JP4726967B2 - コンピュータ・ネットワーク - Google Patents

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Description

(政府許諾権の言明)
米国政府は、本発明の一部での許諾権料を支払っており、限定された状況で、特許所有者に、U.S.Army Aviation & Missile Commandによって与えられる契約書No.:DAAH01−98−C−R005の条項によって既定される、妥当な条件で他人に許諾を与えることを要求する権利を有する。
(発明の分野)
本発明は、コンピュータ・ネットワークで使用する通信プロトコルに関し、より詳細には、アドホック・ワイヤレス・ネットワーク内での媒体アクセス制御および/またはリンク・レベルで使用する、そうしたプロトコルに関する。
(背景)
マルチホップ・パケット無線ネットワーク(すなわち、アドホック・ネットワーク)は、パケット・スイッチング技術を移動ユーザを有する環境に拡張する。そうしたネットワークは、緊急状況で迅速に設置することが可能であり、また自己構成可能である。パケット無線機(または局)が、共通同報通信を共用することができるようにする媒体アクセス制御(MAC)プロトコルは、パケット無線ネットワークの必要不可欠な構成要素である。
MACプロトコルには2つの主な種類が存在する。競合・ベースのプロトコルと競合・フリーのプロトコルである。キャリア検知多重アクセス(CSMA)プロトコル(例えば、L.Kleinrock & F.A.Tobagi,「Packet Switching in Radio Channels:Part I − Carrier Sense Multiple Access Modes and their throughput−Delay Characteristics」,IEEE Trans.Comm.,Vol.COM−23,No,12,pp.1400−1416(1975)を参照)が、競合・ベースのMACプロトコルのうちの最も普及しているものの例であり、B.M.Leiner他、編、「Proceedings of IEEE,Vol.75(1987年1月)」に記載されるもののような、いくつものパケット無線ネットワーク内で使用されてきた。これらのプロトコルは、各局に、伝送を行う前に、チャネルにリスンすることを要求することによって、局が、その伝送範囲内で他の局と同時に伝送を行うことを防止しようとする。
パケット無線機のハードウェア特性は、パケット無線機が、同一チャネルに対して、伝送を行うと同時にリスンすることができないようになっている。したがって、衝突検出(例えば、R.M.Metcalfe & D.R.Boggs,「ETHERNET(登録商標):Distributed Packet Switching for Local Computer Networks」,Communications of the ACM,Vol.19,No.7,pp.395−403(1976年)に記載されるCSMA/CD)は、単一チャネル・パケット無線ネットワーク内で使用することができない。さらに、CSMAプロトコルのスループットは、同じ受信機の範囲内にある複数の送信機が互いの伝送を検知できる限り、非常に良好なものではあるが、「隠れた端末」の問題が、CSMAのパフォーマンスを相当に低下させる。これは、キャリア検知が、そのケースでの衝突を防止できないからである。例えば、F.A.Tobagi & L.Kleinrock,「Packet Switching Radio Channels:Part II − the Hidden Terminal Problem in Carrier Sense Multiple Access Modes and the Busy−Tone Solution」,IEEE Trans.Comm.,Vol.23,No.12,pp.1417−1433(1975年)を参照されたい。
TobagiおよびKleinrockによって進められるビジートーン多重アクセス(BTMA)プロトコルは、CSMAの隠れた端末の問題に取り組んだ最初の提案であった。BTMAは、局ベースのネットワークのために設計されており、チャネルをメッセージ・チャネルとビジートーン・チャネルに分割する。基地局は、データ・チャネル上でキャリアを検知するかぎり、ビジートーン・チャネル上でビジートーン信号を伝送する。基地局は、すべての端末を見ることができるので、各端末は、ビジートーン・チャネルを検知して、データ・チャネルの状態を判定することができる。BTMAの限界は、データ・チャネルの状態を伝えるのに、別個のチャネルを使用すること、データ・チャネル内でキャリアを検出している間、ビジートーンを伝送するのに受信機を必要とすること、および狭帯域チャネル内でビジートーン信号を検出するのが困難なことである。
パケット無線ネットワークのための受信側開始ビジートーン多重アクセス・プロトコルも提案されている。C.Wu.& V.O.K.Li,「Receiver−Initiated Busy−Tone Multiple Access in Packet Radio Networks」,ACM SIGCOMM 87 Workshop:Frontiers in Computer Communications Technology,Aug.11−13,1987年。このスキームでは、送信側は、送信要求(RTS)を受信側に対して、データ・パケットを送信する前に伝送する。受信側は、正しいRTSを得たとき、別個のチャネルでビジートーンを伝送して、付近の他のソースに引き下がるように警報する。正しいソースには、常に、それがデータ・パケットの伝送を開始できることが通知される。このスキームの1つの限界は、それが、やはり、別個のビジートーン・チャネルおよび全二重オペレーションを受信側で必要とし、したがって、パケット無線ネットワークを非実用的にしていることである。
送信側と受信側の間でのハンドシェークに基づく、ワイヤレス・ネットワークのための最初のプロトコルのうちの1つは、SRMA(分割チャネル予約多重アクセス)であった。F.A.Tobagi & L.Kleinrock,「Packet Switching in Radio Channels:Part III − Polling and (Dynamic) Split−Channel Reservation Multiple Access」,IEEE Trans.Comm.,Vol.COM−24,No.8,pp.832−845(1976年)。SRMAによれば、パケットの送信側は、ALOHAまたはCSMAを使用して、それがRTSを正しく受信した場合、いつ送信応答(CTS)を送信するかを判定する。CTSは、送信側に、いつそのデータ・パケットを伝送するかを知らせる。SRMAは、RTS/CTS交換のための1つまたは2つの制御チャネルとともに提案されたが、同一のスキームが、単一チャネルにも当てはまる。
SRMAが最初に提案されて以来、いくつかの他のMACプロトコルが、同様のRTS−CTS交換、あるいはRTSとそれに続く休止に基づく単一チャネル・ワイヤレス・ネットワークまたはワイヤライン・ローカル・エリア・ネットワークに対して提案されている。例えば、V.Bharghavan他,「MACAW:A Medium Access Protocol for Wireless LANs」,Proc.ACM SIGCOMM ′94,pp.212−25,Aug.31−Sep.2,1994年、V.Bharghavan,「Access,Addressing and Security in Wireless Packet Networks」,PhD Thesis,University of California,Berkeley,Computer Science Dept.(1995年)、A.Colvin,「CSMA with Collision Avoidance」,Computer Comm.,Vol.6,No.5,pp.227−235(1983年)、W.F.Lo & H.T.Mouftah,「Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection for Radio Channels」,IEEE 13th Int′l Comm.And Energy Conf.,pp.244−247(1984年)、R.Rom,「Collision Detection in Radio Channels」pp.235−49(1986年)、およびG.S.Sidhu他,「Inside Apple Talk」,2nd ed.(1990年)を参照されたい。さらに、Karnが、MACA(多重アクセス衝突回避)と呼ばれるプロトコルを提案して、RTSの伝送のためにALOHAを使用する単一チャネルでの隠れた端末の問題に対処している。P.Karn,「MACA − A New Channel Access Method for Packet Radio」,ARRL/CRRL Amateur Radio 9th Computer Networking Conference,pp.134−140(1990年)。このプロトコルは、キャリア検知なしに、RST−CST交換を使用して、受信側で衝突を検出しようとする。コンピュータ・ネットワークに関する802.11規格を管理する電気電子学会(IEEE)の委員会が、RST−CTSハンドシェーク(DFWMAC)に基づく伝送モードを含む、無線ローカル・エリア・ネットワークのためのMACプロトコルを提案している。K.C.Chen,「Medium Access Control of Wireless LANs for Mobile Computing」,IEEE Network,Vo.8,No.5,pp.50−63(1994年)、P802.11−Unapproved Draft:Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Specifications,IEEE(1996年1月)。
FullmerおよびGarcia−Luna−Acevesが、アドホック・ネットワークにとって特に魅力的な、RTS−CTS交換に基づくMACプロトコルに対する新しい変形形態を導入した。C.L.Fullmer & J.J.Carcia−Luna−Aceves,「Solution to Hidden Terminal Problems in Wireless Networks」,Proc.ACM SIGCOMM ′97,September 14−18(1997年)。このプロトコルは、FAMA−NCS(非持続性キャリア検知を有するフロア獲得多重アクセス)。FAMA−NCSの目的は、送信すべきデータを有する局が、いかなるデータ・パケットも送信する前に、受信機の近辺(これが「フロア」と呼ばれる)で、チャネルの制御を獲得して、データ・パケットが、受信側で、どの他のパケットとも衝突しないことを確実にすることである。
