JP4729449B2 - 建設機械の圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ブルドーザやホイルローダ等の建設機械に搭載された圧縮機に関する。
従来より、自動車や建設機械等の車両には、空気調和装置が搭載されており、運転者を含む搭乗者の快適性を向上させている。
このような空気調和機は、一般的に、空気調和機を流れる冷媒の圧力を、圧縮機によって切り換えることで、車両キャブの室内空間の冷暖房を行う。
例えば、特許文献1には、上述した車両に搭載される空気調和装置の電磁クラッチおよび圧縮機に関して、クラッチ連結時における騒音やエンジン等にかかる負荷の急激な変化を抑制することが可能な構成が開示されている。
特開平11−201196号公報(平成11年7月27日公開)
しかしながら、上記従来の建設機械の圧縮機では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された圧縮機は、クラッチ連結時における騒音や衝撃を低減することを目的とするものであり、回転部と固定部との間に形成される隙間への土砂埃の浸入を抑制するための措置としては、隙間の開口部分が後進方向に向くように圧縮機を配置した以外には特に考慮されていない。
このため、例えば、ブルドーザ等の建設機械に搭載した場合には、採掘現場等のような土砂埃が大量に発生する環境下での作業になるため、自動車等と同じように圧縮機を配置しただけでは、上記隙間への土砂埃の浸入によってクラッチの接続面の摩耗が進行して、電磁クラッチによるクラッチ板の接続が不可能となって空気調和装置において適正な温度制御ができなくなるおそれがある。
本発明の課題は、ブルドーザ等の建設機械に搭載された場合でも、回転部と固定部との間の隙間への土砂埃の浸入による不具合の発生を抑制することが可能な建設機械の圧縮機を提供することにある。
第1の発明に係る建設機械の圧縮機は、本体部とプーリ部とを備えている。そして、プーリ部は、固定部と、回転部と、シャフトと、電磁クラッチと、カバー部材と、を有している。回転部は、固定部の内周側または外周側を覆うように配置されており、回転駆動力を受けて回転する。シャフトは、回転部の回転駆動力が伝達されて回転する。電磁クラッチは、所定の電気信号を受信して、シャフトを回転させるために回転部とシャフトとを接続する。カバー部材は、固定部の外周面と回転部の内周面との間に形成され、本体部側に向かって開口する略円環状の隙間を覆う。
ここでは、例えば、ブルドーザ等の建設機械にエアコンの冷媒圧縮用に搭載されており、電磁クラッチを介して固定部と回転部とを接続して、スクロール等の圧縮機構と連結されたシャフトを回転させる圧縮機において、回転部と固定部との間に形成され、本体部側に向かって開口する略円環状の隙間を塞ぐカバー部材を設けている。
ここで、上記回転部とは、建設機械に搭載されたエンジン等の回転駆動源からの回転駆動力が伝達されて回転するプーリやプーリとともに回転するクラッチ板等が含まれる。また、上記固定部としては、電磁クラッチを構成するステータや上記クラッチ板を収納するケース等が含まれる。さらに、電磁クラッチは、回転部に含まれるクラッチ板とシャフトに一体化された被動作板とを連結することで、回転部の回転駆動力を間接的にシャフトへと伝達する。
通常、自動車等に搭載された圧縮機では、このような回転部と固定部との間に形成され、本体部側に向かって開口する隙間が後進方向を向くように配置される。これにより、自動車の前方から後方に向かって形成される空気の流れに沿って埃等が移動することになり、上記隙間への異物の侵入を防いでいる。
一方、建設機械に搭載された圧縮機の場合には、一般的に、自動車よりも車速が遅く、作業時における平均車速は前進よりも後進の方が大きい。しかも、基本的に建設機械が作業を行う場所としては、採掘現場や工事現場等のような土砂埃が大量に発生し易い環境であるため、自動車と同じように圧縮機を配置にしただけでは、回転部と固定部との間に形成される隙間への土砂埃の侵入を防ぐことはできないおそれがある。
