、パルス幅T2が固有振動周期T1の約1/2倍である駆動電圧パルスを含む駆動電圧VPを、圧電変形領域8に印加していることに相当する。
近年の、インクジェットプリンタに対する高画質化の要求に対応するため、紙面に形成するドットの大きさを、できるだけ小さくすることが求められ、それに対応して、ノズルから吐出させるインク滴の大きさを、できるだけ小さくするために、液体吐出装置1の駆動方法について、種々、検討されている。
例えば、特許文献2には、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8に、所定の駆動電圧パルスを印加して、液体吐出装置1のノズル3から、インク滴を吐出させる操作を行うと共に、前記インク滴が吐出される直前の、前記圧電変領域8に、インクの一部を加圧室側に引き戻すための、前記駆動電圧パルスと同じ波高を有する引き戻しパルスを印加することで、ノズル3から吐出させるインク滴を、通常よりも小さくすることが記載されている。また、特許文献2には、圧電変形領域8に、前記引き戻しパルスを印加するかしないかを選択することで、ノズル3から吐出させるインク滴の大きさを、設定された解像度に応じた大きさに調節することや、駆動電圧パルスを印加してから、引き戻しパルスを印加するまでの間の時間差、および引き戻しパルスのパルス幅を可変制御することで、ノズル3から吐出させるインク滴の大きさを、任意に調整することも記載されている。
特開平2−192947号公報(第3頁左上欄第19行〜同頁右上欄第6行、第3頁右上欄第14行〜同頁左下欄第2行、第16図(b)) 特開2004−155209号公報(請求項1〜3、第0010欄〜第0014欄、第0017欄〜第0019欄)
発明者は、特許文献2に記載された駆動方法について検討した結果、前記特許文献2に記載されているように、引き戻しパルスを1回、印加しただけでは、ノズルから吐出されるインク滴の大きさを、十分に小さくできないことを見出した。
例えば、先に説明した、図7の、引き打ち式の駆動方法の場合を例にとって説明すると、引き戻しパルスの印加は、図中に太線の破線で示すように、駆動電圧パルスの印加を終了したt2以降で、かつ、ノズル3からインク滴が吐出される以前(好ましくはt3以前)の、駆動電圧を印加し続けて(VP=VH)、圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させ続けている待機状態において、一旦、駆動電圧を放電して(VP=0)、前記圧電変形領域8の撓み変形を解除した後、再び、駆動電圧を印加して(VP=VH)、圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させた待機状態に戻す操作を、1回だけ行うことで実施される。
そして、前記のうち、駆動電圧を放電して(VP=0)、圧電変形領域8の撓み変形を解除することで、加圧室2の容積を増加させた時点、つまり、引き戻しパルスの印加開始時点で、ノズル3から吐出される直前のインク柱の、根元付近のインクが、前記加圧室2側へ引き戻される。しかし、その直後の、圧電変形領域8を待機状態に戻すべく、再び、駆動電圧を印加して(VP=VH)、圧電変形領域8を撓み変形させることで、加圧室2の容積を、再び、減少させた時点、つまり、引き戻しパルスの印加終了時点で、加圧室2側へ引き戻されつつあったインクの大部分が、再び、吐出方向に押し出されて、分離前のインク柱、または分離後のインク滴に追加されるため、前記インク滴の大きさを、十分に小さくすることができないのである。
特許文献2の駆動方法によって、現状よりも大幅に、体積の小さいインク滴を吐出させるためには、例えば、圧電変形領域8に印加する駆動電圧パルスの電圧値(波高、図7のVH)を小さくして、前記圧電変形領域8の、撓み変形の変形量を小さくする等の対策を講じる必要がある。ところが、その場合には、ノズル3から吐出させるインク滴の飛翔速度が低下するため、インク滴が、紙面の、正しい到達位置からずれた位置に到達して、形成画像の解像度が低下したり、インク滴が紙面に到達せずに、形成画像の画素が抜けたりするといった不良が生じやすい。
また、複数の圧電変形領域8を、個別に駆動制御する必要のある、液体吐出装置1の駆動回路13は、インクジェットプリンタに対する高画質化の要求に伴う、ノズル数、すなわち圧電変形領域8の増加と、それと相反する、液体吐出装置1の更なる小型化の要求とを、共に満足するために、近年、これまでよりもさらに高集積化されつつある傾向にあり、そこへ、圧電変形領域8に印加する駆動電圧パルスの電圧値を変化させるための、新たな回路を、圧電変形領域8の数だけ追加することは、実質的に不可能である。
本発明の目的は、ノズルから吐出させる液滴(インク滴)の飛翔速度を低下させることなく、また、液体吐出装置の駆動回路を複雑化させることなしに、前記液滴を、現状よりも大幅に小さくすることができる液体吐出装置の駆動方法と、それを用いた圧電インクジェットヘッドとを提供することにある。
請求項1記載の発明は、
(A) 液体が充てんされる加圧室と、
