JP2014205377A - 車両用インホイールモータユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス性を確保しつつ、ケース側縦壁とハブ側フランジ部側との間の空間部の軸方向寸法を狭めることを可能とする車両用インホイールモータユニットを提供すること。
【解決手段】駆動ユニット本体Aからの駆動出力軸10と、駆動ユニット本体Aのアクスルケース72に対しハブベアリング71により支持されたホイールハブ軸70とを、変位吸収機構Bを介して連結した車両用インホイールモータユニットにおいて、アクスルケース72に、ハブ側フランジ部70aに対し空間部140を介在させて対向するケース側フランジ部72bが設けられ、アクスルケース72の一部に、ホイール用ボルト75の着脱時に、軸部75bが前記ボルト挿通孔70fから完全に抜けるまでホイール用ボルト75の頭部75aをボルト挿通孔70fに対して離間させる深さを有した作業用溝部72cが形成されていることを特徴とする車両用インホイールモータユニットとした。
【選択図】図5

Description

本発明は、駆動ユニット本体からの駆動出力軸と、ケース部材に対しハブベアリングにより支持されたホイールハブ軸を、変位吸収機構を介して連結した車両用インホイールモータユニットに関する。
従来、駆動出力軸と、ハブベアリングにより支持されたホイールハブ軸とを、変位吸収機構を介して連結した車両用インホイールモータが知られている。変位吸収機構は、ハブベアリングの変位/傾きを、駆動ユニット本体に有するギヤトレインやモータへ伝達することを防止/抑制することにより、ギヤ噛み合い部やモータへの影響を防止/抑制する機構である(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の技術では、ケース部材においてモータを収容する部分を塞ぐケース側縦壁と、ホイールハブ軸においてホイールを固定するためのハブ側フランジ部側との間に空間部が設けられている。
そして、ハブ側フランジ部にホイールを固定するためのホイール用ボルトが、その頭部を前記空間部に配置してハブ側フランジ部を貫通して取り付けられた構造となっている。
特開2009−190440号公報
上述の従来技術では、駆動ユニット本体及びホイールハブ軸の軸方向寸法を抑えることにより、車両用インホイールモータユニット全体の軸方向寸法を小さく抑え、車両搭載性を高めたいという要求がある。
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術において、ケース側縦壁とハブ側フランジ部側との間に空間部を狭めると、ケース側縦壁が邪魔になってホイール用ボルトをハブ側フランジ部から取り外すことができなくなる。この場合、ホイール用ボルトの破損時など、ホイール用ボルトを交換する際は、駆動ユニット本体からホイールハブ軸ごと取り外す必要が生じ、メンテナンス性に劣る。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、メンテナンス性を確保しつつ、ケース側縦壁とハブ側フランジ部側との間の空間部の軸方向寸法を狭めることを可能とする車両用インホイールモータユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ホイールハブ軸をハブベアリングを介して支持するケース部材の一部に、ハブ側フランジ部に対するホイール用ボルトの着脱時に、ホイール用ボルトの軸部がハブ側フランジ部のボルト挿通孔から完全に抜けるまで前記ホイール用ボルトの頭部を前記ボルト挿通孔に対して離間させる深さを有した作業用溝部が形成されていることを特徴とする車両用インホイールモータユニットとした。
本発明の車両用インホイールモータユニットでは、ホイール用ボルトをハブ側フランジ部に着脱する際には、その頭部を、ケース部材の一部に形成した作業用溝部を通過させることにより、軸部がボルト挿通孔から完全に抜けるまで移動させることができる。
したがって、作業用溝部を設けないものと比較して、両フランジ間の空間部の軸方向寸法を狭めてユニット全体の軸方向寸法を抑えながらも、ホイール用ボルトの着脱を可能としてメンテナンス性を確保することが可能となる。
実施例1における車両用インホイールモータユニットの全体断面を示す全体断面図である。 実施例1における車両用インホイールモータユニットを駆動ユニット本体と変位吸収機構とホイール構造に分けた構成を示す分解断面図である。 実施例1における車両用インホイールモータユニットの変位吸収機構とその周辺を拡大して示した拡大断面図である。 変位吸収機構でのハブベアリングの変位/傾きを吸収する変位吸収作用を説明するもので、(a)は変位無し時、(b)は平行変位時、(c)は傾き変位時、(d)は軸方向変位時を示す作用説明図である。 実施例1におけるアクスルケース及びホイールハブ軸の構造の詳細を示す拡大断面図である。 実施例1の車両用インホイールモータユニットにおけるアクスルケースに装着された泥除けガードを示す軸方向から見た正面図である。 実施例1の車両用インホイールモータユニットのアクスルケース及びホイールハブ軸を示す斜視図である。 実施例1の車両用インホイールモータユニットにおけるホイール用ボルトの着脱時のホイール用ボルトの移動軌跡を示す説明図である。 実施例2の車両用インホイールモータユニットの要部を示す斜視図である。
