JP4679615B2 - 伝送路応答推定器 - Google Patents

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Description

本発明は、伝送路応答推定器に関し、特に符号系列が巡回拡張された特定の既知パターンが周期的に挿入されたフレーム構成を有する無線システムの受信機に使用される伝送路応答推定器に関する。
一般的に、無線を使った通信/放送システムでは、送信局/放送局から送信された無線信号は、受信機に到達する間に、地形や地物などによって反射・散乱・回折され、これらの複数の電波が互いに合成されることにより、信号波形が歪むことがある。この現象は、一般的にマルチパスと呼ばれている。なお、このマルチパスが発生した際に、送信信号が辿った経路をマルチパス伝送路という。
そこで、受信機では、波形が歪んでしまった受信信号から、送信局/放送局から送信された無線信号の原波形を抽出する処理(等化処理)が行なわれる。等化処理は、デジタル信号処理によって行なわれることが多く、マルチパス伝送路から受けた歪み成分を精度よく推定することが重要となる。
一般に、マルチパス伝送路で発生する歪み成分は、インパルスを入力信号としたときのフィルタ応答となり、時間領域で各パスの伝播遅延、強度減衰、位相回転を表現した、伝送路インパルス応答(遅延プロファイル)や、周波数領域で強度、位相の周波数特性を表現した、伝送路周波数応答を用いて表現することができる。従って、受信機における信号歪みの等価処理の精度は、これらの伝送路応答の推定精度に大きく依存している。
従来、無線システムの受信機における伝送路応答推定器としては、受信信号と既知信号系列である参照信号との複素時間相関を求め、これを時系列に並べたものを遅延プロファイルとして算出するものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、従来の伝送路応答推定器では、ユニークワードが挿入されたフレーム構成を有する受信信号については、遅延プロファイルにイメージパスが生じるために実際に到来するパスのみを識別することができず、伝送路応答の推定精度が著しく劣化してしまうという問題があった。
イメージパスが検出されてしまうことを回避するために、時間領域で相関を求めるのではなく、周波数領域で伝送路応答を推定する伝送路応答推定器が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
上述の伝送路応答推定器では、イメージパスの存在を意識せずに周波数領域での等化を実現できる。しかし、PN系列が長い場合や、マルチパスによる遅延時間が長い場合、ポイント数の大きなFFT及びIFFTが必要となるため、回路規模が非常に大きくなってしまうという問題があった。
佐藤拓朗、「CDMA技術の基礎から応用まで」、株式会社リアライズ社、第1章、1.11節 Zhixing Yang, etc.、"Channel estimation of DMB-T,"、IEEE International conference on Communications, Circuits and Systems 2002、June 2002、vol.2、pp.1069-1072
本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、伝送路応答の推定精度を向上させることができる、伝送路応答推定器を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る伝送路応答推定器は、特定の符号系列が巡回拡張された既知パターン信号が周期的に挿入された構成のフレームが連続的あるいは断続的に配置された信号を受信する無線システムの受信機に使用される伝送路応答推定器であって、前記信号と前記既知パターン信号との時間相関を算出する相関部と、前記時間相関を時系列に記録して1つ以上の遅延波を含む前記信号の遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル推定部と、前記遅延プロファイルにおける、前記受信信号と前記既知パターン信号との部分相関による擬似遅延波の時間位置を識別する識別部と、前記遅延プロファイルにおいて、前記遅延波に対する擬似レプリカを生成する擬似レプリカ生成部と、前記遅延プロファイルから前記擬似レプリカを減算する擬似遅延波除去部と、を備えたことを特徴とする。
伝送路応答の推定精度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係わる伝送路応答推定器は、受信信号と参照信号との複素時間相関を計算する相関器1と、計算された相関値を遅延時間毎に記録して遅延プロファイルh(τ)を算出する遅延プロファイル推定器2と、遅延プロファイルh(τ)から擬似相関ピークであるイメージパスの時間位置を識別する、識別部としてのイメージパス識別器3と、イメージパスのレプリカ信号p(τ)を生成する、擬似レプリカ生成部としてのイメージレプリカ生成器4と、遅延プロファイルh(τ)からレプリカ信号p(τ)を差し引く、擬似遅延波除去部としての減算器5とから構成されている。
