JP2000506019A - アラビドプシス・サリアナアにおけるプラスチド形質転換 - Google Patents

アラビドプシス・サリアナアにおけるプラスチド形質転換

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、トランスプラストムされたアラビドプシスおよびブラシカ植物を得るための方法および組成物を提供する。詳細には、方法は外因性の有益なDNA分子のデリバリー後の形質転換植物の再生を促進する組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アラビドプシス・サリアナアにおけるプラスチド形質転換 35U.S.C.202条(c)に従い、米国政府が本明細書に記載する発明 において特定の権利を有し、発明がNational Science Foundation Grant Number 、MCB93−05037からの基金により一部作成されたことを承認する。 発明の属する技術分野 本発明は、トランスジェニック植物の分野に関する。特に、本発明は、クルシ フェラエ(Cruciferae)科からの植物におけるプラスチドの形質転換のための組 成物および方法を提供する。 発明の背景 本発明が属する技術の水準をより詳しく記載するために、いくつかの出版物を 本出願において補足的に参照する。これらの参考文献の完全な引用を明細書の最 後に示す。これらの出版物の各々の開示は、本明細書に完全に示されるものとし て出典明示により本明細書に包含する。 高等植物のプラスチドゲノムは、葉細胞1個あたり1900ないし50000 コピー存在できる環状二本鎖DNA分子である(Palmer,1991;Bendich,1987)。 タバコプラスチドゲノム(プラストム)の安定な形質転換は、以下の工程により 達成されている:(i)バイオリスティックプロセス(Svab et al.1990a;Svab an d Maliga 1993)またはPEG処理(Gold et al.1993;O'Neill et al.,1993) による抗生物質耐性をコードする形質転換DNAの導入、(ii)2つの相同組換 え処理による形質転換DNAの組み込み、および(iii)選択培地上での繰り 返し細胞分裂の間の野生型ゲノムコピーの選択的排除。スペクチノマイシン耐性 を変異プラスチド16sリボソームRNA遺伝子(Svab et al.1990a;Staub and Maliga 1992;Golds et al.1993)においてコードされるか、または、操作され た細菌aadA遺伝子の発現(Svab and Maliga 1993)により与えられる選択マ ーカーとして用いた。選択マーカー遺伝子およびタバコプラスチドゲノムの繰り 返し領域中へのキメラ遺伝子の挿入の標的としてaddAを利用するベクターが 、利用可能である(Zoubenko et al.,1994)。ネオマイシンホスホトランスフェ ラーゼ(kan遺伝子)の発現に基づく、カナマイシン耐性によるプラスチド形質 転換体の選択は、より困難であるが、利用可能である(Carrer et al.,1993;Car rer and Maliga,1995)。 現在まで、高等植物中での安定なプラスチド形質転換は、タバコにおいてのみ 報告されている(Maliga,1993;Maliga et al.,1993に総説されている)。他の農 業的および医薬的に重要な種からのトランスプラストム植物が非常に所望される 。クルシフェラエ科の高等植物のプラスチドにおける目的とする外来遺伝子の発 現は、外来遺伝子の核発現に対していくつかの有利性を提供する。これらは、1 )プラスチド中の外因性DNA配列の発現は、形質転換DNAの花粉伝達の可能 性を排除する;2)タンパク質発現の高いレベルが得られる;3)ポリシストロ ン性単位として多数の遺伝子の同時発現が利用できるおよび4)核の形質転換の 結果である位置効果および遺伝子サイレントもまた除かれる、である。 発明の概要 本発明は、安定に形質転換されたトランスプラストム植物を作成するための改 良された方法を提供する。本発明の一の具体例において、子葉細胞を均一な細胞 分裂を刺激するのに十分な時間、高オーキシン液体培地中で培養する。初期培養 は高密度(50−200子葉/20ml)である。ついで、子葉を外因性の形質 転換DNAのデリバリーのために寒天固化培地に移す。形質転換DNAのデリバ リーに続けて、子葉を低密度(25−30/50ml)で、高サイトキニンレベ ルおよび選択剤を含む培地に移し、形質転換体の選択および植物再生を促進させ る。ついで、プラスチドゲノム中に外因性DNAが存在することをサザンブロッ ト解析またはPCRにより確認する。 本発明の形質転換DNA分子は、いくつかの異なる特徴を有する。それらは、 1)形質転換される植物からのプラスチドDNA配列からなる目的とする外来遺 伝子に隣接するセグメントを標的とし、それにより、形質転換DNAの所定のプ ラスチドゲノムの領域への相同組換えを促進する;2)選択マーカー遺伝子が標 的セグメント内に位置し、選択剤に対する抵抗を付与する;3)プラスチドDN A由来の5’および3’調節配列は目的とする外来遺伝子をコードする配列に作 動的に連結しており、それにより形質転換DNAの発現およびコードされるmR NAの安定性を増強する;および4)選択マーカーに隣接する、目的とする外来 遺伝子の挿入のためのクローニング部位の少なくともひとつは、それ自体では選 択可能ではない、である。選択マーカー遺伝子および目的とする外来遺伝子は隣 接配列の異種ブロックを形成するので、両方の遺伝子のプラスチドゲノム中への 取り込みは、効果的である。 本発明の他の態様において、葉細胞をはじめに高オーキシン培地で処理し、つ いで、形質転換DNAで形質転換し、高サイトキニンレベルおよび所定の選択剤 の存在下で培養する。形質転換プラスチドを含む細胞を選択剤の存在下で維持し 、トランスプラストム植物中で再生可能なホモプラスミック細胞の入手を促進す る。 かくして、本発明は、トランスプラストミック植物を作成するための新規な方 法および組成物を提供する。アラビドプシス(Arabidopsis)族はマスタードま たはクルシフェル科(BrassicaceaeまたはCruciferae)に属し、約340族および 3350種の広く分布する科である。かかる科は、野菜の農作物、油種子、スパ イス、およびより少ない程度で装飾品の源として大きな経済的重要性がある。農 業的重要性の多くは、ブラシカ(Brassica)族に由来する。経済的に重要なブラ シカssp.の例は、ブラシカ・ナプス(Brassica napus)(油種子)、ブラシカ・ジュ ンシア(Brassica juncea)(油種子)、ブラシカ・カンペストリス(Brassica Campe stris)(油種子)、ブラシカ・ジュンシア(Brassica juncea)(油種子)、ブラシカ ・オレラシア(Brassica oleracea)(ブロッコリ、カルフラワー、キャベツ)、ブ ラシカ・ニグラ(Brassica nigra)(ブラックマスタード)おおびブラシカ・ヒルタ (Brassica hirta)(ホワイトマスタード)である。 