以下、本発明の車両用インホイールモータユニットを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における車両用インホイールモータユニットの構成を、[ユニット全体の概略構成]、[駆動ユニット本体の詳細構成]、[変位吸収機構の詳細構成]、[ホイール構造の詳細構成]、[ギヤカップリング軸の組付構造の詳細構成]、[アクスルケース周辺の詳細構成]に分けて説明する。
[ユニット全体の概略構成]
車両用インホイールモータユニットの全体断面を示す図1に基づき、ユニット全体の概略構成を説明する。
前記車両用インホイールモータユニットは、電気自動車の左右後輪等に適用され、図1に示すように、駆動ユニット本体Aと、変位吸収機構Bと、ホイール構造Cと、を備えている。
前記駆動ユニット本体Aは、左右後輪等のそれぞれに設定される駆動源としての機能を持ち、モータジェネレータMGと、ギヤトレインGTと、を有する。モータジェネレータMGの力行時には、三相交流の電流をステータ9に巻き付けたステータコイル9bに印加することで、ロータ8を一体に有するモータ軸6を回転し、モータ軸6の回転をギヤトレインGTにより減速して駆動出力軸10から出力する。モータジェネレータMGの回生時には、駆動出力軸10から入力される回転を、ギヤトレインGTにより増速してモータ軸6及びロータ8を回転することで、ロータ8にエアギャップを介して配置されたステータ9のステータコイル9bに三相交流の電流が発生する。
前記変位吸収機構Bは、ハブベアリング71の変位/傾きを駆動ユニット本体AのモータジェネレータMGやギヤトレインGTへ伝達することを防止/抑制する機能を持ち、ギヤカップリング軸50を有する。このギヤカップリング軸50は、駆動ユニット本体Aからの駆動出力軸10と、アクスルケース72(ケース部材)に対しハブベアリング71により支持されたホイールハブ軸70を、変位吸収可能に連結する。
前記ホイール構造Cは、各輪のタイヤやブレーキ機構を取り付ける機能を持ち、ホイールハブ軸70を有する。このホイールハブ軸70は、アクスルケース72に対し、複列アンギュラベアリング構造によるハブベアリング71により回転可能に支持され、ホイールハブ軸70のハブ側フランジ部70aには、ブレーキディスク73及びタイヤホイール110が固定される。また、ホイールハブ軸70は、駆動ユニット本体Aの駆動出力軸10に対し、変位吸収機構Bを介して連結される。
[駆動ユニット本体の詳細構成]
図2は、車両用インホイールモータユニットを駆動ユニット本体Aと変位吸収機構Bとホイール構造Cに分けた構成を示す。以下、図1及び図2に基づき、駆動ユニット本体Aの詳細構成を説明する。
前記駆動ユニット本体Aは、ユニットケース部材100に、三相交流の埋込磁石同期モータ構造によるモータジェネレータMGと、遊星歯車式減速ギヤ機構によるギヤトレインGTと、を内蔵することで構成される。
前記ユニットケース部材100は、ユニットケース1と、ユニットカバー2と、モータ軸側カバー3と、出力軸側カバー4と、を有して構成される。ユニットカバー2は、ユニットケース1の一端側にボルト固定され、モータ軸側カバー3は、モータ軸6の一端側を塞ぐようにユニットカバー2にボルト固定される。出力軸側カバー4は、駆動出力軸10の一部を駆動ユニット本体Aから突出させるようにユニットケース1の他端側にボルト固定される。
そして、出力軸側カバー4の端部位置にはオイルシール5が装着され、オイルシール5のシール部分を駆動出力軸10の外周面に対して所定のシール圧にて接触させている。つまり、出力軸側カバー4とオイルシール5を、駆動ユニット本体Aとハブベアリング71を隔離する隔壁構造部材としている。
前記モータジェネレータMGは、モータ軸6と、ロータフランジ7と、ロータ8と、ステータ9と、を有して構成される。モータ軸6は、一端部がユニットカバー2に対し第1ベアリング11を介して回転可能に支持され、他端部が駆動出力軸10に対し第2ベアリング12を介して相対回転可能に支持される。ロータ8は、モータ軸6に固定されたロータフランジ7に嵌装され、図外の永久磁石を埋設した積層鋼板により構成される。ステータ9は、ユニットケース1の内面に固定される共にロータ8に対しエアギャップを介して配置され、打ち抜き積層鋼板によるステータティース9aのそれぞれにステータコイル9bを巻き付けることで構成される。
なお、ステータコイル9bには、U相・V相・W相に分けた接続端子15を介してハーネスが接続される。また、モータ軸6には、ギヤトレインGTのギヤ噛み合い部やベアリング等の必要部位を潤滑する潤滑油が供給される軸芯油路16が形成される。
前記ギヤトレインGTは、ロータフランジ7を挟んだ図1の右側スペースに配置され、サンギヤ17と、大ピニオン18と、小ピニオン19と、ピニオンキャリア20と、リングギヤ21と、を有する。そして、入力回転を減速して出力する遊星歯車式減速ギヤ機構を、リングギヤ固定・サンギヤ入力・ピニオンキャリア出力とすることにより構成している。サンギヤ17は、モータ軸6に一体に形成され、大ピニオン18と噛み合う。大ピニオン18と小ピニオン19は、隣接して一体構成され、ピニオンキャリア20に対して回転可能に支持される。リングギヤ21は、ユニットケース1に対しセレーション結合により回転方向に固定され、小ピニオン19と噛み合う。
