JP4729741B2 - ダイヤモンド製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波プラズマCVD法によるダイヤモンド製造方法及びダイヤモンド製造用基板支持体に関する。
半導体として優れた特性を有するダイヤモンドは、例えば、高周波・高出力デバイス、紫外線発光デバイスなど半導体デバイス用材料として期待されている。
現在、ダイヤモンド単結晶の成長は、主に高圧合成法、気相合成法などによって行われている。気相合成法のうちで有望な方法として、減圧雰囲気下において、水素およびメタンガスを流してマイクロ波放電で形成したプラズマを利用してダイヤモンド結晶の成長を行う、マイクロ波プラズマCVD法が知られている。
作業時間と成長コストを低減するための研究が今日まで広くなされてきているが、成長速度を向上するための研究例はあるものの、ダイヤモンドを成長させる際の、成長面の形状の制御については、その具体的な方法が提示されていない。
例えば、マイクロ波プラズマCVD法によるダイヤモンドのホモエピタキシャル成長において、水素ガスとメタンガスからなる反応ガスに微量の窒素を添加することによって、100μm毎時を超える速度でのダイヤモンド単結晶の成長が可能となることが報告されている(下記非特許文献1参照)。また、マイクロ波プラズマCVD法によるダイヤモンド成長方法において、ダイヤモンド基板の載置部が外周縁部に対して隆起した形状の基板支持体を用いることによって、ダイヤモンドを高速に成長させる方法も開示されている(下記特許文献1参照)。
また、高い成長速度を実現するためのダイヤモンド合成装置として、公知のダイヤモンド製造技術を組み合わせて利用した合成装置が開示されている(下記特許文献2参照)。この合成装置は、それぞれ公知の技術である、モリブデン等の導体で作成した基板支持体上へダイヤモンド基板を設置すること(下記非特許文献2〜4参照)、基板支持体へ熱を放出すること(下記非特許文献3、4参照)、非接触型の温度測定装置を利用してダイヤモンドの温度を測定すること(下記非特許文献3参照)、予め決めた厚さまで成長を行うこと(下記特許文献3参照)、等の手段を組み合わせることによって、高い成長速度を実現しようとするものである。しかしながら、特許文献2は、成長面の形状を制御する方法については一切開示しておらず、成長面の形状を制御する手段については全く考慮していない。このため、上記した公知技術を組み合わせて利用した合成装置では、ダイヤモンドの成長速度を高速化することは可能であるが、ダイヤモンド成長面の形状を制御することはできない。
しかも、特許文献2の方法では、ダイヤモンド基板の周縁が基板支持体に接した状態でダイヤモンド成長が行われているために成長面の拡大は絶望的である。更に、成長後に基板と基板支持体とを別方向にスライドすることが困難であり、これらを分離する際に基板が損傷を受ける可能性がある。
以上の通り、従来知られているマイクロ波プラズマCVD法によるダイヤモンド製造方法では、成長面の形状を制御することなくダイヤモンド成長が行われている。このため、成長したダイヤモンドを目的とする形状に研磨することが必要となり、これが作業時間とコストの増大の一因となっている。
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本発明は上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、マイクロ波プラズマCVD法によってダイヤモンド単結晶を成長させる際に、ダイヤモンドの成長面の形状(モフォロジー)を簡単に制御できる方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、基板載置部が凹部によって形成されている金属製の基板支持体を用い、ダイヤモンド種結晶からなる基板を該基板載置部に載置する際に、凹部の内壁面と基板の側面との間隔を変化させることによって、ダイヤモンド成長面の形状を制御することが可能となることを見出した。
