JP4731197B2 - 感熱性のポジ作用性平版材料における小ドットの正確な露出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱性のポジ作用性前駆体から平版印刷版を製造するためのダイレクト−ツー−プレート(direct−to−plate)露出方法、より特に、確率スクリーン(stochastic screens)および高い罫引き(rulings)を有する振幅変調スクリーンで要求されるような小ドットの正確な露出を可能にする方法に関する。
平版印刷は、典型的には、回転印刷機のシリンダー上に設置されるいわゆる印刷マスター、例えば印刷版の使用を含む。マスターは平版像をその表面上に担持し、そしてインキを該像に適用しそして次にインキをマスターから典型的には紙である受容材料の上に転写することにより印刷物が得られる。従来の平版印刷では、インキ並びに湿し水溶液(湿し液とも称する)が親油性(または疎水性、すなわちインキ−受容性、水−反撥性)領域および親水性(または疎油性、すなわち水−受容性、インキ−反撥性)領域よりなる平版像に供給される。いわゆるドリオグラフィー印刷では、平版像はインキ−受容性およびインキ−不粘着性(インキ−反撥性)領域よりなり、そしてドリオグラフィー印刷中にインキだけがマスターに供給される。
印刷マスターは一般に、版前駆体と称する像形成材料の像通りの露出および処理により得られる。典型的なポジ作用性版前駆体は、親水性支持体および露出されなかった状態で水性アルカリ性現像剤中に易溶性でなく且つ照射線に対する露出後に現像剤中に可溶性になる親油性コーティングを含んでなる。フィルムマスク(いわゆる予備増感された版)を通す紫外線接触露出に適する既知の感光性像形成材料の他に、感熱性印刷版前駆体も非常に評判がよくなってきた。そのような熱材料は昼光安定性の利点を与えそして版前駆体が直接すなわちフィルムマスクを使用せずに露出されるいわゆるコンピューター−ツー−プレート(computer−to−plate)方法(CtP)で特に使用される。材料は熱または赤外線に露出されそして発生した熱が(物理)化学的工程、例えば融除、重合、重合体の架橋結合によるもしくは熱可塑性重合体ラテックスの粒子凝集による不溶化、および分子内相互作用の消失によるもしくは現像遮断層の透過性増加による可溶化を引き起こす。
これらの熱方法のあるものは湿潤処理のない製版を可能にし、最も評判の良い熱版はコーティングの露出されたおよび露出されなかった領域間のアルカリ性現像剤中の熱で誘発される溶解度の差により像を形成する。コーティングは典型的には親油性結合剤、例えばフェノール系樹脂を含んでなり、現像剤中のその溶解速度は像通りの露出により減少(ネガ作用性)または増加(ポジ作用性)する。処理中に溶解度の差がコーティングの非像(非印刷)領域の除去をもたらし、それにより親水性支持体が出現するが、コーティングの像(印刷)領域は支持体上に残存する。ポジ作用性熱版材料の代表例は例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6に記載されている。
欧州特許出願公開第625728号明細書 欧州特許出願公開第823327号明細書 欧州特許出願公開第825927号明細書 欧州特許出願公開第864420号明細書 欧州特許出願公開第894622号明細書 欧州特許出願公開第901902号明細書
発明の要旨
湿潤処理を必要とするポジ作用性熱版材料に伴う問題は、小さい印刷ドット、例えば確率スクリーニング方法により製造されるマイクロドットまたは高い罫引きにおける従来の振幅変調スクリーン中の小さいハーフトーンドット、例えば1インチ当たり150本の線(1cm当たり約60本の線)のスクリーン罫引きにおける1%ドットの不充分な再現可能性である。これらのスクリーニング方法の各々において、像の少なくとも一部の品質は小ドットの正確な再現性に依存する。そのような印刷作業は、印刷機上のドットゲインの如き現象を考慮に入れた製版および印刷工程全体の極めて厳密な調整を必要とする。そうしたとしても、25μmの寸法を有するドットが製版(露出および処理)工程中にしばしば損失されることが観察されるためこの作業のためにポジ作用性熱版を使用することは依然として難しい。そのような高解像度スクリーンでは、25μmドットの損失は像(一次確率スクリーン中の完全な像でも)のかなりの部分の損失を意味する。
従って、本発明の局面はポジ作用性熱版材料による小ドットの正確な再現を可能にする方法を提供することである。この目的は請求項1の方法により実現される。好ましい態様は従属請求項に定義されている。
図面の簡単な記述
図1はそれぞれが8×8の像−記録計画素よりなる4つのハーフトーン像セルの図式的表示である。
図2は3種の50%nxn市松模様パターンの図式的表示であり、n=1、2および4である。
図3は50%市松模様パターン(1×1=10μmドット;2×2=20μmドット;および6×6=60μmドット)の反射デンシトメトリーにより得られた光学ドット領域とこれらのパターンの露出用に使用したエネルギー密度との間の関係を示し、これらのデータは実施例6で同定された版/プレートセッター/現像剤システムから得られた。
図4はドット領域が微細デンシトメトリーにより得られた物理的ドット領域であること以外は図3と同じ関係を示し、これらのデータも実施例6で同定された版/プレートセッター/現像剤システムから得られた。
図5の下部は各段階が64(8×8)のイメージセッター画素を含んでなる7段階よりなるベタウエッジの図式的表示である。上部の曲線は実施例6で同定された版/プレートセッター/現像剤システムから得られそして処理後のコーティングの光学濃度とウエッジの段階を露出するために使用したエネルギー密度との間の関係を示す。
図6は140mJ/cmのエネルギー密度で露出された実施例6で同定された版/プレートセッター/現像剤システムのぞれぞれ450xおよび1700xの倍率における1×1(10μmドット)および6×6(60μmドット)50%市松模様のSEM像である。濃い領域は露出されなかった領域(マイクロドット)であり、薄い領域は露出された領域(アルミニウム基質の粒状領域)である。
発明の詳細な記述
インキが版により受容されるかまたは受容されない平版印刷方法の二元性質のために、像の一連のドットへの分解を包含するハーフトーンスクリーニング方法により連続的な色濃度を再現しなければならない。従来の振幅変調(AM)スクリーニングでは、格子内のハーフトーンセルとしてしばしば表示される規則的な固定された位置における変動寸法のドットにより、オリジナル像が模倣される(図1)。一般には、ハーフトーンセルの全領域がインキ−受容性である場合にいわゆる100%黒色ドットが生成される。0%ドットは、完全に水−受容性であるハーフトーンセルに相当する。図1中のハーフトーンドットは領域の40/64=62.5%を占有する。
AMスクリーンはスクリーン罫引きとも称するそれらの線頻度によりさらに特徴づけられ、それは一般的には1インチ当たりの線(lpi)として表示される単位距離当たりのドットの線数に相当する。スクリーン罫引きが高ければ高いほど、ハーフトーンセルの寸法は小さくなる。本発明の方法で使用される高品質AM像は150lpi(約60本の線/cm)より少なくない、より好ましくは200lpi(約80本の線/cm)より少なくない、スクリーン罫引きを必要とする。150lpiでは、1%ドットはハーフトーンセルの1%を占有する印刷領域、すなわち約20μmの直径を有するドットに相当する。
CtP方法では、ハーフトーン像は一般に熱版材料上に赤外線によりデジタルイメージセッター中で露出される。典型的には、イメージセッターは一般的には1インチ当たりの像形成点または画素(ppi)により表示される出力解像度を有し、それはスクリーン罫引きよりはるかに高い。いわゆるラスター像処理器(RIP)がハーフトーン像情報を像記録情報に翻訳し、後者はハーフトーン像格子のハーフトーンセルをイメージセッター解像格子の像記録点の上に重ねることにより可視化することができる(図1)。簡略図1では、1つのハーフトーンセル当たりの画素数は64(8×8)であるが、実際にはその数はそれよりはるかに高い。例えば、イメージセッター解像度が2400ppi(約950画素/cm)でありそしてスクリーン罫引きが100lpi(約40本の線/cm)である場合には、各ハーフトーンセル内に576(24×24)のイメージセッター画素がある((2400/100)=576)。