アラビドプシス・サリアナ(植物研究のモデル種、Meyerowitz and Sommervill e, 1994)およびブラシカssp.(重要な農業作物)におけるプラスチド形質転換を本明 細書において例示する。これらの方法はクラシフェラエ科からの他の植物におけ るプラスチド形質転換に対しても適切である。 図面の簡単な説明 図1は、プラスミドpGS31Aで形質転換後、アラビドプシスプラスチドゲ ノムへのaadAの組み込みを図式で例示する。図1Aは、形質転換ベクターp GS31A、組み込まれたスペクチノマイシン耐性(aadA)遺伝子を含むp tDNA領域(T−ptDNA)、および、野生型ptDNAの共通の領域のマッ プを示す。16SrRNA、rps12/7およびtrnVは、プラスチド遺伝 子である(Shinozaki et al.,1986)。図1Bは、P1およびP2プローブ中に含 まれるptDNAの領域を示す。図1Cは、プラスチドゲノム中のaadAの組 み込みを確証するサザンブロットハイブリダイゼーションの結果を示すオートラ ジオグラムである。P1標的配列は、野生型(At)植物の2.72−kbフラ グメント、および、トランスプラストム系(At−pGS31A−16)のより 長い3.82−kbフラグメントとハイブリダイズする。トランスプラストム系 においては野生型フラグメントが欠損していることに注目されたい。aadAプ ローブ、P2は、大きい方のトランスプラストムフラグメントにのみハイブリダ イズする。 図2は、アラビドプシス葉に用いたプラスチド形質転換プロトコールの概要図 である。 図3は、形質転換プラスチドを有するアラビドプシス・サリアナ(RLD)の 子葉外殖片からの受精可能なアラビドプシス植物を得るのに用いた別のプロトコ ールの概要図である。 図4は、pGS7およびpGS85Aプラスミドのプラスチド標的領域のマッ プである。プラスミドpGS7の特異的なHincIIクローニング部位およびプ ラスミドpGS85のKpnI制限部位、およびキメラのkan・カナマイシン 耐性遺伝子に注目されたい。プラスチド遺伝子、trnV、16SrDNAおよ びrps12/7は、Shinozaki et al.,1986に記載されている。転写開始の部 位および方向を横向きの矢印で示す。 図5は、プラスミドpGS7の標的領域の配列である。カナマイシンまたはス ペクチノマイシンに耐性を与える遺伝子は、印をつけたHincII部位に挿入さ れる。 図6は、プラスミドpGS31Aのプラスチド標的領域の配列である。 図7は、プラスミドpGS85Aのプラスチド標的領域の配列である。 発明の詳説 知られる限りにおいて、プラスチド形質転換は、タバコにおいてのみ示されて いる。アラビドプシス・サリアナおよびブラシカ・ナプスにおけるプラスチドの 形質転換のプロトコールを確立し、これらの形質転換体を作成するのに有用な方 法を以下に示す。以下の実施例におけるアラビドプシスおよびブラシカの使用は 、本発明の方法を例示するためのものである。本明細書に開示する方法は、クル シフェラエ科の他の植物に適用してもよい。 アラビドプシス・サリアナのプラスチドを、以下の実施例1において記載する ように微視的(1μm)タングステン粒子の表面上で、葉細胞へ形質転換DNA をバイオリスチックにデリバリーして、形質転換する。これらの実験に用いた形 質転換プラスミドpGS31Aは、プラスチドDNA配列に隣接するスペクチノ マイシン耐性(addA)遺伝子を有し、trnVおよびrps12/7オペロ ンの間をその挿入の標的とする。隣接するptDNA配列およびスペクチノマイ シン培地上での選択的増幅を介する2つの相同組換え処理によりaddAの組み 込み、スペクチノマイシン耐性細胞系を得た。再生植物は、ホモプラスミックで あり、その中ではプラスチドゲノムコピーは、形質転換DNAにより均一に変化 していた。プラスチド形質転換の効率は低く、201個の爆撃葉試料中2個であ った。しかしながら、2個の系から再生した98の植物のうち受精可能であるも のはなかった。 これらの生植性の問題は、2,4−D、オーキシン(Van der Graaff and Hooyk as, 1996)処理が長期間であることによる可能性があった。この薬剤に対する曝露の 時間を短くして受精能の問題を解決することが可能である。形質転換のための適 当な葉の源を提供するためにアラビドプシス・サリアナを比較的長時間生育させ ることでも、葉をより望ましくない組織源とする。 子葉および葉は、それぞれ細胞あたりプラスチドゲノムコピーを多数含む。加 えて、子葉はより利用可能な組織源を提供する。したがって、子葉細胞を、以下 の実施例IIに示すように形質転換DNAの受容体として用いる。子葉細胞は、形 質転換DNAで爆撃するために細胞を調製する培養時間が比較的短いので(7日) 、本発明の方法を行うために葉細胞よりも好ましい。標的細胞として子葉細胞を 用いる別の有利性は、2,4−Dの非存在下で未成熟子葉から受精可能なアラビ ドプシス植物の再生が報告されていることである(Patton and Meinke,1988)。 加えて、2,4−Dの非存在下での葉移植片からの受精可能なアラビドプシス植 物の再生についてのプロトコールが記載されている(Lloyd et al.,1986;Van de r Graaff and Hooykas,1996)。 実施例IIIに記載されるように、アラビドプシス・サリアナおよびブラシカ・ ナプスは、同じクルシフェラエ科に属し、それゆえ、プラスチドゲノムは、相同 性を高い度合いで共有し、本質的に同一である(Palmer et al.,1994)。したが って、アラビドプシス用に開発されたプラスチド形質転換ベクターおよび発現カ セットを修飾することなく、ブラシカ種におけるプラスチド形質転換および外来 遺伝子の発現に用いることができる。 以下の定義を、本発明の理解を容易にするために示す。 ヘテロプラスミック(heteroplasmic);は、単一プラスチド内の、または、植 物細胞もしくは組織に含まれるプラスチドの集団内のいずれかの、異なるプラス チドゲノムの混合集団の存在を意味する。 ホモプラスミック(homoplasmic);は、プラスチド内または植物細胞および組 織に含まれる集団内のいずれかの、プラスチドゲノムの純粋な集団を意味する。 ホモプラスミックプラスチド、細胞または組織は、これらがただ1つの型のプラ スチドゲノムを含むので、遺伝的に安定である。それゆえ、これらは選択圧が除 かれた後でさえホモプラスミックとして残り、自己子孫もまたホモプラスミック である。本発明の目的のため、機能的にホモプラスミックのゲノムのヘテロプラ スミックの集団(すなわち、配列変異のある野生型DNAまたは形質転換ゲノム を少数のみ含む)を本明細書において、「機能的にホモプラスミック」または「本 質的にホモプラスミック」と称する。細胞または組織のこれらの型を非致死選択 培地上での連続選択によりホモプラスミイ(homoplasmy)にまで容易に精製でき る。かかる植物のほとんどの種子子孫は、プラスチドゲノムのランダム選別によ り、選択圧の非存在下で、ホモプラスミックである。 プラストーム(plastome);プラスチドのゲノム。 