JP2009051259A - 作業車両用独立型サスペンションの制御機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】左右独立したサスペンション23・23にそれぞれ設けられたサスペンションシリンダ27・27を連通接続する第一油路50と、サスペンション23・23に加わる衝撃を吸収するアキュムレータ51・51と、を連通接続する第二油路52を、ブレーキペダル12R・12Lの操作と連動して作動するサスペンションロック切換電磁弁53により遮断することで、サスペンションシリンダ27・27の伸縮が不可能となり、トラクタ1が減速する場合に発生するノーズダイブを抑制することができる。
【選択図】図4
Description
なお、本発明に係る作業車両は本実施例で説明する農業用車両であるトラクタに限らず、ローダやバックホー等の建設機械等の作業車両にも利用可能である。
また、以下の説明では図中の矢印F方向を、トラクタ1の前方として説明する。
ミッションケース14の左右両側面からは、左右両方向へ凸設された後車軸15・15を介して後輪4・4が取り付けられている。エンジン6からの動力は前記トランスミッションにより変速されると共に機体前後方向へと分配される。機体後方へ分配された動力は、後車軸15・15を介して後輪4・4に伝達される。
なお、図2に示すように、本実施例におけるサスペンション機構20はダブルウィッシュボーン式のサスペンションであるが、本発明はこれに限るものではなく、例えばマクファーソンストラット式等の独立型サスペンションであっても良い。
センターケース21は、機体フレーム2の前下部に固設されている。
サスペンション23・23は、それぞれ機体フレーム2及びセンターケース21の左右に設けられている。
なお、機体左右のサスペンション23・23は互いに同様の構成であるので、以下では機体右側のサスペンション23の構成についてのみ説明する。
ロアアーム25は、平面視略A字状の部材である。ロアアーム25の一端は、センターケース21の右下部に機体前後方向に設けられた穿孔に回転可能に取り付けられている。ロアアーム25の他端は、ジョイント26の下部に回転可能に取り付けられている。
機体左右へ分配された動力は、前輪駆動軸30及びユニバーサルジョイント31を介して最終減速装置32へ伝達される。最終減速装置32は、ジョイント26の右側面に回動可能に設けられている。前輪3は最終減速装置32に固設されており、最終減速装置32で減速された動力により、前輪3が駆動される。
第一油路50とアキュムレータ51・51とを連通接続することにより、前輪3・3が地面より受ける衝撃をサスペンションシリンダ27・27、第一油路50、第二油路52を介してアキュムレータ51・51に伝達し、吸収することができる。
なお、本実施例に係る油圧回路においては、アキュムレータ51を2つ設けるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。つまり、油圧回路に用いるアキュムレータ51は1つ若しくは3つ以上でも良く、サスペンションとしての衝撃吸収等の機能を十分に果たすことができるだけの容量が確保されていれば良い。
また本実施例においては、前記油路遮断手段として電磁力により操作される電磁弁を用いるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えばモーター等により機械的に操作されるものであっても良い。この場合、前記モーターはコントローラ100と接続され、コントローラ100の指令により作動する。また、メンテナンス時や作業等に応じて手動で強制的に切り換える構成とすることもできる。
圧力補償型流量制御弁65は、絞り66、チェック弁67、スプール等から構成されている。
上昇電磁弁63が切り換えられ、作動油がミッションケース14から第一油路50へ圧送される場合、作動油は圧力補償型流量制御弁65のチェック弁67及び下降電磁弁64を通過し、第一油路50へと流入する。
上昇電磁弁63がノーマル位置で下降電磁弁64が切り換えられ、作動油が第一油路50から圧力補償型流量制御弁65を介してミッションケース14へと戻る場合、絞り66の前後の圧力差によって前記スプールが移動して圧力補償型流量制御弁65内の油路面積が変化する。つまり、圧力差が大きい場合には油路面積は縮小し、圧力差が小さい場合には油路面積は拡大する。この圧力補償型流量制御弁65の作動により、絞り66の前後の圧力差が変動しても作動油の流量を一定に保つことが可能となる。
図3に示す状態において、上昇電磁弁63及びアンロード用電磁弁68が切り換えられると、作動油は第三油路61を介してミッションケース14から第一油路50へと圧送される。これにより、トラクタ1の機体前方の車高を上昇させることができる。
図3に示す状態において、下降電磁弁64が切り換えられると、作動油は第三油路61を介して第一油路50からミッションケース14へと流出する。これにより、トラクタ1の機体前方の車高を下降させることができる。
また、第一油路50の中途部には、圧力計75が設けられている。圧力計75は、調整や不具合発生の確認等に用いられる。
