JP4728680B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、入賞空間への入賞口を開閉扉で開閉自在に閉成するよう構成された入賞装置を備える遊技機に関するものである。
例えば遊技機の代表例の一つであるパチンコ機は、機内にセットした遊技盤に所要の図柄変動ゲームを行なう図柄表示装置が配設されて、図柄変動ゲームの結果、図柄表示装置に特定の図柄の組合わせが表示されることで、遊技者に有利な特別遊技(所謂大当り)が発生するよう構成されている。そして、前記特別遊技が発生すると、前記遊技盤に配設した入賞装置を開放して遊技者に多数の賞球を払い出す好機を与えるようになっている。ここで、前記入賞装置には、入賞口を介して前方に開口する入賞空間が内部画成されると共に、入賞口を常には閉成する開閉扉が設けられており、前記特別遊技の発生時に開閉扉を開放することで、入賞口を介して入賞空間に遊技球が入賞し得るよう構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、前記特別遊技における前記開閉扉の開放時間は予め設定されており、この設定時間が経過するか、当該設定時間内に規定数の遊技球が入賞空間に入賞することで開閉扉を閉成するようになっている。
特許文献1に記載された入賞装置は、入賞空間内の右側端部に、遊技球が通過可能な球排出口が前後2箇所に開設されると共に、各球排出口の下方位置に遊技球検出用の球検出センサ(球検出手段)が夫々配設している。すなわち、特許文献1では、入賞空間に入賞した遊技球は、2箇所の球排出口を介して装置外部に排出され、該球排出口から排出される遊技球を球検出センサが検出して入賞した遊技球の数をカウントすると共に、該球検出センサの検出に応じて所定数の賞球を払出させるよう構成されている。なお、特許文献1では、入賞空間の奥側に位置する球排出口への遊技球の進入を防止する封鎖部材を用いることで、実質的に球排出口を1箇所に設けた入賞装置としても使用し得るようになっている。このように、球排出口(球検出センサ)を入賞空間の端部に配設した場合には、該球排出口(球検出センサ)に多方向から遊技球が一度に進入するのは防止されるから、球排出口での所謂球詰まりを防止することができる。
特開2001−54627号公報
しかしながら、特許文献1に係る入賞装置のように、球排出口を入賞空間の端部に形成する構成では、該球排出口の形成位置近傍から入賞空間に入賞した遊技球は、入賞してから比較的短時間で球検出センサが検出し得るのに対し、球排出口から離間する端部側から入賞空間に入賞した遊技球は、入賞してから球検出センサが検出するまでのタイムラグが大きくなる欠点がある。そして、遊技球が入賞空間に入賞してから球検出センサが検出するまでのタイムラグが長くなると、遊技球の入賞数を正確にカウントできず、前述した規定数を超えて遊技球が入賞する欠点がある。
ところで、前記入賞装置(開閉扉)の開放時間は予め設定されているため、規定数の遊技球を確実に入賞させるためには、できる限り短時間で効率良く入賞させることが望まれる。また、短時間で規定数の遊技球を入賞させて特別遊技を短時間で終了させ得るようにすることで、遊技機の実質的な遊技時間および稼働時間を長くできるから、遊技者および遊技店側の双方の利益に繋がる利点もある。ここで、短時間でより多くの遊技球を入賞装置に入賞させるには、前記入賞口の横幅を拡大することが考えられるが、この場合には、球排出口(球検出センサ)から離間する端部側から入賞した遊技球を検出するまでのタイムラグがより長くなる問題を招来する。
そこで、遊技球の入賞から検出までのタイムラグの短縮を図るには、前記球排出口(球検出センサ)を入賞空間の幅方向(左右方向)の略中央位置に設けることが考えられる。しかしながら、前記球排出口(球検出センサ)を入賞空間の幅方向の略中央位置に形成した場合には、入賞した遊技球が球排出口(球検出センサ)に対して多方向から進入することから、該球排出口に対する円滑な遊技球の進入が困難になると共に、多数の遊技球が集中することで球詰まりが生ずる欠点を内在している。
そこで、本発明は、遊技球の入賞から検出までのタイムラグを短縮し得ると共に、球詰まりを防止し得る入賞装置を備えた遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る遊技機は、
前方に開口する入賞口(58)を介して遊技球(S)が入賞可能な入賞空間(63)と、前記入賞空間(63)に入賞した遊技球(S)を排出する球排出口(64)と、前記球排出口(64)に対応して設けられ、遊技球(S)の通過を検出する球検出手段(66)と、下端部を枢支されて前記入賞口(58)を開閉自在に閉成する開閉扉(76)とを備えた入賞装置(56)が遊技盤(10)に配設され、前記開閉扉(76)を前方へ揺動させて開放することで、前記入賞空間(63)への遊技球(S)の入賞を許容する遊技機において、
技球(S)を前記球排出口(64)へ誘導する第1球誘導通路(67)、および該第1球誘導通路(67)とは異なる方向から遊技球(S)を球排出口(64)へ誘導する第2球誘導通路(70)前記入賞空間(63)の底面に形成され、
前記入賞空間(63)は、相互に連続する前側空間(63a)および後側空間(63b)からなり、該後側空間(63b)の左右方向の開口幅寸法が遊技球(S)の略2個分に設定されると共に、後側空間(63b)の左右方向の一方に偏った位置に、入賞空間(63)を画成する底面の左右方向の略中央に位置するよう前記球排出口(64)が形成され、
前記第1球誘導通路(67)は、前記底面の前側空間(63a)に対応する位置に形成されて前記球排出口(64)へ向かって下方傾斜する第1前側傾斜面(68)を有し、
前記第2球誘導通路(70)は、前記底面の後側空間(63b)に対応する位置に形成されて前記球排出口(64)へ向かって下方傾斜する後側傾斜面(71)と、該底面の前側空間(63a)に対応する位置に形成されて後側傾斜面(71)へ向かって下方傾斜する第2前側傾斜面(72)とを有し、
前記第1前側傾斜面(68)および後側傾斜面(71)の傾斜角度を異ならせるよう構成されていることを要旨とする。
このように、入賞装置の入賞空間を画成する底面の左右方向の略中央位置に球排出口を設けることで、入賞空間の何れの位置に遊技球が入賞した場合であっても、入賞してから球検出手段が検出するまでのタイムラグを最小限にし得る。すなわち、入賞口の左右方向の幅寸法を拡大した場合であっても、入賞した遊技球の数をより正確にカウントできる。また、入賞空間の底面に第1および第2球誘導通路を形成して遊技球が球排出口へ向かう経路を限定することにより、該球排出口へ多方向から遊技球が一度に集中するのを防止し得る。更に、球排出口に対する第1前側傾斜面および後側傾斜面の傾斜角度を異ならせることにより、第1および第2球誘導通路を転動して球排出口へ到来した遊技球の「勢い」を異ならせることができる。すなわち、第1球誘導通路を転動する遊技球と、第2球誘導通路を転動する遊技球とが球排出口で接触した場合に、「勢い」の強い遊技球が優先的に球排出口を通過する。従って、球排出口での遊技球の球詰まり防止を図り得る。
また、第1球誘導通路として、少なくとも底面の前側空間に対応する位置に球排出口へ向かって下方傾斜する第1前側傾斜面を形成すると共に、第2球誘導通路として、少なくとも底面の後側空間に対応する位置に球排出口へ向かって下方傾斜する後側傾斜面、および該底面の前側空間に対応する位置に後側傾斜面へ向かって下方傾斜する第2前側傾斜面を形成するだけで、遊技球の球詰まり防止を実現し得る。すなわち、第1球誘導通路および第2球誘導通路の構成として、単純な構成を採用し得る。また、入賞装置の構成を簡単にし得るから、装置のコンパクト化や、製造コストの低減を図り得る。
請求項2に係る遊技機は、前記開閉扉(76)の裏面に、前記第1球誘導通路(67)へ向けて遊技球(S)を転動させる第1領域(78)、および前記第2球誘導通路(70)へ向けて遊技球(S)を転動させる第2領域(79)が形成されていることを要旨とする。
このように、遊技盤を流下する遊技球が開閉扉に到来した際に、第1領域へ到来した遊技球を第1球誘導通路へ転動させ、第2領域へ到来した遊技球を第2球誘導通路へ転動させるよう構成したことで、遊技球を第1または第2球誘導通路へ速やかに流入させることができる。
請求項に係る遊技機は、前記底面における前記前側空間(63a)をなす領域に、前記第1前側傾斜面(68)および第2前側傾斜面(72)を区画する第1区画突部(74)を形成し、
