JP4730139B2 - 電子部品実装装置および電子部品実装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品を移載ヘッドによって基板に移送搭載する電子部品実装装置および電子部品実装方法に関するものである。
電子部品を基板に実装する電子部品実装装置には、電子部品を収納するテープフィーダなどのパーツフィーダが多数並設された部品供給部が設けられており、これらのパーツフィーダから移載ヘッドによって電子部品をピックアップして基板上に移送搭載する部品搭載動作が繰り返し行われる。この部品搭載動作においては、移載ヘッドの移動動作中に行われる部品認識結果に基づいて、移載ヘッドの各吸着ノズルに保持された電子部品のノズル軸廻りの回転方向位置を正しく合わせる回転補正が実行される(例えば特許文献1参照)。この特許文献に示す例では、移載ヘッドは複数の吸着ノズルを備え、これらの吸着ノズルを共通単一の駆動源によってノズル軸廻りに回転させる構成を採用している。このような構成により、1つの移載ヘッドに多数の吸着ノズルを配置する構成において、駆動機構を簡略化することができるという利点がある。
特開平7−154097号公報
ところで上述のような構成の従来装置においては、部品実装を効率化する上で次のような課題が生じていた。すなわち、実装効率向上のためには移載ヘッドにできるだけ多数の電子部品を一括して保持させ、しかも極力短い動作タクトで部品搭載動作を実行させることが望ましい。このため部品搭載動作において実行される回転補正をできるだけ短時間で行うことが求められる。
しかしながら、上述のような複数の吸着ノズルを単一の駆動源で駆動させる方式においては、1つの吸着ノズルに保持された電子部品を対象とした回転補正によって全ての吸着ノズルが同時に回転することから、移載ヘッドに保持された複数の電子部品を基板に順次搭載する過程において、各電子部品は複数回の回転動作の対象となる。
電子部品は一般に吸着ノズルに真空吸着によって保持されるため、必ずしも強固に保持されているとは限らない。例えば、電子部品の吸着面の特性によっては真空リークを生じた状態で保持されるような場合があり、このような場合には、移載ヘッドの移動時やノズル軸廻りの回転時に衝撃や振動などによって電子部品の位置ずれを生じやすい。このような位置ずれは、ノズルに保持された電子部品に対して作用する回転動作の作用時間や加速度が大きいほど顕著となる。このため、複数の電子部品を一括して保持し共通単一の駆動源によって複数の吸着ノズルを回転させる構成の電子部品実装装置においては、回転位置補正を効率よく且つ高精度で行うことが困難であるという課題があった。
そこで本発明は、複数の電子部品を一括して保持し単一の駆動源によって複数の吸着ノズルを回転させる構成の電子部品実装装置において、回転位置補正を効率よく且つ高精度で行うことができる電子部品実装装置および電子部品実装方法を提供することを目的とする。
本発明の電子部品実装装置は、複数の吸着ノズルを有する移載ヘッドによって部品供給部から電子部品を真空吸着により保持して取り出し、基板に移送搭載する電子部品実装装
置であって、前記移載ヘッドを前記部品供給部と基板との間で移動させるヘッド移動手段と、前記移載ヘッドに設けられ前記複数の吸着ノズルを個別に昇降させるノズル昇降手段および前記複数の吸着ノズルを単一の駆動源によってそれぞれのノズル軸廻りに一括して回転させるノズル回転手段と、前記複数の吸着ノズルに保持された状態における電子部品の前記ノズル軸廻りの回転方向の位置ずれを示すθ位置ずれを各吸着ノズル毎に検出する回転位置ずれ検出手段と、前記回転位置ずれ検出手段の検出結果に基づき、前記ヘッド移動手段、ノズル昇降手段およびノズル回転手段を制御することにより、前記移載ヘッドが前記基板へ移動して前記各吸着ノズルに保持された電子部品を前記基板の複数の実装点に各吸着ノズル毎に順次搭載する部品搭載動作を制御するとともに、前記複数の吸着ノズルのうちの1つによって電子部品を基板に搭載する単位搭載動作毎に前記θ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、保持した電子部品の前記θ位置ずれを補正するために各吸着ノズル毎に必要とされる回転補正量または移載ヘッドが1つの実装点から次の実装点に移動する移動所要時間に応じて許容される各吸着ノズル毎のθ補正動作時間と前記回転補正量に基づき各吸着ノズル毎に算出されるノズル軸廻りの角加速度に基づいて、前記複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定する
本発明の電子部品実装方法は、複数の吸着ノズルを有する移載ヘッドを部品供給部と基板との間で移動させるヘッド移動手段と、前記移載ヘッドに設けられ前記複数の吸着ノズルを個別に昇降させるノズル昇降手段および前記複数の吸着ノズルを単一の駆動源によってノズル軸廻りに一括して回転させるノズル回転手段と、前記複数の吸着ノズルに保持された状態における電子部品の前記ノズル軸廻りの回転方向の位置ずれを示すθ位置ずれを各吸着ノズル毎に検出する回転位置ずれ検出手段とを備えた電子部品実装装置によって、複数の電子部品を前記部品供給部から真空吸着により取り出して基板に移送搭載する電子部品実装方法であって、
