JP4730551B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、フロント側外部作業機とバック側外部作業機を備えたトラクタなどの作業車両に関する。
従来、農業用トラクタなどの作業車両の前後進の切替は常時噛合式のギア変速装置の中の前後進切替装置をハンドル下に設けられている前後進切替レバーの操作により行っている。
しかし農業用トラクタなどの作業車両を用いて行う作業の中には微速で前後進をすることが必要な場合がある。このとき、前記常時噛合式のギア変速装置の場合はクラッチペダルを半クラッチ状態に保つことで微速前後進をするしかなかった。
これを改良して前後進切替レバーの操作により微速前後進が可能な変速装置を備えた作業車両の提案が特開2003−2258号公報に開示されている。
特開2003−2258号公報
前記特許文献1記載の発明は前後進切替レバーの操作により微速前後進が可能であるので、車両の操縦性がそれ以前の車両に比べて向上するが、ハンドル下に設けられている前後進切替レバーの操作により行うものであるため、後向きの座席にオペレータが着席している場合は前後進切替レバーに触れることができない。そのため車両を微速前後進させる操縦はできない構成である。
本発明の課題は、バック側作業機を操縦するため後向きシートに着席していても車両を微速前後進させる操縦が容易かつ安全になし得る作業車両を提供することである。
上記本発明の課題は、次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、機体(2)の後部に装着自在とした後部作業機(9)と、機体(2)の走行速度を複数の変速位置のいずれかに切り替える主変速装置(82)と前記主変速装置(82)で選択された変速位置に対して、さらに複数の変速位置のいずれかに切り替える副変速装置(83)と機体(2)の進行方向を切り替える前後進切替クラッチ(81)を有する変速機構と、前記主変速装置(82)と副変速装置(83)で選択された変速位置をそれぞれ検知できる変速位置検知手段(26)と、前向き又は後向きにシート(8、8’)を向けることができる操縦席とを備えたエンジン動力により走行する作業車両において、前記前後進切替クラッチ(81)の切替操作用の低速走行スイッチ手段(94)を後向きのシート(8’)から操作可能な機体上に配置し、前記後部作業機(9)を用いる作業中であることを感知する作業機作業感知手段(25)を設け、該作業機作業感知手段(25)の感知があり、副変速装置(83)が所定の低速位置に有り、主変速装置(82)が所定の低速位置にあることを変速位置検知手段(26)が検知した状態で、低速走行スイッチ手段(94)の入力があった場合には、前後進切替クラッチ(81)が作動して機体(2)の前進又は後進を可能にする制御装置(100)を設けた作業車両である。
請求項2記載の発明は、エンジン回転数検知手段(27)を設けておき、該エンジン回転数検知手段(27)がエンジン回転数が所定回転以下であることを検知し、作業機作業感知手段(25)が後部作業機(9)を用いる作業中であることを感知し、副変速装置(83)が所定の低速位置に有り、主変速装置(82)が所定の低速位置にあることを変速位置検知手段(26)が検知した状態で、低速走行スイッチ手段(94)の入力があった場合には、制御装置(100)は前後進切替クラッチ(81)が作動して機体(2)の前進又は後進を可能にする制御を行う請求項1記載の作業車両である。
請求項3記載の発明は、機体(2)の前進方向に向かって左右一対の車輪(6b,6b)をそれぞれ制動する左右一対のブレーキ装置(88L,88R)と該左右一対のブレーキ装置(88L,88R)をそれぞれ作動させる左右一対のブレーキ制御バルブ(90L,90R)を設け、作業機作業感知手段(25)が後部作業機(9)を用いる作業中であることを感知すると、制御装置(100)は低速走行スイッチ手段(94)の入力により前記ブレーキ制御バルブ(90L,90R)のいずれかを作動させて、対応するブレーキ装置(88L,88R)のいずれかを独立して操作可能な構成にした請求項1記載の作業車両である。
請求項1記載の発明によれば、バックホウなどの後部作業機(9)が作業中であるときに、後向きシート(8’)に着座したオペレータは、操作可能な箇所にある低速走行スイッチ手段(94)が入力されて、主変速装置(82)の変速位置が所定の低速位置で、副変速装置(83)の変速位置が所定の低速位置にあるときには、前記走行速度で機体(2)を移動可能にできるので、オペレータが機体(2)に対して後向きに向いて後部作業機(9)を操作しながらゆっくりした速度で前後進ができるので、機体(2)の停止中以外にも安全に後部作業機(9)を用いる作業ができる。
