JP4727113B2 - 植物プラスチドを形質転換する方法およびプラスチド転換植物を製造する方法 - Google Patents

植物プラスチドを形質転換する方法およびプラスチド転換植物を製造する方法 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、概して、外因性核酸の植物中への導入、特に、プラスチドを形質転換する方法に関する。
【0002】
(背景技術)
プラスチドは、一つの形態または別の形態において全ての生きている植物細胞中に存在する密に関連するオルガネラの科である。全てのプラスチドは、特定の特徴を共有する。例えば、これらはそれ自体の小さなゲノムを有し、二重膜からなる外皮により包まれている。全てのプラスチドは、分裂細胞中に存在する比較的小さなオルガネラであるプロトプラスチドから発生する。プラスチドは、各分化細胞の要求により発生する。例えば、葉は暗所で育つと、プトロクロロフィルと呼ばれる黄色いクロロフィル前駆体を含むエチオプラストにプロトプラスチドが発展する。一方、葉が明所で成長すると、エチオプラストは、プロトクロロフィルをクロロフィルに転化することにより、さらにクロロプラストに発展する。クロロプラストは、植物が自身の有機養分を製造するプロセスである光合成の部位である。プラスチドの他の形態は、カロテノイド顔料を蓄積するクロロプラストである。これらのプラスチドは、多くの種の花弁および果実の黄−オレンジ−赤色着色の原因である。無色体は、基本的に拡張されたプロプラスチドである。これらは、緑色および光合成的にならない多くの表皮および内部組織において発生する。アミロプラストは、無色体の一般的形態である。これらは貯蔵組織中に澱粉を貯蔵し、幹、葉および根の特定に細胞において、重力への植物の反応の一部として機能する。全てのプラスチドはプラスチドゲノムの多くの複製を含み、大部分が細胞中に分割することができる。プラスチドを失う高等植物の唯一の細胞は、特定の種の雄細胞である。すなわち、トウモロコシのような植物のプラスチドは、母系的に遺伝される。すなわち、これらは、卵細胞のみからプラスチドを得る。Molecular Biology of the Cell、Garland Publishing(ニューヨーク)1983年、1120−1122頁に掲載のアルベルツ(Alberts)等による論文を参照。
【0003】
高等植物のプラスチドゲノムは、葉細胞当たり2000−50000の複製として存在し得る120−165キロ塩基の環状二重鎖DNA分子である。プラスチドゲノムは、幾つかの理由から、植物の核ゲノムと比較して、遺伝子操作の非常に魅力的な標的となった。プラスチド中のタンパクは非常に高い水準で発現され得るので、プラスチドの分子加工は本質的にバクテリアによる。また、高度の包み込みを達成することができ(花粉により媒介されない)、相同性組み換え機構により非相同DNAの組み込みが生じるので、DNAは植物の核ゲノム中にランダムに組み込まれる。一方、プラスチドゲノム中の組み込み位置は、特定隣接配列により制御され得る。遺伝子沈黙化または所謂位置効果が無いので、発現の水準はより予想が可能である。発現の水準も、植物細胞当たりのDNA複製がより多いので、より高度である。クロロプラストは基本的にバクテリアであるので、変性のように要求されること無く、ゲノムDNAよりも容易にバクテリア核酸を収容する。この利点は、バクテリアプロモーターのような関連する制御配列に同様に適用される。環境中への遺伝子の放出の危険性(「他殖」と呼ばれる)は、クロロプラストが花粉中に移動しないので、本質的に除去される。最後に、クロロプラストは、例えば澱粉、アミノ酸および脂肪である、最も重要な生合成経路の部位であるので、遺伝子を挿入し、特定の標的配列を必要とすることなく意図するオルガネラ中に機能させることが容易である。
【0004】
プラスチド形質転換は、特に農業経済的に価値のある作物において非常に困難であるとわかった。大部分の形質転換方法は、種および変種特異的である。選択的に、これらの制限は、生体外成長植物組織中において形質転換プラスチドが選択される複雑で独自の種特異的方法を反映するようである。プラスチド転移繁殖性タバコ植物の再現性生産のみが報告されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、8526−8530頁(1990年)に掲載のスバブ(Svab)等による論文)。プラスチド転移シロイヌナズナ(Arabidopsis)植物が、Plant Cell Rep.、第18巻、20−24頁(1998年)に掲載のシクダル(Sikdar)等による論文に報告されているが、これらの植物は、生殖不可能であった。大きな投資が成されたにも拘らずこの領域で成功しなかったことは、問題の多さを示している。従って、プラスチド転移植物を生成する方法が切望されている。
【0005】
(発明の開示)
本発明の第1の観点は、プラスチドを形質転換する方法に関する。この方法は、
(a)第1の植物の細胞から第2の遺伝的に異なる植物の細胞にプラスチドを転移させる工程と、
(b)意図する核酸を前記プラスチド内に導入して、形質転換されたプラスチドを生成する工程と、
(c)第1の植物と遺伝的に同一または互いに異なる第3の植物の細胞内に、前記形質転換されたプラスチドを転移させる工程と、を含んでなる。
【0006】
好ましい態様において、一つの植物から別の植物へのプラスチドの転移は、細胞水準で行われ、体細胞融合を含む。第1の植物の細胞から誘導されたプロトプラストは、第2の植物の細胞から誘導されたプロトプラストと誘導して、サブイリッドを形成する。他の好ましい態様において、転移されたプラスチドは、第2の植物のプラスチドと遺伝的に組み換えされ、組み換えプラスチドが形成されることになる。組み換えプラスチドは、次に、核酸で形質転換される。さらに他の好ましい態様において、第1および第3の植物は、同じ植物科の構成員である、またはより好ましくは、同じ属の種である。
【0007】
タバコは好ましい受容体植物(すなわち、第2の植物すなわちクリップボード植物)であり、そこで核酸での形質転換が行われる。アブラナ属(Brassica)はもう一つの好ましい受容体植物である。
【0007】
本発明の第2のおよび関連する観点は、
(a)第1の植物の細胞から第2の遺伝的に異なる植物の細胞にプラスチドを転移させ、
(b)選択可能なマーカー遺伝子を含む意図する核酸を前記プラスチド内に導入して、形質転換されたプラスチドを生成し、
(c)第1の植物と遺伝的に同一または互いに異なる第3の植物の細胞内に、前記形質転換されたプラスチドを転移させ、および
(d)マーカー遺伝子を発現する(c)の細胞からのプラスチド転移植物を再生すること
を含んでなる、プラスチド転移植物を生成する方法に関する。
【0009】
プラスチド転移植物自体およびその一部、例えば、植物から誘導された葉、根、茎、苗条および種子、も提供される。好ましい態様において、植物はプラスチドが相同である。
【0010】
本発明の第3の観点は
(a)意図する核酸を第1の植物の細胞のプラスチドに導入して、形質転換されたプラスチドを生成し、および
(b)形質転換されたプラスチドを、第1の植物と遺伝的に異なる第2の植物の細胞に転移すること
を含んでなる、プラスチドを形質転換する方法に関する。
【0011】
この観点において、プラスチドの形質転換は、プラスチドを別の植物に転移する前に行われる。好ましい態様において、第1および第2の植物は同じ科の構成員であり、より好ましくは、同じ属の種である。本発明の第1の観点に関して前述した他の好ましい態様がここで適用される。
【0012】
