JP3750262B2 - 受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数成分が互いに直交関係にある複数のキャリアを用いて信号を変調した直交周波数分割多重被変調信号の受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
それぞれ周波数が異なる複数のキャリアを用いてデータを変調した被変調信号を復調する復調装置として、ヨーロッパで行われているDAB(Digital Audio Broadcasting: デジタル音声放送)等で採用されているOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重) 被変調信号(以下単に、OFDM被変調信号と言う)の復調装置が提案されている。
【0003】
このOFDM変調は、周波数成分が互いに直交関係にある多数のキャリアを用いる被変調信号で、音声データ等のデータを符号化し、その符号化されたデータを各キャリアに割り当てることによって、各キャリアを変調し、各被変調キャリアからなる周波数領域のデジタル信号を、逆高速フーリエ変換することによって、時間領域のデジタル信号に変換し、その時間領域のデジタル信号をD/A変換するようにしている。復調側では、かかるOFDM被変調信号をA/D変換し、そのA/D変換された信号を高速フーリエ変換すれば、各キャリアに割り当てられた符号化されたデータが得られる。
【0004】
DABにおけるOFDM変調では、2ビットデータに1つのキャリアを割り当てることによって、各キャリアはQPSK(Qaudrature Phase Sift Keying: 直角位相偏移変調)変調されるので、この変調をOFDM−QPSKと呼んでいる。
【0005】
OFDM変調では、高速フーリエ変換のポイント数はキャリアの数に対応し、DAB規格ではモードによって数が異なり、モード1では1536、モード2では384、モード3では192、モード4では768である。従って、例えば、モード1の場合、OFDM変調によって、2(ビット)×1536=3072(ビット)のデータの伝送が可能となる。この伝送単位をシンボルと呼んでいる。又、モード1、2、4の場合は、このシンボルが76個集まったものがフレームと呼ばれ、モード3の場合は、このシンボルが153個集まったものがフレームと呼ばれる。尚、1フレーム内のシンボルの個数には、ヌルシンボルは入っていない。
【0006】
DAB信号は、現在のところ、モード1、2、3、4の信号が知られている。DAB信号では、基本周期として、T(=1/2048MHz=0.48828μsec )が定められている。ここでは、モード1のDAB信号を代表して図5に示す。図5では、この基本周期Tと、時間とが併記されている。モード1のDAB信号の1フレームは、196608T(=96msec )で、継続時間が2656T(=1.297msec )の1個のヌルシンボル(シンボル番号I=0)と、それに続く継続時間が共に2552T(=1.246msec )の76個のシンボル(シンボル番号I=1〜76)から構成されている。
【0007】
シンボル番号I=1〜76のシンボルは、それぞれその始めの部分の継続時間が504T(=246μsec )のガードインターバルと、それに続く継続時間が2048T(=1msec )の有効シンボルから構成されている。シンボル番号I=1〜76の各シンボルの有効シンボルには、k=1536個の互いに周波数を異にするマルチキャリアが含まれている。0で示されるキャリアが中心周波数のキャリア(そのキャリアの周期がTである)、1536/2(=766)で示されるキャリアが最高周波数のキャリア、−1536/2(=−766)で示されるキャリアが最低周波数のキャリアである。1シンボルのデータ量は、1536波あり、そのデータ量は1536×2bits、48CU(キャパシティユニット)×64bitsある。
【0008】
シンボル番号I=1〜76のシンボルの全体がOFDM(オーソゴナルフリケンシディビジョンマルチプレクス:直交周波数分割多重)シンボルと称されている。