このように構成された伝送路応答推定器において、遅延プロファイルh(τ)からイメージパスを除去して真の遅延プロファイルを生成する方法を説明する。まず、参照信号である巡回拡張したユニークワードの構成について、図2を用いて説明する。図2は、巡回拡張したユニークワードをもつフレームの構成を説明する概略図である。
図2に示すように、ユニークワード10は、前置符号101(例えば82bit)と、特定の符号系列であるPN系列102(例えば255bit)と、後置符号103(例えば83bit)とから構成されている。ユニークワードの長さはこれらの符号の長さの和として表すことができるので、例えば82+255+83=420bitとなる。ここで、前置符号101はPN系列の末尾領域102c(例えば82bit)と同じ符号列、後置符号103はPN系列の先頭領域102a(例えば83bit)と同じ符号列で構成されている。
次に、図2に示すようなユニークワードが周期的に挿入されたフレームが、連続的あるいは断続的に配置された構成の受信信号において、遅延プロファイルh(τ)からイメージパスを除去して真の遅延プロファイルを推定する方法を、図3と図4とを用いて説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係わる伝送路応答推定器における推定した遅延プロファイルの推移を説明する概略図である。なお、図3の各図において、縦軸は信号(複素)振幅を、横軸τは遅延時刻を表している。また、図3には、遅延パスとイメージパスの時間位置のみを示している、また、図4は、遅延プロファイルからイメージパスを除去する手順を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1において、相関器1において計算された受信信号と参照信号の相関値を遅延プロファイル推定器2において遅延時間毎にメモリなどに記憶し、遅延プロファイルh(τ)を生成する。
真の遅延プロファイルは、図3(a)に示すように、3本の遅延パスa、a、aで構成されている。これに対し、ステップS1において遅延プロファイル推定器2で生成された遅延プロファイルh(τ)は、図3(b)に示すように、5本の遅延パスb、b、b、b、bで構成されている。
図2に示すように、ユニークワードは前置符号101とPN系列の末尾領域102cとが同じ符号列であり、PN系列の先頭領域102aと後置符号103とが同じ符号列で構成されている。すなわち、受信信号と参照信号とにおいて、前置符号101とPN系列の末尾領域102cとが重なった時刻、及び、PN系列の先頭領域102aと後置符号103とが重なった時刻において、部分相関が生じてイメージパスが生成される。
換言すれば、PN領域の中間領域102bにおいてはイメージパスが生成されることはない。従って、前置符号101の先頭からPN系列の先頭領域102aの末尾までの時刻領域(例えば0<=t<165の時刻領域)と、PN系列の末尾領域102cの先頭から後置符号103の末尾までの時刻領域(例えば255<=t<420の時刻領域)についてのみイメージパスが生成されるため、この時刻領域についてのみイメージパスの除去を行なう。
なお、以下の説明において、前置符号101の先頭からPN系列の先頭領域102aの末尾までの時刻領域のプロファイルをA(t)、PN系列の末尾領域102cの先頭から後置符号103の末尾までの時刻領域のプロファイルをB(t)と示す。また、PN系列の中間領域102bに対応する時間領域のプロファイルをX(t)と示す。
次に、ステップS2において、ステップS1で得られた遅延プロファイルh(τ)において、A(t)に存在する遅延パスb,bをイメージパス識別器3で識別し、これらの2本の遅延パスb,bに関し、イメージレプリカ生成器4においてレプリカ信号b(τ)を生成する。
レプリカ信号b(τ)の生成は、具体的には、PN系列の自己相関特性を予め算出しておき、そのイメージパスに対する自己相関係数(Cacor)を、レプリカ信号の生成対象となる遅延プロファイルに乗ずることで得られる。
すなわち、A(t)×Cacorによって、図3(c)に示すようにb(t)の2本のパスc,cを有するレプリカ信号が生成される。なお、パスcは遅延パスbのレプリカであり、パスcは遅延パスbのレプリカである。また、図3(c)においては、生成された2本のレプリカ(パスc,c)を、符号を反対向きにして示している。(以降の図面についても同様に、生成されたレプリカは、符号を反対向きにして示す。)
次に、ステップS3において、遅延プロファイルh(τ)のB(t)からステップS2で生成したレプリカ信号b(τ)を差し引く。すると、図3(d)に示すように、遅延パスbがレプリカとして生成されたパスcによって除去される。すなわち、遅延パスbは遅延パスbのイメージパスであると推定される。一方、レプリカとして生成されたパスcは、同じ時刻に差し引くべき遅延パスがないため、遅延パスc´として残る。レプリカ信号b(τ)を差し引くことによってイメージパスを除去した後のB(t)領域のプロファイルを、新たにB´(t)とおく。
