JP2001190169A - トランスジェニックバラ植物 - Google Patents

トランスジェニックバラ植物

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JP2001190169A
JP2001190169A JP2000359912A JP2000359912A JP2001190169A JP 2001190169 A JP2001190169 A JP 2001190169A JP 2000359912 A JP2000359912 A JP 2000359912A JP 2000359912 A JP2000359912 A JP 2000359912A JP 2001190169 A JP2001190169 A JP 2001190169A
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callus
dna sequence
exogenous dna
rose
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Ebrahim Firoozabady
フィローツァバディ,エブラヒム
Clemencia Noriega
ノリエガ,クレメンシア
Karol Robinson
ロビンソン,カロル
Maro R Sondahl
サンダール,マロ,アール.
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FLORIGENE EUROP BV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外因性DNA配列を発現する細胞を有するバ
ラの苗木及びその生産方法を提供すること。 【解決手段】 バラ植物由来の成熟体細胞組織をカルス
誘発培地上でカルス形成を誘発させる工程、該カルス細
胞を外因性DNA配列を保持するアグロバクテリウム細
胞と同時培養し、ついで該細胞を選択培地中で培養して
該外因性DNA配列を発現するカルス細胞を取得する工
程、この細胞を再生培地中で培養して体細胞胚を形成さ
せる工程、この体細胞胚を成熟培地中で培養して分化し
た体細胞胚を形成させる工程、この分化した体細胞胚を
発芽培地中で培養して発芽した胚を形成させる工程、こ
の発芽した胚を根付かせて生育能力のある苗木を生産す
る工程、を含んで成る該外因性DNA配列を発現するバ
ラ苗木を生産する方法並びに外因性DNA配列を発現す
るバラの苗木を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外因性DNA配列を
発現する細胞を有するバラ植物並びにかかる細胞を有す
るバラの苗木を生産する方法に関する。さらに本発明は
外因性DNA配列を発現する細胞を有するバラ苗木並び
に外因性DNA配列を発現するバラのカルス細胞、バラ
の体細胞胚及びバラの分化した体細胞胚に関する。
【0002】
【従来の技術】ティーローズの雑種、すなわちローザ・
ハイブリダは、すべての栽培される植物の中で最も一般
的なものの一つである。価値ある植物種に関して、栽培
者(ブリーダー)は、従来の交叉交配技法を用いて、存
在する変種を改良し、そして新しい変種を創造するため
に長く研究して来た。特定の興味の特徴は、色、香料、
形態、耐除草性、耐農薬性、耐環境性、切り花の花ビン
での寿命及び同様のものを包含する。これらの分野のほ
とんど又はすべてにおける改良及び変異が達成されて来
たが、その進行は、植物の多年生性質及び異常染色体数
により引き起こされる植物不稔性の高い頻度のために遅
い。
【0003】組織培養は、変異の天然源及び突然変異が
行なわれ得る便利な培地を時々提供する。さらに、イン
ビトロ形質転換は、形質転換された植物の再生が達成さ
れる場合、植物改良のための道具として使用され得る。
【0004】組換えDNA 技法はまた、制御された及び予
定された態様で新規なバラ品種を生産するためにも使用
され得る。所望の性質を導入するために個々のバラ植物
細胞を遺伝的に形質転換し、そして改変された細胞から
増殖し得る体細胞胚及びバラ苗木を再生できることが特
に望まれる。そのような方法は、バラ植物細胞に予め選
択された外来性遺伝子を導入することができ、そしてそ
の遺伝子を発現できる形質転換された細胞の選択を可能
にすべきである。その方法は、遺伝子を安定して組込ん
だ、再生されたバラ植物を生産すべきである。しかしな
がら、バラ植物について組換えDNA技法が適用され、
この植物の改変に成功した事例は報告されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、外因性DNA配列を発現する細胞を有するバラ植物
並びにかかる細胞を有するバラの苗木を生産する方法を
提供することにある。さらに本発明の課題は、外因性D
NA配列を発現する細胞を有するバラ苗木及びバラ植物
並びに外因性DNA配列を発現するバラのカルス細胞、
バラの体細胞胚及びバラの分化した体細胞胚を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明は、バラ植物由来の成熟体細胞組織から外因性D
NA配列を発現するバラ苗木を生産する方法であって、
下記の工程、すなわち、(a) バラ植物由来の成熟体
細胞組織を、カルス形成を誘発するのに有効な量の栄養
物、エネルギー源、オーキシン、成長調節因子、及びサ
イトキニンを含むカルス誘発培地上で培養してカルス形
成を誘発させる工程であって、該組織が雄ずい花糸、葉
外植体、茎断片、苗条端、花弁、がく片、葉柄及び花柄
からなる群より選択される植物部分に由来するものであ
る工程、(b) 工程(a)のカルス由来の細胞を、栄
養物、エネルギー源、及び誘導化合物を含む同時培養培
地中で、アグロバクテリウム細胞をカルス細胞に感染さ
せそして外因性DNA配列を該カルス細胞染色体に転移
させるような条件の下で、該外因性DNA配列を保持す
るアグロバクテリウム細胞と混ぜる工程、(c) 工程
(b)で得られるカルス細胞を、栄養物、エネルギー
源、オーキシン、サイトキニン、及び選択マーカー遺伝
子を発現しないカルス細胞の成長を阻害する物質を含む
選択培地中で培養して該外因性DNA配列を発現するカ
ルス細胞を取得する工程、(d) 工程(c)から得ら
れる細胞を、体細胞胚を形成させるのに有効な量の栄養
物、エネルギー源、抗細菌剤、及びオーキシン又はサイ
トキニン以外のアブシジン酸及びジベレリン酸から選択
される成長調節因子を含む再生培地中で培養して該外因
性DNA配列を発現する体細胞胚を形成させる工程、
(e) 前記体細胞胚を、分化した体細胞胚を形成させ
るのに有効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節
因子を含む成熟培地中で培養して該外因性DNA配列を
発現する分化した体細胞胚を形成させる工程、(f)
分化した胚の上に苗条及び葉を形成させるのに有効な量
の栄養物、エネルギー源、及び成長調節因子を含む発芽
培地中で工程(e)から得られる分化した体細胞胚を培
養して発芽した胚を形成させる工程、及び(g) 前記
発芽した胚を根付かせて生育能力のある苗木を生産する
工程、を含んで成る方法に関する。
【0007】成熟体細胞組織は、たとえば雄ずい花糸、
葉外植体又は細胞懸濁培養物から得られる。成熟体細胞
組織が雄ずい花糸又は細胞懸濁培養物から得られる場
合、再生培地における、サイトキニンに対するオーキシ
ンの割合はカルス誘発培地に存在する、サイトキニンに
対するオーキシンの割合に対して少なくとも2〜約15倍
減じられ得、そして/又は再生培地におけるオーキシン
及びサイトキニンの種類は、カルス誘発培地におけるオ
ーキシン及びサイトキニンの種類とは異なる。換言すれ
ば、再生培地におけるサイトキニンに対するオーキシン
の割合は、体細胞組織が雄ずい花糸又は細胞懸濁培養物
から得られる場合、誘発培地におけるサイトキニンに対
するオーキシンの割合よりも2〜15倍低い。成熟体細胞
組織が葉外植体から得られる場合、サイトキニンに対す
るオーキシンの割合は、カルス誘発培地に存在するサイ
トキニンに対するオーキシンの割合に対して高められ
得、そして/又は再生培地におけるオーキシン及びサイ
トキニンの種類は、カルス誘発培地におけるオーキシン
及びサイトキニンの種類とは異なる。
【0008】体細胞胚の利用性及びそのような胚の増殖
能力は、植物形質転換の現在の方法、たとえばDNA 回収
の発射方法を実施するための便利な原料又はアグロバク
テリウム(Agrobacterium)培養物を提供する。
【0009】本発明は、バラ植物胚組織又はカルス細胞
を遺伝的に形質転換し、そして好ましい態様において
は、形質転換された組織又はカルス細胞を体細胞胚中で
再生し、そして最後に、生存バラ苗木に戻すための方法
をさらに含んで成る。組織又はカルス細胞は、典型的に
は選択可能マーカー遺伝子及び発現されるべき一又は複
数の遺伝子を含む外来性DNA 配列を担持するアグロバク
テリウム細胞と共にインキュベーションすることによっ
て形質転換される。形質転換された組織又はカルス細胞
は典型的には、マーカーの不在下で増殖を阻害する培地
上で選択され、そしてDNA 配列を安定して組込む体細胞
胚及び苗木に再生され得る。
【0010】本発明はさらに、外来性DNA 配列を組込む
バラカルス細胞、バラ体細胞胚、及びバラ苗木を含んで
成る。好ましくはそのような形質転換された細胞、胚及
び苗木は、本発明の方法により得られる。
【0011】本発明の方法は、予測でき且つ急速な態様
で新規なバラ品種を選択的に増殖させるための特に便利
な技法を提供する。種々の特性、たとえば色、芳香、形
態、耐除草剤性、耐殺虫剤性、花ビン寿命、耐環境性及
び他の園芸学的特徴がカルス細胞中に計画的に導入さ
れ、そして再生された胚及び苗木の染色体中に安定して
組込まれ得ることが予想される。
【0012】
【発明の実施の形態】特定態様の記載 本発明は、ローザ・ハイブリダの少なくとも一つの体細
胞胚を生成する方法及びそれらから少なくとも一つの再
生された植物を獲得する方法に向けられる。次の4段階
が、本発明の方法を用いて成熟苗木を得ることに包含さ
れる:(a)体細胞胚の生産;(b)胚の分化を誘発す
ることができる成熟培地上での前記体細胞胚の培養;
(c)発芽培地上での前記分化された胚の発芽;及び
(d)土壌状態に移され得る成熟苗木を生産するために
成長培地上での前記発芽された胚の成長。
【0013】本発明はまた、培養されたバラ植物カルス
細胞の染色体中への外来性DNA 配列の選択的導入によ
り、遺伝的に形質転換されたバラ植物、細胞及び胚を得
ることにも向けられる。その方法は、一定の出発材料、
たとえばバラカルス細胞、導入されるべきDNA 配列、DN
A 配列を担持しそしてバラカルス細胞へのそれらの移行
を仲介するためのアグロバクテリウム細胞、及びカルス
誘発、DNA トランスファー及び胚及び苗木の再生の諸段
階のための適切な培養培地類を必要とする。個々の必要
な出発材料がここに記載される。
【0014】出発材料 本明細書及び請求の範囲に使用される場合、次の用語
は、次の意味を有するであろう: 体細胞胚:体細胞から生じる接合胚に類似する構造体。
バラ体細胞胚に由来する植物は、その植物が予備形成さ
れた分裂組織の増殖の刺激により単純に得られない点で
これまでの組織培養で生産されたバラ植物とは区別され
る。 胚:体細胞胚になることができる。バラにおいて、カル
スは、胚になることができる表面構造体(たとえば約
0.5mm〜1mm)を有する。 予備−胚発生:胚発生することができる。バラにおい
て、これらのカルスはこわれやすく、白っぽいクリーム
色で、粒状である。 カルス:インビトロで種々の器官の培養により通常形成
される未分化細胞塊状物。それは、硬質、軟質、分散
性、コンパクト性、海綿状、乾燥性、水性又は同様の状
態のものであり得る。 カルス構造体:上記を参照のこと。 体細胞:生殖細胞(性生殖細胞)を除く生物の身体の一
部。 栄養培地:培養された植物細胞を維持するのに必要な濃
度で塩、炭素源及びビタミンを含む培地。 有効量:列挙された段階をもたらすのに必要な一定の成
分の量。
【0015】カルス細胞を生成するために使用されるバ
ラ植物組織は、バラ属、ローザのいずれかの種から得ら
れる。典型的な種は、ローザ・ダマスセナ(Rosa damas
cena)、ローザ・マルチフロラ(Rosa maltiflora)、ロ
ーザ・ガリカ(Rosa gallica)、ローザ・ハイブリダ及
び同様のものを包含する。ローザ・ハイブリダの種々の
栽培体、たとえばロヤルティ(Royalty)、フリスコ(Fr
isco)、ソニア(Sonia)及び同様のものが特に興味深
い。
【0016】カルス細胞の生産のために使用される植物
組織は、成熟又は未熟、好ましくは成熟体細胞組織であ
り得る。適切な未熟植物組織は、インビトロ植物組織培
養技法、たとえばAmmiratoら.,Handbook of Plant Cell
Culture,第5巻,McGraw−Hill Publishing Co.,New
York,1990,特に29章,716 〜747 ページ(この開示は
引用により本明細書に組込まれる)から得られる。組織
培養材料から得られるカルス細胞は、下記のような形質
転換の前に、“細胞懸濁液”工程に付されうる。そのよ
うな細胞懸濁液は、液体培養培地に細胞を懸濁し、そし
てその懸濁液を、典型的には約100 〜500 rpm で振盪す
ることを含む。場合によっては、細胞懸濁液は胚細胞の
生成に有用である。
【0017】好ましい成熟体細胞植物組織は、カルスを
生成できる成熟バラ植物のいずれかの部分から得られ
る。適切な植物部分は、雄ずい花糸、葉外植体、茎断
片、新芽先端、花弁、ガク片、葉柄、花柄及び同様のも
のを含み、そして雄ずい花糸及び葉外植体が特に好まし
い。
【0018】一般的に、成熟植物組織源は、カルス誘発
培養物に導入される前に殺菌される。適切な殺菌段階
は、たとえば75%エタノールによる約1分間のアルコー
ル洗浄、続く漂白剤及び適切な界面活性剤、たとえば
0.1% Tween(登録商標)による20分間の洗浄を含
む。次に植物材料は、通常、培養の前、滅菌された脱イ
オン水により、2〜3度、それぞれ約5分間すすがれ
る。
【0019】適切な雄ずい花糸は、長さ約0.5〜1.
