JP4728753B2 - 経路探索装置 - Google Patents

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本発明は、経路探索を行う経路探索装置に関する。
従来の経路探索装置としては、車両の経路を探索する経路探索部と、アクセスポイントおよびアクセスポイントの通信可能範囲の位置情報を格納する記憶部と、経路と通信可能範囲との地理的関係および車速に基づいて、アクセスポイントとの通信可能時間を算出する演算部と、通信可能時間に関する情報を報知する通信状態報知部とを備え、車両が走行中にアクセスポイントと通信可能な時間を報知することによって、利用者がアクセスポイントと通信可能な時間を把握することができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、車両がアクセスポイントにおける通信可能範囲内に存在しているときの通信可能データ容量を算出する通信可能データ容量算出処理手段と、通信可能データ容量に基づいて、複数のデータのうちの所定のデータを選択するデータ選択処理手段と、選択されたデータの送受信を行う送受信処理手段とを備え、通信可能範囲内を車両が走行している間に、データの送受信を効率よく行うことができるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−140526号公報 特開2004−187007号公報
しかしながら、従来の経路探索装置は、決定した経路で車載装置が受信できるデータのデータ量を算出することができるものの、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態が良好な経路を提示することができない等、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態を考慮した経路探索を行うことができないといった問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態を考慮した経路探索を行うことができる経路探索装置を提供することを目的とする。
本発明の経路探索装置は、起点から終点までの経路探索を行う経路探索手段を備えた経路探索装置において、前記経路探索手段は、前記起点および前記終点を含む領域が分割された区画を通信領域に含む各アクセスポイントの帯域、並びに、当該アクセスポイントの各日時における負荷および通信エラーの頻度を少なくとも含む通信状態の統計情報をデータベースから区画毎に取得し、前記区画を通る各道路の評価値を前記統計情報に基づいて算出し、探索する経路を構成する各道路の長さに前記評価値を加味して前記経路探索を行うように構成されている。
この構成により、本発明の経路探索装置は、通信状態の統計情報に基づいて算出した各道路の評価値を長さに加味して経路探索を行うため、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態を考慮した経路探索を行うことができる。
なお、前記経路探索手段は、各道路の交通規制に関する道路規制情報を少なくとも含む各道路の道路情報をデータベースから取得し、前記統計情報に加えて前記道路情報に基づいて前記評価値を算出するようにしてもよい。
この構成により、本発明の経路探索装置は、制限速度や走りやすさ等をさらに考慮した経路探索を行うことができる。
また、前記経路探索手段は、前記道路情報と前記統計情報とに各重みを与えて前記評価値を算出するようにしてもよい。
この構成により、本発明の経路探索装置は、制限速度や走りやすさ等と、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態との各優先度を考慮した経路探索を行うことができる。
また、利用者により受信データのデータ量が入力される入力装置を更に備え、前記経路探索手段は、前記入力装置に入力された受信データのデータ量が多くなるほど前記統計情報が優先されるように前記統計情報に与える重みを変動させるようにしてもよい。
この構成により、本発明の経路探索装置は、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態の優先度を利用者に変更させることができる。
本発明は、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態を考慮した経路探索を行うことができるという効果を有する経路探索装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、本発明に係る経路探索装置を車載装置に適用した例について説明する。本発明の第1の実施の形態の車載装置を図1に示す。