前記ピニオンキャリア20と一体に駆動出力軸10が設けられる。この駆動出力軸10は、一端側が小ピニオン19の内側まで軸方向に延び、他端側が出力軸側カバー4から突出するまで軸方向に延びた円筒スリーブ状に形成される。この駆動出力軸10の回転支持構造は、ピニオンキャリア20と共になされるもので、モータ軸6に対し第3ベアリング13を介して相対回転可能に支持され、出力軸側カバー4に対し第4ベアリング14を介して回転可能に支持される。
そして、駆動出力軸10の内面には、モータ軸6とギヤカップリング軸50とを隔てる位置に、隔壁シール部材22が油密状態で配置されている。つまり、隔壁シール部材22を、駆動ユニット本体Aと変位吸収機構Bを隔離する隔壁構造部材としている。
なお、ロータフランジ7を挟んだ図1の左側スペースには、モータの回転角度を検出するレゾルバ23と、図外のパーキングポールの噛み合いによりモータ軸6を固定するパークギヤ24と、が配置される。
[変位吸収機構の詳細構成]
図2は、車両用インホイールモータユニットを駆動ユニット本体Aと変位吸収機構Bとホイール構造Cに分けた構成を示し、図3は、要部である変位吸収機構の拡大断面図を示す。以下、図1〜図3に基づき、変位吸収機構Bの詳細構成を説明する。
図1に示す前記変位吸収機構Bは、単独で交換可能なギヤカップリング軸50を、駆動出力軸10とホイールハブ軸70に対し、変位を吸収しつつ駆動伝達可能に嵌合することで構成される。
前記ギヤカップリング軸50は、ギヤ連結軸部51の両側位置にそれぞれ、第1外歯部52及び第1端部53と、第2外歯部54及び第2端部55と、設けて構成される。第1外歯部52は、駆動出力軸10の第1内歯部56に対して変位吸収可能にセレーション嵌合され、第1端部53は、隔壁シール部材22に対して球面接触可能とされる。第2外歯部54は、ホイールハブ軸70の第2内歯部57に対して変位吸収可能にセレーション嵌合され、第2端部55は、エンドキャップシール部材76に対して球面接触可能とされる。
前記駆動出力軸10に形成された第1内歯部56と、ホイールハブ軸70に形成された第2内歯部57は、内歯の頂面と谷面を軸方向に直線で延びる円筒形状としている。これに対し、ギヤカップリング軸50に形成された第1外歯部52と第2外歯部54は、外歯の頂面と底面を球面形状にしている。これに加え、中央部歯厚を広くし両端部に向かうにしたがって歯厚を狭くしたクラウニング形状とし(図3参照)、傾斜中心点Dと傾斜中心点Eを中心とするあらゆる方向の傾きを吸収する構造としている。第1端部53と第2端部55は、軸芯位置を最大突出面とする滑らかな球面形状とし、傾斜中心点Dと傾斜中心点Eの間に配置した変位(剛性)中心点Fを中心とする傾きに対しこれを吸収する構造としている。すなわち、第1外歯部52と第1内歯部56の噛み合いが、ギヤカップリング軸50と駆動出力軸10との出力軸側駆動伝達嵌合部58となる。また、第2外歯部54と第2内歯部57の噛み合いが、ギヤカップリング軸50とホイールハブ軸70とのハブ軸側駆動伝達嵌合部59となる(図3参照)。
なお、ギヤカップリング軸50は、全周がシールされたカップリング空間に、図外の潤滑グリースと共に装着される。
さらに、前記ギヤカップリング軸50は、軸方向の両端部が対称に形成されている。すなわち、第1外歯部52と第2外歯部54は、その歯数及び外歯の頂面と底面を球面形状が軸方向(図1の左右方向)で対称に形成されている。また、第1端部53と第2端部55も、その形状が軸方向(図1の左右方向)で対称に形成されている。
したがって、両外歯部52,54と噛み合う両内歯部56,57の歯数も同数に形成されている。
[ホイール構造の詳細構成]
図2は、車両用インホイールモータユニットを駆動ユニット本体Aと変位吸収機構Bとホイール構造Cに分けた構成を示し、図3は、要部である変位吸収機構の拡大断面図を示す。以下、図1〜図3に基づき、ホイール構造Cの詳細構成を説明する。
前記ホイール構造Cは、ホイールハブ軸70と、ハブベアリング71と、アクスルケース72と、ブレーキディスク73と、タイヤホイール110と、を有して構成される。
前記ホイールハブ軸70は、ギヤカップリング軸50を介して駆動出力軸10に連結される回転部材であり、ハブベアリング71のインナーレース機能を持たせている。このホイールハブ軸70は、円筒状の本体700の駆動ユニット本体A側の端部にて、ハブベアリング71を支持している。そして、本体700において、ハブベアリング71を支持する位置よりも車外側であって、本体700の軸方向の中間部の外周からハブ側フランジ部70aが外径方向に延在されている。
このハブ側フランジ部70aには、図5に拡大して示すように、軸方向に沿う方向にボルト挿通孔70fが貫通されている。このボルト挿通孔70fには、図1に示す、ブレーキディスク73及びタイヤホイール110を図外のホイールナットにより共締めにて固定するホイール用ボルト75が、その軸部75bを貫通し、車外側に突出させた状態で予め固定されている。
また、ギヤカップリング軸50の第2端部55と接触するエンドキャップシール部材76が、スプリングピン77により端部位置に固定される。なお、タイヤホイール110の外周位置には、図外のタイヤが装着される。