トランスプラストム(transplastome);形質転換プラスチドゲノム。 プラスチドの形質転換;形質転換プラスチドを含む植物の種子子孫に伝わる、 プラスチドゲノムへの形質転換DNAの安定な取り込み。 選択マーカー;「選択マーカー」なる用語は、選択マーカーをコードする遺伝子 または対立遺伝子が形質転換に用いる外来DNA中に含まれる場合、形質転換さ れたオルガネラ、細胞または組織を首尾よく同定する表現型を意味する。 形質転換DNA;は、プラスチド中に導入されると、プラスチドゲノムの部分 を相同組換えにより置きかえる、同種DNA、または同種DNAが隣接する異種 DNAを意味する。 標的セグメント;は、外来DNAおよびプラスチドゲノム間の相同組換えを促 進する相同する隣接領域を意味する。 翻訳的に融合した;は、キメラタンパク質が発現するように、構築物において ともにスプライスされる、異なる源由来の構築物中の2つのコーディングDNA セグメントを意味する。 高オーキシン培養基;オーキシンのみ、または、高濃度のオーキシンおよびき わめて低濃度のサイトキニンの組み合わせを含む植物組織培養基。オーキシンに 対する植物細胞の応答は、所定の分類グループに対して特異的である。異なるオ ーキシンを組み合わせて適用した場合、それらの効果は、付加的でなくてもよい 。さらに、オーキシンに対する組織応答は、サイトキニンにより修飾されてもよ い。 したがって、用いるオーキシンの種類および濃度は、形質転換する種に対して経 験的に決定しなければならない。本発明における使用のための高オーキシン培地 の好ましい例は、1mg/mlのオーキシン、1−ナフタレン酢酸(NAA)お よび低濃度(0.2mg/ml)のサイトキニン、6−ベンジルアミノプリン( BAP)を含むC1培地である。インドール−3−酢酸(IAA)およびジクロ ロ−フェノキシ酢酸(2,4−D)などの他のオーキシンもまた、均一な細胞分 裂を促進するために用いてもよい。 高サイトキニン培養基;高オーキシン培地のように、植物細胞の高サイトキニ ン培地に対する植物細胞の応答は、分類グループ特異的である。本発明において 使用するための好ましい高サイトキニン培地の例は、1mg/LのBAP、2m g/lの2iP、(6−(ガンマ、ガンマ−ジメチルアリアミノ)プリンまたはI PA、N6−(イソペンテニル)アデニン)および低濃度のオーキシン、NAA (0.1mg/L)を含むC1培地である。用いることのできる他のサイトキニ ンは、6−フルフリルアミノプリン(KINまたはキネチン)である。 以下の実施例において示す詳細な記載は、本発明のDNA構築物の好ましい作 成方法および使用方法、ならびに本発明の方法を行う好ましい方法に関する。詳 細に記載していない分子クローニングおよび組換えDNA技法を、例えば、Samb rook et al.,"DNA Cloning,A Laboratory Manual," Cold Spring Harbor Lab oratory,1989またはAusubel et al.eds.in "Current Peotocols in Molecula r Biology",John Willey and Sons,1995などに、一般に示される標準的な方法 により行う。 以下の実施例を本発明をより詳しく記載するために示す。これらは本発明の範 囲を限定するものではない。 実施例I スペクチノマイシン耐性の選択によるアラビドプシス葉におけるプラスチド形 質転換 以下の材料およびプロトコールにより実施例Iの方法の実行が可能となる。用 いた方法の概要図を図2に示す。植物材料 形質転換の受容体として、アラビドプシス・エコタイプ・RLDを用いた。こ のエコタイプは、培養において容易に再生可能であることが報告されている(Mar ton and Browse,1991)。ベクターpGS31Aの構築 アラビドプシスプラスチド形質転換ベクターpGS31Aを図1中に示す。p GS31Aの直接の祖先は、プラスミドpGS7、pBluescript K S(+)ファージミドベクター(Stratagene)誘導体である。プラスミドpGS 7は、16S rRNA遺伝子の5’−末端、trnVおよびrps12/7オ ペロンの部分を含む2−kbのHindIII−EcoRIアラビドプシスptD NAフラグメントを有する。pGS7プラスミドの構築の間に、HindIII( 16S rDNA中の部位)およびKpnI(ベクター中、T4DNAポリメラ ーゼで処理して一本鎖張り出し部分を除去する)で消化し、平滑末端を連結して 、除去する。ベクターpGS31Aは、プラスミドpZS197(Svab and Mal iga,1993)中に存在する、選択可能なスペクチノマイシン耐性遺伝子(Prrn::a adA::TpsbA)を有する。aadAコーディング領域は、合成リボソーム結合部位 (Prrn)と融合したタバコrRNAオペロンのプロモーターからなる合成プロモ ーターから転写される。aadA mRNAをコーディング領域の下流の配列と タバコプラスチドpsbA遺伝子(TpsbA)の3’−非翻訳領域を転写的に 融合させて安定化する。pGS31Aの遺伝子は、aadAおよびTpsbAの 間のXbaI部位が平滑化によって除去されたpZS197の修飾祖先由来であ る。プラスミドpGS31Aを、trnVおよびrps12/7オペロン間のプ ラスミドpGS7の特異的HincII部位への連結のために、キメラaadAを EcI136II(SacIのイソキソマー、平滑末端になる)およびBspHI (一本鎖張り出しを埋めて平滑末端を得る)で除去して得た。組織培養基 組織培養プロトコールをMarton adn Browse(1991)およびCzako et al.(1993) から適用した。アラビドプシス組織培養基(ARM)は、Murashige&Skoog(1962) MS培地の誘導物である。ARM培地:MS塩、3%シュークロース、0.8% TC寒天、2ml/Lビタミン溶液(1mlあたり、100mgミオイノシトー ル、5mgビタミンB1、0.5mgビタミンB6、0.5mgニコチン酸、1 mgグリシンおよび0.05mgビオチン)。ARMI培地:1リットルあたり 、3mgインドール酢酸(IAA)、0.15mg2,4−ジクロロフェノキシ酢 酸(2,4−D)、0.6mgベンジルアデニン(BA)および0.3mgイソ ペンテニルアデニン(IPA)を含むARM培地。ARMIIr培地:0.2m g/Lナフタレン酢酸(NAA)および0.4mg/L IPAを加えたARM 培地。アラビドプシス・苗条誘導(ASI−NIBI)培地:1mg/L NA Aおよび1mg/L BAPを加えたARM培地。アラビドプシスの苗条をAR M培地上に根付かせた。アラビドプシス種子培養(ARM5)培地:5%シュー クロースを加えたARM培地。植物ホルモンのストックを濾過滅菌し、オートク レーブ後45℃に冷却した培地に添加した。 選択培地は、500mg/LスペクチノマイシンHClおよび/または硫酸ス トレプトマイシンを含んだ。抗生物質(濾過滅菌)をオートレクーブ後45℃に 冷却した培地に添加した。