図1において、車載装置1は、CPU(Central Processing Unit)10と、RAM(Random Access Memory)11と、ROM(Read Only Memory)12と、ハードディスク13と、液晶ディスプレイ14と、液晶ディスプレイ14に一体に設けられたタッチパネルやリモコン等の入力装置15と、図示しないアクセスポイントを介した通信を行うための通信モジュール16と、GPS(Global Positioning System)アンテナで受信した複数の衛星から送出された電波に基づいて現在位置の緯度および経度を測るGPS受信機17と、自車の進行方位を検出するジャイロ18と、自車の車輪の回転数に基づいて車速を検知する車速センサ19とを備えている。
ここで、アクセスポイントとは、各地に配設され、車載装置1のような無線通信機器とインターネット網等のネットワークに接続された機器との通信を中継するものであり、例えば、車載装置1は、このアクセスポイントを介してネットワークに接続された図示しないデータ配信サーバから映像コンテンツ等のデータを受信する。
CPU10は、ROM12およびハードディスク13に記憶されたプログラムをRAM11に読み込んで、RAM11に読み込んだプログラムを実行することによって、ナビゲーションや経路探索を行うとともに、通信モジュール16に対する通信制御等のように各部の制御を行うようになっている。なお、プログラムを実行するCPU10は、本発明における経路探索手段を構成する。
ハードディスク13には、CPU10に実行させるためのプログラムに加えて、ナビゲーションや経路探索を行うための地図データと、各道路の渋滞予測情報と、アクセスポイントと車載装置1との間の通信状態の統計情報(以下単に「通信統計情報」という。)とが格納されている。
ここで、地図データは、道路、交差点、建造物および河川等の地物を表す地物情報や、各道路の車線数や制限速度等の交通規制に関する道路規制情報等が含まれる。
また、渋滞予測情報は、各道路の予測された渋滞状況を表したものであって、例えば、CPU10によって通信モジュール16等を介して図示しない交通情報センタ等から取得されてハードディスク13に格納される。なお、地図データに含まれる道路規制情報および渋滞予測情報は、本発明における道路情報に該当する。
また、通信統計情報は、地図データが表す領域が分割された各区画に対応して日時毎に管理され、例えば、CPU10によって通信モジュール16等を介してアクセスポイントの図示しない管理センタ等から取得されてハードディスク13に格納される。なお、通信統計情報が表す統計情報は、対応する区画を通信領域に含む各アクセスポイントの帯域、並びに、当該アクセスポイントの各日時における負荷および通信エラーの頻度等を含む通信状態の統計結果を表す
以上のように構成された車載装置1について図2および図3を用いてその動作を説明する。図2は、車載装置1の動作を説明するためのフロー図である。
まず、入力装置15を介して目的地が設定されると(S1)、CPU10が、GPS受信機17によって測られた緯度および経度、ジャイロ18によって検出された進行方位および車速センサ19によって検知された車速に基づいて、現在位置を算出する(S2)。
次に、CPU10は、現在位置を起点とし、目的地を終点とした経路探索を行う(S3)。ここで、CPU10は、現在位置および目的地を含む領域にある各道路の評価値を長さに加味してダイクストラ法等の最短経路探索アルゴリズムを解くことによって経路探索を行う。
以下、CPU10による各道路の評価値の算出処理の一例を詳細に説明する。
まず、CPU10は、一般道路優先や高速道路優先等の探索条件との適合度や、交通規制に応じた制限速度や走りやすさ等によって定まる各道路のコスト(以下単に「地図コスト」という。)をハードディスク13に格納された地図データの道路規制情報に基づいて算出する。
また、CPU10は、予測された渋滞の度合いによって定まる各道路のコスト(以下単に「渋滞コスト」という。)をハードディスク13に格納された渋滞予測情報に基づいて算出する。
また、CPU10は、各区画を通る各道路の予想される実質的な通信速度(以下単に「予想実質通信速度」という。)によって定まるコスト(以下単に「通信コスト」という。)をハードディスク13に格納された通信統計情報に基づいて算出する。ここで、当該道路が複数の区画にわたる場合には、CPU10は、各区画の通信統計情報の平均に基づいて通信コストを算出するようにしてもよい。
次に、CPU10は、地図コストに第1の重みαを乗じたものと、渋滞コストに第2の重みβを乗じたものと、通信コストに第3の重みγを乗じたものとを加算することによって評価値を算出する。
