JP4727740B2 - 伝送路特性推定装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システムにおける伝送路特性推定装置、及びその伝送路特性推定装置をコンピュータを利用して実現するためのコンピュータプログラムに関する。
無線通信システムにおいてマルチパス伝搬による自パス干渉を抑圧することは、高速伝送を実現する上で重要である。例えば、シングルキャリア伝送を用いる無線通信システムにおいて有効な自パス干渉抑圧技術としては周波数領域等化方式が知られている。特に、最小平均自乗誤差(Minimum Mean Square Error)規範を用いた周波数領域等化方式では、チャネル利得の小さい周波数成分における雑音強調を抑圧することができ、有効な等化アルゴリズムとして知られている(以下、この最小平均自乗誤差規範による周波数領域等化方式をMMSE周波数等化方式と称する)。
図6は、MMSE周波数等化方式を用いた従来の受信機300を具備する無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。図6において、送信機1では、送信データ及び送信パイロット信号の各先頭にサイクリック・プリヒックス(Cyclic Prefix、以下、CPと称する)をCP挿入器11a,11bにより挿入し、次いで、それらCP挿入後の送信データ及び送信パイロット信号を時間多重器12により時間多重し、この時間多重された信号をアンテナ13から無線送信する。図7は、その送信信号の伝送フレームの構成例を示す図である。図7の例では、パイロット信号の末尾の32シンボルがパイロット信号の先頭部分(CP部分)に複写され、また、データの末尾の32シンボルがデータの先頭部分(CP部分)に複写されている。なお、パイロット信号は受信機側との間で予め整合された既知の信号である。
受信機300では、アンテナ21により受信された信号の受信データ及び受信パイロット信号から、それぞれCPをCP除去器22a,22bにより除去する。次いで、伝送路推定器310が、CP除去後の受信パイロット信号から伝送路特性推定値及び雑音電力推定値を求める。MMSE周波数等化器24は、それら伝送路特性推定値及び雑音電力推定値を使用して、(1)式によりCP除去後の受信データを周波数領域で等化し出力する。
Figure 0004727740
但し、d(n)はCP除去後の受信データ、d’(n)はMMSE周波数等化後の受信データ、H(f)は周波数領域の伝送路特性推定値、Nは雑音電力推定値、F{x}はxの離散フーリエ変換、F−1{x}はxの逆離散フーリエ変換、*は複素共役の表記、である。
図8は、図6の従来の伝送路推定器310の構成を示すブロック図である。図8において、先ず、離散フーリエ変換器231aがCP除去後の受信パイロット信号p(n)、(nは0から(N−1)までの整数)に対してNポイントの離散フーリエ変換を行う((2)式参照)。但し、NはCP除去後の受信パイロット信号p(n)の系列長、p(f)は離散フーリエ変換後の信号である。
Figure 0004727740
次いで、この変換後のパイロット信号Pr(f)に対して乗算器234cにより所定信号を乗じることによって、(3)式に示される周波数領域の伝送路特性推定値H(f)が得られる。但し、Pt(f)は既知のパイロット信号の周波数特性である。
Figure 0004727740
ここで、伝送路特性推定値H(f)は雑音が付加された伝送路特性推定値であるので、雑音の影響を取り除く必要がある。このらめに、逆離散フーリエ変換器233により伝送路特性推定値H(f)を逆離散フーリエ変換し、時間領域の伝送路特性推定値h(n)を求める。この時間領域の伝送路特性推定値h(n)は、推定した遅延プロファイルを表している。一般に、CP長NCPは伝送路の最大遅延時間より長く設定されるので、該CP長NCPより長い時間領域の成分はすべて雑音成分とみなすことができる。これにより、乗算器234aにより、伝送路特性推定値h(n)に対して、CP長NCP内の成分のみ取り出す係数gNE(n)を有するフィルタ235eを乗じることにより、伝送路特性推定値h(n)から雑音成分を除去する。次いで、伝送路推定値補間器236がその雑音除去後の伝送路特性推定値に対してデータ補間を行う。一般にパイロット長は、オーバヘッドを小さくするためにデータ長より短い。そこで、足らない分を伝送路推定値補間器236によりデータ値「0」で補間してデータ長と同じ長さの伝送路特性推定値を得る。次いで、離散フーリエ変換器231cがデータ補間後の伝送路特性推定値に対して離散フーリエ変換を行い、周波数領域の伝送路特性推定値H’(f)を出力する((4),(5)式参照)。この伝送路特性推定値H’(f)がMMSE周波数等化器24に入力されて、上記(1)式における周波数領域の伝送路特性推定値H(f)として使用される。
Figure 0004727740
Figure 0004727740
また、乗算器234bにより、伝送路特性推定値h(n)に対して、上記係数gNE(n)の逆特性の係数(1−gNE(n))を有するフィルタ235fを乗じることにより、伝送路特性推定値h(n)からCP長NCP外の成分を取り出す。次いで、雑音電力推定器237が該乗算器234bの出力を積分することにより雑音電力推定値Nを算出し出力する((6)式参照)。
Figure 0004727740
A. Czylwik, "Low Overhead Pilot-Aided Synchronization for Single Carrier Modulation with Frequency Domain Equalization," Proc. GLOBECOM '98, pp. 2068-2073, Sydney, Australia, Nov. 1998.