本発明の第4のおよび関連する観点は、プラスチド転移植物を調製する方法に関する。この方法は、
(a)選択可能なマーカー遺伝子を含む意図する核酸を、第1の植物の細胞のプラスチド内に導入して、形質転換されたプラスチドを生成し、
(b)第1の植物と遺伝的に異なる第2の植物の細胞に、形質転換されたプラスチドを転移させ、および
(c)選択可能なマーカー遺伝子を発現する(b)の細胞からのプラスチド転移植物を再生すること
を含んでなる。
【0013】
本発明の第5の観点は、植物から得られる植物細胞またはプロトプラストであって、前記植物またはプロトプラストは遺伝的に異なる植物の細胞から得られるプラスチドを含み、前記プラスチドは意図するDNA分子で形質転換されていることを特徴とする植物の細胞またはプロトプラスト、あるいはその細胞またはプロトプラストの培養株に関する。好ましい態様において、植物細胞はタバコ属(Nicotiana)細胞、ナス属(Solanum)細胞、オリコフラグムス(Orychophragmus)細胞、レスケレラ(Lesquerella)細胞またはアブラナ属(Brassica)細胞である。他の好ましい態様において、プラスチドは、ポテト、トマト、ナス、クコ(Lycium)またはアブラナ属から得られる。さらに別の好ましい態様において、受容体すなわちクリップボード細胞はタバコ細胞であり、プラスチドは、ナス科の別の構成員、例えば、ポテト、トマト、ナスおよびクコ・バルバルムL(Lycium barbarum L)から得られる(または、「供与」される)。別の好ましい態様において、受容体細胞はオリコフラグムス(Orychophragmus)細胞またはレスケレラ細胞であり、プラスチドは、ブラシカ・ナプスL(Brassica napus L)から得られる。別の態様において、受容体または供与体植物はイネ科の構成員である。
【0014】
本発明の方法は、本質的に全ての作物種、特に、経済的に重要な変種において、比較的容易かつ効率的なプラスチド操作を提供するので、特に有利である。
【0015】
(発明を実施するための最良の形態)
プラスチド転移植物を製造する困難さは、細胞水準での外因性核酸の導入のみに係わるのではない。むしろ、全般的な挑戦の特に問題のある観点は、プラスチド転移細胞の再生性の欠如であり、特に、相同プラスチド細胞が生成される程度の欠如である。Nature Biotech.、第16巻、333頁−334頁(1998年)に掲載のビラング(Bilang)等の論文を参照されたい。「相同プラスチド」という語は、プラスチド中に野生型プラストーム(すなわち、プラスチドゲノム)を含まない細胞を意味する。すなわち、全てのプラスチドは、意図する核酸を含む。劣った再生性能以外に、相同プラスチド植物細胞の選択は非常に困難である。
【0016】
本発明は、相同プラスチド細胞の選択が容易に達成される核環境中に形質転換されるべきプラスチドを除去または再配置することによりこれらの両方の主要な障害を回避する。受容体細胞は、プラスチド、およびプラスチド内への外因性核酸の形質転換にとって、適合性があり好適な環境を提供する。形質転換に続いて、受容体すなわちクリップボード細胞は成長し続け、より容易に形質転換された核背景に分かれ、相同プラスチド細胞の選択を容易化する。
【0017】
本発明の1つの観点によれば、意図する核酸が非自生環境中のプラスチドに導入される、植物プラスチドの形質転換の方法が提供される。形質転換されたプラスドは、起源植物または遺伝的に異なる植物の細胞中に戻される。「遺伝的に異なる」植物という用語は、ここでは、同じ種の突然変異体、異なる種、属および科を含む。「植物」という用語は、全ての高等植物、好ましくは開花植物を含む。同様に、個々の植物、例えば、ここで用いられる「ポテト」および「トマト」は、ポテトおよびトマトの全ての型、系統および変異種、等を含む。ここで用いられる「形質転換された」は、植物プラスチド内に意図する核酸を組み込む(例えば、タンパクをコードする)ことにより遺伝的に変性されたことを意味する。通常、核酸は、供与体植物(すなわち、プラスチドがそこから発生する植物)、受容体および/または究極受容体に外因性であるDNAである。「外因性」というのは、核酸が、形質転換されるべき植物中で通常見つからないこと、または導入されるコピー群において通常見つからないことを意味する。好ましい態様において、核酸は供与体植物に外因性である。
【0018】
タバコは、意図するプラスチドにとって好ましい受容体(すなわちクリップボード)である。一方ではタバコ核を組み合わせ、他方では他の経済的に重要なナス科種(ポテト、トマト、コショウ、ナス科、チョウセンアサガオ)のプラスチドを組み合わせる、一連の離れたサイブリッドが設計された。これらのサイブリッドを、次に、プラスチド形質転換性能について試験し、得られる形質転換プラスチドを次にその起源の核背景に戻し、このようにプラスチド転移植物を発生される。同じ手法がアブラナ植物科に適用されたが、これは本発明の広い応用性を示している。通常、本発明の方法で用い得る植物は、以下のプロトコールを用いて選択することができる。受容体(すなわち「クリップボード」)植物用の候補は突然変異される。クロロフィルを合成しないプラスチドを含む突然変異種(「白色変異体」)が選択される。候補のプラスチド供与体から誘導されるプロトプラストは処理、例えば、放射線照射され、核が殺される。白色変異体から誘導されるプロトプラストは、候補供与体から誘導される処理されたプロトプラストと融合する。緑色コロニーおよび再生性サイブリッドまたは体性サイブリッドが選択される。緑色コロニーは、供与体から転移された機能プラスチドを含む。放射線照射により、唯一の可能な形質転換事象がプラスチドを含み核を含まないことが確保される。緑色コロニーの形成は、供与体植物および受容体植物が、少なくともプラスチドに関する限り、適合することを意味する。
【0019】
一つの植物からもう一つの植物へのプラスチドの転移は、供与体および受容体細胞から、そして次に受容体細胞から誘導されるプロトプラストを、最終的な植物に融合させることにより最も容易に行うことができる。プラスチドの組み換えは、ランダムに起こるものであるが、そのような事象は、分子生物学において標準的な技術を利用して確認することができる。プラスチドの転移は、花粉が非自生核環境を提供する性的交雑により達成することができる。
【0020】
意図する核酸の導入のための好ましい方法は、粒子銃(バイオリスティクス(biolistics)製)またはPEG−媒介遺伝子転移による。Methods Enzymol.、第217巻、536頁−556頁(1993年)に掲載のダニエル(Daniell)の論文;Plant Mol. Biol.、第15巻、809頁−819頁(1990年)に掲載のイェ(Ye)等の論文;Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、第87巻、88頁−92頁(1990年)に掲載のダニエル(Daniell)等の論文;Plant Cell Reports、第9巻、615頁−619頁(1991年)に掲載のダニエル(Daniell)等の論文、およびProc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、第90巻、913頁−917頁(1993年)に掲載のスバブ(Svab)等の論文を参照されたい。核酸は、形質転換株の同定のためのマーカーを含む。