本発明の建設機械の圧縮機では、建設機械に搭載した場合には土砂埃等の侵入が予測される回転部と固定部との間に形成される隙間の前面を覆うカバー部材を設けている。
これにより、土砂埃が上記隙間へ入り込むためには、例えば、カバー部材の背面側と回転部および固定部等との間に形成された隙間を通過する必要があるため、上記隙間への土砂埃等の侵入量を従来よりも大幅に低減することができる。この結果、自動車よりも過酷な環境で使用される建設機械に搭載された圧縮機であっても、回転部と固定部との間に形成され、本体部側に向かって開口する隙間への土砂埃等の侵入によって圧縮機において動作不良が発生し、例えば、エアコンの温度制御が適正に行われなくなる等の不具合の発生を回避することができる。
第2の発明に係る建設機械の圧縮機は、第1の発明に係る建設機械の圧縮機であって、回転部と固定部との間に形成される隙間が、建設機械の後進方向に向かって開口するように配置されている。
ここでは、回転部と固定部との間に形成される隙間がブルドーザ等の建設機械の前進方向とは反対の方向に向かって開口するように、圧縮機が配置されている。
通常、自動車に搭載された圧縮機では、前進方向とは反対方向に向かって上記隙間が開口するように圧縮機が配置されているため、車体の前方から後方に向かう空気の流れによって、後進方向に向かって開口した隙間に土砂埃等が侵入することはほとんどないと考えられる。一方、建設機械に搭載される圧縮機が自動車と同様の向きで配置された場合には、ブルドーザ等の建設機械は自動車と比較して前進する速度が小さく、また、一般的に作業時には前進よりも後進の方が速度が大きいため、後進方向からの空気の流れが形成されるケースが多い。このため、単に自動車と同様の向きに圧縮機を配置したのでは、回転部と固定部との間の隙間への土砂埃が侵入し易くなってしまう。
本発明の建設機械の圧縮機では、回転部と固定部との間に形成される隙間への土砂埃の侵入を抑制するために、上述のように、上記隙間部分を覆うためのカバー部材を設けている。
これにより、建設機械に搭載されており、後進方向からも空気の流れが生じ得る圧縮機であっても、回転部と固定部との間に形成された隙間への土砂埃の侵入を効果的に抑制して、圧縮機における動作不良の発生を防止することができる。
第3の発明に係る建設機械の圧縮機は、第1または第2の発明に係る建設機械の圧縮機であって、カバー部材は、略円形であって、カバー部材の外径は、回転部の外径とほぼ同じになるように形成されている。
ここでは、回転部と固定部との間に形成される略円環状の隙間を覆うカバー部材が、固定部の外径とほぼ同じ大きさの略円形になるように形成されている。
ここで、本発明のように建設機械に搭載される圧縮機では、外郭部に凹凸部分が形成されていると、その凹凸部分によって空気の流れが遮断されて土砂埃が蓄積されやすくなるという問題がある。このため、圧縮機の外郭部分には、できる限り凹凸の無い構造とすることが望ましい。
本発明の建設機械の圧縮機では、土砂埃の侵入を抑制するために設けられたカバー部材が、圧縮機の本体部側から突出することがないように取り付けられている。
これにより、圧縮機に対してカバー部材を取り付けた場合でも、カバー部材によって凹凸が形成されることで土砂埃が溜まり易くなることを防止して、回転部と固定部との間の隙間への土砂埃の侵入をさらに効果的に抑制することができる
第4の発明に係る建設機械の圧縮機は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る建設機械の圧縮機であって、カバー部材は、回転部との間に隙間が形成されるように配置されている。
ここでは、回転部と固定部との間に形成される隙間を覆うカバー部材を、回転部と接触しないように隙間を開けて取り付けられている。
ここで、回転部と固定部との間の隙間への土砂埃の侵入をより効果的に抑制するためには、この隙間を覆うカバー部材をできる限り近接配置することが好ましい。しかし、カバー部材を回転部と接触するまで近接配置してしまうと、カバー部材との接触が回転部の回転の抵抗となり、接触による騒音も発生するおそれがある。