滅菌培養におけるアラビドプシス植物の培養 表面滅菌のため、種子(25mg)をエッペンドルフチューブ中5〜7分間時々 ボルテックスしながら1mlの市販の漂白剤(5.25%次亜塩素酸ナトリウム) で処理した。種子を漂白剤とともに10mlの90%エタノールを含む15ml のコニカル遠心チューブ中に注ぎ、5〜7分間インキュベートした。エタノール -漂白剤混合物をデカントし、種子を10m1のオートクレーブした脱イオン化 水で4回洗浄し、最後に滅菌水中に再懸濁した(約150種子/ml)。得られた 種子懸濁液(2ml)を50mlのARM5培地を含む深(高さ10mm)ペト リ皿中に注いだ。懸濁液をかき混ぜて、種子を一様に広げた。ついで水をピペッ ティングによりプレートから除去した。種子が24℃において10〜15日培養 後発芽した(培養中、プレートを冷白色蛍光チューブ(2000lux)を用い て8時間照らした)。 植物をより大きな葉に生育させるため、実生をそれぞれARM5プレート(1 0cmペトリ皿あたり10植物)に移し、冷白色蛍光バルブ(lux;温度21℃ 昼間、18℃夜)で8時間照らした。厚い、暗緑葉、大きさ1cmないし2cm を5〜6週間後、爆撃のために収集した。スペクチノマイシン耐性系の形質転換および選択 プラスチド形質転換のために葉(長さ約1.5ないし30mm)を滅菌的に生 育させた植物から収集した。直径4〜5cmの円形領域を覆うために、12〜1 8の葉を寒天固化ARMI培地上に置いた。pGS31AベクターDNAを、ヘ リウム−作動PDS1000バイオプラスチックガンを用いて微視的(1μm) タングステン粒子の表面上で、バイオリスチック方法により葉クロロプラスト中 へ導入した。新鮮な葉を450psiで爆撃した(標的を破裂ディスクから9c mのところに置く;バイオプラスチックガンを上からNo.3にセット)。AR MI培地上で4日間培養した葉を1100psiで爆撃した(標的を破裂ディス クから12cmのところに置く;バイオプラスチックガンを上からのNo.4に セット)。 葉爆撃をARMI培地中で行った。爆撃に続けて、葉をARMI培地中でさら に2日間培養した。この期間の後、葉をカミソリの刃のスタックで印をつけ、1 mm離れた一連の平行な切り込みを作成した。葉において均一なカルス形成を誘 導するために機械的に傷つけることが必須であることがこれまでに観察されてい る。印をつけた葉をスペクチノマイシン(500mg/ml)を含む同じ培地( ARMI)上に移し、形質転換ptDNAコピーを含むプラスチドの優先的な複 製を促進させた。ARMI培地は、葉細胞の分化および無色、胚発生カルスの形 成 を誘導する。ARMI培地上で7〜10日選択後、正常に緑化を誘導するARM IIr培地上でスペクチノマイシン選択を継続した。スペクチノマイシンは野生 型細胞の緑化を妨げるので、スペクチノマイシン耐性細胞のみが緑色カルスを形 成する。選択ARMIIr培地上での可視化緑色細胞カルスターが21ないし7 0日のうちに現れた。 201爆撃化試料中、19のスペクチノマイシン−耐性系を得た。14のスペ クチノマイシン−耐性系で植物再生を試み、そのうちの10個で成功した。緑色 カルスからの苗条をASI−NIBI培地上で再生し、ARM培地上に根付かせ た。 表1は、プラスミドpGS31Aのバイロリスティックデリバリー後のスペク チノマイシン耐性細胞系の回復を示す。 表1.プラスミドpGS31Aでのエイ.サリアナの爆撃後のスペクチノマイシ ン耐性系の回復 1対照プレートは爆撃しなかった。2 psi=インチ四方あたりのポンド、破裂ディスクの値プラスチド形質変異を確認するための全細胞DNAのサザンハイブリダイゼーシ ョン解析 スペクチノマイシン耐性は、プラスチド中のaadAの発現(Svab and Maliga ,1993)、核中のaadAの発現(Svab et al.,1990b)、または自然突然変異(From m et al.,1987;Svab and Maliga,1991)による可能性がある。サザンハイブリ ダイゼーションを行い、単離したスペクチノマイシン耐性系におけるプラスチド 形質転換体を同定した。全細胞DNAをMettler(1987)にしたがって単離した。 制限酵素−消化DNAを0.7%アガロースゲル中で電気泳動し、ナイロン膜(A mersham)へ、PosiBlot transfer装置(Stratagene)を用いて移した。ブロッ トを迅速ハイブリダイゼーション緩衝液(Amersham)を用いて、ランダムプライ ミングにより生成した32P標識プローブ(Boehringer-Mannheim)で、プローブ化 した。プローブとして標的ptDNAを用いた場合、At−pGS31A−2お よびAt−pGS31A−16の系において、3.82−kbのトランスジェニ ックフラグメントのみが検出され、野生型のptDNAコピーが選択培地上での 細胞分化の間に選択的に希釈されていることが示唆された。同じトランスジェニ ックフラグメントはまた、aadAプローブともハイブリダイズした(図1C)。 19のスペクチノマイシン耐性系のうち、17の核形質転換体が、標的ptD NAプローブとハイブリダイズした場合、サザンブロット上で野生型のフラグメ ントにより同定された。用いたサザンブロットは高コピー(細胞あたり1000 0)葉ptDNAに対して至適化されており、2、3の核aadAコピーでのシ グナルは検出されないことに注意されたい。 自然突然変異体は、サザンブロット上野生型のptDNA標的フラグメントを 有し、PCR−増幅aadA遺伝子を有さないものと考えられる。19のスペク チノマイシン耐性系の試料において、そのような自然突然変異体は見られなかっ た。挿入されたaadA配列のPCR増幅 DNAを標準的なプロトコール(92℃で1分、58℃で1.5分、72℃で 1.5分、30サイクル)にしたがって増幅した。aadA発現の結果によるス ペクチノマイシン耐性を、以下のプライマー: 5’−GCTTGATGAAACAACGCGG−3’ 5’−CCAAGCGATCTTCTTCTTGTCCAAG−3’ を用いて407のヌクレオチド内部セグメントのPCR増幅により確認した。トランスプラストム・アラビドプシス植物 トランスプラストム・アラビドプシス植物はすべて開花したけれども、自殖後 、または野生型植物からの花粉での受精後も、これらはいずれも種をつけなかっ た。 これらには、スペクチノマイシン耐性がプラスチド形質転換によるものである2 つの系から再生された98の植物、および、スペクチノマイシン耐性が核ゲノム 中のaadAの発現によるものである12の系から再生された66の植物が含ま れた。結論および考察 重要な農業の解決法の、モデル種アラビドプシス・サリアナにおけるプラスチ ド形質転換が本発明において記載される。前記の結果に基づき、アラビドプシス ptDNAの標的カセット中に挿入されると、キメラaadA遺伝子は、形質転 換DNAのバイオリスティックデリバリー後プラスチド形質転換体を回収するの に適していることが見出される。しかしながら、アラビドプシスプラスチド形質 転換体の数は、タバコプラスチドの形質転換体(爆撃試料あたり平均1個の形質 転換体、Svab and Maliga,1993;Zoubenko et al.,1994)に基づいて期待され るよりも、かなり少ない(100個のうち約1個)。