AMスクリーニングの他に、しばしば周波数変調(FM)スクリーニングとも称する確率スクリーニング技術が1990年代に多くの注目を受けた。色調を作成するための種々の寸法の規則的に間隔のあいたドットを使用する代わりに、いわゆる一次FMスクリーンはマイクロドットと称する小さい固定された寸法の可変的に間隔があけられたドットよりなる。代表的なFMスクリーン処理像は25μm以下の寸法を有するマイクロドットよりなる。マイクロドットの最小寸法はイメージセッターの出力解像度によってのみ制限される。FMマイクロドットは単一イメージセッター画素程度小さくてもよいが、単一画素ドットは現実には実践用には小さすぎ、そのためしばしばFMマイクロドットは1×1、2×2または3×3イメージセッター画素のセルから作成される。例えば、150lpiAMスクリーン中の1%ドット程度の大きさである20μmのマイクロドット寸法を使用することができ、それは版の上でそれぞれ10μmの4(2×2)の画素により露出することができる。マイクロドットは像の色調値に応じてそれらの周波数を変えることによりスクリーンを越えて分散されるため、例えばスクリーン罫引きの如き概念はFMスクリーニングにおいては適用されない。
AMスクリーニングと比べたFMスクリーニングの既知の利点は、モアレのないこと、より容易な登録、低い解像度におけるより高い品質、より高度の詳細な表現および円滑な色調表現である。他方で、FMスクリーニングは例えば淡い表面色調および木の色調の「ねむい(flat)」外観または過度の粒状ハイライト(10%色調)の如き問題を引き起こしうる。従って、例えば可変的ドット寸法の概念を可変的間隔あけと組み合わせる二次確率スクリーニングの如き変法が開発された。他の変法はハイブリッドスクリーニングであり、そこでは確率ドットパターンが像の一部のために使用されそして従来のAMハーフトーニングが別の部分のために使用される。
種々のスクリーニング方法の以上の記述は共通の一般的知識の一部であるが、それは適切な定義を与えるためにここに含まれる。
ポジ作用性製版方法では、非印刷領域に相当する版前駆体のコーティングの領域が露出されそして現像剤中で洗浄除去される。例えば赤外レーザーを用いる、熱方式露出中にコーティング中で誘発される温度は版の表面におけるレーザー光束のエネルギー密度(面積当たりのジュール数、例えばmJ/cmで表示される)に依存する。熱版は、それより上ではコーティングの像形成機構が引き起こされるしきい値温度により特徴づけられる。
熱版の実際の露出に適するエネルギー密度を測定するための商業的に利用可能な方法は市松模様一致度に依存しており、そしてそれは以下で説明される。1つの従来方法によると、50%ハーフトーン像が版上で図2に示されているようにドットの端部が互いにちょうど接触するような種々の市松模様パターンを用いて露出される。この図面(並びに図1)の像はいわゆる四角点に相当するが、同じ原理は例えば円形または楕円形点の如き他の点形態用にも使用できる。「ドット寸法」および「点寸法」の指示は、円形ドット/点の場合には直径を、楕円形または長方形ドット/点の場合には長軸を、そして四角ドット/点の場合には端部を示す。米国特許第6,121,996号明細書に記載されているように、狭い長方形レーザー点を長方形点の長軸を横断する方向に動かすことにより四角点を版上で作成することができる。図2の態様では、1×1市松模様の小ドットはイメージセッターの単一四角点に相当する。2×2市松模様は点の2倍寸法を有するドットよりなり、以下同様である。一般に、以下で「ドット領域」と称する露出および現像後に版上で得られるハーフトーンドットにより占有される領域部分は既知のムレイ−デービス式(Muray−Davies equation):
ドット領域(%)=(1−10−De)/(1−10−Du)*100
「式中、Du=露出されていない版の光学濃度であり、そして
De=ハーフドット像で露出された版の光学濃度である」
を用いて反射デンシトメトリーにより測定される。
理想的には、図2に示されているような50%市松模様パターンの露出および現像後に版上で得られるドット領域は、ドット寸法に関係なく、50%であるはずである。しかしながら、50%目標値から有意に逸脱する精密な50%ハーフドット像データがドット領域中で版上で生ずることが実際には観察される。図3は、種々のエネルギー密度値で50%市松模様パターンを用いて露出されそして次に使用した条件(時間、温度、現像剤)に応じて処理された版の上で得られた、反射デンシトメーターにより測定されそして以上の式に従い計算された実際のドット領域を示す。図3は、これらの50%市松模様パターンが低いエネルギー密度で露出される場合には、版上のドット領域は50%の目標値より大きいことを示しており、露光不足のためにドットの端部のすぐ周辺のコーティングは現像剤中に充分に溶解していないと信じられる。高すぎるエネルギー密度値では、ドット周辺のコーティングの露光過度はドットの端部の溶解をもたらし、50%より低いドット領域値を生ずる。
図3に示された曲線は、ポジ作用性熱版の実際の露出用のエネルギー密度値を決めるために使用することができる。これらの曲線から、得られたドット領域が目標値(50%)と一致するエネルギー密度を内挿により制定することができ、その値はここでは「正確な露出エネルギー密度(right exposure energy density)(REED)」と称する。換言すると、REED値は像データ中で50%ハーフトーンに相当する像により占有された版上のドット領域が50%目標値と一致する最小エネルギー密度として定義される。より低いREED値は版のより高い感度を示すことは当業者に明らかである。一例として、図3は上記の方法により得られた1×1市松模様(10μmドット)に関するREED値が約285mJ/cmであることを示している。
本発明者は、このようにして得られたREED値だけがAMスクリーンに関して中ないし低周波数で良好な印刷物を製造することを今回確証した(すなわち、ここで1%ドットは>25μmの寸法を有する)。このようにして得られたREED値は本発明の方法で使用される高品質スクリーンには適さないことが観察され、すなわち像は25μmの寸法を有するマイクロドットを含んでなり、上記の方法により得られたREEDで露出されたポジ作用性熱版はこれらの小ドットが部分的にまたは完全に損失された印刷物を生ずる。発明者は、例えば以上で説明した反射デンシトメトリーの如き従来方法で得られるREED値は高すぎてマイクロドットを取り囲む非印刷領域の露光過度をもたらすと信じられている。この露光過度の結果として、生じたマイクロドットの実際のすなわち物理的寸法は意図するものより小さいが、反射デンシトメトリーはREEDにおける露出がRIP中の像ドット寸法に相当する版上のドット寸法を生ずることを示唆している。実際に、印刷されたコピー上の最終的なインキドットが版上の物理的ドットの結果であるため印刷されたコピー上で誤差が見られる(この論議では、紙の中へのインキの画線太りによる印刷機上のいわゆる「機械的ドットゲイン」は通常はイメージセッターのソフトウエアにより相殺されるため、この現象は無視される)。
光学ドット寸法と真の物理的ドット寸法との間の上記の不一致の理由は、これらの商業的に利用可能な方法で典型的に使用されているデンシトメーターに関連しており、版の反射濃度は点寸法が市松模様像中に存在する点の真の寸法よりはるかに大きいようなデンシトメーターにより測定される。マイクロドットの端部における光拡散およびハロ効果により、そのような測定は例えば走査電子顕微鏡(SEM、例えば図6参照)またはマイクロデンシトメトリー(実施例部分でさらに説明されている)により測定できる真の物理的ドット領域より高い光学ドット領域を生ずる。この「光学ドットゲイン」現象は小さいドット寸法では、それが角効果であるため、より有意であり、例えば10μm市松模様の如き微細パターンは例えば60μm市松模様の如き粗いパターンより大きい端部を有する。その結果、従来のデンシトメーターを用いる既知の方法により得られる「光学REED」と称するであろうREED値は実際には例えば60μmドットの如き比較的大きいドットよりなる像に関しては「正確な」露出エネルギー密度であるが、25μmのドット寸法を有するマイクロドットを含んでなる高品質像に関してはそうでない。上記の光学ドットゲイン現象により、小さい像ドットの損失は従来方法によると不正確に測定されそして印刷されたコピーの濃度が低すぎるようにみえる場合にのみ検出される。