続いて、ステップS4において、ステップS3で得られたB´(t)に存在する遅延パスb,c´をイメージパス識別器3で識別し、これらの2本の遅延パスb,c´に関し、イメージレプリカ生成器4においてレプリカ信号a(τ)を生成する。すなわち、B´(t)×Cacorによって、図3(e)に示すようにa(t)の2本のパスc,cを有するレプリカ信号a(τ)が生成される。なお、パスcは遅延パスbのレプリカであり、パスcは遅延パスc´のレプリカである。
次に、ステップS5において、遅延プロファイルh(τ)のA(t)からステップS4で生成したレプリカ信号a(τ)を差し引く。すると、図3(f)に示すように、遅延パスbがレプリカとして生成されたパスcによって除去される。すなわち、遅延パスbは遅延パスbのイメージパスであると推定される。一方、レプリカとして生成されたパスcは、同じ時刻に差し引くべき遅延パスがないため、遅延パスc´として残る。レプリカ信号a(τ)を差し引くことによってイメージパスを除去した後のA(t)領域のプロファイルを、新たにA´(t)とおく。
最後に、ステップS5で得られたプロファイルA´(t)、プロファイルX(t)、及び、ステップS3で得られたプロファイルB´(t)を結合することで、イメージパス除去後の遅延プロファイルを得る(ステップS6)。
なお、相互相関雑音の影響を低減するために、結合された遅延プロファイルに対し、予め設定された所定の閾値Th1(例えば、最大遅延パス電力の―20dB)以下のパスをゼロに置換してもよい。この処理を加えることで、適切な閾値を設定しておけば、図3の場合、図3(f)における遅延パスc´,c´をゼロに置換することができ、最終的に、図3(a)に示す真の遅延プロファイルと同じプロファイルを得ることができる。
このように、本実施の形態においては、受信信号と参照信号とから求めた遅延プロファイルについて、イメージパスが発生する遅延時間領域のプロファイルのレプリカを生成し、先の遅延プロファイルからレプリカを差し引くことにより、イメージパスを除去して真の遅延プロファイルとほぼ等しいプロファイルを得ることができるため、伝送路応答の推定精度を向上させることができる。
また、推定精度が向上した遅延プロファイルを利用することで、マルチパスが存在する場合の等化性能を改善することができる。更に、遅延プロファイルのピーク位置で受信する信号のフレーム同期を決定する場合には、高精度かつ高速な同期引き込みが可能となる。更にまた、推定精度のよい遅延プロファイルを用いることで、クロック同期やフレーム同期の追従時においても安定性が増すという利点が得られる。
なお、本実施の形態においては、イメージパスの識別・検出とレプリカ生成・除去とを繰り返し行なっているが、以前に処理したフレームで遅延プロファイルを既に推定しており、イメージパスの位置や強度が既知である場合には、遅延プロファイルに存在する全てのイメージパスに対し、同時にレプリカ生成・除去を行なってもよい。イメージパス除去処理を並列化することで、最終的な遅延プロファイルを推定するまでの計算時間の短縮を図ることができる。
また、参照信号として、相関結果の雑音耐性を高めるためにはユニークワード(例えば420bit)全体を用いるのが好ましいが、例えばPN系列(例えば255bit)、あるいはPN系列の一部系列を用いてもよい。
更に、本実施の形態においては、ステップS1において、遅延プロファイル推定器2では相関器1から出力されるすべての相関ピーク系列を記憶して遅延プロファイルh(τ)として出力しているが、有意なパスだけを抽出してもよい。例えば、予め所定の閾値Th2を設定しておき、閾値Th2以上の電力を持つパスのみを抽出して遅延プロファイルh(τ)として出力してもよい。
すなわち、遅延プロファイルに基づきマルチパスの等化処理を行なった場合に、受信品質に影響を及ぼす電力レベルを持つパスのみを抽出し、それ以外のパスを遅延プロファイルから予め排除する。この閾値Th2は、例えば変調方式や符号化率、所要誤り率、マルチパスの歪み度合いなどによって決定する。有意なパスのみを抽出して形成された遅延プロファイルを用いてステップS2以降の処理を行なうことで、メモリ使用量や計算量を削減することができ、処理時間の短縮が図れる。
ステップS1の後だけでなく、真の遅延プロファイルを推定する過程において、遅延プロファイルh(τ)に存在する全てのパスから、有意なパス(真の遅延パス)以外のパスを排除する方法を、第1の実施の形態の変形例として以下に説明する。