(B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内の液体を、液滴として吐出させるノズルと、
(C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルから液滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
を有する液体吐出装置の、前記圧電変形領域に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間に、液体の一部を加圧室側に引き戻すための、駆動電圧パルスと同じ波高を有する引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加することを特徴とする液体吐出装置の駆動方法である。
請求項2記載の発明は、前記圧電アクチュエータが、駆動電圧がオンされることによって変形して、前記加圧室の容積を減少させ、前記駆動電圧がオフされることによって変形が解除されて、前記加圧室の容積を増加させる圧電変形領域を備えており、前記圧電変形領域を、待機時に、駆動電圧を継続的にオンにして変形させ続けることで、前記加圧室の容積を減少させた状態を維持しておき、液滴の吐出時に、
(i) 駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させた後、
(ii) 再び駆動電圧をオンにして、前記圧電変形領域を変形させて、前記加圧室の容積を減少させて待機状態に戻す駆動電圧パルスを印加することで、
前記加圧室内の液体を振動させて、連通する前記ノズルを通して、液滴として吐出させると共に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間の、前記圧電変形領域に、一定時間、駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させることで、液体を、加圧室側に引き戻すための引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法である。
請求項3記載の発明は、
(A) インクが充てんされる加圧室と、
(B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内のインクを、インク滴として吐出させるノズルと、
(C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルからインク滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
(D) 前記圧電アクチュエータの圧電変形領域に駆動電圧を印加するための電源と、
(E) 前記圧電変形領域を、請求項1または2記載の駆動方法で駆動させるために、前記電源から出力される駆動電圧波形を駆動制御する制御手段と、
を有することを特徴とする圧電インクジェットヘッドである。
前記課題を解決するため、発明者は、引き戻しパルスを印加した際の、インク等の液体の挙動について、さらに検討した。その結果、圧電アクチュエータの圧電変形領域に、所定の駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間の、前記圧電変形領域に、前記駆動電圧パルスと波高が同じ引き戻しパルスを、2回以上の複数回、連続して印加すると、ノズルから吐出させる液滴を、現状よりも、大幅に、小さくできることを見出した。
すなわち、1回目の引き戻しパルスの印加開始時点で、加圧室側へ引き戻されつつあった液体の大部分は、先に説明したように、前記1回目の引き戻しパルスの印加終了時点で、再び、吐出方向に押し出されるが、その直後に、2回目の引き戻しパルスが印加されることで、再び、加圧室側へ引き戻される。つまり、2回以上の引き戻しパルスを、圧電変形領域に、連続して、繰り返し、印加することで、インク柱の根元付近の液体を、ノズル内に滞留させ続けることができる。ところが、その間も、インク柱の先端部分は、紙面の方向に向かって移動し続けるため、結果的に、前記インク柱が分離されて生成される液滴を、現状よりも、大幅に、小さくすることができるのである。
また、前記インク柱の挙動から明らかなように、生成される液滴の飛翔速度は、圧電変形領域に、最初に印加された駆動電圧パルスに基づく、前記圧電変形領域の変位量によって規定され、引き戻しパルスの印加による影響を殆ど受けない。しかも、請求項1記載の発明では、前記メカニズムにより、圧電変形領域に印加する駆動電圧パルスの電圧値を小さくしなくても、液滴を、十分に、小さくできるため、前記駆動電圧パルスの電圧値を、通常と同等レベルに維持することによって、ノズルから吐出させる液滴の飛翔速度が低下するのを防止することもできる。
その上、引き戻しパルスの追加と、その印加回数の変更とは、純粋に、駆動回路に入力する制御信号の操作のみによって行うことができるため、液体吐出装置の駆動回路に、新たな回路を追加する必要もない。したがって、請求項1記載の発明の液体吐出装置の駆動方法によれば、ノズルから吐出させる液滴の飛翔速度を低下させることなく、また、液体吐出装置の駆動回路を複雑化させることなしに、前記液滴を、現状よりも大幅に小さくすることが可能となる。