前述したもののような競合・ベースのMACプロトコルが抱える主な問題は、それらが、遅延アクセスを保証しないことである。この欠点は、競合・ベースのプロトコルを、ワイヤレス・ネットワークを介するボイド転送などの適用形態に関して、非効率的にすることである。衝突フリーのプロトコルは、チャネル・アクセスの遅延を保証することができる。ただし、マルチホップ・ワイヤレス・ネットワーク内で動作するように設計されているプロトコルは、ほとんどない。
ネットワーク内で使用される別のプロトコルは、時間分割多重アクセス(TDMA)プロトコル・ファミリである。この場合、時間が、時間スロットから成るフレームに分割される。時間スロットは、特定ノードに割り振られるか、あるいは、その時間スロットを割り振るのに、中央局が使用される。TDMAの限界は、ノードに対する時間スロットの固定割当ての使用に由来し、この割当ては、ネットワークの変化に適応するのが遅く、ノードが、トラフィックのバースト性ソースである場合(アドホック環境の場合に、そうであるように)、チャネルを非効率的に使用する。いくつかのプロトコルが、中央基地局を必要とせずに動的に時間スロットを割振るために、近年、提案されている。これらのプロトコルは、トポロジ非依存時間スケジューリング・プロトコルまたはトポロジ依存時間スケジューリング・プロトコルとして分類することができる。
Shepard、Chlamtac、およびJuとLiが、トポロジ非依存時間スケジューリング・プロトコルを提案している。T.Shepard,「A Channel Access Scheme for Large Dense Packet Radio Networks」,SIGCOMM ′96 Conference Proc.(1996年)、I.Chlamtac他,「Time−Spread Multiple−Access(TSMA) Protocol for Multihop Mobile Radio Networks」,IEEE/ACM Transactions on Networking,Vol.5,No.6(1997年12月)、Ji−Her Ju & Victor O.K.Li,「An Optical Topology−Transparent Scheduling Method in Multihop Packet radio Networks」,IEEE/ACM Transactions on Networking Vol.6,No.3(1998年6月)。これらのプロトコルでは、ノードには、それらが発行する伝送スケジュールが事前に割当てられる(例えば、それらのノードIDを使用して)、またはノードは、それを採用する。そうしたスケジュールは、ノードが送信および受信を行う時刻を指定する。プロトコルは、ノードのスケジュール内の少なくとも1つの伝送時間が、1ホップまたは2ホップ離れたどのノードとも競合しないことを保証するか、またはその高い可能性を与える。
ChlamtacおよびJuの手法では、ノードは、どの伝送が成功するかを判定することができず、より高い層(例えば、リンク層)のプロトコルを複雑にする。これらの手法は、また、ネットワーク内の全数のノードおよび各ノードごとの最大数の隣接ノードに対する値を、アルゴリズムに対する入力パラメータとして必要とし、したがって、それらを最悪ケース条件に対して設計させる(したがって、ネットワークが、予期されるほど高密度ではない場合、非効率をもたらす)か、またはそれらは、実際のネットワーク条件の影響を受けやすくなる(ネットワークが、予期されるよりも大きい、または高密度である場合)。
Shepardの手法は、ノードが、その隣接ノードと同期され、それらの隣接ノードのスケジュールを知っており、複数の伝送ノードから同時に受信することができると想定することによって、衝突を回避する。この最後の想定は、かなり高度な無線ハードウェアを必要とする。
最近、ZhuおよびCorson(C.Zhu & M.S.Corson,「A Five−Phase Reservation Protocol(FPRP) for Mobile Ad Hoc Networks」,Proc.IEEE INFOCOM ′98)、ならびにTangおよびGarcia−Luna−Aceves(Z.Tang & J.J.Garcia−Luna−Aceves,「Hop−Reservation Multiple Access(HRMA) for Multichannel Packet Radio Networks」,Proc.IEEE IC3N ′98:Seventh Int′l Conf.On Computer Communications and Networks,October 12−15,1998年、J.J.Garcia−Luna−Aceves,「SPARROW/WINGS Technologies」,DARPA/SPAWAR Meeting,SPAWAR,San Diego,November 18,1998年)が、トポロジ依存スケジューリング・プロトコルを開発し、ノードが、それ自体から1ホップまたは2ホップ離れたノードに干渉することなく、伝送できるようにする伝送スケジュールを獲得できるようにし、またチャネル再使用が、ノード当たりの隣接ノードの数が減少するにつれて、増加するようにしている。これらのプロトコルは、ノードが、衝突フリーの時間スロットを予約するために競合することを必要とする。
初期のトポロジ非依存スケジュールと、その後で、ネットワーク・ノード間の通信が最終スケジュールをネゴシエーションすることを必要とする他のTDMA手法には、下記のものが含まれる。Chlamtacが、そのアルゴリズムの数回の反復の後、トラフィック・デマンドに適応することができる反復リンク・スケジュールに基づくアルゴリズムを提案している。このアルゴリズムは、各ノードに、そのノードIDによる伝送スロットを割り当てる、「リンク当たり単一スロット」のスケジュールで開始する。各反復で、スケジュール情報およびスケジュール「トークン」が、経路指定ツリー(既存のアルゴリズムを使用して確立される)を上下して経路指定されて、その満たされていないトラフィック・デマンドの程度に応じて、追加のスロットをノードまたはリンクに割り当てる。I.Chlamtac,「Fair Algorithms for Maximal Link Activation in Multihop radio Networks」,IEEE Transactions on Communications,Vol.COM−35,No.7(1987年)。
EphremidesおよびTruongが、同様のアルゴリズムを提案しており、そこでは、各ノードには、最初、そのノードIDに対応するスロットが割り当てられ、次に、各ノードは、その割当てを使用して、「スケルトン」スケジュールをその隣接ノードに渡す。次の2フレーム(通信スケジュールの2反復)中、固定ノード優先順位に従って、すべての利用可能なスロットが取られるまで、ノードは、利用可能なノードを取ることができる。(すなわち、衝突を生じさせずに、それ以上のスロットを割り当てることができない。収束するのに数回の反復を必要とする比較的固定されたスケジュールの必要性、およびネットワークの最大サイズに等しいスケジューリング・フレーム・サイズのため、これらの手法は、移動性または他のダイナミックスに対する限られたスケーラビリティおよび堅固さを有する。A.Ephremides & T.Truong,「Scheduling Broadcasts in Multihop Radio Networks」,IEEE Transactions on Communications,Vol.COM−38,No.4(1990年)。
Youngによって提案される手法もまた、ノード当たり1スロットの初期割当てと、次に、他のスロットを割り当てるための、パケットをスケジュールするネゴシエーションを必要とする。ただし、初期に割り当てられるスロットは、各「フレーム」内の第1スロットに限られる。したがって、各ノードの割当てスロットは、毎Nフレームごとに起こる。ここで、Nは、最大ネットワーク・サイズである。このため、この手法は、スケーラブルではない。また、ノードは、隣接ノードが提案されるスケジュール追加を確認するまでに、最高でNフレームまで待つ必要があるため、この手法は、動的なトラフィック条件に適応するのが、比較的遅い。C.Davind Young,「USAP:a unifying dynamic distributed multichannel TDMA slot assignment protocol」,MILCOM ′96 Conf.Proc.,vol.1,pp.235−239(1996年10月)。
(発明の概要)
一実施態様では、コンピュータ・ネットワークのノードが活動化されて、そのノードが、まず、そのコンピュータ・ネットワーク内に存在する可能性がある他のノードとのコンタクトを確立することを試みて、そうすることに失敗した場合には、自らを単一ノード・ネットワークとして確立する。ノードは、まず、コンピュータ・ネットワーク内での通信のために、1セットの1つまたは複数のコモン・チャネル(例えば、ワイヤレス通信チャネル)を巡回することによって、他のノードとのコンタクトを確立することを試みる。ノードは、各チャネルで要求パケットを伝送することによって、コンタクトを確立するのを試みることができる。次いで、コモン・チャネルのうちの1つで要求パケットを伝送した後、ノードは、コモン・チャネルのうちの次のものに進む前に応答パケットを求めてリスンする。他のノードのうちの1つから応答パケットを受信すると、ノードは、同期モードに入って、そのコンピュータ・ネットワークに参加する。
好ましくは、応答パケットは、コンピュータ・ネットワーク内での時間を指定するパラメータを含み、また、そのネットワークを識別するコードをさらに含んでもよい。そうした場合、ネットワークを識別するコードは、要求パケットに含まれなければならない。
ノードが単一ノード・ネットワークとして確立された場合、そのノードは、さらなるノードによるネットワークに参加する試みを探してリスンする。他のノードによるネットワークに参加するための1つまたは複数の試みを検出して、ノードは、それに対して応答を伝送する。この応答は、単一ノード・ネットワーク内での時間の指示を含み、また、ネットワーク・コードも含み得る。
別の実施態様では、コンピュータ・ネットワークの第1ノードは、そのコンピュータ・ネットワークの第2ノードによるそのコンピュータ・ネットワーク内の時間の指示を受信して、第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間よりも新しいか、または古いかによって、第1ノードでの時間を調整するかどうかを決定する。好ましくは、第1ノードでの時間は、第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間よりも古い場合にのみ調整される。いくつかの場合では、第2ノードから受信した時間の指示は、第1ノードでの時間を調整するかどうかを決定する前に、コンピュータ・ネットワーク内での遅延のために、増加させることが可能である。第2ノードから受信した時間の指示と第1ノードでの時間との違いが、所定のしきい値量よりも小さい場合、第1ノードは、第1ノードまたは第2ノードのどちらが、他方よりも古い時間を有するかを判定して、第2ノードでの時間の方が古い場合にだけ、第1ノードでの時間を調整する。
