JP4726332B2 - デジタル放送受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビジョン放送、ラジオ放送の特にデジタル放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図21に、従来のデジタル放送受信装置の構成を示す。デジタル放送受信装置Rcは、アンテナ1、チューナ2、AD変換器3、復調器7、および自動利得制御器AGCとを含む。なお、自動利得制御器AGCは、自動利得制御信号発生器SGとレベル検出器LDとを含む。放送局から送信されたデジタル放送波RFは、空中を伝播してアンテナ1で受信される。アンテナ1で受信されたデジタル放送波Srfは、チューナ2で周波数変換されて変調されたアナログ信号SMAが生成される。この変調されたアナログ信号SMAはAD変換器3で変調されたデジタル信号SMDに変換された後に、自動利得制御器AGCおよび復調器7に出力される。
【0003】
自動利得制御器AGCにおいては、レベル検出器LDが入力された変調されたデジタル信号SMDのレベルを検出し、検出された信号レベルがある一定のレベル(リファレンス値)より大きいか小さいかを判断してレベル信号SLを生成する。自動利得制御信号発生器SGは、レベル検出器LDから入力されるレベル信号SLに基づいて、チューナ2の利得を調整するための制御信号SAGをチューナ2に出力する。言い換えれば、所定レベル(リファレンス値)より大きい場合は、レベル検出器LDはチューナ2の利得を下げさせる制御信号SAGを自動利得制御信号発生器SGから出力させる。一方、所定レベル(リファレンス値)より小さい場合は、チューナ2の利得を上げさせる制御信号SAGを自動利得制御信号発生器SGから出力させる。
【0004】
結果、チューナ2の利得が制御されて生成された変調されたアナログ信号SMAがAD変換器3でA/D変換されて変調されたデジタル信号SMDが生成される。そして、復調器7によって。この変調されたデジタル信号SMDから復調されたデジタル信号SDDが生成されて、後続の誤り訂正処理に出力される。
図22に、レベル検出器LDの詳細な構成を示す。レベル検出器LDは、減算器12、加算器13、遅延器14、およびビットシフタ15(図22おいては、「2-n」と表示)を含む。なお、nはシフトビット数である。加算器13および遅延器14は積分器100を構成している。ビットシフタ15は、例えば4096=212個のデータから平均値を求める場合には、n=12に設定される。AD変換器3から入力される変調されたデジタル信号SMDは、減算器12でビットシフタ15から出力される平均化信号Y/2nで減算されて積分器100に出力される。
【0005】
図23に、自動利得制御信号発生器SGの詳細な構成を示す。自動利得制御信号発生器SGは、リファレンス値付与器16、減算器24と、乗算器17、定数付与器18、積分器21、レベル変換器LC、PWM(Pulse Width Modulator)22、およびローパスフィルタ23を含む。積分器21は、加算器19および遅延器20を含む。レベル変換器LCは、乗算器33、反転係数付与器34、補償係数付与器46、加算器47を含む。
【0006】
減算器24は、レベル検出器LDから入力されるレベル信号SLとリファレンス値付与器16から供給される所定のリファレンス値Rとの誤差を算出して、誤差信号SEを生成する。なお、本明細書においては、説明の簡便化のために、信号およびパラメータを適宜符号で表現する。乗算器17は、減算器24で算出された誤差信号SEに、定数付与器18から供給される定数Gを乗算して、G・SEを生成して積分器21に出力する。
【0007】
積分器21は、乗算器17から入力されるG・SEを遅延器20で1制御サイクルtだけ遅延させた後に、加算器19で現時点の乗算器17からの入力に加算することによって、G・SEを積分する。なお、この積分結果は、遅延器20から積分化信号Zとして、加算器19およびレベル変換器LCに出力される。なお、1制御サイクルとは、デジタル放送受信装置Rcや後述の本発明にかかるデジタル放送受信装置RPaおよびその構成要素において連続して行われる制御処理の1シーケンスを言う。そして、1制御サイクル期間とは1制御サイクルの実行に要する時間であり、ある制御サイクルが開始した後に、次の制御サイクルが開始されるまでの期間を言う。
【0008】
レベル変換器LCにおいては、乗算器33は反転係数付与器34から供給される「−1」で乗算することで、積分器21から入力される積分化信号Zの正負を反転して、−Zを生成する。加算器47は、補償係数付与器46から供給される補償係数OBを、乗算器33から入力される−Zに加算して、−Z+OBを生成する。PWM22は、加算器47から入力される−Z+OBのパルス幅を変調して矩形波信号Srを生成する。ローパスフィルタ23は、PWM22から入力される矩形波信号Srから低周波成分を抽出して所定の制御電圧を有する制御信号SAGを生成する。結果、チューナ2、レベル検出器LD、および自動利得制御信号発生器SGの間でループが形成される。
【0009】
以下に、レベル変換器LCについて簡単に説明する。レベル変換器LCは、積分器21から出力される積分化信号ZがPWM22で処理を施される前に、積分化信号Zの値が基準値よりも大きい場合にも、正しく利得制御ができるように、積分化信号Zの値を標準化するために設けられている。そのために、反転係数付与器34は所定の負の値の反転係数を乗算器33に付与して、積分化信号Zの正負を反転する。補償係数付与器46は、PWM22の処理の便宜上、反転された積分化信号Z(−Z)の値がレベル変換器LCの出力において正の値または0になるように補償する所定の値を有する補償係数OBを供給する。
【0010】
補償係数OBの値は、反転係数付与器34により供給される反転係数と積分器21の出力ビット数に基づいて決められる。いま、反転係数が−1、積分器21の出力ビット数が11である場合を例に述べる。つまり、積分化信号Zは−1024から+1023の間の値である。補償係数OBを積分器21の出力ビット数である11ビット(1024)に設定すると、加算器47から出力される−Z+OBの値は、0から+2047間に収まる。積分器21の出力が0の場合は、加算器47から出力される−Z+OBの値は、+1024(OB)である。積分器21の出力が負の場合は、−Z+OBの値は、+1025から+2047の間に収まる。このようにして、デジタル放送波Srfに変動に応じて、正しく利得制御できるように構成されている。
【0011】
図22およびに図23を参照して、任意の制御サイクルtにおけるレベル検出器LDおよび自動利得制御信号発生器SGの内部において生成される各種信号処理を模式的に示す。なお、本明細書においては、従来技術に限らず本発明の実施形態の説明に関しても、制御サイクルをtで表し、制御サイクル期間をPtで表現する。つまり、ある制御サイクルtに対して過去或いは未来の制御サイクルはそれぞれ、tに自然数を加減することによって表され、対応する制御サイクル期間Ptも同様にtに自然数を加減することによって表される。このように、制御サイクルtは、相対時刻を表すパラメータでもある。また、説明の簡便化のために、必要に応じて制御サイクルtを単に「t」と呼ぶと共に、各信号およびパラメータをその符号で表現するものとする。
【0012】
図22に示すように、レベル検出器LDの減算器12においては、AD変換器3から出力されたSMD(t)からビットシフタ15から出力された平均化信号Y(t+1)/2nで減算されて、SMD(t)−Y(t+1)/2nが生成される。
【0013】
積分器100の加算器13では、減算器12から入力されるSMD(t)−Y(t+1)/2nが遅延器14から出力される積分化信号Y(t+1)と加算されて、SMD(t)−Y(t+1)/2n+Y(t+1)=SMD(t)+Y(t+1)(1−2−n)が生成される。
【0014】
遅延器14では、加算器13から入力されるSMD(t)+Y(t+1)(1−2−n)を1制御サイクルtだけ遅延させて、積分化信号Y(t+1)が生成される。
【0015】
ビットシフタ15では、所定の値を有するシフトビット数nだけシフトして、平均化信号Y(t+1)/2nが生成される。この平均化信号Y(t+1)/2nは、レベル検出器LDに入力される変調されたデジタル信号SMDを2n個のデータ値に基づいて求めた平均値に相当する。この意味において、シフトビット数nはビットシフタ15による平均値を求めるデータの必要数を規定する。つまり、2nがレベル検出器LDが入力される変調されたデジタル信号SMDの平均値を求めるために必要なデータ数であり、シフトビット数nは平均化係数である。以降、2nを平均化データ数と呼ぶ。
【0016】
次に、図23に示すように、自動利得制御信号発生器SGの減算器24においては、レベル検出器LDから入力されるレベル信号SLからリファレンス値付与器16から入力されるリファレンス値Rが減算されて、誤差信号SE(t)が生成される。
【0017】
乗算器17では、減算器24から入力されるSE(t)が、定数付与器18から入力される定数Gで乗算されて、G・SE(t)が生成される。
【0018】
積分器21の加算器19では、乗算器17から入力されるG・SE(t)が遅延器20から出力される積分化信号Z(t+1)と加算されて、G・SE(t)+Z(t+1)が生成される。
【0019】
遅延器20では、加算器19から入力されるG・SE(t)+Z(t+1)を1制御サイクルtだけ遅延させて、積分化信号Z(t+1)が生成される。
【0020】
レベル変換器LCの反転係数付与器34では、遅延器20から入力される積分化信号Z(t+1)が反転係数付与器34から入力される反転係数「−1」で乗算されて、−Z(t+1)が生成される。
【0021】
加算器47では、乗算器33から入力される−Z(t+1)に、補償係数付与器46から入力される補償係数OBが加算されて−Z(t+1)+OBが生成される。
【0022】
PWM22は、レベル変換器LCから入力される−Z(t+1)+OBのパルス幅を変換して、矩形波信号Srを生成する。ローパスフィルタ23は、PWM22から入力される矩形波信号Srから低域周波成分を抜き出し安定した所望のレベルに落ち着かせて、利得制御信号SAGを生成する。
【0023】
上述のように構成されたデジタル放送受信装置Rcにおいては、デジタル放送波Srfの信号が最大となり、レベル信号SLの値も最大になる場合には、−Z+OBは0となり、矩形波信号Srは図24に示すように常に0の値が出力され、制御信号SAGは最小となる。デジタル放送波Srfが中間の値となり、レベル信号SLの値も中間の値になる場合には、−Z+OBは+1024となり、矩形波信号Srは図25に示すように、2回に1回の割合で1の値が出力され、制御信号SAGは中間の値となる。デジタル放送波Srfが最小となり、レベル信号SLの値も最小になる場合には、−Z+OBは+2047となり、矩形波信号Srは図26に示すように常に1の値が出力され、制御信号SAGは最大となる。
【0024】
図27に、上述の如く構成されたデジタル放送受信装置Rcにおける、デジタル放送波Srfと変調されたアナログ信号SMAの関係を例示する。同図において、上段に示すSW1は、短時間内におけるデジタル放送波Srfの信号波形を示す。
中段のSW2は、SW1が示す場合に比べてかなり長い時間内のデジタル放送波Srfの包絡線波形を示す。同例において、デジタル放送波Srfが6dBの変動振幅且つ100Hzの周波数で変動している。
下段のSW3は、デジタル放送波Srf(SW2)がチューナ2によって、変動が除去された後に出力される変調されたアナログ信号SMAの信号波形を示す。
【0025】
レベル検出器LDのレベル検出に用いるデータ数を少なくし(例えば127=27個)、自動利得制御信号発生器SGの乗算器17に掛ける定数Gの値を大きくする(例えば128)ことによって、チューナ2から出力される変調されたアナログ信号SMAの周波数変動を0にできる。つまり、入力されるデジタル放送波Srfの周波数変動に追従できる。
【0026】
上述のデジタル放送受信装置Rcにおいては、6dBの変動振幅を有するデジタル放送波Srfに対する最大追従変動周波数は約100Hzであることが実験で確認されている。具体的には、レベル検出器LDのレベル検出に用いるデータ数(シフトビット数n)を可能な限り少なくし、且つ定数Gの値を可能な限り大きくして、6dBの変動振幅を有する変動周波数が100Hz以下のデジタル放送波Srfを入力として、周波数変動がゼロの変調されたアナログ信号SMAが出力できることを意味する。なお、100Hzの周波数変動は、放送局や中継局から発信されたデジタル放送波Srfが空中を伝播して、デジタル放送受信装置Rcに受信されるまでに、時速180Kmで移動している物体よって引き起こされるものである。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この最大変動周波数(100Hz)以下のデジタル放送波Srfも、さらに木の葉のゆれや車などの移動物体などに衝突することによって、最大追従変動周波数(100Hz)以上に周波数変動が引き起こされることが多い。このように場合、デジタル放送受信装置Rcでは、デジタル放送波Srfの周波数変動に追従できずに、高品位に復調デジタル信号SDDを再生できない。また、飛行機などより高速に移動する物体に反射して発生するデジタル放送波Srfの100Hzを超える周波数変動には追随できない。