本発明の建設機械の圧縮機では、回転部と接触することを防止しつつ、回転部と固定部との隙間への土砂埃の侵入を効果的に抑制するために、カバー部材と回転部との間に所定の隙間を設けている。
これにより、回転部と固定部との間の隙間への土砂埃の侵入を効果的に抑制しつつ、回転部の回転を妨げることなく運転時における騒音の発生を防止することが可能な圧縮機を提供することができる。
本発明に係る建設機械の圧縮機によれば、建設機械に搭載されており後進方向からも空気の流れが生じ得る圧縮機であっても、回転部と固定部との間に形成された隙間への土砂埃の侵入を効果的に抑制して、圧縮機における動作不良の発生を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る建設機械の圧縮機について、図1〜図7を用いて説明すれば以下の通りである。
[ブルドーザ1の構成]
本実施形態に係るコンプレッサ(建設機械の圧縮機)35は、図1に示すように、不整地において作業を行うブルドーザ(建設機械)1の車体フレーム3内に搭載されている。そして、ブルドーザ1は、主として、キャブ2、車体フレーム(エンジンルーム)3、作業機構6、走行装置7を備えている。
キャブ2には、運転者が座るためのシートや各種操作のためのレバー、ペダルおよび計器類が内装されている。キャブ2は、底部が図示しないフロアフレームによって構成されており、フロアフレーム上にピラーや側板が載置されている。
車体フレーム3は、作業機構6および走行装置7が取り付けられており、その上部にはキャブ2が載置されている。また、車体フレーム3は、内部にエンジン31等が設けられており、エンジン31において発生した回転駆動力が、後述する走行装置7のスプロケット73に伝達される。なお、この車体フレーム3の内部構成については、後段にて詳述する。
作業機構6は、図1に示すように、地面を削り取って土砂を押し運ぶための機構であり、ブレード60と、支持フレーム61と、油圧ブレードチルトシリンダ62と、油圧ブレードリフトシリンダ63と、を有している。ブレード60は、車体フレーム3の前方に設けられており、前面が湾曲した板状の形状を有している。支持フレーム61は、一端がブレード60に固定され、他端が走行装置7に固定されており、ブレード60を支持している。油圧ブレードチルトシリンダ62と油圧ブレードリフトシリンダ63とは、整地作業時において必要に応じて伸縮してブレード60の位置や角度等を調整する。
走行装置7は、車体フレーム3の左右下部にそれぞれ設けられており、無端状の履帯70によって不整地における走行を可能としている。そして、走行装置7は、履帯70、車両前後方向に沿って配設されたトラックフレーム71、走行輪であるアイドラ72およびスプロケット73等を有している。
[車体フレーム3内部の構成]
車体フレーム3は、図2に示すように、内部に、エンジン31、トルクコンバータ32、トランスミッション33、エアコンユニット34、コンプレッサ35およびコンデンサ36等を格納している。
エンジン31は、ブルドーザ1に搭載された作業機構6や走行装置7を駆動するための動力源であって、車体フレーム3内における中央部付近に配置されている。また、エンジン31は、図示しないベルトを介して、コンプレッサ35(プーリ52a)に対して回転駆動力を伝達する。
トルクコンバータ32は、オイルを介してエンジン31の動力をトランスミッション33の入力軸に対して伝達するものであって、車体フレーム3内における後ろ寄りに配置されている。
トランスミッション33は、トルクコンバータ32を介して伝達されるエンジン31の回転駆動力を、作業状態に応じた適切な大きさに変化させてスプロケット73に対して伝達するための変速機であって、トルクコンバータ32の後進側に近接配置されている。
エアコンユニット34は、キャブ2内においてブルドーザ1の操作を行うオペレータの快適性を向上させるための冷暖房装置であって、キャブ2と車体フレーム3との境界部分付近に配置されている。