前記開閉扉(76)の裏面に、該開閉扉(76)の開放状態で前記第1区画突部(74)と前後に整列する第2区画突部(77)を形成したことを要旨とする。
このように、入賞空間の底面に、第1前側傾斜面および第2前側傾斜面を区画する第1区画突部を形成すると共に、開閉扉における第1区画突部と前後に整列する位置に第2区画突部を形成することで、第1球誘導通路と第2球誘導通路との間で遊技球が行き来するのを防止し得る。すなわち、入賞空間に入賞した遊技球の転動経路を確実に限定して、球排出口に遊技球が多方向から一度に集中するのを防止し得る。
請求項に係る遊技機は、前記開閉扉(76)の裏面には、該開閉扉(76)の開放状態で開放端から入賞口(58)へ向けて下方傾斜する傾斜部(76c)が形成されていることを要旨とする。
このように、開閉扉の裏面に、その開放状態において、開放端から入賞口へ向けて下方傾斜する傾斜部を形成することで、該傾斜部に到来した遊技球を速やかに入賞空間に転動させることができる。
本発明に係る遊技機によれば、入賞装置への遊技球の入賞から検出までのタイムラグを短縮し得ると共に、球詰まりを防止し得る。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお実施例では、遊技機として、パチンコ球を使用して遊技を行なう一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において前・後および左・右とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機の遊技盤を正面側から見た場合において指称するものとする。
図1はパチンコ機に設けられる遊技盤10の正面図を示す。実施例の遊技盤10は、略矩形状に形成されて、その前面側に略円形状に湾曲するレール10aが取付けられており、該レール10aにより画成される遊技領域10bに、図示しない発射装置によってパチンコ球S(図5等参照)を打出すようになっている。また、前記遊技盤10の上方位置には、各種の特別図柄を変動して特別図柄変動ゲームを行なう液晶式やドラム式等の特別図柄表示装置12aを備えた装飾部材11が配設されると共に、該装飾部材11の下方位置に遊技領域10bを流下するパチンコ球Sが入賞可能な始動入賞装置15が配設されており、該始動入賞装置15にパチンコ球Sが入賞することで、特別図柄表示装置12aでの特別図柄変動ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄変動ゲームの結果、前記特別図柄表示装置12aに特定の図柄組合わせ(例えば、同一図柄の三つ揃)が表示されることで、遊技者に有利な特別遊技(所謂大当り)が発生するよう構成されている。更に、前記装飾部材11の右上には、各種の普通図柄を変動して普通図柄変動ゲームを行なうLED表示式の普通図柄表示装置12bが設けられており、前記遊技盤10における装飾部材11の左位置に配設された始動通過口92にパチンコ球Sが通過することで、普通図柄表示装置12bでの普通図柄変動ゲームが開始されるようになっている。そして、普通図柄変動ゲームの結果、前記普通図柄表示装置12bに当り図柄が表示(例えば○が点灯)されることで、前記始動入賞装置15の羽根部材31,31(後述)が開放状態になるよう構成されている。なお、前記始動通過口92には、パチンコ球Sの通過を検出する球検出センサ(図示せず)を設けてある。
また、遊技盤10の遊技領域10bにおける始動入賞装置15の下方位置には、特別遊技の発生時に開放してパチンコ球Sの入賞を許容する特別入賞装置(入賞装置)56が配設されており、該特別入賞装置56にパチンコ球Sが入賞することで、パチンコ機裏側に配設した球払出装置(図示せず)により、機表側に設けた球皿(図示せず)に賞球が払出されるようになっている。なお、遊技盤10には、パチンコ球Sが入賞可能な一般入賞装置13が複数箇所に設けられると共に、該遊技盤10における遊技領域10bの最下方位置には、始動入賞装置15や特別入賞装置56、一般入賞装置13に入賞しないパチンコ球Sを排出するアウト口14を設けてある。
前記始動入賞装置15について説明する。図2または図3に示すように、始動入賞装置15は、前記遊技盤10に取着される第1取着部材16と、第1取着部材16の前側に設けられて、遊技領域10bを流下するパチンコ球Sが入賞可能な上部入賞口23を有する上部球受部22と、第1取着部材16の前側における上部球受部22の下方に設けられて、遊技領域10bを流下するパチンコ球Sが入賞可能な下部入賞口28を有する下部球受部26と、第1取着部材16の前側に配設されて下部入賞口28を開閉する羽根部材(開閉部材)31,31と、前後方向に動作するプランジャ(作動部)52を前方へ向けた姿勢で配置される第1ソレノイド(リニアアクチュエータ)51と、羽根部材31,31および第1ソレノイド51のプランジャ52を接続する第1連繋部材(連繋手段)54とを備えている。そして、前記始動入賞装置15には、前記上部球受部22の上部入賞口23に連通して、該上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sを遊技盤10の裏側へ転動させる第1球通路43と、第1球通路43の後端部に接続して下方に延在する第2球通路44と、前記下部球受部26の下部入賞口28に連通して、該下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを遊技盤10の裏側へ転動させる第3球通路46とが形成されて、前記遊技領域10bを流下するパチンコ球Sを上下の位置関係で設けた2つの入賞口23,28に入賞させ得るよう構成される。なお、前記第1取着部材16の下縁部には、所要意匠を施した化粧板(意匠部)49を取付けてある。
また、前記上部球受部22、第1球通路43および第2球通路44からなる第1球経路の経路途中に、上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sを検出する第1球検出センサ47が配設されると共に、下部球受部26および第3球通路46からなる第2球経路の経路途中に、前記下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを検出する第2球検出センサ48が配設されており、これら第1または第2球検出センサ47,48がパチンコ球Sを検出することで、前記特別図柄表示装置12aでの特別図柄変動ゲームが開始されると共に、前記球払出装置により賞球を払出すようになっている。ここで、前記第1球検出センサ47がパチンコ球Sを検出した場合と、第2球検出センサ48がパチンコ球Sを検出した場合とでは、前記球払出装置が払出す賞球数が異なるよう設定されており、例えば、第1球検出センサ47がパチンコ球Sを検出した場合には3個の賞球が払出され、第2球検出センサ48がパチンコ球Sを検出した場合には4個の賞球が払出される。すなわち、前記始動入賞装置15に2つの入賞口23,28と、夫々に対応して球検出センサ47,48とを設けることで、異なる賞球数の払出しを行ない得るようにしてある。なお、前記第1球経路の下流端部には、前記上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sを排出させる第1球排出口41が設けられ、前記第2球経路の下流端部には、前記下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを排出させる第2球排出口20が設けられている。
前記第1取着部材16には、左右方向の略中央位置の上端部に前記上部球受部22が前方へ向けて突出するよう形成されると共に、上部球受部22の下方位置に、前後に開口するよう開設した開口部16a(図3参照)の前側に前記下部球受部26が設けられている。また、前記第1取着部材16の裏側には、前記開口部16aを挟む左右両側に、後方へ向けて延出する第1支持片17,17(図3に右側の第1支持片17のみ図示)が形成されて、該第1支持片17,17の間に前記第1連繋部材54が配置される。また、第1支持片17,17の下方に、後方へ向けて延出する第2支持片18,18(図5に左側の第2支持片18のみ図示)が開口部16aを挟む左右両側に形成されている。なお、前記第1支持片17,17には、左右方向に貫通する軸孔(図示せず)を穿設してある。更に、前記第1取着部材16における第1支持片17,17と第2支持片18,18との間に、前記第2球検出センサ48を取付けるホルダ16b(図5参照)が形成されると共に、前記開口部16aの内周上縁における左右方向の略中央位置に、下方へ垂下するセンサ押え部19(図3または図5参照)が形成されており、該ホルダ16bに取付けた第2球検出センサ48の上部にセンサ押え部19が当接して位置決めしている。
