JP4732877B2 - 液体吐出装置の駆動方法および圧電インクジェットヘッド - Google Patents
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Description
例えば、特許文献2には、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8に、所定の駆動電圧パルスを印加して、液体吐出装置1のノズル3から、インク滴を吐出させる操作を行うと共に、前記インク滴が吐出される直前の、前記圧電変領域8に、インクの一部を加圧室側に引き戻すための、前記駆動電圧パルスと同じ波高を有する引き戻しパルスを印加することで、ノズル3から吐出させるインク滴を、通常よりも小さくすることが記載されている。また、特許文献2には、圧電変形領域8に、前記引き戻しパルスを印加するかしないかを選択することで、ノズル3から吐出させるインク滴の大きさを、設定された解像度に応じた大きさに調節することや、駆動電圧パルスを印加してから、引き戻しパルスを印加するまでの間の時間差、および引き戻しパルスのパルス幅を可変制御することで、ノズル3から吐出させるインク滴の大きさを、任意に調整することも記載されている。
例えば、先に説明した、図7の、引き打ち式の駆動方法の場合を例にとって説明すると、引き戻しパルスの印加は、図中に太線の破線で示すように、駆動電圧パルスの印加を終了したt2以降で、かつ、ノズル3からインク滴が吐出される以前(好ましくはt3以前)の、駆動電圧を印加し続けて(VP=VH)、圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させ続けている待機状態において、一旦、駆動電圧を放電して(VP=0)、前記圧電変形領域8の撓み変形を解除した後、再び、駆動電圧を印加して(VP=VH)、圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させた待機状態に戻す操作を、1回だけ行うことで実施される。
(A) 液体が充てんされる加圧室と、
(B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内の液体を、液滴として吐出させるノズルと、
(C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルから液滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
を有する液体吐出装置の、前記圧電変形領域に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間に、液体の一部を加圧室側に引き戻すための、駆動電圧パルスと同じ波高を有する引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加することを特徴とする液体吐出装置の駆動方法である。
(i) 駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させた後、
(ii) 再び駆動電圧をオンにして、前記圧電変形領域を変形させて、前記加圧室の容積を減少させて待機状態に戻す駆動電圧パルスを印加することで、
前記加圧室内の液体を振動させて、連通する前記ノズルを通して、液滴として吐出させると共に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間の、前記圧電変形領域に、一定時間、駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させることで、液体を、加圧室側に引き戻すための引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法である。
(A) インクが充てんされる加圧室と、
(B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内のインクを、インク滴として吐出させるノズルと、
(C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルからインク滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
(D) 前記圧電アクチュエータの圧電変形領域に駆動電圧を印加するための電源と、
(E) 前記圧電変形領域を、請求項1または2記載の駆動方法で駆動させるために、前記電源から出力される駆動電圧波形を駆動制御する制御手段と、
を有することを特徴とする圧電インクジェットヘッドである。
請求項2記載の発明によれば、圧電変形領域に、先に説明した引き打ち式の駆動方法を実施するための駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間の、前記圧電変形領域に、一定時間、駆動電圧をオフにして、圧電変形領域の変形を解除して、加圧室の容積を増加させることで、液体を、加圧室側に引き戻すための引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加することで、先に説明したメカニズムにより、ノズルから吐出させる液滴の飛翔速度を低下させることなく、また、液体吐出装置の駆動回路を複雑化させることなしに、前記液滴を、現状よりも大幅に小さくすることができる。
本発明の構成は、以上で説明した各図の例に限定されるものではない。例えば、本発明の駆動方法は、前記ユニモルフ型の圧電アクチュエータを備えた液体吐出装置だけでなく、バイモルフ型やモノモルフ型等の、種々のタイプの圧電アクチュエータを備えた液体吐出装置の駆動に適用することができ、そのいずれの場合にも、先に説明した種々の作用効果を得ることができる。また、本発明の駆動方法が適用される液体吐出装置は、圧電インクジェットヘッドには限定されず、ポンプその他にも適用することができる。
〈圧電インクジェットヘッドの作製〉
圧電セラミック材料としての、チタン酸ジルコン酸鉛の粉末(純度99.9%以上)を、直径φ2mmのジルコニアボールを用いてミル粉砕して、平均粒子径が0.3〜0.5μmとなるように調整し、乾燥後、メッシュパスして原料粉末を得、前記原料粉末を成形して、圧電セラミック層6、振動板12のもとになる2枚のグリーンシートを作製した。
次に、前記積層体のうち、圧電セラミック層6の表面に、スクリーン印刷法によって、Auペーストを、個別電極10の平面形状に対応した形状に印刷した後、全体を、大気中で、800〜900℃で焼付けて、個別電極10を形成することで、図2および図3に示す構造を有する圧電アクチュエータ7を得た。