本実施の形態の伝送路応答推定器の変形例について、図5と図6とを用いて説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係わる伝送路応答推定器における推定した遅延プロファイルの推移を説明する概略図である。なお、図5の各図において、縦軸は信号(複素)振幅を、横軸τは遅延時刻を表している。また、図6は、遅延プロファイルからイメージパスを除去する手順を説明するフローチャートである。
なお、以下の説明において、図1から図4を用いて説明した第1の実施の形態と同じ構成要素や同じ手順については同じ符号を付し、説明を省略する。また、受信信号のフレーム構成や参照信号に用いるユニークワードの構成も、図2を用いて説明した第1の実施の形態と同じ構成とし、説明を省略する。
まず、遅延プロファイルh(τ)を生成する。(ステップS1。図5(a)参照。)続くステップS2´では、ステップS1で得られた遅延プロファイルh(τ)において、A(t)に存在する遅延パスb,bをイメージパス識別器3で識別し、これらの2本の遅延パスb,bと予め設定された所定の閾値Th2とを比較する。閾値Th2は、上述の通り、例えば変調方式や符号化率、所要誤り率、マルチパスの歪み度合いなどによって決定される値である。比較の結果、閾値Th2以上であると判定されたパス(図5の場合、遅延パスb)についてのみ、イメージレプリカ生成器4においてレプリカ信号b´(τ)を生成する(図5(b)参照)。
次に、ステップS3において、遅延プロファイルh(τ)のB(t)からステップS2´で生成したレプリカ信号b´(τ)を差し引く。すると、図5(c)に示すように、遅延パスbがレプリカとして生成されたパスcによって除去される。すなわち、遅延パスbは遅延パスbのイメージパスであると推定される。レプリカ信号b´(τ)を差し引くことによってイメージパスを除去した後のB(t)領域のプロファイルを、新たにB”(t)とおく。
続いて、ステップS31において、B”(t)に、予め設定された閾値Th3(例えば、最大遅延パス電力の―10dB)以上のパスが存在するか否かを判定する。閾値Th3以上のパスがB”(t)に存在しない場合、ステップS6に進み、プロファイルA(t)、プロファイルX(t)、及び、ステップS3で得られたプロファイルB”(t)を結合することで、イメージパス除去後の遅延プロファイルを得る。
図5(d)に示すように、遅延パスbは閾値Th3以上であるため、ステップS31においは、閾値Th3以上のパスがB”(t)に存在するものと判定される。この場合、ステップS4´に進み、ステップS3で得られたB”(t)に存在する遅延パスのうち、閾値Th3以上のパスについてのみ、イメージレプリカ生成器4においてレプリカ信号a´(τ)を生成する。すなわち、図5(d)においては、B”(t)に存在する遅延パスbに関し、イメージレプリカ生成器4においてレプリカを生成する(図5(e)参照)。
次に、ステップS5´において、遅延プロファイルh(τ)のA(t)からステップS4´で生成したレプリカ信号a´(τ)を差し引く。すると、遅延パスbがレプリカとして生成されたパスcによって除去される。すなわち、遅延パスbは遅延パスbのイメージパスであると推定される。レプリカ信号a´(τ)を差し引くことによってイメージパスを除去した後のA(t)領域のプロファイルを、新たにA”(t)とおく。
最後に、ステップS6に進み、ステップS5´で得られたプロファイルA”(t)、プロファイルX(t)、及び、ステップS3で得られたプロファイルB”(t)を結合することで、イメージパス除去後の遅延プロファイルを得る(図5(f)参照)。
上述した変形例では、真の遅延プロファイルを推定する過程において、有意なパスを選択してレプリカを生成するようにしているので、雑音やイメージパスからレプリカが生成されることを防止し、伝送路応答の推定精度を向上させることができる。
本願の構成は、従来の伝送路応答推定器との比較で、さらに効果を有することが判る。従来の伝送路応答推定器は、受信信号をr(t)、参照信号をc(t)とすると、次に示す(1)式の結果をメモリに蓄積し、時系列に並べて遅延プロファイルとして出力する。
Figure 0004679615
なお、(1)式において、Tsは参照信号c(t)の系列長を示している。(1)式の積分は、離散時間デジタル信号領域では、次に示す(2)式に変形することができる。
Figure 0004679615
なお、(2)式において、Δtはサンプル間隔を示している。従って、(2)式は、Nタップの遅延線付きのFIRフィルタによりハードウェア実現することができる。一般的に、CDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多元接続)方式や、特定の既知パターンを含む無線システムでは、スライディング相関器や、マッチドフィルタによってハードウェア実現される。
一方、無線システムによっては、特定の符号系列(例えばPN(Pseudo random noise)系列など)の前後に巡回拡張して前置符号(cyclic prefix)と後置符号(cyclic postfix)とが挿入された特定の既知パターンが周期的に挿入される場合がある。(以下において、このような既知パターンをユニークワードと示す。)すなわち、ユニークワードにおいては、前置符号とPN系列の末尾領域に同じ符号列が含まれ、後置符号とPN系列の先頭領域に同じ符号列が含まれている。