しかも、請求項1記載の発明では、引き戻しパルスを、駆動電圧パルスの印加によって、ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間に印加することで、ノズル内の液体の振動を速やかに減衰させて、次の液滴の吐出を、液体を静止させた状態で行うことができ、吐出される液滴の形状を、常に安定させることができる。
請求項2記載の発明によれば、圧電変形領域に、先に説明した引き打ち式の駆動方法を実施するための駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間の、前記圧電変形領域に、一定時間、駆動電圧をオフにして、圧電変形領域の変形を解除して、加圧室の容積を増加させることで、液体を、加圧室側に引き戻すための引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加することで、先に説明したメカニズムにより、ノズルから吐出させる液滴の飛翔速度を低下させることなく、また、液体吐出装置の駆動回路を複雑化させることなしに、前記液滴を、現状よりも大幅に小さくすることができる。
請求項3記載の発明によれば、インクジェットヘッドを、前記本発明の駆動方法によって駆動することで、ノズルから吐出させるインク滴を、現状よりも、大幅に、小さくして、これまでに比べて高解像度の画像を得ることが可能となる。また、インク滴の飛翔速度が低下するのを防止できるため、前記インク滴が、紙面の、正しい到達位置からずれた位置に到達して、形成画像の解像度が低下したり、インク滴が紙面に到達せずに、形成画像の画素が抜けたりするといった不良が生じるのを防止して、これらの不良のない、良好な画像を形成することも可能となる。
しかも、請求項3記載の発明によれば、引き戻しパルスを印加するかしないかを、各圧電変形領域ごとに選択することで、ノズルから吐出させる液滴のサイズを、2段階に切り替えることができる。そのため、従来は、同色で濃度の違うインクの種類を選択したり、紙面に形成するドットの密度を変更したりすることでしか表現できなかった色濃度の違いを、さらに、ドットの大きさの違いでも表現できるようになるため、階調表現に優れた画像を形成することも可能となる。
図1は、図2の液体吐出装置1を、本発明の駆動方法によって駆動する際に、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8に印加される駆動電圧VPの駆動電圧波形(太線の一点鎖線で示す)の一例と、前記駆動電圧波形が印加された際の、ノズル3内における、インクの体積速度の変化〔太線の実線で示す、(+)がノズル3の先端側、つまりインク滴の吐出側、(−)が加圧室2側〕との関係を簡略化して示すグラフである。図2は、オンデマンド型のインクジェットプリンタ等において、圧電インクジェットヘッドとして用いられる、液体吐出装置1の一例を示す断面図である。図3は、前記液体吐出装置1の一例の、要部を拡大した断面図である。
図2、図3を参照して、この例の液体吐出装置1は、インクが充てんされる加圧室2と、前記加圧室2に連通し、加圧室2内のインクを、インク滴として吐出させるためのノズル3とを有する複数の液滴吐出部4を、面方向に配列させて形成した基板5と、前記基板5上に積層された、基板5の複数の加圧室2を覆う大きさを有する圧電セラミック層6を含む、板状の圧電アクチュエータ7とを備えている。
圧電アクチュエータ7は、個々の加圧室2に対応して配設され、個別に電圧が印加されることによって、個別に、厚み方向に撓み変形する複数の圧電変形領域8と、前記圧電変形領域8を囲んで配設され、前記基板5に固定されることで変形が防止された拘束領域9とに区画されている。また、図の例の圧電アクチュエータ7は、圧電セラミック層6の、両図において上面に、各加圧室2ごとに個別に形成されて、圧電変形領域8を区画する個別電極10と、前記圧電セラミック層6の下面に、順に積層された、共に、複数の加圧室2を覆う大きさを有する、共通電極11と振動板12とを備えた、いわゆるユニモルフ型の構成を有している。各個別電極10と、共通電極11とは、それぞれ別個に、駆動回路13に接続されており、駆動回路13は、制御手段14に接続されている。
圧電セラミック層6は、例えば、PZT等の圧電材料によって形成されていると共に、層の厚み方向に、あらかじめ分極されて、いわゆる横振動モードの圧電変形特性が付与されており、制御手段14からの制御信号によって、駆動回路13が駆動されて、任意の個別電極10と、共通電極11との間に、前記分極方向と同方向の電圧が印加されると、両電極10、11間に挟まれた、圧電変形領域8に対応する活性領域15が、図3に横向きの白矢印で示すように、層の面方向に収縮される。