従って考えられる説明は、光学REEDにおいて露出される版は上記のしきい値温度より実質的に高い温度にコーティング中で達することである。もちろんこれが完全な除去を確実にし、すなわち印刷されたコピー上で調色なし(非像領域におけるインキ−受容性)が観察される程度まで(疎水性)コーティングは(親水性)支持体から除去される。しかしながら、露光過度も小さい像ドットの完全なまたは部分的な損失をもたらし、高すぎるエネルギー密度で露出される場合にはマイクロドットは消散されるようである。実際に、版上の像のSEMは微細な50%市松模様像(例えば図6中の10μmドット)を用いる露出により得られる物理的ドット領域は実際には50%より低いがそれより大きいパターン(例えば図6中の60μm市松模様)の物理的ドット領域は50%に非常に近いことを示している。
以上のことから、ポジ作用性熱版上のマイクロドットの正確な再現に関しては、従来方法により得られる光学REED値より低いエネルギー密度を使用する必要があることを結論づけるべきである。低い方のREED値を「物理的REED」と称し、それは像データ中の50%ハーフトーンに相当するマイクロドットにより占有される版上の物理的領域が50%目標値に一致するエネルギー密度であると定義される。物理的REEDは版上の真の物理的ドット領域を生ずる測定技術、例えばSEMまたはマイクロデンシトメトリー、により得られるが、光学REEDは従来の「巨視的」デンシトメトリーにより、すなわちマイクロドット自体よりはるかに大きい点寸法を用いて、得られる。一例として、図4は図3と同じ試料および50%市松模様パターンに関するエネルギー密度に対するマイクロデンシトメトリーにより得られる物理的ドット領域値を示す。物理的REED、すなわち図4中の曲線が50%目標値に一致するエネルギー密度、は図3で得られる光学REEDより実質的に低い(1×1パターンに関して約115mJ/cm対285mJ/cm)ことが明らかである。
もちろん、SEMおよびマイクロデンシトメトリーは例えば印刷店で最終使用者により使用でききないような熟練のいる技術である。発明者は従って、ポジ作用性熱版上での高品質スクリーンの正確な露出に適するエネルギー密度値を決めることを可能にする簡単な方法を開発した。この新規方法は以上で言及した広く利用可能な「巨視的」反射デンシトメーターにより行うことができる。この新規方法は以下で説明するようないわゆる「ヌケ点」の測定に依存する。この方法によると、ベタウエッジ、すなわち全部が0%ドットよりなる領域(全てのイメージセッター画素における完全露出)が版材料上で種々のエネルギー密度値で露出される。この方法は図5を参照して説明されており、そこではこれらのエネルギー密度値は一連の別々の値を生じて段階ウエッジを作成するが、エネルギー密度値も連続的に変動するため連続的なウエッジを得られることは当業者に明らかであるはずである。好ましい連続的なウエッジは1cmのウエッジ長さ当たり10mJ/cmより多くなく変動する。簡単にするために、図5のベタ段階ウエッジは7段階だけを含んでなり、ここで各段階は64(8×8)のイメージセッター画素により形成される。各段階における全ての画素が同じエネルギー密度で露出される(段階1:60mJ/cm、段階2:80mJ/cm、など、段階7まで:180mJ/cm)。実際の態様では、段階は好ましくはそれよりはるかに多く、上記の従来方法におけるような巨視的反射デンシトメーターを用いる各段階のデンシトメトリーを可能にするのに充分なほど大きい寸法を有する。しかしながら、そのような実際の態様の表示は各段階に含まれる多数のイメージセッター画素を示すことはできないであろう。ウエッジは好ましくはイメージセッターを管理するソフトウエアにより作成されるが、同様な結果は他の手段により、例えばウエッジフィルターをイメージセッターの光路の中に、好ましくは版と接触させて、置くことにより、得られうる。ウエッジの露出に関する最小および最大エネルギー密度は試験しようとする版の具体的なタイプに対して調節すべきである。適切な間隔は30〜300mJ/cmである。次に説明しようとするヌケ点の正確な測定を可能にするためには、好ましい段階ウエッジ中の段階数も好ましくは図5中のものより高い。
以上ですでに示したように、コーティングの温度をしきい値に上昇させるのに不充分であるエネルギー密度における露出(例えば図5中の段階1)は像形成機構を引き起こさず、そして最終使用者の条件(時間、温度、現像剤)に応じた処理後に、コーティングは通常は支持体上に完全に残存しており、すなわちコーティングの光学濃度は本質的に露出されなかった版の光学濃度であるDuに相当する。より高いエネルギー密度では、コーティング中の温度はしきい値温度に達しそして実際にそれを越え、そしてその結果として処理後に版上に残存するコーティングの密度は減少する。露出されそして処理された版コーティングの光学濃度の95%の減少をもたらす、すなわち0.05*Duの光学濃度を生ずる、ために必要な最小エネルギー密度がここでは「ヌケ点」として定義される。実際に、露出されそして処理された版の光学濃度の別個の値をエネルギー密度に対して図5に示されたようにプロットしそしてコーティングの光学濃度が95%減少するエネルギー密度で内挿によりCPは段階ウエッジ露出を用いて決めることができる。
発明者は、以上で定義された物理的REEDがヌケ点とヌケ点の1.5倍に相当するエネルギー密度との間の範囲内にあることを確認した。例えば、データが図4および5に表示されている以下の実施例6の版/プレートセッター/現像剤システムはヌケ点(100mJ/cm)より15%高い3種のnxnパターンに関する約115mJ/cmの物理的REEDにより特徴づけられる。
まとめると、本発明は25μmの寸法を有するマイクロドットを含んでなる高品質ハーフトーン像をポジ作用性熱版上にCP〜1.5*CPの範囲内にあるエネルギー密度を使用することにより正確に露出することを可能にする。図6に示された1×1(10μm)市松模様像は、一部の版に関してはCP〜1.5*CPの範囲の下方にあるエネルギー密度を使用することが有利でありうることを示しており、この像は1.4*CPで露出され、それは完全なドットの損失を防止するには充分なほど低いが、物理的ドット領域は50%より少ないことは明らかである(濃い露出されたマイクロドットは、露出がコーティングを可溶性にしそしてアルミニウム基質の粒状表面が出現した淡い非印刷領域より少ない領域を占有する)。好ましい態様による、すなわちCP〜1.3*CPのエネルギー密度における、露出は従って1.3*CP〜1.5*CPの基質中の露出より50%目標値に近い物理的ドット領域を生じうる。エネルギー密度はCP〜1.2*CP、CP〜1.1*CPの範囲内であっても、または本質的にCPであってもよい。
版上で露出されたハーフトーン像は20μmおよび15μm、例えば10〜15μmの間の範囲内、の寸法を有するマイクロドットを含んでなることもできる。像は10%より多い、より好ましくは20%より多い、そして最も好ましくは30%より多い、そのようなマイクロドットを含有できる。一次FMスクリーニングでは、像全体がそのようなマイクロドットよりなる。本発明の方法は二次FM像並びにハイブリッドスクリーニング方法により得られる像およびAM−スクリーン処理された像の露出に関して優れた結果を与え、すなわちAMスクリーンは150lpi(約60本の線/cm)より少なくない、より好ましくは200lpi(約80本の線/cm)より少なくない、罫引きを有する。AMスクリーニングの好ましい例は、ベルギー、アグファ−ゲベルト(Agfa−Gevaert)の商標であるアグファ・バランスド・スクリーニング(Agfa Balanced Screening)である。ハーフトーン像を作成するための好ましいFMスクリーニング方法は例えば市販製品であるクリスタルラスター(CrystalRaster)、サブリマ(Sublima)(両者ともベルギー、アグファ−ゲベルトの商標)およびスタカット(Staccato)(カナダ、クレオ(Creo)の商標)である。サブリマは写真のハイライトおよびシャドー中ではFMドットを生成するが中間色調ではAMドットを生成するハイブリッド方法である。