前記上部球受部22は、図2〜図5に示すように、前記第1取着部材16の前方へ突出すると共に上方および後方へ開口するよう形成されて、該上部球受部22の上方開口が前記上部入賞口23として機能するようになっている。なお、前記上部球受部22の上方開口は、1個のパチンコ球Sが通過可能な開口寸法に設定される。また、前記上部球受部22における左右の側壁22a,22aは、上方から下方へ向かうにつれて相互に離間する方向へ傾斜するよう形成されている(図4参照)。前記第1取着部材16の裏側には、前記上部球受部22と対応する位置に、後方へ向けて下方傾斜する樋状部24が形成されている。ここで、前記樋状部24は、その全長に亘って上方に開口する半円筒状に形成されており、前記上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sは上部球受部22から樋状部24に移動して装置後方へ案内されるようになっている。すなわち、前記樋状部24が前記第1球通路43の一部を形成している。
また、前記下部球受部26は、その外周縁部から後方へ延在する壁部27が上方に開口するよう形成されて、該壁部27の後端部が第1取着部材16に当接するようになっている。すなわち、下部球受部26の上方開口が前記下部入賞口28として機能する。また、前記下部球受部26における前記下部入賞口28の下方位置に、下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを前記第1取着部材16の開口部16aへ向けて誘導する円弧状の球誘導部29が形成されている。ここで、前記球誘導部29により第1取着部材16の開口部16aへ向けて誘導されたパチンコ球Sは、前記一対の第2支持片18,18の間に到来し、該第2支持片18,18の下方開口を介して装置外部(特別入賞装置56の後述する第1球案内路88)に排出されるようになっている。すなわち、前記一対の第2支持片18,18により画成される領域が、下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを遊技盤10の裏側へ転動させる前記第3球通路46を構成する。また、第2支持片18,18の下方開口が下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを装置外部に排出する第2球排出口20として機能する(図5参照)。
なお、前記第1取着部材16のホルダ16bに取付けた第2球検出センサ48は、前記下部入賞口28の下方に臨むよう構成されており、該下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sは、第2球検出センサ48で検出された後に、前記第3球通路46へ移動するようになっている。また、前記下部球受部26における下部入賞口28の左右に離間する位置には、後方へ向けて延在する支軸26a,26aを夫々形成してある(図3参照)。
また、前記羽根部材31,31は、図2または図4に示すように、前記下部入賞口28を挟む左右両側に位置する左右一対の部材であって、互いに左右対称な形状で上方に向かって徐々に薄肉となる所謂フラップ状に形成されている。前記各羽根部材31,31の下方位置には、前後方向に貫通する軸孔31a,31aが形成されており、該軸孔31a,31aに前記下部球受部26の支軸26a,26aを挿通することで、羽根部材31,31が下部球受部26に揺動可能に組付けられている。そして、前記羽根部材31,31の上端部(先端部)が、相互に近接する方向および相互に離間する方向へ揺動するようになっている。
ここで、前記羽根部材31,31の上端部を相互に離間させた開放状態(図1参照)では、該羽根部材31,31と前記上部球受部22との間から前記下部入賞口28へのパチンコ球Sの入賞を許容すると共に、羽根部材31,31の上端部を相互に近接させた閉成状態(図2または図4参照)では、該羽根部材31,31の上端部が上部球受部22の真下に位置するようになって、羽根部材31,31および上部球受部22により、下部入賞口28へのパチンコ球Sの入賞を規制するようになっている。すなわち、実施例の前記下部入賞口28は、所謂チューリップ型の入賞口として形成してある。なお、前記各羽根部材31における軸孔31aの近傍には、前記第1取着部材16に開設した開口部16aを介して第1取着部材16の裏側まで延在する連繋軸31bが夫々形成されており、該連繋軸31bに対して前記第1連繋部材54が接続される。
また、前記第1取着部材16の裏側には、前記第1球通路43の一部を形成する球通路部材33が配設されると共に、該球通路部材33の後方に、前記第2球通路44を形成する樋部材38が配設されている。ここで、前記球通路部材33は、図5に示すように、前記樋状部24、第1および第2支持片17,17,18,18の後端部に当接するよう形成されて、その上面に、前記樋状部24に連続的に接続して下方傾斜する球転動面34が形成されている。なお、前記球転動面34は、前記樋状部24の左側部に整合する円弧状に形成されている。また、前記球転動面34上に、前記樋状部24の右側部に整合するよう前記樋部材38の規制片39a(後述)が延在し、該球転動面34と規制片39aとで画成される領域をパチンコ球Sが転動し得るようになっている。すなわち、実施例では、前記球転動面34と規制片39aとで画成される領域と、前記樋状部24とから前記第1球通路43を構成し、該第1球通路43が第1取着部材16から後方へ向けて直線的に延在するようになっている。
また、前記球通路部材33における球転動面34の下方位置には、前記第1取着部材16に形成した第1支持片17,17の後方に、前方に開口する凹状の第1設置部35が形成されており、該第1設置部35に前記第1ソレノイド51を設置するようになっている。すなわち、前記第1設置部35に設置した第1ソレノイド51は、第1取着部材16のホルダ16bに取付けた第2球検出センサ48の上方に位置している。なお、球通路部材33における第1設置部35の下方位置には、前記樋部材38を取付ける左右一対の係止部36,36が形成されている(図2または図3において右側部に形成した係止部36のみ図示)。
図3に示すように、前記樋部材38は、上下方向に延在して前方および上方に開口する縦樋部39と、該縦樋部39の下端部に連通接続して右側へ延在し、前方に開口する横樋部40とから略L字状をなすよう形成されている。そして、前記縦樋部39の前側上端部に、前記規制片39aが前方へ向けて突設されると共に、縦樋部39と横樋部40との接続部位近傍に、前記球通路部材33の係止部36,36に係脱自在に係合する係合フック39b,39bが形成される。すなわち、前記係合フック39b,39bを対応の係止部36,36に係合することで、規制片39aが球転動面34の右側部位置に臨むよう樋部材38が球通路部材33の後方に組付けられる(図2参照)。このとき、前記球転動面34の上方位置で前記縦樋部39が前方に開口し、該球転動面34を転動するパチンコ球Sが縦樋部39に移動し得るようになっている(図5参照)。すなわち、実施例では、前記縦樋部39と球通路部材33の後面33aにより画成される領域により、前記第2球通路44を形成している。換言すると、前記第2球通路44は、前記第1球通路43の後端部に接続するようになっている。
なお、前記樋部材38を球通路部材33に組付けた際に、図2または図6に示すように、前記横樋部40の前方開口を球通路部材33の後面33aで閉成しないよう構成され、前記第2球通路44を通過するパチンコ球Sが横樋部40の前方開口から装置外部(特別入賞装置56の後述する第3球案内路90)に排出されるようになっている。すなわち、実施例では、前記横樋部40の前方開口が、第2球通路44を転動するパチンコ球Sを排出する第1球排出口41として機能する。ここで、前記横樋部40は、前方に開口する第1球排出口41を形成するために前記縦樋部39の下端部に設けられており、該縦樋部39から到来したパチンコ球Sを右方向へ転動させてから前方へ向けて排出するようになっている。なお、横樋部40の左右方向の幅寸法は、第1球排出口41を形成可能な必要最小限の大きさに設定されている。また、前記縦樋部39には、前記球転動面34の下方位置に前記第2球通路44に臨むよう前記第1球検出センサ47が取付けられるホルダ39cが形成されており、前記上部入賞口23に入賞して第2球通路44を通過するパチンコ球Sを第1球検出センサ47で検出するようになっている。なお、図5に示すように、前記第1球検出センサ47は、その長手方向が前後方向に延在する姿勢で前記縦樋部39のホルダ39cに取付けられる。