5cm、好ましくは約1cmのものであろう。茎及び葉断片
は好ましくは、約1cm×1cm、好ましくは約0.5cm×
0.5cmの大きさに切断される。新芽先端は、約0.5
〜3mm、好ましくは約1mmの長さに切断される。
【0020】導入されるべき外来性DNA 配列は通常、形
質転換されたカルス細胞(すなわち外来性DNA をそれら
の染色体中に組込んでいる細胞)のスクリーニング及び
選択を可能にするための少なくとも一種の選択可能マー
カー遺伝子、並びに得られる植物における所望の特徴又
は表現型の発現を増強し、抑制し又は改変するために選
択される一又は複数の“機能的”遺伝子を担持する。そ
のような特徴は、色、芳香、耐除草剤性、耐殺虫剤性、
耐疾病性、耐環境性、形態学、成長特性及び同様のもの
を包含する。
【0021】導入されるべき機能的遺伝子は、所望する
表現型を付与するペプチドをコードする構造遺伝子であ
り得る。他方、その機能的遺伝子は、バラ植物内で外来
性遺伝子の転写及び/又は発現を抑制し、増強し又はそ
の他の方法で修正するために転写及び/又は翻訳制御に
おいて一つの役割を演じることができる調節遺伝子であ
り得る。遺伝子発現の制御は、植物の観察できる特徴に
対して直接的な衝撃を有することが理解される。他の機
能的“遺伝子”は、内因性遺伝子の発現を抑制し、又は
改変するために調製され得るセンス及びアンチ−センス
DNA 配列を包含する。アンチ−センスの使用は、van de
r Krolら.,(1990)Mol.Gen.Genet.220:204 〜212(この
開示は引用により本明細書に組込まれる)に一般的に記
載されている。センスDNA 配列の使用は、種々の文献、
たとえばNapoliら.(1990)PlantCell,2:279 〜289
及びvan der Krolら.(1990)Plant Cell,2:291 〜29
9(これらの開示は引用により本明細書に組込まれる)に
記載されている。
【0022】挿入されるべき構造及び調節遺伝子は、寄
託センター、たとえばAmerican Type Culture Collecti
on,Rockville,Maryland 20852 から、並びに典型的に
は、従来のハイブリダイゼーション技法、たとえばMani
atis等 ,Moleculor Cloning −A Laboratory Manual,Co
ld Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New
York(1985 )に記載される技法を用いて、ゲノム又はc
DNAライブラリーのスクリーニングにより、他の生物か
らの単離により得られる。スクリーニングは、(1)他
の生物からの相同遺伝子を用いての核酸ハイブリダイゼ
ーション、(2)所望するタンパク質配列をコードする
特定の配列にハイブリダイズするように合成的に作成さ
れたプローブ、又は(3)DNA 配列決定及び既知配列へ
の比較により行なわれ得る。特定の遺伝子のための配列
は、種々のコンピューターデータベース、たとえばGenB
ank,National Institutes of Health 並びにUnitecl St
atesPatent Officeにより維持されるデータベースに見
出され得る。
【0023】目的とする遺伝子はまた、相同機能をコー
ドする遺伝子を同定するために相同タンパク質に対して
製造される抗体による発現ライブラリーの抗体スクリー
ニングにより同定され得る。トランスポゾン標識がま
た、所望する遺伝子の単離を助けるために使用され得
る。トランスポゾン標識は、典型的には、標的遺伝子の
変異を包含する。トランスポゾンが標的遺伝子中に挿入
され、そして得られる表現型を変える変異遺伝子が単離
される。トランスポゾンのためのプローブを用いて、変
異誘発された遺伝子が単離され得る。次に、単離された
変異遺伝子におけるトランスポゾンに隣接するDNA をプ
ローブとして用いて、標的遺伝子の正常な野生型対立遺
伝子が単離され得る。そのような技法は、たとえばMcLa
ughlin and Walbot(1987)Genetics,117:771〜776;Doon
erら.(1985)Mol.Gen.Genetics,200:240 〜246;及びFed
eroffら.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:3825〜382
9(これらの開示は、引用により本明細書に組込まれ
る)に開示される。
【0024】本発明の方法に従ってバラカルス細胞中に
導入され得る特定の遺伝子には、カルコンシンターゼ遺
伝子(Napoliら.(1990)Plant Cell 2 279:289)及び
昆虫耐性遺伝子(Vaeck ら.(1987)Nature 328:33)が
含まれる。
【0025】挿入されるべきDNA 配列に対する選択可能
マーカー遺伝子は通常、選択培地において形質転換され
たカルス細胞の生存を可能にする機能をコードする。通
常、選択可能マーカー遺伝子は、耐抗生物質性、特に耐
カナマイシン性、耐ハイグロマイシン性、耐ストレプト
マイシン性、耐クロロスルフロン性(耐除草剤性)又は
同様のものをコードする。適切な選択培地の組成は下記
の通りである。
【0026】“機能”遺伝子及び選択可能マーカー遺伝
子の他に、DNA 配列はまた、外来性DNA 配列の存在及び
発現についての形質転換されたカルス細胞及び植物材料
のスクリーニングを促進するレポーター遺伝子を含むこ
とができる。典型的なレポーター遺伝子は、この後でよ
り詳細に記載するように、β−グルクロニダーゼ及びル
シフェラーゼを包含する。
【0027】外来性DNA 配列は、適切なプラスミド、典
型的にはTiプラスミド上に見出されるトランスファーDN
A(T-DNA)領域内にトランスファーされるべき配列を担持
するアグロバクテリウム細胞と共にインキュベートする
ことによりカルス細胞に導入される。Tiプラスミドは、
植物細胞の形質転換のために不可欠な2つの領域を含
む。これらの一つのT-DNA 領域は植物核に移され、そし
て腫瘍形成を誘発する。ビルレンス(vir)領域として言
及される他の領域は、T-DNA のトランスファーのために
不可欠であるが、しかしそれ自体トランスファーされな
い。T-DNA 領域中に、トランスファーされるべきDNA 配
列を挿入することによって、植物ゲノムへのDNA 配列の
導入が可能となる。通常、Tiプラスミドは、腫瘍を引き
起こす遺伝子を欠失せしめ又は不活性化するために改変
され、それらが本発明の遺伝子構造体のトランスファー
のためのベクターとしての使用のために適切となるよう
にする。他のプラスミドは、本発明のDNA 配列をカルス
細胞にトランスファーするためにアグロバクテリウムと
共に使用され得る。
【0028】組換えTiプラスミドの構成は、従来の組換
えDNA 技法、たとえばManiatisら.,前記に記載される技
法を用いて達成され得る。時々、プラスミドは、適切な
宿主、典型的には、アグロバクテリウム以外の細菌宿
主、たとえば大腸菌中で該プラスミドの操作及び構成を
可能にする追加の選択マーカー遺伝子を含む。適切な選
択マーカー遺伝子には、耐テトラサイクリン性、耐カナ
マイシン性、耐アンピシリン性及び同様のものが含まれ
る。
【0029】DNA 配列内の遺伝子は典型的には、バラ植
物宿主のために適切である適切な転写及び翻訳制御配列
に結合される。たとえば、その遺伝子は典型的には、プ
ロモーターが転写活性を確保するために通常効果的な距
離に対応するプロモーターからの距離に位置している。
通常、ポリアデニル化部位及び転写終結部位は、遺伝子
コード配列の3′末端で供給される。時々、その必要な
制御機能は、それが他の宿主の標的植物から単離される
場合、構造遺伝子と一緒に得られる。そのような損なわ
れていない遺伝子は通常、コード配列の上流(5′)又
は下流(3′)のいずれかに、コード配列、イントロ
ン、プロモーター、エンハンサー及びすべての他の調節
要素を含んでいる。
【0030】場合によっては、二元ベクターシステム
を、本発明のDNA 配列を導入するために使用し得る。第
一のプラスミドベクター株は、T-DNA 配列を担持し、そ
して第二のプラスミドベクターはビルレンス(vir)領域
を担持する。カルス細胞と共に両プラスミドを担持する
アグロバクテリウム細胞をインキュベートすることによ
って、カルス細胞の感染が達成される。Hoekema ら.(19
83)Nature 303: 179 〜180(この開示は引用により本明
細書に組込まれる)を参照のこと。
【0031】適切なアグロバクテリウム株は、アグロバ
クテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefa
ciens)及びアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobact
erium rhizogenes)を包含する。野生型のアグロバクテ
リウム・リゾゲネスが使用され得るが、アグロバクテリ
ウム・ツメファシエンスは“武装解除”されるべきであ
り、すなわち使用の前、その腫瘍誘発性活性を除去すべ
きである。好ましいアグロバクテリウム・ツメファシエ
ンス株は、Hoekema ら.(1983)Nature,303:179 〜180
により記載されるようなLBA4404 及びHoodら.(1986)J.