なお、作業を中断して作業場所を移動する場合も安全に機体を前後進させることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、エンジン回転数が所定回転以下である時に機体(2)をわずかに前後進させることができるので、より安全である。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、低速走行スイッチ手段(94)で機体(2)がわずかに前後進中に左右のいずれか一方のブレーキ装置(88L,88R)を独立して操作できるので、機体の走行方向の修正や旋回が可能となり、後部作業機(9)を用いる作業範囲がより拡がる。
本発明の実施の形態について図面とともに説明する。
図1には本発明の一実施例のトラクタの側面図を示す。図2は図1のトラクタのトランスミッション内の伝動系の平面図を示し、図3は左側の後車軸部の平面図を示し、図4はトランスミッション内の伝動系の左側面図を示す。本明細書ではトラクタの進行方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右と呼び、進行方向前後方向をそれぞれ前、後と呼ぶ。
従来から周知のトラクタ1は機体2に搭載したエンジン(図示せず)の回転動力をミッションケース3内の主変速装置82(図2)などに伝達する。また、フロア5に設けられたアクセルペダル(図示せず)の踏込量に応じてエンジンのスロットルバルブの開度が変わり、変速装置へ入力される動力軸の回転数が増減して後輪6bを駆動させる。前輪6aは後輪6bの駆動力で回転する。
図2に示す伝動系には、ミッションケース3内に主クラッチ80、前後進切替装置81(81F,81R)、主変速装置82及び副変速装置83を備え、エンジンの回転を変速してドライブ軸84から後輪デフ装置85と前輪デフ装置86に伝え、後輪6b及び前輪6aを駆動する構成である。
本実施例では詳細な説明は省略するが主変速レバー21(図11参照)の操作で主変速装置82のギアの噛合態様を替えることで1〜4段の変速位置のいずれかに設定することが可能であり、また副変速レバー22の操作で副変速装置83のギアの噛合態様を替えることで最低速から中速段と高速段の合計3段(又は最低速と最高速の2段)の変速位置に設定し得る構成になっている。
なお、前記主変速装置82と副変速装置83において、それぞれどの変速位置のギアが噛合しているかは、主変速レバー21及び副変速レバー22の各操作位置を検出する周知の検知手段で検知できる。
上記後輪6bを連動する左右の後車軸87には、図3に示すようにそれぞれブレーキ装置88L,88R(図3には左側のみを示す)を備え、ブレーキアーム89L,89R(図3には左側のみを示す)の揺動操作によって制動すべく構成している。図4に示すようにこのブレーキアーム89L,89R(図4には左側のみを示す)は、ミッションケース3の左右外側面にそれぞれ設けたブレーキ制御バルブ90L,90R(図9も参照)の制動側を切り替えることで該バルブ90L,90Rの函体と一体的に備えたブレーキピストン91L,91R(図9も参照)の伸出作動によって制動側に揺動操作される構成である。なお非制動側復帰は図示しない弾性復帰ばねによる。ブレーキアーム89L,89Rはブレーキペダル(図示せず)に機械的に連動する構成としてペダル操作によっても左右後輪6bを独立的に制動できる。
また、フロア5の上方には、ステアリングハンドル7、操縦席シート8、バックホウ9、フロントローダ10、図示しないクラッチぺダル、左右一対のブレーキぺダル及び図11に示す主変速レバー21、副変速レバー22及び四輪駆動レバー23などが設けられている。なお、ステアリングハンドル7はハンドルポスト12に支持されている。
操縦席は前向きシート8と後向きシート8’を備えている。そして前向きシート8に着座するとフロントローダ10を操作でき、後向きシート8’に着座するとバックホウ9を操作できる構成になっている。なお、前向きシート8と後向きシート8’とは前後反転式の他、それぞれ別個に設けて後向きシート8’を収納可能な構成としても良い。