ここで、前記第1ソレノイド51は、通電制御して磁力を発生する本体51aと、本体51aの通孔に挿通されて発生した磁力により通孔に対して直線的に進退移動するプランジャ52とから構成され、該プランジャ52を前方へ向けた姿勢で本体51aが前記第1設置部35に収容配置される。すなわち、前記プランジャ52は、前記第1取着部材16、樋状部24、第1支持片17,17およびセンサ押え部19の夫々で囲まれた空間に位置している。換言すると、前記第1取着部材16、第1球通路43の下面をなす樋状部24および球転動面34、第2球通路44の前面をなす球通路部材33の後面33a、第3球通路46の上面をなすセンサ押え部19により画成される収容空間50に、前記第1ソレノイド51は配設されている。
なお、前記プランジャ52の前端部には、円盤状の係合板52aが設けられると共に、該係合板52aと本体51aとの間にはバネ等の弾性部材53が介装されている。そして、前記第1ソレノイド51に通電していない状態(非励磁状態)においては、弾性部材53の弾性力によりプランジャ52(係合板52a)が常には前方に向けて付勢されて、第1ソレノイド51に通電した状態(励磁状態)においては、弾性部材53の弾性力に抗してプランジャ52(係合板52a)が後方に移動するようになっている。
また、前記第1連繋部材54は、図3に示すように、前端部に形成されて前記各羽根部材31に形成した連繋軸31bの後端が突入係合する第1連繋部54aと、両第1連繋部54a,54aを連結結合して前記第1ソレノイド51のプランジャ52に設けた係合板52aが係合する第2連繋部54bとから構成され、前記第1支持片17,17の間(すなわち収容空間50)に配置してある。また、前記左右の第1連繋部54a,54aの相互に離間する側面には外側に向けて軸部54c,54c(図3において右側に位置する軸部54cのみ図示)が突設されており、該軸部54c,54cを前記第1支持片17,17の軸孔に挿通するようになっている。すなわち、前記第1ソレノイド51の励磁・非励磁によりプランジャ52が前後移動することで前記第1連繋部材54の第1連繋部54a,54aが上下方向に揺動し、これに伴って前記羽根部材31,31が開閉するよう構成されている。ここで、前記第1ソレノイド51に通電していない非励磁状態においては、前記羽根部材31,31が前記閉成状態に変位し、第1ソレノイド51に通電した励磁状態においては、該羽根部材31,31が前記開放状態(図5参照)に変位するよう設定されている。
次に、前記特別入賞装置56について説明する。前記特別入賞装置56は、図7に示すように、前記遊技盤10に取着され、パチンコ球Sが通過可能な横長矩形状の特別入賞口(入賞口)58を開設した第2取着部材57と、該第2取着部材57の裏側に組付けられ、特別入賞口58を介してパチンコ球Sが入賞可能な入賞空間63を画成した本体部材60と、特別入賞口58を開閉自在に閉成する開閉扉76とから基本的に構成される。なお、第2取着部材57の上端縁には、前記始動入賞装置15に設けた化粧板49の下縁部の外形形状に略合致する凹部57aが形成されており、該化粧板49の下縁部を凹部57aに整合することで、始動入賞装置15と特別入賞装置56とが所定の位置関係で遊技盤10に配置されるようになっている。
ここで、前記本体部材60は、前半体61と後半体62とから構成されて、該前半体61および後半体62に前記入賞空間63が画成されている。すなわち、前記入賞空間63は、前記前半体61に画成されて、前記特別入賞口58に略整合する寸法で前方に開口する前側空間63aと、前記後半体62に画成される後側空間63bとから構成されている。ここで、前記前側空間63aと後側空間63bとは、該前側空間63aの奥側面(後半体62の前側空間63aに臨む前壁62a)における左右方向の略中央位置に開設した孔部62bを介して相互に連続するようになっている(図8〜図10参照)。なお、前記前側空間63aおよび後側空間63bの前後の幅寸法は、パチンコ球Sの直径寸法と略合致するよう設定されている。また、前記後側空間63b(孔部62b)の左右方向の開口寸法L1は、パチンコ球Sの直径の略2個分に設定されると共に、該後側空間63bの左側に偏った位置(左側半分)に、下方に開口する第3球排出口(球排出口)64を開設してある(図9参照)。すなわち、前記第3球排出口64は、前記入賞空間63を画成する底面の左右方向の略中央位置に形成されており、該入賞空間63に入賞したパチンコ球Sは、第3球排出口64を介して装置外部に排出されるようになっている。なお、前記本体部材60(後半体62)における前記第3球排出口64の下方位置には、パチンコ球Sを検出する第3球検出センサ(球検出手段)66を取付けるホルダ65が形成されて、入賞空間63に入賞したパチンコ球Sを該第3球検出センサ66が検出するよう構成されている。また、前記後側空間63bを画成する底面71は、前記第3球排出口64へ向けて下方傾斜するよう形成している。なお、以下の説明では、前記後側空間63bの底面71を後側傾斜面71と指称する。
また、前記前側空間63aの底面は、前記第3球排出口64の前方に形成されて前記第3球排出口64へ向かって下方傾斜する第1前側傾斜面68と、該前側空間63aの左側方から第1前側傾斜面68へ向けて下方傾斜する第1案内傾斜面69と、前記後側傾斜面71の前方に形成されて後側傾斜面71へ向けて下方傾斜する第2前側傾斜面72と、該前側空間63aの右側方から第2前側傾斜面72へ向けて下方傾斜する第2案内傾斜面73とから構成される。ここで、水平面に対する前記後側傾斜面71の傾斜角度は、前記第1前側傾斜面68の傾斜角度より大きく設定されて、後側傾斜面71を転動して第3球排出口64へ移動するパチンコ球Sの「勢い(加速度)」の方が第1前側傾斜面68を転動して第3球排出口64へ移動するパチンコ球Sの「勢い(加速度)」よりも大きくなるようになっている。なお、前記第1前側傾斜面68と第2前側傾斜面72との傾斜角度は同一に設定され、第1案内傾斜面69と第2案内傾斜面73との傾斜角度は同一に設定されている。また、第1前側傾斜面68の左右方向の幅寸法L2は、パチンコ球Sの直径と同等に設定されて、該第1前側傾斜面68から第3球排出口64へパチンコ球Sが1個ずつ進入するようになっている。
また、前記第1前側傾斜面68と第2前側傾斜面72との間には、両傾斜面68,72を区画する第1区画突部74が突設されて、該第1前側傾斜面68および第2前側傾斜面72を分離している。すなわち、図9に示すように、前記第1区画突部74より左側から前側空間63aに入賞したパチンコ球Sは、前記第1案内傾斜面69および第1前側傾斜面68からなる第1球誘導通路67を介して前記第3球排出口64へ転動し、該第1区画突部74より右側から前側空間63aに入賞したパチンコ球Sは、前記第2案内傾斜面73、第2前側傾斜面72および後側傾斜面71からなる第2球誘導通路70を介して前記第3球排出口64へ転動する。なお、前記第1球誘導通路67と第2球誘導通路70とは、前記第3球排出口64において、略90°の角度で交差するよう構成されている(図9参照)。
前記開閉扉76は、前記特別入賞口58の開口形状に略合致する横長矩形板状に形成されて、その左右側面の下端部に形成した支軸76a,76aを介して本体部材60に揺動自在に枢支される(図9参照)。そして、前記開閉扉76の左下端部に形成した作動片76bに、前記本体部材60に配設した第2ソレノイド82を連繋接続して、該第2ソレノイド82の駆動により支軸76a,76aを中心に開閉扉76が揺動するようになっている。なお、前記第2ソレノイド82の基本構成は、前記第1ソレノイド51と同じであって、前記本体部材60の左側部に形成した第2設置部81にプランジャが前方に向く姿勢で配設されて、該プランジャの前後移動により上下に変位する第2連繋部材84が前記作動片76b(図7または図10参照)に接続するよう構成されている。ここで、前記第2ソレノイド82は、常には非励磁状態とされて開閉扉76が特別入賞口58を閉成し、前記特別遊技の発生時に第2ソレノイド82へ通電して励磁されて開閉扉76が特別入賞口58を開放するようになっている。