ポジションセンサ101により検出されたサスペンションシリンダ27のロッドの伸び量をモニター等の出力機器に表示することで、現在のサスペンションシリンダ27の伸び量を確認することができる。また、ポジションセンサ101を、油圧回路内に設けられた電磁弁を制御する制御手段に接続することで、予め前記制御手段に記憶されたプログラムとポジションセンサ101の伸び量とに基づいて自動的に電磁弁を制御することも可能となる。
ブレーキセンサ102Rはブレーキペダル12Rの、ブレーキセンサ102Lはブレーキペダル12Lの、操作をそれぞれ検知する。ブレーキセンサ102R・102Lは、オペレータがブレーキペダル12R・12Lを踏み込んだ事を検知した場合、それぞれ検知信号SR・SLをコントローラ100に送信する。
また、ブレーキセンサ102R・102Lがブレーキペダル12R・12Lを踏み込まれたと検知するために必要なブレーキペダル12R・12Lの踏み込み量(ストローク)は、ブレーキセンサとして用いるセンサの種類や取り付け位置により所望のストロークに設定することができる。従って、実験等によりアンチダイブを抑制するのに最適なストロークを予め決定し、最適なストロークでブレーキセンサがブレーキペダルの操作を検知するよう構成することができる。
また、ブレーキセンサ102R・102Lは、角度センサで構成してブレーキペダル12R・12Lの回動基部に配置し、踏み込み量と踏み込み操作速さを検知するように構成してもよい。また、連結金具によりブレーキペダル12R・12Lを連結した場合にはブレーキセンサ102R・102Lのいずれか一方のみ検知するように構成してもよい。
コントローラ100は、検知信号SR及びSLを共に受信した場合、即ちオペレータがブレーキペダル12R及び12Lを共に踏み込んだ場合に、サスペンションロック切換電磁弁53を切り換える制御信号Cをサスペンションロック切換電磁弁53に送信する。
この場合、トラクタ1が地面より受ける衝撃は、サスペンションシリンダ27・27、第一油路50、第二油路52を介してアキュムレータ51・51により吸収される。これにより、トラクタ1の乗り心地や操縦安定性を向上することが可能となる。
コントローラ100は、S110において検知信号SRを受信していると判断した場合、ブレーキセンサ102Lから検知信号SLを受信しているか判断する(S120)。
コントローラ100は、S120において検知信号SLを受信していると判断した場合、サスペンションロック切換電磁弁53に制御信号Cを送信する(S130)。制御信号Cによりサスペンションロック切換電磁弁53は切り換えられ、第二油路52を遮断する(図4(b)参照)。
本実施例において、コントローラ100は検知信号SRを受信している場合に検知信号SLを受信しているか判断するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、コントローラ100は検知信号SLを受信している場合に検知信号SRを受信しているか判断するものであっても良い。つまり、コントローラ100は検知信号SR及びSLが同時に受信された場合に制御信号Cを送信するものであれば、その検知信号SR及びSLの判断の順序は問わない。
また、ブレーキペダル12R・12Lの操作速度が設定速度よりも速い場合(急ブレーキ操作時)に、サスペンションロック切換電磁弁53に制御信号Cを送信するように構成することもできる。つまり、急ブレーキの場合サスペンションロックを行い機体の変動を小さくし、ゆっくりブレーキペダルを踏んで徐々に停止する場合には機体の変動は大きくならないためにサスペンションロックを行わないようにするのである。
また、本実施例に加えて後述する車速検知手段による減速時にもサスペンションロック切換電磁弁53を切り換えるように構成することもできる。
この場合、オペレータによるブレーキペダル12R・12Lの操作によるトラクタ1の減速により前輪に加わる荷重が増加し、サスペンションシリンダ27・27に加わる荷重が増加してもアキュムレータ51・51へと作動油が流入することがなくなり、サスペンションシリンダ27・27が縮むことはない。つまり、トラクタ1の姿勢が前下がりになる現象(ノーズダイブ)を抑制することができ、オペレータの乗り心地や操縦安定性を向上することができる。
前輪3・3の平均回転数RMより車速Vを算出するのは、差動装置22の機能により左右の前輪3・3の回転数が異なる場合があるためであるが、本発明はこれに限るものではない。つまり、ノーズダイブの抑制に対し前輪3・3の回転数差の影響が少ない場合は、左右どちらか一方の回転数から車速Vを算出することも可能である。
この場合、トラクタ1の機体前方向を正方向と定義して算出する。
ここで、設定値AEは実験や数値計算等により予め決定される値である。設定値AEは負の加速度(減速方向の加速度)であり、ノーズダイブを抑制する必要のある加速度を定めた閾値である。つまり、設定値AE以下の加速度においては、トラクタ1にノーズダイブが発生するため、ノーズダイブ抑制のためにサスペンションロック切換電磁弁53を切り換える必要がある。
この場合、トラクタ1の減速により前輪3・3に加わる荷重が増加し、サスペンションシリンダ27・27に加わる荷重が増加してもアキュムレータ51・51へと作動油が流入することがなくなり、サスペンションシリンダ27・27が縮むことはない。つまり、トラクタ1のノーズダイブを抑制することができ、オペレータの乗り心地や操縦安定性を向上することができる。