選択スキームは、プラスチド16SリボソームRNA遺伝子中の突然変異による又は加工されたバクテリアaadAにより付与されるスペクチノマイシン抵抗(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、第87巻、8526頁−8530頁(1990年)掲載のスバブ(Svab)等の論文;Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、第90巻、913頁−917頁(1993年)掲載のスバブ(Svab)およびマリガ(Maliga)の論文)および、ネオマイシン・ホスホトランスフェラーゼの発現に基づくカナマイシンへの抵抗(Mol. Gen. Genet.、第241巻、49頁−56頁(1993年)記載のカレル(Carrer)等の論文)を含む。マーカー遺伝子は、例えば意図するタンパクをコードするDNAに物理的に結合する必要はなく、別のベクターを介して達される。BIO/TECHNOLOGY、第13巻、791頁−794頁(1995年)カレル(Carrer)等の論文参照。核酸がプラスチドゲノム中に組み込まれることは好ましいが必須ではない。プラスチドゲノム内への意図する核酸の効率的かつ狙った組み込みを容易にするため、標的プラスチド中に存在するDNA配列を核酸に隣接させる。特定の配列は、実施例で例示する。国際特許公開WO00/28014(「ナス科植物のプラスチド形質転換」)およびWO00/39313(「アブラナ属のプラスチド形質転換」)も参照のこと。
【0021】
意図する核酸は広く変化し、植物中でのその発現が幾つかの観点から価値があるタンパクをコードする任意のDNAを含む。本発明は、特に、非常に高水準の発現を必要とするプラスチド転移植物中での新しい特徴の発現に適している。本発明により生成されるプラスチド転移植物は、各細胞中にDNAの数千の複製を含み、それにより遺伝子発現の非常に高い水準が得られる。DNAおよびタンパクは、作物保護、作物改良および、特定の化学物質、栄養補助食品および食品品質に係わる他の産物、例えば、変性された澱粉、油およびタンパク組成物の製造の広範囲に含まれ、合わさって、植物に意図する特徴を発現させるために、同等の遺伝子セットの発現および、すなわち、特別の形質転換系を必要とする。外因性遺伝子は、環境への反応、菌から自らを保護する性能、生体異物剤からの保護のような植物の入力要求を変化させる、または、合計収率、栄養的のバランスのとれたタンパクの生成、品質のより高い澱粉、油の高い品質および量、またはビタミン水準のような他の特徴を変化させるのに有用であり得る。遺伝子は、タンパク(例えば、ソマトトロピンのような成長ホルモン)、抗原および小分子のような薬剤の生成のような通常は奏さない機能を植物に奏させることもできる。例えば、文献は、昆虫および除草剤への抵抗ならびに細胞質的雄生殖不能を与える変換遺伝子でプラスドを遺伝子的に加工したことを報告している。Bio/Technology、第13巻、362頁−365頁(1995年)掲載のマクブライド(McBride)等の論文(「新規な」3−5%のcryIACタンパクを含むプラスチド転移植物タバコ葉); Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、第96巻、1840頁−1845頁(1999年)掲載のコタ(Kota)等の論文、(昆虫抵抗を下げるために、クロロプラスト中でBt Cry2Aa2タンパクを発現させる報告)、マクブライド(McBride)およびマリガ(Maliga)のPCT特許、WO95/24492;マクブライド(McBride)およびストーカー(Stalker)のPCT特許、WO95/24493;Nature/Biotechnology、第16巻、345頁−348頁(1998年)掲載のダニエル(Daniell)等の論文、;ブラワーズ(Blowers)等のPCT特許、WO99/05265;マリガ(Maliga)のPCT特許、WO95/25787を参照されたい。
【0022】
本発明の態様を図1に模式的に示す。最初に、損傷されたクロロプラスト機能故に白色である宿主(クリップボード)を生成することができる。形質転換および再生が容易なクリップボードが選択される。意図する種からのクロロプラストは、プロトプラスト融合によりクリップボード植物に転移され、安定な中間体が生成される。クリップボード種の核および標的種のプラスチドを含むこの融合生成物から再生された植物は正常であり安定である。これらのサイブリッド中で、形質転換が行われる。サイブリッドから標的種への融合は、相同プラスチドサイブリッド植物から誘導されたプロトプラストを用いて行うことができ、それにより、形質転換されたプラスチドを有する標的植物が生成される。これらの細胞から植物全体を再生することができる。
【0023】
本発明のもう一つの観点において、プラスチドはその自生環境において形質転換され、次に、遺伝的に異なる植物内に形質転換される。この方法は、多くの関連する受容体植物(例えば、ナス科の構成員)に供与体植物がプラスチドを提供し得る場合に特に有利である。遺伝的に異なる植物に自生する形質転換プラスチドおよび、細胞またはプロトプラストの培養物を含む細胞(またはプロトプラスト)は、標準的技術により単離または調製することができる。
【0024】
一旦、形質転換プラスチドが最終的な受容体植物の細胞内に転移またはその細胞内に形成されると、選択し得るマーカー遺伝子を発現する細胞からプラスチド転移植物が再生される。好ましい態様において、相同プラスチド細胞から植物が再生される。選択培地上での細胞分裂の繰り返し中における野生型プラストーム複製の選択的除去のような標準的技術に従って相同プラストミーを達成することができる。DNAの複製数(すなわち、導入された配列)は、相同プラストミーが達成されたかどうかを示すものである。前掲書(1998年)掲載のダニエル(Daniell)等の論文、Plant Physiol.、第119巻、133頁−141頁(1999年)掲載のカネフスキ(Kanevski)等の論文(同じ選択培地上で葉からの苗条(shoot)の再生の繰り返しサイクルにより、次に、抗生物質非含有ムラシゲ・スクーグ寒天上に苗条を根付かせることにより、相同プラスチドスペクチノマイシン抵抗植物を得る)を参照。一旦、相同プラスチド受容体細胞が得られると、形質転換プラスチドが、供与体植物の細胞に転移される。受容体の相同プラスチド性は、転移後の選択を容易にする。好ましくは、転移は、それぞれの細胞から誘導されたプロトプラストを融合することにより行われる。生殖性植物は、標準的技術に従ってプロトプラストから再生させることができる。根、苗条、葉および茎のような種々の植物部位を得、植物から種子を誘導することは、同様に、標準的手順を用いて達成される。
【0025】
本発明のプラスチド転移植物は、直接プラスチド形質転換により発生した植物から、遺伝子レベルで自身を区別する、追跡可能な遺伝子相違を有すると考えられる。最も注目に値する相違は、対象とする材料のミトコンドリアDNA組成に関する(グレバ(GLEBA Y.Y.)、シトニク(SYTNIK K.M.)(1984年)Protoplast Fusion. Springer、Berlin、Heidelberg、New York、1頁−220頁)。高等植物のミトコンドリアDNAは多形であり、いかなる種間細胞交雑も、大部分において表現型効果を有さない明らかに独自の転位を必ず発生させる(グレバ(GLEBA Y.Y.)、シュルムコフ(SHLUMUKOV、L.R.)(1990年)Somatic hybridization and cybridization:ボージュワニ(Bhojwani S.S.)(ed.)Plant Tissue Culture:Applications and Limitations. Elsevier、Amsterdam、Oxford、New York、316頁−344頁)。しかし、細胞交雑の第1および第2ラウンドにおいて発生した材料に対する親種の、制限プロファイル化またはポリメラーゼ連鎖反応のようなミトコンドリアDNA分析の標準的分子生物学的方法により、それらは容易に認識され得る。このように、「クリップボード」媒介プラスチド形質転換から生じる材料は、遺伝的に独自のものであり、この点において、別の技術を用いて得られるプラスチド転移材料から異なる。