ここで、各重みα〜γは、あらかじめ定められた値の組み合わせであってもよく、入力装置15を介して設定された値であってもよい。特に、通信コストに乗じる第3の重みγは、利用者が受信したいデータのデータ量に応じて変えられるよう、入力装置15を介して設定されるのが望ましい。
CPU10は、以上のように探索した最短時間で目的地に到着する経路、最短距離で目的地に到着する経路、一般道路を優先した経路、高速道路を優先した経路、アクセスポイントからのデータ受信を優先した経路等よりなる経路候補を液晶ディスプレイ14に表示させる(S4)。
例えば、図3(a)に示すように、高速通信領域20、中速通信領域21および低速通信領域22があるなかで、現在位置23から目的地24までの経路として、「ルートA」および「ルートB」がある場合、図3(b)に示すように、CPU10は、最短距離および最短時間で目的地に到着する経路である「ルートB」に加えて、予想実質通信速度が広い「ルートA」も経路候補として液晶ディスプレイ14に表示させる。
図2において、入力装置15を介して経路候補から1つの経路が選択されると(S5)、CPU10は、選択された経路をナビゲーション用の経路として決定する(S6)。
このような本発明の第1の実施の形態の車載装置1は、通信状態の統計情報に基づいて算出した各道路の評価値を長さに加味して経路探索を行うため、アクセスポイントと車載装置1との間の通信状態を考慮した経路探索を行うことができる。
なお、車載装置1は、複数の経由地を経由した目的地までの経路を探索することもできる。例えば、図4(a)に示すように、現在位置23から経由地Aおよび経由地Bを経由した目的地24までの経路として、経由地A、経由地Bの順序で経由する「ルートA」および経由地B、経由地Aの順序で経由する「ルートB」がある場合、図4(b)に示すように、CPU10は、「ルートB」を予想実質通信速度が広い経路候補として液晶ディスプレイ14に表示させる。
また、本実施の形態において、車載装置1は、地図データと、渋滞予測情報と、通信統計情報とをハードディスク33に格納するものとして説明したが、本発明においては、CPU10が、地図データと、渋滞予測情報と、通信統計情報とを通信モジュール16を介してそれぞれ外部の装置から取得するようにしてもよく、車載装置1に着脱自在な記憶媒体から取得するようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、本発明に係る経路探索装置を車両に搭載されたナビゲーション装置とアクセスポイントを介した通信を行うセンタ装置に適用した例について説明する。本発明の第2の実施の形態のセンタ装置を図5に示す。
センタ装置2は、CPU30と、RAM31と、ROM32と、ハードディスク33と、アクセスポイントを介してナビゲーション装置3等と通信を行うための通信モジュール34とを備えている。ここで、ナビゲーション装置3は、アクセスポイントを介してデータ配信サーバから映像コンテンツ等のデータを受信すると共に、センタ装置2によって探索された経路にしたがってナビゲーションを行うようになっている。
CPU30は、ROM32およびハードディスク33に記憶されたプログラムをRAM31に読み込んで、RAM31に読み込んだプログラムを実行することによって、経路探索を行うとともに、通信モジュール34に対する通信制御等のように各部の制御を行うようになっている。なお、プログラムを実行するCPU30は、本発明における経路探索手段を構成する。
ハードディスク33には、CPU30に実行させるためのプログラムに加えて、地図データと、渋滞予測情報と、通信統計情報とが格納されている。
以上のように構成されたセンタ装置2について図6を用いてその動作を説明する。図6は、センタ装置2およびナビゲーション装置3の動作を説明するためのフロー図である。なお、図6においては、1列目のフローがナビゲーション装置3の動作を示し、2列目のフローがセンタ装置2の動作を示している。また、破線の矢印は、各装置間で送受信される情報の流れを示している。
まず、ナビゲーション装置3に目的地が設定されると(S11)、ナビゲーション装置3は、GPS受信機等によって現在位置を算出し(S12)、設定された目的地と算出した現在位置を含む走行情報をセンタ装置2に送信する(S13)。
ナビゲーション装置3から送信された走行情報を受信したセンタ装置2において(S14)、CPU30は、走行情報が表す現在位置を起点とし、目的地を終点とした経路探索を行う(S15)。ここで、CPU30は、現在位置および目的地を含む領域にある各道路の評価値を長さに加味してダイクストラ法等の最短経路探索アルゴリズムを解くことによって経路探索を行う。