しかし、上述した従来の技術では、周波数特性が一定でないパイロット信号を使用する無線通信システムでは、伝送路推定時に雑音が強調されてしまうことにより伝送路特性推定値の精度が劣化するという問題が生じる。この問題について説明する。雑音の周波数特性をN(f)とすると、上記(3)式は、(7)式に置き換えることができる。但し、H(f)は周波数領域の実伝送路特性値である。
Figure 0004727740
これにより、周波数領域の伝送路特性推定値H(f)に対して付加される雑音電力スペクトル密度|N(f)|は(8)式により表される。
Figure 0004727740
この(8)式から、送信パイロット信号の周波数特性Pt(f)により伝送路特性推定値H(f)に付加される雑音電力スペクトル密度が変化することがわかる。図9は、擬似雑音(Pseudo Noise、以下、PNと称する)符号によるパイロット信号の正規化電力スペクトル密度|Pt(f)|の逆数1/|Pt(f)|を示す図である。PN符号は既存規格のパイロット信号として一般に用いられている。そのPN符号は時間領域においては電力一定の系列であるが、図9に示されるように、その周波数特性は一定とはならず、大きく変動する。このため、正規化電力スペクトル密度の逆数1/|Pt(f)|が「1」を越える周波数成分では、伝送路特性推定値H(f)の雑音が強調されてしまい、この結果、伝送路特性推定値の精度が劣化することとなる。これにより、受信データに対してMMSE周波数等化方式を適用しても十分な効果を得ることができない。
また、周波数特性が一定ではないPN符号から周波数特性が一定である系列の信号へと既存のパイロット信号を変更することは、既存規格に準拠した受信機とのバックワード・コンパチビリティを保つためには、現実的に不可能である。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、周波数特性が一定でないパイロット信号を使用する無線通信システムにおける伝送路特性推定値の精度向上を図ることができる伝送路特性推定装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、本発明の伝送路特性推定装置をコンピュータを利用して実現するためのコンピュータプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る伝送路特性推定装置は、連続する一つの既知信号を送信機から受信機へ送信する無線通信システムにおける伝送路特性を推定する伝送路特性推定装置において、前記受信機により受信された受信既知信号と送信既知信号の周波数特性とから伝送路特性推定値を算出する伝送路推定値演算手段と、前記算出された伝送路特性推定値において雑音が強調される周波数成分を、前記送信既知信号の電力スペクトル密度を閾値判定することにより選択し、この選択された周波数成分の伝送路特性推定値を置換する置換手段とを備えたことを特徴としている。
本発明に係る伝送路特性推定装置においては、過去の伝送路特性推定値に含まれていた雑音電力に基づいて前記閾値を算出する閾値演算手段を備えたことを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、連続する一つの既知信号を送信機から受信機へ送信する無線通信システムにおける伝送路特性を推定する伝送路特性推定処理を行うためのコンピュータプログラムであって、前記受信機により受信された受信既知信号と送信既知信号の周波数特性とから伝送路特性推定値を算出する機能と、前記算出された伝送路特性推定値において雑音が強調される周波数成分を、前記送信既知信号の電力スペクトル密度を閾値判定することにより選択し、この選択された周波数成分の伝送路特性推定値を置換する機能とをコンピュータに実現させることを特徴としている。
本発明に係るコンピュータプログラムにおいては、過去の伝送路特性推定値に含まれていた雑音電力に基づいて前記閾値を算出する機能をさらにコンピュータに実現させることを特徴とする。
これにより、前述の伝送路特性推定装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
本発明によれば、周波数特性が一定でない既知信号(パイロット信号)を用いる無線通信システムにおいても、雑音電力スペクトル密度のより小さな伝送路推定値を求めることができ、伝送路特性推定値の精度向上を図ることができる。これにより、周波数特性が一定であるパイロット信号を用いた場合と同等の伝送路特性推定精度を得ることが可能となり、低誤り率で信頼性の高い無線通信を行うことができるという優れた効果が得られる。