【0009】
例えば、モード1の場合を例にとれば、シンボル番号I=0のヌルシンボル、I=1のシンボルはTFPRシンボル(時間周波数位相基準シンボル)とそれぞれ呼ばれ、これら2つのシンボルは、シンクロナイゼイションチャンネル(同期チャンネル)と呼ばれている。シンボル番号I=2〜4はFIC{ファスト(高速)インフォメーションチャンネル}と呼ばれ、FIC全体は12個のFIB(ファストインフォメーションブロック)に分割される。残りのシンボル番号I=5〜76は4つのCIF(コモンインターリーブドフレーム)と呼ばれるものに分割される。
【0010】
ところで、DAB信号の各シンボルの継続時間はモードによって異なり、モード2の各シンボルの継続時間はモード1の各シンボルの継続時間の1/4、モード3の各シンボルの継続時間はモード1の各シンボルの継続時間の1/8、モード4の各シンボルの継続時間はモード1の各シンボルの継続時間の1/2である。
【0011】
即ち、ヌルシンボルを除くシンボルの継続時間は、モード1では上述したように、2552T(=1.246msec )であるが、モード2では638T(=2552T/4){=312μsec (=1.246msec /4)}、モード3では319T(=2552T/8){=156μsec (=1.246msec /8)}、モード4では1276T(=2552T/2){=623μsec (=1.246msec /2)}である。
【0012】
又、ヌルシンボルを除くシンボル内の有効シンボルの継続時間τ/nは、モード1では上述したように2048T(=1msec )、モード2では512T(=2048T/4){=25Oμsec (=1msec /4)}、モード3では256T(=2048T/8){=125μsec (=1msec /8)}、モード4では1024T(=2048/2){=500μsec (1msec /2)}である。
【0013】
更に、ヌルシンボルを除くシンボル内のガードインターバルの時間は、モード1では504T(=246μsec )、モード2では126T(=504T/4){=61.5μsec (=246μsec /4)}、モード3では63T(=504T/8){=30.75μsec (=246μsec /8)}、モード4では252T(=504T/2){=123μsec (=246μsec /2)}である。
【0014】
以下に、図3及び図4を参照して、従来のデジタル音声放送(DAB)受信機について説明する。図3はDAB受信機の大まかな回路構成を示し、図4はそのDAB受信機の詳細な回路構成を示す。図3を参照するに、受信アンテナ1によって受信された1.4GHz帯の高周波受信信号が、Lバンドコンバータ2に供給されて、200MHz帯の高周波受信信号に周波数変換された後、フロントエンド11に供給される。Lバンドコンバータ2からの200MHz帯の高周波信号又は受信アンテナ10からの79〜200MHz帯の高周波受信信号が、フロントエンド11に供給されて、中間周波信号に周波数変換される。この中間周波信号は、チャンネルデコーダ29に供給されてデコードされる。
【0015】
チャンネルデコーダ29からのデコード出力は、ソースデコーダ38に供給されてデコードされ、これよりデジタル音声信号が得られる。又、チャンネルデコーダ29からのデコード出力は、データデコーダ39に供給されてデコードされ、これよりデジタル音声信号以外のデータが得られる。ソースデコーダ38からのデジタル音声信号は、D/A変換器40に供給されてアナログ音声信号に変換され、そのアナログ音声信号が低周波増幅器41を通じてスピーカ42に供給される。
【0016】
システム制御装置43はフロントエンド11、チャンネルデコーダ29、ソースデコーダ38及びデータデコーダ39を制御する。
【0017】