以上の記述に従えば、本発明は、(i)イメージセッター、(ii)支持体およびその上に設けられたコーティングを含んでなるポジ作用性感熱性平版印刷版前駆体、並びに(iii)現像剤を含んでなる平版作製システムを校正する方法であって、該方法が
(a)ベタウエッジを赤外線のエネルギー密度はウエッジの一端における最小値からウエッジの他端における最大値までの範囲にわたるイメージセッターにより発生させた赤外線により印刷版前駆体上で露出し、
(b)版前駆体を現像剤中で処理し、それによりコーティングの非像領域を支持体から除去し、
(c)コーティングの光学濃度をベタウエッジにおける複数領域で測定し、
(d)0.05*D[ここでDは露出されていない状態でのコーティングの光学濃度である]に相当するコーティングの光学濃度を得るのに必要なウエッジ中の最小エネルギー密度として定義されるヌケ点CPを制定し、そして
(e)イメージセッターのエネルギー密度をCP〜1.5*CPの範囲内の値に設定する
段階を含んでなる方法も提供する。
本発明の方法をさらに説明する実施例部分の前に、本発明の方法を適用しうるポジ作用性熱版の好ましいタイプの概観を示す。本発明の方法は具体的に以下で挙げられている版に限定されず湿潤処理を必要とするいずれのポジ作用性熱版にも適用可能であることは自明である。
本発明の方法に適する感熱性平版印刷版前駆体は典型的には親水性支持体並びにその上に付与された例えば赤外染料または顔料の如き赤外線対熱転換剤および水性アルカリ性現像剤中に可溶性である結合剤を含んでなる疎水性コーティングを含有する。
平版印刷版前駆体の支持体は親水性表面を有するかまたは親水性層が付与される。支持体はシート状材料、例えば板、であることができ、またはそれは円筒状部品、例えば印刷機の印刷シリンダーの周りを滑動しうるスリーブ、であることができる。好ましい支持体は金属支持体、例えばアルミニウムまたはステンレス鋼、である。金属をプラスチック層、例えばポリエステルフィルム、に積層することができる。
特に好ましい平版支持体は電気化学的に研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体である。アルミニウムの研磨および陽極酸化は既知である。陽極酸化されたアルミニウム支持体を処理してその表面の親水性質を改良することができる。例えば、アルミニウム支持体の表面を高められた温度、例えば95℃、で珪酸ナトリウム溶液で処理することにより、その支持体を珪酸処理することができる。或いは、酸化アルミニウム表面を無機弗化物をさらに含有してもよい燐酸塩溶液で処理することを含む燐酸塩処理を適用することもできる。さらに、酸化アルミニウム表面をクエン酸またはクエン酸塩溶液ですすぐこともできる。この処理は室温で行うことができ、または約30〜50℃のわずかに高められた温度で行うこともできる。別の興味ある後処理は炭酸水素塩溶液を用いる酸化アルミニウム表面のすすぎを包含する。さらに、酸化アルミニウム表面をポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールの燐酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル、およびスルホン化された脂肪族アルデヒドとの反応により製造されるポリビニルアルコールのアセタールで処理することもできる。これらの後処理の1つまたはそれ以上を単独でまたは組み合わせて行いうることも明らかである。これらの処理のさらに詳細な記述は、英国特許出願公開第1084070号明細書、独国特許出願公開第4423140号明細書、独国特許出願公開第4417907号明細書、欧州特許出願公開第659909号明細書、欧州特許出願公開第537633号明細書、独国特許出願公開第4001466号明細書、欧州特許出願公開第292801号明細書、欧州特許出願公開第291760号明細書および米国特許第4,458,005号明細書に示されている。
支持体上に付与されるコーティングは1つもしくはそれ以上の別個の層を含んでなることができる。アルカリ−可溶性結合剤を含んでなる1つもしくは複数の層または赤外線対熱転換剤を含んでなる1つもしくは複数の層の他の追加層の例は、例えば支持体に対するコーティングの接着性を改良する「下塗り層」およびコーティングを汚染または機械的損傷に対して保護する被覆層である。
アルカリ−可溶性結合剤はコーティングの1つもしくはそれ以上の層の中に存在しうる。結合剤の量は、各場合ともコーティングの非揮発性成分の合計重量を基準として、有利には40〜99.8重量%、好ましくは70〜99.4重量%、特に好ましくは80〜99重量%である。アルカリ−可溶性結合剤は好ましくは、層を確実に水性アルカリ性現像剤中に可溶性にするかまたは少なくとも膨潤性にするために13より少ないpKaを有する酸性基を有する有機重合体である。有利には、結合剤は重合体または重縮合体、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリウレアである。例えば、フェノール、レソルシノール、クレゾール、キシレノールまたはトリメチルフェノールをアルデヒド類、特にホルムアルデヒド、またはケトン類と反応させることにより得られるような遊離フェノール系ヒドロキシル基を有する重縮合体および重合体も特に適する。スルファモイル−またはカルバモイル−置換された芳香族とアルデヒド類およびケトン類との縮合体も適する。ビスメチロール−置換されたウレア類、ビニルエーテル類、ビニルアルコール類、ビニルアセタール類またはビニルアミド類並びにフェニルアクリレート類の重合体およびヒドロキシルフェニルマレイミド類の共重合体も同様に適する。さらに、ビニル芳香族、N−アリール(メタ)アクリルアミド類またはアリール(メタ)アクリレート類の単位を有する重合体も挙げられ、これらの単位の各々は1個もしくはそれ以上のカルボキシル基、フェノール系ヒドロキシル基、スルファモイル基またはカルバモイル基を有することも可能である。具体例は、2−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、N−(4−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−スルファモイルフェニル)−(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル)−(メタ)アクリルアミド、もしくは4−ヒドロキシスチレン、またはヒドロキシフェニルマレイミドの単位を有する重合体を包含する。重合体は酸性単位を有していない他の単量体の単位をさらに含有することもできる。そのような単位はビニル芳香族、メチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メタクリルアミドまたはアクリロニトリルを包含する。
好ましい態様では、重縮合体はフェノール系樹脂、例えばノボラック、レソールまたはポリビニルフェノール、である。ノボラックは好ましくはクレゾール/ホルムアルデヒドまたはクレゾール/キシレノール/ホルムアルデヒドノボラックであり、ノボラックの量は有利には各場合とも全ての結合剤の全重量を基準として少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%である。
本発明の好ましい態様では、アルカリ−可溶性結合剤はフェノール系単量体単位のフェニル基またはヒドロキシ基が有機置換基で化学的に改質されたフェノール系樹脂である。有機置換基で化学的に改質されたフェノール系樹脂は印刷用化学物質、例えば湿し水、または印刷機用化学物質、例えば版クリーナーに対する増加した化学的耐性を示しうる。好ましい化学的に改質されたフェノール系樹脂の例は、欧州特許出願公開第0934822号明細書、欧州特許出願公開第0996869号明細書、欧州特許出願公開第1072432号明細書、米国特許第5,641,608号明細書、欧州特許出願公開第0982123号明細書、国際公開第99/01795号パンフレット、欧州特許出願公開第933682号明細書、欧州特許出願公開第894622号明細書および国際公開第99/63407号パンフレット、並びに全て2002年10月15日に出願された未公開の欧州特許出願第02102446号明細書、第02102444号明細書、第02102445号明細書、第02102443号明細書並びに2003年8月13日に出願された第03102522号明細書に記載されている。