そして、この方法を利用することによって、成長面の形状を目的に応じて任意に調整することが可能となり、例えば、成長面の形状を凸型又は平坦状に制御する場合には、ダイヤモンドの成長を長時間連続して継続することが可能となって大型のダイヤモンド製造を実現化でき、また成長面の形状を凹型とする場合には、主成長面の成長方向に垂直な方法に成長面を拡大させることが可能となるなど、目的に応じた各種の成長面を非常に簡単に形成できることを見出した。
更に、使用するダイヤモンド基板(種結晶)の形状に応じて基板載置部である凹部の形状、寸法を設定した基板支持体を作製する方法、或いは、基板支持体の凹部の形状に応じて、ダイヤモンド基板を切削・研磨する方法などによって、上記したダイヤモンドの製造方法を容易に実施することが可能となること見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
即ち、本発明は、下記のダイヤモンド製造方法、及びこの方法で用いることのできるダイヤモンド作製用基板支持体を提供するものである。
1.マイクロ波プラズマCVD法によって、ダイヤモンド基板上にダイヤモンド結晶を成長させる方法において、
CVD装置内に設置する基板支持体として、基板載置部が凹部によって形成されている支持体を用い、
該基板載置部におけるダイヤモンド基板の載置位置を調整することによって、ダイヤモンドの成長面の形状を制御するダイヤモンド製造方法。
2. 基板支持体における基板載置部の凹部の深さがダイヤモンド基板の厚さと同一又はダイヤモンド基板の厚さ以下である、上記項1に記載のダイヤモンド製造方法。
3. ダイヤモンド基板の中央部のダイヤモンド成長速度と比較して成長速度を向上させる部分については基板側面と基板載置部の内壁面との間隔を0.5mm以上とし、ダイヤ
モンド基板の中央部の成長速度と同一又はそれ以下の成長速度とする部分については基板側面と基板載置部の内壁面との間隔を0.5mm未満とする、上記項1又は2に記載のダイヤモンド製造方法。
4. 基板載置部の平面形状がダイヤモンド基板の平面形状と相似形であり、基板載置部の各内壁面と、各内壁面に平行な基板側面との間隔を0.5mm以上とすることによって、ダイヤモンドの成長面の形状を凹状とする、上記項1又は2に記載の方法。
5. 基板載置部の平面形状がダイヤモンド基板の平面形状と相似形又は同一であり、基板載置の各内壁面と各内壁面に平行な基板側面との間隔を0.5mm未満とすることによって、ダイヤモンドの成長面の形状を平坦状又は凸状とする、上記項1又は2に記載の方法。
6. 上記項1〜5のいずれかの方法に用いられる基板支持体であって、使用するダイヤモンド基板の形状に応じて形成された基板載置部を有する基板支持体。
本発明では、ダイヤモンドの製造方法として、マイクロ波プラズマCVD法によって、ダイヤモンド基板上にダイヤモンド結晶を成長させる方法を採用する。
図1に、マイクロ波プラズマCVD装置の一例の概略図を示す。図1に示す装置では、マイクロ波プラズマCVD装置1は、マイクロ波電源2、マイクロ波を伝搬させる導波管3、マイクロ波導入誘電体窓4、空洞共振器型の反応容器5、内部に冷却水Wが通っているステージ6、ステージ6上に設置される基板支持体7を備えている。
反応容器5には、原料ガスを導入するための原料ガス導入口5aと、容器内を真空引きするための排気口5bとが設けられている。
マイクロ波電源2で発生させられたマイクロ波は、図1に矢印で示すようにして反応容器5内に導入される。
具体的な製造条件については特に限定はなく、公知の条件に従って、ダイヤモンドを成長させればよい。原料ガスとしては、例えば、メタンガスと水素ガスの混合ガスを用いることができ、更に、これに窒素ガスを加えることによって、成長速度を向上させることができる。
具体的なダイヤモンド成長条件の一例を示すと、反応ガスとして用いる水素、メタン及び窒素の混合気体では、メタンは、水素供給量1モルに対して、0.01〜0.33モル程度となる比率で供給し、窒素は、メタン供給量1モルに対して、0.0005〜0.1モル程度となる比率で供給することが好ましい。また、プラズマCVD装置内の圧力は、通常、13.3〜40kPa程度とすればよい。マイクロ波としては、通常、2.45GHz、915MHz等の工業および科学用に許可された周波数のマイクロ波が使用される。マイクロ波電力は、特に限定的ではないが、通常、0.5〜5kW程度とればよい。この様な範囲内において、例えば、基板(ダイヤモンド種結晶)の温度が1000〜1300℃程度となるように各条件を設定すればよい。