比較的少ない形質転換効率に は、多数の理由があるかもしれない。アラビドプシスクロロプラスとにおいて相 同組換え系が比較的効率的でないなどの、固有の種−特異的相違が1つの明らか な理由であろう。 タバコベクターpZS197において、aadAは1.56−Kpおよび1. 29kbのptDNAに隣接しており、爆撃あたり1個の形質転換体を得る(Sva b et al.,1993)。またタバコベクターである、プラスミドpRB15において、 aadAは、より大きな標的セグメント、1.56−kbおよび3.6kbのp tDNAが隣接しており、爆撃あたり約5プラスチド形質転換体が得られる(Boc k and Maliga,1995)。アラビドプシスベクター、pGS31Aにおいて、aad Aは、両方の側に約1−kbのプラスチド標的配列のみが位置する。それゆえ、 アラビドプシスにおけるプラスチド形質転換の効率は、標的ptDNAフラグメ ントの大きさを増加させることで有意に改良されるかもしれない。 葉から再生された植物のほとんどが受精可能であるタバコと対照的に、164 の再生されたアラビドプシス植物のいずれもが種をつけなかったことは驚くべき ことである。受精能の欠損は、部分的には、Galbright et al.,(1991)およびMe laragno et al.,(1993)により報告されるように、葉組織の広範囲な倍数性によ るかもしれない。受精能の欠損の別の理由は、2,4−Dへの培養物の長い期間 の曝露であるかもしれない(Van der Graff and Hooykaas,1996)。 実施例II カナマイシン耐性を選択することによるアラビドプシス子葉におけるプラスチド 形質転換 実施例Iに記載されているように、DNA被覆のタングステン粒子で爆撃を与 えた後、葉培養基中のスペクチノマイシン耐性を選択することにより、アラビド プシン・サリアナにおけるプラスチド形質転換を得た。プラスチド形質転換は成 功したが、再生植物は受精能を有しなかった。これらの障害は形質転換プロトコ ールの特定のパラメーターを変えることで解決された。 この実施例にて開発され、かつ示されているプロトコールは以下の顕著な特徴 :(1)その利用可能性が容易であるため、成熟種子を発芽させることで得られる 子葉を用いるのに供し、それで多量の滅菌性子葉を表面滅菌種子より得る。(2) 該プロトコールは2つの別々の工程を有する。第1工程は高オーキシン培地を用 いて子葉全体に均一な細胞分裂を誘発し(段階I)、第2工程は高サイトカイニン 培地を用いて植物再生を誘発する(段階IIおよびIII)。該プロトコールは、組織 培養の間の2,4−D含有培地への暴露を最小限とするか、またはより好ましく は、かかる暴露を完全に排除するように設計された。(3)後で豊富な植物再生を 得るのに不可欠であることが証明されている、最初の8日間(段階I、II)の間 に子葉細胞を高密度、すなわち、液体培地20ml中500−200個の子葉で 初期培養すること、を有する。 アラビドプシスにおけるプラスチド形質転換についてのプロトコールは、以下 のように、標的組織として子葉を、選択マーカーとしてカナマイシン耐性を利用 すして行った。キメラkan遺伝子をプラスミドpTNH7、ネオマイシンホス ホトランスフェラーゼ(NPTII)をコードするpUC118誘導体、カナマ イシン抗生物質を酵素不活性化する酵素より誘導する。タバコ標的プラスミド( プラスミドpTNH32)中の同じキメラkan遺伝子をタバコ中のプラスチド 形質転換体を直接選択するのに用いた(Carrerら、1993)。kan遺伝子の構 築は、当該文献にさらに詳細に記載されている。プラスミドpGS85Aは、k anをpTNH7よりSacI/PstIフラグメントとして切除し、平滑末端 し、そのフラグメントをプラスミドpGS7のHincII部位にクローンする ことにより得られた(図4)。pGS85Aのkan遺伝子は、プラスミドpGS 31AのaadAのように、Prrn/TpsbAカセットにて発現する。しか し、高度に発現されたrbcLコーディング領域の5個のN−末端アミノ酸は、 ネオマイシンホスホトランスフェラーゼN−末端と翻訳融合した。タバコでのこ の翻訳融合は、rbcL N−末端セグメント不含の同一の構築物に由来するよ りも10倍高いレベルでNPTIIの蓄積をもたらす。キメラkan遺伝子のD NA配列を含めpGS85Aの配列を本明細書中に示す。 第1に、種子−セットを組織培養プロトコールにより再生植物にて試験した。 その後、DNA被覆のタングステンで爆撃を与えた後のカナマイシン耐性クロー ンの選択物を評価した。これらの該方法の改良は、受精能のある形質転換された アラビドプシス植物の生成に適している。以下の材料およびプロトコールをこの 実施例IIの方法を行うのに利用した。種子発芽 アラビドプシス・サリアナ生態型RLDの種子を、市販の漂白剤(5%次亜塩 素酸ナトリウム)を用いて5分間表面滅菌し、つづいて5分後、95%エタノー ルで処理する。トリトンX−100(1滴)をその漂白剤に加え、滅菌処理の期 間、その種子の表面を湿らせた。滅菌処理後、種子を滅菌脱イオン水で5−6回 洗浄した。10cmペトリ皿中のGM培地上で種子を発芽させた。表2を参照の こと。パーシバル(Percival)増殖チャンバー中、23℃で8ないし9日間、連 続的照明の下、そのペトリ皿をインキュベートした。 表2 種子発芽(GM)培地の組成 培地 濃度(mg/L) MS基礎塩 0.5X ミオイノシトール 100 チアミン 0.1 ピリドキシン 0.5 ニコチン酸 0.5 グリシン 2.0 シュークロース 30g/L pH 5.8 文献: van der GraaffおよびHooykaas、1996組織培地および培養条件 選択プロトコールの段階I、IIおよびIIIに用いた組織培地の組成を表2およ び3に列挙する。少なくとも50ないし2000個の子葉を、各々、約20ml の培地を含有する、ペトリ皿(100mm x 20mm)に無菌状態で移すこと で段階IおよびIIの液体培養を確立した。そのペトリ皿をニューブランズウィッ クG10旋回振盪器にて23℃で60rpmでインキュベートし、冷蛍光を16 時間照明した。段階IIIのプロトコールにて、寒天−固化(0.8%TC寒天、JRH Bioscience)培地上、50mlの培地中に約25−30個の子葉/ペトリ皿(1 00mm x 20mm)で子葉をインキュベートした。培養物を段階IおよびII に記載されているように照明した。 再生植物を、ガス交換用の通気孔を設けたマゼンタ(Magenta)ボックスのG M培地に直接移した。そのマゼンタボックス中の植物を、培養室中で23℃でイ ンキュベートし、冷蛍光で16時間照明した。植物は、ボックス中で開花して種 子を形成した。 実施例Iについて記載されている方法を修飾し、形質転換されたプラスチドゲ ノムを有する受精能のあるアラビドシス植物を生成した。3つの異なる組織培養 段階を利用してプラスチド形質転換を得た。段階I:均一な細胞分裂を促進する ための高オーキシン培地の液体培養基。段階II:形質転換細胞から植物再生を誘 発するための高サイトカイニン培地の液体培養基。