【0028】
さらに、チューナ2の制御電圧対利得の傾きがチューナ2に入力されるデジタル放送波Srfのレベルによって異なる。そのため、周波数変動しているデジタル放送波Srf信号を受信する場合、チューナ2に入力されるレベルによって、周波数変動に追従できる能力も変化する。結果、チューナ2に入力されるデジタル放送波Srfのレベルによって、復調デジタル信号SDDの品位も劣化する。
【0029】
上述のように、飛行機など高速で移動する物体に反射した放送波を受信した場合、NTSCに代表される従来のアナログ放送においては、復調信号が劣化しても再生画面が乱れるが、映像自体は途切れない。しかしながら、デジタル放送の場合は、復調デジタル信号SDDの品位が劣化すれば、映像は完全に途切れてしまう。デジタル放送波が飛行機等の高速移動体などによって、大きく周波数変動しても、その周波数変動に追従して、映像を途切れさすことなく再生できるデジタル放送受信装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、受信された空中を伝播するデジタル変調信号波を所定の振幅を有するように自動調整される利得で増幅してデジタル信号に復調するデジタル放送受信装置であって、
受信されたデジタル変調信号波を周波数変換して第1の変調信号を生成するチューナと、
第1の変調信号のレベルが第1の所定レベルになるようにチューナの利得を制御する第1の自動利得制御増幅器と、
第1の変調信号をアナログデジタル変換して、第2の変調信号を生成するAD変換器と、
第2の変調信号を復調して第1の復調デジタル信号を生成する復調器と、
第1の復調デジタル信号のレベルが第2の所定レベルになるように増幅して第2の復調デジタル信号を生成する第2の自動利得制御増幅器とを備える。
【0031】
上記の如く、第1の発明においては、レベル検出からチューナの利得制御に時間を要し、且つチューナと利得ループを形成する第1の自動利得制御器と、レベル検出から利得制御に時間を要しない第2の自動利得制御器と、2つの自動利得制御器を備えることにより、速度が要求される利得制御と速度が要求されない利得制御を第1の自動利得制御器と第2の自動利得制御器で分散して且つシリアルに処理できる。
【0032】
第2の発明は、第1の発明において、第1の自動利得制御増幅器は、デジタル変調波の周波数変動に追従せずに増幅して第1の変調信号を生成し、第2の自動利得制御増幅器は、第1の復調されたデジタル信号の周波数変動に追従すると共に増幅して第2の復調されたデジタル信号を生成することを特徴とする。
【0033】
上記の如く、第2の発明においては、周波数変動に追従する利得制御処理を第2の自動利得制御器で行うことにより、従来は追従できなかった高周波変動にも追従できる。
【0034】
第3の発明は、第1の発明において、第1の自動利得制御増幅器は、デジタル変調波の第1の所定周波数より小さい周波数変動に追従すると共に増幅して第1の変調信号を生成し、第2の自動利得制御増幅器は、第1の所定周波数より大きな第2の所定周波数の周波数変動に追従すると共に増幅して第2の復調デジタル信号を生成することを特徴とする。
【0035】
上記の如く、第3の発明においては、第1の自動利得制御器で低周波変動に追従した後に、第2の自動利得制御器で高周波変動に追従することによって、デジタル変調信号波に含まれるノイズ成分の影響を低減できる。
【0036】
第4の発明は、第1の変調信号のレベルを検出するレベル検出器と、
検出されたレベルに基づいて、チューナの利得を変更する利得変更器を備える、請求項3に記載のデジタル放送受信装置。
【0037】
上記の如く、第4の発明においては、チューナの特性に応じて、利得を適正に設定できる。
【0038】
第5の発明は、第4の発明において、チューナの制御電圧対振幅減衰度特性が急激に変化する減衰特性臨界電圧を閾値とする閾値を備え、
利得変更器は、検出されたレベルが閾値より大きければ第1の所定値を利得とし、検出されたレベルが閾値より小さければ第1の所定値より小さな第2の所定値を利得とすることを特徴とする。
【0039】
上記の如く、第5の発明においては、チューナの特性が急激に変わる減衰特性臨界電圧に対して、利得を適正に設定できる。
【0040】
第6の発明は、第4の発明において、チューナの制御電圧対振幅減衰度特性が急激に変化する減衰特性臨界電圧より第1の所定量だけ小さい電圧値を第1の閾値とする第1の閾値と、
減衰特性臨界電圧より第2の所定量だけ大きい電圧値を第2の閾値とする第1の閾値とを備え、
利得変更器は、検出されたレベルが第1の閾値より小さい場合は、第1の所定値を利得とし、検出されたレベルが第2の閾値より大きい場合は、第1の所定値より大きな第2の所定値を利得とし、検出されたレベルが第1の閾値より大きく第2の閾値より小さい場合には、検出されたレベルの直前の値に基づいて第1および第2の所定値の一方を利得することを特徴とする。
【0041】
上記の如く、第6の発明においては、チューナの特性が急激に変わる減衰特性臨界電圧を含む領域に、利得を変更に対する緩衝帯を設けることによって、検出されたレベルが減衰特性臨界電圧を中心に変動しても、利得値のジッタを防止できる。
【0042】
第7の発明は、受信された空中を伝播するデジタル変調信号波を所定の振幅を有するように自動調整される利得で増幅してデジタル信号に復調するデジタル放送受信装置であって、
受信されたデジタル変調信号波を周波数変換して第1の変調信号を生成するチューナと、
第1の変調信号のレベルが第1の所定レベルになるようにチューナの利得を制御する第1の自動利得制御増幅器と、
第1の変調信号をアナログデジタル変換して、第2の変調信号を生成するAD変換手段と、
第2の変調信号のレベルが第2の所定レベルになるように増幅して第3の変調信号を生成する第2の自動利得制御増幅器とを備える。
【0043】
上記の如く、第7の発明においては、第1の発明と同様の効果を有するが、第2の自動利得制御器を第1の自動利得制御器の直後に設けることにより、より高速な利得制御処理が可能である。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に、図1、図2、図3、図4、図5、および図6を参照して本発明の第1の実施形態にかかるデジタル放送受信装置について説明する。その後、図7、図8、図9、図10、図11、および図12を参照して本発明の第2の実施形態にかかるデジタル放送受信装置について説明する。そして、図13、図14、図15、および図16を参照して本発明の第3の実施形態にかかるデジタル放送受信装置について説明する。さらに、図17、図18、図19、および図20を参照して本発明の第4の実施形態にかかるデジタル放送受信装置について説明する。
【0045】
(第1の実施形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態にかかるデジタル放送受信装置をデジタル放送波の受信に適用した例について説明する前に、まず本発明の基本的概念について述べる。本発明においては、100Hz以上の大周波数変動に追従することを目的としている。しかしながら、従来のデジタル放送受信装置Rcにおけるように、自動利得制御器AGCがチューナ2とAD変換器3との間で利得制御ループを形成する構成においては、100Hz以上の周波数変動に追従するには、レベル検出器LDとチューナ2との間の遅延時間が大きすぎて不可能である。
【0046】
そこで、本発明においては、復調器7の後に新たに乗算器と第2のレベル検出器と第2の自動利得制信号発生器からなる自動利得制御器を設け、乗算器と第2のレベル検出器と第2の自動利得制信号発生器との間で利得制御ループを形成する。なお、これら新たに設けられた乗算器と第2のレベル検出器と第2の自動利得制信号発生器との間の遅延時間は非常に小さいので、デジタル放送波Srfの周波数変動に十分追従できる。
【0047】
この観点から、本発明の第1の実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPaにおいては、従来のデジタル放送受信装置Rcにおける自動利得制御器AGCに相当する第1の自動利得制御器には、デジタル放送波Srfに周波数変動に追従させることなく変動したままの状態で通過させて、復調器7から復調された第1のデジタル信号として出力する。そして、新たに設けた第2の自動利得制御器AGCにて、復調された第1のデジタル信号の周波数変動をすべて取り除くものである。
【0048】
なお、本実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPaにおいては、デジタル放送波Srfの周波数が600MHzの場合、約600Hz周波数変動を取り除くことができる。これは、デジタル放送波Srfが時速1080Kmで移動している物体によって引き起こされる周波数変動に相当する。これは、時速1080kmで移動している物体がデジタル放送波Srfを受信する際に生じる周波数変動に相当する。
【0049】
図1に示すように、本実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPaは、アンテナ1、チューナ2、AD変換器3、第1の自動利得制御器AGC1a、復調器7、および第2の自動利得制御器AGC2aを含む。放送局から送信されたデジタル放送波RFは、空中を伝播してアンテナ1で受信される。アンテナ1で受信されたデジタル放送波Srfは、チューナ2で周波数変換されて変調されたアナログ信号SMAaが生成される。この変調されたアナログ信号SMAaはAD変換器3でA/D変換されて変調されたデジタル信号SMDaが生成される。この変調されたデジタル信号SMDaは、第1の自動利得制御器AGC1aおよび復調器7に出力される。
【0050】
第1の自動利得制御器AGC1aは、本発明の基本概念に関して述べた第1の自動利得制御器AGCに相当し、入力されるデジタル放送波Srfの周波数変動を取り除くことなく利得制御のみ行ったデジタル放送波Srfをそのまま通過させるべく設けられている。第1の自動利得制御器AGC1aは、第1の自動利得制御信号発生器SG1aおよび第1のレベル検出器LD1aを含む。
【0051】
第1のレベル検出器LD1aは、AD変換器3に接続されて、変調されたデジタル信号SMDaの入力を受ける。第1のレベル検出器LD1aは、変調されたデジタル信号SMDaの平均レベルを検出して、検出した平均レベルを示す第1のレベル信号SL1aを生成する。
【0052】
第1の自動利得制御信号発生器SG1aは、第1のレベル検出器LD1aに接続されて、第1のレベル信号SL1aの入力を受ける。第1の自動利得制御信号発生器SG1aは、第1のレベル信号SL1aに基づいて、チューナ2にてデジタル放送波Srfから変調されたアナログ信号SMaを生成する際の利得を適正に制御するべく第1の利得制御信号SAG1aを生成して、チューナ2に出力する。なお、第1のレベル検出器LD1aおよび第1の自動利得制御信号発生器SG1aの構成については、後ほど図2および図3を参照して詳しく説明する。
【0053】
チューナ2においては、第1の自動利得制御器AGC1aの第1の自動利得制御信号発生器SG1aより入力される第1の利得制御信号SAG1aに基づいて、アンテナ1からチューナ2に入力されるデジタル放送波Srfのレベルが調整される。つまり、利得制御された変調されたアナログ信号SMAaが、チューナ2からAD変換器3に出力される。
【0054】
このように、第1の自動利得制御器AGC1aにより利得制御された変調されたアナログ信号SMAaは、AD変換器3で変調されたデジタル信号SMDaに変換された後、復調器7に出力されると共に再度第1の自動利得制御器AGC1aに出力される。そして、第1の自動利得制御器AGC1aにおいては、上述のレベル制御処理が繰り返される。一方、復調器7においは、変調されたデジタル信号SMDaを復調して、復調された第1のデジタル信号SDDaを生成して第1の自動利得制御器AGC2aに出力する。なお、この変調されたデジタル信号SMDaおよび復調されたデジタル信号SDDaはデジタル放送波Srfが有する周波数変動が除去されることなく生成されたものであることは上述の通りである。
【0055】
