JP4729123B1 - 並列−直列形電流帰還増幅器、光学機器、及び光学ドライブ装置 - Google Patents

並列−直列形電流帰還増幅器、光学機器、及び光学ドライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトダイオードから出力される電流信号を入力信号とする並列−直列形電流帰還増幅器において、ノイズを低減しつつ、帯域も維持しかつ信号歪も抑制する。
【解決手段】並列−直列形電流帰還増幅器2aは、ベースがフォトダイオード50の出力端に接続され、エミッタが抵抗20を介して接地端に接続され、コレクタが抵抗12を介して電源配線に接続されるトランジスタ10と、ベースがトランジスタ10のコレクタに接続され、コレクタが電源配線に接続されるトランジスタ30と、ベースがトランジスタ30のエミッタに接続され、エミッタが抵抗22を介して接地端に接続され、コレクタから出力信号が取り出されるトランジスタ11と、一端がトランジスタ11のエミッタに接続され、他端がトランジスタ10のベースに接続される帰還抵抗16と、抵抗20と並列に接続されるキャパシタ21と、抵抗22と並列に接続されるキャパシタ23とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は並列−直列形電流帰還増幅器、光学機器、及び光学ドライブ装置に関し、特にフォトダイオードから出力される電流信号を電流増幅する並列−直列形電流帰還増幅器、光学機器、及び光学ドライブ装置に関する。
帰還増幅器の一種に並列−直列形電流帰還増幅器がある(例えば特許文献1を参照)。並列−直列形電流帰還増幅器は、比較的高い周波数帯においても良好な特性を得られることで知られている。
図15は、並列−直列形電流帰還増幅器130の具体的な回路構成を示す図である。同図に示すように、並列−直列形電流帰還増幅器130は、基本増幅器131と帰還回路132を備えて構成される。
基本増幅器131は、それぞれ抵抗値R,zの抵抗140,141と、NPN型バイポーラトランジスタ142,143とを有する。並列−直列形電流帰還増幅器130の入力である電流信号iは、基本増幅器131のトランジスタ142のベースと帰還回路132とに入力される。トランジスタ142のエミッタは接地され、コレクタは抵抗140を介して電源配線に接続される。トランジスタ143のベースはトランジスタ142のコレクタに接続され、コレクタは抵抗141を介して電源配線に接続される。トランジスタ143のコレクタからは、並列−直列形電流帰還増幅器130の出力である電圧信号vが取り出される。帰還回路132は、一端がトランジスタ143のエミッタに接続され、他端がトランジスタ142のベースに接続される抵抗値Rの抵抗144と、一端がトランジスタ143のエミッタに接続され、他端が接地される抵抗値RE2の抵抗145とを有する。
特開昭61−199653号公報
ところで、光ディスクの記録・再生などを行うための光学ドライブ装置では、光ディスクで反射した光ビームを受光するためにフォトダイオードが用いられる。フォトダイオードから出力される電流信号は、電流電圧変換回路により電圧信号に変換され、さらに増幅回路にて増幅された後、後段の処理回路に入力される。
近年、光ディスクの大容量化に伴って読み出し・書き込み速度が高速化しており、そのためにフォトダイオードから出力される電流信号の広帯域化が進行していることから、上記電流電圧変換回路及び上記増幅回路にも広帯域化が求められている。そのための1つの方法として、本願発明の発明者は、上述した並列−直列形電流帰還増幅器の使用を検討している。
しかしながら、図15に示した一般的な並列−直列形電流帰還増幅器を実際に使用してみたところ、ノイズが多くてS/N比が悪化してしまうという問題があることが判明した。そこで、本願発明の発明者は、帰還抵抗144の抵抗値Rを従来より大きくするとともに、図16に示すように、トランジスタ142のエミッタと接地端の間に抵抗値RE1の抵抗146を挿入することを考えている。以下、詳しく説明する。
図15に示した並列−直列形電流帰還増幅器130のノイズの大きさは、式(1)に示す入力換算雑音電流i /Δfによって表される。ただし、右辺1項目,2項目,3項目はそれぞれ基本増幅器131の入力換算雑音電流源による項,入力換算雑音電圧源による項,帰還抵抗の熱雑音による項である。また、qは素電荷、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Δfは測定周波数帯域(Hz)である。また、gm1はトランジスタ142単体での伝達コンダクタンスであり、gm1=1/re1(re1はトランジスタ142のエミッタ抵抗)で表される。rb1はトランジスタ142の入力直列抵抗であり、βはトランジスタ142のエミッタ接地電流増幅率である。
Figure 0004729123
式(1)から理解されるように、ノイズの低減を行うためには、まずは抵抗値Rを大きくすればよい。抵抗値Rを大きくすることにより、式(1)右辺の2項目(入力換算雑音電圧源による項)と3項目(帰還抵抗の熱雑音による項)が低減される。さらに1項目(入力換算雑音電流源)も低減するためには、トランジスタ142のエミッタと接地端の間に抵抗値RE1の抵抗146を挿入することでトランジスタ142の伝達コンダクタンスを小さくすればよい。すなわち、抵抗146が挿入された場合のトランジスタ142の伝達コンダクタンスGm1は、Gm1=1/(RE1+1/gm1)となり、gm1に比べて小さくなる。これによりトランジスタ142のベース電流IB1とコレクタ電流IC1が小さくなることから、1項目(入力換算雑音電流源)が低減される。なお、式(1)の2項目(入力換算雑音電圧源による項)のgm1がGm1に置き換わるため、2項目は大きくなるが、それ以上に帰還抵抗Rを大きくすることで、全体としてノイズが低減されるようにすることができる。
しかしながら、並列−直列形電流帰還増幅器130の入力信号をフォトダイオードから出力される電流信号とする場合、抵抗146を用いると、並列−直列形電流帰還増幅器130の出力帯域は大幅に狭帯域化してしまう。抵抗146を用いることによる出力帯域の変化は、帰還抵抗144の抵抗値Rが大きいほど大きくなる。また、抵抗146を挿入することは、信号歪増加の原因ともなる。以下、それぞれについて詳しく説明する。
フォトダイオードは寄生容量を有しており、この寄生容量は、帰還抵抗144とトランジスタ142の入力抵抗(β・RE1+β/gm1)とともにローパスフィルタを構成し、そのカットオフ周波数fC1は、次の式(2)で表される。ただし、CPDはフォトダイオードの寄生容量である。
Figure 0004729123
式(2)より、帰還抵抗144(抵抗値:R)とトランジスタ142の入力抵抗(抵抗値:β・RE1+β/gm1)は、カットオフ周波数fC1に同じ割合で寄与し、いずれも抵抗値が大きくなるほどカットオフ周波数fC1が小さくなる。ここで、R≫β/gm1である場合を考える。RE1=0であるとき(抵抗146を用いないとき)には、抵抗値Rを大きくしても、1/(β/gm1)の項が支配的で大きいため、カットオフ周波数fC1の変化は小さい。一方、抵抗146を挿入した場合、1/(βRE1+β/gm1)の項は、抵抗値RE1がβ倍されていることから急激に小さくなり、カットオフ周波数fC1も急激に小さくなる。特に、帰還抵抗144の抵抗値Rが大きい場合には、抵抗146を挿入した状態では、並列−直列形電流帰還増幅器130の出力帯域は急激に狭帯域化する。