前記回転位置ずれ検出手段による検出結果に基づき、前記ヘッド移動手段、ノズル昇降手段およびノズル回転手段を制御することにより、前記移載ヘッドが前記基板へ移動して前記各吸着ノズルに保持された電子部品を前記基板の複数の実装点に各吸着ノズル毎に順次搭載する部品搭載動作を制御するとともに、前記複数の吸着ノズルのうちの1つによって電子部品を基板に搭載する単位搭載動作毎に前記θ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する搭載動作制御に際し、保持した電子部品の前記θ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量に基づいて、前記複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定する
本発明によれば、移載ヘッドが各吸着ノズルに保持された電子部品を基板の複数の実装点に順次搭載する部品搭載動作において、複数の吸着ノズルによる部品搭載動作およびθ補正動作を制御する部品搭載動作制御に際し、θ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量または移載ヘッドが1つの実装点から次の実装点に移動する移動所要時間に応じて許容される各吸着ノズル毎のθ補正動作時間と前記回転補正量に基づき各吸着ノズル毎に算出されるノズル軸廻りの角加速度に基づいて、各吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定することにより、θ補正動作時の電子部品の位置ずれを極小にして、回転位置補正を効率よく且つ高精度で行うことができる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッド
の斜視図、図3は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッドの部分斜視図、図4は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図、図5は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置における電子部品のθ位置ずれの説明図、図6、図7は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における搭載実行順序およびθ補正動作の回転補正量の決定方法を示す説明図、図8は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における吸着ノズル毎の累計回転量を示すグラフ、図9は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法におけるθ補正動作の速度パターンの説明図である。
まず図1を参照して電子部品の実装装置の全体構造について説明する。図1において、基台1には搬送路2がX方向(基板搬送方向)に配設されており、搬送路2は電子部品が実装される基板3を搬送し位置決めする。搬送路2の両側方には部品供給部4が配設されており、部品供給部4にはテープフィーダ5が複数並設されている。テープフィーダ5は電子部品を保持したキャリアテープをピッチ送りすることにより、以下に説明する移載ヘッドによるピックアップ位置に電子部品を供給する。
基台1のX方向の両端部には、Y軸テーブル6が配設されており、Y軸テーブル6にY方向に移動自在に結合されたX軸テーブル7には、複数の吸着ノズルを有する移載ヘッド8が装着されている。Y軸テーブル6、X軸テーブル7を駆動することにより、移載ヘッド8はX方向、Y方向へ移動し、部品供給部4から電子部品を真空吸着により取り出して、搬送路2に位置決めされた基板3に移送搭載する。Y軸テーブル6、X軸テーブル7は、移載ヘッド8を部品供給部4と基板3との間で移動させるヘッド移動手段となっている。
搬送路2と部品供給部4の間には電子部品認識用のラインセンサを備えた部品カメラ10が配設されており、部品供給部4から電子部品をピックアップした移載ヘッド8が部品カメラ10上を通過する際に、部品カメラ10は電子部品を下方から撮像する。そして得られた撮像データを部品認識部37(図4)によって認識処理することにより、電子部品の認識が行われる。これにより、移載ヘッド8の各吸着ノズルに保持された状態における電子部品の位置認識が行われ、電子部品のXY方向の位置ずれとともに、ノズル軸廻りの回転方向の位置ずれが検出される。すなわち、部品カメラ10および部品認識部37は、複数の吸着ノズルに保持された状態における電子部品のノズル軸廻りの回転方向の位置ずれを示すθ位置ずれを各吸着ノズル毎に検出する回転位置ずれ検出手段として機能する。
次に図2、図3を参照して移載ヘッド8について説明する。図2に示すように、移載ヘッド8は複数の吸着ノズルが一体的に移動する多連型ヘッドであり、共通の垂直なベース部9に吸着ノズルを昇降機構および吸引機構とともに一体化した吸着ノズルユニット12を複数並設した構造となっている。本実施の形態に示す例では、4個の吸着ノズルユニット12をX方向(テープフィーダ5の並設方向)に直列に配列して成るノズル列L1,L2(図3(a)参照)を、Y方向に2列並設した配置となっている。ノズル列L1,L2には、それぞれノズル番号N1,N2,N3,N4およびノズル番号N5,N6,N7,N8の4つの吸着ノズル25が装着されている。
ベース部9の側面には箱形状の上部フレーム14および変断面形状の下部フレーム18が固設されている。下部フレーム18には、移載ヘッド8とともに移動する基板カメラ17が撮像面を下向きにして配設されており、移載ヘッド8が基板3上に移動したタイミングにおいて、基板カメラ17は基板3を撮像する。この撮像結果を基板認識部36によって認識処理することにより、基板3の位置が認識される。