第2の自動利得制御器AGC2aは、第1の自動利得制御器AGC1aと同様に、第2のレベル信号SL2bを生成する第2のレベル検出器LD2aと、第2のレベル信号SL2aに基づいて第2の利得制御信号SAG2aを生成する第2の自動利得制御信号発生器SG2aを含むと共に、さらに乗算器8を含む。第2の自動利得制御器AGC2aは、復調された第1のデジタル信号SDDaに対して利得制御処理と共に周波数変動除去処理を施した後に第2のデジタル信号SDMDaとして、後続の誤り訂正処理器(図示せず)に対して出力する。
【0056】
乗算器8は、復調器7から出力される復調された第1のデジタル信号SDDaに、第2の自動利得制御信号発生器SG2aから出力される第2の利得制御信号SAG2aを乗算して、利得制御処理および周波数変動除去処理された信号SDDa・SAG2a(上述のように、本明細書においては、冗長を避けると共に視認性のために、必要に応じて各信号を符号で表す)を生成する。そして、当該生成された信号SDDa・SAG2aを第2のレベル検出器LD2aにフィードバックすると共に、復調された第2のデジタル信号SDMDaとして後続の誤り訂正処理器に出力する。
【0057】
第2のレベル検出器LD2aは、乗算器8から入力される信号SDDa・SAG2aに基づいて、第2のレベル信号SL2aを生成して第2の自動利得制御信号発生器SG2aに出力する。第2の自動利得制御信号発生器SG2aは、第2のレベル検出器LD2aから入力される第2のレベル信号SL2aに基づいて、第2の利得制御信号SAG2aを生成する。これについても、後ほど図4および図5を参照して詳しく説明する。
【0058】
次に、図2を参照して上述の第1のレベル検出器LD1aについて詳細に説明する。第1のレベル検出器LD1aは、減算器12、積分器100、ビットシフタ15、および第1の平均係数付与器150a1を含む。積分器100は、加算器13および遅延器14を含む。第1のレベル検出器LD1aに入力される変調されたデジタル信号SMDaは、減算器12でビットシフタ15から出力される平均化信号Y1a/2nで減算されて積分器100に出力される。
【0059】
積分器100の加算器13は、減算器12から入力される信号に、遅延器14からの出力される積分化信号Y1aを加算したのち、遅延器14に出力する。遅延器14は、加算器13から入力される信号を1制御サイクルtだけ遅延させて後、積分化信号Y1aとして加算器13およびビットシフタ15に出力する。
【0060】
ビットシフタ15は、積分器100の遅延器14から入力される積分化信号Y1aを、設定されたビット数nだけシフトして平均化信号Y1a/2nとして減算器12に出力すると共に、第1のレベル信号SL1aとして第1の自動利得制御信号発生器SG1aに出力する。第1の平均係数付与器150a1は、ビットシフタ15のシフトビット数nを規定するシフトビットパラメータN1aを出力する。
【0061】
図2に、任意の制御サイクルtにおける第1のレベル検出器LD1aの内部において生成される各種信号処理を模式的に示す。減算器12では、AD変換器3から出力されたSMDa(t)からビットシフタ15から出力された平均化信号Y1a(t+1)/2N1aで減算されて、SMDa(t)−Y1a(t+1)/2N1aが生成される。
【0062】
積分器100の加算器13では、減算器12から入力されるSMDa(t)−Y1a(t+1)/2N1aが遅延器14から出力される積分化信号Y1a(t+1)と加算されて、SMDa(t)−Y1a(t+1)/2N1a+Y1a(t+1)=SMDa(t)+Y1a(t+1)(1−2−N1a)が生成される。
【0063】
遅延器14では、加算器13から入力されるSMDa(t)+Y1a(t+1)(1−2−N1a)を1制御サイクルtだけ遅延させて、積分化信号Y1a(t+1)が生成される。
【0064】
ビットシフタ15では、遅延器14から入力されるY1a(t+1)を、第1の平均係数付与器150a1から出力される第1の平均化係数N1aで規定されるビット数だけシフトして、平均化信号Y1a(t+1)/2N1aが生成される。この平均化信号Y1a(t+1)/2N1aは、第1のレベル検出器LD1aに入力される変調されたデジタル信号SMDaを2N1a個のデータ値に基づいて求めた平均値に相当する。この意味において、シフトビット数nはビットシフタ15による平均値を求めるデータの必要数を規定する。つまり、2nが第1のレベル検出器LD1aが入力される変調されたデジタル信号SMDaの平均値を求めるために必要なデータ数であり、シフトビット数nは平均化係数である。以降、2nを平均化データ数と呼ぶ。
【0065】
第1の平均係数付与器150a1は、平均化係数nを規定する第1の平均化係数N1aをビットシフタ15に付与する手段である。例えば、平均化データ数2nが4096、つまり4096(212)個のデータから平均値を求める際には、n=12の値を表す第1の平均化係数N1aが第1の平均化係数付与器150a1からビットシフタ15に出力される。そして、ビットシフタ15は、第1の平均化係数N1aが表す12の値を平均化係数nとして設定して、遅延器14からの出力の212(4096)個のデータの値の平均値を求めて、第1のレベル信号SL1aを出力する。
【0066】
平均化係数nの値を適正に設定することによって入力されるデジタル放送波Srfに対する周波数変動に対する追従性を制御する。平均値を求めるのに用いるデータ数は、n=12の場合は4096個に相当し、n=11の場合は2048個に相当し、n=10の場合は1024個に相当する。このようにシフトビット数nの値が大きいほど、用いるデータ数が多くなるので、周波数変動した信号に追従しにくい。
【0067】
よって、第1の自動利得制御器AGC1aにおいては、デジタル放送波Srfの周波数変動に追従させないために、シフトビット数nの値は大きく設定される。本実施形態においては、シフトビット数nを好ましくは11に設定するために、第1の平均化係数付与器150a1は11の値の第1のシフトビットパラメータN1aをビットシフタ15に出力する。つまり、第1のレベル検出器LD1a(第1の自動利得制御器AGC1a)においては、211(2048)個のデータを用いて平均値が求められる。なお、第1のシフトビットパラメータN1aの値は、デジタル放送受信装置RPa全体での処理バランス、特にデジタル放送波Srfの周波数、および定数Gを考慮して決められるものであり、結果的に第1の自動利得制御器AGC1aにおけるデジタル放送波Srfの周波数変動に追従しないようにできる、11以外の適当な値を採り得る。
【0068】
次に、図3を参照して上述の第1の自動利得制御信号発生器SG1aについて説明する。第1の自動利得制御信号発生器SG1aは、第1のリファレンス値付与器16a、減算器24と、乗算器17、第1の定数付与器18a1、積分器21、第1のレベル変換器LC1、PWM22、およびローパスフィルタ23を含む。第1のレベル変換器LC1は、乗算器33、反転係数付与器34、補償係数付与器46、および加算器47を含む。積分器21は、加算器19および遅延器20を含む。
【0069】
減算器24は、第1のレベル検出器LD1aから入力される第1のレベル信号SL1aと第1のリファレンス値付与器16aから供給される第1のリファレンス値R1との誤差を算出して誤差信号SE1aを生成する。乗算器17は、減算器24で算出された誤差信号SE1aに、第1の定数付与器18から供給される第1の定数G1aを乗算して積分器21に出力する。結果、チューナ2、第1のレベル検出器LD1a、および第1の自動利得制御信号発生器SG1aとの間で形成されるループ利得が調整される。積分器21は、乗算器17の出力を遅延器20で1制御サイクル期間だけ遅延させた後に、加算器19で現時点の出力に加算することによって、乗算器17の出力を積分して、積分化信号Z1aを生成する。
【0070】
第1のレベル変換器LC1においては、乗算器33は反転係数付与器34から供給される反転係数「−1」で乗算することで、積分器21から入力される積分化信号Z1a正負を反転して、−Z1aを生成する。
加算器47は、補償係数付与器46から供給される第1の補償係数OBを、乗算器33から入力される−Z1aに加算して、−Z1a+OBを生成する。PWM22は、加算器47から入力される−Z1a+OBのパルス幅を変調して矩形波信号Sr1aを生成する。ローパスフィルタ23は、PWM22から入力される矩形波信号Sr1aから低周波成分を抽出して第1の利得制御信号SAG1aを生成する。
【0071】
上述の第1の自動利得制御信号発生器SG1aにおいては、第1のレベル検出器LD1aから出力される正の値を有する第1のレベル信号SL1aが第1のリファレンス値R1より大きいと積分器21からは正の値を有する誤差信号SE1aが出力される。第1のリファレンス値R1の値を適正に設定することによって、AD変換器3に入力される変調されたアナログ信号SMAaのレベルを調整することができる。つまり、デジタル放送受信装置RPaにおいて、適正な変調されたアナログ信号SMAaのレベルを任意に設定するために、第1のリファレンス値R1の値は決められる。
【0072】
第1の定数G1aを大きな値に設定すると、デジタル放送波Srfの周波数変動に追従しやすくできる。よって、本実施形態においては、第1の自動利得制御器AGC1aでは、デジタル放送波Srfの周波数変動に追従しないように、好ましくは、第1の定数G1aは1に設定される。
【0073】
積分器21は乗算器17から出力される信号G1a・SE1aを時間とともに滑らかに変化させるために設けられている。第1のレベル変換器LC1は、積分器21から出力される積分化信号Z1aがPWM22で処理を施される前に、積分化信号Z1aの値が第1のリファレンス値R1よりも大きい場合にも、正しく利得制御ができるように、積分化信号Z1aの値を標準化するために設けられている。そのために、反転係数付与器34は所定の負の値の反転係数を乗算器33に付与して、積分化信号Z1aの正負を反転する。補償係数付与器46は、PWM22の処理の便宜上、反転された積分化信号Z1a(−Z1a)の値が正の値または0になるように補償する所定の値を有する補償係数OBを供給する。
【0074】
補償係数OBの値は、反転係数付与器34により供給される反転係数と積分器21の出力ビット数に基づいて決められる。いま、反転係数が−1、積分器21の出力ビット数が11である場合を例に述べる。つまり、積分化信号Z1aは−1024から+1023の間の値である。補償係数OBを積分器21の出力を11ビット(1024)に設定すると、加算器47から出力される−Z+OBの値は、0から+2047間に収まる。誤差信号SEがゼロの場合は、加算器47から出力される−Z+OBの値は、+1024(OB)である。誤差信号SE1aの値が負の場合は、−Z1a+OBの値は、+1025から+2048の間に収まる。このようにして、デジタル放送波Srfに変動に応じて、正しく利得制御できるように構成されている。つまり、第1のレベル変換器LC1は、積分化信号Z1aの値を0以上の整数値に変換している。
【0075】
以下に、任意の制御サイクルtにおける第1の自動利得制御信号発生器SG1aの内部において行われる信号処理について説明する。なお、説明の簡便化のために、必要に応じて制御サイクルtを単に「t」と呼ぶと共に、各信号をその符号で表現することは、上述の通りである。減算器24では、第1のレベル検出器LD1aから入力される第1のレベル信号SL1aから第1のリファレンス値付与器16aから入力される第1のリファレンス値R1が減算されて、誤差信号SE1a(t)が生成される。
【0076】
乗算器17では、減算器24から入力されるSE1a(t)が、第1の定数付与器18a1から入力される第1の定数G1aで乗算されて、G1a・SE1a(t)が生成される。なお、本実施形態においては、デジタル放送波Srfの周波数変動に追従しないように、第1の定数G1aの値は好ましくは1に設定されている。なお、第1の定数G1aの値は、デジタル放送受信装置RPa全体での処理バランス、つまりデジタル放送波Srfの周波数および第1のシフトビット数nを考慮して決められるものであり、結果的に第1の自動利得制御器AGC1aにおけるデジタル放送波Srfの周波数変動に追従しないようにできれば、1以外の適当な値を採り得る。
【0077】
積分器21の加算器19では、乗算器17から入力されるG1a・SE1a(t)が遅延器20から出力される積分化信号Z1a(t+1)と加算されて、G1a・SE1a(t)+Z1a(t+1)が生成される。
遅延器20では、加算器19から入力されるG1a・SE1a(t)+Z1a(t+1)を1制御サイクルtだけ遅延させて、積分化信号Z1a(t+1)が生成される。
【0078】
第1のレベル変換器LC1の反転係数付与器34では、加算器19から入力される積分化信号Z1a(t+1)が反転係数付与器34から入力される反転係数「−1」で乗算されて、−Z1a(t+1)が生成される。
【0079】