さらに別の実施態様では、コンピュータ・ネットワークの第1ノードからのパケット(例えば、制御パケット)のための伝送時間が、ノードの識別およびそのネットワークの経時によって計算される。ネットワークの経時は、制御パケットがその中で伝送されるべき現行のフレームの開始までのネットワーク経時の指示であり得る。この計算は、第1ノードの識別およびネットワークの経時の様々な入力に対して、結果の様々な(例えば、疑似ランダムな)分布を与える関数を使用して計算され、その結果は、最小から最大までの幅があり、パケットが伝送されるフレーム当りの伝送スロットの数を表す。そうした関数は、例えば、暗号化関数またはハッシュ関数であり得る。他の場合には、計算は、パケットが伝送されるフレーム内の伝送スロットを表す疑似ランダム値のエントリの表を使用して実行することができる。
前述のことに加えて、第1ノードは、また、コンピュータ・ネットワークの他のノードに関する伝送時間を計算することもできる。好ましくは、これは、他のノードの各固有識別子、およびネットワーク経時を使用して実行される。この計算は、第1ノードに関する伝送時間を計算するため使用される関数を使用して実現することができ、また、いくつかのケースでは、他のノードは、すべて、コンピュータ・ネットワーク内で、第1ノードの2ホップ近隣内にある。
第1ノードは、また、優先順位判定により、自らと他のノードの内の任意のものとの間での伝送時間に関する競合を解決する。この優先順位判定は、様々な識別入力に対して、一意的な出力を提供する関数、例えば、暗号化アルゴリズムまたは表ルックアップを使用して行うことができる。また、この優先順位判定は、ノードの各々と関連する優先順位バイアスを考慮に入れることも可能である。いずれにしても、第1ノードは、それが、他のノードに勝る優先順位を有すると判定された場合、また、いくつかのケースでは、それが、優先順位しきい値を超える優先順位を有する場合、伝送時間に伝送を行う。
伝送される制御パケットは、データ伝送に関するスケジュールをアドバタイジングすることができる。そうしたスケジュールは、データ伝送を受信する1つまたは複数のノードの識別、および/またはデータ伝送時間の識別、および/またはチャネルの識別を含み得る。スケジュールは、また、持続インディケータ(例えば、データ伝送がそれに対して継続する現行のフレームを超えるフレームの数を示すために)も含み得る。
制御パケット内で、ローカル識別子が、送信ノードおよび/または受信ノードを識別することが可能である。そうしたローカル識別子は、ノードに、通常、関連付けられているネットワーク識別子よりも小さいことがある。ネットワーク識別子に対するローカル識別子のマッピングをネットワーク内で定期的に伝送することができる。他の場合では、制御パケットは、また、ネットワークの1つまたは複数の他のノードによって伝送されたスケジュールおよび/またはパケットに対する確認情報も含み得る。
前述した優先順位判定は、いくつかのケースでは、疑似ランダム値の表を使用して行うことができる。そうしたケースでは、表は、第1ノードの媒体アクセス制御(MAC)層アドレスから導出した値によって索引付けして、第1優先順位判定に対応するエントリをリトリーブすることができる。この第1優先順位判定は、第1ノードのMAC層アドレスを第1優先順位判定に対応するエントリと論理方式で結合することによって検査して、競合を解決することができる。
さらに別の実施態様では、トポロジ非依存スケジューリング手続きを使用して、コンピュータ・ネットワーク内で、そこでのパケットの伝送に関して、候補パケット伝送時間を判定することができ、またトポロジ依存スケジューリング手続きを利用して、競合する期間内での衝突を回避することができる。トポロジ非依存スケジューリング手続きは、ネットワークの経時をそのネットワークの各ノードごとの固有識別子と併せて利用して、ノードの各々に対する候補伝送時間を判定することができる。一実施態様では、ノードの各々に対する候補伝送時間は、入力の様々なサンプリングに対して、様々な(例えば、疑似ランダムの)分布の出力を提供する関数を使用して、計算することができる。この関数は、ハッシュ関数、暗号化関数、または表ルックアップ・オペレーションであり得る。
ノードの各々に対する候補伝送時間に関する競合は、それらのノードの各々に関連する優先順位に従って解決することが可能である。そうした優先順位は、各セットの入力ごとに、一意的な出力を提供する関数、例えば、暗号化関数、ハッシュ関数、または表ルックアップ・オペレーションにより、決定することができる。これらの入力は、各ノードに関連する固有識別子、ネットワークに対するスケジューリング・フレーム数、および/または各ノードごとの優先順位バイアスであり得る。
本発明は、付随する図面の図で、例として、限定するものとしてではなく図示され、そこでは同じ参照番号が同様の要素を指している。
いくつかのサブ・ネットワーク、およびインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)によって維持されるルータを介するインターネットとの相互接続を含むアドホック・ネットワークを示す図である。 本発明の一実施形態による、ネットワーク時間および経時の計算を可能にするスロット・フレーム・エポック方法論を示す図である。 本発明の一実施形態による、ノードがそれによってネットワークに同期化する処理を示す図である。 本発明の一実施形態による、ノードが、それによってそのローカル時間を変更して、ネットワークとの同期を実現する処理を示す図である。 本発明の一実施形態による、ノードがそれによってネットワーク内での伝送のための候補スロットを決定する処理を示す図である。 図5に示す手続きによって選択された候補伝送スロット上での競合を、ノードがそれによって解決することができる処理を示す図である。 図1に示すネットワーク内で伝送され得る制御パケットの一例を示す図である。
(詳細な説明)
下記に提示するのは、ワイヤレス(例えば、アドホック)ネットワークのための、リンク・レベル機能および媒体アクセス制御(MAC)レベル機能を備えた通信プロトコルである。アドホック・ネットワーク内で、ホストおよびネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワークまたはLAN)が、パケット無線機(これは、インターネット無線機(IR)またはノードと呼ぶ)に結合されて、その無線機が、アドホック・ネットワーク内でノード間通信を行うことが可能である。従来の有線ネットワークと対照的に、ホストおよびルータの移動性、ならびに様々なリンクおよび/またはノード条件は、アドホック・ネットワーク内では、例外でなく、むしろ通常のことである。図1は、下記の説明を理解することを助ける例としてのアドホック・ネットワークの形態を図示している。
アドホック・ネットワーク10は、いくつかのIR16a〜16iを介してインターネット14を拡張するいくつかのサブ・ネットワーク12a、12b、12cと見なすことができる。各IR16a〜16iは、割当て済みIPアドレスを有するパケット無線機であり得る。一般的に、IR16a〜16iは、当分野で一般的なスペクトル拡散ワイヤレス通信技法を使用して、単一チャネル上で動作する。例えば、IR16a〜16iは、規制されていないUHF周波数帯域のうちの1つで動作して、これにより、オペレーティング・ライセンスの必要性をあらかじめ回避することが可能である。図が示すとおり、IRは、基本的には、IPルータであるが、次の例外がある。制御トラフィックを抑えてネットワーク効率を高めるために、共用表を介してリンク層プロトコルと対話する固有経路指定プロトコルを従来の経路指定の代りに使用することができ、かつアドホック・ネットワーク10の同報通信無線リンク24a〜24jのために設計された隣接管理プロトコル、リンク・プロトコル、およびチャネル・アクセス・プロトコルをより従来のチャネル・アクセス・プロトコルの代りに使用することができる。
インターネット14に対するアドホック・ネットワーク10の結合は、ルータ18を介して実現することができ、このルータは、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)によって稼動され得る。示すとおり、単一のISPが、複数のIRが接続されているLAN20を稼動させることができる。そうしたスキームでは、IR16aおよび16bは、「AirHead」として動作して、ゲートウェイ・サービスをインターネット14に、ルータ18を介して行うことができる。いくつかのIR、例えば、図1のIR16dと16eは、ホスト22a、22b、22cに関連付けられ、これらのホストは、アドホック・ネットワーク10を介して、任意のインターネット・ユーザによってアクセスされ得る。
概要
IR16a〜16iの間での通信を調整しているのは、インターネット無線オペレーティング・システム(IROS)のリンクおよびMAC層で、その機能のすべてを実行する統合プロトコルである。このプロトコルは、ネットワーク同期が、MACスケジューリング、つまり、ネゴシエーションのない衝突フリーの伝送スケジューリングと、衝突フリーのデータ転送の適応スケジューリングと、新しいノードやモバイル・ノードの効率的な発見および受入れとに緊密に統合されるようにいくつかの構成要素を導入する。したがって、アドホック・ネットワーク10内での伝送するパケットは、予測可能な、衝突フリーの方式でスケジュールすることができ、これにより、ネットワークが安定した後の、「隠れた端末」との衝突の可能性を回避する。
より詳細には、下記の説明からより明白になるとおり、統合プロトコルによって使用されるスケジューリング手続きは、どのパケット伝送のスケジューリングをも可能とする。そうしたスケジュール済みパケットは、MAC層制御パケットの衝突フリーな、ネゴシエーションのないスケジューリングのためのスケジューリング・アルゴリズムの自然な使用のために、以下では「制御パケット」と呼ばれる。これらを使用して、データ・パケットの伝送を動的にスケジュールすることができる。したがって、統合プロトコルは、MAC層制御パケットのスケジュールに対してコモン・チャネルを使用し、またデータ・パケットに対してデータ・チャネルを使用する。また、データ伝送のマルチ・チャネル・スケジューリングもサポートされて、同一近隣内での複数の同時伝送を可能にしている。
基本スキームでは、各ノードは、パケット伝送がいつ行われるのかを決定するためには、そのローカル(例えば、2ホップ)近隣内のノードのアドレス、ならびにそのネットワークの「経時」(通常、同期ネットワーク内で知られている数)を知っているだけでよい。したがって、パケット伝送は、1つのノードの近隣ノードによって予測できるので、統合プロトコルは、制御パケットを伝送するためにいつ起きるか、または他の近隣ノードの制御パケットをいつリスンするかを「スリープ中」ノードが知ることができるようにする。このスケジューリング処理は、リアルタイムのネゴシエーションを全く必要とせず、等しい数の2ホップ近隣ノードを有する各ノードが、任意の所与の期間(下記に、フレームと呼ぶ)内に伝送を行う等しい確率を有することになることで、公平である。さらに、各ノードに固有のオプションの「優先順位バイアス」を通信することによって、制御パケット伝送の頻度を、ノードの電力容量またはネットワーク内でのそのトラフィック処理優先順位に従って次第に調整することができる。