段階III:さらに植物再生を誘 発するための高レベルのサイトカイニンを含有する寒天−固化培地の培養基。 受精能のあるプラスチド形質転換体を得るための最良のプロトコールを同定す るために用いた方法の模式図を図3に示す。液体培養基中にて均一な細胞分裂を 誘発するために、4種の培地、C1(van der GraaffおよびHooykaas、1996) 、ARM I(MartonおよびBrowse、1991)、R3およびPG1 (FeldmannおよびMarks、1986;アラビドプシスにてカルスおよび/または 体細胞胚発生を誘発すると報告されている)を利用した。段階Iの処理を短期間 (2日間)続け、通常のタイミングで爆撃後、外植片を選択培地に移し、使用す るならば、2−4−Dの副作用を最小限とした。利用した段階Iの組織培養基の 組成を以下の表3に列挙する。 表3: 段階Iの組織培養基の組成* 培地 ARMI C1 R3 PG1 基礎塩 MS MS MS MS ビタミン ARMI B5 MS B5 2,4−D 0.15 − 0.5 2.2 BAP 0.6 0.2 − − IAA 3.0 − 5.0 − IPA 0.3 − − − NAA − 1.0 − − KIN − − 0.3 0.05 シュークロース 30g 30g 30g 30g pH 5.8 5.8 5.8 5.8 * すべての成分はmg/Lである。文献:ARM1、MartonおよびBrowse、 1991;C1、van der GraaffおよびHooykaas、1996;R3およびPG1 、FeldmannおよびMarks(1986)。 段階IIの培養の場合、1種類だけの培地(A;表4)を用いた。この培地は未 成熟な子葉から植物再生を誘発するのに効果的であった(PattonおよびMeinke、 1988)。子葉を段階IIに液体培養基中、高密度で合計でさらに6日間保持し た。 段階IIIの培養の場合、子葉を4種の寒天−固化の再生培地に移した。これら の培地は、未成熟胚からの植物再生を発生させるA培地(PattonおよびMeinke、 1988);根外植片から植物再生を発生させるB培地(ARMII;Martonおよ びBrowse、1991);本明細書にて設計したC培地;および根(ARMI;Mar tonおよびBrowse、1991)および葉(実施例I)外植片についての胚誘発培 地であるD培地を含む。 表4: 段階IIおよび段階IIIの植物再生培地 培地 A培地* B培地* C培地* D培地* 基礎塩 MS MS MS MS ビタミン B5 B5 B5 B5 NAA 0.1 − 1.0 − IAA − 0.1 − 3.0 BAP 1.0 − 1.0 0.6 2iP − 4.0 2.0 0.3 2,4−D − − − 0.15 シュークロース 30g 30g 30g 30g 寒天(TC) 7g 7g 7g 7g pH 5.8 5.8 5.8 5.8 * すべての成分はmg/Lである。A培地はPattonおよびMeinke、1988に 基づく;B培地はMartonおよびBrowse、1991のARMIIと同じで ある;C培地はAおよびD培地に基づいて本明細書で開発した培地である;D培 地はMartonおよびBrowse、1991のARMI胚−誘発培地と同じである。 植物再生および受精能試験 4種のすべての培地における段階Iの培養の最初の2日間で、子葉は緑色のま まであり、わずかに大きくなった。カルス/胚誘発培地にて2日経過した後、段 階IIのために子葉を4種のすべての培地からA液体再生培地に移した。緑色カル スがA培地にて培養した3日経過後から出現し始め、7日目までに子葉全体にカ ルスが出現した。この段階で培養物を、胚/苗条の増殖を促進する段階IIIの半 固体培地に移した。培地1(ARM1)および2(C1)から由来のカルスは緑 色であった。これらの外植片からの苗木の成長は、培養後21日までに観察でき た。培地3(R3)および4(PG1)から由来のカルスもまた、極めてコンパ クトではあるが、緑色であった。これは、おそらく、段階I培地にて2,4−D が高濃度であることによるものである。これらの培養基では2、3の苗木が30 日経過後にのみ現れた。すべての培養基からの植物を、大きさが5−10mmと なるとすぐに、ホルモン不含のGM培地に移した。 図3に示されるプロトコールを2つのレベル:細胞分裂および子葉からの苗条 再生の均一な誘発;および再生植物の生存種子の生成で評価した。結果を表5で 要約する。第1の基準に基づくと、最良の組合わせは2AC、すなわち、段階I でC1培地で、段階IIIでC培地のものであり、これらの処理は外植片の各々に ついて観察される増殖性苗条をもたらした。第2の優れた組合わせは、段階Iで ARM1を、段階IIIで培地Cを用いる、1AC(40のうち35の外植片が苗 条を再生した)であった。段階Iでの培地3と4の組み合わせは、子葉のほんの わずかなフラクションだけで、苗条の形成はほとんどなかった。 生存種子の形成に関する限りでは、一つを除いて、再生植物は、各々、生存種 子を生成した。表5を参照のこと。最も重要なこととして、2つの組み合わせ( 2ACと1AC)で、受精能に関して副作用は何ら観察されず、その苗条再生は 豊かであった。 表5 図3に模式的に示されたプラスチド形質転換プロトコールを介して再生されたア ラビドプシス・サリアナRLD植物に関するマゼンタボックス中の種子−セット 培地 培養された 苗条を有す ボックス中 生存可能な 子葉の数 る子葉の数 の植物の数 種子の数 1AA 40 20 8 8 1AB 40 25 8 8 1AC 40 35 8 8 1AD 40 − − − 2AA 40 25 12 12 2AB 40 22 8 7 2AC 40 40 16 16 2AD 40 2 − − 3AA 40 12 4 4 3AB 40 6 4 4 3AC 40 20 − − 3AD 40 1 − − 4AA 40 1 − − 4AB 40 1 − − 4AC 40 4 4 4 4AD 40 1 − 1カナマイシン耐性によるプラスチド形質転換体の選択 ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)をコードするkanの発 現は、アラビドプシス核に導入されると、カナマイシンに対する耐性を付与する 。kanを操作した形態は、アラビドプシス(Valvekensら、1988を参照の こと)およびブラシカ(Radkeら、1992を参照のこと)の核形質転換体を得 る のに広く用いられる。kan遺伝子はタバコにおけるプラスチド形質転換体を選 択するためにプラスチドマーカーに変換される(Carrerら、1993)。実施例I に示されるように、アラビドプシスプラスチド形質転換体は、タバコのPrrn /TpsbAカセットのaadAにより得られるスペクチノマイシン耐性につい て選択することにより得られる。PrrnはプラスチドrRNAオペロンから誘 導されるプロモーターであり、TpsbAはキメラプラスチドmRNAの安定性 のために要求されるプラスチドpsbA遺伝子の3’非翻訳領域を有する(Svab およびMaliga、1993)。