Bacteriol.,168:1291 〜1301により記載されるようなEH
A101を包含する。好ましいアグロバクテリウム・リゾゲ
ネス株は、Birot ら.(1987)Plant Physiol.Biochem.,2
5:323 〜325 により記載されるような15834 である。
【0032】所望する外因性DNA 配列を担持するアグロ
バクテリウム株が調製された後、それらは通常、バラの
カルス細胞と共にインキュベートする前、一定時間、培
養される。最初に、アグロバクテリウムは、栄養物、エ
ネルギー源及びゲル化剤を含む固体培地上で培養され得
る。適切な栄養物は、塩、トリプトン及び酵母抽出物を
包含し、そしてほとんどの糖はエネルギー源として適切
であり、そしてゲル化剤は寒天、Gel-rite(登録商標)
又は同様のものであり得る。好ましい培地はL-Broth で
あり、これはこの後の実験セクションに詳しく説明され
ている。通常、培地は、プラスミドDNA 配列を担持する
アグロバクテリウムを選択するために抗生物質を含む。
【0033】アグロバクテリウム細胞は典型的には、好
ましくは約28℃で暗室において約1〜3日間、培養さ
れ、そしてまず白色のクリーム色の間、すなわちカッ色
になる前、固体培地から削り落とすことによって集めら
れる。次に、この細胞を液体培地、たとえばL−ブイヨ
ン中に、又はより好ましくは、次の成分を含む誘発ブイ
ヨン中に懸濁する:
【0034】
【外1】
【0035】アグロバクテリウム細胞は、好ましくは約
20℃〜30℃の適度な温度で、撹拌しながら、約1〜10時
間、好ましくは約2〜3時間、L−ブイヨン又は誘発ブ
イヨン中で培養する。
【0036】体細胞胚生成は次の通りにして達成され得
る。ローザ・ハイブリダの成熟体細胞組織からの体細胞
胚の生成には、次の2段階が含まれる。即ち、(a)少
なくとも一つの誘発されたカルスを得るために、栄養媒
体、エネルギー源、オーキシン及びサイトキニンの有効
量を含むカルス誘発培地上で成熟体細胞組織を培養し;
そして(b)体細胞胚を得るために、栄養媒体、エネル
ギー源、オーキシン及びサイトキニンの有効量を含んで
成る、体細胞胚の成長の完結を誘発できる再生培地にお
いて前記誘発されたカルスを培養する段階である。一つ
の態様においては、その段階は、誘発されたカルスを単
離し、そして誘発されたカルスが体細胞胚を生成するた
めに再生される前、誘発されたカルスの量を高めるため
に維持培地上で誘発されたカルスの培養を含む。
【0037】カルス誘発は次の通りにして達成され得
る。バラ組織を上記植物部分のいずれかから取得し、そ
してこれを適切な栄養物、エネルギー源、成長調節因子
及び同様のものを含む、植物材料におけるカルス形成を
誘発するために選択されたカルス誘発培地中に置く。カ
ルス増殖を支持するために窒素及び塩の適切な供給を提
供する種々の基本的な栄養培地、たとえばWhite's B5,N
6 及びMS培地が知られている。いずれかの糖がエネルギ
ー源として使用され得る。適切な選択の中には、グルコ
ース、マルトース、スクロース又はラクトース、又は上
記糖のいずれかとの組合せでのスクロース、又はマンノ
ースが存在する。この目的のための好ましい糖は、約10
〜50g/Lのレベルでのスクロースであるが、しかしモ
ル同量の他の糖もまた使用され得る。
【0038】カルス誘発培地は好ましくは、少なくとも
一種のオーキシン及び少なくとも一種のサイトキニンを
含む。オーキシンは、天然の又は合成のいずれかのオー
キシン、たとえばインドール酢酸(IAA)、ナフタレン酢
酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、
ピクロラム及びジカンバ(dicamba)であり得る。サイト
キニンは、天然の又は合成のいずれかの既知サイトキニ
ン、たとえば6−ベンジルアデニン(6−BA)、ゼアチ
ン(ZEA)、キニムン(KIN)、及びイソペンチルアデノシ
ン(iP) から選択され得る。カルスは、オーキシン及び
サイトキニンのいくつかの組合せの存在下で誘発され得
る。しかしながら、卓越した結果は、2,4-D 及びゼアチ
ンを含む誘発培地上で観察される。他の有用な組合せ
は、キネチンとNAA である。一般的に、オーキシンは、
約0.1〜10mg/mLの量で存在し、そしてサイトキニン
は約0.2〜15.0mg/mLの量で存在する。オーキシンが
NAAである場合、培地中の濃度は好ましくは、約0.5 〜
2.5 mg/L及び最も好ましくは約2.0mg/Lである。
2,4-D が使用される場合、その量は好ましくは約0.5
〜10.0mg/L及び最も好ましくは約2.5mg/Lであ
る。サイトキニンがキネチンである場合、培地中のその
濃度は好ましくは約0.5〜5mg/L、及び最も好まし
くは約0.5mg/Lである。ゼアチンが使用される場
合、その濃度は好ましくは、約0.2〜12.5mg/L及び
最も好ましくは約1.5mg/Lである。他の非本質的な
成分はまた、カルス誘発を最適化するために培地に添加
され得る。たとえば、アミノ酸、たとえばグリシンが窒
素源として使用され得る。ある態様において、追加の成
長調節因子の使用が、カルス誘発の促進において適切で
あり得る。たとえば、約0.1〜0.2mg/Lの量での
アブシジン酸(ABA)の添加は、カルス誘発において、特
に胚発生組織を生ずるより球状のカルス形成を促進する
ことに有用である。ABA はすべての外植体源と共に使用
され得るが、しかし特に、インビトロ葉外植体の培養に
関して有用である。
【0039】当業者は、植物組織培養に時々使用される
他の成分がカルス誘発培地に導入され得ることを理解す
るであろう。種々のビタミン、たとえばMSビタミン、wh
iteビタミン、ニコチン酸、イノシトール、ピリドキシ
ン又はチアミンの添加が通常である。同様に、固体培地
のためには、適切な量の固化剤、たとえば寒天又はGel-
rite(登録商標)が、混合物に添加される。
【0040】カルスを再生培地に移行させる前に、維持
培地にカルスを移行することが望ましい(通常、形質転
換の場合)。この培地は、こわれやすい胚発生組織又は
カルスを単離するため、そして再生の前、このタイプの
カルスを有利にするために使用される。再生は、成熟相
なしに生じ得るが、維持培地へのカルスの移行は、特定
カルス細胞系の良好な制御及び増殖を可能にする。
【0041】維持培地の主成分は、無機栄養物、少なく
とも一種の成長調節因子、及びエネルギー源を有する適
切な塩基性培地である。いずれかの糖がエネルギー源と
して使用され得る。成長調節因子は、オーキシン、サイ
トキニン、アブシジン酸及びジベレリン酸を包含する群
から選択され得るが、これだけに限定されない。オーキ
シンは、天然の又は合成のいずれかのオーキシン、たと
えばIAA ,NAA ,2,4-D 及びピクロラムであり得る。オ
ーキシンは約0.1〜10mg/mLの量で存在する。サイト
キニンは、合成の又は天然のいずれか既知のサイトキニ
ン、たとえば6−BA,ZEA ,KIN 及びiPから選択され得
る。サイトキニンは、約0.2〜15.0mg/mLの量で存在
し得る。アブシジン酸は約0.2〜2mg/Lの量で存在
し得る。ジベレリン酸は約0.5〜5mg/Lの量で存在
し得る。
【0042】カルス維持は、できるだけ長く、好ましく
は定期的な継代培養により続けられる。一般的に、予備
胚発生カルスは約12〜24カ月又はそれ以上維持され得
る。
【0043】特定の態様において、胚が細胞懸濁液から
生成される場合、誘発の後の細胞が、特定の維持培地、
すなわち培養において組織外植体の酸化なしに細胞増殖
を促進するSM−1培地に移され得る。SM−1培地の利用
性は、ABA 及び2,4-D の存在下で存在する。好ましい態
様において、2,4-D は約1.65mg/Lの濃度で存在し、そ
してABA は約0.26mg/Lの濃度で存在する。SM−1にお
ける培養の後に、組織は白く且つコンパクトになり、そ
して結果的に、本方法の最終的成功に必要な微細な細胞
懸濁液のための主成分を供給する小さな細胞群を形成し
始める。
【0044】さらに、細胞懸濁培養の特種な場合、一又
は複数のならし培地が、液体培地においてこわれやすい
細胞系の選択を可能にするために維持培地への移行の前
に使用され得る。このならし培地は、無機栄養物、成長
調節因子及びエネルギー源と共に適切な塩基性培地を含
む。いずれかの糖がエネルギー源として使用され得る。
成長調節因子は、オーキシン、サイトキニン、アブシジ
ン酸及びジベレリン酸を包含する群から選択され得る
が、これだけに限定されない。オーキシンは、天然の又
は合成のいずれかのオーキシン、たとえばIAA ,NAA ,
2,4-D 及びピクロラムであり得る。オーキシンは、約
0.1〜10mg/mLの量で存在する。サイトキニンは、天
然の又は合成のいずれか既知のサイトキニン、たとえば
6−BA,ZEA,KIN 及びiPから選択され得る。サイトキ
ニンは、約0.2〜15.0mg/Lの量で存在し得る。アブ
シジン酸は、約0.2〜2mg/Lの量で存在し得る。ジ
ベレリン酸は、約0.5〜5mg/Lの量で存在し得る。
カルスは、ならし培地において約3〜6週間、培養され
得る。
【0045】バラカルス細胞は、本発明の方法に従って
形質転換され得る。バラ組織はまず、形質転換のために
分散されたカルス細胞の源として使用する少なくとも一
つのカルスを生成するのに十分な時間、カルス誘発培地
上で培養される。典型的には、組織は、早く成長するカ
ルスを生成するために、約3〜13週間、通常約7〜10週
間、及び好ましくは約8週間、カルス誘発培地に維持さ
れ得る。初めに、カルス形態は硬質、海綿状、水性、砂
状又は球状であり、そして培地の特定の組成に依存して
白色、クリーム色又は黄色を有する。本発明の形質転換
法に使用するための好ましい形態は、カルスが白色がか
ったクリーム色及び粒状コンシステンシーを伴って、ひ
じょうにこわれやすく又は分散性になる場合、約7〜10
週間後、通常約8週間後に生じる。これらの特徴を有す
るカルスからの細胞は最も適切であることが見出された
が、硬質で且つコンパクトであるカルスからの細胞もま
た、約2〜3mmの寸法を典型的には有する小さな断片に
切断することによって、形質転換のために使用され得
る。
【0046】上記のようにして培養されたカルスは、形
質転換のためのカルス細胞源として直接使用することが
でき、又は出発材料として使用する前に継代培養するこ
ともできる。継代培養は、本発明の方法のための出発材
料の源としてカルス細胞の連続した維持を可能にする。
【0047】所望する形質転換を達成するために、上記
カルス材料を、形質転換されるべき外来性DNA 配列を担
持するアグロバクテリウム細胞と共に、典型的には1〜
4日間インキュベートする。インキュベーションは、栄
養物、エネルギー源、及びアグロバクテリウムのビルレ
ンス(vir)領域の形質転換効率の増強を誘発するために
選択された誘発化合物を含む同時培養培地において達成
される。誘発化合物は、そのようなビルランスを誘発す
ることが知られているいずれかのフェノール化合物であ
り得、約10〜200 μM、好ましくは約100 μMで存在す
るアセトシリンゴン(AS)であることが好ましい。適切
なフェノール化合物は、Boltonら.(1986)Science 232:
983 〜985 に記載されている。
【0048】好ましい同時培養培地は、エネルギー源と
してスクロース(20g/L)、オーキシンとして2,4-D
(5mg/L)及びサイトキニンとしてゼアチン(1mg/
L)を含む。ジベレリン酸(1mg/L)もまた成長調節
因子として存在することが好ましい。同時培養培地のた
めの好ましい配合物は、この後の実験セクションに示さ
れるN12AS である。
【0049】カルス細胞は、約20〜28℃、好ましくは約
24℃の適度な温度で、約1〜4日間、通常約1〜2日
間、同時培養培地中でアグロバクテリウム細胞と混合さ
れる。その培地は好ましくは暗室に保持され、そして同
時培養は、コロニーがカルス上に直接的に又は顕微鏡を
通して観察できる程にアグロバクテリウムが十分に増殖
するまで続けられる。
【0050】前記アグロバクテリウム細胞は、約107
1010個の細胞/mL、好ましくは約10 9 個の細胞/mLの濃
度で存在する。前記カルス細胞は、容量比で約1:1〜
約10:1(カルス細胞:アグロバクテリウム細胞)、好
ましくは約3:1の比で存在する。通常、カルス材料約
1〜100 mL、好ましくは10mLの合計量が、約1〜100m
L、好ましくは約10〜12mLの合計培養容量に使用され
る。好ましくは、カルス細胞及びアグロバクテリウム細
胞は、同時培養培地上のろ紙マトリックス、たとえばWh
atman #1の上に置かれる。
【0051】形質転換が完結した後、カルス細胞を、
水、又は栄養物、エネルギー源、成長調節因子及び同様
のものを含む培養培地により、アグロバクテリウム細胞
から洗浄する。小さなカルス構造体、典型的には約0.