上部フレーム14の上面には、吸着ノズルユニット12を構成するノズル昇降モータ13が垂直に配設されている。ノズル昇降モータ13の回転は上部フレーム14の下方に設
けられた昇降機構15に伝達され、ここでノズル昇降モータ13の回転運動が昇降軸部材16の上下動に変換される。これらのノズル昇降モータ13を個別に制御することにより、移載ヘッド8の複数の吸着ノズルを、個別にストローク可変に昇降させることができるようになっている。ノズル昇降モータ13および昇降機構15は、移載ヘッド8に設けられ複数の吸着ノズルを個別に昇降させるノズル昇降手段となっている。
昇降軸部材16には軸回転部19が設けられており、下部フレーム18に固設されたノズル回転モータ20によって、上下2段に調帯された無端ベルト21a,21bを介して軸回転部19に回転が伝達される。図3(a)に示すように、軸回転部19は、ノズル列L1に属する軸昇降部材16に、無端ベルト21aによって駆動される従動プーリ26aおよびアイドラプーリ27aを、またノズル列L2に属する軸昇降部材16に、無端ベルト21bによって駆動される従動プーリ26bおよびアイドラプーリ27bを結合した構成となっている。従動プーリ26a、26bは軸昇降部材16と一体に回転し、アイドラプーリ27a、27bは軸昇降部材16に対して相対回転自在となっている。
無端ベルト21a,21bはいずれもノズル回転モータ20の回転軸と結合された駆動プーリ28によって駆動され、それぞれ従動プーリ26a、26bに回転を伝達する。このベルト駆動において、アイドラプーリ27a、27bは、それぞれ無端ベルト21a,21bを駆動対称軸の配置に合わせて周回させ、ガイドプーリ29とともにガイドする。ノズル回転モータ20を駆動することにより、ノズル列L1に属する複数の軸昇降部材16およびノズル列L2に属する複数の軸昇降部材16は、それぞれ無端ベルト21a、21bを介して回転駆動され、同期して回転する。
すなわち上記機構により、ノズル回転モータ20を駆動源としてノズル列L1、ノズル列L2に属する複数の吸着ノズル25は一括して回転駆動される。したがって、ノズル回転モータ20、軸回転部19、無端ベルト21a、21bは、複数の吸着ノズル25を単一の駆動源であるノズル回転モータ20によってそれぞれのノズル軸廻りに一括して回転させるノズル回転手段となっている。
昇降軸部材16の下端部は、スイベルジョイント部22を挿通してノズルヘッド23と結合されており、ノズルヘッド23には反射板24を備えた吸着ノズル25が着脱自在に装着される。スイベルジョイント部22は真空吸引装置(図示省略)に接続されており、スイベルジョイント部22から真空吸引することにより、ノズルヘッド23のノズル軸廻りの回転を許容しながら吸着ノズル25の下端部から真空吸引する。そして下端部に電子部品が当接した状態で真空吸引することにより、吸着ノズル25は電子部品を吸着保持する。反射板24は、部品カメラ10による撮像時に、下方から照射される照明光を反射して、吸着ノズル25に保持された電子部品を透過照明する。
次に図4を参照して、制御系の構成を説明する。本体制御部30は全体制御装置であり、以下に説明する各部の処理や動作を統括して制御する。記憶部31は各部の制御に必要なプログラムやデータを記憶する。搭載動作制御部32は移載ヘッド8に備えられた複数の吸着ノズル25によってよって部品供給部4から電子部品を真空吸着により取り出して、基板3の複数の実装点に各吸着ノズル毎に順次移送搭載する部品搭載動作を制御する。
θ補正演算部33は、この部品搭載動作制御において、前述の回転位置ずれ検出手段によって検出されたθ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御するのに必要な回転補正量や適正な部品搭載順序を決定するための演算処理を行う。すなわちθ補正演算部33を備えた搭載動作制御部32は、上述の部品搭載動作を制御するとともに、θ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する制御手段となっている。
ヘッド駆動部34は、移載ヘッド8に備えられたノズル昇降モータ13、ノズル回転モータ20を駆動する。認識制御部35は、基板カメラ17によって取得された画像の認識処理を行う基板認識部36および部品カメラ10によって取得した画像の認識処理を行う部品認識部37を制御する。これにより、図5(a)に示すように、移載ヘッド8の吸着ノズル25に保持された状態における電子部品Pのノズル軸廻りの位置ずれθ(n)が各吸着ノズル毎に検出される。
この検出結果を認識制御部35がデータ処理することにより、図5(b)に示すように、正規状態(基板搭載状態を基準とする)における電子部品の回転方向位置とのずれ角度を各ノズル番号毎に示すθ位置ずれデータが求められる。このθ位置ずれデータに基づいて、θ補正演算部33はθ補正動作のために必要な演算処理を行い、搭載動作制御部32はこの演算結果を用いて部品搭載動作およびθ補正動作を制御する。
XY駆動部38は、移載ヘッド8をX方向に移動させるX軸テーブル7に備えられたX軸モータ7M、Y方向に移動させるY軸テーブルに備えられたY軸モータ6Mを駆動する。フィーダ制御部39は、部品供給部4に配置されたテープフィーダ5の動作、すなわち内蔵されたテープ送り機構の動作を制御する。