【0026】
ミトコンドリア組成に加えて、その植物に自生していない形質転換プラスチドを含む材料から再生された植物は、直接法により生成されたプラスチド転移作物植物から完全に区別される。例えば、本発明の方法は、ソラナム・リキイ(Solanum rickii)、ソラナム・カルジオフィラム(Solanum cardiophyllum)またはソラナム・パピタ(Solanum papita)から、形質転換クロロプラストを含む完全に機能的なポテト(Solanum tuberosum)を生成する。これらのプラストーマを有するポテトの機能的サイブリッドも記載されている(Proc Academy of Sci USSR、第308巻、741頁−744頁(1989年)に掲載のシドロフ(Sidorov)、サモイロフ(Samoylov)、サモイロフ(Samoylov)、グラゴツカヤ(Glagotskaya)、グレバ(Gleba)による論文、およびTheor. Appl. Genet.、第88巻、525頁−529頁(1994年)に掲載のシドロフ(Sidorov)、エフツシェンコ(Yevtushenko)、シャクホフスキー(Shakhovsky)およびグレバ(Gleba)による論文)。
【0027】
好ましい態様において、植物細胞はタバコ属細胞、ナス属細胞、オリコフラグムス(Orychophragmus)細胞、レスケレラ細胞またはアブラナ属細胞である。他の好ましい態様において、プラスチドは、ポテト、トマト、ナス、クコ(Lycium)またはアブラナ属から得られる。さらに別の好ましい態様において、受容体またはクリップボード植物細胞はタバコ細胞であり、プラスチドは、ナス科の別の構成員、例えば、ポテト、トマト、ナスおよびクコ・バルバルムL(Lycium barbarum L)から得られる(または、「供与される」)。他の好ましい態様において、受容体植物細胞はオリコフラグムス(Orychophragmus)細胞またはレスケレラ細胞であり、プラスチドはブラシカ・ナプスL(Brassica napus L)から得られる。他の態様において、受容体および供与体植物は、イネ科の構成員である。
【0028】
ここで有用な技術および遺伝的要素を含む、プラスチド形質転換に関する技術の状態が、以下の出版物の1種または2種以上に記載されている。
ダニエル(Daniell)およびマクファデン(McFadden)の米国特許5,693,507;
マクブライド(McBride)およびマリガ(Maliga)の米国特許5,545,818;
マクブライド(McBride)およびマリガ(Maliga)のPCT特許WO95/24492;
マクブライド(McBride)およびストーカー(Stalker)のPCT公報WO95/24493;
マクブライド(McBride)およびストーカー(Stalker)のPCT公報WO95/16783;
マリガ(Maliga)のPCT公報WO95/25787;
マリガ(Maliga)、アリソン(Allison)およびヘイズキエビィッツ(Haydukiewicz)のPCT公報WO97/06250;
マリガ(Maliga)、カレル(Carrer)およびチャウドフリ(Chaudhuri)のPCT公報WO97/47771;
マリガ(Maliga)およびマリガ(Maliga)の米国特許5,451,513;
マリガ(Maliga)、シクダル(Sikdar)およびレディ(Reddy)のPCT公報WO97/32977;
Mol. Gen. Genet、第260巻、357頁−361頁(1998年)に掲載のバルデフ(Baldev)、ガイクワド(Gaikwad)、キルチ(Kirti)、モハパトラ(Mohapatra)、プラカシュ(Prakash)およびチョプラ(Chopra)による論文;
Science、第240巻、1534頁−1537頁(1988年)に掲載のボイントン(Boynton)、ギルハム(Gillham)、ハリス(Harris)、ホスラー(Hosler)、ジョンソン(Johnson)、ジョーンズ(Jones)、ランドルフ−アンダーソン(Randolph-Anderson)、ロバートソン(Robertson)、クライン(Klein)、シャーク(Shark)およびサンフォード(Sanford)による論文;
Molec. Gen. Genet.、第241巻、49頁−56頁(1993年)に掲載のカレル(Carrer)、ホッケンベリー(Hockenberry)、スバブ(Svab)およびマリガ(Maliga)による論文;
Bio/Technology、第16巻、345頁−348頁(1998年)に掲載のダニエル(Daniell)、ダッタ(Datta)、グレイ(Gray)、バルマ(Varma)およびリー(Lee)による論文;
Mol. Gen. Genet.、第233巻、479頁−482頁(1992年)に掲載のイーゲル(Eigel)およびクープ(Koop)による論文;
Theor. Appl. Genet.、第87巻、795頁−804頁(1994年)に掲載のファーレソン(Fahleson)、エリクソン(Eriksson)、ランドグレン(Landgren)、スティムネ(Stymne)およびグリメリウス(Glimelius)による論文;
Monogr. Theor. Appl. Genet.、第8巻、1頁−220頁(1984年)に掲載のグレバ(Gleba)およびシトニク(Sytnik)による論文;
Science、第282巻、100頁−103頁(1998年)に掲載のジャルビス(Jarvis)、チェン(Chen)、リ(Li)、ペト(Peto)、ファブクハウザー(Fabkhauser)およびコリー(Chory)による論文;
Science、第166巻、1422頁−1424頁(1969年)掲載のケルミッケル(Kermickle)の論文;
Crop Sci.、第34巻、321頁−322頁(1994年)に掲載のキンジガー(Kindiger)の論文;
Planta、第199巻、193頁−201頁(1996年)に掲載のクープ(Koop)、ステインムエラー(Steinmueller)、ワグナー(Wagner)、レッセラー(Roessler)、エイブル(Eibl)、サチャー(Sacher) による論文;
Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第96巻、1840頁−1845頁(1999年)に掲載のコタ(Kota)、ダニエル(Daniell)、バルマ(Varma)、ガルジンスキー(Garczynski)、ゴールド(Gould)およびモール(Moar) による論文;
Mol. Gen. Genet.、第209巻、159頁−163頁(1987年)に掲載のクシニル(Kushnir)、シュルムコフ(Shlumukov)、ポグレブニアク(Pogrebnyak)、ベルガー(Berger)およびグレバ(Gleba) による論文;
Bio/Technology、第13巻、362頁−365頁(1995年)に掲載のマクブライド(McBride)、スバブ(Svab)、シャーフ(Schaaf)、ホーガン(Hogan)、ストーカー(Stalker)およびマリガ(Maliga) による論文;