コンプレッサ35は、エアコンユニット34内を流れる冷媒の圧力を切り換えて空気との間で熱交換を行ってキャブ2内の冷暖房を行うための装置であって、冷媒配管34aを介してエアコンユニット34と接続されている。また、コンプレッサ35は、車体フレーム3内におけるエンジン31の側方に配置されており、上述したように、図示しないベルトを介してエンジン31から回転駆動力がプーリ52aの部分に伝達される。なお、このコンプレッサ35の具体的な構成については、後段にて詳述する。
コンデンサ36は、冷媒配管34aを介して接続されたエアコンユニット34およびコンプレッサ35を流れる冷媒と空気との間で熱交換を行わせるための装置であって、車体フレーム3の前進方向における先端部分に配置されている。
[コンプレッサ35の構成]
コンプレッサ35は、図3、図4および図5に示すように、主として、本体(本体部)51とプーリ部52とによって構成されており、より詳細には、シャフト50と、本体51と、プーリ52aと、電磁クラッチ53と、ベアリング54と、ステータ(固定部)55と、ロータ(回転部)56と、を備えている。
シャフト50は、本体51内に格納された図示しないスクロールと連結されており、後述する電磁クラッチ53を介してエンジン31からの回転駆動力を受けて回転する。
本体51は、上述したように、図示しないスクロールを格納しており、これを回転させることによってスクロール内に流入した冷媒を高温高圧の気体へと変換する。
プーリ52aは、図示しないベルトを介してエンジン31と接続されており、ベアリング54を介してエンジン31からの回転駆動力を受けて回転する。
電磁クラッチ53は、エアコンユニット34において運転状況に応じて電磁コイル53aに電圧が印加されると、プーリ52aの回転に伴って回転する駆動クラッチ板が、被動クラッチ板を吸着して連結されることで、被動クラッチ板に対して回転駆動力を伝達する。なお、この被動クラッチ板は、シャフト50と連結されている。このため、被動クラッチ板が駆動クラッチ板と連結することで、エンジン31の回転駆動力が電磁クラッチ53を介してシャフト50に対して伝達される。
ベアリング54は、シャフト50を中心とする円の径方向(以下、単に径方向と示す。)外側に配置されており、プーリ52aやロータ56等の回転の軸受部分として機能する。
ステータ55は、回転部としてのロータ56の径方向における内側に配置されており、電磁コイル53aが巻き付けられるステータコアの部分と、カバー(カバー部材)55aとによって構成されている。なお、このカバー55aについては、後段にて詳述する。
ロータ56は、ステータ55の径方向における外周側を覆うように配置されており、一体化されたプーリ52aの回転に伴ってベアリング54を介して回転する。
(カバー55aの構成)
カバー55aは、本体51とプーリ部52との間に配置されており、ロータ56の内周面とステータ55の外周面との間に形成された後進方向に向かって開口する略円環状の隙間Xの開口端側を覆う位置まで延伸している。なお、本実施形態では、隙間Xの大きさは、約0.3mmとなっている。
これにより、採掘現場等における作業中において、ブルドーザ1が後進する際等において、後進方向から流れてくる空気に混入した土砂埃等がロータ56とステータ55との間の隙間Xに侵入するためには、カバー55aとロータ56との間の隙間Yを経由して直角に移動する必要が生じる。このため、いわゆるラビリンス効果によって、土砂埃等がロータ56とステータ55との間の隙間Xに侵入することを効果的に抑制することができる。
この結果、土砂埃等がロータ56とステータ55との間の隙間Xから侵入して電磁クラッチ53のクラッチ接合面の摩耗を早めてしまうといった不具合の発生を抑制することができる。
また、カバー55aは、略円環状の隙間Xに合わせて形成された略円形の板材であって、シャフト50を中心とする径方向における大きさは、シャフト50を中心とする円の径方向におけるロータ56の外周面までの距離と同程度になるように形成されている。
これにより、カバー55aを設けた場合でも、コンプレッサ35の外郭に土砂埃が溜まり易くなる凹凸が形成されることを回避することができる。