次に、本実施の形態に示す電子部品実装方法におけるθ補正動作について説明する。移載ヘッド8が部品供給部4から電子部品を取り出した後において、吸着ノズル25に吸着保持された電子部品は必ずしも一定の正しいθ方向位置で保持されているとは限らない。テープフィーダ5によって供給される電子部品の姿勢のばらつきや、吸着ノズル25によるピックアップ動作時の位置ずれなどによって、吸着保持状態における電子部品の回転方向位置にはばらつきが存在する。
基板3へ電子部品を搭載する際には、XY方向位置とともにθ方向位置も正しく位置合わせする必要があるため、前述のように、部品カメラ10によって電子部品を認識することにより、各吸着ノズル25に吸着保持された状態におけるθ方向位置を検出し、この検出結果に基づいて吸着ノズル25を回転させて回転方向の位置を合わせるθ補正が実行される。
電子部品の位置認識においては、図5(a)に示すように、吸着ノズル25に保持された電子部品Pの基準方向(ここでは機械座標系のX方向となす角度が0°の方向を基準方向と定義する。)に対するθ方向位置を示すθ位置ずれが検出され、ノズル番号Nn毎のθ位置ずれθnとして求められる。なお、ここでは反時計回り方向を正方向と定義している。そして前述のように、θ位置ずれはノズル毎にばらついており、例えば図5(b)に示すような分布となる。ここで、ノズル番号N4,N6については、基準方向から負方向に位置ずれした例が示されている。
次に図6,図7を参照して、このようなノズル毎に異なる状態の回転位置ずれを有する移載ヘッド8によってこれら複数の電子部品を基板に順次実装する際のθ補正動作の詳細について説明する。図6、図7は、図5(b)に示す位置ずれ分布を有する移載ヘッド8の各ノズルに必要とされる回転補正量θを、複数の吸着ノズル25の1つについて実行される単位搭載動作のタイミング毎に動的に示すものである。θniは、ノズル番号Nn(n=1〜8)に保持された電子部品についての、i番目(i=0〜7)の部品搭載動作後の状態における回転補正量を示している。
前述のように本実施の形態に示す移載ヘッド8においては、複数の吸着ノズル25の回転駆動を単一のノズル回転モータ20によって行う構成を採用しているため、各吸着ノズル毎にθ位置ずれ量が異なる場合に単一のθ補正動作で全ての吸着ノズル25について回
転位置補正を行うことはできない。すなわち1つの吸着ノズル25についてθ補正動作を実行すると他の吸着ノズル25も同時に回転することから、各吸着ノズル25についての単位搭載動作を順次実行する過程において、θ補正動作をその都度実行する必要がある。
このような場合、予め定められた実装シーケンスに従って単位搭載動作を順次実行すると、各吸着ノズル25毎の位置ずれ分布によっては吸着ノズル25を不必要に大角度で回転させる無駄な動作を発生させてしまい、結果としてθ補正動作中での電子部品Pの吸着ノズル25に対する位置ずれを誘発するおそれがある。このような事態の発生を防止するため、本実施の形態に示す電子部品実装方法においては、以下に説明する方法によって複数の吸着ノズル25にランダムな位置ずれ状態で保持された電子部品を極力無駄な回転動作に曝すことなくθ補正動作を行って、基板に実装するようにしている。
まず図6(a)は、移載ヘッド8による部品搭載動作を開始する前のタイミングにおける各吸着ノズル25毎の回転補正量θを示している。ここでノズル番号N1〜N8のうち、ノズル番号N5に保持された電子部品は、基板3において90°方向に実装される部品であるため、当該吸着ノズル25については図5(b)に示すθ5ではなく、90°−θ5が、θ50に該当する。そのほかのノズル番号N1、N2、N3、N4、N6,N7,N8については、θ10,θ20,θ30,θ40,θ60,θ70,θ80は、それぞれ図5(b)に示すθ1,θ2,θ3,θ4,θ6,θ7,θ8に等しい。
そして搭載実行順序を動的に決定するに際しては、これらの吸着ノズル25のうち、最も回転補正量が小さい電子部品を保持しているものを当該単位搭載動作における搭載実行ノズルとする。すなわち、図6(a)に示す例ではθ20が最も小さく、したがってノズル番号N2の吸着ノズル25が搭載実行ノズルとして指定され、θ20をゼロとするためのθ補正動作が実行される。このθ補正動作においては、全ての吸着ノズル25がθ20だけ時計回りに回転するため、ノズル番号N2の吸着ノズル25について部品搭載動作を実行した後には、N2以外の各ノズル番号における回転補正量は、図6(b)に示すθ11,θ31,θ41,θ61,θ71,θ81に変化する。
次いでこの状態を対象として次の単位搭載動作に移行し、同様に残りの吸着ノズル25のうち、最も回転補正量が小さい電子部品を保持している吸着ノズル25を搭載実行ノズルとする。すなわち、図6(b)に示す例ではθ31が最も小さく、したがってノズル番号N3の吸着ノズル25が搭載実行ノズルとして指定され、θ31をゼロとするためのθ補正動作が実行される。このθ補正動作においては、全ての吸着ノズル25がθ31だけ時計回りに回転するため、ノズル番号N3について部品搭載動作を実行した後には、N2,N3以外の各ノズル番号における回転補正量は、図6(c)に示すθ12,θ42,θ62,θ72,θ82に変化する。
そしてこの後、同様にθ補正動作を実行しながら単位搭載動作が残りの吸着ノズル25について順次実行される。すなわち、図6(d)、図7(a)は、それぞれノズル番号N7,N6の吸着ノズル25を対象として単位搭載動作を実行した後の回転補正量を示しており、次いでノズル番号N8の吸着ノズル25についてθ補正動作を行うことにより、図7(b)に示す回転補正量の分布となる。ここではノズル番号N4,N5,N6の吸着ノズル25のみに電子部品が保持されており、後続する単位搭載動作においては、これらを対象として、ノズル番号N6,N4,N5の順で、θ補正動作が実行される。