図4を参照するに、Lバンドコンバータ2では、受信アンテナ1よりの1.4GHz帯の高周波受信信号が、高周波増幅器3に供給されて増幅され、その増幅出力が可変利得増幅器4に供給されて増幅される。この可変利得増幅器4の利得は、AGC(自動利得制御器)6よりの制御信号によって制御される。可変利得増幅器4よりの高周波信号が周波数変換器5に供給される。基準発振器9よりの17.92MHzの基準発振信号がPLL(フェーズロックドループ)回路7に供給され、PLL回路7よりの周波数制御信号がVCO(電圧制御発振器)8に供給され、VCO8よりの1.2GHzの局部発振信号が周波数変換器5に供給されて、可変利得増幅器4から周波数変換器5に供給される1.4GHz帯の高周波信号が、200MHz帯の高周波信号に周波数変換される。この200MHz帯の高周波受信信号がAGC6に供給されて、可変利得増幅器4に供給される利得制御信号が生成される。
【0018】
フロントエンド11では、Lバンドコンバータ2からの200MHz帯の高周波信号又は受信アンテナ10からの79〜200MHz帯の高周波受信信号が、バンドパスフィルタ13に供給されて、200MHz帯の高周波信号又は79〜200MHz帯の高周波受信信号のうちの希望波受信信号が濾波され、その出力信号が、可変利得増幅器14に供給されて増幅される。この可変利得増幅器14はAGC16よりの利得制御信号によって利得が制御される。この可変利得増幅器14の増幅出力は、ヌル検出器17及び周波数変換器19に供給される。ヌル検出器17では、フレームからヌルシンボルが検出され、そのヌルシンボルに基づいて、出力端子T2に時間同期信号が出力され、この時間同期信号はフレーム同期発生器33に供給されて同期が掛けられる。又、可変利得増幅器14よりの高周波信号がAGC16に供給されて、利得制御信号が生成される。
【0019】
基準発振器9よりの17.92MHzの基準発振信号がPLL回路20に供給される。PLL回路20よりの周波数制御信号はVCO(電圧制御発振器)22に供給される。このPLL回路20は、システム制御装置43から入力端子T1に供給される選局制御信号によって、その周波数制御信号が制御され、即ち、VCOの22の発振周波数が選局周波数に応じて制御される。VCO22よりの局部発振信号が周波数変換器19に供給されて、バンドパスフィルタ15から周波数変換器19に供給される200MHz帯の高周波信号又は79〜200MHz帯の高周波受信信号が、38.912MHz帯の第1中間周波信号に周波数変換される。
【0020】
周波数変換器19よりの第1中間周波数信号は、帯域通過中心周波数が38.912MHzの表面弾性波バンドパスフィルタ23を通じて、可変利得増幅器24に供給されて増幅される。この可変利得増幅器24はAGC28からの利得制御信号によって利得が制御される。尚、このAGC28では、1フレーム中のM個のキャリアのうち、所定基準レベル以上のものが所定個数m以上あるととき、可変利得増幅器24の利得を下げ、所定個数m未満のときは、可変利得増幅器24の利得を上げるように、可変利得増幅器24の利得を制御する。可変利得増幅器24よりの38.912MHz帯の第1中間周波信号が周波数変換器25に供給される。基準発振器9よりの17.92MHzの基準発振信号が、2逓倍回路26に供給されて2逓倍され、これより得られた35.84MHzの局部発振信号が、周波数変換器25に供給されて、可変利得増幅器24から周波数変換器25に供給される38.912MHzの第1の中間周波信号が、周波数が3.072MHzの第2の中間周波信号に周波数変換される。この第2の中間周波数信号が、帯域通過中心周波数が3.072MHzのバンドパスフィルタ27を通じて、AGC28に供給されて、可変利得増幅器24の利得を制御する利得制御信号が生成される。
【0021】
チャンネルデコーダ29では、フロントエンド11のバンドパスフィルタ27よりの第2中間周波信号(ベースバンドのOFDM被変調信号)が、A/D変換器30に供給されてデジタルデータ、即ち、デジタルOFDM被変調信号に変換される。このデジタルデータがバンドパスフィルタ(隣接チャンネルのデジタルデータを除去するためのフィルタ)31を通じて、デジタルI/Q復調器32及びフレーム同期発生器33に供給される。I/Q復調器32からは実数部データ及び虚数部データが得られ、これらデータがAFC(自動周波数制御回路)34に供給される。