さらに、カバー55aは、図4に示すように、エンジン31からの回転駆動力を受けて回転するロータ56との間に、水平方向において約0.3mm程度の隙間Yを開けて取り付けられている。
これにより、エンジン31からの回転駆動力が伝達されてロータ56が回転する際に、ロータ56とカバー55aとが接触したりすることを防止することができる。
[実施例1]
ここで、上記実施形態1で説明したカバー55a付きのコンプレッサ35と、従来のコンプレッサとで、クラッチ内部への土砂埃等のダストの侵入量を比較した実験結果より推定される稼働時間とクラッチの磨耗量との関係を、図6および図7を用いて説明する。
実験条件としては、雰囲気温度を室温(ただし、運転中の自然上昇あり)とし、所定のラジアル荷重、試験時間100h、使用したダストJIS7種、ダスト濃度17.0g/m3として実験を行った。
その実験結果としては、図6に示すように、従来のコンプレッサにおいてクラッチ内部に侵入したダスト(土砂埃)量が、0.305g、0.097g、0.125gであったのに対して、本発明を適用したコンプレッサにおいてクラッチ内部に侵入したダスト量は、0.057g、0.022g、0.023gと、約20%前後(18.7%、22.7%、18.4%)にまで軽減できることが分かった。
この結果から推定される稼働時間に対するクラッチ摩耗量が、図7に示されている。図7によれば、本発明品は従来品と比較して摩耗量が軽減できることが分かる。
以上の実験結果から、本発明のように、ロータ56とステータ55との間に形成される隙間Xの開口部分を覆うようにカバー55aを設けて、クラッチ内部への土砂埃等のダストの侵入を効果的に抑制することで、クラッチの摩耗量を低減して、コンプレッサ35の寿命を延ばすことができる。
[本ブルドーザ1のコンプレッサ35の特徴]
(1)
本実施形態のブルドーザ1のコンプレッサ35は、図2に示すエンジン31から回転駆動力が伝達されたプーリ52aとシャフト50とを電磁クラッチ53を介して接続して、エアコンユニット34に流れる冷媒の圧力を変化させる圧縮機であって、図4に示すように、プーリ52aの回転に伴って回転するロータ56と、この内周側に対向配置されたステータ55との間であって、本体51とプーリ52aとの間に形成される隙間Xの開口端側を覆うように、カバー55aを配置している。
これにより、土砂埃等のダストが大量に発生する採掘現場等で作業を行うブルドーザ1のような建設機械に搭載された場合でも、上記隙間Xへのダストの侵入によって電磁クラッチ53のクラッチ接合面における摩耗が進行してしまうことを抑制することができる。この結果、クラッチ接合面の摩耗の進行によるクラッチ接合不良等の不具合の発生を抑制して、コンプレッサ35の寿命を延長することができる。
(2)
本実施形態のブルドーザ1のコンプレッサ35は、図4に示すロータ56とステータ55との間に形成される隙間Xの開口端が、図3に示すように、ブルドーザ1の前進方向とは反対向き、つまり後進方向に向かって開口するように配置されている。
通常、自動車等に搭載されたコンプレッサでは、本実施形態のコンプレッサ35と同様に、車体の前進方向とは反対向きに隙間の開口端が向くように配置することで、隙間への空気の直接的な流入を防止して隙間へのダストの侵入を抑制している。しかし、ブルドーザ等の建設機械の場合には、採掘現場等の土砂埃が非常に多い環境下での作業になることや、自動車程の前進速度が速くなく、むしろ作業時には前進よりも後進の方が速度が大きい場合が多いことから、自動車と同じ向きになるようにコンプレッサを配置しただけでは、上記隙間へのダストの侵入を十分に抑制することは困難である。
本実施形態のブルドーザ1のコンプレッサ35では、コンプレッサ35の向きを上記隙間Xが前進方向とは反対向きに開口するように配置するだけではなく、上記隙間Xの開口端にカバー55aを設けている。
これにより、上記隙間Xへの土砂埃等の侵入を効果的に抑制して、クラッチ部分における摩耗の進行が早まることを防止することができる。この結果、隙間Xへの土砂埃の侵入によるクラッチ部分における接続不良等の不具合の発生を効果的に防止することができる。
(3)