すなわち、図7(b)に示す時点では、最も回転補正量が小さいθ65をゼロにするために各吸着ノズル25を反時計回りに回転させ、図7(c)に示すタイミングでは、同様にθ46をゼロにするために各吸着ノズル25を反時計回りに回転させる。これにより、図7(d)に示すように、移載ヘッド8にはノズル番号N5の吸着ノズル25にのみ電子
部品が保持された状態となる。そして最終のθ補正動作として、ノズル25を90°に近い大角度の回転補正量θ57だけ反時計回りに回転させ、当該電子部品を所定の実装角度に合わせて基板3へ搭載する。
すなわち、本実施の形態に示す電子部品実装装置は、回転位置ずれ検出手段の検出結果に基づき、ヘッド移動手段、ノズル昇降手段およびノズル回転手段を制御することにより、移載ヘッド8が基板3へ移動して各吸着ノズル25に保持された電子部品を基板3の複数の実装点に順次搭載する部品搭載動作を制御するとともに、単位搭載動作毎にθ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する制御手段としての搭載動作制御部32を備えた構成となっている。
そして搭載動作制御部32は、単位搭載動作を各吸着ノズルについて順次実行する過程において、保持した電子部品のθ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量に基づいて、すなわち回転補正量が最も小さい電子部品を保持した吸着ノズルに部品搭載動作を行わせるように、部品搭載順序の決定や各吸着ノズルについてのθ補正動作を制御する。この搭載動作制御において、θ補正演算部33は、各単位搭載動作においてθ補正動作に必要な回転補正量を算出する演算処理(図6,図7に示す処理)を行い、搭載動作制御部32はこれら演算結果に基づいて上述の各部を制御する。
このような方法を採用することは、複数の吸着ノズル25によって保持した電子部品を各吸着ノズル25毎にθ補正動作を実行しながら順次基板に実装する電子部品実装方法において、電子部品を位置ずれなく安定して基板に搭載する上で以下のような意義を有する。吸着ノズル25による電子部品の吸着保持においては、電子部品は吸着ノズル25に固定されているわけではないため容易に位置ずれを生じる。そしてθ補正動作における位置ずれの発生の度合いは、電子部品を吸着ノズル25とともに回転させる際の回転量、すなわち必要とされる回転補正量と密接に関連していると考えてよい。
このため、個々の電子部品についてみれば、部品カメラ10によって位置ずれが認識された後基板3に搭載されるまでの間に、この電子部品について実行される回転量の累計ができるだけ小さくなることが望まれる。そして複数の吸着ノズル25を備えたマルチタイプの移載ヘッド8によって複数の電子部品を一括して取り出して基板に搭載する部品搭載方法においては、複数の電子部品のそれぞれについて回転量の累計ができるだけ小さくなること、すなわち各吸着ノズルの回転量の累計値の総和ができるだけ小さくなることが当該移載ヘッド8として望ましい条件となる。
このような望ましい条件を具体的に実現するため、本実施の形態においては、前述のように回転補正量が最も小さい電子部品を保持した吸着ノズルに部品搭載動作を行わせるように、搭載実行順序を決定する。すなわち、マルチタイプの移載ヘッド8による部品搭載動作においては、移載ヘッド8全体に保持されている電子部品の数は個々の吸着ノズル25による部品搭載の実行につれて順次減少していくことから、大回転角度の回転補正量を必要とする電子部品を保持している吸着ノズル25については搭載動作順序を極力後回しにして、回転補正量が少なくて済む吸着ノズル25から優先して搭載動作を実行した方が都合がよいからである。
換言すれば、上述の方法では、吸着ノズルの数だけ実行されるθ補正動作において、当該i番目のθ補正動作における回転補正量(θi)にその時点における移載ヘッド8全体の部品保持数(NPi)を乗じた値(θi*NPi)を、全ての単位搭載動作におけるθ補正動作について累計した累計値(Σθi*NPi)ができるだけ小さくなるようしている。この累計値(Σθi*NPi)は、いわば電子部品の位置ずれ発生度合いを、移載ヘッド8全体について示す指標としての意味合いを有している。
図8は、単位搭載動作を図6,図7に示す搭載実行順序の決定方法に従って反復実行する場合のノズル軸廻りの回転量の累計を、各吸着ノズルについて搭載実行順序に従って配列された棒グラフの形で示すものである。各ノズル番号毎に示された柱状部の面積の総和は当該ノズル番号の吸着ノズルについての回転量の絶対値の累計を示しており、これらの柱状部の面積の総和は、前述の累計値(Σθi*NPi)を意味している。
なお累計値(Σθi*NPi)を厳密に数学的な意味で極小にしたい場合には、複数の吸着ノズルについて順列組み合わせによって想定可能な搭載実行順序の全てについて、図6(a)に示す回転補正量の分布データに基づいて演算された累計値のうち、最小の値を与える部品搭載順序を採用すればよい。すなわちこの方法では、吸着ノズル25が保持した電子部品を基板3に搭載するまでのθ補正動作における当該吸着ノズルの回転量の累計を全ての吸着ノズルについて加算した累計値が最小となるように、複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定するようにしている。