本発明の実施形態に係る伝送路推定器(伝送路特性推定装置)を備えた受信器2を具備する無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る伝送路推定器23の構成を示すブロック図である。 PN符号によるパイロット信号の周波数特性Pt1(f),Pt2(f)に係る正規化電力スペクトル密度の逆数1/|Pt1(f)|及び1/|Pt2(f)|を示す図である。 同周波数特性Pt1(f),Pt2(f)に係る正規化電力スペクトル密度の和の逆数1/(|Pt1(f)|+|Pt2(f)|)を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る伝送路推定器23の構成を示すブロック図である。 従来の受信機300を具備する無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。 送信信号の伝送フレームの構成例を示す図である。 図6に示す従来の伝送路推定器310の構成を示すブロック図である。 PN符号によるパイロット信号の正規化電力スペクトル密度の逆数1/|Pt(f)|を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る伝送路推定器(伝送路特性推定装置)を備えた受信器2を具備する無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。図1において、送信機1は上記図6の従来の構成と同様である。送信機1では、CP挿入器11aが送信データの先頭にCPを挿入し、また、CP挿入器11bが送信パイロット信号の先頭にCPを挿入する。次いで、時間多重器12がそれらCP挿入後の送信データ及び送信パイロット信号を時間多重し、この時間多重された信号はアンテナ13から無線送信される。このCP付きの送信信号の伝送フレームの構成は、例えば上記した図7の構成である。また、パイロット信号は受信機側との間で予め整合された既知の信号である。
図1に示される受信機2において、上記図6の従来の構成と異なっているのは伝送路推定器23のみであり、その他の構成は従来と同様である。
受信機2では、CP除去器22aがアンテナ21により受信された信号の受信データからCPを除去し、また、CP除去器22bがアンテナ21により受信された信号の受信パイロット信号からCPを除去する。次いで、伝送路推定器23が、CP除去後の受信パイロット信号から伝送路特性推定値及び雑音電力推定値を求める。MMSE周波数等化器24は、それら伝送路特性推定値及び雑音電力推定値を使用して、上記(1)式によりCP除去後の受信データを周波数領域で等化し出力する。
以下、本発明の各実施形態に係る伝送路推定器(伝送路特性推定装置)について順次説明する。
初めに第1の実施形態を説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る伝送路推定器23の構成を示すブロック図である。図2において、伝送路推定部23には、CPが除去された系列長Nの受信パイロット信号p(n)が入力される。この受信パイロット信号p(n)はスイッチSWにより複数のパイロット信号に分割される。この分割方法としては、分割後の各信号同士が同一とならなければ重複部分があってもよい。この実施例では、図2に示されるように、系列長M(但し、M<Nである)の2つのパイロット信号pr1(m)とpr2(m)とに受信パイロット信号p(n)を分割する((9)式参照)。
Figure 0004727740
次いで、これら2つのパイロット信号pr1(m),pr2(m)は、それぞれ離散フーリエ変換器231a,231bにより離散フーリエ変換される。これにより、受信パイロット信号p(n)が分割された2つのパイロット信号pr1(m),pr2(m)の周波数特性Pr1(f),Pr2(f)が算出される((10)式参照)。但し、F{x}はxの離散フーリエ変換である。
Figure 0004727740
次いで、伝送路推定値演算器232が、それら周波数特性Pr1(f),Pr2(f)から、(11)式により周波数領域の伝送路特性推定値H(f)を算出する。これにより、パイロット信号の周波数特性が一定でない場合においても、雑音電力スペクトル密度の小さな伝送路特性推定値を求めることができる。この点の詳細については後述する。
Figure 0004727740
但し、*は複素共役の表記である。また、Pt1(f),Pt2(f)は、上記分割されたパイロット信号pr1(m),pr2(m)と同様に、既知のパイロット信号が分割された系列長Mの2つの信号の周波数特性である。これら周波数特性Pt1(f),Pt2(f)は予め伝送路推定値演算器232内のメモリ(図示せず)に記憶されている。