本発明方法では、基板載置部が凹部によって形成された基板支持体7を用いることが必要である。該支持体は、通常、金属、合金等の導電体で形成される。この条件を満足する限り、基板支持体の形状は任意である。
図2は、基板支持体の一例の概略を示す図面である。例えば、図2(a)に示すような外周縁部に対して載置部7aが隆起した形状の基板支持体7、図2(b)に示すような円柱状の支持体7などを用いることができる。これらの支持体において、基板載置部7aが凹部によって形成されていればよい。更に、図3に示すように、基材載置部7aが形成さ
れた載置部用部材7bと外周縁部用部材7cとが分離した構造の基板支持体7であっても良い。
基板支持体7におけるダイヤモンド基板を載置する凹部の平面形状、即ち、凹部の深さ方向に垂直面の形状についても特に限定はなく、ダイヤモンド基板と同一又はこれを上回る大きさの凹部が形成されていればよい。通常は、基板載置部の凹部の平面形状を、ダイヤモンド基板の平面形状と相似形とすることによって、ダイヤモンド基板の各側面と凹部の内壁面との間隔を調整することが容易となる。例えば、図4(a)に示す平面形状が正方形のダイヤモンド基板8を用いる場合には、基板支持体7における基板載置部7aの平面形状を正方形とし、図4(b)に示す平面形状が六角形のダイヤモンド基板8を用いる場合には、基板支持体7における基板載置部7aの平面形状を六角形とすればよい。
本発明方法によれば、上記した条件を満足する基板支持体7を用い、基板載置部の内壁面と、ダイヤモンド基板の側面との距離を調整することによって、ダイヤモンドの成長面の形状(モフォロジー)を制御することができる。
この場合、使用するダイヤモンド基板の大きさ及び形状と、目的とする成長面の形状に応じて、基板載置部である凹部の形状、寸法を設定した基板支持体を作製する方法、或いは、使用する基板支持体の凹部の形状及び寸法に応じてダイヤモンド基板を切削・研磨する方法などによって、各種のダイヤモンド基板を出発材料として本発明方法を実施することが可能となる。特に、目的とする成長面の形状が得られるように加工した凹部を有する基板支持体は、これまで全く知られていないものである。
図5は、ダイヤモンド基板8を載置した状態の基板載置部7aの概略を示す中央縦断面図である。図5において、基板載置部の内壁面7dと、ダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1が近い場合には、ダイヤモンド基板の中央部8cと比較して、端部8bの成長が抑制され、ダイヤモンド成長面の形状は、中央部8が隆起した凸状となる。一方、基板載置部の内壁面7dと、ダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1が大きくなるに従ってダイヤモンド基板の端部8bの成長速度が大きくなり、ダイヤモンド基板の中央部8cと端部8bの成長速度がほぼ同一となって成長面が平坦状となり、間隔d1がより大きくなると、ダイヤモンド基板の中央部8cと比較して端部8bの成長速度が大きくなり、成長面の形状は、中央部8cの成長が少なく、端部8bが大きく成長した凹状となる。また、ダイヤモンド基板を基板載置部7aの中央部分に載置することなく、基板載置部の内壁面7dと、ダイヤモンド基板の側面8aとの間隔を、ダイヤモンド基板の側面ごとに異なる距離とすることによって、ダイヤモンド基板の中央部8cと比較して、成長が大きい部分と成長が少ない部分を同時に含む不均一な成長面を得ることができる。この場合、基板載置部の内壁面7dとダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1が0.5mm未満の部分については、端部8bの成長速度が中央部8cの成長速度より遅くなり、基板載置部の内壁面7dとダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1が0.5mm以上の部分については、端部8bの成長速度は中央部8cの成長速度と同一又は中央部8cの成長速度より速くなる。
尚、基板載置部7aの面積がダイヤモンド基板8より大きい場合には、ダイヤモンドは、基板表面に垂直方向だけでなく、基板表面に平行方向にも若干成長して、成長面の面積が拡大される。