ネットワーク同期
統合プロトコルは、同期ネットワーク内で動作する。そこで、図2に示すとおり、ネットワーク内のノードは、どのように時間が「スロット」に分割されるか、また次に、どのようにスロットが、「フレーム」にグループ化されるかについて合意する。必要とされてはいないが、フレームは、「エポック」にさらにグループ化することが可能である。フレームのスロットは、0からM−1まで番号付けられ、他方、フレームは、エポックごとに、0フレームからN−1フレームまで番号付けられる。統合プロトコルは、伝送の開始(個別パケットまたは連続パケットのバーストのどちらか)が、スロットの開始と一致するようにスケジュールする。したがって、各ノードのスロット・タイミングとその2ホップ近隣ノードでのそれは、Slot_Guard_Timeパラメータ内で同期されなければならない。ただし、ノードは、2ホップよりも離れているノードとは、より緩く同期することができる。
ノードの2ホップ近隣ノードは、そのノードの直接近隣ノード(すなわち、単一ホップ、つまり1ホップ近隣ノード)のすべて、および2ホップ近隣ノードを含む。直接(1ホップ)近隣ノードは、主ノードと直接に通信することができるノードであり、通常、近隣発見―管理プロトコルにより、場合によっては、それをMAC層制御パケットと組み合わせて、知られる。2ホップ近隣ノードは、直接近隣ノードではなく、主ノードの直接近隣ノードのうちの1つまたは複数の直接近隣ノードである。2ホップ近隣ノードは、経路指定プロトコル更新を介して知ることができるが、MAC層(例えば、本通信プロトコルによってサポートされ得る)によって送信される制御パケットの一環として、より迅速に知ることができる。図1では、ノード16cと16eが、互いに2ホップ離れ(別個の可能なパスが考慮されるときでも)、他方、ノード16aと16eは、さらに(すなわち、3ホップ)離れている。
前述のスケジューリングに対応するため、同期スキームは、2つのパラメータを使用する。ネットワーク経時およびネットワーク時間である。「ネットワーク経時」は、現行のフレームの開始までの同期ネットワークの経時である(すなわち、第1ノードが、同期ネットワークの誕生を宣言して以来の)。いくつかのケースでは、これは、単に、そのエポック内のフレーム数に連結されたオプションのエポック数(その同期ネットワークの誕生以来、カウントした)でよい。プロトコルは、そのネゴシエーションなしのスケジューリング・アルゴリズム内で、このネットワーク経時を使用して、パケット伝送のための候補スロットをスケジュールすることと、各フレーム内で競合するスロットを公平に解決するノード優先順位を決定することの両方を行う。実装形態に依存して、ネットワーク経時の周期長(すなわち、ネットワーク経時のいくつかの最下位部分だけ)が、共通パケット・ヘッダ(下記を参照)内で通信されて、完全なネットワーク経時は、キー・ネットワーク同期およびネットワーク・マージ・パケットで使用されることが可能である。
「ネットワーク時間」は、スロット数および現行のスロット内での正確な時間(これは、伝送が、しばしば、スロットの開始で開始するため、パケットにタグ付けされた時間スタンプとしては、しばしば、0である)と連結されたネットワーク経時として定義される。
この同期スキームは、「マスタ」ノードにも、グローバルにアクセス可能なタイミング・ソースにも依拠しない分散方式で動作する。代りに、各ノード(例えば、16a〜16i)が、「ネットワーク時間」を追跡するローカル・タイマに対するアクセスを有し、伝送され、受信されたパケットのローカル・タイムを「スタンプ」する機能を有する。これには、パケットが伝送/受信されたときとパケットがローカルでスタンプされたときの間の予測可能な遅延が伴う。タイマの分解能、およびパケットにスタンプするための処理遅延での変動は、Slot_Guard_Timeの分数よりも小さくなければならない。ノード・タイマは、異なる比率でドリフトすることが予期されるので、同期スキームは、オペレーティング・ネットワーク内で同期を維持する構成要素を含み、また、ネットワークを開始し、それに参加すること、および2つの同期ネットワークをマージすることを負う。これらの構成要素は、下記に説明する。
ネットワークを開始して、それに参加すること
ノードは、最初に電源投入したとき(例えば、リブートまたはリセットの後)、そこで既存のネットワークに参加しようとする「獲得モード」に入る。それに失敗すると、ノードは、自らを単一ノードのネットワークであると宣言して、「Syncモード」に入り、そのスロッティングおよびネットワーク経時カウンタ(フレーム数およびエポック数)を開始する。ノードは、Syncモードに単一ノードネットワークとして、限られた時間(ランダム構成要素を有する)だけ留まり、その後、獲得モードに再び戻って、既存のネットワークを見つけることを試みる。
獲得モードでは、ノードは、ネットワークがそこで稼動する1セットのコモン・チャネルを迅速に循環する(チャネル波形は、オプションとして、ネットワーク管理者によってノード内にプログラムされ得る「ネットワーク・コード」によって決定される)。各チャネル上で、ノードは短い時間リスンし、短い「NetSync要求」パケットを伝送する。これは、オプションとして、ネットワーク・コードのためのフィールドを含み、短い時間、「NetSync応答」パケットを探してリスンし、次のチャネルに移る。
この処理は、図3に図示されており、そこでノードAは、電源投入したばかりである。最初、ノードAは、チャネル1をリスンして、その後、そのチャネルに符号化されたNetSync要求を伝送する。ノードBは、チャネル2上で動作しているので、応答は全く提供されず、そのため、ノードAは、チャネル2に移って、新しい要求を伝送する。
任意の時点で、ノードが、Syncモードで、NetSync要求パケット(それが使用される場合、適切なネットワーク・コード・フィールドを有する)を受信した場合、そのノードは、NetSync応答パケットを送信することになる(ランダムな量の時間待った後、ある一瞬の時間、ノードは獲得モードでチャネルをリスンして、その後次のチャネルに移る)。これは、図3に示されており、そこではノードBが適切に符号化された要求をノードAから受信して応答を伝送する。
NetSync応答パケットは、パケット伝送が開始した時間に関して伝送ノード(図3のノードB)により、またオプションとして、ネットワーク・コード(例えば、共に配置されたネットワークに対する同期を回避するために使用され得る)によって決定された、正確なネットワーク時間を含む。後述するとおり、このネットワーク時間とネットワーク・コードのペアは、「NetSync情報」パケット・ヘッダとして、他のMACパケットまたはより高い層のパケットの先頭に付加して、ネットワーク同期を維持するのを助けることも可能である。
ネットワーク時間と正しいネットワーク・コードを有するパケット(NetSync応答パケット、またはNetSync情報ヘッダを有する他のパケットのいずれか)を受信すると、ノードは獲得状態で(例えば、図3のノードA)、即時に、Syncモードに入り、パケット伝送、伝搬、および処理遅延に対して調整されたNetSync応答パケット内のネットワーク時間にそのネットワーク・タイマを初期設定する。
ネットワーク内で同期を維持すること
ノードは、Syncモードで、ネットワーク内の同期を維持するスキームに参加する。そうした維持は、各ノードのタイマごとの、異なる「ドリフト」比率に対して補償するために必要とされる。
同期を可能にするため、各ノードは、各パケットの先頭にNetSync情報ヘッダを付加する。例えば、これらのヘッダは、スロット境界で伝送を開始することができる、各連続伝送バースト内、あるいは単一パケット伝送内の第1パケットの先頭に付加することが可能である。ノードは、NetSync情報ヘッダを有するパケット(これは、オプションとして、それ自体のネットワーク・コードにマッチするネットワーク・コードを含む)を受信したときはいつでも、まず、パケット伝送、伝搬、および処理遅延に対してパケットのネットワーク時間を調節して、次に、パケット内の結果としての調整済みネットワーク時間をそれ自体のネットワーク時間と比較する。
パケットの調整済みネットワーク時間が、それ自体のネットワーク時間と、スロット持続時間のある分数(例えば、1/4)より大きい量で異なる場合には、マージ処理(下記を参照)を使用して、ノードのネットワーク時間を調整する。そうではなく、パケットの調整済みネットワーク時間が、それ自体のネットワーク時間よりも小さい(新しい)場合、NetSync情報ヘッダは無視される。別法では、パケットの調整済みネットワーク時間がそれ自体のネットワーク時間よりも大きい(古い)場合、ノードはローカル・ネットワーク時間の関数とパケットの調整済みネットワーク時間に応じて、例えば、下記のとおり、そのローカル・ネットワーク時間を調整する。
LocalNetworkTime=α(LocalNetworkTime)+(1−α)(AjustedPacketNetworkTime)
ただし、αは、平滑化定数(場合によっては、0にセットされる)である。もちろん、他のネットワーク時間関数も使用することができる。
したがって、ネットワーク同期を維持している間、各ノードのローカル・ネットワーク時間は、順方向にだけ調整され、ネットワークは、最速のクロックをたまたま有するネットワーク内のノードの時間をラフに追跡する。もちろん、そのノードが何らかの理由でネットワークを離れた場合には、何の混乱も起きない。ネットワーク時間は、次に最も速いクロックの時間を追跡することに、グレースフルに切り替わることになる。
2つの同期ネットワークをマージすること
ノードが、正しいネットワーク・コード(すなわち、それ自体のネットワーク・コードにマッチするもの)を有するパケットを受信したが、調整済みネットワーク時間が、それ自体のネットワーク時間と相当に異なっている場合(前述のとおり)、ノードは、「遷移モード」に入ることを考慮する。ただし、遷移モードに入る前に、ノードは、いずれのネットワーク(この場合、ノードは、それ自体を、ネットワークの残りのノードに対する単一ネットワークのノードと見なすことができ、あるいはエッジ・ノードが新しいネットワークにコンタクトする状況が生じ得る)が優先順位を有するかを判定する。いずれのネットワークも「ロック済み」状態にはない場合には、より古いネットワーク時間を有するネットワークが、優先順位を有する。ネットワークのうちの1つが、ロック済みである場合には、そのネットワークが優先順位を有する。両方のネットワークがロック済みである場合には、パケットは無視される(また、遷移モードには入らない)。いくつかのケースでは、ネットワークのうちの1つが優先順位を有する場合には、ノードは遷移モードに入る(そのノードがより古いネットワーク内にある場合でも)。他の実施形態では、ノードは、自らがより新しいネットワーク内にあることを知った場合、常に、遷移モードに入るが、より古いネットワークにある場合には、遷移モードに入ることも、入らないこともできる。