加算器47では、乗算器33から入力される−Z1a(t+1)に、補償係数付与器46から入力される補償係数OBが加算されて、正の値を有する−Z1a(t+1)+OBが生成される。
【0080】
PWM22は、第1のレベル変換器LC1から入力される−Z1a(t+1)+OBのパルス幅を変換して、矩形波信号Sr1aを生成する。ローパスフィルタ23は、PWM22から入力される矩形波信号Sr1aから低域周波成分を抜き出し安定した所望のレベルに落ち着かせて、第1の利得制御信号SAG1aを生成する。
【0081】
次に、図4を参照して上述の第2のレベル検出器LD2aについて説明する。第2のレベル検出器LD2aは、図2を参照して説明した第1のレベル検出器LD1aと同様に構成される。但し、第2のレベル検出器LD2aにおいては、第1の平均化係数付与器150a1が第2の平均化係数付与器150a2に置き換えられていると共に、変調されたデジタル信号SMDaの代わりに復調された第2のデジタル信号SDMDaが入力される。よって、特に必要がない限り、第1のレベル検出器LD1aと共通な事柄についての説明は省いて、第2のレベル検出器LD2aに固有な特徴についてのみ述べる。
【0082】
第2の平均化係数付与器150a2は、第1の平均化係数付与器150a1と同様に、ビットシフタ15のシフトビット数nを規定する第2のシフトビットパラメータN2aを出力する。つまり、第2の平均化係数付与器150a2は、第2のレベル検出器LD2aにおける平均化係数nを規定する。しかしながら、第1の自動利得制御器AGC2aにおいては、入力される復調された第2のデジタル信号SDMDaの周波数変動に追従するために、シフトビット数nの値は好ましくは第1のシフトビットパラメータN1aより小さい値に設定される。つまり、第2のシフトビットパラメータN2aと、第1のシフトビットパラメータN1aの間には次式(1)に示す関係がある。
【0083】
N1a≧N2a ・・・・・ (1)
【0084】
上式(1)が意味するように、第2のシフトビットパラメータN2aは、第1のシフトビットパラメータN1aと同じ値を取ることもあり得る。これは、第1の定数G1a、後述の第2の定数G2a、デジタル放送波Srfの周波数とのバランスにおいて成立する。特にシフトビット数nの値が小さい場合(例えば、nが8以下)に、N1a=N2aが成立しやすい。本実施形態においては、一例としてNa1は11に設定され、Na2は8に設定される。N1aが11であれば、第1のレベル検出器LD1aにおいて、211(2048)個のデータを用いて平均値が求められる。N2aが8であれば、第2のレベル検出器LD2aにおいて28(256)個のデータを用いて平均値が求められる。
【0085】
以下に、任意の制御サイクルtにおける第2のレベル検出器LD2aの内部において行われる信号処理について簡単に説明する。減算器12では、乗算器8から出力された第2の自動利得制御器AGC2aによって利得制御された第2の復調されたデジタル信号SDMDa(SDDa・SAG2a)が、ビットシフタ15から出力された平均化信号Y2a(t+1)/2N2aで減算されて、SDMDa(t)−Y2a(t+1)/2N2aが生成される。この場合は、復調された第2のデジタル信号SDMDaの周波数変動に追従するために、第2のシフトビットパラメータN2aは8に設定されている。
【0086】
積分器100の加算器13では、減算器12から入力されるSDMDa(t)−Y2a(t+1)/2N2aが遅延器14から出力される積分化信号Y2a(t+1)と加算されて、SDMDa(t)−Y2a(t+1)/2N2a+Y2a(t+1)=SDMDa(t)+Y2a(t+1)(1−2−N2a)が生成される。
【0087】
遅延器14では、加算器13から入力されるSDMDa(t)+Y2a(t+1)(1−2−N2a)を1制御サイクルtだけ遅延させて、積分化信号Y2a(t+1)が生成される。
ビットシフタ15では、遅延器14から入力されるY2a(t+1)を、第2の平均化係数付与器150a2から出力される第2の平均化係数N2aで規定されるビット数だけシフトして、平均化信号Y2a(t+1)/2N2aが生成される。この平均化信号Y2a(t+1)/2N2aは、第2のレベル検出器LD2aに入力される復調された第2のデジタル信号SDMDaを2N2a個のデータ値に基づいて求めた平均値に相当する。
【0088】
次に、図5を参照して上述の第2の自動利得制御信号発生器SG2aについて説明する。第2の自動利得制御信号発生器SG2aは、図3を参照して説明した第1の自動利得制御信号発生器SG1aと類似した構成を有する。つまり、第1の自動利得制御信号発生器SG1aにおける第1のリファレンス値付与器16aが第2のリファレンス値付与器26に置き換えられ、第1の定数付与器18a1が第2の定数付与器18a2に置き換えられ、第1のレベル変換器LC1が第2のレベル変換器LC2に置き換えられると共に、PWM22およびローパスフィルタ23が誤差設定器50、レベル判定器51、切り換えスイッチ52、および除算器53に置き換えられている。また、第2の自動利得制御信号発生器SG2aには、第1のレベル信号SL1aの代わりに、第2のレベル信号SL2aが入力される。よって、特に必要がない限り、第1の自動利得制御信号発生器SG1aと共通な事柄についての説明は省いて、第2の自動利得制御信号発生器SG2aに固有な特徴についてのみ述べる。
【0089】
第2のリファレンス値付与器26は第2のリファレンス値R2を減算器24に出力する。第2のリファレンス値R2は、復調された第2のデジタル信号SDMDaを所望のレベルに調整することができる。つまり、デジタル放送受信装置RPaにおいて、適正な変調されたアナログ信号SMAaのレベルを任意に設定するために、第2のリファレンス値R2の値は適宜決められる。
【0090】
第2の定数付与器18a2は、第2の定数G2aを減算器24に出力する。なお、第1の自動利得制御器AGC2aにおいては、入力される復調された第2のデジタル信号SDMDaの周波数変動に追従するために、第2の定数G2aの値は大きく設定される。本実施形態においては、好ましくは、第1の定数G1aは1に設定され、第2の定数G2aは16に設定される。なお、第1の定数G1aと第2の定数G2aの間には、次式(2)に示す関係がある。
【0091】
G1a<G2a・・・・ (2)
【0092】
第2のレベル変換器LC2は、第1のレベル変換器LC1と同様に、乗算器33、反転係数付与器34、および加算器47を含むが、補償係数付与器46が利得設定範囲係数付与器48に置き換えられている。利得設定範囲係数付与器48は、乗算器8における利得を所望の範囲に設定するための利得設定範囲係数GRSを加算器47に供給する。なお、利得設定範囲係数GRSについては、後ほど説明する。
【0093】
減算器24は、第2のレベル検出器LD2aから出力される第2のレベル信号SL2aと第2のリファレンス値付与器26から供給される第2リファレンス値R2との誤差を求めて第2の誤差信号SE2aを生成する。
【0094】
乗算器17は、減算器24から入力される第2の誤差信号SE2aに、第2の定数付与器28から供給されるG2aを乗算して、生成されるG2a・SE2aを積分器21に出力する。結果、乗算器8、第2のレベル検出器LD2a、および第2の自動利得制御信号発生器SG2aとの間で形成されるループ利得が調整される。
【0095】
積分器21は、加算器19を経由して乗算器17から入力されるG2a・SE2aを遅延器20で1制御サイクル期間だけ遅延させた後に、加算器19で現時点での乗算器17からの出力に加算することによって、G2a・SE2aを積分する。
【0096】
乗算器33は反転係数付与器34から供給される「−1」で乗算することで、積分器21から入力される積分化信号Z2aの正負を反転させて、−Z2aを生成する。
【0097】
加算器47は、乗算器33から入力される−Z2aに、利得設定範囲係数付与器48から供給されるGRS(本実施形態においては、256)を加算して、−Z2a+GRS(256)をレベル判定器51および切り換えスイッチ52に出力する。
【0098】
レベル判定器51は、加算器47から出力される−Z2a+GRS(256)のレベルを判定して、判定結果を示すレベル判定信号Sswを生成する。なお、本実施形態においては、レベル判定器51は入力される−Z2a+GRS(256)の値を所定の閾値0と比較して、0以下の場合と0より大きい場合の2種類を識別する二値のレベル判定信号Sswを生成する。
【0099】
切り換えスイッチ52は、加算器47の出力ポート、誤差設定器50の出力ポート、除算器53の入力ポート、およびレベル判定器51の出力ポートに接続されている。そして、レベル判定器51から入力される、レベル判定信号Sswに基づいて、切り換えスイッチ52は加算器47或いは誤差設定器50のいずれか一方の出力ポートを選択して、除算器53の入力ポートに接続する。
【0100】
結果、誤差設定器50から供給される値1或いは加算器47から入力される−Z2a+GRS(256)のいずれかが除算器53に入力される。より詳細に言えば、−Z2a+GRSが正の値の場合は切り換えスイッチ52は加算器47から出力される−Z2a+GRSを除算器53に供給し、負の値の場合は誤差設定器50から出力される「1」を除算器53に出力する。
【0101】
除算器53は、切り換えスイッチ52から出力された−Z2a+GRS(256)或いは、誤差設定器50から出力された「1」を、利得設定範囲係数付与器48から供給される「256」で除算して、第2の利得制御信号SAG2aとして出力する。
【0102】
利得設定範囲係数GRSについて、簡単に説明する。利得設定範囲係数GRSは、乗算器8における利得を所望の範囲で設定するように決定される。反転係数が−1、積分器21の出力ビット数が11である場合、積分化信号Z2aは−1024から+1023の間の値である。利得設定範囲係数GRSを一例として8ビット(256)に設定すると、乗算器33から出力される−Z2a+GRSの値は、−768から+1279の間に収まる。レベル判定器51によって、−Z2a+GRSの値が正と判定される場合は、−Z2a+GRSがそのまま除算器53に出力される。
【0103】
一方、−Z2a+GRSの値が負と判定される場合は、−Z2a+GRSの代わりに誤差設定器50から供給される「1」が除算器53に出力される。つまり、切り換えスイッチ52からの出力は、1〜1279の間の値になる。結果、除算器53においては、1〜1279の値を利得設定範囲係数GRS(256)で除算することによって、1/256〜1279/256値を有する第2の利得制御信号SAG2aが生成される。つまり、乗算器8には1/256(約0.004)倍〜1279/256(約5)倍の範囲で制御利得が設定できる。つまり、積分器21の出力ビット数に対して、利得設定範囲係数GRSを任意に設定することによって、利得設定範囲を調整できる。
【0104】
上述の値は一例であって任意の値を採り得る。例えば、実際に商品化される場合には、積分器21の出力ビット数は15(−16384〜+16383)、利得設定範囲係数GRSは9ビット(1024)に設定するのが望ましい。この場合の利得設定範囲は、1/1024(約0)倍〜16383/1024(約16倍)である。このように設定すれば、大きな隣接チャンネル妨害波(デジタル放送波の約16倍の大きさを有する)が第1の自動利得制御器AGC2aに入力されても、第1の自動利得制御器AGC2aは正常に動作できる。
【0105】
以下に、任意の制御サイクルtにおける第2の自動利得制御信号発生器SG2aの内部において行われる信号処理について簡単に説明する。減算器24では、第2のレベル検出器LD2aから出力された第2のレベル信号SL2aが、第2のリファレンス値付与器26から出力される第2のリファレンス値R2で減算されて、第2の誤差信号SE2a(t)が生成される。
【0106】
乗算器17では、減算器24から入力される第2の誤差信号SE2a(t)が第2の定数付与器18a2から入力される第2の定数G2aで乗算されて、G2a・SE2a(t)が生成される。
【0107】
積分器21の加算器19では、乗算器17から入力されるG2a・SE2a(t)が遅延器20から出力される積分化信号Z2a(t+1)と加算されて、G2a・SE2a(t)+Z2a(t+1)が生成される。なお、入力される復調されたデジタル信号SDMDaの周波数変動に追従するために、第2の定数G2aは大きな値(16)に設定されていることは上述の通りである。
【0108】
遅延器20では、加算器19から入力されるG2a・SE2a(t)+Z2a(t+1)を1制御サイクルtだけ遅延させて、積分化信号Z2a(t+1)が生成される。第2のレベル変換器LC2の乗算器33では、遅延器20から入力される積分化信号Z2a(t+1)が反転係数付与器34から入力される反転係数「−1」で乗算されて、−Z2a(t+1)が生成される。
【0109】