化学的に改質されたフェノール系樹脂の具体例は、フェニル基が構造−N=N−Q[式中、−N=N−基はフェニル基の炭素原子に共有結合されそしてQは芳香族基である]を有する基で置換されている単量体単位を含んでなる。Qが下記式:
[式中、nは0、1、2または3であり、
各Rは水素、場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキル基、−SO−NH−R、−NH−SO−R、−CO−NR−R、−NR−CO−R、−O−CO−R、−CO−O−R、−CO−R、−SO−R、−SO−R、−SO−R、−P(=O)(−O−R)(−O−R)、−NR−R、−O−R、−S−R、−CN、−NO、ハロゲン、−N−フタルイミジル、−M−N−フタルイミジル、または−M−Rから選択され、Mは炭素数1〜8の2価結合基を表わし、
、R、RおよびRは水素または場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルもしくはヘテロアラルキル基から独立して選択され、
は場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル基から選択され、
或いは各R〜Rから選択される少なくとも2つの基は一緒になって環式構造を形成するのに必要な原子を表わし、
或いはRおよびRは一緒になって環式構造を形成するのに必要な原子を表わす]
を有する重合体が最も好ましい。
現像剤中のコーティングの溶解性能は、場合により存在する溶解度調節成分により微細調整することができる。より特に、現像加速剤または現像抑制剤を使用することができる。これらの成分は、アルカリ−可溶性結合剤を含んでなる1つもしくは複数の層におよび/またはコーティングの別の1つもしくは複数の層に加えることができる。
現像加速剤は、コーティングの溶解速度を増加させうるために溶解促進剤として作用する化合物である。例えば、水性現像可能性を改良するためには無水環式酸、フェノールまたは有機酸を使用することができる。米国特許第4,115,128号明細書に記載されているように、無水環式酸の例は無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水3,6−エンドキシ−4−テトラヒドロ−フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水マレイン酸、無水クロロマレイン酸、無水アルファ−フェニルマレイン酸、無水琥珀酸、および無水ピロメリト酸を包含する。フェノールの例はビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリヒドロキシ−トリフェニルメタン、および4,4’,3’’,4’’−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニル−メタンなどを包含する。例えば特開昭60−88,942号公報および特開平2−96,755号公報に記載されているように、有機酸の例はスルホン酸、スルフィン酸、アルキル硫酸、ホスホン酸、燐酸塩、およびカルボン酸を包含する。これらの有機酸の具体例はp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、燐酸フェニル、燐酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシ珪皮酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、およびアスコルビン酸を包含する。コーティング中に含有される無水環式酸、フェノール、または有機酸の量は好ましくは0.05〜20重量%の範囲内である。
好ましい態様では、コーティングは現像抑制剤とも称する現像剤耐性手段、すなわち処理中に露出されなかった領域の溶解を遅延させうる1種もしくはそれ以上の成分、も含有する。溶解抑制効果は好ましくは加熱により逆転されるため、露出された領域の溶解は実質的には遅延されずそして露出されたおよび露出されなかった領域の間の大きな溶解差がそれにより得られうる。そのような現像剤耐性手段はアルカリ−可溶性結合剤を含んでなる層またはコーティングの別の層に加えることができる。
例えば欧州特許出願公開第823327号明細書および国際公開第97/39894号パンフレットに記載された化合物は、コーティング中の1種もしくは複数のアルカリ−可溶性結合剤との、例えば水素架橋形成による、相互作用によって溶解抑制剤として作用すると信じられている。このタイプの抑制剤は典型的には少なくとも1個の水素架橋形成基、例えば窒素原子、オニウム基、カルボニル(−CO−)、スルフィニル(−SO−)またはスルホニル(−SO−)基並びに大きな疎水性部分、例えば1個もしくはそれ以上の芳香族核を含んでなる。
他の適する抑制剤は、それらが水性アルカリ性現像剤のコーティング中への浸透を遅らせるという理由のために、現像剤耐性を改良する。そのような化合物は、例えば欧州特許出願公開第950518号明細書に記載されているようにアルカリ−可溶性結合剤を含んでなる1つもしくは複数の層の中に、および/または例えば欧州特許出願公開第864420号明細書、欧州特許出願公開第950517号明細書、国際公開第99/21725号パンフレットおよび国際公開第01/45958号パンフレットに記載されているように該層の頂部上にある現像遮断層の中に存在しうる。後者の態様では、現像剤中の遮断層の溶解または遮断層の現像剤による浸透度は熱または赤外線への露出により増加させることができる。
水性アルカリ性現像剤のコーティング中への浸透を遅らせる抑制剤の好ましい例は下記のものを包含する:
(a)現像剤中に不溶性であるかまたは現像剤により不透過性である重合体状物質、例えば疎水性もしくは水−反撥性の重合体または共重合体、例えばアクリル系重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリウレタン、ニトロセルロースおよびエポキシ樹脂;またはシロキサン(シリコーン)および/もしくはペルフルオロアルキル単位を含んでなる重合体。
(b)二官能性化合物、例えば極性基および疎水性基、例えば長鎖炭化水素基、ポリ−もしくはオリゴシロキサンおよび/または過弗素化された炭化水素基、を含んでなる界面活性剤。代表例は、ダイニッポン・インキ・アンド・ケミカルズ・インク(Dainippon Ink & Chemicals,Inc.)から入手可能な過弗素化された界面活性剤であるメガファック(Megafac)F−177である。そのような化合物の適量は10〜100mg/mの間、より好ましくは50〜90mg/mの間である。
(c)極性ブロック、例えばポリ−もしくはオリゴ(アルキレンオキシド)および疎水性ブロック、例えば長鎖炭化水素基、ポリ−もしくはオリゴシロキサンおよび/または過弗素化された炭化水素基、を含んでなる二官能性ブロック−共重合体。そのような化合物の適量は0.5〜25mg/mの間、より好ましくは0.5〜15mg/mの間、そして最も好ましくは0.5〜10mg/mの間である。適する共重合体は約15〜25個のシロキサン単位および50〜70個のアルキレンオキシド基を含んでなる。好ましい例は、フェニルメチルシロキサンおよび/またはジメチルシロキサン並びにエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを含んでなる共重合体、例えば全てドイツ、エッセンのテゴ・ヘミー(Tego Chemie)から市販されているテゴ・グライド(Tego Glide)410、テゴ・ウエット(Tego Wet)265、テゴ・プロテクト(Tego Protect)5001またはシリコフェン(Silikophen)P50/Xを包含する。該ポリ−もしくはオリゴシロキサンは、線状、環式もしくは複合架橋結合重合体または共重合体でありうる。用語ポリシロキサン化合物は、1個より多いシロキサン基−Si(R,R’)−O−[式中、RおよびR’は場合により置換されていてもよいアルキルまたはアリール基である]を含有するいずれの化合物も包含する。好ましいシロキサンはフェニルアルキルシロキサンおよびジアルキルシロキサンである。重合体またはオリゴマー中のシロキサン基の数は少なくとも2、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも20である。それは100より少なく、好ましくは60より少なくてよい。