本実施形態のブルドーザ1のコンプレッサ35では、ロータ56とステータ55との間に形成される隙間Xの開口端側を覆うように配置されたカバー55aを、略円形の板材によって形成するとともに、図4に示すように、ロータ56の外径とほぼ同じ大きさの外径を有している。
これにより、上記隙間Xの開口端側を覆うカバー55aを設けた場合でも、コンプレッサ35の外郭部分に凹凸が形成されることを回避することができる。この結果、カバー55aの取付けによって土砂埃等のダストがコンプレッサ35上に溜まり易くなることなく、効果的に隙間Xへのダストの侵入を抑制することができる。
(4)
本実施形態のブルドーザ1のコンプレッサ35では、ロータ56とステータ55との間に形成される隙間Xの開口端側を覆うように配置されたカバー55aが、図4に示すように、ロータ56の端部との間に隙間Yが形成されるように取り付けられている。
これにより、ロータ56が回転する際に、カバー55aがロータ56に接触して回転を妨げたり、騒音を発生させたりすることを防止しつつ、ロータ56とステータ55との間に形成される隙間Xへの土砂埃等のダストの侵入を効果的に抑制することができる。
(5)
本実施形態のブルドーザ1のコンプレッサ35では、図2に示すように、車体フレーム3内において隣接配置されたエンジン31から回転駆動力がプーリ52aに対して伝達される。
これにより、エンジン31を動力源としてプーリ52aやロータ56等を回転させることができるため、車体フレーム3内の構成を簡略化して、コンプレッサ35を駆動することが可能になる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、ブルドーザ1の後進方向に向かって、ロータ56とステータ55との間であって、プーリ部52を本体51との間に形成される略円環状の隙間Xが開口するようにコンプレッサ35を配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ブルドーザの進行方向に向かって上記隙間が開口するように、コンプレッサを配置してもよい。この場合でも、上述したカバーによって空気の流れの乗った土砂埃等が上記隙間内へ入り込むことを抑制することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、ロータ56とステータ55との間に形成される隙間Xへの土砂埃等の侵入を抑制するカバー55aとして、略円形の板材を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記カバーとして用いられる部材としては、略円形のものに限らず、例えば、略円筒形の隙間に沿って形成された円環状の部材であってもよい。あるいは、円形ではなく、多角形の部材であってもよい。
ただし、コンプレッサに対してカバーを取り付けた際に、コンプレッサに形成された凹凸部分に土砂埃等が溜まり易くなることを防止できるという点では、上記実施形態のように、ロータ略円形の部材をカバーとして用いることがより好ましい。
(C)
上記実施形態では、ステータ55の一部であるカバー55aの端部を延伸させて、ロータ56とステータ55との間に形成される略円環状の隙間Xの開口端を覆うように配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ステータの一部をカバーとして用いるのではなく、新たに別部材を設けて上記隙間Xの開口端を覆うように配置してもよい。
ただし、従来からあるステータの一部を延伸させるだけで済むために部品点数を増加させないという面では、上記実施形態のように、ステータ等の従来から備えられている部材の一部を用いてカバーを形成することがより好ましい。
(D)
上記実施形態では、ロータ56とステータ55との間に形成される略水平方向の隙間X、略鉛直方向の隙間Yを、それぞれ0.3mmの大きさに設定した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