次に、並列−直列形電流帰還増幅器130の電流増幅率|A|は、次の式(3)で表される。ただし、Gm2はトランジスタ143(抵抗145を含む)の伝達コンダクタンスであり、Gm2=1/(RE2+1/gm2)で表される。ここで、gm2はトランジスタ143単体での伝達コンダクタンスであり、gm2=1/re2(re2はトランジスタ143のエミッタ抵抗)で表される。Vはアーリー電圧である。
Figure 0004729123
式(3)から、電流増幅率|A|は、抵抗値RE1が大きくなるほど小さくなることが理解される。したがって、抵抗146の挿入後にも電流増幅率|A|を維持するためには、低下分をどこかで補う必要がある。具体的には出力抵抗141の抵抗値zを大きくすることや、抵抗140の抵抗値Rを大きくすることが考えられる。このうち、抵抗値zを大きくすることは、最終的に出力雑音V /Δf={i /Δf}・(|A|・z(i /Δfは式(1)に示した入力換算雑音電流。|A|は式(3)に示した電流増幅率。)の増大を招くので好ましくない。一方、抵抗値Rを大きくすると、式(1)に示した入力換算雑音電流i /Δfの1項目(入力換算雑音電流源による項)を低減できる。つまり、まず第一に1項目の分母に抵抗値Rが含まれるため、抵抗値Rが大きくなると1項目が小さくなる。第二に、抵抗値Rを大きくするとトランジスタ142のベース電圧が小さくなるため、トランジスタ142のベース電流IB1とコレクタ電流IC1とが小さくなり、したがって1項目が小さくなる。したがって、抵抗146の挿入後にも電流増幅率|A|を維持するためには、出力抵抗141の抵抗値zではなく抵抗140の抵抗値Rを大きくすることが好ましいが、一方で抵抗140の抵抗値Rを大きくするとトランジスタ143のベース電流の影響でトランジスタ142のコレクタ−エミッタ間電圧が小さくなるため、トランジスタ142が飽和してきて、信号が歪むことになる。すなわち、抵抗値Rが十分に大きい状態(R≫β/gm1)で抵抗値RE1を追加し、さらにこれに伴い抵抗値Rを大きくすると、ノイズは十分に低減される一方で、帯域と信号歪が大幅に悪化してくる。
したがって、本発明の目的の一つは、フォトダイオードから出力される電流信号を入力信号とする場合に、ノイズを低減しつつ、帯域も維持しかつ信号歪も抑制できる並列−直列形電流帰還増幅器、光学機器、及び光学ドライブ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による並列−直列形電流帰還増幅器は、ベースがフォトダイオードの出力端に接続され、エミッタが第1の抵抗を介して接地端に接続され、コレクタが第3の抵抗を介して電源配線に接続される第1のトランジスタと、ベースが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記電源配線に接続される第2のトランジスタと、ベースが前記第2のトランジスタのエミッタに接続され、エミッタが第2の抵抗を介して接地端に接続され、コレクタから出力信号が取り出される第3のトランジスタと、一端が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、他端が前記第1のトランジスタのベースに接続される第1の帰還抵抗と、前記第1の抵抗と並列に接続される第1のキャパシタと、前記第2の抵抗と並列に接続される第2のキャパシタとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1の抵抗を用いたことでノイズが低減される一方、第1及び第2のキャパシタを用いたことで帯域が広げられ(ブーストされ)、さらに第2のトランジスタを用いたことで第1のトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧が大きくなって信号歪が抑制される。したがって、ノイズを低減しつつ、帯域も維持しかつ信号歪も抑制できる
上記並列−直列形電流帰還増幅器において、前記第1のトランジスタの伝達関数のゼロ点周波数である第1のゼロ点周波数の、前記第1のトランジスタの入力での伝達関数の一方の極点周波数に対する比は、0.51以上2.37以下であることが好ましく、第1のゼロ点周波数の前記一方の極点周波数に対する比は、0.51以上1.99以下であることがより好ましい。
また、前記第2のトランジスタの伝達関数のゼロ点周波数である第2のゼロ点周波数の、前記第1のトランジスタの入力での伝達関数の他方の極点周波数に対する比は、1.04以上3.11以下であることが好ましい。
また、前記第2のゼロ点周波数の、前記第2のキャパシタの静電容量を0とした場合の前記出力信号のカットオフ周波数に対する比は、1.3以上2.8以下であることが好ましい。
また、本発明による光学機器は、上記各並列−直列形電流帰還増幅器のいずれかを備えることを特徴とする。
上記光学機器において、非反転入力端子にリファレンス電圧が供給されるオペアンプと、前記オペアンプの反転入力端子と出力端子の間に接続される第2の帰還抵抗とをさらに備え、前記第3のトランジスタのコレクタは前記反転入力端子に接続され、前記第3のトランジスタのコレクタの電位は、前記オペアンプの仮想短絡により前記リファレンス電圧となることとしてもよい。これによれば、フォトダイオードから出力される電流信号の増幅率を上げることが可能になる。
また、上記光学機器において、前記非反転入力端子に接続され、前記フォトダイオードから電流信号が入力されない場合の前記並列−直列形電流帰還増幅器の出力電流を出力するレプリカ回路と、一端が前記非反転入力端子に接続され、他端にリファレンス電圧が供給される第4の抵抗とをさらに備え、前記第4の抵抗の抵抗値は前記第2の帰還抵抗の抵抗値に等しいこととしてもよい。これによれば、電流信号が入力されない場合であっても並列−直列形電流帰還増幅器の出力電流が流れ続けることによってオペアンプの出力電圧に生ずるオフセットを、キャンセルすることが可能になる。
また、本発明による光学ドライブ装置は、上記各光学機器のうちのいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、フォトダイオードから出力される電流信号を入力信号とする並列−直列形電流帰還増幅器において、ノイズを低減しつつ、帯域も維持しかつ信号歪も抑制できる。