しかし、圧電セラミック層6の下面は、共通電極11を介して振動板12に固定されているため、活性領域15が収縮すると、それに伴って、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8が、図3に下向きの白矢印で示すように、加圧室2の方向に突出するように撓み変形して、加圧室2内に充てんされたインクを振動させ、この振動によって加圧されたインクが、ノズル3を通して、インク滴として吐出される。
図1〜図3を参照して、前記液体吐出装置1の、1つの液滴吐出部4を、引き打ち式の駆動方法によって駆動させる場合を例にとって説明すると、図1中のt1より左側の、ノズル3からインク滴を吐出させない待機時に、制御手段14は、駆動回路13を駆動させて、前記液滴吐出部4に対応する圧電変形領域8に印加する駆動電圧VPをVHに維持(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させ続けることによって、前記圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させて、前記加圧室2の容積を減少させた状態を維持させており、この間、インクは静止状態、すなわち、ノズル3におけるインクの体積速度は0を維持し、前記ノズル3内に、インクの表面張力によって形成されるインクメニスカスは静止している。
ノズル3からインク滴を吐出させて、紙面にドットを形成する際、制御手段14は、まず、その直前のt1の時点で、駆動回路13の駆動を切り替えて、圧電変形領域8に印加していた駆動電圧VPを放電(VP=0)させて、活性領域15の面方向の収縮を解除させることによって、前記圧電変形領域8の撓み変形を解除させる。そうすると、加圧室2の容積が一定量だけ増加するため、ノズル3内のインクメニスカスは、その容積の増加分だけ、前記加圧室2の方向に引き込まれる。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図1のt1とt2との間の部分に示すように、一旦、(−)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。これは、太線の実線で示す、インクの体積速度の固有振動周期T1の、ほぼ半周期分に相当する。つまり、前記一連の動作は、図1に太線の一点鎖線で示すように、パルス幅T2が固有振動周期T1の約1/2倍である駆動電圧パルスを含む駆動電圧VPを、圧電変形領域8に印加していることに相当する。
次に、ノズル3でのインクの体積速度が限りなく0に近づいたt2の時点で、制御手段14は、駆動回路13の駆動を再び切り替えて、駆動電圧VPを、再度、VHまで充電(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させることによって、圧電変形領域8を撓み変形させる。そうすると、ノズル3内のインクは、インクメニスカスが加圧室2の側に最も大きく引き込まれた状態(t2の時点の、体積速度が0の状態)から、逆に、ノズル3の先端方向へ戻ろうとしているところに、圧電変形領域8を撓み変形させて、加圧室2の容積を減少させることによって、前記加圧室2から押し出されたインクの圧力が加わることになるため、ノズル3の先端側の方向へ加速されて、前記ノズル3の外方へ大きく突出して、先に説明したインク柱が形成される。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図1のt2とt7との間の部分に示すように、一旦、(+)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。
そして、ノズル3の外方に突出したインクの体積速度が限りなく0に近づいた時点(図1のt7の時点)以降、インクの振動の速度が、加圧室2の側に向かうことによって、ノズル3の外方へ伸びきったインク柱が切り離されて、インク滴が生成されるのであるが、本発明では、先に説明したように、生成されるインク滴を、できるだけ小さくするため、制御手段14は、駆動回路13の駆動を間欠的に切り替えることで、駆動電圧パルスの印加を終了したt2の時点から、固有振動周期T1の1周期分以内、つまりt7の時点までの間の、圧電変形領域8に、インクを、加圧室2側に引き戻すための引き戻しパルスを、連続して複数回、印加させる。例えば、図の例では、前記t2の直後の、t3からt4までの間と、t4の直後の、t5からt6までの間の2回にわたって、連続して、パルス幅T3、T4に相当する一定時間の間、駆動電圧をオフにし、圧電変形領域8の変形を解除して、加圧室2の容積を増加させることで、インクを、加圧室2側に引き戻すための引き戻しパルスを印加する。
そうすると、先に説明したように、インク柱の先端部分が、紙面の方向に向かって移動し続けている間も、インク柱の根元付近のインクを、ノズル3内に滞留させ続けることができるため、結果的に、前記インク柱が分離されて生成されるインク滴を、大幅に、小さくすることができる。そのため、図の例の液体吐出装置1を圧電インクジェットヘッドとして組み込んだインクジェットプリンタを用いれば、これまでに比べて、高解像度の画像を得ることが可能となる。