伝送路推定値演算器232により算出された伝送路特性推定値H(f)は、上記図8と同様に、逆離散フーリエ変換後にフィルタ235aが乗じられて雑音成分が除去される。ここで、フィルタ235aは、伝送路の最大遅延時間以上の所定長Ndelay内の成分のみ取り出す係数を有するものである。例えば、CP長NCP内の成分のみ取り出す係数gNE(n)を有する。次いで、伝送路推定値補間器236がその雑音除去後の伝送路特性推定値に対してデータ値「0」でデータ補間し、データ長と同じ長さの伝送路特性推定値を出力する。次いで、離散フーリエ変換器231cがデータ補間後の伝送路特性推定値に対して離散フーリエ変換を行い、周波数領域の伝送路特性推定値H’(f)を出力する。この伝送路特性推定値H’(f)が図1のMMSE周波数等化器24に入力されて、上記(1)式における周波数領域の伝送路特性推定値H(f)として使用される。
また、伝送路特性推定値H(f)は、逆離散フーリエ変換後にフィルタ235bが乗じられる。ここで、フィルタ235bは、伝送路の最大遅延時間以上の所定長Ndelay外の成分を取り出す係数を有するものである。例えば、CP長NCP外の成分を取り出す係数(1−gNE(n))を有する。次いで、雑音電力推定器237が該乗算器234bの出力を積分することにより雑音電力推定値Nを算出し出力する(上記(6)式参照)。
次に、上記(11)式によって周波数領域の伝送路特性推定値H(f)を算出することにより、パイロット信号の周波数特性が一定でない場合においても、雑音電力スペクトル密度の小さな伝送路特性推定値を求めることができる点について、詳細に説明する。
上記(3)式から(7)式への置換と同様に、雑音の周波数特性をN(f)とすると、上記(11)式は、(12)式に置き換えることができる。但し、H(f)は周波数領域の実伝送路特性値である。
Figure 0004727740
これにより、周波数領域の伝送路特性推定値H(f)に対して付加される雑音電力スペクトル密度|N(f)|は(13)式により表される。
Figure 0004727740
この(13)式において、周波数特性Pt1(f),Pt2(f)は1つのパイロット信号を2つに分割して得られた信号の周波数特性であるが、それぞれ無相関である。従って、上記(13)式の第2項は近似的に「0」とみなすことができる。これにより、上記(13)式は(14)式となる。
Figure 0004727740
この(14)式から、伝送路特性推定値H(f)に付加される雑音電力スペクトル密度は、1/(|Pt1(f)|+|Pt2(f)|)により変化することがわかる。図3は、PN符号が使用された既存規格のパイロット信号の周波数特性Pt1(f),Pt2(f)に係る正規化電力スペクトル密度|Pt1(f)|,|Pt2(f)|の逆数1/|Pt1(f)|,1/|Pt2(f)|を示す図である。この図3に示されるように、周波数特性Pt1(f),Pt2(f)はそれぞれ無相関であり、異なった周波数特性を示している。
図4は、図3の周波数特性Pt1(f),Pt2(f)に係る正規化電力スペクトル密度の和の逆数1/(|Pt1(f)|+|Pt2(f)|)を示す図である。この図4に示されるように、正規化電力スペクトル密度の和の逆数が1を超える周波数成分が少なく、また、たとえ1を超えてもその値は小さい。例えば、周波数特性Pt1(f)の電力スペクトル密度が非常に小さい場合であっても、周波数特性Pt2(f)の電力スペクトル密度が大きい場合には、平均化されて当該周波数成分では雑音が強調されない。また、周波数特性Pt1(f),Pt2(f)がそれぞれ無相関であるので、周波数特性Pt1(f),Pt2(f)の双方の電力スペクトル密度がともに小さくなる確率は相関がある場合に比べて小さい。これにより、上記(11)式によって周波数領域の伝送路特性推定値H(f)を算出することにより、パイロット信号の周波数特性が一定でない場合においても、効率よく雑音強調を抑えることができ、雑音電力スペクトル密度のより小さな伝送路特性推定値を求めることができる。
上述した第1の実施形態によれば、連続する1つの受信パイロット信号(受信既知信号)を複数の受信パイロット信号に分割する。そして、それら分割された複数の受信パイロット信号と、これら信号に各々対応する送信パイロット信号(送信既知信号)とから、上記(11)式により信号対雑音電力比が最大となるように伝送路特性推定値を算出する。これにより、パイロット信号の周波数特性が一定でない場合においても、雑音電力スペクトル密度の小さな伝送路特性推定値を求めることができる。