【0022】
AFC34によって周波数制御された時系列の実数部データ及び虚数部データは、フレーム同期発生器33よりのフレーム同期信号と共に、FFT(高速フーリエ変換)回路35に供給される。FFT回路35は、FFT(高速フーリエ変換器)35a及びその次段の差動復号器35bから構成される。FFT35aからデジタルレベル信号r及びデジタル位相信号θが得られ、これらデジタルレベル信号r及びデジタル位相信号θが差動復号器35bに供給されて差動復号されて、デジタル差動レベル信号Δr及びデジタル差動位相信号Δθが得られ、そのうちデジタル差動位相信号Δθのみが、ビタビ復調器37に供給されてビタビ復調される。
【0023】
ビタビ復調器37の出力は、ソースデコーダ38及びデータデコーダ39に供給される。DSP(デジタルシグナルプロセッサ)36は、FFT回路35及びビタビ復調器37における必要な演算を行っている。FFT35aでは、各キャリアの位相及び振幅の演算を、DSP36の助けを借りて行っている。DSP36及びビタビ復調器37には、システム制御装置43から入力端子T3を通じて供給される、モードに応じたフレームの長さ及びキャリアの数を示す指示信号が供給される。
【0024】
ソースデコーダ38は、順次縦続接続された周波数デインターリーブ回路、時間デインターリーブ回路、エラー訂正回路から構成される。ソースデコーダ38からはデジタル音声信号が出力され、そのデジタル音声信号はD/A変換器40に供給されてアナログ音声信号に変換され、その音声信号が低周波増幅器41を通じてスピーカ42に供給される。
【0025】
データデコーダ39からは、例えば、音楽のタイトル、アーティスト名、歌詞等の音楽に関するデータ、ニュース、交通情報、静止画等のデータが出力される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
図4について説明した従来のDAB受信機には、次のような欠点があった。図4のDAB受信機のフロントエンド11には、高周波受信信号の供給される可変利得増幅器14及びその利得を制御する自動利得制御器(AGC)16からなる高周波受信信号に対する第1の自動利得制御手段と、中間周波信号(第1の中間周波信号)の供給される可変利得増幅器24及びその利得を制御する自動利得制御器(AGC)28からなる中間周波信号(第1の中間周波信号)に対する第2の自動利得制御手段が設けられている。
【0027】
かかる第1及び第2の自動利得制御手段の応答速度を高速にすると、周波数成分が互いに直交関係にある複数のキャリアを用いて情報信号が変調されてなる直交周波数分割多重被変調信号のフレームのヌルシンボル期間や、フェージングやマルチパスによるヌルシンボル期間以外のシンボル期間のキャリアのレベル低下部分で、第1及び第2の自動利得制御手段の各可変利得増幅器の利得が急激に高くなり、直交周波数分割多重被変調信号のS/Nが極端に低下したり、ノイズが不必要に増幅されたりする。
【0028】
又、図4のチャンネルデコーダ29において、FFT回路35の差動復号器35bよりのデジタル差動位相信号Δθが、チャンネルデコーダ(復調装置)29の復調出力となるが、直交周波数分割多重被変調信号のフレームのヌルシンボル期間以外のシンボル期間のキャリアのレベルが、第1及び第2の自動利得制御手段の各可変利得増幅器によって、大幅に増幅されると、チャンネルデコーダ(復調装置)29の復調出力であるデジタル差動位相信号が大きく歪んでしまう。
【0029】