さらに上述例においては、電子部品の位置ずれ発生度合いを示す指標を回転補正量をベースとして求める方法を示しているが、適用例によっては以下に説明するように、θ補正動作における吸着ノズル25の軸廻りの回転における角加速度をベースとして求めた方がより適切な場合が考えられる。以下、図9を参照してこの方法について説明する。
図9(a)は、基板3の一部における電子部品Pの実装点の配置状態を示している。実装点M0は、移載ヘッド8の複数の吸着ノズル25によって保持された複数の電子部品Pのうちの1つ電子部品Pが既に実行された単位搭載動作にて実装された状態の既実装点であり、実装点M1,M2,M3・・は、次の単位搭載動作の実行対象として選定されるべき後続の実装点である。D1,D2,D3・・・は、実装点M1,M2,M3・・・に電子部品を搭載するために移載ヘッド8に必要とされる移動距離を示している。この例において、各実装点と吸着ノズル25のノズル番号とは、実装データによって予め対応した関係にあり、実装点が特定されれば、どのノズル番号の吸着ノズル25によって部品搭載動作を行うかが特定される。
この例に示すように移動距離D1,D2,D3・・・がばらついているような場合には、θ補正動作に許容されるθ補正動作時間がそれぞれ異なることとなり、各着ノズル25はこの許容される時間内にθ補正動作を完了させればよい。このような場合には、それぞれのθ補正動作における回転補正量に、このθ補正動作に許容されるθ補正動作時間を加味して、搭載動作順序を設定する方がより合理的であるということができる。θ補正動作に許容される時間が長いほど、低回転で吸着ノズルを回転させることができ、電子部品の位置ずれへの影響の度合いを低減できるからである。
すなわち、各ノズル番号毎に必要とされる回転補正量の分布が図6(a)に示す例と同様に求められると、ここに示す例ではそれぞれの回転補正量θと許容されるθ補正動作時間とに基づいて、角加速度αを求めるための演算処理を行う。図9(b)は、吸着ノズル25のノズル軸廻り回転における角速度ωの時間的変化を示す速度パターンであり、移載ヘッド8に備えられたノズル回転モータ20の回転駆動パターンをモータコントローラによって設定することにより、所望の速度パターンが実現されるようになっている。
図9(b)に示すように、この演算では、与えられたθ補正動作時間枠に、図9(c)に示す基準となる速度パターンを当てはめる。このとき、パターンを示す直線と時間軸とで囲まれる部分の面積が、回転補正量θと対応するようにパターン形状を設定する。そして設定されたパターン形状から、速度パターンの立ち上がり角度をノズル軸廻りの角加速度αとして求める。ここで、許容されるθ補正動作時間の長短に応じて、速度パターン1
(台形パターン)と、速度パターン2(2等辺3角形パターン)とを使い分けるようにしている。
そしてこのようにして各ノズル番号毎に角加速度αnを求め、このうち最小の値を与えるノズル番号の吸着ノズル25によって次の単位搭載動作を実行させる。すなわち、ここに示す例では、必要とされる回転補正量が大きくても、その電子部品の実装対象となる実装点に移載ヘッド8が移動する時間が長く、長いθ補正動作時間が許容される場合には、搭載実行順序を先行させることができる。
そして当該ノズル番号の吸着ノズル25にθ補正動作を行わせて、この吸着ノズル25に保持された電子部品を対応する実装点に搭載した後には、このθ補正動作によって変化した新たな回転補正量の分布に基づいて、同様の演算を行って各ノズル番号毎にθ補正動作における角加速度αを求める。
すなわちここで説明する例においては、搭載動作制御部32は、単位搭載動作を各吸着ノズルについて順次実行する過程において、移載ヘッド8が1つの実装点から次の実装点に移動する移動所要時間に応じて各吸着ノズルに許容されるθ補正動作時間およびθ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量に基づき各吸着ノズル毎に算出されるノズル軸廻りの角加速度に基づいて、すなわち角加速度が最も小さい電子部品を保持した吸着ノズルに部品搭載動作を行わせるように、部品搭載順序の決定や各吸着ノズルについてのθ補正動作を制御する。この搭載動作制御において、θ補正演算部33は、各単位搭載動作においてθ補正動作に必要な回転補正量を算出する演算処理(図9にて説明した処理)を行い、搭載動作制御部32はこれら演算結果に基づいて上述の各部を制御する。
上述例のように電子部品の位置ずれ発生度合いを示す指標を、θ補正動作における吸着ノズル25のノズル軸廻りの回転における角加速度をベースとして求める場合では、回転補正量をベースとする場合における累計値(Σθi*NPi)に替えて、吸着ノズル25の数だけ実行されるθ補正動作において、当該i番目のθ補正動作における角加速度(αi)にその時点における移載ヘッド8全体の部品保持数(NPi)を乗じた値(αi*NPi)を、全てのθ補正動作について累計した累計値(Σαi*NPi)ができるだけ小さくなるようにする。
これにより、θ補正動作における位置ずれの発生の度合を、電子部品を吸着ノズル25とともに回転させる際に電子部品に作用する慣性外力をベースとして評価することができる。そしてこの方法は、基板上において実装点の配置が離散的で各実装点間において移載ヘッドが移動するための移動所要時間に大きなばらつきが存在する場合においてより適切な方法であるということができる。