コーティングおよび乾燥中に、タイプ(b)および(c)の上記の抑制剤はその二官能性構造のためにコーティングと空気との間の界面においてそれ自身で位置する傾向がありそしてそれによりアルカリ−可溶性結合剤を含んでなる層のコーティング溶液の成分として適用される場合でも別個の頂部層を形成すると信じられている。同時に、界面活性剤はコーティング品質を改良する延展剤としても作用する。このようにして形成された別個の頂部層は、現像剤のコーティング中への浸透を遅らせる上記の遮断層として作用できるようである。
或いは、タイプ(a)〜(c)の抑制剤をアルカリ−可溶性結合剤を含んでなる1つもしくは複数の層の頂部にコーティングされた別個の溶液の中に適用することもできる。この態様では、溶媒を第一層内に存在する成分を溶解することができない第二コーティング溶液中の溶媒を使用してコーティングの頂部で高濃度の水−反撥または疎水性層を得ることが有利でありうる。
赤外線吸収染料または顔料は、アルカリ−可溶性結合剤と同じ1つもしくはそれ以上の層の中に、場合により存在する以上で論じた遮断層の中に、および/または場合により存在する別の層の中に存在しうる。非常に好ましい態様によると、赤外吸収剤は遮断層の中または近くに、例えばアルカリ−可溶性結合剤および遮断層の間の中間層の中に、集中させる。この態様によると、該中間層は赤外吸収化合物をアルカリ−可溶性結合剤中または遮断層中の赤外吸収化合物の量より高い量で含んでなる。好ましい赤外吸収染料はシアニン染料、メロシアニン染料、インドアニリン染料、オキソノール染料、ピリリウム染料およびスクアリリウム染料である。適する赤外染料の例は、例えば欧州特許出願公開第823327号明細書、第978376号明細書、第1029667号明細書、第1053868号明細書、第1093934号明細書、国際出願第97/39894号パンフレットおよび第00/29214号パンフレットに記載されている。好ましい化合物は下記のシアニン染料:
である。
この染料の好ましい量は40mg/mより少ない。
コーティングの表面を、特に機械的損傷から、保護するために、保護層を場合により適用することもできる。保護層は一般的に少なくとも1種の水溶性結合剤、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、部分的に加水分解されたポリビニルアセテート、ゼラチン、炭水化物またはヒドロキシエチルセルロース、を含んでなり、そして必要なら少量のすなわち保護層用のコーティング溶媒の合計重量を基準として5重量%より少ない量の有機溶媒を含有してもよい水性溶液または分散液からのようないずれかの既知の方法で製造することができる。適切には保護層の厚さは、有利には5.0μmまでの、好ましくは0.1〜3.0μmの、特に好ましくは0.15〜1.0μmの量でありうる。
場合により、コーティングそしてより具体的にはアルカリ−可溶性結合剤を含んでなる1つもしくは複数の層は追加成分をさらに含有できる。
コーティングに可視色を与え且つ露出されなかった領域でコーティング中に残存するために露出および処理後に可視像が形成されるような着色剤、例えば染料または顔料を加えることができる。そのようなコントラスト染料の代表例は、アミノ−置換されたトリ−またはジアリールメタン染料、例えばクリスタルバイオレット、メチルバイオレット、ビクトリアピュアブルー、フレキソブラウ630、バソニルブラウ640、アウラミンおよびマラカイトグリーンである。欧州特許出願公開第4007006号明細書の詳細な記述で深く論じられている染料も適切なコントラスト染料である。
界面活性剤、特にペルフルオロ界面活性剤、珪素または二酸化チタン粒子、例えば艶消し剤の如き重合体粒子、およびスペーサーも平版コーティングの既知成分である。
平版前駆体の製造のためには、いずれかの既知の方法を使用することができる。例えば、上記成分をこれらの成分と不可逆的に反応せず且つ好ましくは意図するコーティング方法、層厚さ、層の組成および乾燥条件に応じて調整されている溶媒混合物の中に溶解させることができる。適する溶媒は、ケトン類、例えばメチルエチルケトン(ブタノン)、並びに塩素化された炭化水素、例えばトリクロロエチレンまたは1,1,1−トリクロロエタン、アルコール類、例えばメタノール、エタノールまたはプロパノール、エーテル類、例えばテトラヒドロフラン、グリコール−モノアルキルエーテル類、例えばエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えば2−メトキシ−1−プロパノール、またはプロピレングリコールモノアルキルエーテル、およびエステル類、例えば酢酸ブチルまたは酢酸プロピレングリコールモノアルキルエーテルを包含する。特殊な目的のためには、アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたは水の如き溶媒をさらに含有しうる混合物を使用することも可能である。
1種もしくはそれ以上のコーティング溶液を支持体の親水性表面に適用するためには、いずれかのコーティング方法を使用することができる。各層を連続的にコーティング/乾燥することによりまたは数種のコーティング溶液の同時1回コーティングにより、多層コーティングを適用することができる。乾燥段階において、コーティングは自己支持性となりそして触れても乾いた状態になるまで揮発性成分がコーティングから除去される。しかしながら、乾燥段階において溶媒の全てを除去することは必要ない(そしてそれは可能でないことさえある)。実際に、残存溶媒含有量は組成を調整するための追加成分変数であるとみなすことができる。コーティング上への、典型的には少なくとも70℃の、適切には80−150℃のそして特に90−140℃の温度の熱空気の吹き付けにより、乾燥は典型的に行われる。赤外灯を使用することもできる。乾燥時間は典型的には15−600秒間である。
国際公開第99/21715号パンフレット、欧州特許出願公開第1074386号明細書、欧州特許出願公開第1074889号明細書、国際公開第00/29214号パンフレット、および2002年10月4日に出願された未公開の欧州特許出願第02102413号明細書、第02102414号明細書、第02102415号明細書に記載されているように、コーティングと乾燥との間の、または乾燥段階後の、熱処理およびその後の冷却が追加利点を与えうる。
版前駆体は直接的に熱を用いて、例えば熱ヘッドにより、または間接的に赤外線、好ましくは近赤外線、により、像通りに露出することができる。赤外線は好ましくは以上で論じたような赤外線吸収化合物により熱に転換される。感熱性平版印刷版前駆体は好ましくは感可視光線性でなく、すなわち可視光線に対する露出により現像剤中のコーティングの溶解速度に対する実質的な影響が誘発されない。最も好ましくは、コーティングは周囲の昼光、すなわち可視(400−750nm)および近紫外線(300−400nm)に対して通常の作業条件に相当する強度および露出時間では非感受性であるため、版前駆体は安全な光環境を必要とせずに取り扱うことができる。昼光に対して「非感受性」は、周囲の昼光に対する露出により現像剤中のコーティングの溶解速度の実質的変化がないことを意味する。好ましい昼光安定環境では、コーティングは日光または事務所照明に存在する近紫外線および/または可視光線を吸収しそしてそれにより露出された領域中のコーティングの溶解度を変化させる感光性成分、例えば(キノン)ジアジドまたはジアゾ(ニウム)化合物、光酸、光開始剤、増感剤などを含んでない。