ここで、信号フレームはユニークワードとフレームボディとから成り、前後に同じ構成のフレームが連続的または断続的に配置されているとすると、上述した非特許文献1に示すような従来の伝送路応答推定器を用いて受信信号と参照信号(ユニークワード)との相関を求めて遅延プロファイルを算出すると、真の遅延パスが存在する時刻以外の時刻に、これらの部分相関による擬似ピーク(以下、イメージパスと示す)が発生してしまう。
すなわち、受信信号に含まれるユニークワードの前置符号と参照信号に含まれるPN領域の末尾領域とが重なった時刻、受信信号に含まれるPN領域の末尾領域と参照信号に含まれるユニークワードの前置符号とが重なった時刻、受信信号に含まれるユニークワードの後置符号と参照信号に含まれるPN領域の先頭領域とが重なった時刻、及び、受信信号に含まれるPN領域の先頭領域と参照信号に含まれるユニークワードの後置符号とが重なった時刻において、イメージパスが発生してしまう。
このように、伝送路応答推定器では、ユニークワードが挿入されたフレーム構成を有する受信信号については、遅延プロファイルにイメージパスが生じるために実際に到来するパスのみを識別することができず、伝送路応答の推定精度が著しく劣化してしまうという問題があった。本願ではこの問題が解消されている。
また、イメージパスが検出されてしまうことを回避するために、時間領域で相関を求めるのではなく、周波数領域で伝送路応答を推定する伝送路応答推定器が用いられる。
この伝送路応答推定器においては、受信信号がPN系列と伝送路インパルス応答との畳み込みであることから、周波数領域に変換した受信信号を既知のPN系列で割ることにより再び時間領域に変換することで、伝送路インパルス応答を得ることができる(次に示す(3)式参照)。
Figure 0004679615
上述の伝送路応答推定器では、イメージパスの存在を意識せずに周波数領域での等化を実現できる。しかし、PN系列が長い場合や、マルチパスによる遅延時間が長い場合、ポイント数の大きなFFT及びIFFTが必要となるため、回路規模が非常に大きくなってしまう。本願ではこの問題も解消されている。
(第2の実施の形態)
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図である。
第1の実施の形態においては、受信信号と1種類の参照信号とから1つの遅延プロファイルを作成してイメージパスを検出している。一方、本実施の形態においては、受信信号に対し、異なる2種類の参照信号a,bを用いて2種類の遅延プロファイルを作成し、これらの差分を用いてイメージパスを検出している点が異なる。
参照信号aは、第1の実施の形態と同様に、符号巡回部(前置符号101、PN系列の先頭領域102a、PN系列の末尾領域102c、及び後置符号103)含むユニークワード全体で構成されている。符号長が長いため、遅延プロファイルの推定精度が高いが、推定結果にイメージパスが含まれてしまうという特徴を有する。一方、参照信号bは、ユニークワードから符号巡回部を除いた部分、すなわち、PN系列の中間領域102bのみで構成されている。符号長が短いため、遅延プロファイルの推定精度が粗く、相互相関のノイズフロアが大きく変動するが、イメージパスが含まれないという特徴を有する。
これらの特徴を踏まえ、本実施の形態の伝送路応答推定器では、両方の遅延プロファイルの差分によりイメージパスを検出し、参照信号aと受信信号との相関結果として得られた遅延プロファイルから該イメージパスを排除する。
図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係わる伝送路応答推定器は、受信信号と参照信号aとの複素時間相関を計算する第1の相関器11aと、計算された相関値を遅延時間毎に記録して遅延プロファイルh1(τ)を算出する第1の遅延プロファイル推定器12aとを有する。また、受信信号と参照信号bとの複素時間相関を計算する第2の相関器11bと、計算された相関値を遅延時間毎に記録して遅延プロファイルh2(τ)を算出する第2の遅延プロファイル推定器12bとも有する。
遅延プロファイルh1(τ)と遅延プロファイルh2(τ)とは、ピーク比較器13に入力されて、これらのピーク位置と電力値とが比較される(図8参照)。図8は、遅延プロファイルh1(τ)と遅延プロファイルh2(τ)との差異を説明する図である。図8において、横軸は遅延時間を、縦軸は相関電力を表している。
また、図8において、ユニークワード全体を参照信号aとして受信信号との相関結果から生成した遅延プロファイルh1(τ)を、プロファイル201aとして点線で示し、ユニークワードから符号巡回部を除いた部分を参照信号bとして受信信号との相関結果から生成した遅延プロファイルh2(τ)を、プロファイル201bとして実線で示している。