加算器47では、利得設定範囲係数付与器48から入力される利得設定範囲係数GRS(本実施形態においては、256)が加算されて−Z2a(t+1)+GRSが生成される。
【0110】
レベル判定器51では、第2のレベル変換器LC2の加算器47から入力される−Z2a(t+1)+GRSが0より小さいか否かを示すレベル判定信号Sswを生成して切り換えスイッチ52に出力する。
【0111】
切り換えスイッチ52では、レベル判定器51から入力されるレベル判定信号Sswに応答して、加算器47から入力される−Z2a(t+1)+GRS或いは誤差設定器50から入力される「1」を選択的に除算器53に出力する。つまり、第2の自動利得制御信号発生器SG2aは、第2のレベル検出器LD2aによって求められた信号レベル(第2のレベル信号SL2a)と第2の自動利得制御信号発生器SG2aから出力される第2の利得制御信号SAG2aのレベルを制御したい値に決めるための第2のリファレンス値R2から誤差(第2の誤差信号SE2a)を計算し、その第2の誤差信号SE2aと第2の自動利得制御器AGC2a内のループ利得を決める第2の定数G2aを乗算器17で掛け合わせ、加算器19、遅延器20で構成される積分器21、乗算器33と定数「−1」で構成される反転回路、加算器47、切り換えスイッチ52、除算器53を通して、乗算器8にフィードバックしている。
【0112】
積分器21の出力が11ビットの場合では、積分器21から出力される積分化信号Z2aは−1024から+1023の範囲内の値である。利得設定範囲係数GRSが256に設定される場合は、加算器47からは−Z2a+256の値は255以下になる。つまり第2のレベル検出器LD2aからの出力される第2のレベル信号SL2aの値が第2のリファレンス値R2より大きい場合には、加算器47からの出力値は255以下の値となる。
【0113】
切り換えスイッチ52の出力は加算器47から出力される−Z2a+256が0以下の値の場合には1を出力し、正の値の場合には−Z2a+256の値を出力するため、除算器53において切り換えスイッチ52の出力を256で割ると、1/256〜255/256の値を有する第2の利得制御信号SAG2aが乗算器8に入力される。結果、乗算器8から出力されるの復調されたデジタル信号SDMDaの値は、乗算器8に入力される復調デジタル信号SDDaの値より小さくなる。
【0114】
第2のレベル検出器LD2aからの出力される第2のレベル信号SL2aの値が第2のリファレンス値R2と同じ場合には、減算器24から出力される第2の誤差信号SE2aの値は0である。よって、乗算器17から値がゼロのG2a・SE2aが積分器21に入力される。積分器21は、各時間で計算されたSE2aを積算して、0を出力する。積分器21の出力は−1024から+1023のいずれかの値で表され、乗算器33の出力は0、加算器47の出力は0+256=256になる。
【0115】
つまり第2のレベル検出器LD2aから出力される第2のレベル信号SL2aが第2のリファレンス値R2と同じ値の場合には、加算器47からの出力値は256となる。切り換えスイッチ52の出力は加算器47の出力が0以下の値の場合には1を出力し、正の値の場合には加算器47からの出力値を出力するため、加算器47からは256が出力され、除算器53において切り換えスイッチ52の出力を256で割ると、1の値が乗算器8に入力され、乗算器8の出力される復調されたデジタル信号SDMDaの値は乗算器8に入力される復調デジタル信号SDDaの値と同じになる。
【0116】
一方、第2のレベル信号SL2aの値が第2のリファレンス値R2より小さい場合には、減算器24からの第2の誤差信号SE2aは負の値になる。乗算器17で第2の定数G2aをかけると乗算器17から負の値を有するG2a・SE2aが積分器21に入力され、積分器21では各時間で計算された誤差信号を積算し、積分化信号Z2aが出力される。積分器21の出力は−1024から+1023のいずれかの値で表され、乗算器33から出力される−Z2aは−1023から+1024の値である。よって、加算器47から出力される−Z2a+GRS(256)は、255以下の値になる。
【0117】
つまり、第2のレベル検出器LD2aから出力される第2のレベル信号SL2aが第2のリファレンス値R2より大きい場合には、加算器47からの出力値は256より大きい値となる。切り換えスイッチ52の出力は加算器47から出力される−Z2a+GRS(255以下の値)が0以下の値の場合には1を出力し、正の値の場合には−Z2a+GRS(255以下の値)を出力するため、除算器53において切り換えスイッチ52の出力を256で割ると、1/256〜(1023+256)/256の値を有する第2の利得制御信号SAG2aが乗算器8に入力され、乗算器8からは復調デジタル信号SDDaの値より大きな値を有する復調されたデジタル信号SDMDaが出力される。
【0118】
図6を参照して、チューナ2に入力されるデジタル放送波Srfと、チューナ2から出力される変調されたアナログ信号SMAaの関係について説明する。同図には、デジタル放送波Srfと変調されたアナログ信号SMAaの包絡線波形がそれぞれ模式的に示されている。
【0119】
上述のように、第1の自動利得制御信号発生器SG1aにおいて、第1の定数付与器18a1は小さい値の第1の定数G1a(例えば、「1」)が乗算器17に出力される。結果、変調されたアナログ信号SMaは、デジタル放送波Srfの振動振幅の割合および振動周波数を変えずに、信号全体のレベルのみを所定値に制御し、チューナ2でレベル変動している信号に全く追従しないよう管理される。
【0120】
第1のレベル検出器LD1aのビットシフタ15のレベル検出に用いるデータ数を例えば4096(N1a=12)個のデータでレベルを検出し、第2のレベル検出器LD2aのビットシフタ15のレベル検出に用いるデータ数を例えば128(N2a=7)個のデータ数でレベルを検出し、第1の自動利得制御信号発生器SG1aの第1の定数G1aを例えば1に設定してデジタル放送波Srfのレベル変動に追従するようにし、第2の自動利得制御信号発生器SG2aの第2の定数G2aの値を例えば16に設定してレベル変動している信号に追従するように構成している。
【0121】
また、第1の自動利得制御器AGC1aからの制御電圧(第1の利得制御信号SAG1a)でチューナ2の利得を制御している系は、第1のレベル検出器LD1aで検出結果が第1の自動利得制御器AGC1aを通してチューナ2に至るまでの遅延時間が長いのに対して、第2のレベル検出器LD2aの検出結果が第2の自動利得制御器AGC2aを通して乗算器8に至るまでの遅延時間は非常に短い。そのため、第2の自動利得制御器AGC2aの方が、第1の自動利得制御器AGC1aと比較して、追従可能な変動周波数が大きいことが実験により確認されている。そのため、第1の自動利得制御器AGC1aでは周波数変動した信号に全く追従しないようにし、第1の自動利得制御器AGC2aのみで周波数変動した信号に追従させるように構成されている。
【0122】
結果、上述の従来のデジタル放送受信装置Rcにおいては、自動利得制御器AGCだけで100Hz以上の周波数変動したデジタル放送波Srfを追従させるために、レベル検出器LDのビットシフタ15のレベル検出に用いるデータ数を少なく設定して、例えば128(n=7)個のデータでレベルを検出する。そして自動利得制御信号発生器SGの定数Gの値をさらに大きい値(例えば256)に設定すると、チューナ2と自動利得制御器AGCの間のループ利得が大きくなりすぎて、チューナ2から出力される変調されたアナログ信号SMAが発振する。すなわち変調されたデジタル信号SMDの変動周波数が大きくなり、復調器7での復調処理が不可能になってしまうと言う従来のデジタル放送受信装置Rcに固有な課題を解決できる。
【0123】
さらに、このようにチューナ2を制御する第1の自動利得制御器AGC1aとすべてデジタルで制御する第2の自動利得制御器AGC2aの2つの自動利得制御器を設け、第1の自動利得制御器において周波数変動に全く追従できないようなパラメータを選択し、第2の自動利得制御器のみで周波数変動に追従するパラメータを選択することで、580Hzの周波数変動まで追従できることが実験によって確認されている。
【0124】
なお、上述の如く構成されたデジタル放送受信装置RPaにおける、変調されたアナログ信号SMA、変調されたデジタル信号SMD、復調された第1のデジタル信号SDD、復調された第2のデジタル信号SDMD、第1の自動利得制御器AGC1a、第1の自動利得制御信号発生器SG1a、第1のレベル検出器LD1a、第1のレベル信号SL1a、第1の利得制御信号SAG1a、第2の自動利得制御器AGC2a、第2のレベル検出器LD2a、第2の自動利得制御信号発生器SG2a、平均化信号Y1a、第1のシフトビットパラメータN1a、第1の誤差信号SE1a、第1の定数G1a、積分化信号Z1a、矩形波信号Sr1a、平均化信号Y2a、第2のシフトビットパラメータN2a、第2の誤差信号SE2a、第2の定数G2a、および積分化信号Z2aは狭義で言えば本実施形態に固有の特徴を備えているが、広義で言えば後述する本発明の他の実施形態においても共通の特徴を備えている。
【0125】
よって、本明細書においては、各実施形態において固有の特徴を備えていることを認識する必要のある場合は、それぞれの符号の対応する実施形態を示す接尾辞を付して表現する。上述の例においては、接尾辞「a」が本実施形態を示している。なお同様に、後述する第2の実施形態、第3の実施形態、および第4の実施形態はそれぞれ接尾辞「b」、「c」、および「d」を付すことにで識別且つ表現される。なお、各実施形態における特徴の違いを認識する必要のない場合は、これらの接尾辞を付さずに表現される。
なお、第1の実施形態において第2の自動利得制御器が復調器の前に位置してもよい。
【0126】
(第2の実施形態)
図7〜図12を参照して、本発明の第2実施形態にかかるデジタル放送受信装置をデジタル放送波の受信に適用した例について説明する前に、まず本実施形態における基本的概念について述べる。上述の第1の実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPaにおいては、所定値(例、C/N=17.5dB以下)を超えたノイズ成分を含むデジタル放送波RFを受信した場合には、復調器7で復調に使用される変調されたデジタル信号SMDaのレベルが常に変動するために、復調器7での復調処理性能が損なわれる。
【0127】
つまり、復調器7においては復調処理の際に自動周波数制御が行われる。自動周波数制御とは、入力される信号を用いて行われる周波数誤差検出によって誤差信号を生成し、生成された誤差信号に基づいて周波数誤差を補正する処理である。しかしながら、入力される信号のレベルが変動すると、当然検出される周波数誤差も変動する。デジタル放送波Srfの状態のよい場合は、この周波数誤差の変動は大きな問題にならない。しかし、デジタル放送波Srfにノイズなどが付加して信号状態が悪くなると、この周波数誤差の変動により、復調器7の復調性能の劣化が大きくなる。
【0128】
言い換えれば、デジタル放送受信装置RPaにおいては、変動周波数が100Hz以下の信号なら復調器7に周波数変動していない信号を渡すことができる。復調器7は入力される信号をもとに基準値との誤差を検出して復調を行っているが、復調器7に入力される信号のレベルがある周期で変動すると、検出した誤差信号も変動してしまう。周波数変動した信号に加わっているノイズが少ない場合には、この誤差信号が変動しても復調器7で誤りは発生しないが、周波数変動した信号に加わっているノイズが多い場合には、復調器7で誤りが発生する。具体的には100Hzの周波数変動したデジタル放送波RFにノイズが付加して、C/N比が17.5dB以下の場合には、デジタル放送受信装置RPaにおいては自動周波数制御において誤りが発生する。
【0129】
この観点から、本発明の第2の実施形態にかかるデジタル放送受信装RPbにおいては、デジタル放送受信装置RPaの第1の自動利得制御器AGC1aに相当する第1の自動利得制御器AGC1bで入力されるデジタル放送波Srfから可能な限り周波数変動を除去し、さらに除去しきれなかった高周波数変動を第2の自動利得制御器AGC2aに相当する第2の自動利得制御器AGC2bで除去するものである。つまり、第1の自動利得制御器AGC1bで例えば100Hz以下の低周波数変動を除去し、第2の自動利得制御器AGC2bで例えば、100Hz〜300Hzの高周波数変動を除去するのである。
【0130】
なお、本実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPbにおいては、デジタル放送波Srfの周波数が600MHzの場合、約300Hzの周波数変動を取り除くことができる。これは、デジタル放送波Srfが時速480Kmで移動している物体によって引き起こされる周波数変動に相当する。結果、本実施形態においては、C/N比が17dB以下までは自動周波数制御における誤りを防止でき、周波数変動追従正は第1実施形態に比べて劣るものの、対ノイズ性能は0.5dBほど向上できる。