Planta、第190巻、190頁−198頁(1993年)に掲載のラムル(Ramulu)、ディジュクフイス(Dijkhuis)、ファメラエル(Famelaer)、カルジ(Cardi)およびベルヘーベン(Verhoeven) による論文;
Theor. Appl. Genet.、第88巻、525頁−529頁(1994年)に掲載のシドロフ(Sidorov)、エフツシェンコ(Yevtushenko)、シャクホフスキー(Shakhovsky)およびグレバ(Gleba) による論文;
The plant J.、第19巻、209頁−216頁(1999年)に掲載のシドロフ(Sidorov)、カステン(Kasten)、パング(Pang)、ハジュキエビィッツ(Hajdukiewicz)、スタウブ(Staub)、ネーラ(Nehra) による論文;
Plant Cell Rep、第18巻、20頁−24頁(1998年)に掲載のシクダル(Sikdar)、セリノ(Serino)、チャウドフリ(Chaudhuri)およびマリガ(Maliga) による論文;
Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第95巻、4368頁−4373頁(1998年)に掲載のストレップ(Strepp)、ショルツ(Scholz)、クルセ(Kruse)、スペト(Speth)およびレスキ(Reski) による論文;
Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、8526頁−8530頁(1990年)に掲載のスバブ(Svab)、ハジュキエビィッツ(Hajdukiewicz)、およびマリガ(Maliga) による論文;
Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第90巻、913頁−917頁(1993年)に掲載のスバブ(Svab)およびマリガ(Maliga)による論文;
Plant Mol. Biol.、第12巻、87頁−93頁(1989年)に掲載のタン(Thanh)およびメドギエシ(Medgyesy)による論文;
Mol. Gen. Genet.、第213巻、186頁−190頁(1988年)に掲載のタン(Thanh)、スミス(Smith)、メドギエシ(Medgyesy)およびマルトン(Marton) による論文;
Plant Cell Rep.、第14巻、781頁−785頁(1995年)に掲載のベルヘーベン(Verhoeven)、ファン・エック(van Eck)、ブラース(Blaas)およびディジュクィス(Dijkhuis) による論文;
Mol. Gen. Genet.、第241巻、707頁−718頁(1993年)に掲載のウォルターズ(Wolters)、ベルグンスト(Vergunst)、ファン・デル・ベルフ(van der Werff)およびクールニーフ(Koorneef) による論文;
Plant J.、第15巻、265頁−271頁(1998年)に掲載のズブコ(Zubko)およびデイ(Day)による論文;
J. Exp. Botany、第47巻、1101頁−1110頁(1996年)に掲載のズブコ(Zubko)、ズブコ(Zubko)、パツコフスキー(Patskovsky)、キベジニッチ(Khvedynych)、フィサーン(Fisahn)、グレバ(Gleba)およびシーデル(Schieder)による論文。
【0029】
(実施例)
以下に記載の実験は、プラスチド形質転換に好ましい核背景を有する系の使用に基く重要な作物種(ポテト、トマト、コショウ、チョウセンアサガオ、ナス科およびアブラナ科)のために良好なプラスチド形質転換の実施例を提供する。
【0030】
実施例I
サルメンバナ(Salpiglossis)プラスチドの形質転換およびサルメンバナ(Salpiglossis)プラスチド転移植物の生成
【0031】
プラストーマでコードしたクロロフィル欠損を有するサルピグロッシス・シヌアタL(Salpiglossis sinuata L)植物およびタバコ突然変異植物(Mol. Gen. Genet.、第209巻、159頁−163頁(1987年)に掲載のクシニル(Kushnir)等の論文)を、Theor. Appl. Genet.、第88巻、525頁−529頁(1994年)に掲載のシドロフ(Sidorov)等の論文に記載されるように生体外で成長させた。葉肉(Mesophyll)プロトプラストを単離し、Monogr. Theor. Appl. Genet.、第8巻、1頁−220頁(1984年)に掲載のグレバ(Gleba)およびシトニク(Sytnik)の論文に記載される標準的プロトコールに従って融合させた。緑色組み換え体を再生し、緑色のタバコに見える苗木を選択した。幾つかの独立した光合成性系統を選択し、さらに分析した。サルメンバナプラスチドとタバコ核を組み合わせた組み換え体を、スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンについての選択と組み合わせたPEG媒介遺伝子達(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、8526頁−8530頁(1990年)に掲載のスバブ(Svab)等の論文)に基づき、公開されたプロトコール(Planta、第199巻、193頁−201頁(1996年)に掲載のクープ(Koop)、ステインムエラー(Steinmueller)、ワグナー(Wagner)、レッセラー(Roessler)、イーブル(Eibl)、サチャー(Sacherの論文)を用いて、プラスチド形質転換に付した。幾つかの独立した推定形質転換体を選択し、さらに試験した。生成した植物材料のうち、本当に安定しているプラスチド形質転換体を同定した。図2および3を参照のこと。次に、これらの植物からのメソフィルプロトプラストを単離し、サルメンバナ系統からの体細胞と融合させた。str/spm抵抗クロロプラストを容易に同定したので、アルビノ突然変異体は必要無かった。プラスチド転移サルメンバナプラスチドを含むサルメンバナに見える植物である、多くの光合成性スペクチノマイシン/ストレプトマイシン抵抗再生を得た(写真は示さない)。
【0032】
実施例II タバコプラスチドの形質転換 これらの実施例において、タバコの生体外成長正常植物、リコペルシコン・エスクレンタムL(Lycopersicon esculentum L)、およびソラナム・ニグラム(Solanum nigrum)のカナマイシンとハイグロマイシンに抵抗性の植物を用いた。用いた培地条件および融合プロトコールは、本質的に、Mol. Gen. Genet.、第241巻、707頁−718頁(1993年)に掲載のウォルターズ(Wolters)等の論文に記載されたものであった。リコペルシコン・エスクレンタムLと放射線照射したソラナム・ニグラムとの融合により、クリップボード系統を生成した。生成した植物は花を有していたが、雄で生殖不能であった。生成された緑色再生剤は、最初は、リコペルシコン(Lycopersicon)クロロプラストと、両親からのハイブリッド核材料を含んでいた。形質転換と推定プラスチド転移選択は実施例に記載の通りである。安定したプラスチド転移植物を、正常トマト植物で受粉した。種子を得、形質転換したプラスチドを有するトマトに見える植物を成長させた。
【0033】