図8に示すように、プロファイル201aはパスd,d,dの3つのピーク位置以外は相関電力のレベルがほぼゼロである。これに対し、プロファイル201bは、ノイズの影響を受けて全体的にある程度の相関電力レベルを有するものの、パスd,dの2つのピーク位置が検出される。
ここで、プロファイル201aとプロファイル201bとをピーク位置に着目して比較すると、プロファイル201aにのみパスdが検出されている。上述の通り、プロファイル201aには真の遅延パスに加えてイメージパスが検出されてしまうが、プロファイル201bには真の遅延パスのみが検出されることから、パスdはイメージパスであると推定することができる。
イメージパスの推定は、具体的には、イメージパス識別器14において行なわれる。すなわち、ピーク比較器13から入力された2つの遅延プロファイルh1(τ),h2(τ)の電力差分D(τ)を求め(以下の(4)式参照)、D(τ)と予め設定された所定の閾値Th4とを比較し、D(τ)>Th4となる時刻τにイメージパスが存在すると判定する。
Figure 0004679615
閾値Th4としては、例えば、遅延プロファイルh1(τ)中の最大電力パス(例えば、図8においてはパスd)の−10dBが設定される。このように、電力差分と閾値Th4とを比較することによって、相互相関のノイズフロアに埋もれない程度の真の遅延パス及びイメージパスを見逃すことなくイメージパスを推定することができる。
イメージパス識別器14で推定されたイメージパスを用い、イメージレプリカ生成器15において、第1の実施の形態と同様にイメージパスのレプリカ信号が生成され、減算器16で遅延プロファイルh1(τ)から生成されたレプリカ信号を差し引くことにより、イメージパス除去後の遅延プロファイルを得る。
このように、本実施の形態においては、ユニークワード全体から構成される参照信号aと、ユニークワードから符号巡回部を除いた部分で構成される参照信号bの2種類の参照信号を用い、それぞれの参照信号と受信信号とから求めた2種類の遅延プロファイルを比較することより、イメージパスの検出精度を更に向上させることができ、伝送路応答の推定精度の向上につながる。また、イメージパスと真の遅延パスの遅延時刻が一致している場合にも、イメージパス成分を正確に検出することができる。
なお、第2の実施の形態の変形例として、図9に示す構成の伝送路応答推定器が考えられる。図9は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図である。
上述した第2の実施の形態においては、2つの相関器11a,11bのそれぞれに参照信号a,bを入力し、受信信号との複素時間相関を算出したが、図9に示す変形例では、ゲート回路17で生成されるゲート信号により相関器11´で算出する相関積分区間を制御することにより、1つの相関器11´から遅延プロファイルh1(τ)と遅延プロファイルh2(τ)とを同時に算出し、それぞれの算出結果を第1の遅延プロファイル推定器12aと第2の遅延プロファイル推定器12bとに出力する。
相関器11´は、例えば図10に示す構成を有する。図10は、相関器11´の構成を説明する概略回路図である。ずなわち、受信信号がシフトレジスタ1001a〜1001(N−1)に入力され、各タップ出力と参照信号系列{C1,C2,C3,…,CN}との複素乗算がそれぞれ加算器1002a〜1002Nで行なわれた後、加算器1003a〜1003(N−1)で加算される。
図10に示すような構成にすることで、遅延プロファイルh1(τ)には全ての乗算器出力と加算器出力を用い、遅延プロファイルh2(τ)には必要な箇所の乗算器出力と加算器出力とを抽出して用いることができる。
このように、参照信号と受信信号との複素時間相関を算出する相関器11´を共用し、相関出力を取り出すタイミングをゲート回路17で制御することで、回路規模を削減することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図である。
第1の実施の形態においては、遅延パスを検出した遅延時刻のパスに関してレプリカを生成し、これを遅延プロファイルから減ずることによりイメージパスを除去している。一方、本実施の形態においては、遅延パスを検出した遅延時刻のパスに関してイメージパスの位置(遅延時刻)を識別し、該時刻のプロファイルをゼロに置換することによりイメージパスを除去している点が異なる。
遅延広がりが小さい環境では、イメージパスが生じる遅延時刻の位置に電力の大きい真の遅延パスが存在しない。従って、このような環境では、そこに現れた相関ピークをイメージパスと認識することができる。本実施の形態の伝送路応答推定器は、このような環境に適用可能である。なお、以下の説明において、図1に示す第1の実施の形態に係わる伝送路応答推定器と同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