2〜0.3mmの大きさのもののためには、N12 培地(実
験セクションを参照のこと)の使用が特に適切である。
大きなカルス構造体、典型的には約0.4〜0.7mmの
大きさのもののためには、M53 培地の使用が特に適切で
ある。
【0052】形質転換されたカルスは、洗浄媒体と共
に、典型的には約1:3〜約1:30(カルス:液体)、
好ましくは約1:10で混合され、そして好ましくは500
rpm で約5分間遠心分離される。ほとんどの細菌を含む
得られた液体画分を除去し、そしてカルスを含むより濃
い画分が保護される。洗浄を2〜6回くり返し、そして
抗生物質が、いずれかの残存するアグロバクテリウム細
胞を殺害するために少なくとも後期洗浄に使用される。
アグロバクテリウムを殺害できるいずれかの抗生物質、
たとえばカルベニシリン(200 〜1000mg/L)、バンコ
マイシン(100 〜500 mg/L)、クロキサシリン(200
〜1000mg/L)、セフォタキシン(200 〜1000mg/L)
及びエリスロマイシン(200 〜1000mg/L)が使用され
得る。
【0053】洗浄の後、カルスは、外来性DNA の一部と
して導入されたマーカーの存在に基づいて形質転換され
たカルスの同定を可能にする、植物選択物質を含む適切
な選択培地上に置かれる。便利には、その選択培地は、
カルスの一部と共に、典型的にはそれぞれ約100 mgのカ
ルスと共にペトリ皿に置かれる。選択培地は、一般的な
増殖培地、たとえば植物選択物質により補充されたN12
又はM53 (この後の実験セクションに記載される)であ
り、そして通常抗−アグロバクテリウム抗生物質を含
む。適切な植物選択物質としては、次のものが挙げられ
る。
【0054】耐抗生物質性 抗生物質選択培地の濃度 カナマイシン 200 〜500 mg/L ヒグロマイシン 20 〜 80 mg/L スペクチノマイシン 20 〜 80 mg/L ストレプトマイシン 100 〜500 mg/L クロルスルフロン 0.001〜0.05mg/L
【0055】好ましい選択培地は、サイトキニン又はオ
ーキシンを含まないが、しかし約0.5〜4mg/L、好
ましくは約2mg/Lで添加されるアブシジン酸を有する
N12及びM53 (この後の実験セクションを参照のこと)
である。M53 は、カルス構造体が約0.4〜0.7mmの
大きさである場合、特に好ましい。耐カナマイシン性が
選択可能マーカーである場合、N12CK 及びM53CK (この
後の実験セクションを参照のこと)が特に適切である。
【0056】選択培養は、形質転換されたカルス細胞の
増殖及び白色かかったクリーム色のカルスの生成を可能
にするのに十分な時間、維持される。この間に非形質転
換カルス細胞はカッ色に変わり、そして死滅する。典型
的には、選択培養は、主に植物選択剤の濃度に依存し
て、約25〜50日続く。たとえば30日が一般的に300 mg/
Lでのカナマイシンのために十分であり、そして50日
は、200 mg/Lでのカナマイシンのために適切である。
しかしながら、選択培養の終結の主な基準は、形質転換
された増殖細胞と形質転換されていない非増殖細胞との
間の明確な差異である。
【0057】生存性は、カルス細胞が形質転換されたこ
とを示すが、標準のアッセイ方法、たとえばサザンブロ
ット、ノザンブロット、制限酵素消化、ポリメラーゼ鎖
反応(RCR)アッセイを用いて、又はレポーター遺伝子の
使用により形質転換を確かめることが通常望ましい。適
切なレポーター遺伝子及びアッセイは、Jefferson,GUS
Gene Fusion Systems User's Manual,Cambridge,Englan
d(1987) に記載されているようなβ−グルクロニダーゼ
(GUS)及びOw(1986)Sciene 234:856 〜859 により記載
されているようなルシフェラーゼアッセイを包含する。
適切には、これらのアッセイは、形質転換工程の後すぐ
に、又は本発明に従って形質転換された植物材料の再生
の間の任意の点で行なわれ得る。
【0058】誘発培地(及び場合によっては維持培地)
上での培養、又は選択培地上での形質転換及び選択に続
いて、カルスは、体細胞胚の生成のために再生培地に移
される。この培地は、その主要成分として、オーキシ
ン、サイトキニン、エネルギー源及び適切な栄養培地、
たとえばWhite's 培地又はB5培地を含む。形質転換に続
いて、この培地もまた、抗−アグロバクテリウム抗生物
質及び通常ABA 又はシベレリン酸を含む。形質転換後の
再生培地は、M53C(特に、N12CK が選択培地である場
合)及びM20C(特に、M53CK が選択培地である場合)が
好ましい。
【0059】再生培地の配合は、体細胞組織の源に依存
して調整され得る。成熟体細胞組織が雄ずい花糸又は細
胞懸濁培養物から得られる場合、オーキシン:サイトキ
ニンの比は、カルス誘発培地に存在するオーキシン:サ
イトキニンの比に対して少なくとも2〜15倍減じられ
得、そして/又は再生培地におけるオーキシン及びサイ
トキニンの種類はカルス誘発培地におけるオーキシン及
びサイトキニンの種類と異なる。好ましい態様におい
て、誘発培地及び選択培地におけるよりも再生培地にお
いて、より弱いサイトキニン及びオーキシンが使用され
る。特に、2,4-D は強いオーキシンであり、すなわちNA
A よりも成長調節に対して高い効果を有し、そしてゼア
チンはキネチンよりも強いサイトキニンである。例とし
て、花糸の再生は、カルス誘発培地における4.0の割
合でのNAA/キネチンに比較して、1.3の割合で2,4-D/
ゼアチンを含む培地において生じ得る。
【0060】成熟体細胞組織が葉の外植体から得られる
場合、オーキシン:サイトキニンの比は、カルス誘発培
地に存在するオーキシン:サイトキニンの比に対して高
められうる、そして/又は再生培地におけるオーキシン
及びサイトキニンの種類は、カルス誘発培地におけるオ
ーキシン及びサイトキニンの種類とは異なる。例とし
て、葉外植体の再生は、1.3の割合での2,4-D/ゼアチ
ンに比較して、2.0の割合でのNAA/KIN を含む維持培
地において生じ得る。
【0061】形質転換されたカルスと共に使用するため
の好ましい再生培地は、M53C(特にN12CK が選択培地で
ある場合)及びM20C(特にM53CK が選択培地である場
合)である。
【0062】再生培地上での期間は一般的に約20〜60
日、通常約30日である。球状〜心臓形状の胚が通常、こ
の時間の後に培養物の表面上に現われる。多くの場合、
そのようにして形成される胚は、継代培養に基づいて、
それらの外表面上で二次胚を発生することができる。こ
の二次胚の生成が特に所望される場合、球状の胚は新鮮
な再生培地に移され、そして3〜6週間、培養され得
る。
【0063】上記のようにして生成された体細胞胚は、
形質転換された胚の数を増やすために反復して継代培養
され得る。これらの胚はまた、発射法(Sanford,ら)に
よる植物形質転換のための有用な標的である。しかしな
がら、完全な植物材料を再生するためには、体細胞胚
は、成熟工程にゆだねられることが望ましい。
【0064】体細胞胚の成熟は、栄養物、エネルギー
源、及びオーキシン、サイトキニン、アブシジン酸、及
びジベレリン酸を含む(但し、これだけには限定されな
い)成長調節因子を含む培地に球状胚を移すことによっ
て達成される。オーキシンは、天然の又は合成のいずれ
かのオーキシン、たとえばIAA ,NAA ,2,4-D 及びピク
ロラムであり得る。オーキシンは、約0.1〜10mg/mL
の量で存在する。サイトキニンは、天然の又は合成のい
ずれか既知のサイトキニン、たとえば6−BA,ZEA ,KI
N 及びiPから選択され得る。サイトキニンは、約0.2
〜15.0mg/Lの量で存在し得る。アブシジン酸は、約
0.2〜2mg/Lの量で存在し得る。ジベレリン酸は、
約0.5〜5mg/Lの量で存在し得る。好ましい成熟培
地は、M20(この後の実験セクションを参照のこと)であ
る。
【0065】カルス細胞は、成熟体細胞胚が得られるま
で、好ましくは約30日ごとに継代培養しながら成熟培地
上で維持される。成熟の期間は一般的に、約3〜6週間
である。球状胚は成熟培地の表面上に現われ、そして多
くの胚は、それらの外表面上に二次胚を発生する。その
ような二次胚生成が望まれる場合、球状胚を新鮮な維持
培地(上記のような)に移し、そして多くの胚を得るた
めに返復して継代培養し得る。そのような継代培養は好
ましくは、M20 培地上で行なわれる。
【0066】上記のようにして形成された成熟体細胞胚
は次に、発芽した胚を形成させるために発芽培地に移さ
れる。発芽培地は栄養物及びエネルギー源を含む。この
培地はさらに、サイトキニン、アブシジン酸及びジベレ
リン酸を含む(但しこれだけには限定されない)成長調
節因子を含む。サイトキニンは、約0.1〜1.0mg/
Lの濃度で存在し得る。アブシジン酸は、約0.2〜2
mg/Lの量で存在し得る。ジベレリン酸は約0.5〜5
mg/Lの量で存在し得る。発芽培地はまたさらに、約5
〜15%(V/V )でココナッツ水を含むことができる。好
ましい発芽培地はM13 である。体細胞胚は、発芽された
胚を生成するために、発芽培地上で約1〜45日、通常約
24日間維持される。
【0067】胚発芽の初期段階は、胚軸の拡張、子葉及
びクロロフィルの成長により特徴づけられる。発芽の後
期段階において、子葉が拡大し、胚軸が拡張し、そして
先端の根が成長する。分化した胚は、発芽培地上で約1
〜4週間培養し得る。その結果物は、2〜4枚の葉を有
する長さ1〜4mmの苗条を有する体細胞胚である。
【0068】場合によっては、発芽した胚は、伸長した
苗条を形成させるために苗条伸長培地に移され得る。こ
の培地は、一般的に上記のように栄養物、エネルギー
源、及び成長調節因子を含むが、しかし減じられた塩濃
度(50%まで低い)及び減じられた成長調節因子含有率
を有し、好ましくは1〜6mg/LでのBA及び0.1〜1
mg/LでのIAA を有する。好ましい苗条伸長培地はM13-
8(この後の実験セクションを参照のこと)である。胚
は、苗条が長さ約10〜20mmになり、3〜5枚の十分に緑
で且つ伸長した葉及び茎を成長させるまで、典型的には
3〜4週間、伸長培地に維持される。
【0069】発芽した(そして場合によっては、苗条伸
長した)胚は、続いて、適切な栄養物、エネルギー源、
オーキシン及びサイトキニンを含む成長(又は苗条増
殖)培地に移される。オーキシンは、天然の又は合成の
いずれかのオーキシン、たとえばIAA ,NAA ,2,4-D 及
びピクロラムであり得る。オーキシンは、約0.1〜10
mg/mLの量で存在する。サイトキニンは、天然の又は合
成のいずれか既知のサイトキニン、たとえば6−BA,ZE
A ,KIN 及びiPから選択され得る。サイトキニンは、約
0.2〜15.0mg/Lの量で存在し得る。好ましい態様に
おいて、オーキシンは、IAA であり、約0.3mg/Lの
濃度で存在し、そしてサイトキニンは6−BAであり、約
3.0mg/Lの濃度で存在する。栄養培地は、White's
培地、MS培地、B5培地及びN6培地から成る群から選択さ
れるが、これだけに限定されない。好ましい成長又は苗
条増殖培地はM13(この後の実験セクションを参照のこ
と)である。いずれかの糖がエネルギー源として使用さ
れ得る。オーキシンは、天然の又は合成のいずれかのオ
ーキシン、たとえば、IAA ,NAA ,2,4-D 及びピクロラ
ムであり得る。オーキシンは、約0.1〜10mg/mLの量
で存在する。サイトキニンは、天然の又は合成のいずれ
か既知のサイトキニン、たとえば6−BA,ZEA, KIN及び
iPから選択され得る。サイトキニンは、約0.2〜15.0
mg/Lの量で存在し得る。
【0070】発芽した胚は、約20〜200 日間、好ましく
は約30日間、成長培地において培養され得る。十分に成
長した苗木が得られ、そしてたとえば根の形成のために
人工土壌に移され得る。一つの態様において、複数の苗
条は、土壌に移す前、単一の苗木から分離され得る。
【0071】約10〜40mmの長さ及び好ましくは約5〜10
枚の葉を有する十分に成長した苗条が、根再生のために
選択される。根再生のための好ましい方法は、人工土壌
を含む、典型的には根誘発ホルモンを含む培地で飽和し
た小さなポットに根付かせるべき苗条を移すことであ
る。適切な根誘発用の培地は栄養物を含むが、しかし糖
及び他のエネルギー源は除かれる。この培地はさらに、
チアミンを、好ましくはチアミン−HCl の形で、約0.