実施例III ナス(Solanum melongena)プラスチドの形質転換 プラストームでコードしたクロロフィル欠損(Mol. Gen. Genet.、第209巻、159頁−163頁(1987年)に掲載のクシニル(Kushnir)等の論文)を有するナス(Solanum melongena)植物およびタバコ突然変異体植物を、Theor. Appl. Genet.、第88巻、525頁−529頁(1994年)に掲載のシドロフ(Sidorov)等の論文に記載されるように生体外で成長させた。メソフィルプロトプラストを単離し、Monogr. Theor. Appl. Genet.、第8巻、1頁−220頁(1984年)に掲載のグレバ(Gleba)およびシトニク(Sytnik)の論文中の標準的プロトコールに従って融合させた。緑色組み換え体を再生し、タバコに見える緑色苗木を選択した。さらなる分析のために幾つかの系統を単離し選択した。ナス属プラスチドおよびタバコ核を含む組み換え体を、スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンについての選択と組み合わせたPEG媒介遺伝子達(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第87巻、8526頁−8530頁(1990年)に掲載のスバブ(Svab)等の論文)に基づき、Planta、第199巻、193頁−201頁(1996年)に掲載のクープ(koop)等の論文に記載のプロトコールを用いて処理して、形質転換プラスチドを得た。幾つかの独立した推定形質転換体を選択し、さらに試験した。安定したプラスチド形質転換体を、図2および3に示すように植物材料から同定した。次に、これらの植物からのメソフィルプロトプラストを単離し、ナス属系統からの体細胞と融合した。クロロプラストはstr/spm抵抗なので、アルビノ突然変異体は必要無かった。得られた多くの光合成性スペクチノマイシン/ストレプトマイシン抵抗再生は、プラスチド転移ナス属プラスチドを含むナス属に見える植物であった(写真は示さない)。
【0034】
実施例IV
アトローパ(Atropa)プラスチドの形質転換およびアトローパ(Atropa)プラスチド転移植物の生成
サルメンバナの代わりにナス科アトローパ・ベラドンナL(Atropa belladonna L)の生体外で成長した正常植物を成長させた。これらの実験において、プラストームでコードしたクロロフィル欠損を有するタバコ突然変異体植物を、再び受容体として用いた。全ての条件および実験は、本質的に実施例Iに記載の如くである。アトローパプロトプラストとタバコとの融合に続き、形質転換および融合して、形質転換プラスチドをタバコからその中に転移させることによりアトローパに見えるアトローパ緑色植物を得た。
【0035】
実施例V
クコ(Lycium)プラスチドの形質転換およびクコ(Lycium)プラスチド転移植物の生成
この実験においては、受容体として、プラストームでコードしたクロロフィルを欠損するタバコ突然変異体植物とサルメンバナの代わりに、クコ・バルバルムL(Lycium barbarum L)の生体外成長正常植物を用いた。全ての他の条件および実験は実施例Iに記載の如くである。
【0036】
実施例VI
ポテト(Solanum tuberosum L)プラスチドの形質転換
この実験においては、サルメンバナの代わりに、ポテト(Solanum tuberosum L)の生体外で成長した正常およびアルビノ植物を用いた。受容体種としては、野性ナス属種のソラナム・リキイL(Solanum rickii L)を用いた。S.リキイ(S.rickii)の生体外成長植物のメソフィルプロトプラストを培養するために、Plant Mol. Biol.、第12巻、87頁−93頁(1989年)に掲載のタン(Thanh)等の論文に記載されるように、ビタミンおよびアミノ酸を含む強化培養培地を用いた。全ての他の条件および実験は、本質的に実施例Iに記載の如くである。
【0037】
実施例VII ブラシカ・ナプス(Brassica napus)プラスチドの形質転換 カノーラ,ブラシカ・ナプスL(Brassica napus L)正常植物、およびプラストームでコードしたクロロフィルを欠損するオリコフラグムス(Orychophragmus)またはレスケレラ突然変異植物を、前掲書(1998年)掲載のズブコ(Zubko)等の論文に記載されるように生体外で成長させた。メソフィルまたは子葉鞘プロトプラストを単離し、標準的プロトコールに従って融合した(Theor. Appl. Genet.、第87巻、795頁−804頁(1994年)に掲載のファーレソン(Fahleson)等の論文)。緑色組み換え体を再生し、緑色オリコフラグムス(Orychophragmus)およびレスケレラに見える苗木を選択した。幾つかの独立した光合成性系統を選択し、さらに分析した。カノーラプラスチドとオリコフラグムス(Orychophragmus)またはレスケレラ核を組み合わせた組み換え体を、スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンについての選択と組み合わせた粒子銃系遺伝子達に基づいた公開されたプロトコールを用いるプラスチド形質転換に付した。幾つかの独立した推定形質転換体を選択し、さらに試験した。生成した材料のうち、真に安定したプラスチド形質転換体を同定した。次に、これらの植物からのメソフィルプロトプラストを単離し、カノーラ系統からの体細胞と融合した。得られた多くの光合成性str/spm抵抗再生は、プラスチド転移カノーラプラスチドを含む、カノーラに見える植物であった。
【0038】
実施例VIII
組み換えタバコ属(Nicotiana)+ナス属(Solanum)プラスチドの形質転換
この実験においては、ポテト(Solanum tuberosum L)の生体外で成長した正常およびアルビノ植物を用いた。タバコ核と組み換えタバコ−ポテトプラストーム(図4)とを組み合わせた組み換え植物を、本質的に、Plant Mol. Biol.、第12巻、87−93頁(1989年)に掲載のタン(Thanh)等の論文に記載されるようにして生成した。全ての他の条件および実験は本質的に実施例Iに記載の如くである。抗生物質抵抗性を示す組み換えおよびプラスチド転移のプラスチドを含む正常ポテト植物を生成した。図1および2を参照のこと。
【0039】
実施例IX
プラスチド形質転換ベクターpCB033の構築
4656bpのBgl IIフラグメントを、タバコ(N.tabacum)ptDNAサブクローンpNtcPs1(pNtcPs1は、99983と123672との間の位置にタバコプラストームフラグメントを含む;EMBO J.、第5巻、2043−2049頁(1986年)に掲載のシノザキ(Shinozaki)等の論文)から切除した。遺伝子ndhF、rp132(CDS79)およびtrnL(trn30)を含むBgl IIフラグメントをアガロースゲルで精製し、プラスミドpBluescript KS(ドイツ国ハイデルベルク所在、ストラタジーン(Stratagene)製)のBam HI部位にサブクローンして、サブクローンpF4656BBを得た。
【0040】