次に、トラクタ1のバックホウ9の作動(アーム部昇降と上下動及びバケット回動、及びアーム旋回動)とフロントローダ10の作動(昇降と上下動)のための作動機構を図1で説明する。
バックホウ9には排土用のバケット44が設けられ、バケット44は第1アーム45に連結され、該第1アーム45には第2アーム46が連結している。バケット44は、その回動中心44aを中心としてバケットシリンダ48で上下方向に首振り可能になっており、第1アーム45が第1アームシリンダ49で昇降され、また第2アーム46が第2アームシリンダ50で昇降される。
さらに、フロントローダ10のバケット17は回動中心17aを中心として第1ブーム52に連結され、該第1ブーム52には第2ブーム53が連結している。バケット17はバケットシリンダ55で上下方向に首振り可能になっており、また第2ブーム53が第2ブームシリンダ54で昇降される。
また、バックホウ9とトラクタ1本体の後壁との連結部にはトラクタ1の機体2に設けられた連結部材(図示せず)に係止された一対のブラケット24と図示しない一対の油圧シリンダなどが設けられ、前記油圧シリンダの他端がバックホウ9の基部の支持部材33に回動自在に固定されている。
ブラケット24には左右一対のアウトリガ40が鉛直方向に向けて伸縮可能に接続されており、アウトリガ40の内部に油圧シリンダが内装されており、アウトリガ40は上下動自在な構成であり、バックホウ9の操作時にはアウトリガ40を地面に立てて操作をすることで安定した操作が可能になる。
また、アウトリガ40を下ろさないで、後向きシート8’に着座してオペレータが作業をするときにはトラクタ後輪6bに後述するように制動力を付与する構成になっている。これは、後向きシート8’に着座してバックホウ9を操作する場合にはアウトリガ40を地面に下降させて行うことが安全上好ましいためである。しかし、バックホウ9を用いて軽作業を行う場合にはアウトリガ40を下降しないまま作業を行っても支障が無い。そのため、アウトリガ40を地面に下降させないでバックホウ9を用いて作業を行うときには、少なくとも後輪制動状態にしておき、思わぬ不具合を回避することができる。
また、アウトリガ40を地面に下降させた状態であれば、バックホウ9を用いて作業を行うときには重作業であるので、操縦者がシート8’に着座して行う車両を停止させての通常通りの作業ができるようにする。
本実施例のトラクタ1の操縦部のステアリングハンドル7の下方のハンドルポスト12の側面には前後進切替レバー93を設け、操縦部に隣接した右フェンダ19Rには低速走行スイッチ手段(以下微速スイッチという。)94を設けており、前後進切替レバー93または微速スイッチ94のいずれを操作しても、前後進切替用の油圧(前後進)クラッチ81F、81Rを切り換えることができる。
微速スイッチ94はレバー状のスイッチであり、図5に模式的に示すように図示しない基部を中心に揺動操作自在であり、トラクタ1の前進方向に向かって前後左右に揺動することで、それぞれ前進、後進、左ブレーキ旋回及び右ブレーキ旋回ができる。例えば、前記左ブレーキ旋回は左ブレーキ装置88Lを作動させて左後輪6bの回転を停止させる一方で、右後輪6bは通常の回転をさせるので左ブレーキ旋回が可能にある。
また、微速スイッチ94を右斜め前方に傾けると前進しながら右旋回ができ、左斜め前方に傾けると前進しながら左旋回ができ、右斜め後方に傾けると後進しながら右旋回ができ、左斜め後方に傾けると後進しながら左旋回ができる。
トラクタ1の右フェンダ19Rに設けた微速スイッチ94はバックホウ作業中にトラクタ1を前後進させるためのスイッチであり、この微速スイッチ94はハンドルポスト12に設けている前後進レバー93とは別に装備されたものである。また、微速スイッチ94の入力と前後進レバー93の入力とが図6に示す制御装置100へは別々に入力され、微速スイッチ94の入力はトラクタ1を低速走行にレバー設定している時にのみ受け付けられ、さらにシートが反転している(後向き)時には微速スイッチ94の入力を前後進レバー93の入力より優先させる構成にしている。
また、微速スイッチ94の操作は、前後進レバー93がニュートラルのときのみ受け付け、微速スイッチ94の操作中は前後進レバー93の入力を受け付けない構成とする。以上の制御フローを図7のフローチャートに示す。
このフローに示すように、微速スイッチ94により前後進が可能としているのはバックホウ9を用いる作業(以下、バックホウ作業という)中は後向きシート8’にオペレータが着席して操作をしているため、この作業中に高速でトラクタ1を前後進させると不測の事態を起こしかねないことと、またバックホウ作業時のトラクタ1はごく僅かに前後進させるだけで十分であり、高速で動かす必要はないことによる。