【0131】
図7に示すように、本実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPbは、図1に示したデジタル放送受信装置RPaと類似した構成を有している。つまり、第1の自動利得制御器AGC1aが第1の自動利得制御器AGC1bに置き換えられると共に、第2の自動利得制御器AGC2aが第2の自動利得制御器AGC2bに置き換えられている点のを除いて、デジタル放送受信装置RPbはデジタル放送受信装置RPaと同様に構成されている。なお、第1の自動利得制御器AGC1bは第1のレベル検出器LD1bと第1の自動利得制御信号発生器SG1bを含み、第2の自動利得制御器AGC2bは第2のレベル検出器LD2bと第2の自動利得制御信号発生器SG2bを含む。
【0132】
以降、特に必要のない限り、本実施形態に固有の特徴のみについて説明する。なお、狭義において本実施形態に固有の構成要素、信号、およびパラメータは、その符号に接尾辞「b」を付して図面上で表現且つ識別されるが、広義において上述の第1の実施形態と共通のもや共通の動作についての説明は省く。
【0133】
図8に、第1のレベル検出器LD1bの構成を示す。第1のレベル検出器LD1bは、第1の平均化係数付与器150a1が第1の平均化係数付与器150b1に置き換えられている点を除いて、図2に示した第1のレベル検出器LD1aと同様に構成されている。第1の平均化係数付与器150b1は、第1の平均化係数付与器150a1と同様に、ビットシフタ15に対して第1のシフトビットパラメータN1bを出力する。
【0134】
本実施形態においては、第1の自動利得制御器AGC1bにおいても、入力されるデジタル放送波Srfの周波数変動に対しても、ある程度(例えば、100Hz以下)追従するために、第1のシフトビットパラメータN1bの値は、上述の第1の実施形態にかかる第1のレベル検出器LD1aにおける第1のシフトビットパラメータN1aの値より若干小さい値に設定される。なお、本実施形態においては、第1のシフトビットパラメータN1bは好ましくは8に設定される。
よって、第1のシフトビットパラメータN1bと、第1のシフトビットパラメータN1aとの間には、次式(3)に示す関係がある。
【0135】
N1a≧N1b ・・・・ (3)
【0136】
上式(3)が意味するように、第1のシフトビットパラメータN1bは、第1のシフトビットパラメータN1aと同じ値を取ることもあり得る。これは、後述の第1の定数G1bおよび第2の定数G2b、デジタル放送波Srfの周波数とのバランスにおいて成立する。第1のシフトビットパラメータN1bの値が8であれば、第1のレベル検出器LD1bにおいて、28(256)個のデータを用いて平均値が求められる。結果、第1のシフトビットパラメータN1aの値が11である第1の自動利得制御器AGC1aに比べて、デジタル放送波Srfの周波数変動により追従した利得制御が行われる。
【0137】
図9に、第1の自動利得制御信号発生器SG1bの構成を示す。第1の自動利得制御信号発生器SG1bは、第1の定数付与器18a1が第1の定数付与器18b1に置き換えられている点を除いて、図3に示した第1の自動利得制御信号発生器SG1aと同様に構成されている。第1の定数付与器18b1は、第1の定数付与器18a1と同様に、乗算器17に対して第1の定数G1bを出力する。
【0138】
本実施形態においては、第1の自動利得制御器AGC1bにおいても、入力されるデジタル放送波Srfの周波数変動に対しても、ある程度(例えば、100Hz以下)追従するために、第1の定数G1bの値は、上述の第1の実施形態にかかる第1の自動利得制御信号発生器SG1aにおける第1の定数G1aより大きな値に設定される。なお、本実施形態においては、第1の定数G1bは好ましくは8に設定される。
よって、第1の定数G1bと第1の定数G1aとの間には、次式(4)に示す関係がある。
【0139】
G1a<G1b ・・・・ (4)
上述のように、第1のシフトビットパラメータN1bおよび第1の定数G1bはそれぞれ、第1実施形態にかかる第1の自動利得制御器AGC1aにおいてそれぞれ対応する第1のシフトビットパラメータN1aおよび第1の定数G1aに比べて、デジタル放送波Srfの周波数変動に追従しやすい値に設定されている。結果、上述の第1の利得制御信号SAG1aに比べて、デジタル放送波Srfの周波数変動に追従しやすい値を有する第1の利得制御信号SAG1bが生成されて、チューナ2に入力される。
【0140】
そして、この第1の利得制御信号SAG1bによって、利得制御されたチューナ2によって、チューナ2からデジタル放送波Srfの周波数変動により追従した変調されたアナログ信号SMAbが生成されて、復調器7に出力される。変調されたアナログ信号SMAbは、上述の如く100Hz以下の周波数変動が除去されている。
【0141】
AD変換器3は、チューナ2から入力される変調されたアナログ信号SMAbをAD変換して、変調されたデジタル信号SMDbを生成して、第1の自動利得制御器AGC1bと復調器7に出力する。第1の自動利得制御器AGC1bは、上述の如く変調されたデジタル信号SMDbに基づいて、第1の利得制御信号SAG1bを生成する。復調器7は、変調されたデジタル信号SMDbを復調して復調された第1のデジタル信号SDDbを生成して第2の自動利得制御器AGC2bに出力する。
【0142】
図10に、第2のレベル検出器LD2bの構成を示す。第2のレベル検出器LD2bは、第2の平均化係数付与器150a2が第2の平均化係数付与器150b2に置き換えられている点を除けば、図4に示した第2のレベル検出器LD2aと同様に構成されている。第2の平均化係数付与器150b2は、第2の平均化係数付与器150a2と同様に、ビットシフタ15に対して第2のシフトビットパラメータN2bを出力する。
【0143】
本実施形態においては、第2の自動利得制御器AGC2bにおいては、既に100Hz以下の周波数変動が除去された復調されたデジタル信号SDMDbに対して、300Hz以下の周波数変動に追従する必要がある。そのために、第2のシフトビットパラメータN2bの値は、上述の第1の実施形態にかかる第1の自動利得制御信号発生器SG1aにおける第1のシフトビットパラメータN1aの値より小さな値に設定される。
【0144】
なお、本実施形態においては、第2のシフトビットパラメータN2bは好ましくは8に設定される。但し、第1のシフトビットパラメータN1bと同様の値に設定されるのが望ましい。よって、本例においては第1のシフトビットパラメータN1bの値は第1のシフトビットパラメータN1aと同じく8に設定される。
【0145】
よって、第2のシフトビットパラメータN2b、第1のシフトビットパラメータN1bさらに上述の第1の実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPaにおける第1のシフトビットパラメータN1aとの間には、次式(5)および(6)に示す関係がある。
【0146】
N1a≧N1b ・・・・ (5)
【0147】
N1a≧N2b ・・・・ (6)
【0148】
結果、第1のシフトビットパラメータN2bの値が8であれば、第2のレベル検出器LD2bにおいて、第1のレベル検出器LD1bにおけるのと同様に、28(256)個のデータを用いて平均値が求められる。結果、第1のシフトビットパラメータN1aの値が8である第1の自動利得制御器AGC1bと同程度に、復調されたデジタル信号SDMDbの周波数変動に追従した第2のレベル信号SL2bが生成される。
【0149】
図11に、第2の自動利得制御信号発生器SG2bの構成を示す。第2の自動利得制御信号発生器SG2bは、第2の定数付与器18a2が第2の定数付与器18b2に置き換えられている点を除けば、図5に示した第2の自動利得制御信号発生器SG2aと同様に構成されている。第2の定数付与器18b2は、第1の定数付与器18b1と同様に、第2の定数G2bを乗算器17に出力する。
【0150】
本実施形態においては、第2の自動利得制御器AGC2bにおいては、既に100Hz以下の周波数変動が除去されたのデジタル信号SDMDbに対して、300Hz以下の周波数変動に追従する必要がある。そのために、第2の定数G2bの値は、上述の第1の実施形態にかかる第1の自動利得制御信号発生器SG1aにおける第1の定数G1aより大きく且つ第2の定数G2aより小さい値に設定される。或いは、第2の定数G2bの値は、第1の定数G1aより大きく、且つ本実施形態にかかる第1の自動利得制御器AGC1bにおける第1の定数G1aより大きな値に設定される。好ましくは、第2の定数G2bは第2の定数G2aと同様に16に設定される。
【0151】
第2の定数G2b、第1の定数G1b、さらに上述の第1の実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPaにおける第1の定数G1aおよび第2の定数G2aとの間には、次式(7)および(8)に示す関係がある。
【0152】
G1a<G1b<G2a ・・・・ (7)
【0153】
G1a<G1b<G2b ・・・・ (8)
【0154】
上述のように、第2のシフトビットパラメータN2bおよび第2の定数G2bはそれぞれ、第1の自動利得制御器AGC1bにおける第1のシフトビットパラメータN1bおよび第1の定数G1bに比べて、デジタル信号SDMDbの周波数変動に追従しやすい値に設定されている。結果、第1の利得制御信号SAG1bに比べて、より高周波変動に追従しやすい値を有す第2の利得制御信号SAG2bが生成されて、乗算器8に入力される。結果、第1の自動利得制御器AGC1bで除去されなかった100Hz〜300Hzの周波数変動を除去できる。
【0155】
本実施形態においては、周波数変動しているデジタル放送波Srfがチューナ2に入力された場合には、第1のレベル検出器LD1bのビットシフタ15のレベル検出に用いるデータ数を少なく設定して、例えば128(N1b=7)個のデータでレベルを検出し、第1の自動利得制御信号発生器SG1bの第1の定数G1bの値を大きい値(例えば8)に設定する。結果、第1の自動利得制御器AGC1bでは、図12に示すデジタル放送波Srfおよび変調されたアナログ信号SMAbのように、信号全体のレベルのみをある一定値に制御するとともに、できるだけ周波数変動している信号に追従するようにする。
【0156】
そして、第2のレベル検出器LD2bのビットシフタ15のレベル検出に用いるデータ数を少なく設定して、例えば128(N2b=7)個のデータ数でレベルを検出する。第2の自動利得制御信号発生器SG2bの第2の定数G2bの値を大きい値(例えば8)に設定して、第1の自動利得制御器AGC1bで残された変動周波数および振幅変動を第2の自動利得制御器AGC2bで追従するようにしている。
【0157】
つまり、本実施形態においては、第1の自動利得制御器AGC1bではできるだけ周波数変動した信号に追従させて、変動周波数および変動振幅を小さくし、残った変動周波数と変動振幅を第2の自動利得制御器AGC2bで追従させる。これにより従来の構成では100Hz以下の周波数変動にしか追従できなかったが、このようにチューナ2を制御する第1の自動利得制御器AGC1bとすべてデジタルで制御する第2の自動利得制御器AGC2bの2つの自動利得制御器を設け、それぞれの自動利得制御器において周波数変動に追従できるパラメータを選択することで、C/N比が17dB以下までのデジタル放送波Srfであれば、300Hzの周波数変動まで追従できる。
【0158】
(第3の実施形態)
本発明の第3実施形態にかかるデジタル放送受信装置をデジタル放送波の受信に適用した例について説明する前に、図16を参照して本実施形態における基本的概念について述べる。図16に、チューナ2の制御電圧対振幅減衰度特性を示す。同図において、横軸はチューナ2の制御電圧を示し、縦軸は当該制御電圧におけるチューナ2の振幅減衰度を示す。実線LVAは制御電圧対振幅減衰度特性を示す。同図に示すように、所定の制御電圧(本例においては、約2.4V近傍)を境として、制御電圧対振幅減衰度特性が大きく変動する。
【0159】
このように、制御電圧対振幅減衰度特性LVAが大きく変わる境界となる制御電圧を減衰特性臨界電圧Vthと呼び二点鎖線Lで表す。つまり、制御電圧対振幅減衰度特性線LVAの傾きが減衰特性臨界電圧Vthの近傍で大きく異なる。視認性のために、減衰特性臨界電圧Vthより高い制御電圧における制御電圧対振幅減衰度特性線LVAの傾きを一点鎖線LSで近似し、減衰特性臨界電圧Vthより低い制御電圧における制御電圧対振幅減衰度特性線LVAの傾きを一点鎖線LLで近似して示している。
【0160】