図11に示すように、本発明の第3の実施の形態に係わる伝送路応答推定器は、イメージパスのレプリカ信号を生成するイメージレプリカ生成器4と、遅延プロファイルh(τ)からレプリカ信号を差し引く減算器5との替わりに、置換部としてのパス置換器21を有する。
すなわち、相関器1において受信信号と参照信号との複素時間相関を計算し、計算結果を遅延プロファイル推定器2において遅延時刻毎に記録して遅延プロファイルh(τ)を得る。続くイメージパス識別器3において、遅延プロファイルh(τ)におけるイメージパスの位置(遅延時刻)を識別し、パス置換器21で遅延プロファイルh(τ)における該時刻の信号値をゼロに置換して、最終的なイメージパス除去後の遅延プロファイルを得る。
このように、本実施の形態においては、イメージパスを検出した時刻の信号値をゼロに置換しているので、レプリカ生成のための回路が不要となり、回路構成が容易、かつ、回路規模や消費電力の低減を図ることができる。
また、アナログフロントエンドで発生する熱雑音や様々な歪み(位相雑音、周波数オフセット、IQインバランスなど)、デジタル部のクロックずれなどの影響により、比較的電力の大きいパスの推定精度が劣化している場合、この結果を用いてイメージパスのレプリカを生成すると、誤差伝播のためにイメージパスを除去するどころか人為的に誤差を加えてしまう可能性がある。このような場合に、イメージパスを識別した時刻の信号を直接ゼロに置換することで、遅延プロファイルの推定精度の劣化を防止することができる。
なお、本実施の形態の概念を、第2の実施の形態の伝送路応答推定器に適用することも可能である。すなわち、図12に示すように、2種類の相関器11a,11bの出力の差分を用い、ピーク比較器13とイメージパス識別器14でイメージパスを検出した後に、パス置換器21によって、イメージパスの検出時刻の信号をゼロに置換する。図12は、本発明の第3の実施の形態の変形例に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図である。このような構成にすることで、イメージパスの位置をより正確に特定した上で信号のゼロ置換によってイメージパスを除去することができ、簡易な構成で推定精度の劣化を防止することができる。
また、概念を更に拡張すると、イメージレプリカ生成器とパス置換器の両方を備えた構成の伝送路応答推定器も考えられる。すなわち、遅延プロファイル推定器の推定結果、及び、イメージパス識別器の識別結果に従い、有意なパスの最大遅延時刻が所定のイメージパス発生時刻よりも短い場合は、パス置換器を用いてイメージパスをゼロに置換する。逆に、有意なパスの最大遅延時刻が所定のイメージパス発生時刻よりも長い場合は、イメージレプリカ生成器を用いてイメージパスのレプリカを生成し、除去する。このように、イメージレプリカ生成器とパス置換器とのどちらか一方を状況に応じて切り替えて使用することができる。
なお、本発明の伝送路応答推定器のすべての実施の形態に関し、伝送路の遅延広がりが大きい環境では、前のフレームの信号が続くフレームのユニークワード部分に遅延して漏れこむ量が大きいため、相関器出力のピーク精度が幾分弱まる場合がある。この場合、本発明の伝送路応答推定器を用いて前フレームの遅延プロファイルを推定した結果と、前フレームのフレームボディ(データ部)の復調結果を再変調した信号とを用い、次フレームに漏れこむ遅延信号のレプリカを生成し、次フレームに遅延プロファイル推定の前に該遅延信号のレプリカを差し引くことで、伝送路応答推定の制度劣化を防止することができる。
上述した3つの実施の形態においては、ユニークワードのフレーム構成として、特定の符号系列の前後に巡回拡張した前置符号と後置符号とが含まれている場合について説明したが、特定の符号系列とその前に巡回拡張した前置符号だけが含まれている構成のユニークワードの場合にも本発明の伝送路応答推定器を適用することができる。この場合、イメージパスの出現範囲は、遅延プロファイルの後半の領域に限定されることになる。
また、同様に、特定の符号系列とその後に巡回拡張した後置符号だけが含まれている構成のユニークワードの場合にも本発明の伝送路応答推定器を適用することができる。この場合、イメージパスの出現範囲は、遅延プロファイルの前半の領域に限定されることになる。