なお、前記開閉扉76の閉成時には、該開閉扉76は直立してその前面が前記第2取着部材57と略同一面上に位置するよう構成されている(図11参照)。また、開閉扉76の開放時には、該開閉扉76は前方に向けてやや上向きに傾斜して、その裏面が前記入賞空間63へ向けて下方傾斜するよう構成されている(図10参照)。すなわち、前記開閉扉76を閉成した場合には、該開閉扉76により前記入賞空間63を遮蔽してパチンコ球Sの入賞を規制し、開閉扉76を開放位置に変位した場合には、遊技領域10bを流下するパチンコ球Sを開閉扉76が受止めて入賞空間63に案内するようになっている。また、図10に示すように、前記開閉扉76の開放端には、該開閉扉76の開放状態で開放端から特別入賞口58へ向けて下方傾斜する傾斜部76cが形成されており、該傾斜部76c上に落下したパチンコ球Sの転動方向を前記入賞空間63(前側空間63a)へ向かわせる(変更させる)よう構成されている。
更に、図7または図9に示すように、前記開閉扉76の裏面(閉成時に入賞空間63の内側を向く面)には、該開閉扉76の開放状態において前記前側空間63aに形成した第1区画突部74と前後に整列する位置に上方へ突出する第2区画突部77が形成されている。すなわち、前記開閉扉76の裏面における前記第2区画突部77より左側の領域(第1領域78)に落下したパチンコ球Sは、前記第1球誘導通路67へ向けて転動し、該開閉扉76の裏面における第2区画突部77より右側の領域(第2領域79)に落下したパチンコ球Sは、前記第2球誘導通路70へ向けて転動するようになっている。
また、前記本体部材60(後半体62)には、図7または図13に示すように、左右に離間する位置に上下方向に貫通する第1球通過路86および第2球通過路87が形成されている。具体的には、前記第1球通過路86は後側空間63bの右側に位置し、前記第2球通過路87は後側空間63bの左側に位置して、該第1球通過路86および第2球通過路87によって後側空間63bを挟むように設けられている。更に、前記前半体61(本体部材60)の上面部には、左右方向の略中央位置に、前方から後方へ向けて下方傾斜する第1球案内路88が形成されると共に、前記後半体62(本体部材60)の上面部には、左右方向の略中央位置に、該第1球案内路88の下流端に接続して左右方向の略中央位置から前記第2球通過路87へ向けて下方傾斜する第2球案内路89が形成されている。また、前記後半体62(本体部材60)の上面部には、左右方向の略中央位置から前記第1球通過路86へ向けて下方傾斜する第3球案内路90が形成されている。ここで、前記第1球案内路88は、前記前半体61の上面に凹設されると共に(図7、図10または図11参照)、前記第2球案内路89および第3球案内路90の夫々は、前記後半体62における後側空間63bを画成する壁部を利用して形成されている(図12参照)。すなわち、これら第1〜第3球案内路88,89,90を構成する別部材を設けることなく一体的に形成したことで、特別入賞装置56における組付け作業の簡略化やコストの低減を図っている。なお、前記本体部材60(後半体62)には、前記第2球案内路89と第3球案内路90との間に上方へ突出する突状部62cが形成されており、これら第2球案内路89および第3球案内路90に到来したパチンコ球Sを、対応の第1球通過路86および第2球通過路87へ確実に案内し得るようになっている。
ここで、前記始動入賞装置15と特別入賞装置56とを遊技盤10に組付けた際に、前記第1球案内路88の上方に前記第2球排出口20が臨むよう構成されて、始動入賞装置15の下部入賞口28に入賞して第2球排出口20から排出されたパチンコ球Sは、第1球案内路88に直接落下して第2球案内路89を介して特別入賞装置56の第2球通過路87を通過するようになっている(図11参照)。また同様に、前記始動入賞装置15と特別入賞装置56とを遊技盤10に組付けた際に、前記第3球案内路90の上方に前記第1球排出口41が臨むよう構成されて、始動入賞装置15の上部入賞口23に入賞して第1球排出口41から排出されたパチンコ球Sは、第3球案内路90に直接落下して特別入賞装置56の第1球通過路86を通過するようになっている(図12参照)。すなわち、実施例では、第3球案内路90が、前記第1球排出口41から排出されたパチンコ球Sを受止めて第1球通過路86へ案内する第1案内面として機能し、第1球案内路88および第2球案内路89が、前記第2球排出口20から排出されたパチンコ球Sを受止めて第2球通過路87へ案内する第2案内面として機能する。そして、前記特別入賞装置56に形成した第1および第2球通過路86,87を通過したパチンコ球Sは、パチンコ機の裏側(遊技盤10の下方位置)に設けられた排出樋(図示せず)にそのまま落下するよう構成されている。なお、前記排出樋は、前記アウト口14を通過したパチンコ球Sや、一般入賞装置13に入賞したパチンコ球Sも到来する部材であって、遊技に供された全てのパチンコ球Sをパチンコ機の外部へ排出するようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るパチンコ機の作用につき説明する。前記遊技盤10に設けたレール10aに沿って遊技領域10bに打出されたパチンコ球Sは、遊技盤10上に設けた遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら流下する。そして、前記遊技領域10bを流下するパチンコ球Sが前記始動通過口92を通過すると、前記普通図柄表示装置12bにおいて普通図柄変動ゲームが開始される。そして、普通図柄変動ゲームの結果、前記普通図柄表示装置12bに当り図柄が表示されると、前記始動入賞装置15の羽根部材31,31が開放状態になり、前記下部入賞口28へのパチンコ球Sの入賞が許容される。また、前記始動入賞装置15の上部入賞口23または下部入賞口28に入賞すると、前記特別図柄表示装置12aにおいて所要の特別図柄変動ゲームが開始されると共に、前記球払出装置により所定数の賞球(上部入賞口23に入賞した場合は3個、下部入賞口28に入賞した場合は4個の賞球)が払出される。そして、特別図柄変動ゲームの結果、特別図柄表示装置12aに特定の図柄組合わせ(大当り図柄)が表示されると、前記特別遊技が発生して前記特別入賞装置56の開閉扉76が開放し、前記入賞空間63へのパチンコ球Sの入賞が許容される。
ここで、実施例の始動入賞装置15は、第1ソレノイド51のプランジャ52を前方へ向けた姿勢で配設したことで、該第1ソレノイド51の励磁・非励磁の何れの状態であっても始動入賞装置15の縦方向(上下方向)の寸法に変化は生じない。これに対し、プランジャ52を上下方向に移動する姿勢で第1ソレノイド51を配設した場合には、該第1ソレノイド51の励磁・非励磁によるプランジャ52の移動を許容し得るよう始動入賞装置の縦方向の寸法を確保する必要が生ずる。従って、実施例のように、第1ソレノイド51のプランジャ52を前方へ向けた姿勢で始動入賞装置15に配置することで、該プランジャ52が上下方向に移動する姿勢で配置した場合と較べて始動入賞装置15の縦方向の寸法を抑制することが可能となる。すなわち、遊技盤10の大きさが同じであれば、実施例のように第1ソレノイド51のプランジャ52を前方へ向けた姿勢で配置した始動入賞装置15を設けることにより、前記特別図柄表示装置12aを大型化することが可能となり、該特別図柄表示装置12aでの特別図柄変動ゲームの迫力やインパクト等を向上し得る。
また、前記始動入賞装置15には、前記第1ソレノイド51を収容する収容空間50を、第1取着部材16の直ぐ裏側に設けるようにしてあるから、例えば始動入賞装置15の後端部側に第1ソレノイド51を配置する構成と較べて、前記下部入賞口28を開閉する羽根部材31,31と第1ソレノイド51のプランジャ52とを接続する第1連繋部材54の小型化や構成の簡略化を図ることができる。これにより、始動入賞装置15の前後方向の寸法を小さくしてより一層コンパクトにすることが可能となる。