このように、減衰特性臨界電圧Vthを境に、制御電圧対振幅減衰度特性線LVAの傾きが大きく異なる。そのため、上述の第2の実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPbにおいて、第1のレベル検出器LD1bで検出された第1のレベル信号SL1bが減衰特性臨界電圧Vth未満の場合と減衰特性臨界電圧Vth以上の場合とでは、チューナ2と第1の自動利得制御器AGC1bとの間のループ利得が異なる。
【0161】
デジタル放送波Srfの信号がある周波数で周波数変動している場合、チューナ2と第1の自動利得制御器AGC1bの間のループ利得を大きくすると、第1のレベル検出器LD1bで検出された値(第1のレベル信号SL1b)が減衰特性臨界電圧Vth未満では180Hzまでの周波数変動に追従できるが、第1のレベル検出器LD1bで検出された値(第1のレベル信号SL1b)が減衰特性臨界電圧Vth以上では150Hzまでしか追従できない場合が実験で確認されている。
【0162】
この観点から、デジタル放送波Srfのレベルが変化しても、300Hzまでの周波数変動に追従できるデジタル放送受信装置にするために、チューナ2と第1の自動利得制御器AGC1cの間のループ利得をある程度一定にできるように第1の定数G1bの値を切り換えることが望ましい。そのために、デジタル放送波Srfのレベルが減衰特性臨界電圧Vthより小さい場合に適した小定数G1と、デジタル放送波Srfのレベルが減衰特性臨界電圧Vthより大きい場合に適した大定数G2とを設けておく。
【0163】
そして、デジタル放送波Srfのレベルに応じてこれら2種類の定数G1およびG2のいずれかを選択して第1の定数G1bとして用いることによって、第1の自動利得制御器AGC1bとチューナ2との間のループ利得を切り換える。このようにして、周波数変動しているデジタル放送波RFを受信する場合、チューナ2に入力されるデジタル放送波Srfのレベルに依存せず、常に高性能なデジタル受信装置を提案するものである。
【0164】
図13を参照して、本実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPcはにいて説明する。デジタル放送受信装置RPcは、第1の自動利得制御器AGC1bが第1の自動利得制御器AGC1cに置き換えられている点を除いて、図7に示したデジタル放送受信装置RPbと同様に構成されている。第1の自動利得制御器AGC1cは、第2の実施形態にかかる第1の自動利得制御器AGC1bにおいて、第1の自動利得制御信号発生器SG1bが第1の自動利得制御信号発生器SG1cに置き換えられると共に、当該第1の自動利得制御信号発生器SG1cと第1のレベル検出器LD1bとを接続するレベル判定器37cが追加されている。
【0165】
以降、特に必要のない限り、本実施形態に固有の特徴のみについて説明する。なお、なお、狭義に本実施形態に固有の構成要素、信号、およびパラメータは、その符号に接尾辞「c」を付して図面上で表現且つ識別されるが、広義において上述の第1および第2の実施形態と共通のものや共通の動作についての説明は省く。
【0166】
レベル判定器37cは、第1のレベル検出器LD1bから出力される第1のレベル信号SL1cに基づいて、0または1の二値を有する制御信号SGcを第1の自動利得制御信号発生器SG1cに出力する。
【0167】
図14を参照して、レベル判定器37cの動作について簡単に説明する。図14において、縦軸は第1のレベル検出器LD1bから出力される第1のレベル信号SL1cを示し、横軸は制御信号SGcおよび第1の定数G1cに対応する定数値を示す。つまり、レベル判定器37cは、第1のレベル信号SL1cのレベルを閾値Lthと比較して、閾値Lth以上の場合は制御信号SGcとして1の値を出力し、閾値Lth未満の場合には制御信号SGcとして0の値を出力する。
【0168】
制御信号SGcの値に対して、チューナ2と第1の自動利得制御器AGC1cの間のループ利得を決定する小定数G1と大定数G2が対応付けられている。本実施形態においては、制御信号SGcの値0に対しては小定数G1が対応付けられ、制御信号SGcの値1には大定数G2が対応付けられている。これについては、第1の自動利得制御信号発生器SG1cの構成と関連して以下に説明する。
【0169】
図15に第1の自動利得制御信号発生器SG1cの詳細な構成を示す。第1の自動利得制御信号発生器SG1cは、第1の定数付与器18b1が適応型定数切り換え器18c1に置き換えられている点を除いて、図9に示した第1の自動利得制御信号発生器SG1bと同様に構成されている。
【0170】
適応型定数切り換え器18c1は、小定数付与器18S、大定数付与器18L、および切り換えスイッチ39を含む。小定数付与器18Sおよび大定数付与器18Lは、それぞれ図14および図16を参照して説明した小定数G1および大定数G2を出力する。
【0171】
切り換えスイッチ39は、小定数付与器18Sの出力ポート、大定数付与器18Lの出力ポート、レベル判定器37cの出力ポート、および乗算器17の入力ポートに接続されている。そして、レベル判定器37cから入力される制御信号SGcに基づいて、切り換えスイッチ39は小定数付与器18Sおよび大定数付与器18Lのいずれか一方の出力ポートを選択して、乗算器17の入力ポートに接続する。
【0172】
結果、小定数付与器18Sから小定数G1が、或いは大定数付与器18Lから大定数G2が第1の定数G1cとして乗算器17に入力される。結果、第2の実施形態にかかるOFDMデジタル放送受信装置RPbの第1の自動利得制御信号発生器SG1bにおける第1の定数G1bの代わりに、第1のレベル信号SL1cのレベルに応じて二種類の値のいずれかを有する第1の定数G1cを出力することによって、チューナ2と第1の自動利得制御器AGC1cの間のループ利得を第1のレベル信号SL1cのレベルに応じて適応的に調整する。
【0173】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態にかかるデジタル放送受信装置をデジタル放送波の受信に適用した例について説明する前に、図16および図20を参照して本実施形態における基本的概念について述べる。図20は、図16に示した制御電圧対振幅減衰度特性において、二点鎖線Lで表される減衰特性臨界電圧Vthが、二点鎖線L1で表される第1の減衰特性臨界電圧Vth1および二点鎖線L2で表される第2の減衰特性臨界電圧Vth2(Vth1<Vth2)に置き換えられたものである。
【0174】
上述の第3の実施形態にかかるデジタル受信装置RPcにおいては、図16に示す制御電圧対振幅減衰度特性において、第1のレベル信号SL1cの値を一つの減衰特性臨界電圧Vthとの大小関係に基づいて、第1の定数G1cの値を小定数G1と大定数G2のいずれかに切り換えている。しかしながら、デジタル放送波Srfは常に多少は周波数変動しているために、第1のレベル信号SL1cのレベルも常に変動している。
【0175】
よって、場合によっては、第1のレベル信号SL1cのレベルが減衰特性臨界電圧Vthを中心として、またはその近傍で変動している場合に、その変動にあわせて、頻繁に小定数G1と大定数G2が切り換えられてしまう。なお、上述の如く小定数G1と大定数G2はその値が大きく異なるために、第1のレベル信号SL1cのわずかな変動に対しても、第1の定数G1cの値が頻繁に大きく変動する、いわゆるジッタが生じる。この場合、第1の自動利得制御器AGC1cの利得調整動作も不安定になり、ひいては復調されたデジタル信号SDMDcの品質も劣化する。
【0176】
この観点から、第1のレベル信号SL1cのレベル変動を一つの減衰特性臨界電圧Vthで検出するのではなく、図20に示した第1の減衰特性臨界電圧Vth1および第2の減衰特性臨界電圧Vth2との関係において検出することによって、第1のレベル信号SL1cのわずかな変動による、第1の定数G1cのジッタを防止するものである。言い換えれば、第1の減衰特性臨界電圧Vth1と第2の減衰特性臨界電圧Vth2の間の領域は、第1のレベル信号SL1cの変動に一義的に対応するのではなく、第1のレベル信号SL1cの変動パターンに応じて対応方法が変わる緩衝帯として機能させるものである。
【0177】
図17に示すように、本実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPdは、レベル判定器37cがレベル判定器37dに置き換えられている点を除いて、図13に示した第3の実施形態にかかるデジタル放送受信装置RPcと同様に構成されている。
【0178】
以降、特に必要のない限り、本実施形態に固有の特徴のみについて説明する。なお、なお、狭義に本実施形態に固有の構成要素、信号、およびパラメータは、その符号に接尾辞「d」を付して図面上で表現且つ識別されるが、広義において上述の第1、第2、および第3の実施形態と共通のものや共通の動作についての説明は省く。
【0179】
図18および図19を参照して、レベル判定器37dについて説明する。レベル判定器37dは、図14を参照して説明したレベル判定器37cと類似に構成されている。しかしながら、レベル判定器37dにおいては、閾値Lthの代わりに第1の閾値Lth1と第2の閾値Lth2(Lth1<Lth2)が設けられている。そして、これら第1の閾値Lth1と第2の閾値Lth2の間には、第1のレベル信号SL1dの変動状況に応じて0および1のいずれかの値が制御信号SGdとして割り当てる緩衝帯BAが構成されている。
【0180】
以下に第1のレベル信号SL1dの変化に対する制御信号SGdと第1の定数G1dの変化について図18、図19を用いて説明する。
まず最初の例について説明する。初めに第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より小さなレベルにある場合には、図18に示すように、制御信号SGdの値は1にセットされ、小定数G1が第1の定数G1dとして出力される。
【0181】
その後、第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より大きなレベルになった場合には、図18に示すように、制御信号SGdの値は0に切り換わり、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。その後、第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より小さく且つ第1の閾値Lth1より大きいレベルになった場合には、図19に示すように制御信号SGdの値は0のままで、大定数G2が第1の定数G1dとして出力され、第1のレベル信号SL1dが第1の閾値Lth1より小さくなった場合には、図19に示すように制御信号SGdの値は1に切り換わり、小定数G1が第1の定数G1dとして出力される。
【0182】
その後、第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より小さく且つ第1の閾値Lth1より大きいレベルになった場合には、図18に示すように、制御信号SGdの値は1のままで、小定数G1が第1の定数G1dとして出力され、第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より大きいレベルなった場合には、図18に示すように制御信号SGdの値は0に切り換わり、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。
【0183】
次に2番目の例について説明する。初めに第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より大きなレベルにある場合には、図19に示すように、制御信号SGdの値は0にセットされ、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。その後、第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より小さく且つ第1の閾値Lth1より大きいレベルになった場合には、図19に示すように、制御信号SGdの値は0のままで、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。
【0184】
その後、第1のレベル信号SL1dが第1の閾値Lth1より小さいレベルになった場合には、図19に示すように制御信号SGdの値は1に切り換わり、小定数G1が第1の定数G1dとして出力される。その後、第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より小さく且つL第1の閾値th1より大きいレベルになった場合には、図18に示すように、制御信号SGdの値は1のままで、小定数G1が第1の定数G1dとして出力され、第1のレベル信号SL1dが第2の閾値Lth2より大きいレベルなった場合には、図18に示すように制御信号SGdの値は0に切り換わり、大定数Gが第1の定数G1dとして出力される。