更に、特定の符号系列としてPN系列を用いて説明したが、符号の性質として高い自己相関特性と低い相互相関特性とを有する任意の符号列を用いてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせて種々の構成を形成することができる。例えば、上述の実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図。 巡回拡張したユニークワードをもつフレームの構成を説明する概略図。 本発明の第1の実施の形態に係わる伝送路応答推定器における推定した遅延プロファイルの推移を説明する概略図。 遅延プロファイルからイメージパスを除去する手順を説明するフローチャート。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係わる伝送路応答推定器における推定した遅延プロファイルの推移を説明する概略図。 遅延プロファイルからイメージパスを除去する手順を説明するフローチャート。 本発明の第2の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図。 遅延プロファイルh1(τ)と遅延プロファイルh2(τ)との差異を説明する図。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図。 相関器11´の構成を説明する概略回路図。 本発明の第3の実施の形態に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図 本発明の第3の実施の形態の変形例に係わる伝送路応答推定器の構成を説明する概略ブロック図。
符号の説明
1…相関器、2…遅延プロファイル推定器、3…イメージパス識別器、4…イメージレプリカ生成器、5…減算器、

Claims (5)

  1. 特定の符号系列が巡回拡張された既知パターン信号が周期的に挿入された構成のフレームが連続的あるいは断続的に配置された信号を受信する無線システムの受信機に使用される伝送路応答推定器であって、
    前記信号と前記既知パターン信号との時間相関を算出する相関部と、
    前記時間相関を時系列に記録して1つ以上の遅延波を含む前記信号の遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル推定部と、
    前記遅延プロファイルにおける、前記受信信号と前記既知パターン信号との部分相関による擬似遅延波の時間位置を識別する識別部と、
    前記遅延プロファイルにおいて、前記遅延波に対する擬似レプリカを生成する擬似レプリカ生成部と、
    前記遅延プロファイルから前記擬似レプリカを減算する擬似遅延波除去部と、
    を備えたことを特徴とする伝送路応答推定器。
  2. 前記擬似レプリカ生成部は、前記遅延プロファイルから所定の閾値を超える電力を有する前記遅延波を真の遅延波として識別し、前記真の遅延波について前記擬似レプリカを生成することを特徴とする、請求項1に記載の伝送路応答推定器。
  3. 特定の符号系列が巡回拡張された既知パターン信号が周期的に挿入された構成のフレームが連続的あるいは断続的に配置された信号を受信する無線システムの受信機に使用される伝送路応答推定器であって、
    前記信号と前記既知パターン信号との時間相関を算出する第1の相関部と、
    前記信号と前記既知パターン信号の一部との時間相関を算出する第2の相関部と、
    前記第1の相関部から出力された時間相関を時系列に記録して1つ以上の遅延波を含む前記信号の第1の遅延プロファイルを生成する第1の遅延プロファイル推定部と、
    前記第2の相関部から出力された時間相関を時系列に記録して1つ以上の遅延波を含む前記信号の第2の遅延プロファイルを生成する第2の遅延プロファイル推定部と、
    前記第1遅延プロファイルのピークレベルと前記第2の遅延プロファイルのピークレベルとを比較するピーク比較部と、
    前記ピーク比較部での比較結果に基づき、前記受信信号と前記既知パターン信号との部分相関による擬似遅延波の位置を識別する識別部と、
    前記第1の遅延プロファイルにおいて、前記遅延波に対する擬似レプリカを生成する擬似レプリカ生成部と、
    前記第1の遅延プロファイルから前記擬似レプリカを減算する擬似遅延波除去部と、
    を備えたことを特徴とする伝送路応答推定器。
  4. 前記識別部は、前記第1の遅延プロファイルと前記第2の遅延プロファイルとの差分を時間毎に算出し、前記差分が所定の閾値を超える時間位置に擬似遅延波が存在するものと識別することを特徴とする、請求項3に記載の伝送路応答器。
  5. 特定の符号系列が巡回拡張された既知パターン信号が周期的に挿入された構成のフレームが連続的あるいは断続的に配置された信号を受信する無線システムの受信機に使用される伝送路応答推定器であって、
    前記信号と前記既知パターン信号との時間相関を算出する相関部と、
    前記時間相関を時系列に記録して1つ以上の遅延波を含む前記信号の遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル推定部と、
    前記遅延プロファイルにおける、前記受信信号と前記既知パターン信号との部分相関による擬似遅延波の時間位置を識別する識別部と、
    前記遅延プロファイルにおいて、前記擬似遅延波の前記時間位置の信号値をゼロに置換する置換部と、
    を備えたことを特徴とする伝送路応答推定器。
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