印刷版前駆体は例えばLEDまたはレーザーを用いて赤外線に露出させることができる。最も好ましくは、露出用に使用される光線は約750〜約1500nm、より好ましくは750〜1100nm、の範囲内の波長を有する近赤外線を発生するレーザー、例えば半導体レーザーダイオード、Nd:YAGまたはNd:YLFレーザー、である。必要なレーザー出力は、版前駆体の感度、スポット直径(1/eの最大強度における最新式プレート−セッターの典型値:5−25μm)により測定されるレーザー光束の画素滞留時間、走査速度および露出装置の解像度(すなわちしばしば1インチ当たりのドット数すなわちdpiで表示される線状距離単位当たりのアドレス可能画素数;典型値:1000−4000dpi)に依存する。
2つのタイプのレーザー−露出装置、すなわち内部ドラム(ITD)および外部ドラム(XTD)プレート−セッター、が一般的に使用される。熱版用のITDプレート−セッターは典型的には500m/秒までの非常に高い走査速度により特徴づけられそして数ワットのレーザー出力を必要としうる。約200mW〜約1Wの典型的なレーザー出力を有する熱版用のXTDプレート−セッターは例えば0.1〜10m/秒の比較的低い走査速度で操作される。750〜850nmの間の波長範囲で発光する1つもしくはそれ以上のレーザーダイオードを装備したXTDプレート−セッターが本発明の方法に特に好ましい態様である。
既知のプレート−セッターは印刷機外露出装置として使用することができ、それは印刷機停止時間を短縮する利点を与える。XTD−プレート−セッター構造は印刷機上露出用に使用することもでき、多色印刷機中での即時見当の利点を与える。印刷機上露出装置のさらなる技術的詳細事項は例えば米国特許第5,174,205号明細書および米国特許第5,163,368号明細書に記載されている。
版前駆体による平版像の形成は現像剤中での処理中のコーティングの熱で誘発される溶解度差による。平版像の像(印刷、親油性)および非像(非印刷、親水性)領域間の溶解度差は熱力学的効果よりむしろ動的効果であると信じられており、すなわち非像領域は像領域より現像剤の中へのより速い溶解により特徴づけられる。この溶解の結果として、その下にある支持体の親水性表面が非像領域で出現する。最も好ましい態様では、コーティングの非像領域は像領域が作用を受ける前に現像剤中に完全に溶解するため、後者は鋭利な端部および高いインキ−受容性により特徴づけられる。非像領域の溶解完了と像領域の溶解開始との間の時間差は好ましくは10秒間より長く、より好ましくは20秒間より長く、そして最も好ましくは60秒間より長く、それにより広い現像ラチチュードを与える。
処理段階において、例えば回転ブラシによるような機械的こすりと組み合わせてもよい従来の水性アルカリ性現像剤中への浸漬により、コーティングの非像領域が除去される。現像中に、存在する水溶性保護層も除去される。基質のアルミナ層(存在するなら)が損傷されないことを保証するためには、少なくとも1の二酸化珪素対アルカリ金属酸化物の比を有する珪酸塩−ベース現像剤が好ましい。好ましいアルカリ金属酸化物はNaOおよびKO、並びにそれらの混合物を包含する。アルカリ金属珪酸塩の他に、場合により現像剤は当該技術で既知である別の成分、例えば緩衝物質、錯化剤、発泡防止剤、少量の有機溶媒、腐食抑制剤、染料、界面活性剤および/またはヒドロトロピー剤、をさらに含有しうる。現像剤は、非像領域の現像剤耐性を高める化合物、例えばポリアルコール、例えばソルビトール、を好ましくは少なくとも40g/lの濃度で、および/またはポリ(アルキレンオキシド)含有化合物、例えばロディア(RODIA)から市販されているスプロニック(Supronic)B25、を多くとも0.15g/lの濃度でさらに含有しうる。
現像は好ましくは20〜40℃の温度で当該技術で一般的な自動化された処理装置の中で行われる。再生用には、0.6〜2.0モル/lのアルカリ金属含有量を有するアルカリ金属珪酸塩溶液を適切に使用することができる。これらの溶液は現像剤と同じシリカ/アルカリ金属酸化物比を有することができ(しかしながら、一般にはそれより低く)、そして同様に場合により別の成分を含有することができる。再生された材料の必要量は、使用する現像装置、1日当たりの版生産量、像領域などに対して調整しなければならず、そして一般には1平方メートルの版前駆体当たり1〜50mlである。添加は、例えば、欧州特許出願公開第0556690号に記載されているように伝導率を測定することにより、調節できる。版前駆体の処理はすすぎ段階、乾燥段階および/またはゴム引き段階を含むこともできる。版前駆体は、必要なら、当該技術で既知であるように適当な補正剤または防腐剤で後処理することができる。完成した印刷版の耐性を高めるためそしてその結果として操作回数を延長させるために、層を高められた温度に短時間加熱することができる(「ベーキング」)。
このようにして得られた印刷版は従来のいわゆる湿潤オフセット印刷用に使用することができ、そこではインキおよび湿し水が版に供給される。別の適する印刷方法は湿し水なしのいわゆる単一流体インキを使用する。適する単一流体インキは米国特許第4,045,232号明細書、米国特許第4,981,517号明細書および米国特許第6,140,392号明細書に記載されている。最も好ましい態様では、単一流体インキは国際公開第00/32705号パンフレットに記載されているように疎水性または親油性相とも称するインキ相およびポリオール相を含んでなる。
ここに記載された親油性コーティングは直接的な像形成技術により基質上にパターンを形成するための耐熱物質として、例えば米国特許第2003/0003406A1号明細書に記載されているようなPCB(プリント基板)用途において使用することもできる。
材料
ポジ作用性熱版、水性アルカリ性現像剤および赤外プレートセッターよりなる6つのシステムを評価した:
実施例1:カナダ、クレオの商標であるトレンドセッター(Trendsetter)TE318で露出した、両者ともベルギー、アグファ−ゲベルトN.V.の商標であるサーモスター(Thermostar)P970版およびEP26現像剤(22℃、19s)。
実施例2:ベルギー、アグファ−ゲベルトN.V.の商標であるエクスカリブル(Xcalibur)45で露出した、両者とも米国、コダック・ポリクローム・グラフィックス(Kodak Polychrome Graphics)の商標であるエレクトラ・エクセル(Electra Excel)版およびゴールドスター(Goldstar)現像剤(23℃、38s)。
実施例3:ベルギー、アグファ−ゲベルトN.V.の商標であるエクスカリブル45で露出した、両者とも米国、ウエスターン・リトテク(Western Litotech)の商標であるダイアモンド(Diamond)LT2版およびEDR−K現像剤(28℃、26s)。
実施例4:ベルギー、アグファ−ゲベルトN.V.の商標であるエクスカリブル45で露出した、両者とも日本、フジ・フォト・フィルム(Fuji Photo Film)の商標であるブリリア(Brillia)PSE版およびLHDS現像剤(29℃、25s)。
実施例5:カナダ、クレオの商標であるトレンドセッターTE318で露出した、下記の通りにして製造された版材料P1および現像剤D1(25℃、25s)。
実施例6:カナダ、クレオの商標であるトレンドセッターTE318で露出した、下記の通りにして製造された版材料P2および現像剤D2(25℃、25s)。
トレンドセッターTE318およびエクスカリブル45の両者は、810−830nmの範囲内で発光する半導体レーザー源および10.6μmの点寸法を有するプレートセッターであり、すなわち1×1市松模様パターンは約10μmのドットを製造し、2×2市松模様パターンは約20μmのドットを製造し、以下同様である。画素滞留時間はそれぞれ1.2μs(トレンドセッター;ドラム速度140rpm)および3.6μs(エクスカリブル;ドラム速度190rpm)であった。全ての処理はベルギー、アグファ−ゲベルトN.V.の商標であるオートリス(Autolith)Tプロセッサーの中で行われた。
版材料P1
下記のコーティング溶液を製造した:
版材料P2