5〜2mg/Lで及びオーキシン、たとえばIAA を約1〜
4mg/Lで含むことができる。好ましい根再生培地はN3
−4(後の実験セクションを参照のこと)である。ポッ
トにおいて、苗条は容器、たとえばmagenta GA−7培養
容器に入れ、そして24時間当たり16時間の光照射下で成
長チャンバーにおいてインキュベートされる。
【0072】他の根再生方法は、適切な根誘発ホルモ
ン、たとえばRooTone(TM) に根を含浸することである。
次に、苗条が温室において、好ましくは高い相対温度を
維持するためにプラスチックカバー下で維持されている
土壌に直接置かれる。カバーは、苗条の硬化を引き起こ
すために、一定期間にわたって徐々に除去され得る。
【0073】上記アプローチのいずれかにより、根は通
常約7〜35日で得られる。次に根を有した苗条が温室内
に又は組織培養苗木のための従来の態様で移植され得
る。
【0074】得られた苗木の形質転換は、外来性DNA に
より組込まれたいずれかの表現型について植物材料をア
ッセイすることによって確かめられ得る。特に、適切な
アッセイは、特定のレポーター遺伝子、たとえばβ−グ
ルクロニダーゼ及び/又はルシフェラーゼの存在の決定
である。他の方法、たとえばPCR,制限酵素消化、サザン
ブロット・ハイブリダイゼーション及びノーザンブロッ
ト・ハイブリダイゼーションもまた使用され得る。
【0075】上記方法及び次の例は、多くの異なるハイ
ブリッドティーの変種、たとえば“ソニア”及び“ロヤ
ルティ”に適用された。上記のプロトコールの成否は、
ある程度遺伝子型特異的である。しかしながら、どの所
与の変種を用いた場合もこの組織培養方法の実質的な好
結果は、上記誘発培地の一つを利用するこわれやすい予
備胚発性組織の選択により決定され得る。従って、当業
者は、本発明の方法を他の変種に容易に適用することが
できる。
【0076】次の例は、例示的であって、本発明を制限
するものではない。
【0077】
【外2】
【0078】
【外3】
【0079】
【外4】
【0080】培地組成物 M11 MS 塩 :1x チアミン HCl :10.0mg/L ピリドキエン :2.0 mg/L ニコチン酸 :2.0 mg/L 2,4-D :1.0 mg/L スクロース :30g/L PVP-40 :10g/L MES :9.9 mg/L KM-8P ビタミン :1x L-グルタミン :5.6 mg/L L-アラニン :0.6 mg/L L-グルタミン酸 :0.6 mg/L システイン :0.2 mg/L ビタミンを有さないカザミノ酸:250 mg/L pH :5.8
【0081】M13 MS 塩 :1x チアミン HCl :0.5 mg/L イノシトール :100.0 mg/L ピリドキシン :0.5 mg/L ニコチン酸 :0.5 mg/L グリシン :2.0 mg/L BA :3.0 mg/L IAA :0.3 mg/L 寒天 :6.0 g/L スクロース :30g/L pH :5.8
【0082】M13-8 同じであるが但し、次のものを除く MS 塩 :3/4x ピリドキシン : 1.5mg/L ニコチン酸 : 1.5mg/L
【0083】M20 (他のM134-20) MS 塩 :1x チアミン HCl :5 mg/L イノシトール :100.0 mg/L ピリドキシン :1.5 mg/L ニコチン酸 :1.5 mg/L グリシン :2.0 mg/L GA3 :1.0 mg/L ABA :0.2 mg/L KAO ビタミン* :1x ココナッツ水** :10% V/V スクロース :20g/L Gel-rite(登録商標):2.4 g/L pH :5.5 * −Kao et al., 1975, Planta 126:105 **−不可欠ではない
【0084】M20C M20 +カルベニシリン:500 mg/L
【0085】M20K200C M20C+カナマイシン :200 mg/L
【0086】M53 MS 塩 :1x チアミン HCl :5 mg/L イノシトール :20.1g/L ピリドキシン :1.5 mg/L ニコチン酸 :1.5 mg/L グリシン :2.0 mg/L GA3 :1.0 mg/L ABA :2.0 mg/L スクロース :30g/L Gel-rite(登録商標):2.4 g/1L pH :5.5
【0087】M53AS M53 +As :100 μM
【0088】M53C M53 +カルベニシリン:500 mg/L
【0089】M53CK M53C+カナマイシン :300 mg/L
【0090】M130-3 MS 塩 :1x MS ビタミン :1x グリシン :2 mg/L KIN :0.5 mg/L NAA :2 mg/L スクロース :30g/L Gel-rite(登録商標):2.4 g/L pH :5.7
【0091】M134-1 MS 塩 :1x チアミン-HCl :5 mg/L イノシトール :100 mg/L ピリドキシン :1.5 mg/L ニコチン酸 :1.5 mg/L グリシン :2 mg/L ゼアチン :1.5 mg/L NAA :0.025 mg/L GA3 :1 mg/L スクロース :20g/L Gel-rite(登録商標):2.4 g/L pH :5.7
【0092】M134-2 MS 塩 :1x チアミン-HCl :5 mg/L イノシトール :100 mg/L ピニドチム :1.5 mg/L ニコチン酸 :1.5 mg/L グリシン :2 mg/L ココナッツ水 :154 GA3 :1.0 mg/L ABA :0.2 mg/L KM-8P ビタミン :1x スクロース :20g/L Gelrite :2.4 g/L
【0093】M134-53 MS 塩 :1x チアミン HCl :5 mg/L イノシトール :100 mg/L ピリドキシン :1.5 mg/L ニコチン酸 :1.5 mg/L グリシン :2 mg/L GA3 :1.0 mg/L ABA :2.0 mg/L スクロース :20g/L Gelrite :2.4 g/L pH :5.5
【0094】M139 B-5 塩 :1x 硫酸アンモニウム :329 mg/L チアミン-HCl :5 g/L イノシトール :100 mg/L ピリドキシン :1.5 mg/L ニコチン酸 :1.5 mg/L グリシン :2 mg/L 2,4-D :1.55mg/L スクロース :30g/L Gel-rite(登録商標):2.4 g/L pH :5.6
【0095】M139-2 次のように修正されたM139: 2,4-D :2.0 mg/L ゼアチン :1.5 mg/LN3-1 N6 塩 :1/2x チアミン HCl :1.0 mg/L スクロース :20g/L Gel-rite(登録商標):2.2 g/L pH :5.6
【0096】N3-4 次のようにして修正されたN3-1: スクロースand Gel-rite(登録商標)を有さないNAA:
2.0 mg/L
【0097】N12 N6 塩 :1x チアミン HCl :5 mg/L イノシトール :100.0 mg/L ピリドキシン :1.5 mg/L ニコチン酸 :1.5 mg/L グリシン :2.0 mg/L 2,4-D: :5.0 mg/L ゼアチン :1.0 mg/L GA3 :1.0 g/L KAO ビタミン :1x スクロース :20g/L Gel-rite(登録商標):2.4 g/L pH :5.5
【0098】N12AS N12 +As :100 μM
【0099】N12C N12 +カルベニシリン:500 mg/L
【0100】N12CK N12C+カナマイシン :300 mg/L
【0101】MinA KH2PO4 :10.5g/L (NH4)2SO4 :1.0 g/L クエン酸ナトリウム・2H2O :0.5 g/L 寒天 :15g/L
【0102】L-ブイヨン * トリプトン :10g/L 酵母抽出物 : 5g/L NaCl : 5g/L グリコース : 1g/L 寒天 :15g/L * :寒天添加の前、0.1〜5NのNaOHを用いて7.0
〜7.2に調整されたpH;25mL/プレートで分散する。
【0103】
【実施例】方法及び結果 実施例1 バラの花糸培養及びアグロバクテリウム・リゾゲネスに
よる形質転換 1. カルス誘発培地上で組織を培養してカルスを形成
させる。 花糸から苗木を得るための一般的なスキームを図10及
び図11に示す。ローザ・ハイブリダ L. var. ロヤル
ティ(N. H. Wright, Inc., Nursery, Cranbury, NJ か
ら得られた)の雄ずい花糸を、14日間、2℃での冷却予
備処理の後、約1.5cmの長さの花の芽から切り取っ
た。芽を、Clorox(10%)/Tween(登録商標)−20
(0.1 %)により20分間、殺菌し、滅菌脱イオン水で3
度すすぎ、そしてカルス誘発培地(M130-3)に置いた。
すべての培地を、pH調整の後、24℃及び15psi で20分間
オートクレーブ処理した。ペトリ皿中の培養物をパラフ
ィンにより密封し、そして24℃で暗室に維持した。早く
成長する半固体状の黄色のカルスを、M130-3中での3週
間後、花糸外植体から得た。この培地中で継代培養した
後、カルスは乾燥外観に変化した。
【0104】カルスを維持培地M139中に置いた。M139培
地は、酸化を防ぎ、そして密集度のより小さなカルスに
なるようにカルスの品質を改良した。
【0105】2. 予備−胚形成性カルスの誘発培地及
びそれらの維持。 修正された成長調節因子2,4-D(2.0 mg/L)及びゼアチ
ン(1.5 mg/L)を含むM139培地を、壊れ易い予備胚形
成性カルスの誘発(再生)培地(M139-2)として使用し
た。予備胚形成性カルスの初期段階は、1.43%の頻度
で、M139-2上でのカルス培養の8週間後に観察された
(図1のFIG.1A)。球状胚を同じ培地上で継代培養し、
そして二次胚(図1のFIG.1B)を、一次胚の外表面上に
形成させた。胚は、M9-21 及びM9-2上に移された後3週
間で成熟した(図2のFIG.1C及びFIG.1D)。M9-21 培地
は、N6塩(Chu 等 (1975)Scientia Sinica 18:659〜66
8)並びに2,4-D(1mg/L)及びゼアチン(0.75mg/L)
に基づくものであった。M9-2培地は2,4-D(2mg/L)及
びゼアチン(1.5 mg/L)により補充されたMS塩であっ
た。残る他の成分はM139と同じであったが、但し、スク
ローズ(20g/L)を除く。
【0106】胚は、M134-2に移された後、3週間で発芽
した。pHは、オートクレーブ処理の前に5.7に調整し
た。正常なタイプからひじょうに短い胚軸に変わる発芽
胚の中で、子葉の異常な数及び形状の中でそして根の存
在又は不存在の間で高い形態学的変動が観察された。正
常な発芽が、単離された胚又は胚クラスターから観察さ
れた。発芽の初期段階は、胚軸の伸長及び円錐形状の子
葉(図2のFIG.1F及び図3のFIG.1G)の存在により特徴
づけられた。遅い発芽胚は合着子葉の開放、胚軸の追加
の伸長及び強い先端の根の成長により区別された。異常
な胚は、増殖培地、M134-1へ移行させると再生能力を有
する、新規培養物の確立のための卓越した源であること
がわかった。KM-8P ビタミン(Kao and Michayluk(197
5)Planta, 126:105 〜110)及び成長調節因子をフィル
ター滅菌し、そして増殖培地のオートクレーブ処理され
た部分に添加した。
【0107】3週間後、球状構造の存在を有するひじょ
うに早く増殖するこわれやすい白色の胚組織が形成され
た。培地上でのこの組織の定期的な継代培養により、増
殖し、球状構造体を生成するその能力が維持された。そ
のような組織は、N12 培地上で8カ月間、維持され得
た。
【0108】他方、カルスを形質転換する場合、修正さ
れた成長調節因子2,4-D(2.0 mg/L)及びゼアチン(1.