上部入賞口23を設けた始動入賞装置15において、縦方向の寸法を小さくする場合には、該上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sを検出する第1球検出センサ47や、下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを検出する第2球検出センサ48の配置位置が重要となる。すなわち、これら第1および第2球検出センサ47,48を始動入賞装置15とは別の部材(例えば、遊技盤10の裏側に配設される所謂球樋部材等)に配置する構成では、始動入賞装置15に不具合が生じたときに、該別部材に組付けたセンサを一旦取り外したもとで始動入賞装置15の交換やメンテナンス作業等をする必要があり、作業が非常に煩雑となる。これに対して、実施例の始動入賞装置15では、該装置を構成する樋部材38のホルダ39cに第1球検出センサ47を保持すると共に、第1取着部材16のホルダ16bに第2球検出センサ48を保持するよう構成してある。このように、始動入賞装置15に第1および第2球検出センサ47,48の夫々を組込むことで、これら球検出センサ47,48を装置全体として一体的に取扱うことができ、始動入賞装置15に不具合が生じた場合であっても、交換やメンテナンス作業等の作業を効率良く行なうことができる。
ここで、前記始動入賞装置15の縦方向の寸法を小さくすると、前記第1球検出センサ47および第2球検出センサ48の配置位置によってはこれらセンサ47,48が相互に干渉する虞がある。そこで、実施例のように、第1球検出センサ47を樋部材38(第2球通路44)に臨むよう第1ソレノイド51の後方に配置し、第2球検出センサ48を第1ソレノイド51の下方に配置して、該第1球検出センサ47および第2球検出センサ48が前後の位置関係となるようにすることで、始動入賞装置15の縦方向の寸法をコンパクトにしたもとで、第1球検出センサ47および第2球検出センサ48が干渉することなく効率的に配置することが可能となる。
ところで、前記下部入賞口28を開閉する羽根部材31,31は、一般に所定の設定時間または規定数(例えば4個)のパチンコ球Sが下部入賞口28に入賞することで閉成するよう制御される。従って、前記下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sの数を正確にカウントすることが求められる。ここで、実施例では、前記第2球検出センサ48を、前記下部球受部26に臨むよう配置しているから、前記下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを素早く検出することができる。すなわち、下部入賞口28に規定数のパチンコ球Sが入賞した時点で羽根部材31,31を閉成することができるから、前述した所定の制御条件に基づいた遊技を行なうことが可能となる。
また、前記始動入賞装置15の上部に位置する樋状部24および球転動面34(第1球通路43)を、その全長に亘って上方に開口するよう形成したことで、該樋状部24および球転動面34をパチンコ球Sが通過可能な筒状に形成した場合と較べて、該始動入賞装置15の縦方向の大きさをコンパクトにし得る。なお、前記上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sは、上部球受部22に一旦受止められて、その後に上部球受部22の後方開口を介して樋状部24へ移動するよう構成してあるから、樋状部24および球転動面34を転動するパチンコ球Sが樋状部24および球転動面34の上方開口から逸れることはなく、上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sを前記樋部材38へ確実に移動させて、前記第1球検出センサ47で検出することができる。
なお、前記上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sが通過する第1球経路(上部球受部22、第1球通路43、第2球通路44)や、前記下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sが通過する第2球経路(下部球受部26、第3球通路46)を左右方向に屈曲するよう形成した場合には、始動入賞装置15における左右の幅寸法の大型化を招来する問題がある。更に、前記上下の入賞口23,28に入賞した時点ではパチンコ球Sの勢いが比較的強く、このパチンコ球Sの勢いが衰えていないときにパチンコ球Sの転動方向を左右方向に変更すると、その転動方向を変更する部位(すなわち球経路の屈曲部位)で球詰まりが生じ易い難点も指摘される。
これに対して、実施例では、前記上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sが転動する第1球通路43および第3球通路46を第1取着部材16から後方へ向けて直線的に延在するよう形成すると共に、第1球通路43の下流部に第2球通路44が下方へ延在するよう形成したから、第1球経路22,43,44および第2球経路26,46の左右方向の幅寸法を抑制することができる。このため、始動入賞装置15のコンパクト化に寄与し得る。また、前記上下の入賞口23,28に入賞したパチンコ球Sは、第1球通路43を転動した後に自重により第2球通路44へ移動するか、あるいは第3球通路46を通った後に自重により第2球排出口20から排出されるから、上下の入賞口23,28に入賞した時点の勢いのあるパチンコ球Sの転動方向を変更した場合に生ずる可能性がある球詰まりが発生するのを防止することができる。また、一般に始動入賞装置15は、遊技盤10に開設された取付孔10c(図11参照)に対して前方から挿入したもとで、第1取着部材16を介してネジ等により遊技盤10に固定されることから、該始動入賞装置15の左右方向の幅寸法を小さくすることで、遊技盤10に開設する取付孔10cの大きさを必要最小限にし得る利点もある。
なお、前記上部球受部22(始動入賞装置15)の上方位置から垂直落下してきたパチンコ球Sが、該上部球受部22の近傍を通過するような場合、前記羽根部材31,31が開放状態から閉成状態へ変位するタイミングによっては上部球受部22の側壁と羽根部材31,31の先端部(上端部)との間に、落下してきたパチンコ球Sを挟み込んでしまうこと(所謂、球噛み)がある。これに対して、実施例では、前記上部球受部22の左右の側壁22a,22aを、上方から下方へ向かうにつれて相互に離間する方向へ傾斜するよう形成したから、垂直落下してきたパチンコ球Sが上部球受部22の近傍を通過する場合に、該パチンコ球Sは傾斜した側壁22aに接触して上部球受部22から離間する方向へ弾かれる。このため、上部球受部22(側壁22a,22a)の近傍をパチンコ球Sが通過する頻度が抑制されるから、羽根部材31,31が開放状態から閉成状態へ変位するに際して、上部球受部22の左右両側壁22a,22aと羽根部材31,31の先端部との間にパチンコ球Sが挟まるのを防止できる。
また、前述したように、前記特別入賞装置56は、特別遊技における前記開閉扉76の開放時間は予め設定されており、この設定時間が経過するか、当該設定時間内に規定数(例えば10個)のパチンコ球Sが入賞空間63に入賞することで開閉扉76が閉成される。従って、特別遊技においては、入賞空間63にパチンコ球Sをできる限り短時間で効率良く入賞させると共に、入賞したパチンコ球Sをできる限り早く検出することが望まれる。ここで、実施例の特別入賞装置56では、入賞空間63に入賞したパチンコ球Sを排出する第3球排出口64を入賞空間63の左右方向の略中央位置に形成すると共に、該第3球排出口64に対応して第3球検出センサ66を設けてある。このため、入賞空間63の左端部近傍からパチンコ球Sが入賞した場合と、入賞空間63の右端部近傍からパチンコ球Sが入賞した場合とにおいて、パチンコ球Sが第3球排出口64(第3球検出センサ66)まで到来するのに要する時間を略同等とし得る。
すなわち、入賞空間63に対してパチンコ球Sが何れの位置に入賞した場合であっても、入賞してから第3球排出口64を通過する(第3球検出センサ66が検出する)までのタイムラグを最小限にし得る。更に、特別入賞口58の左右方向の開口寸法を拡大した場合であっても、入賞空間63に入賞したパチンコ球Sをできる限り早く検出することができるから、前記入賞空間63に入賞したパチンコ球Sの数をより正確にカウントできる。