上記説明したように、本発明は、移載ヘッドが各吸着ノズルに保持された電子部品を基板の複数の実装点に順次搭載する部品搭載動作において、複数の吸着ノズルによる部品搭載動作およびθ補正動作を制御する部品搭載動作制御に際し、θ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量、または移載ヘッドが1つの実装点から次の実装点に移動する移動所要時間に応じて許容される各吸着ノズル毎のθ補正動作時間と前記回転補正量に基づき各吸着ノズル毎に算出される角加速度に基づいて、各吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定するようにしたものである。これにより、θ補正動作時における電子部品の位置ずれ発生度合いを極力小さくして、回転位置補正を効率よく且つ高精度で行うことができる。
本発明の電子部品実装装置および電子部品実装方法は、回転位置補正を効率よく且つ高
精度で行うことができるという効果を有し、複数の吸着ノズルを有する移載ヘッドによって部品供給部から電子部品を取り出して基板に移送搭載する用途に有用である。
本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図 本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッドの斜視図 本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッドの部分斜視図 本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の制御系の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態の電子部品実装装置における電子部品のθ位置ずれの説明図 本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における搭載実行順序およびθ補正動作の回転補正量の決定方法を示す説明図 本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における搭載実行順序およびθ補正動作の回転補正量の決定方法を示す説明図 本発明の一実施の形態の電子部品実装方法における吸着ノズル毎の累計回転量を示すグラフ 本発明の一実施の形態の電子部品実装方法におけるθ補正動作の速度パターンの説明図
符号の説明
3 基板
4 部品供給部
8 移載ヘッド
10 部品カメラ
12 吸着ノズルユニット
13 ノズル昇降モータ
15 昇降機構
17 基板カメラ
19 軸回転部
20 ノズル回転モータ
21a、21b 無端ベルト
25 吸着ノズル

Claims (12)

  1. 複数の吸着ノズルを有する移載ヘッドによって部品供給部から電子部品を真空吸着により保持して取り出し、基板に移送搭載する電子部品実装装置であって、
    前記移載ヘッドを前記部品供給部と基板との間で移動させるヘッド移動手段と、前記移載ヘッドに設けられ前記複数の吸着ノズルを個別に昇降させるノズル昇降手段および前記複数の吸着ノズルを単一の駆動源によってそれぞれのノズル軸廻りに一括して回転させるノズル回転手段と、前記複数の吸着ノズルに保持された状態における電子部品の前記ノズル軸廻りの回転方向の位置ずれを示すθ位置ずれを各吸着ノズル毎に検出する回転位置ずれ検出手段と、
    前記回転位置ずれ検出手段の検出結果に基づき、前記ヘッド移動手段、ノズル昇降手段およびノズル回転手段を制御することにより、前記移載ヘッドが前記基板へ移動して前記各吸着ノズルに保持された電子部品を前記基板の複数の実装点に各吸着ノズル毎に順次搭載する部品搭載動作を制御するとともに、前記複数の吸着ノズルのうちの1つによって電子部品を基板に搭載する単位搭載動作毎に前記θ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、保持した電子部品の前記θ位置ずれを補正するために各吸着ノズル毎に必要とされる回転補正量に基づいて、前記複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定することを特徴とする電子部品実装装置。
  2. 前記単位搭載動作において、前記回転補正量が最も小さい電子部品を保持した吸着ノズルに部品搭載動作を行わせることを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
  3. 前記吸着ノズルが保持した電子部品を基板に搭載するまでのθ補正動作における当該吸着ノズルの回転量の累計を全ての吸着ノズルについて加算した累計値が最小となるように、前記搭載実行順序を決定することを特徴とする請求項1記載の電子部品実装装置。
  4. 複数の吸着ノズルを有する移載ヘッドによって部品供給部から電子部品を真空吸着により保持して取り出し、基板に移送搭載する電子部品実装装置であって、
    前記移載ヘッドを前記部品供給部と基板との間で移動させるヘッド移動手段と、前記移載ヘッドに設けられ前記複数の吸着ノズルを個別に昇降させるノズル昇降手段および前記複数の吸着ノズルを単一の駆動源によってそれぞれのノズル軸廻りに一括して回転させるノズル回転手段と、前記複数の吸着ノズルに保持された状態における電子部品の前記ノズル軸廻りの回転方向の位置ずれを示すθ位置ずれを各吸着ノズル毎に検出する回転位置ずれ検出手段と、