作製した圧電インクジェットヘッド1のうち、加圧室2の、基板5の面方向の面積は0.2mm2、幅は200μm、基板5の厚み方向の深さは800μm、ノズル3の直径は25μm、長さは30μm、図示しない、インクの共通供給路と加圧室2とを繋ぐ供給口の直径は25μm、長さは30μmとした。また、ノズル3内の、インクの体積速度の固有振動周期T1は10μsecであった。
〈圧電インクジェットヘッドの駆動〉
(駆動1)
図1に示す引き打ち式の駆動で、かつ、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを印加しない、通常の駆動パターンを駆動1とした。インク滴を連続的に吐出する際に、先のインク滴の吐出から、次のインク滴の吐出までの間のインターバルを規定する駆動周波数は20kHz、駆動電圧VPのうち、充電時の電圧VHは+25V、駆動電圧パルスのパルス幅T2は、5.0μsecとした。
図1に示す引き打ち式の駆動で、かつ、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを1回だけ、印加する駆動パターンを駆動2とした。駆動電圧パルスの印加を終了したt2の時点から、引き戻しパルスの印加を開始するt3の時点までのインターバルの長さは3.5μsec、引き戻しパルスのパルス幅T3は1.5μsecとした。他は、駆動1と同じに設定した。
図1に示す引き打ち式の駆動で、かつ、駆動電圧パルスの印加後に、引き戻しパルスを2回、印加する本発明の駆動パターンを駆動3とした。駆動電圧パルスの印加を終了したt2の時点から、1回目の引き戻しパルスの印加を開始するt3の時点までのインターバルの長さは2.0μsec、引き戻しパルスのパルス幅T3は1.0μsec、1回目の引き戻しパルスの印加を終了したt4の時点から、2回目の引き戻しパルスの印加を開始するt5の時点までのインターバルの長さは1.0μsec、引き戻しパルスのパルス幅T4は1.0μsecとした。他は、駆動1と同じに設定した。
圧電インクジェットヘッド1を、ノズル3が、カメラに装着した高倍率レンズの視野内に収まる位置に配置すると共に、ストロボを、カメラと対向させて、同一光軸上に配置した。
次いで、前記駆動1〜3のいずれかの駆動電圧波形を、圧電インクジェットヘッド1の圧電アクチュエータ7に入力するのと同時に、波形出力トリガ信号Aを遅延回路に入力して、前記遅延回路によって発生させた、所定の遅延時間分だけ遅延させた遅延トリガ信号Bを、ストロボ駆動回路およびカメラ制御回路に入力して、ストロボを発光させると共に、カメラによってインク滴を撮影した。
駆動1〜3の、いずれかの駆動電圧波形を、先に説明した駆動周波数20kHzで、10万回、繰り返し、圧電アクチュエータ7に印加することで、10万滴のインク滴を吐出させた後、吐出されて減ったインクの重量を、精密天秤で秤量して、インクの比重から、1滴のインク滴の体積を求めたところ、駆動1では8ピコリットル、駆動2では4ピコリットル、駆動3では1.5ピコリットルであって、本発明の駆動方法である駆動3の駆動を行うことで、インク滴の大きさを、大幅に、小さくできることが、液滴の体積の点でも確認された。
2 加圧室
3 ノズル
7 圧電アクチュエータ
8 圧電変形領域
Claims (3)
- (A) 液体が充てんされる加圧室と、
(B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内の液体を、液滴として吐出させるノズルと、
(C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルから液滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
を有する液体吐出装置の、前記圧電変形領域に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間に、液体の一部を加圧室側に引き戻すための、駆動電圧パルスと同じ波高を有する引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加することを特徴とする液体吐出装置の駆動方法。 - 前記圧電アクチュエータが、駆動電圧がオンされることによって変形して、前記加圧室の容積を減少させ、前記駆動電圧がオフされることによって変形が解除されて、前記加圧室の容積を増加させる圧電変形領域を備えており、前記圧電変形領域を、待機時に、駆動電圧を継続的にオンにして変形させ続けることで、前記加圧室の容積を減少させた状態を維持しておき、液滴の吐出時に、
(i) 駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させた後、
(ii) 再び駆動電圧をオンにして、前記圧電変形領域を変形させて、前記加圧室の容積を減少させて待機状態に戻す駆動電圧パルスを印加することで、
前記加圧室内の液体を振動させて、連通する前記ノズルを通して、液滴として吐出させると共に、駆動電圧パルスを印加後、前記駆動電圧パルスの印加によって、前記ノズル内の液体に発生する、体積速度の固有振動周期の1周期分以内の間の、前記圧電変形領域に、一定時間、駆動電圧をオフにして、前記圧電変形領域の変形を解除して、前記加圧室の容積を増加させることで、液体を、加圧室側に引き戻すための引き戻しパルスを、連続して2回以上、印加する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法。 - (A) インクが充てんされる加圧室と、
(B) 前記加圧室に連通し、前記加圧室内のインクを、インク滴として吐出させるノズルと、
(C) 駆動電圧パルスが印加されることによって変形して、前記加圧室の容積を増減させることで、前記ノズルからインク滴を吐出させるための圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
(D) 前記圧電アクチュエータの圧電変形領域に駆動電圧を印加するための電源と、
(E) 前記圧電変形領域を、請求項1または2記載の駆動方法で駆動させるために、前記電源から出力される駆動電圧波形を駆動制御する制御手段と、
を有することを特徴とする圧電インクジェットヘッド。
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002321348A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-05 | Sharp Corp | インクジェットヘッドの駆動方法 |
JP2004188990A (ja) * | 1997-12-10 | 2004-07-08 | Brother Ind Ltd | インク滴噴射装置 |
-
2005
- 2005-11-30 JP JP2005347292A patent/JP4732877B2/ja active Active
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