前記ハブベアリング71は、ホイールハブ軸70をアクスルケース72に対して支持するベアリングであり、2列のボールが背面合わせの接触角を持たせて配列させることで構成されている。このハブベアリング71は、ホイールハブ軸70をインナーレースとし、アクスルケース72をアウターレースとするベアリングであるため、ホイールハブ軸70とアクスルケース72のボール接触面に対し、浸炭焼き入れやショットピーニング等による表面硬化処理を施している。なお、ハブベアリング71には、潤滑のためのグリースが封入されている。
前記アクスルケース72は、ボルト78によりユニットケース1と出力軸側カバー4に対して共締めに固定されるケース部材であり、ハブベアリング71のアウターレース機能を持たせている。
また、アクスルケース72のケース側フランジ部72bは、ブレーキ部品として、ホイールシリンダ79が固定されると共に、一対のブレーキシュー80,80が支持されるブレーキキャリパ81が一体に延設される。
さらに、アクスルケース72のケース側フランジ部72bには、ブレーキディスク73を覆うと共に、ハブベアリング71への泥水の浸入を防止するスプラッシュガード82が固定される。さらに、アクスルケース72の円筒状部72aには、図5に示す泥除けガード83が固定され、ハブベアリング71及びこれをシールするシール部材84への泥水の浸入を防止している。
この泥除けガード83は、円筒状部72aに固定される円筒状の基部83aと、この基部83aの一端から外径方向に延びる円環板状の遮蔽板83bと、によりL字断面形状に形成されている。
そして、図6に示すように、遮蔽板83bの周方向の一箇所には、外周縁から内径方向に円弧状に切り欠かれた切欠部83cが形成されている。
アクスルケース72は、図1に示すように、出力軸側カバー4に固定することで、駆動ユニット本体Aとハブベアリング71との間に液体シール性を持たせた閉鎖空間90を形成し、この閉鎖空間90に車輪速を検出するABSセンサ91を配置している。
ABSセンサ91は、センシング部品91aがアクスルケース72の上部位置に閉鎖空間90まで貫通して設けられ、ホイールハブ軸70に被センシング部品91bが圧入により固定される。なお、閉鎖空間90には、外気と連通するブリーザー92が連結される(図3参照)。
[ギヤカップリング軸の組付構造の詳細構成]
次に、ギヤカップリング軸50の組付に関する構成について説明する。
ホイールハブ軸70は、ユニットケース1に対してハブベアリング71により支持された図3に示す状態で、軸方向で駆動ユニット本体A側とは反対側の端部(図において右側の端部)に、開口部70bが設けられている。この開口部70bは、円筒状のホイールハブ軸70においてギヤカップリング軸50を収容する一般部70cよりも大径に形成されており、ギヤカップリング軸50を挿通可能な内径寸法に形成されている。また、開口部70bと一般部70cとの間には、径差により段部70dが形成されている。
さらに、この開口部70bは、前述したエンドキャップシール部材76により塞がれている。
エンドキャップシール部材76は、金属あるいは樹脂により円盤状に形成され、外周部には、図6に示すように、軸方向に延びるフランジ76fが形成され、このフランジ76fの外周に閉鎖空間90をシールするシール部材76aが設けられている。
このエンドキャップシール部材76は、段部70dに突き当てられた状態で、着脱部材としてのスプリングピン77により開口部70bからの抜け止めが成されている。
すなわち、ホイールハブ軸70には、軸直交方向に貫通して一対の挿通孔70e,70eが開口されている。
さらに、エンドキャップシール部材76のフランジ76fには、挿通孔70e,70eと径方向で同軸の位置であって図において上下の2箇所に、スプリングピン77を貫通させる径方向で見てU字状の切欠部76b,76bが形成されている。
さらに、挿通孔70e,70eは、図1に示すように、ホイールハブ軸70に装着されたホイール110の取付穴111の内周により覆われている。これにより、ホイール110の装着状態では、スプリングピン77の抜け止めがホイール110により成される。また、取付穴111は、キャップ112により塞がれ、エンドキャップシール部材76やスプリングピン77への泥水などの浸入が規制される。
[アクスルケース周辺の詳細構成]
アクスルケース72は、図5に拡大して示すように、ハブベアリング71を支持する円筒状部72aと、この円筒状部72aの駆動ユニット本体A側端部から外径方向に円板状に延びて出力軸側カバー4に固定されるケース側フランジ部72bと、を備えている。
なお、ケース側フランジ部72bと、ホイールハブ軸70のハブ側フランジ部70aとの間に空間部140が設けられている。この空間部140は、ホイール用ボルト75をハブ側フランジ部70aに対して着脱する際の作業用のスペースとなる。
そこで、アクスルケース72において、円筒状部72aとケース側フランジ部72bとの間のコーナ部分に、作業用溝部72cが形成されている。この作業用溝部72cは、図7の斜視図に示すように、アクスルケース72の円筒状部72aにおいて周方向の1箇所に設けられている。また、この作業用溝部72cは、軸方向から見て、左右方向の中央において径方向(図において上下方向)に延在して形成されており、軸方向から見て左右対称となる位置に設けられている。