ネットワークは、オプションとして、管理制御の下でロック済み(「NetSyncロック済み」)状態に入って、大きいネットワークが、それがコンタクトすることになった小さいけれども、より古いネットワークに遷移することを要求されるのを防止する。ロック済み状態では、各NetSync応答パケットおよびNetSync情報ヘッダは、ロック済み状態を示すフラグを含むことが可能であり、それに加えて、ネットワーク管理者によって発行された最新のロック/ロック解除コマンドを判定するのに使用するシーケンス番号(例えば、2〜3ビット長の)を含み得る。ネットワークのすべてのメンバは、このフラッグセットを有するパケットを受信したとき、このロック済み状態を自動的に採用しなければならない。
また、それ自体のものにマッチするネットワーク・コードおよびネットワーク時間を有する「NetSync遷移パケット」(下記を参照)を受信する任意のノード(前述の同期維持スキームの範囲内で)であって、既に遷移モードに入っていないものは、即時に、遷移モードに入らなければならない。
図4に示すとおり、遷移モードに入る処理30で、ノードはまず一時的にそのネットワーク・インターフェースが「ダウンしている」、またはより高い層のプロトコルには利用不可能であることを宣言する(ステップ32)。次に、ステップ34で、ノードは、より古いネットワーク時間とより新しいネットワーク時間の間の差(ネットワーク時間差)を計算する。それが必要な場合、ノードは、より新しいネットワークのネットワーク時間にそのローカル時間がマッチするように調整する(ステップ36)。
遷移モードにある間、ノードは、プロトコル入力パラメータ(図ではkmaxで表される)によって制御されるとおり、ある回数の反復(例えば、処理30でのカウンタkによって定義される)で、より古いネットワークの「外」にあまり長くいて、そのタイミングからドリフトして離れるのを回避することに注意を払いながら、下位処理40を実行する。下位処理40中、ノードは、ネットワーク時間差、およびより新しいネットワークの現行のネットワーク時間を含む「NetSync遷移パケット」を伝送し(ステップ42)、次に、ランダムな量の時間(その範囲は、プロトコル入力パラメータによって制御される)、待つ(ステップ44)。
ノードは、特定の回数、この下位処理40を完了すると、遷移モードを出る。そうしている内に、ノードは、ネットワーク時間差を現行のネットワーク時間に追加することによって、より古いネットワークのローカル・ネットワーク時間にそのローカル・ネットワーク時間がマッチするように調整し(ステップ46)、ネットワーク・インターフェースが、より高い層のプロトコルに対して、再び「アップ」になっていることを宣言して(ステップ48)から、Syncモードに戻る(ステップ50)。
ネゴシエーションのない衝突フリーのスケジューリング
本統合通信プロトコルによって使用されるスケジューリング処理は、競合スロットでの衝突を回避するため、候補パケット伝送スロットを決定するためのトポロジ非依存スケジューリングをトポロジ依存スケジューリングと組み合わせる。競合スロットに関する衝突回避は、ノード間のリアルタイム通信を全く必要とすることなく実現される。ノードは、自らの2ホップ近隣ノードを知り、ネットワーク経時についてのらかの合意を有するだけでよい。これは、固定反復スケジュールを必要とする従来のスキーム、例えば、I.Chlamtac他、「Time−Spread Multiple−Access(TSMA) Protocol for Multihop Mobile Radio Networks」,IEEE/ACM Transactions on Networking,Vol.5,No.6(1997年12月)、Ji−Her Ju & Victor O.K.Li,「An Optimal Topology−Tranparent Scheduling Method in Multihop Packet Radio Networks」,IEEE/ACM Transactions of Networking,Vol.6,No.3(1998年6月)を参照、または即時に、複数の伝送を受信できる無線機を必要とする従来のスキーム、例えば、T.Shepard,「A Channel Access Scheme for Large Dense Packet Radio Networks」,SIGCOMM ′96 Conference Proc.,ACM(1996年)を参照、とは異なる。
図1のネットワークのようなアドホック・ネットワークでは、一般的に、衝突フリーのスケジューリングが、ノードとその直接隣接ノードとの間だけでなく、ノードとその2ホップ隣接ノードとの間でも確実に行われて、直接隣接ノードでの「隠れた端末」受信衝突を回避することが重要である。例えば、任意のノード(「主ノード」)が、2つの直接隣接ノードを有し、そのどちらも、他方の直接隣接ノードではなく、その両方が、ほぼ同時に同一チャネル上で、主ノードにパケットを伝送しようとする状況を考慮されたい。結果の衝突(主ノードでの受信衝突)は、主ノードによってのみ検出されることが可能であり、互いのことを直接に知らない伝送ノードによっては検出され得ない。「隠れた端末」によるそうした衝突を回避するためには、したがって、ノードが、その2ホップ隣接ノードについてある程度知っている必要があり、その知識が本スキームで提供される。
オプションとして、各ノード(i)は、優先順位バイアス(PB(i))を有することが可能であり、その2ホップ隣接内のノードの優先順位バイアスを知ることになる。優先順位バイアスは、インターネットに対する高速リンクに接続されたノードなどの、ネットワーク内の重要なノードにスケジューリング優先順位を与えるのに使用することができる、またはノードが、その伝送がより頻繁でなく行われるように間隔を空けて、例えば、節電できるようにするのに使用することができる。
各フレームごとに、各ノード(i)は、ネットワーク経時(NetAge)およびノードID(本スキームでは、各ノードは、固有ノードIDを有し、その2ホップ隣接内のノードの固有ノードIDを知る;ノードのインターネット・プロトコル(IP)アドレスおよび/またはMACアドレスが、固有ノードIDの例である)を入力として受け入れる、グローバルに知られた関数(SlotFunc)を使用することによって、候補伝送スロット(CS(i))を計算する。
CS(i)=SlotFunc(ID(i),NetAge)
SlotFuncは、1からSまでの整数を生成する。ここで、Sは、フレーム当りの候補スロットの総数を表す(例えば、Sは、制御パケットの伝送に専用のスロットの数であって、フレームは、制御パケットのためのスロットとデータ・パケットのためのスロットに分割されていることが可能である)。この処理は、図5に図式で示されている。オプションとして、入力aおよびbの様々なサンプリングが与えられると、SlotFunc(a,b)は、1からSまでの範囲の様々な(例えば、一様にランダムな)分布を生成する。ただし、この振舞いに対する迅速な近似が、最善のシステム・パフォーマンスとなる。
例としてのSlotFunc(a,b)は、暗号化関数(データ暗号化規格(DES)などの)であり、ここでは、関係のある暗号化ブロック・サイズに埋め込まれ得るID(i)が、「暗号化」されるべきデータであり、NetAgeは暗号化キーとして扱われる。「暗号化」オペレーションの結果が、スロット番号を識別するのに必要なビットの数にまで切捨てられる(フレーム内のスロットの数(S)は、2の整数べき乗であると想定して)。また、暗号化の使用は、ネットワーク経時が、ネットワーク内の許可されたノードによってのみ知られる秘密の「ネットワーク・コード」と連結され得るようにもして、可能なインテリジェント干渉者またはインテリジェント盗聴者が、スケジューリング処理に同期することができるのを防止することを助ける。ネットワーク・コードが、他のSlotFunc(a,b)方法によって使用されて、理論的にはよりセキュアではない方式である可能性はあるが、観察者に対して、パケットのスケジュールをランダム化することも可能であることに留意されたい。
他の例としてのSlotFunc(a,b)は、ハッシュ関数(MD5ハッシュ関数などの)である。そうした処理で、aとbは、連結されることになり、次に、入力としてハッシュ関数に適用される。この場合も、結果のより下位のビットを使用して、結果(1からSまでの)を判定することができる。
第3の例は、SlotFuncの理想的な性質を速度のためにトレードオフすることになる。例えば、F個のエントリの表(PnSlotTable)であって、Fが、エポック当りのフレームの数を表す表が、システムの初期化中に、1からS(この場合も、Sは、2のべき乗である)までの疑似ランダム値でロードされ得る(または、必要に応じて、「オンザフライ」で計算された任意のエントリで)。したがって、
SlotFunc(a,b)=(Trunc(a)∧PNSlotTable[b]) ただし、「∧」は、排他OR演算を表し、Trunc(a)は、「a」を1からSまでの数にまで切捨てる(または、より高位のビットをより下位のビットと排他OR演算して、よりランダムな切捨て済み結果をもたらす)。
各ノードは、また、その2ホップ隣接内のノード(j)の各々の候補伝送スロットを、その各々のノードID、グローバルに知られるネットワーク経時、および同一のSlotFunc関数を使用して計算することもできる。
CS(j)=SlotFunc(ID(j),NetAge)
もちろん、CS(n)(ここで、nは、入力ノードIDに対応するノード数である)は、どのノードが計算を行っているか(ローカル・ノード、またはその2ホップ隣接内にあるノードのうちの1つ)に依存せず、同一の結果を与えることになる。したがって、各ノードは、その2ホップ隣接内にあるノードのうちのどれが、それが存在するとすれば、同一の候補伝送スロットを共用しているかを判定することができる。これらのノードのIDは、このフレームに関するノードiの競合グループ(CG(i))に入れられる。
CG(i)={j:CS(i)=CS(j)}
前述の説明から、競合グループのすべてのノードが、伝送のために、特定フレームの同一候補スロット内で競合することになることが明白であろう。
図6に示すとおり、各ノード(i)は、したがって、その競合グループ内の各ノードの優先順位PR(j)を計算して、どのノードが、それらの競合ノードのなかで優先順位を有するか、ノードID、スケジューリング・フレーム数、およびオプションとして、ノードの優先順位バイアスを、グローバルに知られた優先順位関数(PriorityFunc)への入力として使用して判定する。優先順位バイアスが使用されない場合には、PB(j)は、0に設定される。
PR(j)=PriorityFunc(ID(j),NetAge)+PB(j)