5 mg/L)を含むM 一39培地が、壊れ易い予備胚形成性
カルスの誘発(再生)培地(M139-2)として使用され
た。予備胚形成性カルスの初期段階は、1.43%の頻度
で、M139-2上での8週間のカルス培養の後に観察され
た。球状構造体は、増殖培地、M134-1上で継代培養され
た。KM-8P ビタミン(Kao and Michayluk(1975)Plant
a, 126:105 〜110)及び成長調節因子がフィルター滅菌
され、そして増殖培地のオートクレーブされた部分に添
加された。3週間後、ひじょうに早く増殖する、こわれ
やすい白色胚発生組織であって球状構造の存在を伴うも
のが形成された。培地上でのこの組織の定期的な継代培
養が、球状構造体を増殖し、そして生成するその能力を
維持した。そのような組織は、N12 培地上で8カ月間、
維持され得た。
【0109】3. アグロバクテリウム・リゾゲネス培
養物及び調製。 二元ベクターpJJ3499 を含むアグロバクテリウム・リゾ
ゲネス野生型株15834(Birot 等 (1987)Plant Physiol.
Biochem. 25:323〜325)が形質転換のために使用され
た。pJJ3499 は、ノパリンシンターゼ・プロモーター、
及び耐カナマイシン性を付与するネオマイシン・ホスホ
トランスフェラーゼII(NPT II)遺伝子及びカリフラワ
ー・モザイクウィルス35S プロモーターを含む。β−グ
ルクロニダーゼ遺伝子(Jefferson(1986)Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 83:8447〜8451)は、レポーター遺伝子
として存在する。菌株15834 は単独で、対照接種物とし
て使用された。細菌は、10mg/Lのテトラサイクリンを
含む1.5 %バクトアガーにより固化されたL-ブイヨン培
地上で維持された。細菌は、ループを用いて固体培地か
ら削り落とされ、そして100 μMのアセトシリンゴンを
含む“誘発ブイヨン”培地(Winansら.(1989)J. Bact.
171:1616 〜1622)に懸濁され、そして28℃で3時間、
振盪機(120 rpm)上で培養された。
【0110】4. 同時培養培地上で同時培養する。 アグロバクテリウム細胞を、6カ月後に選択された壊れ
易いカルスと3:1の体積比(植物細胞:アグロバクテ
リウム細胞)で混合した。カルス及びアグロバクテリウ
ムを、100 μMのアセトシリンゴンで補充した同時培養
培地N12 の上部上の7.0cmの滅菌されたWhatman #1
濾紙円上に置いた。プレートを、24℃で調節された環境
のインキュベーター中で暗室に48時間置いた。
【0111】5. 洗浄。 カルスを、500 mg/Lのカルベニシリンを補充した液体
培地N12 でアグロバクテリウムから洗浄した。1:10
(カルス:培地)の体積比でカルスを培地と十分に混合
し、遠心分離し(500 rpm で5分間)、そして上清液を
捨てた。洗浄は4回繰り返した。
【0112】6. 選択培地。 洗浄の後、10〜12個のカルス塊状物(それぞれ約100 m
g)を、選択のために、300 mg/Lの硫酸カナマイシン
及び残留アグロバクテリウムを死滅させるために500 mg
/Lのカルベニシリンを含む選択培地N12CK 上に置き、
そして広げた。30日間の培養期間の最後で、ほとんどの
カルスはカッ色に変色したが、しかしながら、カルスそ
れぞれの1〜数個の断片が増殖し始め、白みがかったク
リーム色のカルスを形成した。81個の接種されたカルス
のうち75個が、カナマイシン耐性カルスを形成した(第
1表)。
【0113】
【表1】
【0114】7. 再生培地上で培養して体細胞胚を形
成させる。 次に、白みがかったクリーム色のカルス組織を、500 mg
/Lのカルベニシリン(但し、カナマイシンではない)
を含むM53C又はN12C培地に23日間移した。次に、N12C上
での組織を培地M53 に3週間移した。カルスはさらにこ
れらの培地上で増殖し、そしてより大きな球状構造体を
形成した。
【0115】8. 成熟培地上で培養して成熟体細胞胚
を形成させる。 パート2からのカルス組織を、成熟培地M134-53 に3〜
5週間移した。その組織を続いて、成熟培地M20 中で9
〜11週間培養した。
【0116】パート7からのカルス組織を、成熟培地M2
0 中で8週間か又は11週間培養した。この培地上で、4
週間後に開始し、そして進行し続ける成熟胚が得られ
た。成熟胚は、広い子葉(通常2及び時々3又は4)及
びひじょうに短い胚軸及び根を有する構造体上に出現し
た。その胚は白色であった。同じ結果が、8週間及び11
週間の培養の期間で得られた。
【0117】9. 発芽培地上で培養する。 成熟胚組織の発芽は、M13 培地上で2週間後に達成され
た。16時間/日の光照射(約1500ルクス)下で、組織は
緑色になり、子葉は5〜10倍に拡張し、そして胚は3〜
5倍の大きさに拡大し、そして1〜5個の緑色の苗条を
形成した。また、成熟した胚組織の発芽は、N3-1培地に
おいて達成された。組織をN3-1培地上で3週間インキュ
ベートした。次に十分に発芽された胚を、苗木の成長を
完結させるためにM13 培地に移した。6週間後、十分に
成長した苗木が得られ、それは人工土壌への移行のため
の条件を備えていた。葉腋苗条増殖が観察された。
【0118】10. 苗条増殖培地上で培養する。 発芽した胚を新鮮なM13 培地上で継代培養した。この培
地上で、苗条をさらに増殖し、そして4週間後、元の胚
当たり10〜30個の苗条が形成された。
【0119】11.苗条伸長培地上で培養する。 苗条クラスターの断片を切断し、そしてクラスター当た
り4〜6個の苗条をM13-8 培地に移した。苗条は3〜4
週間内に10〜15cmの大きさに伸長した。
【0120】12.人工土壌上で培養して根を再生させ
る。 苗条を、N3-4培地で飽和したJiffy Mix 中で培養した。
6週間後、十分に成長した苗条を得た。それは人工土壌
に移行するための条件を備えていた。
【0121】13.土壌中で苗条を培養して根を再生させ
る。 苗条を、Rootone (商標)に浸し、そして温室で、ミッ
クス土壌(3:1のSuper Soil:Perlett, Rod McLellan
Co., So. San Francisco, CA, USA)に移植し、そして
必要な場合、水をかけた。3週間後、根は再生され、そ
して完全なトランスゲニック植物が得られた。植物をプ
ラスチックシートにより被覆し、これを徐々に(2週間
以内に)除去し、植物を堅くした。
【0122】14.形質転換の結果及び例示。 形質転換はいくつかの手段により確かめられた: 1)M20K200C上に移された形質転換カルスは、それらの
増殖を続けることができたが、非形質転換の対照カルス
は培地上で増殖を停止し、カッ色に変色し、そして結果
的に死滅した(第2表)、2)形質転換されたカルス、
体細胞胚、及び形質転換された苗条からの葉の断片はす
べてGUS アッセイにおいて陽性であり、そして非形質転
換性対照は負であった(第3表)(形質転換体は青色に
染色し、そして非形質転換性組織は青色に染色しなかっ
た)。
【0123】葉カルスアッセイを、5個のトランスジェ
ニック苗条に対して行なった。培地には、組織が形質転
換されたことを確かめるために50mg/Lのカナマイシン
を含めた。すべての形質転換体はカナマイシンの存在下
でカルスを形成し、従って形質転換を確認した。
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】実施例2 バラのアグロバクテリウム・ツメファシエンスによる形
質転換 1. カルス誘発培地上で組織を培養してカルスを得
る。 実施例1と同じ。
【0127】2. 予備−胚形成性カルスの誘発培地及
びそれらの維持。 実施例1と同じ。
【0128】3. アグロバクテリウム・ツメファシエ
ンス培養物及び調製。 実施例1と同じである。但し、二元ベクターpJJ3931(図
15)を含むアグロバクテリウム・ツメファシエンス株
LBA4404(Hoekemu 等(1983)、前記)を、形質転換のた
めに使用した。pJJ3931 はpJJ3499 と同じである。但
し、それは35S プロモーターの制御下で、レポーター遺
伝子として使用されるGUS の代わりにルシフェラーゼ
(LUC)遺伝子(Ow等 (1986)、前記)を担持する。
【0129】4. 同時培養培地上で同時培養する。 実施例1と同じ。
【0130】5. 洗浄。 実施例1と同じ。
【0131】6. 選択培地。 実施例1と同じである。但し、33個の接種されたカルス
のうち25個のカルスがカナマイシン耐性カルスを形成し
た(第1表)。
【0132】7. 維持培地上で培養して体細胞胚を形
成させる。 実施例1と同じ。
【0133】8. 成熟培地上で培養して成熟体細胞胚
を形成させる。 実施例1と同じ。
【0134】9. 発芽培地上で培養する。 実施例1と同じ。
【0135】10.苗条増殖培地上で培養する。 実施例1と同じ。
【0136】11.苗条伸長培地上で培養する。 実施例1と同じ。
【0137】12.人工土壌上で培養して根を再生させ
る。 実施例1と同じ。但し、苗条は、N3-4培地で飽和したJi
ffy Pots中で培養された。4週間後、完全な植物が土壌
に移された。
【0138】13.土壌への移行。 完全な植物を土壌に移し、そして成長チャンバー(16時
間/日の光照射、夜の温度16℃、日中の温度24℃)にお
いて2週間インキュベートした。植物をプラスチックに
より被覆し、これを2週間にわたって徐々に除去し、植
物を堅くした。
【0139】14.形質転換の結果及び例示。 形質転換はいくつかの手段により確かめられた。 1)形質転換されたカルスはM20 K200C 培地上で増殖を
続けることができ(第2表)、そして2)LUC アッセイ
において、ほとんどの形質転換されたカルスは陽性であ
り、そして非形質転換カルスは陰性であった(第4表及
び図16)。
【0140】
【表4】
【0141】実施例3 インビトロでの葉外植体 ローザ・ハイブリダ L. var. ソニアからの葉外植体か
ら体細胞胚を形成させるために使用される方法は、図1
2に示される。ローザ・ハイブリダ L. var.ソニアの
インビトロ苗条からの葉(図4のFIG.2A)を、カルス誘
発のための外植体源として用いた。側面の芽からの苗条
を、ハセガワ培地(Hasegawa(1979)14:610〜612)上で
培養した。葉の茎部及び頂点領域を、接種の前に除去し
た。
【0142】M139培養誘発培地を、ホルモンの濃度を変
えることにより使用した:2,4-D(1.5 〜2.0 mg/L)、
ゼアチン(1.0 〜2.0 mg/L)及びABA(0〜0.2 mg/