かかる点に鑑み、本発明は、周波数成分が互いに直交関係にある複数のキャリアを用いて情報信号が変調されてなる直交周波数分割多重被変調信号の受信信号が供給される第1の自動利得制御手段と、その第1の自動利得制御手段よりの直交周波数分割多重被変調信号の受信信号が供給される周波数変換手段と、その周波数変換手段よりの直交周波数分割多重被変調信号の中間周波信号が供給される第2の自動利得制御手段と、直交周波数分割多重被変調信号のヌルシンボル期間を検出するヌル検出手段とを備えるフロントエンド並びに、そのフロントエンドの第2の自動利得制御手段よりの直交周波数分割多重被変調信号の中間周波信号がA/D変換されるA/D変換手段と、そのA/D変換手段よりのデジタル直交周波数分割多重被変調信号が供給される時間同期信号発生手段と、デジタル直交周波数分割多重被変調信号が供給される自動周波数制御手段と、その自動周波数制御手段よりの自動周波数制御された直交周波数分割多重被変調信号及び時間同期信号発生手段よりの時間同期信号が供給される高速フーリエ変換手段とを備え、その高速フーリエ変換手段よりデジタル情報信号が得られるようにした復調装置を有する受信装置において、第1及び第2の自動利得制御手段それぞれの可変利得増幅器の利得の急激な上昇による、直交周波数分割多重被変調信号のフレームのヌルシンボルの期間における高速フーリエ変換手段よりのノイズの発生を軽減することのできるものを提案しようとするものである。
【0030】
又、本発明は、かかる前提となる受信装置において、直交周波数分割多重被変調信号のS/Nの低下による、高速フーリエ変換手段よりの復調出力であるデジタル情報信号の歪みの発生を軽減することのできるものを提案しようとするものであ。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明は、周波数成分が互いに直交関係にある複数のキャリアを用いて情報信号が変調されてなる直交周波数分割多重被変調信号の受信信号が供給される自動利得制御手段と、その自動利得制御手段よりの直交周波数分割多重被変調信号がA/D変換されるA/D変換手段と、そのA/D変換手段よりのデジタル直交周波数分割多重被変調信号が供給される時間同期信号発生手段と、デジタル直交周波数分割多重被変調信号が供給される自動周波数制御手段と、その自動周波数制御手段よりの自動周波数制御された直交周波数分割多重被変調信号及び時間同期信号発生手段よりの時間同期信号が供給される高速フーリエ変換手段とを備え、その高速フーリエ変換手段よりデジタル情報信号が得られるようにした受信装置において、ヌル検出器によってヌルシンボル期間が検出されたときは、そのヌル検出器よりの検出出力によって、第1及び第2の自動利得制御手段の応答速度を低速に制御するようにしたものである。
【0032】
かかる本発明によれば、自動利得制御手段の可変利得増幅器の利得の急激な上昇による、直交周波数分割多重被変調信号のフレームのヌルシンボルの期間における高速フーリエ変換手段よりのノイズの発生を軽減することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、図1を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。図1のDAB受信機(受信装置)の大部分の構成は、図4と同様なので、図1において、図4と対応する部分には同一符号を付して、重複説明を省略し、図4と異なる部分を説明する。
【0034】
図1のDAB受信機のフロントエンド11には、図4のDAB受信機のフロントエンド11と同様に、高周波受信信号の供給される可変利得増幅器14及びその利得を制御する自動利得制御器(AGC)16からなる高周波受信信号に対する第1の自動利得制御手段と、中間周波信号(第1の中間周波信号)の供給される可変利得増幅器24及びその利得を制御する自動利得制御器(AGC)28からなる中間周波信号(第1の中間周波信号)に対する第2の自動利得制御手段が設けられている。
【0035】
これらAGC16、28はそれぞれ可変インピーダンス手段を備え、それぞれ可変利得増幅器14、24の帰還回路を構成する。これらAGC16、28は、それぞれ可変時定数回路を備え、その可変時定数回路の時定数を小さくすると、応答速度が高速となり、大きくすると、応答速度が低速になるように構成されている。
【0036】
先ず、これらAGC16、28の可変時定数回路は、ヌル検出器17の検出出力によって、その時定数が制御され、周波数成分が互いに直交関係にある複数のキャリアを用いて情報信号が変調されてなる直交周波数分割多重被変調信号の各フレームのヌルシンボル期間では、時定数が大きくされて、応答速度が低速になされ、ヌルシンボル期間以外では、時定数が小さくされて、応答速度が高速になされる。この場合、あるフレームでヌルシンボルの期間が検出されても、AGC16、28の可変時定数回路の時定数が大きくされるのは、次のフレームのヌルシンボルの期間である。