また、実施例では、入賞空間63内にパチンコ球Sが転動し得る第1球誘導通路67および第2球誘導通路70を設けると共に、該第1球誘導通路67および第2球誘導通路70の間に上方に突出する第1区画突部74を形成したことで、パチンコ球Sがこれら第1球誘導通路67と第2球誘導通路70との間で行き来するのを防止し得る。すなわち、入賞空間63に入賞したパチンコ球Sが第3球排出口64へ向かう経路は、第1球誘導通路67および第2球誘導通路70の何れかに限定されるから、該第3球排出口64にパチンコ球Sが多方向から一度に集中するのを防止し得る。
更に、前記第2球誘導通路70における第3球排出口64に接続する後側傾斜面71の傾斜角度を、前記第1球誘導通路67における第3球排出口64に接続する第1前側傾斜面68の傾斜角度より大きく設定してある。これにより、第1球誘導通路67を転動したパチンコ球Sと第2球誘導通路70を転動したパチンコ球Sが同じタイミングで第3球排出口64へ到来した場合に、当該第2球誘導通路70のパチンコ球Sを優先的に第3球排出口64に通過させることができ、該第3球排出口64でのパチンコ球Sの球詰まりを防止し得る。すなわち、傾斜角度が大きい後側傾斜面71を転動するパチンコ球Sは、傾斜角度が小さい第1前側傾斜面68を転動するパチンコ球Sに較べて、第3球排出口64へ向けて作用する「力」が相対的に大きくなり、接触した際に弾かれ難くなることから、該第2球誘導通路70のパチンコ球Sが優先的に第3球排出口64に通過する。このように、前記パチンコ球Sが第3球排出口64へ向かう経路を第1および第2球誘導通路67,70に限定し、これら第1および第2球誘導通路67,70の前記第3球排出口64に対する傾斜角度を異ならせることで、入賞空間63に入賞したパチンコ球Sをスムーズに排出することができる。
また、前記入賞空間63における後側空間63bの左右方向の開口寸法L1をパチンコ球Sの直径の略2個分に設定し、該後側空間63bに第3球排出口64と後側傾斜面71とを形成したことで、該後側傾斜面71へ進入し得るパチンコ球Sは1個に限定され、第2球誘導通路70を介して第3球排出口64へ一度に進入するパチンコ球Sを1個に限定し得る。また、前記第1前側傾斜面68の左右方向の幅寸法L2をパチンコ球Sの直径と略同等に設定したことで、第1球誘導通路67を介して前記第3球排出口64へ一度に進入するパチンコ球Sを1個に限定し得る。これにより、多数のパチンコ球Sが第3球排出口64へ一度に進入するのが防止され、第3球排出口64で球詰まりが生ずるのを効果的に抑制し得る。
なお、前記第1前側傾斜面68と、該第1前側傾斜面68へ向かって下方傾斜する第1案内傾斜面69とから前記第1球誘導通路67を形成し、前記後側傾斜面71と、該後側傾斜面71へ向かって下方傾斜する第2前側傾斜面72と、該第2前側傾斜面72へ向かって下方傾斜する第2案内傾斜面73とから前記第2球誘導通路70を形成するだけで、パチンコ球Sの球詰まり防止を実現し得る。すなわち、第1球誘導通路67および第2球誘導通路70の構成として、単純な構成を採用することができ、特別入賞装置56の構成を簡単にし得るから、装置のコンパクト化や、製造コストの低減を図り得る利点もある。
更に、前記開閉扉76の裏面に、その開放時において前記第1区画突部74と前後に整列する位置に第2区画突部77を形成したことで、該開閉扉76上でパチンコ球Sが左右方向に移動するのを防止し得る。すなわち、前記開閉扉76における第2区画突部77より左側の第1領域78に到来したパチンコ球Sを前記第1球誘導通路67へ速やかに移動させ得ると共に、開閉扉76における第2区画突部77より右側の第2領域79へ到来したパチンコ球Sを前記第2球誘導通路70へ速やかに移動させることができる。更に、前記開閉扉76の裏面に、開放端から特別入賞口58へ向けて下方傾斜する傾斜部76cを形成したことで、該傾斜部76cに到来したパチンコ球Sは速やかに対応の球誘導通路67,70(入賞空間63)へ向けて転動する。すなわち、予め設定されている前記特別入賞装置56(開閉扉76)の開放時間内に、前記入賞空間63に規定数のパチンコ球Sをより効率的に入賞させることが可能となる。
なお、前記特別入賞装置56の第2取着部材57の上端縁に、前記始動入賞装置15に設けた化粧板49の下縁形状に合致する凹部57aを形成したことで、該凹部57aに化粧板49の下縁を整合するだけで、始動入賞装置15と特別入賞装置56とを所定の位置関係で配置することができる。このとき、前記化粧板49の意匠と、前記第2取着部材57の意匠とを関連させることで、該始動入賞装置15と特別入賞装置56との一体感を生み、遊技盤10の装飾性を向上し得る利点がある。
また、前記始動入賞装置15と特別入賞装置56とを遊技盤10に組付けた状態では、特別入賞装置56の本体部材60に形成した第1球案内路88の上方に、前記始動入賞装置15の第2球排出口20が臨み、第3球案内路90の上方に始動入賞装置15の第1球排出口41が臨むよう構成されている。従って、前記始動入賞装置15の上部入賞口23に入賞して前記第1球排出口41から排出されたパチンコ球Sは、前記第3球案内路90に落下して特別入賞装置56の本体部材60に形成した第1球通過路86を介して最終的に遊技盤10の外部に設けた排出樋へ排出し得ると共に、下部入賞口28に入賞して前記第2球排出口20から排出されたパチンコ球Sは、前記第1球案内路88に落下して特別入賞装置56の本体部材60に形成した第2球案内路89および第2球通過路87を介して最終的に遊技盤10の外部に設けた排出樋へ排出し得る(図11〜図13参照)。
ところで、始動入賞装置15に上部入賞口23および下部入賞口28を設け、これら入賞口23,28に入賞したパチンコ球Sを排出する通路を特別入賞装置56に1つだけ形成した場合には、これらの入賞口23,28に入賞したパチンコ球Sが1つの通路に一度に集中的に到来して球詰まりを生ずる可能性がある。すなわち、遊技盤10の裏側で球詰まりが発生する。具体的には、始動入賞装置15の上下の入賞口23,28に入賞したパチンコ球Sが同じようなタイミングで特別入賞装置56の前記通路の入口に到来したときに、パチンコ球同士がぶつかり合って釣り合いがとれると、その入口近傍で停止して球詰まりが生ずることがある。このような球詰まりが遊技盤10の裏側で発生した状態では遊技の継続が困難なため、遊技店の従業員等が球詰まりを解消するまで遊技を中断する必要があり、従業員等に無用の作業負担を強いると共に、遊技の興趣が途切れて遊技者に不快感を抱かせる要因となる欠点が指摘される。
これに対し、前記始動入賞装置15の上部入賞口23に入賞したパチンコ球S、および下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sを、別々のルートに通して遊技盤10の外部に排出するよう構成したことで、上部入賞口23に入賞したパチンコ球Sと下部入賞口28に入賞したパチンコ球Sとが、第1球通過路86や第2球通過路87の入口で接触することはない。すなわち、始動入賞装置15の上下の入賞口23,28に入賞したパチンコ球Sを、遊技盤10の裏側で球詰まりを起こすことなく円滑に排出することができ、従業員等に無用の作業負担を強いたり、遊技者の遊技の興趣が途切れると云った不都合が生ずるのを防止することができる。なお、前記第2球案内路89と第3球案内路90との間に突状部62cを形成したことで、前記始動入賞装置15の第1球排出口41から排出されたパチンコ球Sが前記第3球案内路90から第2球案内路89へ移動して第2球通過路87を通過したり、第2球排出口20から排出されたパチンコ球Sが第2球案内路89から第3球案内路90へ移動して第1球通過路86を通過したりするのを防止し得るから、第1球通過路86や第2球通過路87の入口でのパチンコ球Sの球詰まりをより確実に防止することができる。ここで、実施例では、前記後側空間63bを前記本体部材60(後半体62)の左右方向の略中央位置に設け、該本体部材60(後半体62)における後側空間63bの左右に隣接する位置に前記第1および第2球通過路86,87を形成するようにしたから、特別入賞装置56の不必要な大型化を招来することはない。