本発明の方法によって、成長面の形状を制御できる理由については必ずしも明確ではないが、凹部によって形成されている基板載置部7aにダイヤモンド基板8を載置する際に、ダイヤモンド基板の側面8aと載置部の内壁面7dとの間隔が近いと、内壁面7dの近傍に位置するダイヤモンド基板端部8bの温度がダイヤモンド基板の中央部8cより低く
なり、端部8aの成長が抑制されて、成長面の形状は中央部が隆起した凸状となり、ダイヤモンド基板の側面8aと載置部の内壁面7dとの間隔が離れていると、ダイヤモンド基板端部8bの温度がダイヤモンド基板の中央部8cより高くなり、これにより端部8bの成長が中央部より大きくなって、成長面の形状は端部が隆起した凹状となるものと考えられる。
タイヤモンド基板8の具体的な載置位置については、上記した基準に基づいて決めれば良く、成長速度を向上させる部分については基板載置部の内壁面7dとの距離を大きくし、成長を抑制する部分については、基板載置部の内壁面7dに近づけて載置すればよい。
以下、本発明における好ましい態様である、基板支持体7の基板載置部7aの凹部の平面形状が、ダイヤモンド基板の平面形状と相似形である場合についてより具体的に説明する。まず、凹部によって形成される基板載置部7aの中央部分にダイヤモンド基板8を載置する場合には、基板載置部の内壁面7dと、これに平行なダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1を約0.5mm以上とすれば、ダイヤモンド基板の端部8bの成長速度が中央部8cの成長速度より大きくなり、端部8bの成長速度が向上して、成長面の形状が凹状となる。一方、基板載置部7aの中央部分にダイヤモンド基板8を載置する場合であって、基板載置部の内壁面7dと、これに平行なダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1が約0.5mm未満の場合には、ダイヤモンド基板の端部8bの成長が抑制され、端部8bの成長速度が中央部8cの成長速度とほぼ同一或いは中央部の成長速度より遅くなって、ダイヤモンド基板の成長面の形状が平坦又は中央部が隆起した凸状となる。また、ダイヤモンド基板を、載置部7aの中央部分ではなく、いずれかの位置に偏って載置する場合には、基板載置部の内壁面7dとこれに平行なダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1が約0.5mm以上ある部分については端部8bの成長速度が中央部8cより大きくなり、基板載置部の内壁面7dとこれに平行なダイヤモンド基板の側面8aとの間隔d1が約0.5mm未満である部分については、ダイヤモンド基板の端部8bの成長速度が、中央部8cとほぼ同一或いは中央部より遅くなり、不均一な形状の成長面が形成される。
本発明方法では、基板載置部の底面7eから、載置部の内壁面の上端部7fまでの距離、即ち、基板載置部7aの凹部の深さd2は、ダイヤモンド基板の厚さと同一又は若干浅いことが好ましい。ダイヤモンド基板の厚さと比較して凹部が深すぎる場合には、ダイヤモンドの成長速度が低下するので好ましくない。また、凹部の深さd2がダイヤモンド基板の厚さと比較して薄すぎる場合には、ダイヤモンド基板8の表面が載置部7aから突出して、本発明における基板の載置方法による効果が発揮されず、成長面の形状を制御することができない。従って、ダイヤモンド基板の厚さは、基板載置部7aの凹部の深さd2以上であって、d2+0.2mm程度以下であることが好ましい。
尚、本発明方法では、ダイヤモンドの主な成長方向は、基板載置部7aの底面7eに平行なダイヤモンド基板表面に垂直方向である。よって、ダイヤモンド基板の側面8aとは、ダイヤモンドの主成長方向に平行なダイヤモンド基板の面を意味する。
本発明方法によれば、従来のマイクロ波プラズマCVD法では困難であった成長面の形状(モフォロジー)を、簡単な方法で制御することができる。このため、本発明方法を採用することによって、使用目的に応じた形状のダイヤモンドを作製することが容易となる。