プラスチド形質転換体を選択するのに適当なカナマ イシン耐性マーカー遺伝子は、kanをPrrn/TpsbAカセットにて発現 させることにより得ることができる。アラビドプシンおよびブラシカからの適当 なカナマイシン耐性プラスチド形質転換ベクターは、プラスチドpTNH32か らのキメラカナマイシン遺伝子を有するpGS85Aベクターである(Carrerら 、1993)。pGS85Aにおける挿入部位はtrnV/rps12/7遺伝 子間領域のHincII部位である。しかしながら、プラスチドゲノムの他の遺 伝子間領域を、導入されたトランス遺伝子がフランキングプラスチド遺伝子の発 現を干渉しないことを条件として、標的とすることができる。 プラスチド形質転換は、前記した1ACまたは2AC組織培養プロトコールの 後に行うことができる。形質転換するための適当な標的組織を調製するために、 8−9日齢の苗木の子葉を、液体ARM1およびC1培地中の苗木から切断し、 1ACおよび2ACプロトコールで示されるように2日間培養した(図3)。2日 経過した後、その子葉を同一組成の寒天−固化した非選択性培地上の濾紙(What man No.4)に移す。3cm2の領域を覆うのに、約50ないし70個の子葉が必 要である。ついで、その子葉をプラスチドpGS85Aで爆撃し、カナマイシン 耐性に付し、アラビドプシンベクターを形質転換する。プラスミド調製、タング ステン粒子の被覆および爆撃はタバコについて記載されているように実施した(M aliga、1995)。表現型を発現させる場合、子葉を同じプレートに2日間放置 する。その後、該子葉を50mg/Lの硫酸カナマイシンを含有する選択性液体 A培地に移し、さらに7日間培養する。7日後、子葉を50mg/Lの カナマイシンを含有する選択性寒天−固化のC培地に移す。別の具体例において は、最初に25mg/mlのカナマイシンを用いて選択を行ってもよい。培養の 後期の段階で、カナマイシン濃度を50mg/mlに上昇させる。選択性培地上 の形質転換細胞からのカルス増殖は1週間と早期に観察することができる。しか しながら、別のカナマイシン耐性クローンは出現に数週間またはそれ以上を要す るかもしれない。これらの幾つかはプラスチド形質転換体であるのに対して、そ の他は、核中にプラスチドkan遺伝子を発現するため、カナマイシンに対する 耐性を獲得する(Carrerら、1993)。2種類のカナマイシン耐性クローンは、 (実施例Iに記載されているように)DNAゲルブロット分析およびPCR分析 により容易に区別することができる。標準プロトコールに従ってDNAを増殖さ せた(92℃で1分間、58℃で1.5分間、72℃で1.5分間、90サイクル) 。ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子が発現した結果、カナマイシン 耐性が生じ、それは以下のプライマーを用いて548個のヌクレオチド内部セグ メントをPCR増幅することで立証できる: 5’−CCGACCTGTCCGGTGCCC−3’ 5’−CACGACGAGATCCTCGCCG−3’ 実施例III スペクチノマイシンおよびカナマイシンに対する耐性を選択することによるブラ シカ・ナプス葉におけるプラスチド形質転換 本質的に同一のゲノムを得るならば、アラビドプシスについて開発したプラス チド形質転換ベクターおよび発現カセットを用いて、修飾することなく、ブラシ カ種におけるプラスチド形質転換および異種遺伝子の発現に供することができる 。 進化論的に遠い種類から由来する特定のプラスチド発現シグナルが、アラビド プシスおよびブラシカプラスチドにて機能する。この観察は、実施例Iに記載す る、タバコのPrrn/TpsbAカセットがアラビドプシスプラスチドにて選 択可能なスペクチノマイシン耐性遺伝子(aadA)を発現させるのに用いるこ とができることを示す、結果により支持されている。しかし、すべてのタバコ発 現シグナルがアラビドプシスにて適当に機能するわけではない。終止シグナルT psbAをシグナルTrps16と置き換えることを除いて、PGS31Aと同 一のベクターを用いる実験は、プラスチド形質転換体を得ることに劇的な効果を 有する。このプラスチド遺伝子は、Prrn/Trps16カセットをPGS7 ベクター中の標的部位に挿入することにより得られる。図4を参照のこと。この プラスチドで爆撃した416個のサンプルで、プラスチド形質転換体は全く得ら れなかった。前記したように、Prrn/TpsbAカセット(StaubおよびMal iga、Plant Journal 6:547−553、1994ならびにSvabおよびMaliga 、1993に記載のカセット、その内容を出典明示により本明細書の一部とする )を利用して、アラビドプシス葉を形質転換した場合、爆撃した210個のサン プルのうち2個で、プラスチド形質転換体が得られた。 分類上同類であるため、アラビドプシスとブラシカ種は、組織培養において、 植物ホルモンまたは抗生物質に対して同様に応答する。その結果、培養細胞から の植物再生および抗生物質耐性によるトランスジェニック系統の選択は、本質的 に同じプロトコールで達成することができる。アラビドプシスおよびブラシカの 両方の葉または子葉外植片は、表6に示す苗条再生培地、例えば培地C上の野生 型の形質転換していない組織にて豊かにカルス増殖しながら500mg/Lのス ペクチノマイシンに対して応答する。この応答は、500mg/mlのスペクチ ノマイシンへの暴露が苗条誘発培地上でのカルス増殖の強い阻害をもたらす、タ バコの葉組織とは有意に異なっている。すなわち、タバコプラスチド(および核 遺伝子)形質転換体は、500mg/Lのスペクチノマイシン含有の苗条誘発培 地で容易に再生することができる(SvabおよびMaligam、1993)。残念ながら 、スペクチノマイシン含有のC苗条/胚再生培地上での迅速なカルス増殖は(表 6を参照のこと)、アラビドプシスおよびブラシカプラスミド形質転換体の回収 を妨げる。培養条件を改良し、迅速なカルス増殖を抑制し、プラスチド形質転換 体の回収を促進しなければならない。かかる条件は実施例Iに示されている。選 択は可能であり、プラスチド形質転換体は実施例Iの方法を用いて得られたが、 再生されたトランスプラストム植物は受精能がなかった。しかしながら、ブラシ カ の2,4−Dに対する耐性を高めたならば(Radkeら、1992)、実施例Iに記載 の同じプロトコールをブラシカにおける使用に適用することができる。 実施例IIに表されるデータは、カナマイシン選択が前記の再生プロトコールで 他花受容が容易であることを示す。したがって、カナマイシンが、クルシフェラ エ(Cruciferae)分類群中のプラスチド形質転換体を選択するための好ましい抗 生物質である。 実施例IおよびIIは、アラビドプシスの葉および子葉からトランスジェニック 植物を再生するためのプロトコールを開示する。ブラシカでのトランスジェニッ ク植物を再生するためのプロトコールは、葉については2段階プロトコール(2 種の異なる培地の使用)および子葉については3段階プロトコール(3種の異な る培地を使用)からなる。実施例IIにおけるアラビドプシス子葉のプラスチド形 質転換における使用のために記載されている3段階プロトコールが、ブラシカで の使用に適している。