【0037】
チャンネルデコーダ29のFFT(高速フーリエ変換)回路35は、デジタルレベル信号r及びデジタル位相信号θの得られるFFT(高速フーリエ変換器)35a及びそのFFT35aよりのデジタルレベル信号r及びデジタル位相信号θが供給されて、デジタル差動レベル信号Δr及びデジタル差動位相信号Δθが出力される差動復号器35bから構成されている。
【0038】
しかして、FFT35a及び差動復号器35b間に、FFT35aからのデジタルレベル信号を増幅するデジタル可変利得増幅器62を設ける。デジタル可変利得増幅器62から出力される増幅されたデジタルレベル信号が供給され、その増幅されたデジタルレベル信号のフレーム毎の平均レベルに応じて、その平均レベルが所定基準レベルより高いときは、利得を高くし、その平均レベルが所定基準レベル以下のときは、利得を低くする自動利得信号を、デジタル可変利得増幅器62に供給するデジタル自動利得制御器(AGC)61を設ける。このAGC61は、フロントエンド11のAGC16、28の応答速度をも制御する。
【0039】
可変利得増幅器62よりのデジタルレベル信号rのレベルが所定基準レベル以下のときは、AGC61よりの自動利得制御信号によって、AGC16、28の可変時定数回路の時定数を大きくして応答速度を低速にし、デジタルレベル信号のレベルが所定基準レベルを越えるときは、AGC61よりの自動利得制御信号によって、AGC16、28の可変時定数回路の時定数を小さくして応答速度を高速にする。
【0040】
図2Bに示すように、フェージングやマルチパスによって、複数のキャリアのレベルr1 、r2 、r3 、…………、r(M-1) 、rM 間に大きな差があるときは、AGC28によって、可変利得増幅器24の利得下げるようにする。即ち、このAGC28では、1フレーム中のM個のキャリアのうち、所定基準レベル以上のものが所定個数m以上あるととき、可変利得増幅器24の利得を下げ、所定個数m未満のときは、可変利得増幅器24の利得を上げるように、可変利得増幅器24の利得を制御する。又、1フレーム中のM個のキャリアのうち、所定基準レベル以上のものが所定個数m未満のときは、AGC61よりの自動利得制御信号によって、AGC16、28の可変時定数回路の時定数を大きくして、応答速度を低速にする。因み、図2Aは、複数のキャリアのレベルr1 、r2 、r3 、…………、r(M-1) 、rM が揃っている場合を示す。尚、Mは、モード1の直交周波数分割多重被変調信号の場合、1536である。
【0041】
差動復号器35b及びビタビ復号器37間に掛算器63設ける。そして、この掛算器63によって、差動復号器35bよりの複数のキャリアのうちの任意のキャリアのデジタル差動位相レベルΔθに対し、その任意のキャリアのデジタルレベルrが所定基準レベル以上のときは、その任意のキャリアの現在のデジタルレベルrt 、1シンボル周期T前のデジタルレベルrt-T 及び定数を掛け算してビタビ復調器37に供給し、その任意のキャリアのデジタルレベルrが所定基準レベル未満のときは、0レベルを掛け算して、ビタビ復調器37に供給する。
【0042】
これを図2Cを参照して、具体的に説明する。図2Cは、差動復号器35bより出力されるデジタル差動レベルΔr及びデジタル差動位相Δθを、直交I、Q座標上の原点Oから、第1、第2、第3及び第4象限の点P1、P2、P3、P4に向かうベクトルで表し、それぞれのベクトルの長さ及び角度をそれぞれΔr1〜Δr4及びΔθ1〜Δθ4で表したものである。これらの点P1〜P4が、半径が1の円周上にあり、即ち、Δr1〜Δr4が共に1となり、且つ、Δθ1、Δθ2、Δθ3及びΔθ4が、それぞれπ/4、3π/4、−3π/4、−π/4のときは、原点Oから点P1〜P4に向かうベクトルは基準値(0,0)、(0,1)、(1,1)、(1,0)を示すものとする。そして、基準値(0,0)、(0,1)、(1,1)、(1,0)におけるデジタル差動位相メトリックをそれぞれ7、0、−7、0とする。