本発明の第1の実施の形態による光学機器の回路図である。 (a)は、本発明の第1の実施の形態による並列−直列形電流帰還増幅器2と背景技術による並列−直列形電流帰還増幅器それぞれについて、対周波数でノイズの大きさをシミュレートした結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による出力信号の出力レベルをシミュレートした結果を示す図である。 図1の光学機器においてC=0とした場合の出力雑音電圧をプロットした図である。 本発明の第1の実施の形態による第1のトランジスタの入力回路を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による伝達関数G1(s),G2(s),G3(s)のシミュレーション結果の一例を示す図である。 (a)は、本発明の第1の実施の形態によるf2z/f1p−とf3z/f1p+の関係を示すグラフである。(b)は、本発明の第1の実施の形態によるf1p+/fとf3z/f1p+の関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態によるf2z/f1p−とf3z/fの関係を示すグラフである。 (a)(b)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態による出力信号の出力レベルをシミュレートした結果を示す図である。 (a)(b)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態による出力信号の出力レベルをシミュレートした結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による出力信号の出力レベルをシミュレートした結果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による光学機器の回路図である。 本発明の第3の実施の形態による光学機器の回路図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による光学機器の回路図である。 背景技術による並列−直列形電流帰還増幅器の具体的な回路構成を示す図である。 背景技術による並列−直列形電流帰還増幅器において、1段目のトランジスタのエミッタと接地端の間に抵抗を挿入した例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による光学機器1の回路図である。同図に示すように、光学機器1は並列−直列形電流帰還増幅器2aとフォトダイオード50とを備えている。並列−直列形電流帰還増幅器2aはフォトダイオード50と接続されており、フォトダイオード50から出力される電流信号iを電流電圧変換するとともに増幅し、電圧信号vを出力する。なお、図1には、フォトダイオード50の寄生容量50aも回路要素の一部として記載している。
光学機器1は、例えば光ディスクを再生する光学ドライブ装置であることが好適である。この場合、フォトダイオード50は、光ディスクで反射した光ビームを受光するために設けられる光検出器を構成する。ただし、本発明の適用範囲は光学ドライブ装置である光学機器に限られるものではなく、本発明は、フォトダイオードを備える各種の光学機器に適用可能である。また、図1では、フォトダイオードの一端は電源電圧VDDに接続されており、電流を流し込むタイプとなっているが、一端が接地端(GND)に接続され、電流を引き込むタイプでも同様に考えることができる。
図1に示すように、並列−直列形電流帰還増幅器2aは、ベースがフォトダイオード50の出力端に接続されるバイポーラトランジスタ10(第1のトランジスタ)と、コレクタから出力信号vが取り出されるバイポーラトランジスタ11(第3のトランジスタ)と、トランジスタ10のエミッタと接地端との間に接続されるゼロ点補償素子14と、トランジスタ11のエミッタと接地端との間に接続されるゼロ点補償素子15と、トランジスタ11のエミッタとトランジスタ10のベースとの間に接続される抵抗値Rの帰還抵抗16(第1の帰還抵抗)とを有している。トランジスタ10のコレクタは、抵抗値Rの抵抗12(第3の抵抗)を介して電源電圧VDDが供給される電源配線に接続される。また、トランジスタ11のコレクタは、抵抗値zの出力負荷抵抗13を介して電源電圧VDDが供給される電源配線に接続される。出力信号vは、トランジスタ11のコレクタ電流をiとすると、v=VDD−z×iとなる。
ゼロ点補償素子14は、トランジスタ10のエミッタと接地端との間に接続される抵抗値RE1の抵抗20(第1の抵抗)と、抵抗20と並列に接続される静電容量Cのキャパシタ21(第1のキャパシタ)とによって構成される。同様に、ゼロ点補償素子15は、トランジスタ11のエミッタと接地端との間に接続される抵抗値RE2の抵抗22(第2の抵抗)と、抵抗22と並列に接続される静電容量Cのキャパシタ23(第2のキャパシタ)とによって構成される。
トランジスタ10とトランジスタ11との間には、エミッタフォロワを構成するバイポーラトランジスタ30(第2のトランジスタ)が挿入される。トランジスタ30のベースはトランジスタ10のコレクタに接続され、エミッタは定電流源31を介して接地端に接続され、コレクタは電源電圧VDDが供給される電源配線に接続される。トランジスタ30のエミッタはトランジスタ11のベースにも接続される。
並列−直列形電流帰還増幅器2aによれば、図15に示した背景技術による並列−直列形電流帰還増幅器130に比べ、ノイズを低減しつつ、帯域も維持しかつ信号歪も抑制できる。具体的には、抵抗20を用いたことでノイズが低減される一方、キャパシタ21,22を用いたことで広帯域を実現でき、さらにトランジスタ30を用いたことでトランジスタ10のコレクタ−エミッタ間電圧が大きくなって信号歪が抑制されると同時にノイズもさらに低減される。また、電流増幅率|A|も、並列−直列形電流帰還増幅器130と同程度の大きさを維持している。以下、効果ごとに詳しく説明する。
まず、ノイズの低減について説明する。並列−直列形電流帰還増幅器2aの出力信号vに現れるノイズの大きさは、式(4)に示す出力雑音電圧(V /Δf)0.5によって表される。式(4)中、i /Δfは入力換算雑音電流であり、式(5)で表される。|A|・zは電流電圧変換ゲインである。式(5)において、右辺1項目,2項目,3項目はそれぞれ入力換算雑音電流源による項,入力換算雑音電圧源による項,帰還抵抗16及びゼロ点補償素子15の熱雑音による項である。また、qは素電荷、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Δfは測定周波数帯域(Hz)である。re1,rb1はそれぞれトランジスタ10のエミッタ抵抗,入力直列抵抗であり、βはトランジスタ10のエミッタ接地電流増幅率(>1)である。Z,Zはそれぞれゼロ点補償素子14,15のインピーダンスである(Z=RE1||C,Z=RE2||C)。IC1,IB1はそれぞれトランジスタ10のコレクタ電流,ベース電流であり、IB3はトランジスタ30のベース電流である。
Figure 0004729123
式(5)の1項目は、式(1)の1項目と同様に、抵抗20の挿入と抵抗12を大きくし、トランジスタ10のコレクタ電流,ベース電流を小さくすることによって、小さくなる。すなわち、図15の並列−直列形電流帰還増幅器130では、出力雑音電圧は1MHzで3.338×10−8(V/Hz0.5)であるのに対し、図16に示すように、まず抵抗146を挿入した時は、1MHzで2.684×10−8(V/Hz0.5)と低減され、さらに抵抗140を大きくすると、1MHzで2.03×10−8(V/Hz0.5)とさらに低減される。また、この状態から、エミッタフォロワを構成するバイポーラトランジスタ30を追加したことにより、出力雑音電圧はさらに低減される。すなわち、図1の並列−直列形電流帰還増幅器2aにおいて、トランジスタ10のベース電圧が小さくなって、トランジスタ10のコレクタ電流IC1,ベース電流I B1 をさらに小さくすることができると同時に、トランジスタ30のベース電流IB3はIB3=IB2/βと小さくなるため、式(5)の1項目が低減される。また、トランジスタ30のベース電流IB3が小さくなるため、さらに抵抗20と抵抗12の値を大きくすることができ、出力雑音電圧が低減される。このように、トランジスタ30の追加により、抵抗20のように直接的に電流増幅率|A|を小さくすることなしに、出力雑音電圧の低減が行える。図16の状態から、トランジスタ30の追加後の出力雑音電圧は1MHzで1.58×10−8(V/Hz0.5)となり、さらに低減されていることが分かる。