例えば、ダイヤモンド成長面が凸状又は平坦状となるように条件を設定する場合には、ダイヤモンド成長を連続して行うことが可能となり、大型のダイヤモンド製造を容易に行うことができる。また、ダイヤモンド成長面が凹状となるように条件を設定する場合には
、主成長方向に対して垂直方向に対して成長面が拡大することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
図1に示す空洞共振器型の反応容器を有するマイクロ波プラズマCVD装置を用い、冷却ステージ6のほぼ中心に、図3に示した形状の基板支持体7を設置した。尚、以下の実施例では、図3及び図5に示した記号を用いて説明する。
該基板支持体7はモリブデン製であり、載置部用部材7bと外周縁部用部材7cとで構成されている。該載置部用部材7bは、直径12mm、高さ8.7mmの円筒で、底面の一方に基
板の載置部7aである凹部が設けられている。
該凹部の底面は3×3mmの正方形であり、該凹部の底面7eから凹部内壁面の上端
部7fまでの距離である凹部の深さd2は0.5mmである。該外周縁部用部材7cは、底面の直径がそれぞれ20mmと12mmであり高さが9mmである円錐台の形状をしており、図に示す様
に直径12mmの同心円状の空洞を有する。
ダイヤモンド基板(種結晶)としては、高圧合成法によって得られた単結晶ダイヤモンドを{100}面に対して平行に切り出し研磨して得た2×2×0.5mmの板状結晶を使用した。
図6(a)は、ダイヤモンド基板(種結晶)8を載置用部材7bの載置部に載置した状態を示す平面図である。ダイヤモンド基板8は、載置部の中央部分に載置され、各内壁面7dと基板の各側面8aの距離は全て0.5mmとなる様に該基板を設置した。
まず、反応容器内を真空排気後、H2ガスを導入し、反応容器内の圧力を10 Torr(1333Pa)に設定し、マイクロ波(2.45GHz)電力500 Wを印加することによってプラズマを点火
した。その後、圧力、H2ガス流量、N2ガス流量、およびマイクロ波電力を徐々に増大させて、それぞれ圧力を160 Torr(21.3 KPa)、H2ガス流量を500cc(標準状態)/分、N2
ス流量を1.8cc(標準状態)/分に設定した。次いで、マイクロ波電力を1000-3000 Wの間で基板温度が1130 ℃になるよう設定した後、N2ガス流量を0.6cc(標準状態)/分
へと変化し、CH4ガス60cc(標準状態)/分を導入して定常的なダイヤモンド成長を
行った。
4時間成長を行った後、CH4およびN2ガスを止めることによって結晶成長を停止し、圧
力、H2ガス流量、およびマイクロ波電力を徐々に減少させてマイクロ波電力を0にし、反
応容器を大気開放した後、成長した結晶を取り出した。
得られたダイヤモンド単結晶の厚さをマイクロメータによって計測した結果、凹部の底面と平行なダイヤモンド基板面に垂直な方向(主成長方向)へ厚さが約0.3 mm増加していた。また、主成長方向と垂直な方向にも結晶が拡張していることが判った。
図7(a)は、得られたダイヤモンド結晶を光学顕微鏡で観察した結果を示す概略断面図である。この図面から明らかなように、ダイヤモンド基板8の表面に成長したダイヤモンド9の形状は凹状であった。
実施例2
ダイヤモンド基板(種結晶)としては、高圧合成法によって得られた単結晶ダイヤモンド
を{100}面に対して平行に切り出し研磨して得た3×3×0.5mmの板状結晶を使用した。
マイクロ波プラズマCVD装置1及び基板支持体7としては、実施例1と同様のものを使用した。
図6(b)は、ダイヤモンド基板(種結晶)8を載置用部材7bの載置部に載置した状態を示す平面図である。ダイヤモンド基板8は、載置部(凹部)に隙間無く載置されている。
実施例1と同様の条件で4時間ダイヤモンド成長を行い、成長した結晶を取り出した。
得られたダイヤモンド単結晶の厚さをマイクロメータによって計測した結果、主成長方向へ厚さが約0.3 mm増加していた。
図7(b)は、得られたダイヤモンド結晶を光学顕微鏡で観察した結果を示す概略断面図である。この図面から明らかなように、ダイヤモンド基板8の表面に成長したダイヤモンド9の形状は凸状であった。
実施例3
ダイヤモンド基板(種結晶)としては、高圧合成法によって得られた単結晶ダイヤモンドを{100}面に対して平行に切り出し研磨して得た2×2×0.5mmの板状結晶を使用した。