L)。このカルス誘発培地中で培養された葉は、3〜4
週間後、ひじょうに海綿質の組織を形成した(図5のFI
G.2B)。これらの海綿質のカルスを、White 塩(White
(1943)Handbook of Plant Tissue Culture, Lancaste
r, USA),MS 0.5x 鉄溶液、White ビタミン及びアミノ
酸、KIN(2.0 mg/L)、NAA(4mg/L)、GA3 (1.0 mg
/L)、スクロース(20g/L)及びSigma 寒天(8g
/L)から成るW25-1(pH5)中で培養した。ここで、そ
れらは4〜6週間後、薄緑色の非晶性カルスから遊離の
球状胚に起因する白色のいくぶんこわれやすいカルスに
変わった(図5のFIG.2C及び図6のFIG.2D)。同じ培地
におけるそれらの球状胚の継代培養は、二次胚形成を誘
発した(図6のFIG.2E)。追加の二次胚を形成するこの
能力は4回の連続的な継代培養の間、続いた。4回目の
継代培養の後に形成された球状構造体は、ひじょうに硬
質で、膨潤性で且つでこぼこ状に変わり、後で、ひじょ
うに乾燥したカルスに変化した。
【0143】実施例4 細胞懸濁培養物 ローザ・ハイブリダ L. var. ロヤルティからの細胞懸
濁液から体細胞胚を形成させるために使用される方法
は、図13に示される。ローザ・ハイブリダ L.var.
ロヤルティの液体培養物は、野生植物の成熟葉に由来す
る一次カルスから確立された。表面殺菌は、エタノール
(70%)により2分間、続いてclorox(10%)/Tween-
20(0.1 %)により8分間行った。5分間隔での滅菌脱
イオン水による4回のすすぎが必要であった。約0.5 cm
2 の葉片を、カルス誘発培地(M130-7):MS塩、KIN(1.
0 mg/L)を補充したMSビタミン、NAA(2mg/L)、寒
天上に接種し、そして24℃で光照射の下で、115 rpm で
のシェーカー上に維持した。成熟葉は、M130-7における
接種後3〜5週で硬質のカルスを形成した(図8のFIG.
3A)。液体M130-7において継代培養されたカルスは、3
週間後、酸化した。この酸化工程は、第2液体培地、M1
1 の存在下で、続く10週間の培養の間、続いた。その
間、ひじょうに球状の白色の部分が、強く酸化されたカ
ルスから生じた(図9のFIG.3B)。組織酸化を克服する
ために、新規の液体培地W25-3(W25-1 と同じであるが、
寒天を含まない)を利用した。追加の成長は観察され
ず、そして組織酸化は、この培地において3週間で完結
した。最終液体培地(SM-1, Prioli and Sondahl(1989
)Bio/Technology 7:589〜594)を用いて、球状構造体
から良好な細胞懸濁液を形成した。SM-1中への酸化され
たカルスの移行は、白色でコンパクトは胚発生組織の発
生を可能にし、これは3〜4週間内に、小さな細胞塊状
物を形成し始めた。微細な細胞懸濁液がこれらの培養物
から確立され(図9のFIG.3C)、そして1回の3〜4日
間の継代培養による懸濁培養物100 mL当たりパックされ
た細胞10mLの密度で維持された。このタイプの液体培養
での2週間後、これらの微細な細胞懸濁液の再生能力
を、W26-1 固体培地上で評価した。この再生培地は、W2
5-1 におけるような修正されたWhite 塩、チアミン−HC
l(5mg/L)、イノシトール(100 mg/L)、ピリドキ
シン(1.5 mg/L)、ニコチン酸(1.5mg/L)、グリ
シン(2.0 mg/L)、KIN(2.0 mg/L)、NAA(0.25mg/
L)、スクロース(20g/L)及びSigma 寒天(6g/
L)、pH5.6 から成るものであった。初期発生段階での
体細胞胚は、再生培地上での4週間後、W26-1 において
肉眼で認識できた(図9のFIG.3D)。
【0144】本明細書に記載される発明は、ここに開示
される特定の態様により発明の範囲を制限するものでは
ない。なぜならば、これらの態様は、本発明のいくつか
の観点の例示として提示されるからである。いずれかの
同等の態様も、本発明の範囲内にあるものと意図され
る。
【0145】前述の発明は理解の目的で詳細に記載され
て来たが、ある修飾が本発明の範囲内で実施され得るこ
とは明らかであろう。
【0146】種々の文献が本明細書に引用され、そして
それらの開示は、引用により本明細書に組込まれる。
【0147】
【発明の効果】本発明は外因性DNA配列を発現する細
胞を有するバラ植物の生産方法を提供するものであり、
かかる生産方法によって外因性DNA配列を発現する細
胞を有するバラ植物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤルティ
の花糸外植体からの体細胞胚形成の種々の段階の形態を
示す写真である。FIG.1Aは一次カルス(右)及び球状胚
(左)からの分化の初期段階;バー2.0mmを示し、FI
G.1Bは球状胚分化;生存する胚からの複数の出芽の存在
が注目される;バー0.7mmを示す。
【図2】図2は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤルティ
の花糸外植体からの体細胞胚形成の種々の段階の形態を
示す写真である。FIG.1Cは胚増殖の初期段階の間の子葉
形成;バー0.8mmを示し、FIG.1Dは子葉分化;バー
1.0mmを示し、FIG.1Eは体細胞胚に由来する壊れ易い
胚発生組織;バー1.0mmを示し、FIG.1Fは成長の後期
段階での複数の体細胞胚;バー1.7mmを示す。
【図3】図3は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤルティ
の花糸外植体からの体細胞胚形成の種々の段階の形態を
示す写真である。FIG.1Gは胚軸の伸び及び子葉の伸長に
より特徴づけられる胚発芽の初期段階;バー1.2mmを
示し、FIG.1Hは発芽培地における3週間後のバラの発芽
された体細胞胚;バー1.2mmを示す。
【図4】図4は、ローザ・ハイブリダ var.ソニアの葉
外植体からの体細胞胚形成の種々の段階の形態を示す写
真である。FIG.2Aは培養物における3週間後の腋芽から
の苗木;バー14.3mmを示す。
【図5】図5は、ローザ・ハイブリダ var.ソニアの葉
外植体からの体細胞胚形成の種々の段階の形態を示す写
真である。FIG.2Bは一次培地上での3週間後、葉から形
成される海綿状カルス;バー1.1mmを示し、FIG.2Cは
再生培地上での6週間後、一次カルスからの胚分化の初
期段階;バー1.2mmを示す。
【図6】図6はローザ・ハイブリダ var.ソニアの葉外
植体からの体細胞胚形成の種々の段階の形態を示す写真
である。FIG.2Dはやや壊れ易い胚発生組織からの球状の
胚分化;バー1.2mmを示し、FIG.2Eは球状の胚増殖;
バー1.2mmを示す。
【図7】図7は、ローザ・ハイブリダ var.ソニアの葉
外植体からの体細胞胚形成の種々の段階の形態を示す写
真である。FIG.2Fは球状の胚増殖の拡大;バー0.5mm
を示す。
【図8】図8は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤルティ
の成熟葉カルスからの胚発生細胞懸濁液の種々の段階の
形態を示す写真である。FIG.3Aは培養での3週間後、成
熟葉外植体からの一次カルス増殖;バー6.2mmを示
す。
【図9】図9は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤルティ
の成熟葉カルスからの胚発生細胞懸濁液の種々の段階の
形態を示す写真である。FIG.3Bは液体培養における酸化
された球状カルスに由来するコンパクトな白色胚発生組
織;バー1.1mmを示し、FIG.3Cはコンパクトな胚発生
組織からの微細細胞懸濁液;バー10.0mmを示し、FIG.3D
は固体培地上での4週間後、細胞懸濁液からのバラ体細
胞胚の再生;バー0.7mmを示す。
【図10】図10は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤル
ティからの雄ずい花糸から苗を生成するために使用され
る一般的な方法を示す。
【図11】図11は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤル
ティからの雄ずい花糸から苗を生成するために使用され
る一般的な方法を示す。
【図12】図12は、ローザ・ハイブリダ var.ソニア
からの葉外植体から体細胞胚を形成させるために使用さ
れる一般的な方法を示す。
【図13】図13は、ローザ・ハイブリダ var.ロヤル
ティからの細胞懸濁液から体細胞胚を形成させるために
使用される一般的な方法を示す。
【図14】図14は、実施例1で使用される二元プラス
ミドpJJ3499 の地図である。
【図15】図15は、実施例2において使用されるプラ
スミドpJJ3491 のT-DNA 領域を示す。プラスミドpJJ393
1 は、nos/NPT 融合体及び35S/ルシフェラーゼ融合体を
担持する。
【図16】図16は、ほたるルシフェラーゼ遺伝子を担
持する形質転換されたバラ胚発生カルスからの棒グラフ
の発光測定である。15種の推定上の形質転換されたカル
ス(No. 1〜15)及び12種の形質転換されていない対照
カルス(Cにより示される)が、1.5mLのマイクロ遠
心分離管における 200mMのルシフェリン溶液60mLに30分
間、暗室においてそれぞれ配置された。次に、管は、シ
ンチレーションバイアルに置かれ、そしてシンチレーシ
ョンカウンター(Packard InstrumentCo.,Powners,Grov
e,IL,USA)により測定された。バーは、cpm の対数尺度
で個々のサンプルから発せられる光単位の数を示す(計
数/分)。アッセイが、一般的に、Owら.(1986)Scienc
e 234:856 〜859 に記載されたようにして行なわれた。
フロントページの続き (72)発明者 ノリエガ,クレメンシア アメリカ合衆国、ニュージャージー 08054、マウント ローレル、エディンバ ーグ レーン 6 (72)発明者 ロビンソン,カロル アメリカ合衆国、カリフォルニア 94556、 モラガ、リマー ドライブ 1245 (72)発明者 サンダール,マロ,アール. アメリカ合衆国、ニュージャージー 08054、マウント ローレル、エディンバ ーグ レーン 6

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外因性DNA配列を発現する細胞を有す
    るバラ植物。
  2. 【請求項2】 外因性DNA配列を発現する細胞を有す
    るバラの苗木。
  3. 【請求項3】 バラ植物由来の成熟体細胞組織から外因