この作業用溝部72cは、図8に示すように、ホイール用ボルト75を、ボルト挿通孔70fに着脱する際に、ホイール用ボルト75の頭部75aと、アクスルケース72とが干渉して着脱が妨げられるのを防止するためのものである。
本実施例1では、ケース側フランジ部72bとハブ側フランジ部70aとの間の空間部140の軸方向寸法L(図5参照)は、ホイール用ボルト75の軸長よりも短く、ボルト挿通孔70fに着脱できない寸法まで狭められている。
すなわち、軸方向寸法Lでは、ホイール用ボルト75を、図8の(Sa)にて示す軸部75bの先端をボルト挿通孔70fの入口に差し込んだ状態から、(Sb)にて示すように軸部75bをさらに深く差し込もうとすると、頭部75aがアクスルケース72に干渉する。また、その逆に、ホイール用ボルト75を、(Sc)に示すようにボルト挿通孔70fに差し込んだ位置から、(Sb)に示すように引き出そうとした場合にも、頭部75aがアクスルケース72に干渉して、移動が妨げられる。
そこで、アクスルケース72に、作業用溝部72cを形成し、この作業用溝部72cの深さを、上記作業時に頭部75aをアクスルケース72と干渉しないだけハブ側フランジ部70aから離間させることができる深さに形成している。
さらに、作業用溝部72cは、図7に示すように、アクスルケース72の1箇所のみに形成することで、作業用溝部72cを形成することによる、アクスルケース72の剛性低下を最小限としている。
また、作業用溝部72cは、アクスルケース72の周方向の1箇所に設けるのにあたり、軸方向から見て、左右対称となる上部の1箇所としているため、図外の車体に取り付けるのにあたり、左右輪で共用可能である。
図1に戻り、本実施例1では、前述したように、ホイールハブ軸70においてハブ側フランジ部70aは、軸方向の中間部に立設されており、このハブ側フランジ部70aの車外側面(図において右側面)がホイール取付面70gとなる。なお、実施例1では、ホイール取付面70gとホイール110との間にブレーキディスク73が挟持されている。
そして、このホイール取付面70gに対して、変位吸収機構Bのギヤカップリング軸50のホイールハブ軸70側と係合する第2外歯部54を、軸方向で車外側(図において右側)に配置している。
また、このホイール取付面70gが形成されたハブ側フランジ部70aよりも駆動ユニット本体A側にハブベアリング71が配置されている。そして、このハブベアリング71を支持する部位よりも、車外方向に離れた位置に、前記第2内歯部57が設けられており、この第2内歯部57の表層に、浸炭焼き入れやショットピーニング等による表面硬化部が形成されている。また、駆動出力軸10の第1内歯部56、ギヤカップリング軸50の両外歯部52,54の表層にも同様の表面硬化部が形成されている。
次に、作用を説明する。
実施例1の車両用インホイールモータユニットにおける作用を、[変位吸収機構での変位吸収作用]、[ホイール用ボルトの着脱作業]に分けて説明する。
[変位吸収機構での変位吸収作用]
例えば、高負荷での長期使用によりハブベアリング71のレース面摩耗が進行すると、ハブベアリング71に支持されるホイールハブ軸70が変位したり傾いたりする。このホイールハブ軸70の変位/傾きは、駆動ユニット本体AのギヤトレインGTやモータジェネレータMGへ伝達されることにより、
(1)異音・振動 :ギヤ歯の片当たりによるギヤノイズ
(2)ギヤ寿命の低下 :ギヤ歯の片当たりによる極部応力/面圧増加
(3)フリクション増加:ギヤ歯面間バックラッシ変化による損失増加
(4)モータ性能 :モータエアーギャップ変化による出力低下やトルク変動
等の問題を生じさせる。
したがって、ホイールハブ軸70の変位/傾きをギヤトレインGTやモータジェネレータMGへ伝達することを防止/抑制することにより、ギヤトレインGTのギヤ噛み合い部やモータジェネレータMGへの影響を防止/抑制する変位吸収機構Bが必要である。以下、図4に基づき、変位吸収機構Bでの変位吸収作用を説明する。
ホイールハブ軸70が、図4(a)の非変位状態から図4(b)に示すように、軸直角方向へyだけ平行変位する場合、この平行変位を出力軸側駆動伝達嵌合部58とハブ軸側駆動伝達嵌合部59による2つの自在継手作用によりギヤカップリング軸50の図示した傾斜を介して吸収することができる。よって、ホイールハブ軸70の平行変位が駆動出力軸10に影響してこれを変位させるようなことがない。
また、ホイールハブ軸70が、図4(a)の非変位状態から図4(c)に示すように、変位中心点Fの周りにθだけ傾き変位(首振り変位)する場合も、この傾き変位を出力軸側駆動伝達嵌合部58とハブ軸側駆動伝達嵌合部59による2つの自在継手作用によりギヤカップリング軸50の図示した傾斜を介して吸収することができる。よって、ホイールハブ軸70の傾き変位が駆動出力軸10に影響してこれを変位させるようなことがない。
さらに、ホイールハブ軸70が、図4(a)の非変位状態から図4(d)に示すように、軸線方向へXだけ軸方向変位した場合も、この軸方向変位を出力軸側駆動伝達嵌合部58とハブ軸側駆動伝達嵌合部59のうち、少なくとも一方によるスライド作用により吸収することができる。よって、ホイールハブ軸70の軸方向変位が駆動出力軸10に影響してこれを変位させるようなことがない。