マイクロ波プラズマCVD装置1及び基板支持体7としては、実施例1と同様のものを使用した。
図6(c)は、ダイヤモンド基板(種結晶)8を載置用部材7bの載置部(凹部)に載置した状態を示す平面図である。ダイヤモンド基板8は、基板側面8aの内の2面が、これらと平行な載置部の内側面との距離が0.2mmとなり、基板側面8aの他の2面がこれら
と平行な載置部の内側面との距離が0.8mmとなる様に載置されている。
実施例1と同様の条件で4時間ダイヤモンド成長を行い、成長した結晶を取り出した。
得られたダイヤモンド単結晶の厚さをマイクロメータによって計測した結果、主成長方向に対して厚さが約0.3 mm増加していた。また、主成長方向と垂直な方向にも結晶が拡張していることが判った。
図7(c)は、得られたダイヤモンド結晶を光学顕微鏡で観察した結果を示す概略断面図である。この図面から明らかなように、基板載置部の内側面から0.8mm離れて載置された基板端部は基板中央部より成長面9が隆起した形状であり、基板載置部の内側面から0.2mm離れて載置された基板端部は基板中央部とほぼ同定の厚さのダイヤモンド成長が認められた。
マイクロ波プラズマCVD装置の内部構造を概略的に示す概略構成図である。 ダイヤモンド基板支持体の2態様例(a)、(b)を示し、上図が平面図、下図が中央縦断正面図である。 ダイヤモンド基板支持体のその他の例の中央縦断正面図である。 基板支持体の載置部にダイヤモンド基板を載置した状態(a)、(b)を模式的に示す平面図である。 基板支持体の載置部にダイヤモンド基板を載置した状態を模式的に示す中央縦断正面図である。 実施例1〜3における基板支持体載置部にダイヤモンド基板を載置した状態を模式的に示す平面図である。 実施例1〜3において得られたダイヤモンド結晶の縦断面の顕微鏡写真を模式的に示す図面である。
符号の説明
1 マイクロ波プラズマCVD装置、 2 マイクロ波電源
3 マイクロ波を伝搬させる導波管、 4 マイクロ波導入石英窓
5 空洞共振器型の反応容器、 5a 原料ガス導入口
5b 排気口、 6 内部に冷却水Wが通っている冷却ステージ
7 ダイヤモンド基板支持体、 7a 基板支持体の載置部
7b 基板支持体の載置部用部材 7c 基板支持体の外周縁部用部材
7d 載置部の内壁面 7e 載置部の底面
7f 載置部の内壁面の上端部
8 ダイヤモンド基板、 8a ダイヤモンド基板の側面、
8b ダイヤモンド基板の端部、 8c ダイヤモンド基板の中央部
9 ダイヤモンド成長部分

Claims (4)

  1. マイクロ波プラズマCVD法によって、ダイヤモンド基板上にダイヤモンド結晶を成長させる方法において、
    CVD装置内に設置する基板支持体として、基板載置部が凹部によって形成されている支持体を用い、
    ダイヤモンド基板表面がダイヤモンドの主な成長方向に垂直となるように、該ダイヤモンド基板を該基板載置部に載置し、ダイヤモンド基板の中央部のダイヤモンド成長速度と比較して成長速度を向上させる部分については該基板側面と基板載置部の内壁面との間隔を0.5mm以上とし、ダイヤモンド基板の中央部の成長速度と同一又はそれ以下の成長速度とする部分については該基板側面と基板載置部の内壁面との間隔を0.5mm未満とすることによって、ダイヤモンドの成長面の形状を制御するダイヤモンド製造方法。
  2. 基板支持体における基板載置部の凹部の深さがダイヤモンド基板の厚さと同一又はダイヤモンド基板の厚さ以下である、請求項1に記載のダイヤモンド製造方法。
  3. 基板載置部の平面形状がダイヤモンド基板の平面形状と相似形であり、基板載置部の各内壁面と、各内壁面に平行な基板側面との間隔を0.5mm以上とすることによって、ダイヤモンドの成長面の形状を凹状とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 基板載置部の平面形状がダイヤモンド基板の平面形状と相似形又は同一であり、基板載置の各内壁面と各内壁面に平行な基板側面との間隔を0.5mm未満とすることによって、ダイヤモンドの成長面の形状を平坦状又は凸状とする、請求項1又は2に記載の方法。
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