また、前記微速スイッチ94を用いてトラクタ1を前後進させるときは早い周期でブザーを常時吹き鳴らし、オペレータに注意を喚起することで、さらに安全にバックホウ作業中にトラクタ1を前後進させる構成にしても良い。
さらに、上記構成からなる本実施例のトラクタ1において、バックホウ作業感知センサ25(図6)でバックホウ作業中であることが検出されると、微速スイッチ94がオンされた状態でトラクタ1が主変速が所定の低速位置、例えば第1速及び副変速が最低速で走行中であることを主変速レバー21と副変速レバー22に設けられた主変速第1速・副変速低速感知センサ26a(図6)が検出すると、図8のフローチャートに示すようにトラクタ1を移動可能にしている。このとき、微速スイッチ94のオンにより主変速第1速又は副変速低速の検出と共にエンジン回転数が所定回転数以下であることをエンジン回転数センサ27が検出することで機体の微速移動が可能な構成にしても良い。
これらの制御はオペレータが後向きのシート8’に座って作業中であることを条件として、トラクタ1を前後進可能にして、作業能率を損なわないようにするためである。また、微速スイッチ94がオンされるときに例えば、主変速第1速又は副変速最低速でない場合には警報ブザー28、警告灯などで警告を発して、微速スイッチ94を作動させる作業ができないことをオペレータに知らせる。
また図9には本実施例のトラクタ1の油圧回路の一部を示すが、後輪6bの旋回用のブレーキピストン91L,91Rは、左右の後輪6bのブレーキ装置88L,88Rをそれぞれ独立に作動させるものであり、例えばステアリングハンドル7の操舵角度が一定角度を超えると、後輪6bの内輪側を制動することで自動的に旋回半径を小さくすることができる機能を備えている。
また、本実施例のトラクタ1は、バックホウ作業をしながらでもトラクタ1を前後進走行させている状態で、左右のブレーキ制御バルブ90L,90Rによりブレーキ装置88L,88Rをそれぞれ独立して制動可能であり、左右方向への操舵を行うことができる構成としている。この様な操舵制御を行う意義は次の通りである。
すなわち、トラクタ1の操縦席の後向きシート8’にオペレータが着座してバックホウ作業を行う場合に微速スイッチ94を用いて行うトラクタ1の前後方向への移動だけでは、所定の位置に達することができないときには、微速スイッチ94を左右方向へ傾動させることにより片ブレーキ(左右独立に片方だけの後輪6bにブレーキを掛ける)作用によって、操舵方向の調整を行うことができるようにするためである。
このように本実施例のトラクタ1における左右後輪6bを独立してブレーキ制御しながら、これに前後進制御を関連づけることにより次のような効果がある。
まず、バックホウ9での圃場などで行う溝掘り作業中を含めてトラクタ1停止中には、通常状態では機体の位置ずれ防止のためにアウトリガ40を接地させてトラクタ1を安定させるが、あまり負荷が掛からない程度の作業(例えば浅い溝掘り作業)の場合はアウトリガ40を接地させるための時間を省略することがある。しかし、このときトラクタ1の後輪6bにブレーキが掛かっていない場合には、たとえ軽い負荷であっても機体を安定させた状態で作業ができない。そこで、バックホウ作業中はトラクタ後輪6bに軽いブレーキをかけ、トラクタ1を安定させ軽負荷作業を可能とするものである。
しかし、バックホウ作業は定位置で行うだけではなく、一連の作業が終了するとトラクタ1自体を若干移動させて次の作業に移る必要がある。
そこで、オペレータはバックホウ作業の運転姿勢(トラクタ1本体に対して後向きの姿勢)のまま、走行及び方向変更する場合に前記した左右後輪6b,6bを独立してブレーキを掛ける片ブレーキ制御と前後進制御を関連づけることにより、微速スイッチ94の操作で後輪6bに片ブレーキを掛けることができるので、トラクタ1の方向変更が可能となる。この方向転換にはステアリングハンドル7の操作が不要であるので、オペレータはトラクタ1本体に対して後向きの姿勢のまま迅速に方向変換ができる。
また、アウトリガ40を接地させてトラクタ1の機体を浮かせた状態では前後進クラッチ81F,81Rの付き回りなどで車輪が空転してしまう場合があるが、左右の後輪6bをそれぞれ独立して行うブレーキ制御と前後進制御を関連づけることにより、バックホウ作業中は後輪6bにブレーキをかけることができるため、前記空転を防止できる。