式(5)の2項目については、|Z|=RE1/{1+(ω・C・RE10.5、|Z|=RE2/{1+(ω・C・RE20.5より、R≫|Z|である場合、分母の値には高周波でもほとんど変化がなく、分子の|Z|が高周波になるほど小さくなってくるため、キャパシタ21を追加してゼロ点補償素子とすることで高周波でのノイズが小さくなってくる。式(5)の3項目についても、R≫|Z|である場合には分母の値には高周波でもほとんど変化がなく、ノイズの増加はほとんどない。
図2(a)は、並列−直列形電流帰還増幅器2aと図15に示した並列−直列形電流帰還増幅器130それぞれについて、対周波数でノイズの大きさをシミュレートした結果を示す図である。図2(a)において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は式(4)に示した出力雑音電圧(V /Δf)0.5の大きさ(V/Hz0.5)である。ただし、横軸は対数軸としている。
並列−直列形電流帰還増幅器2aのシミュレーションには式(5)を用い、並列−直列形電流帰還増幅器130のシミュレーションには式(1)を用いた。シミュレーション条件としては、帯域を150MHz以上(6倍速ブルーレイディスク用)とするとともに、電源電圧4.5V〜5.5Vかつ温度0℃〜100℃の下でプロセスモデルの条件をふった時の信号歪のワースト値が3%を超えないようにし、この条件でできる限りノイズが小さくなるように設計した。並列−直列形電流帰還増幅器130では帯域と信号歪の観点から、並列−直列形電流帰還増幅器2aと比べて、抵抗値Rは0.6倍、抵抗値Rは0.2倍と小さくなっているが、その分抵抗値zは1.45倍と大きくなっていて、電流電圧変換ゲイン|A|・zは同じ値93.97dBになっている。また、CPDは0.1pFとした。
図2(a)に示すように、少なくとも約2×10Hz(200MHz)以下では、並列−直列形電流帰還増幅器2aのノイズの大きさは、並列−直列形電流帰還増幅器130のそれに比べて小さくなっている。6倍速ブルーレイディスクの信号帯域が97.2MHz(1倍速の信号帯域16.2MHzの6倍)であることを考慮すると、並列−直列形電流帰還増幅器2aではノイズが低減されていると言える。出力雑音電圧を比較すると、並列−直列形電流帰還増幅器130では、1MHzで3.338×10−8(V/Hz0.5)、100MHzで2.958×10−8(V/Hz0.5)、並列−直列形電流帰還増幅器2aでは、1MHzで1.575×10−8(V/Hz0.5)、100MHzで1.934×10−8(V/Hz0.5)となっており、低減されている。
なお、より広帯域な信号帯域を有する光ディスク(例えば信号帯域が約162MHzである10倍速ブルーレイディスク)を用いる場合、R,RE1,RE2,z,CPD,C,C,Rの各値を適宜調節することで、帯域253MHzを実現するこができ、信号帯域に応じた広帯域で、並列−直列形電流帰還増幅器130に比べて低いノイズを実現することが可能になる。
次に、信号歪の抑制について説明する。
信号歪は、特にトランジスタ30を設けたことによって抑制される。すなわち、トランジスタ30を設けたことによって抵抗12での電圧降下が小さくなるので、トランジスタ10が余裕を持って動作できるようになり、信号歪が抑制される。以下、詳しく説明する。
図15に示した背景技術による並列−直列形電流帰還増幅器130では、抵抗140での電圧降下はR×(IC1+IB2)である。これに対し、本実施の形態による並列−直列形電流帰還増幅器2aでは、抵抗12での電圧降下はR×(IC1+IB2/β)となる。ただし、トランジスタ30のコレクタ接地電流増幅率がトランジスタ10のエミッタ接地電流増幅率β(>1)と同一であるとしている。
以上の結果から明らかなように、並列−直列形電流帰還増幅器2aでは、抵抗12での電圧降下が背景技術に比べてIB2(1−1/β)だけ小さくなっている。したがって、その分トランジスタ10のコレクタ−エミッタ間電圧が背景技術に比べて大きくなり、信号歪が抑制される。図15に示した並列−直列形電流帰還増幅器130において、図16に示したように抵抗146を挿入し、かつ抵抗140を大きくしてノイズの低減を行った状態で信号歪をシミュレートしてみると、1MHzで1.49%となる。これに対し、図16の状態から、エミッタフォロワを追加した場合は同じようにシミュレートを行うと、信号歪は1MHzで0.58%となる。このように、エミッタフォロワを追加すれば、信号歪が小さくなる。
図3は、並列−直列形電流帰還増幅器2aにおいてトランジスタ30が(a)ある場合と(b)ない場合のそれぞれについて、電流信号iを正弦波信号(0μA〜4μAで振動する正弦波信号)とした場合のトランジスタ10のコレクタ、ベース、エミッタの電圧変化をシミュレートした結果を示している。図3(a)(b)において、横軸は時間(μsec)であり、縦軸は電圧(V)である。なお、R,RE1,RE2,R,z,CPD,C,Cの各値は、図2(a)と同じものを使用した。
図3(a)(b)それぞれにおいてコレクタ−エミッタ間の最小電位差に着目すると、トランジスタ30がある場合(a)では約0.525Vであり、この値に基づいて算出される信号歪は1MHzで0.48%、100MHzで1.14%であるのに対し、トランジスタ30がない場合(b)では約0.267Vしかなく、この値に基づいて算出される信号歪は1MHzで0.84%、100MHzで4.62%と、周波数が高くなるほど大幅に悪化する。このように、並列−直列形電流帰還増幅器2aではトランジスタ10のコレクタ−エミッタ間電圧を大きくすることが実現されている。したがって、トランジスタ10は並列−直列形電流帰還増幅器130のトランジスタ142に比べて余裕を持って動作でき、信号歪が抑制される。
次に、帯域の維持について説明する。
並列−直列形電流帰還増幅器2aにおいてキャパシタ21,23がないとした場合、前述のようにノイズと信号歪は十分に改善される一方で、帯域は、式(2)から理解されるように、主に抵抗値20の追加により大幅に悪化する。並列−直列形電流帰還増幅器2aでは、キャパシタ21,23を設けたことにより帯域の改善も実現している。その原理については後述することとし、ここでは結果のみを示す。
図2(b)は、キャパシタ21,23の静電容量の5つの組み合わせについて、出力信号vの出力レベルをシミュレートした結果を示す図である。図2(b)において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は出力レベル(dB)である。ただし、横軸は対数軸としている。R,RE1,RE2,R,z,CPDの各値は、図2(a)と同じものを使用した。キャパシタ21,23のあり、なしの5種類の組み合わせと、組み合わせごとの出力のカットオフ周波数fの値を表1に示す。表の左端の数字は、図2(b)中の丸囲み数字と対応している。