また、引き戻しパルスを印加するかしないかを、各圧電変形領域8ごとに選択することで、ノズル3から吐出させる液滴のサイズを、2段階に切り替えることができる。そのため、従来は、同色で濃度の違うインクの種類を選択したり、紙面に形成するドットの密度を変更したりすることでしか表現できなかった色濃度の違いを、さらに、ドットの大きさの違いでも表現できるようになるため、階調表現に優れた画像を形成することも可能となる。
また、前記インク柱の挙動から明らかなように、生成されるインク滴の飛翔速度は、圧電変形領域8に、最初に印加された駆動電圧パルスに基づく、前記圧電変形領域8の変位量によって規定され、引き戻しパルスの印加による影響を殆ど受けない。しかも、前記メカニズムによって、圧電変形領域8に印加する駆動電圧パルスの電圧値を小さくしなくても、インク滴を、十分に、小さくできるため、前記駆動電圧パルスの電圧値を、通常と同等レベルに維持することによって、ノズル3から吐出させるインク滴の飛翔速度が低下するのを防止することもできる。
そのため、インク滴が、紙面の、正しい到達位置からずれた位置に到達して、形成画像の解像度が低下したり、インク滴が紙面に到達せずに、形成画像の画素が抜けたりするといった不良が生じるのを防止して、これらの不良のない、良好な画像を形成することも可能となる。その上、引き戻しパルスの追加と、その印加回数の変更とは、純粋に、駆動回路13に入力する制御信号の操作のみによって行うことができるため、液体吐出装置1の駆動回路13に、新たな回路を追加する必要もなくなる。
しかも、前記2回の引き戻しパルスを、駆動電圧パルスの印加によって、ノズル内のインクに発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間に印加すると、先に説明したように、インク柱の根元付近の、吐出方向に向かっているインクに、反対方向に引き戻す力を加えることになるため、ノズル内のインクの振動を、速やかに減衰させることができる。そのため、次の液滴の吐出を、液体を静止させた状態で行うことができ、吐出される液滴の形状を、常に安定させることができる。
圧電変形領域8に印加する引き戻しパルスのパルス幅T3、T4や、駆動電圧パルスの印加を終了したt2の時点から、1回目の引き戻しパルスの印加を開始するt3の時点までの間の、インターバルの長さ、および、1回目の引き戻しパルスの印加を終了したt4の時点から、2回目の引き戻しパルスの印加を開始するt5の時点までの間の、インターバルの長さは、前記2回の引き戻しパルスの印加が、いずれも、駆動電圧パルスの印加を終了したt2の時点から、固有振動周期T1の1周期分以内、つまりt7の時点までの間に収まる範囲内で、任意に設定することができる。
なお、本発明では、圧電変形領域8に対して、引き戻しパルスを、3回以上、連続して印加してもよい。その際には、全ての引き戻しパルスの印加が、いずれも、インクの体積速度の固有振動周期T1の1周期分以内に収まるように、前記パルス幅や、インターバルの長さを設定すればよい。
本発明の構成は、以上で説明した各図の例に限定されるものではない。例えば、本発明の駆動方法は、前記ユニモルフ型の圧電アクチュエータを備えた液体吐出装置だけでなく、バイモルフ型やモノモルフ型等の、種々のタイプの圧電アクチュエータを備えた液体吐出装置の駆動に適用することができ、そのいずれの場合にも、先に説明した種々の作用効果を得ることができる。また、本発明の駆動方法が適用される液体吐出装置は、圧電インクジェットヘッドには限定されず、ポンプその他にも適用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を、さらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〈圧電インクジェットヘッドの作製〉
圧電セラミック材料としての、チタン酸ジルコン酸鉛の粉末(純度99.9%以上)を、直径φ2mmのジルコニアボールを用いてミル粉砕して、平均粒子径が0.3〜0.5μmとなるように調整し、乾燥後、メッシュパスして原料粉末を得、前記原料粉末を成形して、圧電セラミック層6、振動板12のもとになる2枚のグリーンシートを作製した。
次に、共通電極11のもとになる導電ペーストを、1枚のグリーンシートの表面に、厚み4μmとなるように印刷し、その上に、もう1枚のグリーンシートを積層して、加圧プレスした後、焼成して、圧電セラミック層6と、共通電極11と、振動板12の積層体を得た。
次に、前記積層体のうち、圧電セラミック層6の表面に、スクリーン印刷法によって、Auペーストを、個別電極10の平面形状に対応した形状に印刷した後、全体を、大気中で、800〜900℃で焼付けて、個別電極10を形成することで、図2および図3に示す構造を有する圧電アクチュエータ7を得た。
次に、前記圧電アクチュエータ7を、個別電極10が、加圧室2に対応する位置に配置されるように位置合わせをした状態で、基板5上に、エポキシ系接着剤の層を介して積層した後、150℃、4時間の加熱処理を行ってエポキシ系接着剤を硬化させることで接着して、圧電インクジェットヘッド1を作製した。