このように、変位吸収機構Bの変位中心点F(ハブベアリング71の2列のボール中心位置)を、傾斜中心点D,Eの間の位置に配置する構成とすることで、ホイールハブ軸70が平行変位・傾き変位・軸方向変位の何れの変位を生じても、これらの変位を出力軸側駆動伝達嵌合部58とハブ軸側駆動伝達嵌合部59が確実に吸収し得る。すなわち、ホイールハブ軸70の変位が駆動出力軸10に及んでこれを対応方向へ変位させるようなことがない。
したがって、車両用インホイールモータユニットは、ホイールハブ軸70の変位が、駆動出力軸10からギヤトレインGT及びモータジェネレータMGに伝達されるのを、変位吸収機構Bによって防止することができる。この結果、上記(1)〜(4)の何れの問題をも生じさせることがない。
[ホイール用ボルトの着脱作業]
次に、実施例1の車両用インホイールモータユニットのホイール用ボルト75の着脱作業について説明する。
破損などに対応するメンテナンス時など、アクスルケース72にホイールハブ軸70を組み付けた後に、ホイールハブ軸70からホイール用ボルト75を着脱する必要が生じる場合がある。
この場合、着脱するホイール用ボルト75の位置が、周方向で作業用溝部72cと重なる位置となるように、ホイールハブ軸70を回動させる。
そして、ホイール用ボルト75を、ハブ側フランジ部70aから取り外す際には、図8に示すように、軸方向でケース側フランジ部72bの方向へ移動させつつ、頭部75aを外径方向(上方)へ移動させる。すなわち、ホイール用ボルト75を、図8において、(Sc)の位置から(Sb)及び(sa)の方向へ移動させ、軸部75bをボルト挿通孔70fから抜き出す。
このとき、頭部75aは、作業用溝部72cが形成されていない場合、アクスルケース72の円筒状部72aとケース側フランジ部72bとの間のコーナ部に干渉し、図示のような軌道で移動させることはできない。
それに対し、実施例1では、作業用溝部72cが形成されていることで、頭部75aがアクスルケース72に突き当たることなく移動できる。
また、空間部140には、泥除けガード83が設けられているが、この泥除けガード83には、周方向で作業用溝部72cと同一となる位置には、切欠部83cを形成している。このため、上記のようにホイール用ボルト75を移動させた際に、泥除けガード83と干渉して移動が妨げられる不具合が生じない。
なお、その後、ホイール用ボルト75を、ボルト挿通孔70fに装着する際には、図8において(Sa)(Sb)(Sc)に示す軌道で、軸部75bをボルト挿通孔70fに挿通させつつ、頭部75aを作業用溝部72cに沿って、移動させる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用インホイールモータユニットにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(a) 実施例1の車両用インホイールモータユニットは、
駆動ユニット本体Aからの駆動出力軸10と、前記駆動ユニット本体Aのケース部材としてのアクスルケース72に対しハブベアリング71により支持されたホイールハブ軸70とを、変位吸収機構Bを介して連結した車両用インホイールモータユニットにおいて、
前記変位吸収機構Bは、前記駆動出力軸10の第1内歯部56とギヤカップリング軸50の第1外歯部52とが噛み合う出力軸側駆動伝達嵌合部58と、前記ホイールハブ軸70の第2内歯部57と前記ギヤカップリング軸50の第2外歯部54とが噛み合うハブ軸側駆動伝達嵌合部59と、を有し、
前記ホイールハブ軸70の外周に、ホイール110を支持するハブ側フランジ部70aが外径方向に突出して設けられ、
前記ホイール110を前記ハブ側フランジ部70aに固定するためのホイール用ボルト75の軸部75bが、前記ハブ側フランジ部70aに形成されたボルト挿通孔70fを、前記駆動ユニット本体A側から車外側へ貫通して設けられ、
前記ケース部材としてのアクスルケース72に、前記ハブ側フランジ部70aに対し空間部140を介在させて対向するケース側縦壁部としてのケース側フランジ部72bが設けられ、
前記ケース部材としてのアクスルケース72の一部に、前記ホイール用ボルト75の着脱時に、前記軸部75bが前記ボルト挿通孔70fから完全に抜けるまで前記ホイール用ボルト75の頭部75aを前記ボルト挿通孔70fに対して離間させる深さを有した作業用溝部72cが形成されていることを特徴とする。
したがって、ホイール用ボルト75の着脱時には、その頭部75aを、ユニットケース部材100のアクスルケース72の一部に形成した作業用溝部72cを通過させる。これにより、軸部75bがボルト挿通孔70fから完全に抜けるまで、あるいは、軸部75bをボルト挿通孔70fに完全に差し込むまで移動させることができる。
よって、作業用溝部72cを設けないものと比較して、ハブ側フランジ部70aとケース側フランジ部72bとの間の空間部140の軸方向寸法を狭めながらも、ホイール用ボルト75の着脱が可能となる。
これにより、車両用インホイールモータユニットの軸方向寸法を短縮可能としながらも、メンテナンス性を確保できる。
加えて、作業用溝部72cは、アクスルケース72の1箇所のみに形成したため、アクスルケース72の全体を、作業用溝部72cを形成したのと同じ板厚に形成したものと比較して、アクスルケース72の剛性を確保することができる。
(b) 実施例1の車両用インホイールモータユニットは、