したがって、2段階工程にてブラシカ葉プラスチドを形質 転換する方法だけを以下に記載する。 標的組織として葉を、選択マーカーとしてカナマイシン耐性を用いるブラシカに おけるプラスチド形質転換 ブラシカの段階Iの培養は、葉または子葉において細胞分裂を均一に誘発させ る。段階IIの目的は、トランスジェニック植物の再生である。細胞分裂を誘発す るための適当な段階I培地は実施例IおよびIIに記載されているARMI培地で あろう。適当な段階II再生培地は、表6に列挙されている、B培地(ARMII 、MartonおよびBrowse、1991)、C培地(この実験)およびE培地(Pelletier ら、1983)であろう。 表6 段階IIのブラシカ植物再生培地* 培地 B培地 C培地 E培地 基礎塩 MS MS MS ビタミン B5 B5 B5 NRR − 0.1 1.0 IAA 0.1 − − BAP − 1.0 − 2iP 4.0 2.0 1.0 GA3 − − 0.02 シュークロース 30g 30g 30g 寒天(TC) 7g 7g 7g pH 5.8 5.8 5.8 * 成分はすべてmg/Lである。B培地はMartonおよびBrowse、1991 のARMIIと同じであり;C培地はこの実験の使用培地であり;E培地はPell etierら、1983のクルシフェラエ再生培地である。 プラスチド形質転換体を選択する場合、実施例IIにてアラビドプシスについて 記載されているように、ブラシカ・ナプスcv.ウェスター種子を表面滅菌し、 マゼンタボックスにて無菌状態で発芽させる。3ないし4週間後、葉を収穫して 、寒天−固化の非選択性段階I培地上に置いたWhatman濾紙に直接配置する。実 施例IIに記載されているように、選択可能なカナマイシン耐性マーカーを有する 適当なプラスチド形質転換ベクターのDNAで爆撃した後、プレートを25℃で 光源(16時間)の下で2日間インキュベートする。2日後、多くの滅菌処理し たカミソリ刃で切り込み、50mg/Lの硫酸カナマイシンを補足した同一の段 階I培地に移した。別の具体例において、最初に25mg/mlのカナマイシン を用いて選択を行ってもよい。培養の後期の段階で、カナマイシン濃度を50m g/mlに上昇させる。選択性段階I培地上で2週間経過した後、植物再生用の 段階II培地の一つに葉を移す。カナマイシン耐性クローンをその迅速な増殖およ び選択培地上での苗条再生により同定する。カナマイシン耐性はプラスミド形質 転換またはカナマイシンマーカー遺伝子の核ゲノムへの組み込みによるかもしれ ない。プラスミド形質転換は、カナマイシン耐性カルスおよび再生している苗条 より採取した組織サンプルをPCRおよびDNAゲルブロット分析に付すことに より確認される。ついで、標準プロトコールに従って、再生した苗条を根づかせ て温室の土壌に移す。 本発明の特定の好ましい具体例を上記して詳細に例示したが、本発明はかかる 具体例に限定されない。以下の請求の範囲に示される、本発明の範囲および精神 から離れることなく、様々な修飾が本発明になされるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 シクダル,サミル・アール インド712101ウエスト・ベンガル、ディス トリクト・フーリー、ナワバガン・ビーオ ー・チンスラー711番 (72)発明者 レディ,シバ・バンガ インド110070ニューデリー70、バーサン ト・クンジ・ビー1/1160番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.トランスプラストム植物を得るための方法であって、 a)植物からの植物細胞を均一な細胞分化を促進する薬剤の存在下で培養し; b)該植物細胞を寒天固化培地上の濾紙に移し; c)該植物細胞内のプラスチドゲノムに、形質転換DNAをデリバリーし、ここ で該形質転換DNA分子は: i)形質転換されるプラスチドゲノムからのプラスチドDNA配列からなる複 数の標的セグメント(該標的セグメントは該形質転換DNAの該プラスチドゲノ ムへの相同組換えを促進する); ii)該標的セグメント内に配置される選択マーカー遺伝子に作動的に連結し たプラスチドDNA由来の5’および3’調節配列(該調節配列は、選択マーカ ー遺伝子の発現およびそれによりコードされるmRNAの安定性を促進し、該選 択マーカー遺伝子は、該植物細胞に抗生物質耐性を与える); iii)目的とする外来遺伝子をコードする配列に作動的に連結したプラスチ ドDNA由来の5’および3’調節配列(これにより目的とする外来遺伝子の発 現およびそれによりコードされるmRNAの安定性を促進する) iv)該選択マーカー遺伝子に隣接した目的とする外来遺伝子を挿入するため の少なくとも1つのクローニング部位(該挿入は、該選択表現型の付与および隣 接するプラスチド遺伝子の機能を妨げない) を有する; d)工程c)において形質転換された細胞を所定の期間、高密度で培養倍地中に 移し(該培養基は連続する均一な細胞分裂および植物再生を促進する薬剤を含む) ; e)工程d)において処理した細胞を再生促進剤および抗生物質を含む寒天固化 培養基に移し(該形質転換細胞は、選択マーカー遺伝子の発現により該抗生物質 に対して耐性となっている); f)形質転換されたプラスチドゲノムを有し、植物再生を誘導する細胞を選択す る ことを含む方法。 2.形質転換DNAが、DNA−被覆粒子による該細胞のバイオリスチック爆撃 、CaPO4媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、およびポリ エチレングリコール媒介DNA取り込みからなる群から選択される方法によりデ リバリーされる、請求項1記載の方法。 3.植物細胞が、子葉細胞、葉細胞、胚軸および根細胞からなる群から選択され る、請求項1記載の方法。 4.選択マーカー遺伝子および目的とする外来遺伝子がモノシストロン性発現単 位を構成する、請求項1記載の方法。 5.選択マーカー遺伝子および目的とする外来遺伝子がポリシストロン性発現単 位を構成する、請求項1記載の方法。 6.プラスチドがクロロプラストである、請求項1記載の方法。 7.抗生物質が、カナマイシン、スペクチノマイシン、およびストレプトマイシ ンからなる群から選択される、請求項1記載の方法。 8.均一な細胞分化を促進する薬剤が、NAA、IAAおよび2,4−Dからな る群から選択される、請求項1記載の方法。 9.再生促進剤が、BAP、21P、IPAおよびKINからなる群から選択さ れる、請求項1記載の方法。 10.形質転換DNAがベクターpGS31A中にクローニングされる、請求項 1記載の方法。 11.形質転換DNAがベクターpGS85A中にクローニングされる、請求項 1記載の方法。 12.形質転換DNAがベクターpGS7中にクローニングされる、請求項1記 載の方法。 13.植物がアラビドプシス・サリアナである、請求項1記載の方法。 14.植物がブラシカ・ナプスである、請求項1記載の方法。
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