【0185】
上記の最初の例を図20に示す制御電圧の変化に置き換えて説明すると、初めに制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より小さい場合には、制御信号SGdの値は1にセットされ、小定数G1が第1の定数G1dとして出力される。その後、制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は0に切り換わり、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。
【0186】
その後、制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より小さく且つ第1の減衰特性臨界電圧Vth1より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は0のままで、大定数G2が第1の定数G1dとして出力され、制御電圧SAG1dが第1の減衰特性臨界電圧Vth1より小さくなった場合には、制御信号SGdの値は1に切り換わり、小定数G1が第1の定数G1dとして出力される。
【0187】
その後、制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より小さく且つ第1の減衰特性臨界電圧Vth1より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は1のままで、小定数G1が第1の定数G1dとして出力され、制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は0に切り換わり、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。
【0188】
次に上記2番目の例を図20に示す制御電圧の変化に置き換えて説明すると、初めに制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は0にセットされ、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。その後、制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より小さく且つ第1の減衰特性臨界電圧Vth1より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は0のままで、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。
【0189】
その後、制御電圧SAG1dが第1の減衰特性臨界電圧Vth1より小さくなった場合には、制御信号SGdの値は1に切り換わり、小定数G1が第1の定数G1dとして出力される。その後、制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より小さく且つ第1の減衰特性臨界電圧Vth1より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は1のままで、小定数G1が第1の定数G1dとして出力され、制御電圧SAG1dが第2の減衰特性臨界電圧Vth2より大きくなった場合には、制御信号SGdの値は0に切り換わり、大定数G2が第1の定数G1dとして出力される。
【0190】
このようにして、第1の減衰特性臨界電圧Vth1と第2の減衰特性臨界電圧Vth2の間に緩衝帯を設けることによって、チューナ2と第1の自動利得制御器AGC1dの間のループ利得を決定する第1の定数G1dの値が小定数G1と大定数G2第2の定数G2の間で頻繁に切り換わらないようにヒステリシスを持たせている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した第1のレベル検出器の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した第1の自動利得制御信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示した第2のレベル検出器の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した第2の自動利得制御信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示したOFDM受信装置において観察されるデジタル放送波およびアナログ変調信号の波形を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態にかかるOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示した第1のレベル検出器の構成を示すブロック図である。
【図9】図7に示した第1の自動利得制御信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図10】図7に示した第2のレベル検出器の構成を示すブロック図である。
【図11】図7に示した第2の自動利得制御信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図12】図7に示したOFDM受信装置において観察されるデジタル放送波およびアナログ変調信号の波形を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態にかかるOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示したレベル判定器による、第1のレベル信号に基づく第1の定数値の切り換え動作の説明図である。
【図15】図13に示した第1の自動利得制御信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図16】図13に示したOFDM受信装置おいて、チューナの制御電圧対振幅減衰度特性および減衰特性臨界電圧を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態にかかるOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示したレベル判定器による、第1のレベル信号の増大時の第1の定数値の切り換え動作の説明図である。
【図19】図17に示したレベル判定器による、第1のレベル信号の減少時の第1の定数値の切り換え動作の説明図である。
【図20】図17に示したOFDM受信装置おいて、チューナの制御電圧対振幅減衰度特性と第1および第2の減衰特性臨界電圧減衰特性臨界電圧を示す図である。
【図21】従来の従来のデジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示したレベル検出器の構成を示すブロック図である。
【図23】図21に示した自動利得制御信号発生器の構成を示すブロック図である。
【図24】図21に示したOFDM受信装置において、デジタル放送波の値が最大且つレベル信号の値も最大になる場合の矩形波信号を示す模式図である。
【図25】図21に示したOFDM受信装置において、デジタル放送波およびレベル信号の値が共に中間値である場合の矩形波信号を示す模式図である。
【図26】図21に示したOFDM受信装置において、デジタル放送波およびレベル信号が共に最小値である場合の矩形波信号を示す模式図である。
【図27】図21に示したOFDM受信装置における、デジタル放送波とアナログ変調信号関係を示す模式図である。
【符号の説明】
Rc、RPa、RPb、RPc、RPd OFDM受信装置
1 アンテナ
2 チューナ
3 AD変換器
7 復調器
AGC 自動利得制御器
AGC1a、AGC1b、AGC1c、AGC1d 第1の自動利得制御器
AGC2a、AGC2b、AGC2c、AGC2d 第2の自動利得制御器
LD レベル検出器
LD1a、LD1b 第1のレベル検出器
LD2a、LD2b 第2のレベル検出器
SG 自動利得制御信号発生器
SG1a、SG1b、SG1c、SG1d 第1の自動利得制御信号発生器
SG2a、SG2b、SG2c、SG2d 第1の自動利得制御信号発生器
LC レベル変換器
LC1 第1のレベル変換器
LC2 第2のレベル変換器
8 乗算器
12 減算器
13 加算器
14 遅延器
15 ビットシフタ
150a1、150b1、150c1 第1の平均係数付与器
150a2、150b2、150b2 第2の平均係数付与器
16 リファレンス値付与器
16a 第1のリファレンス値付与器
17 乗算器
18a1、18b1、18c1、18d1 第1の定数付与器
19 加算器
20 遅延器
21 積分器
22 PWM
23 ローパスフィルタ
33 乗算器
34 反転係数付与器
37c、37d レベル判定器
46 補償係数付与器
47 加算器
48 利得設定範囲係数付与器
50 誤差設定器
51 レベル判定器
52 切り換えスイッチ
53 除算器
RF、Srf デジタル放送波
SGc制御信号
SMA、SMAa、SMAb、SMAc、SMAd アナログ変調信号
SMD、SMDa、SMDb、SMDc、SMDd デジタル変調信号
SDD、SDDa、SDDb、SDDc、SDDd 復調デジタル信号
SDMD、SDMDa、SDMDb、SDMDc、SDMDd デジタル復調調信号
SL レベル信号
SL1a、SL1b、SL1c、SL1d 第1のレベル信号
SL2a、SL2b、SL2c、SL2d 第2のレベル信号
SAG 制御信号
SAG1a、SAG1b、SAG1c、SAG1d 第1の利得制御信号
SAG2a、SAG2b、SAG2c、SAG2d 第2の利得制御信号
R リファレンス値
R1 第1のリファレンス値
R2 第2のリファレンス値
G1a、G1b、G1c、G1d 第1の定数
G2a、G2b、G2c、G2d 第2の定数
G1 小定数
G2 大定数
OB 補償係数
GRS 利得設定範囲係数

Claims (4)

  1. 受信された空中を伝播するデジタル変調信号波を所定の振幅を有するように自動調整される利得で増幅してデジタル信号に復調するデジタル放送受信装置であって、
    前記受信されたデジタル変調信号波を周波数変換して第1の変調信号を生成するチューナ手段と、
    前記第1の変調信号のレベルが第1の所定レベルになるように前記チューナ手段の利得を制御する第1の自動利得制御増幅手段と、
    前記第1の変調信号をアナログデジタル変換して、第2の変調信号を生成するAD変換手段と、
    前記第2の変調信号を復調して第1の復調デジタル信号を生成する復調手段と、
    前記第1の復調デジタル信号のレベルが第2の所定レベルになるように増幅して第2の復調デジタル信号を生成する第2の自動利得制御増幅手段とを備え
    前記第1の自動利得制御増幅手段は、前記デジタル変調波の第1の所定周波数より小さい周波数変動に追従すると共に増幅して前記第1の変調信号を生成し、前記第2の自動利得制御増幅手段は、前記第1の所定周波数より大きな第2の所定周波数の周波数変動に追従すると共に増幅して前記第2の復調デジタル信号を生成することを特徴とするデジタル放送受信装置。
  2. 前記第1の変調信号のレベルを検出するレベル検出手段と、
    前記検出されたレベルに基づいて、前記チューナ手段の利得を変更する利得変更手段を備える、請求項に記載のデジタル放送受信装置。
  3. 前記チューナ手段の制御電圧対振幅減衰度特性が急激に変化する減衰特性臨界電圧を閾値とする閾値手段を備え、
    前記利得変更手段は、検出されたレベルが前記閾値より大きければ第1の所定値を前記利得とし、検出されたレベルが前記閾値より小さければ第1の所定値より小さな第2の所定値を前記利得とすることを特徴とする、請求項に記載のデジタル放送受信装置。
  4. 前記チューナ手段の制御電圧対振幅減衰度特性が急激に変化する減衰特性臨界電圧より第1の所定量だけ小さい電圧値を第1の閾値とする第1の閾値手段と、
    前記減衰特性臨界電圧より第2の所定量だけ大きい電圧値を第2の閾値とする第の閾値手段とを備え、
    前記利得変更手段は、前記検出されたレベルが前記第1の閾値より小さい場合は、第1の所定値を前記利得とし、前記検出されたレベルが前記第2の閾値より大きい場合は、前記第1の所定値より大きな第2の所定値を前記利得とし、前記検出されたレベルが前記第1の閾値より大きく前記第2の閾値より小さい場合には、前記検出されたレベルの直前の値に基づいて当該第1および第2の所定値の一方を当該利得することを特徴とする、請求項に記載のデジタル放送受信装置。
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