前記作業用溝部72cは、前記ケース部材としてのアクスルケース72を軸方向から見て左右対称となる1箇所に設けたことを特徴とする。
したがって、ユニットケース部材100を構成するアクスルケース72は、左右輪で共用しても、ホイール用ボルト75の取付作業及び取外作業を行なう場合の周方向の位置を共通化できる。これにより、アクスルケース72を、左右輪用で形状を異ならせた場合と比較して、部品点数を削減して低コスト化を図ることができる。あるいは、左右輪でアクスルケース72を共用化しても、ホイール用ボルト75の着脱作業を行なう場合の周方向の位置を共通化し、左右輪でこの作業位置が異なるものと比較して、作業性に優れる。
(c) 実施例1の車両用インホイールモータユニットは、
前記ケース部材としてのアクスルケース72に、円環板状の泥除けガード83が、前記空間部140に突出して取り付けられ、
前記泥除けガード83において前記作業用溝部72cと周方向で重なる位置に、前記頭部75aの通過用の切欠部83cが設けられていることを特徴とする。
したがって、ハブベアリング71などへの泥水の浸入抑制用の泥除けガード83を設定した場合でも、泥除けガード83を取り外すことなく、ホイール用ボルト75の着脱を可能とする。
(d) 実施例1の車両用インホイールモータユニットは、
前記変位吸収機構Bのギヤカップリング軸50の前記第2外歯部54が、前記ハブ側フランジ部70aのホイール取付面70gよりも軸方向で車外側に配置されていることを特徴とする。
すなわち、従来技術(特許文献1に記載の技術)では、変位吸収機構は、その軸方向の全長がホイールの取付面よりも車内側に配置されている。この場合、駆動ユニット本体の設置位置も車内側に配置されたり、変位吸収機構の軸方向スパンが短くなって、その分、変位吸収性能が低下したりすることになる。
それに対し、本実施例1では、変位吸収機構Bのギヤカップリング軸50の第2外歯部54を、ホイール取付面70gよりも軸方向で車外側に配置した。このため、駆動ユニット本体Aの設置位置を車外側に配置可能となり、上記(a)の効果と併せて、ユニット全体の軸方向寸法を小さく抑えることができ、車載レイアウト性に優れる。加えて、変位吸収機構Bのギヤカップリング軸50の第2外歯部54を、ホイール取付面70gよりも軸方向で車外側に配置することにより、変位吸収機構Bの軸方向スパンを長く確保して、(1)〜(4)で述べた変位吸収性能を十分に得ることが可能となる。
(e)実施例1の車両用インホイールモータユニットは、
前記ハブベアリング71は、前記ハブ側フランジ部70aのホイール取付面70gよりも、軸方向で前記駆動ユニット本体A側の位置に配置され、
前記ホイールハブ軸70の前記第2内歯部57の表層に、表面硬化部が形成されていることを特徴とする。
ホイールハブ軸70にあっては、第2内歯部57の表層及びハブベアリング71の軌道面には、浸炭焼入れなどの表面硬化部を設けている。実施例1では、第2内歯部57とハブベアリング71の軌道面との距離が確保されているため、第2内歯部57とハブベアリング71とのいずれか一方の表面硬化処理の際に、他方に熱影響による硬化性低減(焼き抜け)が生じないようにできる。
(f) 実施例1の車両用インホイールモータユニットは、
前記ギヤカップリング軸50の前記第1外歯部52と前記第2外歯部54は、外歯の頂面と底面とを球面形状にすると共に、歯面にクラウニングを付けた変位吸収構造を有することを特徴とする。
このため、上記(1)〜(4)の変位吸収時に、ギヤ噛み合い部分での抵抗を抑え、高い変位吸収性能を得ることができるとともに、このギヤ噛み合い部分における摩耗の発生を抑えることができる。
次に、実施例2の車両用インホイールモータユニットについて説明する。
なお、この実施例2は、実施例1の変形例であるため、実施例1との相違点のみを説明し、実施例1と共通する構成及び作用効果については説明を省略する。
この実施例1の車両用インホイールモータユニットは、作業用溝部を2箇所に設けた例である。
すなわち、図9に示すように、アクスルケース72のケース側フランジ部72bの基端部のコーナ部には、周方向に離間した2箇所に作業用溝部272c,272cが形成されている。また、これら作業用溝部272c,272cは、軸方向から見て、左右対称となる2箇所に配置されている。なお、泥除けガード83にあっても、実施例1で示した切欠部83cを、作業用溝部272cと周方向で同じ位置の2箇所に設ける。
したがって、この実施例2にあっても、上記(b)で述べたように、アクスルケース72を左右輪で共用した場合でも、ホイール用ボルト75の着脱作業の実行位置が周方向で同じ位置となり、作業性に優れる。
また、アクスルケース72の左右輪での共用化により部品点数を削減して低コスト化を図ることができる。
以上、本発明の車両用インホイールモータユニットを実施例1,2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1,2に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例では、作業用溝部を形成する数として、「1」「2」の2通りを示したが、その数は、これに限定されず、3以上設けてもよい。また、実施例では、作業用溝部は、左右対称に配置したものを示したが、左右対称に配置しない場合でも、所期の効果は得ることができる。