ノード(i)は、PR(i)が競合グループ内のどのPR(j)よりも大きい場合、またはPR(i)が、最大のものと等しく、すべての優先順位バイアスが0であったとしたら最大のものとなる場合、自らを勝者と見なすことができる。そうしたケースでは、ノードiは、スロットCS(i)で伝送を行う。
PriorityFunc(a、b)は、それが、各可能な入力「a」に対して固有な数を与えるように選択される。例えば、SlotFuncと同様に、PriorityFuncは、暗号化アルゴリズムを使用して、同一のNetAge「キー」を与えて、各ID(j)に固有の優先順位を与えることができる。やはり別のSlotFuncの例と同様な別の例は、F個のエントリの表(PnSlotTableとは異なるPnPriorityTable)を使用することであり、これが、可能なノードIDの範囲をカバーする疑似ランダム値でロードされる。したがって、
PriorityFunc(a,b)=(a∧PnPriorityTable[b])
他のケースでは、表は、疑似ランダム値で埋め、スロットに関する各競合ノードごとに、その表に対する対応する索引が、表のサイズをモジュロとして、ノードのMACアドレス(または他のIDパラメータ)をネットワーク経時とXOR演算することによって見出され得る。表からの結果の値(すなわち、前記関数によって索引付けされた表エントリ)が、この場合、初期優先順位判定となる。ただし、引分けが生じ、どの引分けも決着をつけるために、ノードのMACアドレス(または他のIDパラメータ)を表エントリ(すなわち、前記索引付け手続きからリトリーブされた表の値)とXOR演算して、第2優先順位値を生成し、最高の第2優先順位を有するノードが勝者として宣言され得ることが構想される。
いくつかのケースでは、ノードiは、それが、その競合グループ内で勝者である場合に限って、かつそのPR(i)が、PriorityThresholdよりも大きい場合に、その候補伝送スロット(CS(i))で伝送することになる。例としてのPriorityThresholdは、PriorityFunc(a,b)の最低値である。この場合、しきい値は、負のPB(i)を有するノードだけに影響を与えることになり、これは、バッテリ電力を節約しているノードに関して当てはまるであろう。別の例として、PriorityThresholdのより大きな値が代りに使用されて、2ホップ隣接内にあるどのノードもそこで伝送することが許されないスロットのオカレンスを増やすことができ、これにより近隣に参加しようとしている新しいノードまたはモバイル・ノードによる伝送のためにこのスロットを解放する。また、1セットのノードIDを、一時的に、新しいノードまたはモバイル・ノードによる使用のために予約して、SlotFunc()目的およびPriorityFunc()目的に対して、常に存在すると想定することができる。
すべてのノードが、チャネルに対する等しい優先順位を有すると想定して、ノードが、任意のフレーム内で伝送のためにチャネルにアクセスを得る確率(フレーム当りS候補スロット、およびそのノード自体を含むZの2ホップ隣接サイズで)は、下記のとおり判定される。
Figure 0004726967
各ノードは、妥当な数の連続フレーム内で、少なくとも1回、チャネルにアクセスする機会を有していなければならない。ノードが、F個のフレーム内でチャネルにアクセスする確率は、したがって、
PS(F)=1−(1−PS)F
生じる疑問は、時間を、フレーム当りでより少ない候補スロットを有する短いフレームに構成する方がよいのか、あるいはフレーム当りでより多くの候補スロットを有する長いフレームであるが、フレーム間により長い時間があるものに構成した方がよいのかということである。これに留意してPS(F)を分析すると、ある興味深い結果が得られた。
高密度のネットワーク内(そこで、ノードが、制御スロットのために競合する可能性がより高い)では、一般的に、フレーム当りより多くのスロットを有し、したがってフレーム間でより長い時間を有する方がよいことが判定された。ただし、密度の低いネットワーク内では、フレーム当り少ない数のスロットを有する方がよいことが判明した。例えば、20ノード(N=20)の2ホップ隣接を有するノードの場合、合計で100スロットが1フレーム、2フレーム、または4フレームに分割された後でのチャネルにアクセスする確率は、下記のとおりである。
100スロット/フレーム、1フレーム合計、PS(1)=91.1%
50スロット/フレーム、2フレーム合計、PS(2)=97.1%
25スロット/フレーム、4フレーム合計、PS(4)=99.1%
したがって、この場合、25スロット/フレームかつ4フレーム内でのスケジューリングの方が、100スロット/フレームかつ1フレームのみを使用するよりも相当によい。
よい妥協案は、フレーム当りのスロットの数が、ノード当りの2ホップ隣接ノードの予測される平均数の、およそ1/2から1/4に等しいように設計することであるように思われる。ただし、本スキームは、この予期される密度からの大きな変動に対して極めて堅固である。
例として、ネゴシエーションのないスケジューリング・スキームを使用して、ネットワーク内でのMAC層制御パケットの伝送をスケジュールする実施形態を考慮する。このネットワークでは、フレームの10%だけが、制御パケット伝送に専用とされ(90%をデータ伝送のために残して)、エポック当り4フレームが伝送され、PS(F)は、およそ99%であり、各ノードは、8隣接ノードをサポートすることが許される(電力制御を使用して隣接のサイズを制限して)ものとする。
例えば、各ノードが、36ノードを2ホップ隣接として有し、またフレーム当り、40制御スロットが存在する(フレーム当り、合計400スロット)場合、各ノードは、4フレーム内でそのMAC層制御パケットを伝送するのにおよそ99%の確率を有する。500μ秒/スロットで、これは、200ミリ秒/フレーム、つまり4フレーム当り、800ミリ秒である(ノード当り、99%成功する制御パケット伝送の場合)。
これらの制御パケットを使用して、データ・トラフィックの転送のために保証されたスロットをスケジュールする場合(すなわち、フレームが、制御部分とデータ部分に分割され、制御パケットを使用して、データを伝送するために、どの「データ・スロット」を使用するかを指定する場合)には、それは、前述の特性を有するワイヤレス・マルチホップ・ネットワーク内で、サービス・センシティブな連続データ・ストリームの初期セットアップを実行するのに、ホップ当り、約200(または最悪のケースでは、およそ800まで)ミリ秒となる。別法では、平均で、10ノードの2ホップ隣接、フレーム当り、10制御スロット(フレーム当り、合計100スロット)を有する低密度のネットワークであって、そこで各ノードが、4フレーム内でそのMAC層制御パケットを伝送するのに、98.52%を有するネットワーク内では、これは、フレーム当り、50ミリ秒、つまり4フレーム当り、200ミリ秒である(ノード当り、99%成功する制御パケット伝送の場合)。
衝突フリーのデータ転送のスケジューリング
一般に、本スケジューリング方法は、データおよび/またはネットワーク制御パケットをスケジュールするために使用することができる。一実施形態では、ノードは、ネゴシエーションのないスケジューリング方法を使用して、共通制御チャネル上での制御パケットの伝送をスケジュールする。ネットワーク内でどのような情報が重要であり得るかに依存して、下記のタイプの情報のうちのいくつか、またはそのすべてが、制御パケット内で渡され得る。近隣リストおよび近隣品質情報、各近隣ノードからの最近のパケットのリンク層確認、および後続フレームのためのデータ・パケットに関するスケジューリング情報。したがって、図7に図示する制御パケット60の例を参照すると、様々な制御パケット構造が、伝送ノードID62、隣接情報リストと確認64、およびスケジューリング情報66のためのフィールドを含み得る。
隣接情報リストと確認フィールド64内に、各論理隣接ノードPごとに(プロトコルによって受け入れられた)、制御パケット60は、隣接ノードID68、隣接リンク品質70、隣接ローカル識別子72、および確認(Ack.)情報74を含む。プロトコルによって(未だ)受け入れられていない各物理隣接ノードごとに、制御パケットは、隣接ノードID68および隣接リンク品質70のみを含む。
したがって、本明細書で提示するネゴシエーションのないスケジューリング方法の使用の一例は、ノード間で渡されるべき隣接管理情報のスケジューリングである。例えば、各ノードは、その現行の隣接ノードのノードID(例えば、MACアドレス)のリストを送信することができる。これには、パケットを転送するために使用される隣接ノードとしてノードによって受け入れられている隣接ノード、および(それが存在する場合)、まだ、受け入れられていないが、それでも、そのノードの伝送範囲内にある他のノードが含まれ得る。さらに、各隣接ノードIDとともに、この隣接ノードに対するリンクに関してノードが計算した品質の指示が含まれる。また、隣接ローカル識別子が、オプションとして、リスト内の各ノードIDに伴うことが可能であり、これは、隣接ノードのノードIDをこのノードが省略で表したものであり、このノードによって伝送される後続のリンク別制御パケット情報のサイズを抑えるのに役立つ。さらに、各隣接ノードIDには、パケット確認情報が伴うことが可能であり、これは、各隣接ノードからのそのノードでのパケット受信(または受信の欠如)の何らかの最近の履歴の成功/失敗状況を提供する。
その隣接ノードの各々からこの情報を受信することによって、ノードは、そのノードの2ホップ隣接内の物理ノードIDのすべてを発見することができる(前記スケジューリング処理で使用するために)。また、この情報を受信することは、隣接ノードの各々がこのノードとのリンクに関して計算した品質をこのノードが知ることを可能にする。これは、そのリンクに関してこのノードによって計算される品質、ならびにパケットを転送するために特定のリンクを使用するかどうかについてのこのノードの判断に影響することになる。さらに、各ノードは、どの最近のパケットがうまく受信され、また他のどのパケットがうまく受信されなかったか(場合によっては、再伝送を必要として)を知ることになる。
さらに、制御パケット70は、1つまたは複数のエントリQから成るスケジュール・リストを指定することができ、各エントリは、好ましくは、送信側識別子76、受信側識別子78、スロット識別子80、チャネル識別子82、および持続インディケータ84を含んでいる。したがって、制御パケットは、対応するデータ・パケットをスケジュールする別の処理によって使用される情報を提供することができる。
送信側識別子76は、エントリ内で指定されたスロットおよびチャネルで伝送するようにスケジュールされていることが知られているノードに対応する。制御パケットを送信するノードは、それ自体のスケジュール済み伝送およびその直接(1ホップ)近隣ノードからのスケジュール済み伝送を報告する。
受信側識別子78は、特定の送信側からの伝送を受信するようにスケジュールされている受信機に対応する。特別識別子(例えば、すべて1の)を使用して、「送信側のすべての近隣ノード」を、例えば、同報通信伝送のために指定することができる。マルチキャスト・グループの識別子を使用して、マルチキャスト伝送の場合のために、「マルチキャスト・グループに参加しているすべての近隣ノード」を指定することができる。