    性DNA配列を発現するバラ苗木を生産する方法であっ
    て、下記の工程、すなわち、 (a) バラ植物由来の成熟体細胞組織を、カルス形成
    を誘発するのに有効な量の栄養物、エネルギー源、オー
    キシン、成長調節因子、及びサイトキニンを含むカルス
    誘発培地上で培養してカルス形成を誘発させる工程であ
    って、該組織が雄ずい花糸、葉外植体、茎断片、苗条
    端、花弁、がく片、葉柄及び花柄からなる群より選択さ
    れる植物部分に由来するものである工程、 (b) 工程(a)のカルス由来の細胞を、栄養物、エ
    ネルギー源、及び誘導化合物を含む同時培養培地中で、
    アグロバクテリウム細胞をカルス細胞に感染させそして
    外因性DNA配列を該カルス細胞染色体に転移させるよ
    うな条件の下で、該外因性DNA配列を保持するアグロ
    バクテリウム細胞と混ぜる工程、 (c) 工程(b)で得られるカルス細胞を、栄養物、
    エネルギー源、オーキシン、サイトキニン、及び選択マ
    ーカー遺伝子を発現しないカルス細胞の成長を阻害する
    物質を含む選択培地中で培養して該外因性DNA配列を
    発現するカルス細胞を取得する工程、 (d) 工程(c)から得られる細胞を、体細胞胚を形
    成させるのに有効な量の栄養物、エネルギー源、抗細菌
    剤、及びオーキシン又はサイトキニン以外のアブシジン
    酸及びジベレリン酸から選択される成長調節因子を含む
    再生培地中で培養して該外因性DNA配列を発現する体
    細胞胚を形成させる工程、 (e) 前記体細胞胚を、分化した体細胞胚を形成させ
    るのに有効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節
    因子を含む成熟培地中で培養して該外因性DNA配列を
    発現する分化した体細胞胚を形成させる工程、 (f) 分化した胚の上に苗条及び葉を形成させるのに
    有効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節因子を
    含む発芽培地中で工程(e)から得られる分化した体細
    胞胚を培養して発芽した胚を形成させる工程、及び (g) 前記発芽した胚を根付かせて生育能力のある苗
    木を生産する工程、を含んで成る方法。
  4. 【請求項4】 外因性DNA配列を発現するバラのカル
    ス細胞。
  5. 【請求項5】 外因性DNA配列を発現するバラのカル
    ス細胞を生産する方法であって、下記の工程、すなわ
    ち、 (a) バラ植物由来の成熟体細胞組織を、カルス形成
    を誘発するのに有効な量の栄養物、エネルギー源、オー
    キシン、成長調節因子、及びサイトキニンを含むカルス
    誘発培地上で培養してカルスを誘発させる工程であっ
    て、該組織が雄ずい花糸、葉外植体、茎断片、苗条端、
    花弁、がく片、葉柄及び花柄からなる群より選択される
    植物部分に由来するものである工程、 (b) 工程(a)のカルス由来の細胞を、栄養物、エ
    ネルギー源、及び誘導化合物を含む同時培養培地中で、
    アグロバクテリウム細胞をカルス細胞に感染させそして
    外因性DNA配列を該カルス細胞染色体に転移させるよ
    うな条件の下で、該外因性DNA配列を保持するアグロ
    バクテリウム細胞と混ぜる工程、 (c) 工程(b)で得られるカルス細胞を、栄養物、
    エネルギー源、オーキシン、サイトキニン、及び選択マ
    ーカー遺伝子を発現しないカルス細胞の成長を阻害する
    物質を含む選択培地中で培養して該外因性DNA配列を
    発現するカルス細胞を取得する工程、を含んで成る方
    法。
  6. 【請求項6】 外因性DNA配列を発現するバラの体細
    胞胚。
  7. 【請求項7】 外因性DNA配列を発現するバラの体細
    胞胚を生産する方法であって、下記の工程、すなわち、 (a) バラ植物由来の成熟体細胞組織を、カルス形成
    を誘発するのに有効な量の栄養物、エネルギー源、オー
    キシン、成長調節因子、及びサイトキニンを含むカルス
    誘発培地上で培養してカルス形成を誘発させる工程であ
    って、該組織が雄ずい花糸、葉外植体、茎断片、苗条
    端、花弁、がく片、葉柄及び花柄からなる群より選択さ
    れる植物部分に由来するものである工程、 (b) 工程(a)のカルス由来の細胞を、栄養物、エ
    ネルギー源、及び誘導化合物を含む同時培養培地中で、
    アグロバクテリウム細胞をカルス細胞に感染させそして
    外因性DNA配列を該カルス細胞染色体に転移させるよ
    うな条件の下で、該外因性DNA配列を保持するアグロ
    バクテリウム細胞と混ぜる工程、 (c) 工程(b)で得られるカルス細胞を、栄養物、
    エネルギー源、オーキシン、サイトキニン、及び選択マ
    ーカー遺伝子を発現しないカルス細胞の成長を阻害する
    物質を含む選択培地中で培養して該外因性DNA配列を
    発現するカルス細胞を取得する工程、 (d) 工程(c)から得られる細胞を、体細胞胚を形
    成させるのに有効な量の栄養物、エネルギー源、抗細菌
    剤、及びオーキシン又はサイトキニン以外のアブシジン
    酸及びジベレリン酸から選択される成長調節因子を含む
    再生培地中で培養して該外因性DNA配列を発現する体
    細胞胚を形成させる工程、を含んで成る方法。
  8. 【請求項8】 外因性DNA配列を発現するバラの分化
    した体細胞胚。
  9. 【請求項9】 外因性DNA配列を発現するバラの分化
    した体細胞胚を生産する方法であって、下記の工程、す
    なわち、 (a) バラ植物由来の成熟体細胞組織を、カルス形成
    を誘発するのに有効な量の栄養物、エネルギー源、オー
    キシン、成長調節因子、及びサイトキニンを含むカルス
    誘発培地上で培養してカルス形成を誘発させる工程であ
    って、該組織が雄ずい花糸、葉外植体、茎断片、苗条
    端、花弁、がく片、葉柄及び花柄からなる群より選択さ
    れる植物部分に由来するものである工程、 (b) 工程(a)のカルス由来の細胞を、栄養物、エ
    ネルギー源、及び誘導化合物を含む同時培養培地中で、
    アグロバクテリウム細胞をカルス細胞に感染させそして
    外因性DNA配列を該カルス細胞染色体に転移させるよ
    うな条件の下で、該外因性DNA配列を保持するアグロ
    バクテリウム細胞と混ぜる工程、 (c) 工程(b)で得られるカルス細胞を、栄養物、
    エネルギー源、オーキシン、サイトキニン、及び選択マ
    ーカー遺伝子を発現しないカルス細胞の成長を阻害する
    物質を含む選択培地中で培養して該外因性DNA配列を
    発現するカルス細胞を取得する工程、 (d) 工程(c)から得られる細胞を、体細胞胚を形
    成させるのに有効な量で栄養物、エネルギー源、抗細菌
    剤、及びオーキシン又はサイトキニン以外のアブシジン
    酸及びジベレリン酸から選択される成長調節因子を含む
    再生培地中で培養して該外因性DNA配列を発現する体
    細胞胚を形成させる工程、及び (e) 前記体細胞胚を、分化した体細胞胚を形成させ
    るのに有効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節
    因子を含む成熟培地中で培養して該外因性DNA配列を
    発現する分化した体細胞胚を形成させる工程、を含んで
    成る方法。
  10. 【請求項10】 外因性DNA配列を発現するバラのカ
    ルス細胞から外因性DNA配列を発現するバラ苗木を生
    産する方法であって、下記の工程、すなわち、 (a) 該外因性DNA配列を発現するバラのカルス細
    胞を、体細胞胚を形成させるのに有効な量の栄養物、エ
    ネルギー源、抗細菌剤、及びオーキシン又はサイトキニ
    ン以外のアブシジン酸及びジベレリン酸から選択される
    成長調節因子を含む再生培地中で培養して該外因性DN
    A配列を発現する体細胞胚を形成させる工程、 (b) 前記体細胞胚を、分化した体細胞胚を形成させ
    るのに有効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節
    因子を含む成熟培地中で培養して該外因性DNA配列を
    発現する分化した体細胞胚を形成させる工程、 (c) 分化した胚の上に苗条及び葉を形成させるのに
    有効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節因子を
    含む発芽培地中で工程(b)から得られる分化した体細
    胞胚を培養して発芽した胚を形成させる工程、及び (d) 前記発芽した胚を根付かせて生育能力のある苗
    木を生産する工程、を含んで成る方法。
  11. 【請求項11】 外因性DNA配列を発現するバラの体
    細胞胚から外因性DNA配列を発現するバラ苗木を生産
    する方法であって、下記の工程、すなわち、 (a) 該外因性DNA配列を発現するバラの体細胞胚
    を、分化した体細胞胚を形成させるのに有効な量の栄養
    物、エネルギー源、及び成長調節因子を含む成熟培地中
    で培養して該外因性DNA配列を発現する分化した体細
    胞胚を形成させる工程、 (b) 分化した胚の上に苗条及び葉を形成させるのに
    有効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節因子を
    含む発芽培地中で工程(a)から得られる分化した体細
    胞胚を培養して発芽した胚を形成させる工程、及び (c) 前記発芽した胚を根付かせて生育能力のある、
    該外因性DNA配列を発現する苗木を生産する工程、を
    含んで成る方法。
  12. 【請求項12】 外因性DNA配列を発現するバラの分
    化した体細胞胚から外因性DNA配列を発現するバラ苗
    木を生産する方法であって、下記の工程、すなわち、 (a) 体細胞胚の上に苗条及び葉を形成させるのに有
    効な量の栄養物、エネルギー源、及び成長調節因子を含
    む発芽培地中で該外因性DNA配列を発現するバラの分
    化した体細胞胚を培養する工程、及び (b) 前記発芽した胚を根付かせて生育能力のある、
    該外因性DNA配列を発現する苗木を生産する工程、を
    含んで成る方法。
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