Figure 0004729123
図2(b)に示すように、低周波数帯における出力信号vの出力レベルは、C,Cの静電容量によらず93.97dBである。出力レベルがこの93.97dBから3dB下がる周波数をカットオフ周波数fという。
図2(b)及び表1に示したfから理解されるように、C,Cを両方とも設けない場合(3)には、帯域が大幅に悪化している。これは、抵抗値RE1を追加したことによる影響である(式(2)を参照)。また、(4)(5)はC,Cのいずれか一方を設けた場合において、帯域の盛り上がりがなく出力帯域がフラットになる条件、すなわち、信号歪が悪化しない条件で値を定めた場合であるが、表1に示したように、カットオフ周波数fが150MHz以上にならない。Cのみを設けた場合(4)については、値を大きくしてブーストさせ、信号歪が2%になった状態でも、カットオフ周波数fは最大で135MHzまでにしかならない。Cのみを設けた場合(5)については、帯域は盛り上がりがなくフラットな特性になるが、ノイズが大幅に悪化する。図4は、この場合の出力雑音電圧をプロットした図である。同図に示すように、Cのみを設けた場合の出力雑音電圧は、大幅にブーストされて悪化する。具体的な出力雑音電圧は100MHzで8.378×10−8(V/Hz0.5)となっており、また信号歪も60MHzで7.74%と大幅に悪化している。すなわち、最終段の出力のみで帯域を改善しようとすると、ノイズと信号歪が大幅に悪化するため、好ましくない。
なお、後ほど詳しく説明するが、Cのみを設けた場合には、新たに極点が発生するために広帯域を実現することができない。これに対し、C,Cを後述のように適切に決めれば、6倍速ブルーレイディスクに必要なカットオフ周波数f=150MHzや10倍速ブルーレイディスク必要なカットオフ周波数f=250MHzを実現することが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態による光学機器1によれば、ノイズを低減しつつ、帯域も維持しかつ信号歪も抑制できる。
次に、RE1,RE2,C,Cの好ましい値について、詳しく説明する。
E1,RE2,C,Cの好ましい値は、トランジスタ10の入力での伝達関数G1(s)、トランジスタ10の伝達関数G2(s)、及びトランジスタ11の伝達関数G3(s)を利用して求めることが可能である。
図5は、トランジスタ10の入力での等価回路を示す図である。同図に示すように、トランジスタ10の入力での等価回路は、帰還抵抗16と、寄生容量50aと、トランジスタ10の入力抵抗10aとからなるRCフィルタで構成される。帰還抵抗16は、入力と出力を結ぶ配線Lに間挿される。寄生容量50aは、配線Lと接地端の間に挿入される。入力抵抗10aは、配線Lと接地端の間に直列に挿入されたトランジスタ10のエミッタ抵抗10eとゼロ点補償素子14とを有している。なお、図5に示すように、実際には入力抵抗10aにはトランジスタ10の入力直列抵抗(抵抗値rb1)も含まれるが、抵抗値rb1は他の回路要素に比べて極めて大きい値を有するために無視して差し支えないことから、伝達関数の計算では抵抗値rb1を無視している。また、伝達関数の計算において、エミッタ抵抗10eとゼロ点補償素子14内の抵抗20の各抵抗値はβ倍され、ゼロ点補償素子14内のキャパシタ21の静電容量は1/β倍される。以下では、図5にも示すように、β/gm1(=βre1)をrπと記述する。
トランジスタ10の入力での伝達関数G1(s)は入力信号Viと出力信号Voの比であり、具体的には次の式(6)のように表される。ただし、A,A,Aはそれぞれ式(7),式(8),式(9)で表される。
Figure 0004729123
伝達関数G1(s)は、1つのゼロ点周波数f1zと2つの極点周波数f1p±とを有する。これらはそれぞれ、次の式(10)〜式(12)で表される。ここで、ゼロ点周波数は、出力レベル(dB)が低域の時と比べて3dB大きくなる周波数であり、極点周波数は、出力レベル(dB)が低域の時と比べて3dB小さくなる周波数である。
Figure 0004729123
トランジスタ10の伝達関数G2(s)は、次の式(13)で表される。また、伝達関数G2(s)は1つのゼロ点周波数f2zと1つの極点周波数f2pとを有し、これらはそれぞれ、次の式(14)及び式(15)で表される。
Figure 0004729123
トランジスタ11の伝達関数G3(s)は、次の式(16)で表される。また、伝達関数G3(s)も1つのゼロ点周波数f3zと1つの極点周波数f3pとを有し、これらはそれぞれ、次の式(17)及び式(18)で表される。
Figure 0004729123
がないとした場合、伝達関数G1(s)の極点周波数は式(2)に示される周波数fC1の1つのみであるが、帯域改善のためにCを追加した場合、式(10)〜式(12)に示したように、1つのゼロ点周波数f1zと2つの極点周波数f1p±とが生成されることになる。一方、トランジスタ10の伝達関数G2(s)は、1つのゼロ点周波数f2zと1つの極点周波数f2pを生成するため、伝達関数G1(s)の2つの極点周波数のうちの1つしか打ち消すことができない。このことが、Cのみの追加では帯域を改善することができなかった理由である。
よって、 RE1,RE2,C,Cの値は、伝達関数G1(s)の2つの極点周波数f1p±が、伝達関数G2(s),G3(s)のゼロ点周波数f2z,f3zによって打ち消されるように決定する。
図6は、伝達関数G1(s),G2(s),G3(s)のシミュレーション結果の一例を示す図である。ただし、横軸は周波数(Hz)の対数軸としている。同図には、ゼロ点周波数f1z,f2z,f3zと、極点周波数f1p+,f1p−,f2pの位置も示している。極点周波数f3pについては、この例では1GHzを超える値となるので、図には現れていない。また、同図には、伝達関数G1(s)とG2(s)の加算関数G1(s)+G2(s)、伝達関数G1(s)乃至G3(s)の加算関数G1(s)+G2(s)+G3(s)についても同様に示している。加算関数G1(s)+G2(s)は負帰還のループの伝達関数を表しており、位相補償の観点からも、G1(s)とG2(s)で極点周波数とゼロ点周波数が打ち消すように、RE1,Cの値を設定することが好ましい。こうすることにより、負帰還ループにおいて、位相が回りすぎて、位相余裕がなくなるのを防ぐことができ、発振することなく安定的に動作することができる。また、加算関数G1(s)+G2(s)+G3(s)は、図5のVから並列−直列形電流帰還増幅器2aの出力までの伝達関数を表している。
図6の例では、極点周波数f1p−とゼロ点周波数f2zとが等しくなるように、RE1,Cの値を設定している。RE1が大きい場合には、f1p−は、RとCPDのみで決まるカットオフ周波数と近い値となる。f1p−とf2zの具体的な値は、ともに約3.2MHzである。このようにしているため、伝達関数G1(s)の極点が伝達関数G2(s)のゼロ点によって打ち消され、加算関数G1(s)+G2(s)や加算関数G1(s)+G2(s)+G3(s)は、約3.2MHzのところでほぼ0となってフラットな特性になっている。また、式(15)より、伝達関数G1(s)のゼロ点周波数f1zと伝達関数G2(s)の極点周波数f2pが等しくなるため、加算関数G1(s)+G2(s)や加算関数G1(s)+G2(s)+G3(s)でもこれらが打ち消されている。このことは、極点周波数f1p−とゼロ点周波数f2zとが等しくなるようにRE1,Cの値を設定したことにより、並列−直列形電流帰還増幅器2aの出力帯域が広帯域化したことを意味している。すなわち、同じ負帰還のループ内で極点とゼロ点とで打ち消すことによって、広帯域が実現できる。なお、極点周波数f1p−をG3(s)のゼロ点周波数f3zで打ち消そうとしても、負帰還がかかって回路が動作している状態ではうまく打ち消せず、前述のように、ノイズと信号歪が大幅に悪化する。