なお、上記した実施例では1つの受信パイロットを2つに分割した場合を例に挙げて第1の実施形態を説明したが、1つの受信パイロット信号を3つ以上に分割してもよく、同様の効果を得ることができる。
また、パイロット信号が複数送信される無線通信システムにおいては、上記した実施例のように1つの受信パイロット信号を複数に分割してもよく、或いは、受信した複数のパイロット信号を上記(11)式に適用してもよい。
なお、上記した第1の実施形態においては、1つの受信パイロット信号を複数のパイロット信号に分割したとき、それら分割されたパイロット信号に対しては送信側でCPを挿入していないので、伝送路推定値演算器232により算出された伝送路特性推定値には干渉成分が含まれることとなる。但し、この干渉成分は分割前の受信パイロット信号の先頭から伝送路の最大遅延時間に相当する部分までにのみ含まれている。従って、上記した図2の伝送路推定器23において、分割後の受信パイロット信号を離散フーリエ変換する前に、その干渉混入部分を、例えば、仮伝送路特性推定値で補償することにより、伝送路特性の推定精度をさらに高めることが可能である。
次に第2の実施形態を説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る伝送路推定器23の構成を示すブロック図である。この図5において図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。なお、図5のフィルタ235c,235dは、それぞれ図2のフィルタ235a,235bに対応するものである。
図5の伝送路推定部23では、上記図8と同様に、CPが除去された系列長Nの受信パイロット信号p(n)を離散フーリエ変換器231aにより離散フーリエ変換し、この変換後のパイロット信号Pr(f)に対して乗算器234cにより所定信号を乗じることによって、上記(3)式に示される周波数領域の伝送路特性推定値H(f)を得る。
この伝送路特性推定値H(f)は、上記(7),(8)式により示されたように、付加される雑音電力スペクトル密度が送信パイロット信号の周波数特性Pt(f)により変化し、正規化電力スペクトル密度の逆数1/|Pt(f)|が大きい周波数成分において雑音が強調されている。
図5の伝送路推定器23では、伝送路推定値置換器301が、その正規化電力スペクトル密度の逆数1/|Pt(f)|を閾値判定することにより、雑音が強調されている周波数成分を選択する。そして、その選択された周波数成分の伝送路特性推定値をある値に置換することにより、雑音電力スペクトル密度が低減された伝送路特性推定値を求める。
伝送路推定値置換器301は、(15)式により伝送路特性推定値の置換を行い、置換後の伝送路特性推定値Hpmt(f)を出力する。但し、PTHは置換対象の周波数成分を判定するための閾値、HTH(f)は置換対象の周波数成分においてその伝送路特性推定値を置換する値である。
Figure 0004727740
この(15)式による置換操作によって雑音強調を抑えることはできるが、伝送路そのものの情報が失われることになる。例えば、閾値PTHを低く設定しすぎると、雑音強調は発生し辛くなるものの伝送路そのものの情報が多く失われることになるので、伝送路特性推定精度の劣化を招いてしまう。そこで、伝送路推定値置換器301では、過去に推定された雑音電力(雑音電力推定値N)に基づいて閾値PTHを求めることにより、伝送路状態に応じた最適な閾値PTHを設定する。例えば、kを定数として、(16)式により閾値PTHを算出し設定する。
Figure 0004727740
これにより、自パス干渉電力よりも雑音電力のほうが支配的な伝送路においては、閾値PTHが低く設定されるので雑音強調が抑圧される。一方、雑音電力よりも自パス干渉電力のほうが大きい伝送路では、閾値PTHが高く設定されることになり伝送路の情報が失われないので、自パス干渉を効率よく抑圧することができる。
また、置換値HTH(f)は、例えば(17)式に示される定数を設定する。或いは(18)式により前後の値から補間するものとして算出し設定する。
Figure 0004727740
Figure 0004727740
なお、(17)式により「HTH(f)=0」として置換した場合には、置換された周波数成分のチャネル利得が失われる。このため、(17)式を用いる場合は、上記(15)式を(19)式に変形して使用することが好ましい。
Figure 0004727740
但し、NTHは置換対象の周波数成分の個数である。