各隙間の大きさとしては、ロータとステータとが接触しない範囲で、できる限り小さくすることが望ましいが、例えば、0.3mm未満であってもよく、0.3mmに限定されるものではない。
(E)
上記実施形態では、固定部としてのステータ55の外周側に、回転部としてのロータ56が位置する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ステータ(固定部)の内周側にロータ(回転部)が配置されるような構成のコンプレッサであってもよい。
(F)
上記実施形態では、ブルドーザ1に搭載されたコンプレッサ35を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ホイルローダ等の他の建設機械に搭載されたコンプレッサ(圧縮機)に対しても本発明の適用は当然に可能である。
本発明の建設機械の圧縮機は、ロータとステータとの間の隙間への土砂埃の侵入を抑制して圧縮機の不具合の発生を防止することができるという効果を奏することから、土砂埃が舞うような環境下において作業を行う各種建設機械に搭載される圧縮機に対して広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る建設機械の圧縮機が搭載されたブルドーザの外観を示す側面図。 図1のブルドーザの車体フレーム内の構成を示す断面図。 図2の車体フレーム内に搭載されたコンプレッサを側面から見た部分断面図。 図3のコンプレッサの部分拡大図。 図3のコンプレッサの側面図。 本発明に係るコンプレッサと従来のコンプレッサとで発生したダスト量の比較結果を示す説明図。 クラッチ摩耗量と稼働時間との関係を調査した実験結果を示すグラフ。
符号の説明
1 ブルドーザ(建設機械)
2 キャブ
3 車体フレーム(エンジンルーム)
6 作業機構
7 走行装置
31 エンジン
32 トルクコンバータ
33 トランスミッション
34 エアコンユニット
34a 冷媒配管
35 コンプレッサ(建設機械の圧縮機)
36 コンデンサ
50 シャフト
51 本体(本体部)
52 プーリ部
52a プーリ
53 電磁クラッチ
53a 電磁コイル
54 ベアリング
55 ステータ(固定部)
55a カバー(カバー部材)
56 ロータ(回転部)
60 ブレード
61 支持フレーム
62 油圧ブレードチルトシリンダ
63 油圧ブレードリフトシリンダ
70 履体
71 トラックフレーム
72 アイドラ
73 スプロケット
X 隙間
Y 隙間

Claims (5)

  1. 本体部とプーリ部とを備えた建設機械の圧縮機であって、
    前記プーリ部は、
    固定部と、
    前記固定部の内周側または外周側を覆うように配置されており、回転駆動力を受けて回転する回転部と、
    前記回転部の回転駆動力が伝達されて回転するシャフトと、
    所定の電気信号を受信して、前記シャフトを回転させるために前記回転部と前記シャフトとを接続する電磁クラッチと、
    前記固定部の外周面と前記回転部の内周面との間に形成され、前記本体部側に向かって開口する略円環状の第1の隙間を覆う板状のカバー部材と、
    を有しており、
    前記カバー部材は、前記回転部との間に第2の隙間が形成されるように配置されている、
    建設機械の圧縮機。
  2. 前記回転部と前記固定部との間に形成される前記第1の隙間が、建設機械の後進方向に向かって開口するように配置されている、
    請求項1に記載の建設機械の圧縮機。
  3. 前記カバー部材は、略円形であって、
    前記カバー部材の外径は、前記回転部の外径とほぼ同じになるように形成されている、
    請求項1または2に記載の建設機械の圧縮機。
  4. 前記第2の隙間の大きさは、前記第1の隙間の大きさと略同じである
    請求項1から3のいずれか1項に記載の建設機械の圧縮機。
  5. 前記カバー部材は、前記固定部の一部を延伸することによって形成されている
    請求項1から4のいずれか1項に記載の建設機械の圧縮機。
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