タバコ16S rrnプロモーター(16S−rDNAプロモーター)の制御下の大腸菌からのアミノグリコシド3’−アデニルトランスフェラーゼ(aadA)からなるカセットを以下のようにクローニングした:ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、プライマー「5−24」5’-CCGAATTCGCCGTCGTTCAATGAG-3’および「3−21」5’-CACGATATCGCCCGGAGTTG-3’を有するタバコ全DNAから、rrnプロモーターを含むDNAフラグメントを増幅した。増幅したフラグメントを、Eco RIおよびEco RVの両方を用いて切断した。タバコrbcL遺伝子のリボソーム結合部位(RBS)を含むリンカーDNAフラグメントを、プライマー「5−rbs」5’-CACGATATCGCCCGGAGTTG-3’およびプライマー「3−rbs」5’-GTGCCATGGATCCCTCCT-3’をアニーリングすることにより構築した。懸垂部分を満たすために、DNAポリメラーゼのクレノウフラグメントを用いた。続いて、Eco RVおよびNco Iを用いてフラグメントを切断した。クラミドモナス・レインハルディー(Chlamydomonas reinhardtii)rbcL下流領域の440bpフラグメントに融合されたバクテリアaadA遺伝子を含むプラスミドpUC−atpX−AAD(ゴールドシュミット−クレーモント博士(Dr. M. Goldschmidt− Clermont)より提供)を、Eco RVおよびNco Iで切断して、最初のpCU−atpX−AADプロモーターフラグメントを除去した。「5−rbs」および「3−rbs」(リボソーム結合部位)のEco RVおよびNco I処理アニーリング産物、およびEco RIおよびEco RV処理PCR産物(rrnプロモーター)を、プロモーターを有さないpUC−atpX−AADベクター内に挿入し、同時にクローンpUC16SaadAを生成した。
【0041】
aadA発現カセットを含む1.4kbpのフラグメントを、Sma IおよびEco RIで切断することによりpUC16SaadAから切除した。Eco RI端部を、DNAポリメラーゼのクレノウフラグメントとの充填反応によりブラント端部に転化した。得られるブラント端部フラグメントをゲルで精製した。
【0042】
ベクターpF4656BBを、Sna BI制限酵素を用いて線状にした。線状フラグメントを、アルカリホスファターゼで処理して、次のライゲーション反応における自己環化を防止した。次に、pUC16SaadAから切除されたaadA発現カセットを、pF4656BBの線状フラグメントを用いるライゲーション反応において用いた。得られるクローンを、aadAカセットの存在についてスクリーニングした。ndhF遺伝子と同じ位置にaadAカセットを有する分子を選択して、形質転換ベクターpFaadA Iを得た。
【0043】
ベクターの複数クローニング部位におけるHinc II制限部位を、Xho I/Xba Iで線状化されたpKS−マイナスベクター内にSal I/Xba Iフラグメント(プラストーム配列およびaadA発現カセットを有する挿入部を含む)をサブクローニングすることにより除去した。
【0044】
ベクターの全体の寸法を小さくするために、分子をNde IおよびSma Iで消化し、DNAポリメラーゼのクレノウフラグメントでそれを処理した後に再びライゲーションして、図5に模式的に示されるプラスミドpCB033を得た。
【0045】
実施例X
プラスチド形質転換ベクターpCB040の構築
DNeasy Plant Mini Kit(ドイツ国ヒルデン所在、キアゲン(QIAGEN)製)を用いて、カノーラ(Brassica napus)のDNA全体を単離した。
【0046】
2515bp(タバコプラストームマップにおいて140126bp―142640bpの位置)のタバコ(N.tabacum)プラストームフラグメントを、高度に維持されるように選択した。このタバコ配列を用いてPCR用のプライマーを設計した。
左側プライマー:「trnV−li−65」 5’-CCA CGT CAA GGT GAC ACT C-3’
右側プライマー:「rps7−re−66」 CTG CAG TAC CTC GAC GTG

【0047】
テンプレートしてカノーラのDNA全体を用いるPfuポリメラーゼ(プロメガ(Promega)製)を用いるPCR増幅を、プライマー「trn V−li−65」および「rps 7−re−66」を用いて行った。PCRの最適条件を決めた(4mMのMgClの添加、アニーリング温度を57℃まで上昇)後、反応により約2800bpの生成物を得、それを次にアガロースゲルで精製した。
【0048】
pGem−T−easyベクター内へのフラグメントの直接クローニングを可能にする「A−テーリング」を、pGEM−T−easyマニュアル(プロメガ製)に記載のようにTaq DNAポリメラーゼ(キアゲン製)を用いて行った。反応物を、QIAquick PCR Purification Kit(キアゲン製)を用いて精製し、製造者のプロトコールに従って、pGEM−T−easyベクターと一緒にライゲーション反応に用いた。ライゲーションの生成物を、QIAquick PCR Purification Kit(キアゲン製)を用いて精製し、「Epicurian Coli Sure」電子適合性細胞(ストラタジーン(Stratagene)製))の電気穿孔媒介形質転換のために用いた。電気穿孔は、ペクラブ(Peqlab)(ドイツ国アーランゲン)電気パルス装置を用いるバクテリア電気穿孔(容量25μF、Shunt 201 OHM、パルス5m秒)用の標準的条件下に行った。バクテリアを、10mMのIPTGを100μlおよび2%−X−galを100μl含むアンピシリン(75mg/L)LB−寒天プレート上に広げた。
【0049】
青色−白色選択システムを用いて、白色コロニーを選択し、そのプラスミド−DNAを、QIAprep Spin Mini Prep Kit(キアゲン製)を用いて単離した。
【0050】
制限分析(NotIで制限)を利用して、正のクローンを選択して、プラスミドpCan01を得た。正のクローンのプラスミドDNAを、配列決定(ドイツ国マーティンスリード所在、トップラブ(TopLab))に付した。配列データを用いて、挿入体の位置を決め、aadAカセット用の適当な挿入部位を発見した。828の位置におけるBpu1102 I部位を、aadAマーカーカセット用の挿入部位として選択した。
【0051】
aadAマーカーカセットを含むDNAフラグメントを以下のように調製した:Pfu DNAポリメラーゼを用いるPCRを行って、テンプレートpUC 16SaadA(実施例IXを参照)からのaadA発現カセットを増幅した。プライマー「aadA−uni―li−94」 5’-GCT CGA GAT ACC GGT CCC GGG AAT TCG CCG TCG-3’および「aadA−uni―re−95」 5’-GGT TAA CGG CGC CTG GTA CCG AGC TCC ACC GCG-3’を、PCR反応に用いた。PCR反応生成物を、アゲロースゲル電気泳動により精製した。
【0052】
ベクターpCan01をBpu1102 Iを用いて消化し、クレノウフラグメントを用いてブラント端部を形成した。自己ライゲーションを防止するために脱リン(最初は、エビアルカリホスファターゼを用い、続いて、子牛腸ホスファターゼで別の処理を行った)を行った。ホスファターゼ酵素を、フェノール抽出により不活化した。
【0053】
線状化したpCab01フラグメントを、前述のaadAマーカーフラグメントと共に、ライゲーション反応に用いた。ライゲーションは、「Rapid Ligation Kit」(ロシュ(Roche)製、ドイツ国ペンバーク所在)を用いて行った。ライゲーション産物を、QIAquick PCR Purification Kit(キアゲン製)を用いて精製した。Epicurian Coli Sure電気適合性細胞(ストラタジーン製)を、前述のような標準的条件下に電気穿孔法により形質転換した。
【0054】
アンピシリン(75mg/L)およびスペクチノマイシン(100gm/L)を含むLB−寒天ペトリ皿上でコロニーを選択した。