以下、CPU30による各道路の評価値の算出処理の一例を詳細に説明する。
まず、CPU30は、ハードディスク33に格納された地図データの道路規制情報に基づいて各道路の地図コストを算出し、ハードディスク33に格納された渋滞予測情報に基づいて各道路の渋滞コストを算出する。
また、CPU30は、ハードディスク33に格納された通信統計情報に基づいて各道路の通信コストを算出する。ここで、当該道路が複数の区画にわたる場合には、CPU30は、各区画の通信統計情報の平均に基づいて通信コストを算出するようにしてもよい。
次に、CPU30は、地図コストに第1の重みαを乗じたものと、渋滞コストに第2の重みβを乗じたものと、通信コストに第3の重みγを乗じたものとを加算することによって評価値を算出する。
ここで、各重みα〜γは、あらかじめ定められた値の組み合わせであってもよく、ナビゲーション装置3によって走行情報と共に送信される値であってもよい。特に、通信コストに乗じる第3の重みγは、ナビゲーション装置3の利用者が受信したいデータのデータ量に応じて変えられるよう、ナビゲーション装置3を構成する入力装置から設定されるのが望ましい。
CPU30は、以上のように探索した最短時間で目的地に到着する経路、最短距離で目的地に到着する経路、一般道路を優先した経路、高速道路を優先した経路、アクセスポイントからのデータ受信を優先した経路等よりなる経路候補を表す情報をナビゲーション装置3に通信モジュール34を介して送信する(S16)。
経路候補を表す情報を受信したナビゲーション装置3では(S17)、経路候補がナビゲーション装置3を構成する液晶ディスプレイ等の表示装置に表示され(S18)、経路候補から1つの経路が選択されると(S19)、ナビゲーション装置3は、選択された経路をナビゲーション用の経路として決定する(S20)。
このような本発明の第2の実施の形態のセンタ装置2は、通信状態の統計情報に基づいて算出した各道路の評価値を長さに加味して経路探索を行うため、アクセスポイントとナビゲーション装置3との間の通信状態を考慮した経路探索を行うことができる。
以上のように、本発明にかかる経路探索装置は、アクセスポイントと車載装置との間の通信状態を考慮した経路探索を行うことができるという効果を有し、例えば、経路探索を行う経路探索装置等として有用である。
本発明の第1の実施の形態における車載装置のブロック図 本発明の第1の実施の形態における車載装置の動作を説明するためのフロー図 本発明の第1の実施の形態における車載装置によって提示される経路候補を説明するための概念図 本発明の第1の実施の形態における車載装置によって提示される他の経路候補を説明するための概念図 本発明の第2の実施の形態におけるセンタ装置のブロック図 本発明の第2の実施の形態におけるセンタ装置の動作を説明するためのフロー図
符号の説明
1 車載装置
2 センタ装置
3 ナビゲーション装置
10、30 CPU
11、31 RAM
12、32 ROM
13、33 ハードディスク
14 液晶ディスプレイ
15 入力装置
16、34 通信モジュール
17 GPS受信機
18 ジャイロ
19 車速センサ

Claims (4)

  1. 起点から終点までの経路探索を行う経路探索手段を備えた経路探索装置において、
    前記経路探索手段は、前記起点および前記終点を含む領域が分割された区画を通信領域に含む各アクセスポイントの帯域、並びに、当該アクセスポイントの各日時における負荷および通信エラーの頻度を少なくとも含む通信状態の統計情報をデータベースから区画毎に取得し、前記区画を通る各道路の評価値を前記統計情報に基づいて算出し、探索する経路を構成する各道路の長さに前記評価値を加味して前記経路探索を行うことを特徴とする経路探索装置。
  2. 前記経路探索手段は、各道路の交通規制に関する道路規制情報を少なくとも含む各道路の道路情報をデータベースから取得し、前記統計情報に加えて前記道路情報に基づいて前記評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
  3. 前記経路探索手段は、前記道路情報と前記統計情報とに各重みを与えて前記評価値を算出することを特徴とする請求項2に記載の経路探索装置。
  4. 利用者により受信データのデータ量が入力される入力装置を更に備え、
    前記経路探索手段は、前記入力装置に入力された受信データのデータ量が多くなるほど前記統計情報が優先されるように前記統計情報に与える重みを変動させることを特徴とする請求項3に記載の経路探索装置。
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