また、実施例では、ハブ側フランジ部に対向するケース側縦壁部を有するケース部材として、アクスルケースを示したが、ユニットケース部材に含まれる部分であれば、アクスルケースに限定されるものではない。さらに、ケース側縦壁部として、フランジ状に形成されたケース側フランジ部を示したが、ケース側縦壁部は、フランジ状に形成されたものに限定されない。加えて、作業用溝部は、ケース側フランジ部と円筒状の本体とのコーナ部に設けた例を示したが、この作業用溝部を形成する箇所は、コーナ部に限定されない。すなわち、ケース側フランジ部(ケース側縦壁部)において、軸方向に凹ませて形成することもできる。
また、実施例では、変位吸収機構は、ハブ軸側駆動伝達嵌合部を、ハブベアリングよりも車外側(駆動ユニット本体から離れる方向)に配置した例を示したが、これに限定されない。すなわち、従来技術と同様に、変位吸収機構を、ハブベアリングよりも駆動ユニット本体側に配置したものにも適用することができる。
実施例1では、本発明の車両用インホイールモータユニットを、電気自動車の左右後輪に適用する例を示した。しかし、本発明の車両用インホイールモータユニットは、電気自動車の左右前輪に対しても適用することができるし、電気自動車の全輪に対しても適用することができる。
10 駆動出力軸
50 ギヤカップリング軸
52 第1外歯部
54 第2外歯部
56 第1内歯部
57 第2内歯部
58 出力軸側駆動伝達嵌合部
59 ハブ軸側駆動伝達嵌合部
70 ホイールハブ軸
70a ハブ側フランジ部
70f ボルト挿通孔
70g ホイール取付面
71 ハブベアリング
72 アクスルケース(ケース部材)
72b ケース側フランジ部(ケース側縦壁部)
72c 作業用溝部
75 ホイール用ボルト
75a 頭部
75b 軸部
83 泥除けガード
83c 切欠部
110 タイヤホイール
140 空間部
272c 作業用溝部
A 駆動ユニット本体
B 変位吸収機構

Claims (6)

  1. 駆動ユニット本体からの駆動出力軸と、前記駆動ユニット本体のケース部材に対しハブベアリングにより支持されたホイールハブ軸とを、変位吸収機構を介して連結した車両用インホイールモータユニットにおいて、
    前記変位吸収機構は、前記駆動出力軸の第1内歯部とギヤカップリング軸の第1外歯部とが噛み合う出力軸側駆動伝達嵌合部と、前記ホイールハブ軸の第2内歯部と前記ギヤカップリング軸の第2外歯部とが噛み合うハブ軸側駆動伝達嵌合部と、を有し、
    前記ホイールハブ軸の外周に、ホイールを支持するハブ側フランジ部が外径方向に突出して設けられ、
    前記ホイールを前記ハブ側フランジ部に固定するためのホイール用ボルトの軸部が、前記ハブ側フランジ部に形成されたボルト挿通孔を、前記駆動ユニット本体側から車外側へ貫通して設けられ、
    前記ケース部材に、前記ハブ側フランジ部に対し空間部を介在させて対向するケース側縦壁部が設けられ、
    前記ケース部材の一部に、前記ホイール用ボルトの着脱時に、前記軸部が前記ボルト挿通孔から完全に抜けるまで前記ホイール用ボルトの頭部を前記ボルト挿通孔に対して離間させる深さを有した作業用溝部が形成されていることを特徴とする車両用インホイールモータユニット。
  2. 請求項1に記載された車両用インホイールモータユニットにおいて、
    前記作業用溝部は、前記ケース部材を軸方向から見て、左右対称の2箇所に形成されていることを特徴とする車両用インホイールモータユニット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された車両用インホイールモータユニットにおいて、
    前記ケース部材に、円環板状の泥除けガードが、前記空間部に突出して取り付けられ、
    前記泥除けガードにおいて前記作業用溝部と周方向で重なる位置に、前記頭部の通過用の切欠部が設けられていることを特徴とする車両用インホイールモータユニット。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載された車両用インホイールモータユニットにおいて、
    前記変位吸収機構のギヤカップリング軸の前記第2外歯部が、前記ハブ側フランジ部の前記ホイールの取付面よりも軸方向で車外側に配置されていることを特徴とする車両用インホイールモータユニット。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載された車両用インホイールモータユニットにおいて、
    前記ハブベアリングは、前記ハブ側フランジ部の前記ホイールの取付面よりも、軸方向で前記駆動ユニット本体側の位置に配置され、
    前記ホイールハブ軸の前記第2内歯部の表層に、表面硬化部が形成されていることを特徴とする車両用インホイールモータユニット。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載された車両用インホイールモータユニットにおいて、
    前記ギヤカップリング軸の前記第1外歯部と前記第2外歯部は、外歯の頂面と底面とを球面形状にすると共に、歯面にクラウニングを付けた変位吸収構造を有することを特徴とする車両用インホイールモータユニット。
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