また、前述の微速スイッチ94の操作でトラクタ1を前後進させる時の前後進クラッチ81F,81Rの昇圧制御は微速スイッチ94の操作後、すぐに前記クラッチ81F,81Rを昇圧させずに、1秒程度の出力が遅れる出力ディレーを設けても良い。この場合の制御フローを図10に示す。
この制御は 特に後向きシート8’に着席してバックホウ作業をしているオペレータの安全を図ったものである。この出力ディレーの間はホーン等(できるだけ早い周期のホーン)で注意を喚起することが望ましい。
また、図9の油圧回路に示すように、トラクタ1を走行停止状態でバックホウ作業中には、前後進クラッチ81F,81Rを作動制御する前後進クラッチ制御バルブ92と前後進クラッチ81F,81Rとを接続する油路60a,60bから分岐した予圧ライン61a,61bを設けて、該予圧ライン61a,61bから左右ブレーキピストン91L,91Rにそれぞれ圧油を供給できる構成としている。また、予圧ライン61a,61bには切替バルブ62と逆止弁65を設けており、切替バルブ62は電磁比例バルブ70が作動しない限り予圧ライン61a,61bからブレーキピストン91L,91Rへの圧油供給がなされる方向に開いており、逆止弁65はブレーキピストン91L,91R側から前後進クラッチ81F,81Rに向けて圧油が流れないようになっている。
トラクタ1が走行停止状態では前後進クラッチ81F,81Rには圧油が供給されないので、油圧ポンプ66からの圧油によりメカリリーフバルブ69が開くと前後進クラッチ制御バルブ92の中立油路から圧油が前記予圧ライン61a,61bに供給されるので、左右ブレーキピストン91L,91Rには軽いブレーキが掛かった状態になっている。なおこのとき切替バルブ62のスプリング62aの張力でバルブ62を閉じる方向(図面の右方向)への移動ができない構成になっている。従って、アウトリガ40を接地させていなくても、中立状態でも軽いブレーキ状態にある左右ブレーキピストン91L,91Rにより後輪6bにはブレーキが掛かるのでバックホウ作業等を安定してできる。
また、トラクタ1が走行中はメカリリーフバルブ69の電磁比例バルブ70が電流値iでオンされるとピストン71に掛かる圧力(Pi)は前記電流値iに比例した値となり、メカリリーフバルブ69のリリーフ圧が大きくなり、また切替バルブ62も作動するので、前進クラッチ81F又は後進クラッチ81Rには前記リリーフ圧に比例した高い圧油が供給される。このとき、前進クラッチ81F又は後進クラッチ81Rは前記電流値iに応じて半クラッチ状態から全圧状態までのクラッチ圧を調整できる。
このときメカリリーフバルブ69の電磁比例バルブ70の電流値iに対応した比較的高い圧油が切替バルブ62に供給されて、左ブレーキピストン91L及び/又は右ブレーキピストン91Rがオフとなり後輪6bのブレーキが解除される。
また、第二油圧ポンプ67の作動により操舵用油圧回路68に圧油が供給されるとオービットロール及びパワステアリングシリンダが作動できる構成である。
図11にはオペレータが操縦席の前向きシート8に着座している場合だけでなく後向きシート8’に着座している場合にもトラクタ1の走行制御ができるように、副変速レバー22と四輪駆動レバー23を左フェンダ19Lに配置した場合の斜視図を示す。
前後どちらの向きのシート8,8’に着座しても副変速レバー22と四輪駆動レバー23を操作してトラクタ1を用いる各種作業が可能となり、姿勢を変える手間が省ける。
本発明のトラクタは農作業以外の各種作業用の機械として使用できる。
本発明の実施例のトラクタの左側面図である。 図1のトラクタのトランスミッション内の伝動系の平面図である。 図1のトラクタの左側の後車軸部の平面図である。 図1のトラクタのトランスミッション内の伝動系の左側面図である。 図1のトラクタの微速スイッチの機能を説明する図である。 図1のトラクタの微速スイッチと前後進レバー操作時の制御ブロック図である。 図1のトラクタの微速スイッチと前後進レバー操作時の制御フロー図である。 図1のトラクタのバックホウを用いて軽作業を行う場合の制御フロー図である。 図1のトラクタの前後進クラッチとブレーキピストンの作動用の油圧回路図である。 図1のトラクタの微速スイッチの操作後の前後進クラッチ出力を遅らせる制御フロー図である。 図1のトラクタの操縦席付近の副変速レバーと四輪駆動レバーの配置例を示す斜視図である。