2.6gのAM−10および25mlの酢酸および37.5mlの水の混合物を15℃に冷却した。次に2.5mlの濃HClを加えそして混合物をさらに0℃に冷却した。次に、1.1gのNaNOの3mlの水中溶液を滴下し、その後に撹拌をさらに30分間にわたり0℃で続けた。AM−10は下記の化学構造:
を有する化合物である。
−フェノール系重合体溶液の製造:
45.9gのアルノボルSPN452(アルノボルSPN452はクラリアントGmbHから得られるノボラック樹脂のダワノールPM中40重量%溶液である)、16.3gのNaOAc.3HOおよび200mlの1−メトキシ−2−プロパノールの混合物を撹拌しそして10℃に冷却した。以上で製造されたジアゾニウム溶液をフェノール系重合体溶液に30分間の期間にわたり滴下し、その後に撹拌を120分間にわたり15℃で続けた。生じた混合物を次に2リットルの氷水に30分間の期間にわたり連続的に撹拌しながら加えた。重合体が水性媒体から沈殿しそしてそれを濾過により単離した。水洗および45℃におけるその後の乾燥により所望する生成物が最終的に得られた。
(2)ボルデン・ヘム・インク(BORDEN CHM.INC.)から得られるメタ−クレゾールノボラック樹脂(Mn/Mwは700/1700である)
以上の溶液を従来の研磨されそして陽極酸化されたアルミニウム支持体上に26μmの湿潤コーティング厚さでコーティングしそして乾燥した。乾燥コーティング重量は1.47g/mであった。切断しそして包装した後に、版を倉庫内で5日間にわたり50℃で時効処理した。
現像剤D1
下記の溶液を製造した:
現像剤D2
下記の溶液を製造した:
方法
nxnの市松模様パターンを種々のエネルギー密度で露出しそして「巨視的」および「微視的」デンシトメトリー並びに以上で定義されたムレイ−デービス式から得られるドット被覆率が50%に相当するエネルギー密度を制定することにより、上記のシステムの光学REEDおよび物理的REED値を以上で説明したように測定した。
「巨視的」反射濃度は、グレタグ−マクベス(Gratag−Macbeth)AG.から市販されているグラタグマクベス(GratagMacbeth)D19C47B/Pデンシトメーターを用いて得られた。そのような従来のデンシトメーターには典型的には数個のフィルター(例えばシアン、マゼンタ、イエロー)が装備されており、光学濃度はコーティングの色に相当するフィルターを用いて測定され、例えばシアンフィルターは好ましくは青色コーティングの光学濃度を測定するために使用される。全ての光学濃度値は版のコーティングされていない支持体と対比して測定された。
物理的REED値はマイクロデンシトメトリーにより、より特にマイクロイメージデジタイザーおよび下記の市販部品により組み立てられた分析システムにより、得られた:
−反射方式で使用されそして20xレンズが装備されたライツ(Leitz)の商品名である光学顕微鏡タイプのエルゴプラ(Ergopla)、
−1024×1024の画素CCDおよび16ビット・アナログ−ツー−デジタル転換器を装備したホトメトリックス(Photometrics)からのモノクロームデジタルカメラタイプCH250、
−標準フレーム・グラッバー・カードを装備したパーソナル・コンピューター、
−メルツハウザー(Maerzhauser)からのA4−サイズXYテーブルタイプMCL、
−メディア・シベルネティクス(Media Cybernetics)からの像分析ソフトウエアであるイメージプロプラス(ImageProPlus)バージョン4.5。
デジタルカメラが顕微鏡により製造された像を記録しそしてカメラの出力をフレーム・グラッバー・カードにより捕獲しそして次に像分析ソフトウエアにより分析用に利用可能にする。上記のシステムの解像度は画素当たり0.47×0.47μmであった。ソフトウエアがマイクロドット(印刷領域)を背景領域(非印刷アルミニウム支持体)から区別しそしてこれらのマイクロドットにより占有される領域を全領域の百分率として計算する。
段階ウエッジを10mJ/cmの固定された間隔で版上で以上で定義された露出装置を用いて露出しそして処理後の露出されたコーティングの各段階における光学濃度を測定するために以上で定義したグレタマクベスデンシトメーターを用いることにより、ヌケ点が得られた。全ての版はヌケ点において調色のない(すなわち、露出されなかった領域中のインキ受容性のない)透明な点を与え、すなわちコーティングの光学濃度を0.05*Dに減ずるエネルギー密度で露出された。
結果
表1は、1×1、2×2および6×6の市松模様パターンを用いて種々のエネルギー密度で露出された6種のシステムの光学ドット領域値を示す。
表2は、1×1、2×2および6×6の市松模様パターンを用いて種々のエネルギー密度で露出された6種のシステムの物理的ドット領域値を示す。
ドット領域値対エネルギー密度値の各シリーズに関しては、実施例6に関する図3および4に示されているように、傾向線を加えたグラフを製造した。内挿法により、ドット領域が50%に相当するエネルギー密度を測定して、表1のデータから光学REED値をそして表2のデータから物理的REED値を得た。物理的REED値は表3に示されており、それは各システムのヌケ点(CP)並びに物理的REED値およびヌケ点の比も示している。
物理的REED/CP比の値は全て1.5より小さく、それはドットをCP〜1.5*CPの範囲内にエネルギー密度を有する光で露出することにより小ドットの正確な再現が得られうるという本発明の方法を説明することが、表3から明らかである。
図1はそれぞれが8×8の像−記録計画素よりなる4つのハーフトーン像セルの図式的表示である。 図2は3種の50%nxn市松模様パターンの図式的表示である。 図3は50%市松模様パターン(1×1=10μmドット;2×2=20μmドット;および6×6=60μmドット)の反射デンシトメトリーにより得られた光学ドット領域とこれらのパターンの露出用に使用したエネルギー密度との間の関係を示す。 図4はドット領域が微細デンシトメトリーにより得られた物理的ドット領域であること以外は図3と同じ関係を示す。 図5の下部は各段階が64(8×8)このイメージセッター画素を含んでなる7段階よりなるベタウエッジの図式的表示である。上部の曲線は実施例6で同定された版/プレートセッター/現像剤システムから得られそして処理後のコーティングの光学濃度とウエッジの段階を露出するために使用したエネルギー密度との間の関係を示す。 図6は140mJ/cmのエネルギー密度で露出された実施例6で同定された版/プレートセッター/現像剤システムのぞれぞれ450xおよび1700xの倍率における1×1(10μmドット)および6×6(60μmドット)50%市松模様のSEM像である。

Claims (5)

  1. −支持体およびその上のコーティングを含んでなる感熱性のポジ作用性平版印刷版前駆体を準備し、
    −版前駆体上に25μm以下の寸法を有するマイクロドットを含んでなるハーフトーン像を赤外線により露出し、そして
    −版前駆体を現像剤中で処理し、それによりコーティングの非像領域を支持体から除去する
    段階を含んでなる平版印刷版の作製方法であって、赤外線がCP〜1.5*CP[ここでCPは処理段階後に0.05*Dに相当する完全に露出された領域におけるコーティングの光学濃度を得るのに必要な最小エネルギー密度として定義されるヌケ点(clearing point)であり、Dは露出されていない状態でのコーティングの光学濃度である]の範囲内のエネルギー密度を有することを特徴とする方法。
  2. ハーフトーン像が一次確率スクリーニング方法により得られる請求項1に記載の方法。
  3. ハーフトーン像が二次確率スクリーニング方法により得られる請求項1に記載の方法。
  4. ハーフトーン像が150lpiより少なくない罫引きにおける振幅変調スクリーニング方法により得られる請求項1に記載の方法。
  5. ハーフトーン像が、像の或る部が一次または二次確率スクリーニングにより与えられる25μm以下の寸法を有するマイクロドットを含んでなりそして像の他の部分が振幅変調スクリーニングにより与えられる、ハイブリッドクリーニング方法により得られる請求項1に記載の方法。
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