また、図6の例ではさらに、極点周波数f1p+がゼロ点周波数f3zによって打ち消されるように、RE2,Cの値を設定している。極点周波数f1p+は、極点周波数f1p−よりかなり大きい値となっている。本来は、上記同様に、同じ負帰還のループ内で打ち消すのが好ましいが、ここでは、最終出力段のゼロ点周波数f3zで極点周波数f1p+の影響を打ち消そうとしている。もちろん、同じ負帰還のループ内で打ち消せるように、トランジスタ30やトランジスタ11のベースと接地端の間に抵抗とキャパシタを直列に接続して、別のゼロ点を新たに生成するようにしてもよい。その結果、図6に示すように、加算関数G1(s)+G2(s)+G3(s)では、加算関数G1(s)+G2(s)に比べてカットオフ周波数が高くなっている。このことは、極点周波数f1p+がゼロ点周波数f3zによって打ち消されるようにRE2,Cの値を設定したことにより、並列−直列形電流帰還増幅器2aの出力帯域がさらに広帯域化したことを意味している。
このように、伝達関数G1(s)乃至G3(s)の極点周波数とゼロ点周波数を利用すれば、並列−直列形電流帰還増幅器2aの出力帯域が広帯域化するよう、RE1,RE2,C,Cの値を決定することが可能になる。具体的には、使用する光ディスクで必要とされる出力帯域まで高帯域化しつつ、かつ信号歪が所定値以下となるように、RE1,RE2,C,Cの値を決定することが好ましい。以下、具体的な決定手順について説明する。
前提として、ここでは光ディスクを6倍速のブルーレイディスクを用いることにすると、必要とされる出力帯域の条件はf(出力信号vのカットオフ周波数)≧150MHzとなる。また、一般的に、電源電圧が5V、温度が27℃でプロセスモデルがノミナルの条件の時の信号歪は2%以下であることが好ましい。なお、信号歪(Total Harmonic Distortion)は、出力信号vをフーリエ級数展開することにより得られる2次以降の高調波の出力レベルの、1次の基本波の出力レベルに対する割合により表される。
まず、抵抗値RE1と静電容量Cを調節することによりf2z/f1p−を1、すなわち極点周波数f1p−とゼロ点周波数f2zとが等しくなる近傍で離散的に変化させる。そして、f2z/f1p−の値ごとに、抵抗値RE2と静電容量Cを調節することによりf3z/f1p+の値を離散的に変化させ、その都度カットオフ周波数fと信号歪を算出する。その結果、f≧150MHzであり、かつ信号歪が2%以下であるようなf2z/f1p−とf3z/f1p+の組み合わせが見い出されたら、その組み合わせに対応するRE1,RE2,C,Cの各値を採用する。実際は、電流増幅率|A|やノイズの観点から抵抗値RE1と抵抗値RE2はほぼ決まっているため、この値に合わせて、f2z、f3zの値を決めるために、C,Cの各値を決めることになる。これらf2z/f1p−とf3z/f1p+の値は、帯域と信号歪にとって、重要な指標となる。すなわち、これらが打ち消しあっていて1に近いことが帯域と信号歪両方にとって好ましいが、1より大きくてゼロ点周波数が大きくなると、帯域の落ち込みが大きくなって帯域を改善することができなくなり、1より小さくてゼロ点周波数が小さくなると、帯域の盛り上がり(過度なブースト)が生じ、信号歪が悪化してくる。信号歪の観点からは、f2z/f1p−とf3z/f1p+の値は1以上となるのが好ましい。このことは、ノイズについても言え、ブーストが大きいとその分ノイズは悪化する。
図7(a)は、R,R,z,CPDの値として図2(a)と同じものを使用した場合の、f2z/f1p−とf3z/f1p+の関係を示すグラフである。同図には、f=150MHzとなる点と、信号歪が2%となる点とをプロットしてある。
図7(a)に示す領域S1では、f≧150MHzであり、かつ信号歪が2%以下となっている。したがって、RE1,RE2,C,Cの各値は、f2z/f1p−とf3z/f1p+とが領域S1内の値を取るよう決定すればよい。具体的には、図7から明らかなように、0.51≦f2z/f1p−≦2.37となるようにRE1,Cの各値を決定し、さらに決定したRE1,Cの各値を用いて算出されるf3z/f1p+が領域S1内に入るよう、RE2,Cの各値を決定すればよい。こうすることで、f≧150MHzであり、かつ信号歪が2%以下となる並列−直列形電流帰還増幅器2aを実現することが可能になる。信号歪の観点からは1≦f2z/f1p−が好ましいとしたが、信号歪が2%以下の条件では、上記のようになる。
2z/f1p−を用いずにRE1,RE2,C,Cの各値を決定してもよい。この場合、1.04≦f3z/f1p+≦3.11を満たすように、RE1,RE2,C,Cの各値を決定すればよい。以下、詳しく説明する。
図7(b)は、R,R,z,CPDの値として図2(a)と同じものを使用した場合の、f1p+/fとf3z/f1p+の関係を示すグラフである。ただし、faは、並列−直列形電流帰還増幅器2aにおいてキャパシタ23の静電容量C=0とした場合の出力信号のカットオフ周波数である。同図にも、図7(a)と同様、f=150MHzとなる点と、信号歪が2%となる点とをプロットしてある。
極点周波数f1p−とゼロ点周波数f2zとが適切に打ち消しあっていない時や寄生容量などの影響が大きい時には、極点周波数f1p+とカットオフ周波数faが一致しなくなる。そして、極点周波数f1p+とカットオフ周波数faが大きくずれてくると、f3z/f1p+の値も、f1p+/f=1の時にf3z/f1p+がとる値から大きくずれてくることになる。f3z/f1p+の値が大きくずれることは、帯域や信号歪の観点から好ましくない。よって、f3z/f1p+の好ましい範囲を、極点周波数f1p+とカットオフ周波数faが概ね等しくなる範囲内で決定すればよい。具体的には、0.7≦f1p+/f≦1.3(±30%)の範囲でf3z/f1p+の好ましい範囲を決定することが好適である。図7から明らかなように、この範囲内で許容されるf3z/f1p+の範囲は1.04≦f3z/f1p+≦3.11である。したがって、1.04≦f3z/f1p+≦3.11となるようにRE1,RE2,C,Cの各値を決定することで、f≧150MHzであり、かつ信号歪が2%以下となるとともに、極点周波数f1p−とゼロ点周波数f2zとが適切に打ち消される並列−直列形電流帰還増幅器2aを実現することが可能になる。
また、上記の考えに基づいて、Cがない状態でのカットオフ周波数faとの比を用いて、f2z/f1p−の範囲を決めることもできる。f2z/f1p−の値が0.51≦f2z/f1p−≦1.99を満たすように、RE1,Cの各値を決めることもできる。以下、これらの点について説明する。
図8は、R,R,z,CPDの値として図2(a)と同じものを使用した場合の、f2z/f1p−とf3z/fの関係を示すグラフである。同図にも、図7(a)などと同様、f=150MHzとなる点と、信号歪が2%となる点とをプロットしている。