上記(19)式によれば、置換されない周波数成分の電力スペクトル密度が補正されることにより、置換によるチャネル利得の減少を抑えることができる。
なお、置換値HTH(f)の設定アルゴリズムにより周波数等化後の受信データにおけるビット誤り率は変化するので、その設定アルゴリズムは上記した例に限定されず、伝送路状態等に応じて適宜選択すればよい。
上述した第2の実施形態によれば、伝送路特性推定値において雑音が強調される周波数成分を、送信パイロット信号(送信既知信号)の電力スペクトル密度を閾値判定することにより選択し、この選択された周波数成分の伝送路特性推定値を置換する。これにより、パイロット信号の周波数特性が一定でない場合においても、雑音電力スペクトル密度の小さな伝送路特性推定値を求めることができる。
上述したように本発明に係る実施形態によれば、周波数特性が一定でないパイロット信号を用いる無線通信システムにおいても、雑音電力スペクトル密度のより小さな伝送路推定値を求めることができる。これにより、周波数特性が一定であるパイロット信号を用いた場合と同等の伝送路特性推定精度を得ることが可能となり、低誤り率で信頼性の高い無線通信を行うことができるという優れた効果が得られる。
なお、上述した各実施形態において図2及び図5に示される伝送路推定器23は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この伝送路推定器23はメモリおよびDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などの演算処理装置により構成され、伝送路推定器23の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、図2及び図5に示す伝送路推定器23が行う各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより伝送路特性推定処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、本発明は、シングルキャリア伝送を用いる無線通信システムの他、マルチキャリア伝送を用いる無線通信システムなど、各種の無線通信システムに適用することが可能である。
また、上述した実施形態では、CPを使用する無線通信システムに本発明を適用したが、CPを使用しない無線通信システムにも本発明を同様に適用することが可能であり、本発明による同様の効果を得ることができる。
2…受信機、21…アンテナ、22a,22b…CP除去器、23…伝送路推定器(伝送路特性推定装置)、24…MMSE周波数等化器、231a〜c…離散フーリエ変換器、232…伝送路推定値演算器、233…逆離散フーリエ変換器、234a〜c…乗算器、235a〜d…フィルタ、236…伝送路推定値補間器、237…雑音電力推定器、301…伝送路推定値置換器、SW…スイッチ。

Claims (2)

  1. 連続する一つの既知信号を送信機から受信機へ送信する無線通信システムにおける伝送路特性を推定する伝送路特性推定装置において、
    前記受信機により受信された受信既知信号と送信既知信号の周波数特性とから伝送路特性推定値を算出する伝送路推定値演算手段と、
    前記算出された伝送路特性推定値において雑音が強調される周波数成分を、前記送信既知信号の電力スペクトル密度を閾値判定することにより選択し、この選択された周波数成分の伝送路特性推定値を置換する置換手段と、
    過去の伝送路特性推定値に含まれていた雑音電力に基づいて前記閾値を算出する閾値演算手段と、
    を備えたことを特徴とする伝送路特性推定装置。
  2. 連続する一つの既知信号を送信機から受信機へ送信する無線通信システムにおける伝送路特性を推定する伝送路特性推定処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
    前記受信機により受信された受信既知信号と送信既知信号の周波数特性とから伝送路特性推定値を算出する機能と、
    前記算出された伝送路特性推定値において雑音が強調される周波数成分を、前記送信既知信号の電力スペクトル密度を閾値判定することにより選択し、この選択された周波数成分の伝送路特性推定値を置換する機能と、
    過去の伝送路特性推定値に含まれていた雑音電力に基づいて前記閾値を算出する機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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