また、トラクタ1の加速度Aを用いてサスペンションロック切換電磁弁53を制御することにより、トラクタ1が後進する場合の機体前方の沈み込みを抑制することもできる。即ち、トラクタ1が後進する場合も前輪3・3に加わる荷重は増加するが、加速度Aが設定値AEを下回る場合は、コントローラ100がサスペンションロック切換電磁弁53を切り換えるため、機体前方の沈み込みを抑制することができる。
トラクタ1に用いられる独立型サスペンションの制御機構であって、
左右独立したサスペンション23・23にそれぞれ設けられたサスペンションシリンダ27・27を連通接続する第一油路50と、
サスペンション23・23に加わる衝撃を吸収するアキュムレータ51・51と、
第一油路50とアキュムレータ51・51とを連通接続する第二油路52と、
第二油路52の中途部に設けられ第二油路52を遮断することが可能なサスペンションロック切換電磁弁53と、
トラクタ1に具備されたブレーキペダル12R・12Lの操作を検知するブレーキセンサ102R・102Lと、
サスペンションロック切換電磁弁53及びブレーキセンサ102R・102Lが接続されたコントローラ100と、
を具備し、
コントローラ100によりブレーキペダル12R・12Lの操作に連動してサスペンションロック切換電磁弁53を切り換えることが可能なものである。
このように構成することにより、トラクタ1に具備されたブレーキペダル12R・12Lの操作に連動して、サスペンション23・23に設けられたサスペンションシリンダ27・27とアキュムレータ51・51とを連通接続する第二油路52を遮断することができる。
従って、トラクタ1をブレーキペダル12R・12Lの操作により減速させる際に、サスペンションシリンダ27・27が縮むことによるノーズダイブを抑制することができ、オペレータの乗り心地や操縦安定性を向上することができる。
トラクタ1に用いられる独立型サスペンションの制御機構であって、
左右独立したサスペンション23・23にそれぞれ設けられたサスペンションシリンダ27・27を連通接続する第一油路50と、
サスペンション23・23に加わる衝撃を吸収するアキュムレータ51・51と、
第一油路50とアキュムレータ51・51とを連通接続する第二油路52と、
第二油路52の中途部に設けられ第二油路52を遮断することが可能なサスペンションロック切換電磁弁53と、
トラクタ1の車速を検知する回転数検知手段103R・103Lと、
サスペンションロック切換電磁弁53及び回転数検知手段103R・103Lが接続されたコントローラ100と、
を具備し、
トラクタ1の車速が一定時間内に一定値以上減少した場合にサスペンションロック切換電磁弁53を切り換えることが可能なものである。
このように構成することにより、トラクタ1の車速が一定時間内に一定値減少した場合に、サスペンション23・23に設けられたサスペンションシリンダ27・27とアキュムレータ51・51とを連通接続する第二油路52を遮断することができる。
従って、トラクタ1が減速する際に、サスペンションシリンダ27・27が縮むことによるノーズダイブを抑制することができ、オペレータの乗り心地や操縦安定性を向上することができる。
20 サスペンション機構
23 サスペンション
27 サスペンションシリンダ(油圧シリンダ)
50 第一油路
51 アキュムレータ
52 第二油路
53 サスペンションロック切換電磁弁(第二油路遮断手段)
100 コントローラ
102R ブレーキセンサ(ブレーキ操作検知手段)
102L ブレーキセンサ(ブレーキ操作検知手段)
Claims (2)
- 作業車両に用いられる独立型サスペンションの制御機構であって、
左右独立したサスペンションにそれぞれ設けられた昇降用の油圧シリンダを連通接続する第一油路と、
前記サスペンションに加わる衝撃を吸収するアキュムレータと、
前記第一油路と前記アキュムレータとを連通接続する第二油路と、
前記第二油路の中途部に設けられ前記第二油路を遮断することが可能な第二油路遮断手段と、
前記作業車両に具備されたブレーキペダルの操作を検知するブレーキ操作検知手段と、
前記第二油路遮断手段及び前記ブレーキ操作検知手段が接続された制御手段と、
を具備し、
前記制御手段により前記ブレーキペダルの操作に連動して前記第二油路遮断手段を切り換えることが可能な
作業車両用独立型サスペンションの制御機構。 - 作業車両に用いられる独立型サスペンションの制御機構であって、
左右独立したサスペンションにそれぞれ設けられた昇降用の油圧シリンダを連通接続する第一油路と、
前記サスペンションに加わる衝撃を吸収するアキュムレータと、
前記第一油路と前記アキュムレータとを連通接続する第二油路と、
前記第二油路の中途部に設けられ前記第二油路を遮断することが可能な第二油路遮断手段と、
前記作業車両の車速を検知する車速検知手段と、
前記第二油路遮断手段及び前記車速検知手段が接続された制御手段と、
を具備し、
前記作業車両の車速が一定時間内に一定値以上減少した場合に前記第二油路遮断手段を切り換えることが可能な
作業車両用独立型サスペンションの制御機構。
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JP2007217531A JP2009051259A (ja) | 2007-08-23 | 2007-08-23 | 作業車両用独立型サスペンションの制御機構 |
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