    前記回転位置ずれ検出手段の検出結果に基づき、前記ヘッド移動手段、ノズル昇降手段およびノズル回転手段を制御することにより、前記移載ヘッドが前記基板へ移動して前記各吸着ノズルに保持された電子部品を前記基板の複数の実装点に各吸着ノズル毎に順次搭載する部品搭載動作を制御するとともに、前記複数の吸着ノズルのうちの1つによって電子部品を基板に搭載する単位搭載動作毎に前記θ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記移載ヘッドが1つの実装点から次の実装点に移動する移動所要時間に応じて各吸着ノズルに許容されるθ補正動作時間および前記θ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量に基づき各吸着ノズル毎に算出されるノズル軸廻りの角加速度に基づいて、前記複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定することを特徴とする電子部品実装装置。
  5. 前記単位搭載動作において、前記角加速度が最も小さい電子部品を保持した吸着ノズルに部品搭載動作を行わせることを特徴とする請求項4記載の電子部品実装装置。
  6. 前記吸着ノズルが保持した電子部品を基板に搭載するまでのθ補正動作における当該吸着ノズルの角加速度の累計を全ての吸着ノズルについて加算した累計値が最小となるように、前記搭載実行順序を決定することを特徴とする請求項4記載の電子部品実装装置。
  7. 複数の吸着ノズルを有する移載ヘッドを部品供給部と基板との間で移動させるヘッド移動手段と、前記移載ヘッドに設けられ前記複数の吸着ノズルを個別に昇降させるノズル昇降手段および前記複数の吸着ノズルを単一の駆動源によってノズル軸廻りに一括して回転させるノズル回転手段と、前記複数の吸着ノズルに保持された状態における電子部品の前記ノズル軸廻りの回転方向の位置ずれを示すθ位置ずれを各吸着ノズル毎に検出する回転位置ずれ検出手段とを備えた電子部品実装装置によって、複数の電子部品を前記部品供給部から真空吸着により取り出して基板に移送搭載する電子部品実装方法であって、
    前記回転位置ずれ検出手段による検出結果に基づき、前記ヘッド移動手段、ノズル昇降手段およびノズル回転手段を制御することにより、前記移載ヘッドが前記基板へ移動して前記各吸着ノズルに保持された電子部品を前記基板の複数の実装点に各吸着ノズル毎に順次搭載する部品搭載動作を制御するとともに、前記複数の吸着ノズルのうちの1つによって電子部品を基板に搭載する単位搭載動作毎に前記θ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する搭載動作制御に際し、
    保持した電子部品の前記θ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量に基づいて、前記複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定することを特徴とする電子部品実装方法。
  8. 前記単位搭載動作において、前記回転補正量が最も小さい電子部品を保持した吸着ノズルに部品搭載動作を行わせることを特徴とする請求項7記載の電子部品実装方法。
  9. 前記吸着ノズルが保持した電子部品を基板に搭載するまでのθ補正動作における当該吸着ノズルの回転量の累計を全ての吸着ノズルについて加算した累計値が最小となるように、前記搭載実行順序を決定することを特徴とする請求項7記載の電子部品実装方法。
  10. 複数の吸着ノズルを有する移載ヘッドを部品供給部と基板との間で移動させるヘッド移動手段と、前記移載ヘッドに設けられ前記複数の吸着ノズルを個別に昇降させるノズル昇降手段および前記複数の吸着ノズルを単一の駆動源によってノズル軸廻りに一括して回転させるノズル回転手段と、前記複数の吸着ノズルに保持された状態における電子部品の前記ノズル軸廻りの回転方向の位置ずれを示すθ位置ずれを各吸着ノズル毎に検出する回転位置ずれ検出手段とを備えた電子部品実装装置によって、複数の電子部品を前記部品供給部から真空吸着により取り出して基板に移送搭載する電子部品実装方法であって、
    前記回転位置ずれ検出手段による検出結果に基づき、前記ヘッド移動手段、ノズル昇降手段およびノズル回転手段を制御することにより、前記移載ヘッドが前記基板へ移動して前記各吸着ノズルに保持された電子部品を前記基板の複数の実装点に各吸着ノズル毎に順次搭載する部品搭載動作を制御するとともに、前記複数の吸着ノズルのうちの1つによって電子部品を基板に搭載する単位搭載動作毎に前記θ位置ずれを補正するために実行されるθ補正動作を制御する搭載動作制御に際し、
    前記移載ヘッドが1つの実装点から次の実装点に移動する移動所要時間に応じて各吸着ノズルに許容されるθ補正動作時間および前記θ位置ずれを補正するのに必要な回転補正量に基づき各吸着ノズル毎に算出されるノズル軸廻りの角加速度に基づいて、前記複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる搭載実行順序を決定することを特徴とする電子部品実装方法。
  11. 前記単位搭載動作において、前記角加速度が最も小さい電子部品を保持した吸着ノズルに部品搭載動作を行わせることを特徴とする請求項10記載の電子部品実装方法。
  12. 前記吸着ノズルが保持した電子部品を基板に搭載するまでのθ補正動作における当該吸着ノズルの角加速度の累計を全ての吸着ノズルについて加算した累計値が最小となるように、前記複数の吸着ノズルに部品搭載動作を行わせる順序を決定することを特徴とする請求項10記載の電子部品実装方法。
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