作製した圧電インクジェットヘッド1のうち、加圧室2の、基板5の面方向の面積は0.2mm2、幅は200μm、基板5の厚み方向の深さは800μm、ノズル3の直径は25μm、長さは30μm、図示しない、インクの共通供給路と加圧室2とを繋ぐ供給口の直径は25μm、長さは30μmとした。また、ノズル3内の、インクの体積速度の固有振動周期T1は10μsecであった。
基板5としては、圧延法によって得られたSUS316鋼製の薄板に、エッチングによって、前記加圧室2、ノズル3等を、前記基板5の厚み方向にスライスした形状を有する通孔を形成した複数種の薄板を、順に、エポキシ系接着剤の層を介して積層し、エポキシ系接着剤を硬化させて、接着したものを用いた。
〈圧電インクジェットヘッドの駆動〉
(駆動1)
図1に示す引き打ち式の駆動で、かつ、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを印加しない、通常の駆動パターンを駆動1とした。インク滴を連続的に吐出する際に、先のインク滴の吐出から、次のインク滴の吐出までの間のインターバルを規定する駆動周波数は20kHz、駆動電圧VPのうち、充電時の電圧VHは+25V、駆動電圧パルスのパルス幅T2は、5.0μsecとした。
(駆動2)
図1に示す引き打ち式の駆動で、かつ、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを1回だけ、印加する駆動パターンを駆動2とした。駆動電圧パルスの印加を終了したt2の時点から、引き戻しパルスの印加を開始するt3の時点までのインターバルの長さは3.5μsec、引き戻しパルスのパルス幅T3は1.5μsecとした。他は、駆動1と同じに設定した。
(駆動3)
図1に示す引き打ち式の駆動で、かつ、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを2回、印加する本発明の駆動パターンを駆動3とした。駆動電圧パルスの印加を終了したt2の時点から、1回目の引き戻しパルスの印加を開始するt3の時点までのインターバルの長さは2.0μsec、引き戻しパルスのパルス幅T3は1.0μsec、1回目の引き戻しパルスの印加を終了したt4の時点から、2回目の引き戻しパルスの印加を開始するt5の時点までのインターバルの長さは1.0μsec、引き戻しパルスのパルス幅T4は1.0μsecとした。他は、駆動1と同じに設定した。
〈インク滴の撮影〉
圧電インクジェットヘッド1を、ノズル3が、カメラに装着した高倍率レンズの視野内に収まる位置に配置すると共に、ストロボを、カメラと対向させて、同一光軸上に配置した。
次いで、前記駆動1〜3のいずれかの駆動電圧波形を、圧電インクジェットヘッド1の圧電アクチュエータ7に入力するのと同時に、波形出力トリガ信号Aを遅延回路に入力して、前記遅延回路によって発生させた、所定の遅延時間分だけ遅延させた遅延トリガ信号Bを、ストロボ駆動回路およびカメラ制御回路に入力して、ストロボを発光させると共に、カメラによってインク滴を撮影した。
撮影された画像は、駆動電圧波形の印加開始から、遅延回路において設定された遅延時間後の状態であり、前記遅延時間の設定を変更することにより、ノズルから吐出された直後の状態から、飛翔中の状態までの、任意の状態のインク滴を撮影することができる。ここでは、遅延時間の設定を調整して、ノズル3から0.5mm離れた位置の飛翔状態を撮影している。
駆動1の駆動電圧波形を印加した際に、ノズル3から吐出されたインク滴の画像を図4、駆動2の駆動電圧波形を印加した際に、ノズル3から吐出されたインク滴の画像を図5、そして、駆動3の駆動電圧波形を印加した際に、ノズル3から吐出されたインク滴の画像を図6に、それぞれ示す。各図より、本発明の駆動方法である駆動3の駆動を行うことで、インク滴の大きさを、大幅に、小さくできることが確認された。
〈インク滴の体積の測定〉
駆動1〜3の、いずれかの駆動電圧波形を、先に説明した駆動周波数20kHzで、10万回、繰り返し、圧電アクチュエータ7に印加することで、10万滴のインク滴を吐出させた後、吐出されて減ったインクの重量を、精密天秤で秤量して、インクの比重から、1滴のインク滴の体積を求めたところ、駆動1では8ピコリットル、駆動2では4ピコリットル、駆動3では1.5ピコリットルであって、本発明の駆動方法である駆動3の駆動を行うことで、インク滴の大きさを、大幅に、小さくできることが、液滴の体積の点でも確認された。