Cfr42I、Eco32I、NotIおよびPvuIを用いる制限分析を用いて、正のクローンを同定し、挿入体の位置を分析した。正確な挿入体を示すクローンをpCB040と呼び、図6に模式的に示す。
【0055】
(産業上の利用可能性)
この明細書で引用された全ての特許および非特許刊行物は、本発明が関する技術分野の当業者の水準を示す。ここで、全てのこれら刊行物および特許出願を、各々の刊行物および特許出願が特異的かつ個々に参考として組み込まれるような程度に、参考として取り込む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一つの態様を模式的に示す図である。
【図2】 種々の植物における外因性DNAの存在を示す臭化エチジウム染色ゲルの写真である。aadA遺伝子の内側部分に特異的なプライマーを用いてPCR増幅反応を行った。増幅された生成物は479bpである。正の対照として、形質転換したN.tabacumのDNAを用いた。レーン1−Potacco(すなわち、ポテト/タバコ組み換えプラスチド)、非形質転換植物(負の対照);2−Potacco、クローン1;3−ポテト、クローン2;4−Potacco、クローン3;5−N.tabacum、形質転換植物(正の対照)、478bp;6−N.t.(アトローパ)サイブリッド;7−N.t.(スコポリア)サイブリッド;8−N.t.(サルメンバナ)サイブリッド;9−1kb DNAラダー
【図3】 植物における外因性DNAの存在を示す臭化エチジウム染色ゲルの写真である。一つのプライマーがaadA遺伝子の内側部分に特異的であり、他のプライマーがクロロプラストゲノムDNAに特異的であるPCR増幅反応を行った。増幅生成物の寸法は1100−1400bpである。正の対照として、形質転換したN.tabacumのDNAを用いた。レーン1−1kb DNAラダー、2−N.tabacum、形質転換植物(正の対照)、3−Potacco、クローン1;4−Potacco、クローン2;5−N.t.(サルメンバナ)サイブリッド
【図4】 ポテト/タバコ組み換えプラスミド中のプラスチドのキメラ性質を示す臭化エチジウム染色ゲルの写真である。タバコのクロロプラストゲノム(レーン2、5、8、11、14)、ポテト(レーン3、6、9、12、15)およびポテト(レーン4、6、10、13、16)を比較した。フラグメントtrnL−ndhDを、消化しない(レーン2−4)または、DraI(レーン5−7)、StyI(レーン8−10)、EcoRI(レーン11−13)またはHaeIII(レーン14−16)制限エンドヌクレアーゼで処理した。
【図5】 相同組み換えによる組み込み用の配列により隣接され16SrRNAプロモーターの制御下にスペクチノマイシン/ストレプトマイシンについて選択するためのaadA遺伝子を含むナス属関連プラスチドを用いたプラスチド転移植物を調製するために、好ましい態様において用いられるプラスミドpCB033のマップである。
【図6】 pCB033に似ているが、アブラナ属種内への相同組み換えによる組み込みのために隣接領域が選択されるプラスミドpCB040のマップである。

Claims (21)

  1. (a)第1の植物の細胞から誘導されるプロトプラストを、形質転換および制御が容易である第2の植物の細胞から誘導されるプロトプラストと融合して、第1のサイブリッドを形成することにより、第1の植物の細胞から第2の遺伝的に異なる植物の細胞にプラスチドを転移させ、
    (b)意図する核酸を前記プラスチド内に導入して、形質転換されたプラスチドを生成し、および
    (c)第1の植物と遺伝的に同一または互いに異なる第3の植物の細胞内に、前記形質転換されたプラスチドを含むサイブリッドを、前記第3の植物の前記細胞から誘導されたプロトプラストと融合させることにより、前記形質転換されたプラスチドを転移させること
    を含んでなり、ここで第1、第2および第3の植物が双子葉植物であり、そして同じ科の構成員である、プラスチドを形質転換する方法。
  2. 前記(a)のプラスチドが前記第2の植物のプラスチドと遺伝的に組み換えられて組み換えプラスチドを生成し、次いで核酸を組み換えプラスチド内に導入する、請求項1に記載の方法。
  3. (a)第1の植物の細胞から誘導されるプロトプラストを、形質転換および制御が容易である第2の植物の細胞から誘導されるプロトプラストと融合して、第1のサイブリッドを形成することにより、第1の植物の細胞から第2の遺伝的に異なる植物の細胞にプラスチドを転移させ、
    (b)選択可能なマーカー遺伝子を含む意図する核酸を前記プラスチド内に導入して、形質転換されたプラスチドを生成し、
    (c)第1の植物と遺伝的に同一または互いに異なる第3の植物の細胞内に、前記形質転換されたプラスチドを含むサイブリッドを、前記第3の植物の前記細胞から誘導されたプロトプラストと融合させることにより、前記形質転換されたプラスチドを転移させ、および
    (d)選択可能なマーカー遺伝子を発現する(c)の細胞からのプラスチド転移植物を再生すること
    を含んでなり、ここで第1、第2および第3の植物が双子葉植物であり、そして同じ科の構成員であるプラスチド転移植物を生成する方法。
  4. 請求項3の方法により生成されたプラスチド転移植物、またはその一部。
  5. プラスチドが同属である請求項に記載のプラスチド転移植物、またはその一部
  6. 請求項に記載のプラスチド転移植物から誘導される種子。
  7. 第2の植物がタバコ属植物である請求項1−3のいずれかに記載の方法
  8. 第2の植物がナス属植物である請求項1−3のいずれかに記載の方法
  9. 第2の植物がオリコフラグムス(Orychophragmus)植物である請求項1−3のいずれかに記載の方法
  10. 第2の植物がレスケレラ(Lesquerella)植物である請求項1−3のいずれかに記載の方法
  11. 第2の植物がアブラナ属植物である請求項1−3のいずれかに記載の方法
  12. 前記プラスチドが得られる第1の植物が、ポテトである請求項1−3および7−8のいずれかに記載の方法
  13. 前記プラスチドが得られる第1の植物が、トマトである請求項1−3および7−8のいずれかに記載の方法
  14. 前記プラスチドが得られる第1の植物が、ナスである請求項1−3および7−8のいずれかに記載の方法
  15. 前記プラスチドが得られる第1の植物が、クコ(Lycium)である請求項1−3および7−8のいずれかに記載の方法
  16. 前記プラスチドが得られる第1の植物が、アブラナ属である請求項1−3および9−11のいずれかに記載の方法
  17. 前記形質転換されたプラスチドが転移される第3の植物が、ポテトである請求項1−3、7−8および12−15のいずれかに記載の方法。
  18. 前記形質転換されたプラスチドが転移される第3の植物が、トマトである請求項1−3、7−8および12−15のいずれかに記載の方法。
  19. 前記形質転換されたプラスチドが転移される第3の植物が、ナスである請求項1−3、7−8および12−15のいずれかに記載の方法。
  20. 前記形質転換されたプラスチドが転移される第3の植物が、クコ(Lycium)である請求項1−3、7−8および12−15のいずれかに記載の方法。
  21. 前記形質転換されたプラスチドが転移される第3の植物が、アブラナ属、レスケレラ(Lesquerella)またはオリコフラグムス(Orychophragmus)植物である請求項1−3、9−11および16のいずれかに記載の方法。
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