時間スロット識別子80およびチャネル識別子82は、特定ソースから特定の受信機またはグループの受信機へのスケジュールされたデータ伝送のための、フレーム内の時間およびその時間で使用されるチャネルを指定する。
持続識別子84は、伝送がそれに対してスケジュールされている現行フレームを超えるフレームの数を確立する。
上記に示したとおり、制御パケット内で送信側および受信側を指定するのに必要なビットの数を抑えるため、ノードは、ローカル識別子を使用して、スケジュールされる伝送の送信側および受信側を指定することができる。すべてのノードからのトラフィックの一部だけが、所与のノードの近隣を通過するので、ローカル識別子は、ネットワーク内のノードを表すのに必要なネットワーク全体の識別子よりもずっと小さいことが可能である。そうしたローカル識別子が使用される場合、ネットワーク・オペレーション中、ノードは、ローカル識別子に対するノード識別子のマッピングを定期的に、例えば、いくつかの制御パケットごとに1つ、送信することができる。このマッピングは、異なる方式で伝えることができる。例えば、ノードは、その近隣ノードの各々について、意図する受信機に関するマッピングも含めて、ノード識別子からローカル識別子に対するマッピングを伝送することができる。
他の制御パケット内では、スケジューリング情報フィールド66が、トランシーバID(例えば、ノードごとに共に配置された複数のトランシーバの場合)を含み、その後に1つまたは複数の前記スケジュール・ブロックが続くことが可能である。さらに、伝送/受信フラグ、および/または波形情報フィールド(例えば、異なるチャネルに対して異なる波形が使用される場合)が存在し得る。制御パケットは、共に配置されたトランシーバを有するノード内の各トランシーバごとに、1つのスケジュール情報ブロック66を含むことができ、また各スケジュール・ブロック66は、1つまたは複数のスケジュールを含むことができる。
新しいノードおよびモバイル・ノードの発見および受け入れ
前記に説明したとおり、本通信プロトコルでの制御パケットのネゴシエーションのないスケジューリングは、ノードが、その2ホップ隣接ノードを知っていることを必要とする。ノードが移動するとき、リンクおよび/またはノードが機能しないとき、または新しいノードまたはリンクがネットワークに追加されたとき、ノードがその2ホップ隣接ノードについて有する情報は、しばらくの間不正確であることがある。そうした一時的不正確さのため、複数のノードが、所与の制御スロットで制御パケットを伝送することがあり得る。そうした衝突が際限なく起きることを防止するため、本通信プロトコルは、衝突解決機構を利用する。
衝突解決機構は、前述したネゴシエーションのないスケジューリング処理に基づく。各ノードは、それ自体がネゴシエーションのないスケジューリング処理によって制御パケットを伝送すべきであると判定したスロット以外のフレームのすべての制御スロットをリスンする。したがって、ノードは、近隣ノードからの制御パケットを受信したとき、制御パケット内でアドバタイジングされたスケジュールが、ノードが自らの制御パケットで伝送したスケジュールと競合するように、自らの制御パケットが他の制御パケットと衝突した、あるいは少なくとも1つの近隣ノードによってそれが正しく受信されなかったことを検出することができる。そうしたケースでは、ノードは、単純な決定性選択処理を使用して、どちらのスケジュールが勝者であるべきか、すなわち、どちらのノードが他方のノードによってアドバタイジングされたスケジュールによって自らのスケジュールを変更すべきかを決定することができる。
最も単純なそうしたスキームは、競合するスケジュールを有するノードのうちの最大(または最小)識別子を勝者にすることができ、あるいは前述したPriorityFunc()を使用することができる。したがって、ノードが、別のノードからスケジュールを受信して、そのスケジュール内のエントリのうちのいくつか(すなわち、送信側−受信側ペアに対する提案されるスロットおよびチャネル)が、受信ノードによって採用された現行のスケジュール内で同一のスロットおよびチャネルを使用する送信側−受信側ペアに対して勝つ場合には、受信ノードは、すべての勝者の送信側−受信側ペアを反映するように自らのスケジュールを変更して、ネゴシエーションのないスケジューリング処理によって自らがアクセスできる次の制御スロット内で、変更したスケジュールを伝送することができる。さらに、受信ノードは、その2ホップ隣接ノード状態を、それが受信する各制御パケットで更新し、これが、ネゴシエーションのないスケジューリング処理により、それ自体の制御パケットのスケジューリングを変更する。
前述のとおり、ノードは、最初に初期化または再起動されたとき、1つまたは複数のフレームに等しいある期間、制御チャネル上でリスンする。この時間中ノードはその近隣ノードのいくつかからの制御パケットを聞くことができ、このことから、ノードはその2ホップ隣接ノードに関する初期状態を確立することができる。ノードは初期化期間中に何も伝送を聞かなかった場合、ネゴシエーションのないスケジューリング処理によって制御パケットを伝送する。ノードはしたがって、自らがリスンする制御パケットから自らの2ホップ隣接ノードの存在について知る。同一グループのノードからの制御パケットの継続する衝突が回避され、これは制御スロットにノードが割り当てられる方式のためである。データ・パケットの継続する衝突が回避され、これは、最終的にすべてのノードが、自らの2ホップ隣接ノードを識別して、衝突なしに制御パケットを送信し、そうした制御パケットを使用して、データ・パケットに関する勝者スケジュールを判定することができるからである。
かくして、ワイヤレス・ネットワークのための通信プロトコルを説明した。このプロトコルは、移動性または他のダイナミックスに対して堅固であり、また高密度ネットワークに対するスケーリングに関しても堅固である。モバイルの、または別の方式で動的なネットワーク内ではどの制御パケット衝突も単に一時的で公平になるように思われる。つまり、遷移期間中、近隣内の新しいノードXによる伝送が、別のノードYの伝送と衝突を起こす場合、Xによる可能な後続の伝送は、Xの新しい近隣内にある任意の他のノードの伝送に対するのと等しいだけの、Yの伝送と衝突する確率を有することになる。高密度ネットワーク内で、ネットワーク・パフォーマンスはグレースフルに低下して、コモン・チャネルのあるパーセンテージだけが制御パケットで消費されることを確実にする。ネットワークの密度が高いほど、ノードがデータ・スケジューリング変更を行うのにかかるアクセス時間が長くなる。ただし、全体のネットワーク容量は一定に保たれる。さらに、統合プロトコルは、パケット(例えば、データ・スケジューリング制御パケット)が、衝突フリーの予測可能な方式(すべての近隣ノードに知られた)でスケジュールされ得るようにするので、マルチキャスト・パケット、ならびに遅延センシティブなトラフィックまたは遅延ジッタ・センシティブなトラフィックのストリームを確実にスケジュールすることができる。さらに、オプションの秘密ネットワーク・コード、例えば、ネットワーク内の許可のあるノードにだけ知られるものを使用して、制御パケットのスケジューリングは、観察者に、ランダム化されているように見え得る。これは、ある環境では、有用なセキュリティ機能である。
最後に本発明の実施形態を以下に記す。
実施形態1 コンピュータ・ネットワークのノードを活動化して、前記ノードが、まず、前記コンピュータ・ネットワーク内に存在する可能性のある他のノードとのコンタクトを確立することを試みて、そうすることに失敗した場合には、自らを単一ノード・ネットワークとして確立するようにするステップを含む方法。
実施形態2 ノードが、まず、コンピュータ・ネットワーク内での通信を求めて、1セットの1つまたは複数のコモン・チャネルを巡回することによって、他のノードとのコンタクトを確立することを試みて、各チャネルで、要求パケットを伝送することによってコンタクトを確立することを試みる実施形態1に記載の方法。
実施形態3 コモン・チャネルのうちの1つで要求パケットを伝送した後、ノードが、前記コモン・チャネルのうちの次のチャネルに進む前に、応答パケットを探してリスンする実施形態2に記載の方法。
実施形態4 1つまたは複数のコモン・チャネルが、ワイヤレス通信チャネルである実施形態2に記載の方法。
実施形態5 他のノードのうちの1つから応答パケットを受信したとき、ノードが、同期モードに入って、そのコンピュータ・ネットワークに参加する実施形態3に記載の方法。
実施形態6 応答パケットが、コンピュータ・ネットワーク内の時間を指定するパラメータを含む実施形態5に記載の方法。
実施形態7 応答パケットが、ネットワークを識別するコードをさらに含む実施形態5に記載の方法。
実施形態8 ネットワークを識別するコードが、まず、要求パケットに含まれる実施形態7に記載の方法。
実施形態9 ノードが、単一ノード・ネットワークとして確立されている間、前記ノードが、さらなるノードによるネットワークに参加しようとする試みを探してリスンする実施形態1に記載の方法。
実施形態10 さらなるノードによるネットワークに参加しようとする1つまたは複数の試みを検出したとき、ノードが、それに対して応答を伝送する実施形態9に記載の方法。
実施形態11 応答が、単一ノード・ネットワーク内での時間の指示を含む実施形態10に記載の方法。
実施形態12 応答が、ネットワーク・コードをさらに含む実施形態11に記載の方法。
実施形態13 コンピュータ・ネットワークの第1ノードで、前記コンピュータ・ネットワークの第2ノードによる前記コンピュータ・ネットワーク内での時間の指示を受信するステップと、
前記第2ノードから受信した時間の前記指示が、前記第1ノードでの時間よりも新しいか、または古いかによって、前記第1ノードでの前記時間を調整するかどうかを決定するステップとを含む方法。
実施形態14 第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間よりも古い場合にのみ、前記第1ノードでの前記時間が調整される実施形態13に記載の方法。
実施形態15 第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間を調整するかどうかを決定する前に、コンピュータ・ネットワーク内での遅延のために増加される実施形態14に記載の方法。
実施形態16 第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間から、所定のしきい値量を超えて異なっている場合、前記第1ノードが、前記第1ノードと前記第2ノードのどちらが、他方に対して優先順位を有するかを判定し、前記第2ノードが優先順位を有する場合にだけ、前記第1ノードでの前記時間を調整する実施形態15に記載の方法。
実施形態17 第1ノードが、前記第1ノードでの時間を調整する前に、まず、遷移要求パケットを伝送する実施形態16に記載の方法。