図1は、図2の液体吐出装置を、本発明の駆動方法によって駆動する際に、圧電アクチュエータの圧電変形領域に印加される駆動電圧VPの駆動電圧波形の一例と、前記駆動電圧波形が印加された際の、ノズル内における、インクの体積速度の変化との関係を簡略化して示すグラフである。 図2は、オンデマンド型のインクジェットプリンタ等において、圧電インクジェットヘッドとして用いられる、液体吐出装置の一例を示す断面図である。 図3は、前記液体吐出装置の一例の、要部を拡大した断面図である。 図4は、実施例で作製した液体吐出装置を用いて、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを印加しなかった際に、ノズルから吐出されたインク滴の形状を示す写真である。 図5は、前記液体吐出装置を用いて、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを1回だけ印加した際に、ノズルから吐出されたインク滴の形状を示す写真である。 図6は、前記液体吐出装置を用いて、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを2回、印加した際に、ノズルから吐出されたインク滴の形状を示す写真である。 図7は、図2の液体吐出装置を、従来の、引き打ち式の駆動方法によって駆動する際に、圧電アクチュエータの圧電変形領域に印加される駆動電圧VPの駆動電圧波形の一例と、前記駆動電圧波形が印加された際の、ノズル内における、インクの体積速度の変化との関係を簡略化して示すグラフである。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 加圧室
3 ノズル
7 圧電アクチュエータ
8 圧電変形領域

Claims (3)

  1. (A) 液体が充てんされる加圧室と、
    (B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内の液体を、液滴として吐出させるノズルと、
    (C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルから液滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
    を有する液体吐出装置の、前記圧電変形領域に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間に、液体の一部を加圧室側に引き戻すための、駆動電圧パルスと同じ波高を有する引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加することを特徴とする液体吐出装置の駆動方法。
  2. 前記圧電アクチュエータが、駆動電圧がオンされることによって変形して、前記加圧室の容積を減少させ、前記駆動電圧がオフされることによって変形が解除されて、前記加圧室の容積を増加させる圧電変形領域を備えており、前記圧電変形領域を、待機時に、駆動電圧を継続的にオンにして変形させ続けることで、前記加圧室の容積を減少させた状態を維持しておき、液滴の吐出時に、
    (i) 駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させた後、
    (ii) 再び駆動電圧をオンにして、前記圧電変形領域を変形させて、前記加圧室の容積を減少させて待機状態に戻す駆動電圧パルスを印加することで、
    前記加圧室内の液体を振動させて、連通する前記ノズルを通して、液滴として吐出させると共に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間の、前記圧電変形領域に、一定時間、駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させることで、液体を、加圧室側に引き戻すための引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法。
  3. (A) インクが充てんされる加圧室と、
    (B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内のインクを、インク滴として吐出させるノズルと、
    (C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルからインク滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
    (D) 前記圧電アクチュエータの圧電変形領域に駆動電圧を印加するための電源と、
    (E) 前記圧電変形領域を、請求項1または2記載の駆動方法で駆動させるために、前記電源から出力される駆動電圧波形を駆動制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする圧電インクジェットヘッド。
JP2005347292A 2005-11-30 2005-11-30 液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド Active JP4732877B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005347292A JP4732877B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005347292A JP4732877B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007152596A JP2007152596A (ja) 2007-06-21