符号の説明
1 トラクタ 2 機体
3 ミッションケース 5 フロア
6a 前輪 6b 後輪
7 ステアリングハンドル 8,8’ 操縦席シート
9 バックホウ 10 フロントローダ
12 ハンドルポスト 17 バケット
17a 回動中心 19R,19L フェンダ
21 主変速レバー 22 副変速レバー
23 四輪駆動レバー 25 バックホウ作業感知センサ
24 ブラケット 26a 主変速第1速・副変速低速感知センサ
27 エンジン回転数センサ 28 警報ブザー
33 支持部材 40 アウトリガ
44 バケット 44a 回動中心
45 第1アーム 46 第2アーム
48 バケットシリンダ 49 第1アームシリンダ
50 第2アームシリンダ 52 第1ブーム
53 第2ブーム 54 ブームシリンダ
55 バケットシリンダ 60a,60b 油路
61a,61b 予圧ライン 62 切替バルブ
62a スプリング 65 逆止弁
66 油圧ポンプ 67 第二油圧ポンプ
68 操舵用油圧回路 69 メカリリーフバルブ
70 電磁比例バルブ 71 ピストン
80 主クラッチ 81 前後進切替装置
81F,81R 前後進クラッチ 82 主変速装置
83 副変速装置 84 ドライブ軸
85 後輪デフ装置 86 前輪デフ装置
87 後車軸 88L,88R ブレーキ装置
89L,89R ブレーキアーム 90L,90R ブレーキ制御バルブ
91L,91R ブレーキピストン 92 前後進クラッチ制御バルブ
93 前後進切替レバー 94 低速走行スイッチ手段(微速スイッチ)
100 制御装置

Claims (3)

  1. 機体(2)の後部に装着自在とした後部作業機(9)と、機体(2)の走行速度を複数の変速位置のいずれかに切り替える主変速装置(82)と前記主変速装置(82)で選択された変速位置に対して、さらに複数の変速位置のいずれかに切り替える副変速装置(83)と機体(2)の進行方向を切り替える前後進切替クラッチ(81)を有する変速機構と、前記主変速装置(82)と副変速装置(83)で選択された変速位置をそれぞれ検知できる変速位置検知手段(26)と、前向き又は後向きにシート(8、8’)を向けることができる操縦席とを備えたエンジン動力により走行する作業車両において、
    前記前後進切替クラッチ(81)の切替操作用の低速走行スイッチ手段(94)を後向きのシート(8’)から操作可能な機体上に配置し、前記後部作業機(9)を用いる作業中であることを感知する作業機作業感知手段(25)を設け、該作業機作業感知手段(25)の感知があり、副変速装置(83)が所定の低速位置に有り、主変速装置(82)が所定の低速位置にあることを変速位置検知手段(26)が検知した状態で、低速走行スイッチ手段(94)の入力があった場合には、前後進切替クラッチ(81)が作動して機体(2)の前進又は後進を可能にする制御装置(100)を設けたことを特徴とする作業車両。
  2. エンジン回転数検知手段(27)を設けておき、該エンジン回転数検知手段(27)がエンジン回転数が所定回転以下であることを検知し、作業機作業感知手段(25)が後部作業機(9)を用いる作業中であることを感知し、副変速装置(83)が所定の低速位置に有り、主変速装置(82)が所定の低速位置にあることを変速位置検知手段(26)が検知した状態で、低速走行スイッチ手段(94)の入力があった場合には、制御装置(100)は前後進切替クラッチ(81)が作動して機体(2)の前進又は後進を可能にする制御を行うことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
  3. 機体(2)の前進方向に向かって左右一対の車輪(6b,6b)をそれぞれ制動する左右一対のブレーキ装置(88L,88R)と該左右一対のブレーキ装置(88L,88R)をそれぞれ作動させる左右一対のブレーキ制御バルブ(90L,90R)を設け、作業機作業感知手段(25)が後部作業機(9)を用いる作業中であることを感知すると、制御装置(100)は低速走行スイッチ手段(94)の入力により前記ブレーキ制御バルブ(90L,90R)のいずれかを作動させて、対応するブレーキ装置(88L,88R)のいずれかを独立して操作可能な構成にしたことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
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