実施形態18 第1ノードと同期されたノードが、前記第1ノードから遷移要求パケットを受信して、前記遷移要求パケット内で指定された時間により、対応するローカル時間を調整する実施形態17に記載の方法。
実施形態19 ノードの識別およびネットワークの経時により、コンピュータ・ネットワークの第1ノードからのパケットに関する伝送時間を計算するステップを含む方法。
実施形態20 ネットワークの経時が、パケットがその中で伝送されるべき現行のフレームの開始までのネットワーク経時の指示を含む実施形態19に記載の方法。
実施形態21 パケットが、ネットワーク制御パケットを含む実施形態20に記載の方法。
実施形態22 計算するステップが、第1ノードの識別およびネットワークの経時の様々な入力に対して、様々な分布の結果を提供する関数を使用して実行され、前記結果が、制御パケットがその中で伝送されるフレーム当りの伝送スロットの数を表す最小数から最大数の範囲にある実施形態20に記載の方法。
実施形態23 関数が、暗号化関数を含む実施形態22に記載の方法。
実施形態24 関数が、ハッシュ関数を含む実施形態22に記載の方法。
実施形態25 ハッシュ関数が、MD5ハッシュ関数を含む実施形態24に記載の方法。
実施形態26 計算するステップが、疑似ランダム値のエントリの表を使用して実行される実施形態20に記載の方法。
実施形態27 疑似ランダム値が、制御パケットがその中で伝送されるフレーム毎の伝送スロットを表す実施形態26に記載の方法。
実施形態28 第1ノードで、コンピュータ・ネットワークの他のノードに関する伝送時間を計算するステップをさらに含む実施形態20に記載の方法。
実施形態29 他のノードに関する伝送時間を計算するステップが、前記他のノードの各々に対する固有識別子およびネットワーク経時を使用して実行される実施形態28に記載の方法。
実施形態30 他のノードに関する伝送時間を計算するステップが、第1ノードに関する伝送時間を計算するためにも使用される関数を使用して実現される実施形態29に記載の方法。
実施形態31 他のノードがすべて、コンピュータ・ネットワーク内の第1ノードの2ホップ隣接内にある実施形態30に記載の方法。
実施形態32 第1ノードが、自らと他のノードのうちのいずれかのノードとの間での伝送時間に対する競合も、優先順位判定により解決する実施形態31に記載の方法。
実施形態33 優先順位判定が、様々な識別およびネットワーク経時の入力に対して、一意的な出力を提供する関数を使用してなされる実施形態32に記載の方法。
実施形態34 関数が、暗号化アルゴリズムを含む実施形態33に記載の方法。
実施形態35 関数が、表ルックアップを含む実施形態33に記載の方法。
実施形態36 優先順位判定が、ノードの各々に関連する優先順位バイアスを使用してさらに行われる実施形態33に記載の方法。
実施形態37 第1ノードが、他のノードに勝る優先順位を有すると判定された場合、前記第1ノードが、伝送時間に伝送を行う実施形態36に記載の方法。
実施形態38 第1ノードが、さらに、優先順位しきい値を超える優先順位を有する場合、前記第1ノードが、伝送時間に伝送を行う実施形態37に記載の方法。
実施形態39 第1ノードが、他のノードに勝る優先順位を有すると判定された場合、前記第1ノードが、伝送時間に伝送を行う実施形態33に記載の方法。
実施形態40 第1ノードが、さらに、優先順位しきい値を超える優先順位を有する場合、前記第1ノードが、伝送時間に伝送を行う実施形態39に記載の方法。
実施形態41 制御パケットが、データ転送のためのスケジュールをアドバタイジングする実施形態21に記載の方法。
実施形態42 スケジュールが、データ転送を受信する1つまたは複数のノードの識別を含む実施形態41に記載の方法。
実施形態43 スケジュールが、データ転送時間をさらに含む実施形態42に記載の方法。
実施形態44 スケジュールが、データ転送チャネルをさらに含む実施形態43に記載の方法。
実施形態45 スケジュールが、持続インディケータを含む実施形態41に記載の方法。
実施形態46 データ転送を受信するノードが、前記ノードに関連するネットワーク識別子よりも小さいローカル識別子によって識別される実施形態42に記載の方法。
実施形態47 第1ノードが、ネットワーク内で、ネットワーク識別子に対するローカル識別子のマッピングを伝送する実施形態46に記載の方法。
実施形態48 制御パケットが、ネットワークの1つまたは複数のノードによって伝送されたスケジュールに対する確認情報を含む実施形態41に記載の方法。
実施形態49 優先順位判定が、疑似ランダム値の表を使用して行われる実施形態32に記載の方法。
実施形態50 疑似ランダム値の表が、第1優先順位判定に対応するエントリをリトリーブするために、第1ノードの媒体アクセス制御層アドレスから導出した値によって索引付けされる実施形態49に記載の方法。
実施形態51 第1優先順位判定が、第1ノードの媒体アクセス制御層アドレスを前記優先順位判定に対応するエントリと論理方式で組み合わせることによって検査されて、競合を解決する実施形態50に記載の方法。
実施形態52 トポロジ非依存スケジューリング手続きを使用して、コンピュータ・ネットワーク内で、そこでのパケットの伝送に関して、候補パケット伝送時間を決定し、かつトポロジ依存スケジューリング手続きを使用して、競合期間内での衝突を回避するステップをさらに含む方法。
実施形態53 トポロジ非依存スケジューリング手続きが、ネットワークの経時および前記ネットワークの各ノードに対する固有識別子を利用して、ノードの各々に関する候補伝送時間を決定する実施形態52に記載の方法。
実施形態54 トポロジ非依存スケジューリング手続きが、入力の様々なサンプリングに対して、様々な分布の出力を提供する関数を使用して、ノードの各々に関する候補伝送時間を計算する実施形態53に記載の方法。
実施形態55 関数が、ハッシュ関数、暗号化関数、または表ルックアップ・オペレーションのうちの少なくとも1つを含む実施形態54に記載の方法。
実施形態56 ノードの各々に関する候補伝送時間に対する競合が、前記ノードの各々に関連する優先順位によって解決される実施形態54に記載の方法。
実施形態57 ノードの各々に関する優先順位が、各セットの入力に対して一意的な出力を提供する関数によって決定される実施形態56に記載の方法。
実施形態58 各セットの入力に対して一意的な出力を提供する関数が、暗号化関数、ハッシュ関数、または表ルックアップ・オペレーションのうちの少なくとも1つを含む実施形態57に記載の方法。
実施形態59 各セットの入力に対して一意的な出力を提供する関数が、各ノードに関連する1つまたは複数の固有識別子、ネットワークに関するスケジューリング・フレーム数、および各ノードの優先順位バイアスを含む実施形態57に記載の方法。
前述の説明および付随する図面は、特定の実施形態を説明し、図示しているが、本発明は、頭記の実施形態との関係でのみ判断されるべきものであることを理解されたい。
16a〜16i ノード

Claims (10)

  1. コンピュータ・ネットワークの第1ノードで、前記コンピュータ・ネットワークの第2ノードによる前記コンピュータ・ネットワーク内での時間の指示を受信するステップと、
    前記第2ノードから受信した時間の前記指示が、前記第1ノードでの時間よりも新しいか、または古いかによって、前記第1ノードでの前記時間を調整するかどうかを決定するステップと
    を含み、
    前記第2ノードから受信した時間の指示が、前記第1ノードでの時間から、所定のしきい値量を超えて異なっている場合、前記第1ノードと前記第2ノードのどちらが、他方に対して優先順位を有するかを前記第1ノードが判定し、前記第2ノードが優先順位を有する場合にだけ、前記第1ノードでの前記時間を調整するよう構成され、さらに、前記第1ノードは、
    (1)前記第2ノードが属するネットワークがより古いネットワークに遷移することを要求されるのを防止する「ロック済み状態」にある時、または
    (2)前記第2ノードが、前記第1ノードの時間の指示より古い時間の指示を有している時に、
    前記第2ノードが優先順位を有すると判定する方法。
  2. 第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間よりも古い場合にのみ、前記第1ノードでの前記時間が調整される請求項1に記載の方法。
  3. 第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間を調整するかどうかを決定する前に、コンピュータ・ネットワーク内での遅延のために増加される請求項2に記載の方法。
  4. 第1ノードが、前記第1ノードでの時間を調整する前に、まず、前記第2ノードに遷移要求パケットを伝送して、該第2ノードを遷移モードに入らせる請求項1に記載の方法。
  5. 第1ノードと同期されたノードが、前記第1ノードから遷移要求パケットを受信して、前記遷移要求パケット内で指定された時間により、対応するローカル時間を調整する請求項に記載の方法。
  6. コンピュータ・ネットワークの第1ノードで、前記コンピュータ・ネットワークの第2ノードによる前記コンピュータ・ネットワーク内での時間の指示を受信する手段と、
    前記第2ノードから受信した時間の前記指示が、前記第1ノードでの時間よりも新しいか、または古いかによって、前記第1ノードでの前記時間を調整するかどうかを決定する手段とを含み、
    前記第2ノードから受信した時間の指示が、前記第1ノードでの時間から、所定のしきい値量を超えて異なっている場合、前記第1ノードと前記第2ノードのどちらが、他方に対して優先順位を有するかを前記第1ノードが判定し、前記第2ノードが優先順位を有する場合にだけ、前記第1ノードでの前記時間を調整するよう構成され、さらに、前記第1ノードは、
    前記第2ノードが属するネットワークがより古いネットワークに遷移することを要求されるのを防止する「ロック済み状態」にある時、または
    前記第2ノードが、前記第1ノードの時間の指示より古い時間の指示を有している時に、
    前記第2ノードが優先順位を有すると判定する、第1ノードとして動作する装置。
  7. 第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間よりも古い場合にのみ、前記第1ノードでの前記時間を調整する手段を、さらに設けた請求項に記載の装置。
  8. 第2ノードから受信した時間の指示が、第1ノードでの時間を調整するかどうかを決定する前に、コンピュータ・ネットワーク内での遅延のために増加される請求項に記載の装置。
  9. 第1ノードが、前記第1ノードでの時間を調整する前に、まず、前記第2ノードに遷移要求パケットを伝送して、該第2ノードを遷移モードに入らせる請求項に記載の装置。
  10. 第1ノードと同期されたノードが、前記第1ノードから遷移要求パケットを受信して、前記遷移要求パケット内で指定された時間により、対応するローカル時間を調整する請求項に記載の装置。
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