JP4732877B2 true JP4732877B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=38237564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005347292A Active JP4732877B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4732877B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321348A (ja) * 2001-04-26 2002-11-05 Sharp Corp インクジェットヘッドの駆動方法
JP2004188990A (ja) * 1997-12-10 2004-07-08 Brother Ind Ltd インク滴噴射装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004188990A (ja) * 1997-12-10 2004-07-08 Brother Ind Ltd インク滴噴射装置
JP2002321348A (ja) * 2001-04-26 2002-11-05 Sharp Corp インクジェットヘッドの駆動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007152596A (ja) 2007-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5118485B2 (ja) 液体吐出装置の駆動方法およびその方法を用いる液体吐出装置
JP5024589B2 (ja) 液滴吐出装置、液滴吐出特性補正方法及びインクジェット記録装置
WO2007052434A1 (ja) 液体吐出装置、圧電インクジェットヘッドおよび液体吐出装置の駆動方法
JP2000141647A (ja) インクジェット記録装置
JP6229534B2 (ja) 液体噴射装置
JP3568107B2 (ja) アクチュエータ、インクジェット式記録ヘッド及びインクジェットプリンタ
US8057002B2 (en) Method of driving an ink-jet head, ink-jet head, and ink-jet recording apparatus
US9211702B2 (en) Liquid ejecting apparatus
JP6343958B2 (ja) 液体噴射装置
JP2007203550A (ja) 液体吐出装置の駆動方法
WO2001032428A1 (fr) Procede d'excitation d'une tete a jet d'encre
JP4494880B2 (ja) 圧電インクジェットヘッドの駆動方法
JP3661731B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP4732877B2 (ja) 液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド
JP4777639B2 (ja) 圧電アクチュエータとその再生方法および液体吐出装置
JP2013199025A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム
US8684484B2 (en) Image forming method, image forming apparatus and inkjet head
JP4847180B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動方法および圧電アクチュエータユニット
JP3514407B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
WO2023112559A1 (ja) インク吐出装置およびインク吐出制御方法
JP5738608B2 (ja) インクジェットヘッド及び記録装置
JP2007144801A (ja) 液体吐出装置の駆動方法
Zhang New developments in Epson's inkjet head technology
JPH11334066A (ja) インクジェット記録ヘッド及びその製造方法
WO2007063671A1 (ja) 圧電インクジェットヘッドの駆動方法およびインクジェットプリンタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110421

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4732877

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150