また、前記始動入賞装置15の第1および第2球排出口41,20を、前記第1ソレノイド51の下方位置で開口させたことで、これら第1および第2球排出口41,20から排出されたパチンコ球Sを前記第1球案内路88または第3球案内路90で直接受止めることができる。従って、前記始動入賞装置15から排出された後のパチンコ球Sの処理を容易になし得る利点がある。具体的には、第1および第2球排出口41,20から排出されたパチンコ球Sを前記第1および第3球案内路88,90へ誘導する球樋部材を別途設ける必要がなく、組付け作業の簡略化およびコストの低減を図り得る。また、前記始動入賞装置15から排出されたパチンコ球Sを、特別入賞装置56に形成した第1および第2球通過路86,87を介して排出することで、これらパチンコ球Sを特別入賞装置56の第3球排出口64から排出されるパチンコ球Sと一緒にパチンコ機の外部に排出し得るから、これらパチンコ球Sを排出する球排出路の構成を簡略化し得る利点がある。
〔変更例〕
なお、本発明に係る遊技機としては、実施例のものに限られるものではなく、種々の変更が可能である。実施例では、始動入賞装置の第1球通路として、別部材の樋状部と球転動面とから構成するようにしたが、これに限定されるものではなく、上部入賞口に入賞した遊技球を遊技盤の裏側へリニアアクチュエータの後方まで転動させ得るよう構成すれば、単一部材に形成するようにしてもよい。また、第2球通路の形状に関しても、実施例に示す略L字状のものに限定されず、第1球通路を転動するパチンコ球を下方へ案内し得るよう構成すればよい。更に、第3球通路に関しては、前記リニアアクチュエータの下方位置に、下部入賞口に入賞した遊技球を遊技盤の裏側へ転動させ得るよう形成すれば、任意の形状・構成で設けることができる。
実施例では、パチンコ球が前記第2球通路を通過するときに第1球検出手段で検出するよう構成したが、上部球受部に第1球検出手段を設けて、該上部球受部がパチンコ球を受止めたときに第1球検出手段で検出するようにしてもよく、または第1球通路に第1球検出手段を設けて、該第1球通路をパチンコ球が通過するときに第1球検出手段で検出するよう構成してもよい。すなわち、前記第1球検出手段は、第1球経路の経路途中であれば任意位置に設けることができる。但し、始動入賞装置の縦方向の寸法を小さくする観点からは、実施例のように第2球通路に第1球検出手段を設けることが最適である。
同様に、実施例では、前記下部球受部に第2球検出手段を設けて、該下部球受部がパチンコ球を受止めたときに第2球検出手段で検出するよう構成したが、前記第3球通路に第2球検出手段を設けて、パチンコ球が前記第3球通路を通過するときに第2球検出手段で検出するようにしてもよい。すなわち、前記第2球検出手段は、第2球経路の経路途中であれば任意位置に設けることができる。
実施例では、開閉部材を一対の羽根部材から構成し、該羽根部材で下部入賞口を開閉する所謂チューリップ型の始動入賞装置を示したが、これに限定されるものではない。例えば、開閉部材として前後にスライドするシャッター部材を用いて下部入賞口を開閉したり、開閉部材として実施例の特別入賞装置のような揺動可能な開閉扉、その他の構成を採用することもできる。
実施例では、開閉部材を作動するリニアアクチュエータとしてソレノイドを採用したが、これに限定されるものではなく、作動部を直線的に動作する構成であれば、従来公知の各種の手段を採用できる。また、開閉部材とリニアアクチュエータの作動部とを接続する連繋手段の形状・構成に関しても、実施例のものに限られず、所要に応じて変更すればよい。
実施例では、特別入賞装置の第1球誘導通路と第2球誘導通路とを球排出口(第3球排出口)において略90°で交差するよう構成したが、これに限定されず、これら第1球誘導通路および第2球誘導通路が任意の角度で交差するようにすればよい。更に、第1球誘導通路における第1前側傾斜面の球排出口に対する傾斜角度を、第2球誘導通路における後側傾斜面の球排出口に対する傾斜角度より小さく設定したが、これら傾斜角度が異なるよう設定すれば、実施例と同様に遊技球の球詰まり防止を図り得る。この場合も、実施例と同様に、各球誘導通路を介して球排出口へ進入する遊技球を1個に限定することで、遊技球の球詰まりを効果的に抑制可能である。
実施例では、前記入賞空間を構成する後側空間の左右方向の開口寸法を、遊技球の略2個分に設定したが、それ以上の開口寸法に設定することもできる。但し、球排出口での球詰まり防止の観点からは、実施例のように後側空間の左右方向の開口寸法を遊技球の略2個分に設定することが最適である。
実施例では、特別入賞装置の本体部材に上下に貫通する第1および第2球通過路を左右の位置関係で形成するようにしたが、これに限定されず、前後の位置関係で形成することも可能である。更に、第1および第2球通過路へ遊技球を案内する第1および第2案内面の形状・構成に関しても、実施例のものに限定されるものではなく、第1案内面に関しては、第1球排出口から排出された遊技球を受止めて第1球通過路へ案内するよう構成すればよく、また第2案内面に関しては、第2球排出口から排出された遊技球を受止めて第2球通過路へ案内するよう構成すれば、所要に応じて変更することができる。
実施例に係るパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。 実施例に係る始動入賞装置の斜視図である。 実施例に係る始動入賞装置の分解斜視図である。 実施例に係る始動入賞装置の正面図である。 図4におけるA−A線断面図である。 図5におけるB−B線断面図である。 実施例に係る特別入賞装置の斜視図である。 実施例に係る開閉扉を取り外した状態で示す特別入賞装置の正面図である。 図7におけるC−C線断面図である。 図9におけるD−D線断面図である。 実施例に係る始動入賞装置と特別入賞装置とを組付けた状態を示す縦断側面図である。 実施例に係る始動入賞装置と特別入賞装置とを組付けて、始動入賞装置の第2球通路に対応する位置で縦断した状態を示す背面図である。 実施例に係る特別入賞装置を示す平面図である。
符号の説明
10 遊技盤,56 特別入賞装置(入賞装置),58 特別入賞口(入賞口)
63 入賞空間,63a 前側空間,63b 後側空間
64 第3球排出口(球排出口),66 第3球検出センサ(球検出手段)
67 第1球誘導通路,68 第1前側傾斜面,70 第2球誘導通路
71 後側傾斜面,72 第2前側傾斜面,74 第1区画突部,76 開閉扉
76c 傾斜部,77 第2区画突部,78 第1領域,79 第2領域
S パチンコ球(遊技球)

Claims (4)

  1. 前方に開口する入賞口を介して遊技球が入賞可能な入賞空間と、前記入賞空間に入賞した遊技球を排出する球排出口と、前記球排出口に対応して設けられ、遊技球の通過を検出する球検出手段と、下端部を枢支されて前記入賞口を開閉自在に閉成する開閉扉とを備えた入賞装置が遊技盤に配設され、前記開閉扉を前方へ揺動させて開放することで、前記入賞空間への遊技球の入賞を許容する遊技機において、
    技球を前記球排出口へ誘導する第1球誘導通路、および該第1球誘導通路とは異なる方向から遊技球を球排出口へ誘導する第2球誘導通路前記入賞空間の底面に形成され、
    前記入賞空間は、相互に連続する前側空間および後側空間からなり、該後側空間の左右方向の開口幅寸法が遊技球の略2個分に設定されると共に、後側空間の左右方向の一方に偏った位置に、入賞空間を画成する底面の左右方向の略中央に位置するよう前記球排出口が形成され、
    前記第1球誘導通路は、前記底面の前側空間に対応する位置に形成されて前記球排出口へ向かって下方傾斜する第1前側傾斜面を有し、
    前記第2球誘導通路は、前記底面の後側空間に対応する位置に形成されて前記球排出口へ向かって下方傾斜する後側傾斜面と、該底面の前側空間に対応する位置に形成されて後側傾斜面へ向かって下方傾斜する第2前側傾斜面とを有し、
    前記第1前側傾斜面および後側傾斜面の傾斜角度を異ならせるよう構成されている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記開閉扉の裏面に、前記第1球誘導通路へ向けて遊技球を転動させる第1領域、および前記第2球誘導通路へ向けて遊技球を転動させる第2領域が形成されている請求項1記載の遊技機。
  3. 前記底面における前記前側空間をなす領域に、前記第1前側傾斜面および第2前側傾斜面を区画する第1区画突部を形成し、
    前記開閉扉の裏面に、該開閉扉の開放状態で前記第1区画突部と前後に整列する第2区画突部を形成した請求項1または2記載の遊技機。
  4. 前記開閉扉の裏面には、該開閉扉の開放状態で開放端から入賞口へ向けて下方傾斜する傾斜部が形成されている請求項1〜の何れか一項に記載の遊技機
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