図8に示すように、0.51≦f2z/f1p−≦1.99の領域ではf3z/fの値はf2z/f1p−の変化に対して平坦であるが、f2z/f1p−が1.99を超えるとf2z/f1p−の変化に対して急激に変化するようになる。安定した特性を得るためにはf3z/fの値がf2z/f1p−の変化に対してあまり変化しないことが好ましいことから、0.51≦f2z/f1p−≦1.99とすることが好ましい。f3z/fの値が急激に大きくなる場合について説明する。Cが小さくなって、ゼロ点周波数f2zが大きくなり、f2z/f1p−が1.99を超えてくると、途中の帯域の落ち込みをカバーできなくなるため、fの値が急激に小さくなり、f3z/fの値は急激に大きくなってくる。即ち、この時、帯域が悪化する。一方、Cが大きくなって、ゼロ点周波数f2zが小さくなり、f2z/f1p−が0.51より小さくなってくると、帯域の盛り上がりが出てくる一方、もう1つの極点周波数f1p+が小さくなってくるため、Cを大きくしても、fの変化が小さくなり、fの値は大きくならない。この時、帯域と信号歪の観点から、Cが大きくなってくると、Cを小さくしていく必要があり、f3zは大きくなるため、f3z/fの値は同様に急激に大きくなってくる。即ち、この時、帯域と信号歪が悪化する。よって、f3z/fの値が急激に大きくなる場合は、帯域と信号歪が悪化する時であるため、f3z/fの値が安定しているf2z/f1p−の範囲、即ち0.51≦f2z/f1p−≦1.99の範囲が好ましい。
図8からまずf3z/fを決めてもよい。この場合、帯域と信号歪の観点から、f3z/fの変化が少ない範囲として、1.3≦f3z/f≦2.8となるようにRE2,Cの各値を決定し、その上でf2z/f1p−が図8に示した領域S2内に入るよう、RE1,Cの各値を決定すればよい。もともと信号歪の観点からは、1≦f3z/fが好ましいが、上記はこの条件を満たしている。
図9(a)〜図11は、静電容量C,Cの13通りの組み合わせについて、出力信号vの出力レベルをシミュレートした結果を示す図である。ただし、R,RE1,RE2,R,z,CPDの値は、図2(a)と同じものを使用している。Cは、図9(a)、図9(b)、図10(a)、図10(b)、図11の順に大きい値となっている。つまり、Cは、f2z/f1p−が小さいほど大きな値となる。また、Cは、f3z/f1p+が大きいほど小さい値となる。これらの各図において、f2z/f1p−等の具体的な値は次の表2のようになっている。なお、表2において、信号歪の単位は%、周波数の単位はMHzである。信号歪については、fが概ね150MHz以上である場合のみを掲載し、他は省略している。
Figure 0004729123
図9(a)の例では、静電容量Cが小さすぎてf2z/f1p−=2.62とゼロ点周波数f2zが大きいため、帯域の落ち込みが大きくなり、静電容量Cをいかなる値としても、信号歪が2%以下の条件ではカットオフ周波数fの向上が望めない。また、図11の例では、静電容量Cが大きすぎて、f2z/f1p−=0.5とゼロ点周波数f2zが小さいため、帯域の盛り上がりが大きくなり、信号歪が悪化するとともに、極点周波数f1p+が小さくなり、静電容量Cをいかなる値としても、信号歪が2%以下の条件ではカットオフ周波数fの向上が望めない。一方、図9(b)、図10(a)、図10(c)の例では、f2z/f1p−が1に近く、適度な値を有しており、f3z/f1p+を適切に選択することにより、150MHz以上のfを得ることができる。中でも、図10(a)に示したf2z/f1p−=1の例では、カットオフ周波数f以下の領域で出力レベルがほぼ平坦となっており、最も好ましいと言える。
以上説明してきたように、RE1,RE2,C,Cの好ましい値は、伝達関数G2(s)のゼロ点周波数f2zの伝達関数G1(s)の一方の極点周波数f1p−に対する比f2z/f1p−と、伝達関数G3(s)のゼロ点周波数f3zの伝達関数G1(s)の他方の極点周波数f1p+に対する比f3z/f1p−とを指標として決定することが好適である。
図12は、本発明の第2の実施の形態による光学機器1の回路図である。同図に示すように、本実施の形態による光学機器は、並列−直列形電流帰還増幅器2aに代えて並列−直列形電流帰還増幅器2bを備える他、I−Vアンプ40も備えている。
並列−直列形電流帰還増幅器2bは、出力負荷抵抗13を有しない点で並列−直列形電流帰還増幅器2aと相違している。I−Vアンプ40は、オペアンプ41と抵抗値zの帰還抵抗42(第2の帰還抵抗)とを有している。並列−直列形電流帰還増幅器2b内のトランジスタ11のコレクタは、オペアンプ41の反転入力端子に接続されている。出力信号vは、オペアンプ41の出力端子から取り出される。
オペアンプ41の非反転入力端子には、定電圧源からリファレンス電圧Vrefが供給される。したがって、オペアンプ41の非反転入力端子の電圧Vは常時Vrefに等しくなっており、オペアンプ41の仮想短絡により、オペアンプ41の反転入力端子の電圧Vも常時Vrefに等しくなっており、トランジスタ11のコレクタ電圧も同様に常時リファレンス電圧Vrefに等しくなっている。出力信号vは、並列−直列形電流帰還増幅器2bの出力電流をiとすると、Vref+z×iとなる。
以上の構成において、並列−直列形電流帰還増幅器2bの電流増幅率|A|は、次の式(19)で表される。
Figure 0004729123

式(19)を式(3)と比較すると、抵抗値RE1,RE2がそれぞれインピーダンスZ,Zで置き換わっていることの他に、式(3)で登場していた抵抗値zが式(19)には現れていないことが理解される。つまり、並列−直列形電流帰還増幅器2bの電流増幅率|A|から、出力負荷抵抗13の抵抗値zに対する依存性が取り除かれている。これは、I−Vアンプ40を設け、トランジスタ11のコレクタ電圧を一定にしたことによるものである。
以上説明したように、本実施の形態による光学機器1によれば、並列−直列形電流帰還増幅器2bの電流増幅率|A|から、出力負荷抵抗の抵抗値に対する依存性を取り除くことが可能になる。
図13は、本発明の第3の実施の形態による光学機器1の回路図である。本実施の形態による光学機器1は、I−Vアンプ40の非反転入力端子に並列−直列形電流帰還増幅器2bのレプリカ回路3が設けられるとともに、リファレンス電圧Vrefの供給源とI−Vアンプ40の非反転入力端子との間に抵抗値zの抵抗43(第4の抵抗)が設けられている点で、第2の実施の形態による光学機器1と相違する。以下、相違点を中心に説明する。
レプリカ回路3は、フォトダイオード50から電流信号iが入力されない場合の並列−直列形電流帰還増幅器2bの出力電流を出力する回路である。具体的には、並列−直列形電流帰還増幅器2bからキャパシタ21,23を取り除いた構成を有しており、その出力端子(トランジスタ11のコレクタ)には、常にi=0のときの並列−直列形電流帰還増幅器2bの出力電流iに等しい電流が流れている。以下、この電流をi(i=0)と記述する。
以上の構成により、オペアンプ41の非反転入力端子の電圧Vは常時Vref−z×i(i=0)となる。したがって、オペアンプ41の反転入力端子の電圧Vも常時Vref−z×i(i=0)となるので、出力信号vは、Vref−z×i(i=0)+z×iとなる。
ここで、並列−直列形電流帰還増幅器2bの出力電流iには、オフセットが生ずる場合がある。つまり、電流信号iが0であるにも関わらず、出力電流iが0とならない場合がある。第2の実施の形態による光学機器においてこのオフセットが生ずると、出力信号v=Vref+z×iにも同様のオフセットが生ずることになる。これに対し、本実施の形態による光学機器1では、出力信号vからi=0のときの出力電流iに応じた電圧z×i(i=0)が予め差し引かれているので、出力信号vにはオフセットが生じない。
以上説明したように、本実施の形態による光学機器1によれば、電流信号iが入力されない場合であっても並列−直列形電流帰還増幅器2bの出力電流iが流れ続けることによってオペアンプ41の出力電圧vに生ずるオフセットを、キャンセルすることが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、図14は、本発明の第2の実施の形態の変形例による光学機器の回路図である。本実施の形態による光学機器は、並列−直列形電流帰還増幅器2bの基本増幅器部分に2段のアンプ32が追加された構成を有し、それによって負帰還とされた並列−直列形電流帰還増幅器2cを備えている。追加されたアンプ32は、それぞれエミッタフォロワを伴ってもよい。このような構成にすることにより、基本増幅器のゲインを大きくすることができ、したがって抵抗値zを小さくすることが可能になる。なお、アンプ32は2段に限られるものではなく偶数段であればよい。例えば、4段、6段などより多数のアンプ32を追加してもよい。偶数段としているのは、負帰還を実現するためである。また、負帰還のループ内で極点を全て打ち消すのが好ましいため、追加したアンプ32のトランジスタのエミッタにも同様にゼロ点補償素子を追加してもよい。
また、上記実施の形態では基本増幅器のトランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いたが、MOSトランジスタを用いてもよい。つまり、MOSトランジスタのソースにゼロ点補償素子を追加したり、MOSトランジスタの出力にソースフォロワを追加しても、上記同様にノイズの低減を行うことが可能になる。
また、本実施の形態ではフォトダイオードを例に説明したが、フォトダイオードに変えて、電流源や電流出力アンプなどの電流信号の増幅に適用してもよい。電流源や電流出力の素子には一般的に寄生容量が存在するので、周波数特性が必要とされる電流増幅器に適用することも可能である。
1 光学機器
2a,2b 並列−直列形電流帰還増幅器
3 レプリカ回路
10 バイポーラトランジスタ(第1のトランジスタ)
10 バイポーラトランジスタ(第3のトランジスタ)
10a 入力抵抗
10e エミッタ抵抗
12 抵抗
13 出力負荷抵抗
14,15 ゼロ点補償素子
16 第1の帰還抵抗
20 第1の抵抗
21 第1のキャパシタ
22 第2の抵抗
23 第2のキャパシタ
30 バイポーラトランジスタ(第2のトランジスタ)
31 定電流源
32 アンプ
40 I−Vアンプ
41 オペアンプ
42 第2の帰還抵抗
43 第4の抵抗
50 フォトダイオード
50a フォトダイオードの寄生容量

Claims (9)

  1. 寄生容量を有するフォトダイオードから出力される電流信号を増幅する並列−直列形電流帰還増幅器であって、
    ベースが前記フォトダイオードの出力端に接続され、エミッタが第1の抵抗を介して接地端に接続され、コレクタが第3の抵抗を介して電源配線に接続される第1のトランジスタと、
    ベースが前記第1のトランジスタのコレクタに接続され、コレクタが前記電源配線に接続される第2のトランジスタと、
    ベースが前記第2のトランジスタのエミッタに接続され、エミッタが第2の抵抗を介して接地端に接続され、コレクタから出力信号が取り出される第3のトランジスタと、
    一端が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、他端が前記第1のトランジスタのベースに接続される第1の帰還抵抗と、
    前記第1の抵抗と並列に接続される第1のキャパシタと、
    前記第2の抵抗と並列に接続される第2のキャパシタと
    を備え
    前記第1の抵抗の抵抗値、前記第2の抵抗の抵抗値、前記第1のキャパシタの静電容量、及び前記第2のキャパシタの静電容量は、前記第1の帰還抵抗、前記寄生容量、及び前記第1のトランジスタの入力抵抗によって構成される第1の伝達関数に現れる第1及び第2の極点周波数が、前記第1のトランジスタの伝達関数である第2の伝達関数のゼロ点周波数である第1のゼロ点周波数及び前記第3のトランジスタの伝達関数である第3の伝達関数のゼロ点周波数である第2のゼロ点周波数によって打ち消されるよう決定されることを特徴とする並列−直列形電流帰還増幅器。
  2. 記第1のゼロ点周波数の、前記第1の極点周波数に対する比は、0.51以上2.37以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の並列−直列形電流帰還増幅器。
  3. 前記第1のゼロ点周波数の前記第1の極点周波数に対する比は、0.51以上1.99以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の並列−直列形電流帰還増幅器。
  4. 記第2のゼロ点周波数の、前記第2の極点周波数に対する比は、1.04以上3.11以下である
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の並列−直列形電流帰還増幅器。
  5. 前記第2のゼロ点周波数の、前記第2のキャパシタの静電容量を0とした場合の前記出力信号のカットオフ周波数に対する比は、1.3以上2.8以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の並列−直列形電流帰還増幅器。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の並列−直列形電流帰還増幅器を備えることを特徴とする光学機器。
  7. 非反転入力端子にリファレンス電圧が供給されるオペアンプと、
    前記オペアンプの反転入力端子と出力端子の間に接続される第2の帰還抵抗とをさらに備え、
    前記第3のトランジスタのコレクタは前記反転入力端子に接続され、
    前記第3のトランジスタのコレクタの電位は、前記オペアンプの仮想短絡により前記リファレンス電圧となる
    ことを特徴とする請求項6に記載の光学機器。
  8. 前記非反転入力端子に接続され、前記フォトダイオードから電流信号が入力されない場合の前記並列−直列形電流帰還増幅器の出力電流を出力するレプリカ回路と、
    一端が前記非反転入力端子に接続され、他端にリファレンス電圧が供給される第4の抵抗とをさらに備え、
    前記第4の抵抗の抵抗値は前記第2の帰還抵抗の抵抗値に等しい
    ことを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の光学機器であることを特徴とする光学ドライブ装置。
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