【0043】
複数のキャリアのうちの任意のキャリアのデジタル差動位相レベルに対し、該任意のキャリアのデジタルレベルが所定基準レベル以上のときは、掛算器63でにおいて、原点Oから点P1〜P4に向かうベクトルのデジタル差動位相Δθ1、Δθ2、Δθ3、Δθ4がそれぞれπ/4、3π/4、−3π/4、−π/4の場合、Δθ1、Δθ2、Δθ3、Δθ4の差動位相メトリックは、基準の差動位相メトリック7、0、−7、0にそれぞれ現在のデジタルレベルrt 、1シンボル周期前のデジタルレベルr-T及びσ(定数)(ここでは、σ・rt ・r-T<1となる)を掛けて、例えば、3、0、−3、0にして、ビタビ復調器37に供給する。
【0044】
又、複数のキャリアのうちの任意のキャリアのデジタル差動位相レベルに対し、該任意のキャリアのデジタルレベルが所定基準レベル未満のときは、掛算器63において、原点Oから点P1〜P4に向かうベクトルのデジタル差動位相Δθ1、Δθ2、Δθ3、Δθ4がそれぞれπ/4、3π/4、−3π/4、−π/4の場合、Δθ1、Δθ2、Δθ3、Δθ4の差動位相メトリックは、基準の差動位相メトリック7、0、−7、0にそれぞれ0を掛けて、ビタビ復調器37に供給する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、ヌル検出器によってヌルシンボル期間が検出されたときは、そのヌル検出器よりの検出出力によって、自動利得制御手段の応答速度を低速に制御するようにしたので、自動利得制御手段の可変利得増幅器の利得の急激な上昇による、直交周波数分割多重被変調信号のフレームのヌルシンボルの期間における高速フーリエ変換手段よりのノイズの発生を軽減することのできる受信装置を得ることができる。
【0046】
また本発明によれば、高速フーリエ変換手段及び差動復号手段間に、デジタルレベル信号が供給されるデジタル自動利得制御手段を設け、そのデジタル自動利得制御手段よりの自動利得制御信号によって、自動利得制御手段の応答速度を制御するようにしたので、直交周波数分割多重被変調信号のS/Nの低下による、高速フーリエ変換手段よりの復調出力であるデジタル情報信号の歪みの発生を軽減することのできる受信装置を得ることができる。
【0047】
また本発明によれば、デジタルレベル信号のレベルが所定基準レベル以下のときは、デジタル自動利得制御手段よりの自動利得制御信号によって、自動利得制御手段の応答速度を低速に制御するようにしたので、直交周波数分割多重被変調信号のS/Nの低下による、高速フーリエ変換手段よりの復調出力であるデジタル情報信号の歪みの発生を軽減することのできる受信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のDABを示すブロックである。
【図2】信頼度の説明図である。
【図3】従来のDAB受信機の概略の回路構成を示すブロック線図である。
【図4】従来のDAB受信機の詳細な回路構成を示すブロック線図である。
【図5】モード1のフレームの構成を示す線図である。
【符号の説明】
35 高速フーリエ変換(FFT)回路、35a 高速フーリエ変換器(FFT)、35b 差動復号器、61 デジタルAGC、62 可変利得増幅器、63 掛算器。
Claims (3)
- 周波数成分が互いに直交関係にある複数のキャリアを用いて情報信号が変調されてなる直交周波数分割多重被変調信号の受信信号が供給される自動利得制御手段と、該自動利得制御手段よりの直交周波数分割多重被変調信号がA/D変換されるA/D変換手段と、該A/D変換手段よりのデジタル直交周波数分割多重被変調信号が供給される時間同期信号発生手段と、上記デジタル直交周波数分割多重被変調信号が供給される自動周波数制御手段と、該自動周波数制御手段よりの自動周波数制御された直交周波数分割多重被変調信号及び上記時間同期信号発生手段よりの時間同期信号が供給される高速フーリエ変換手段と、該高速フーリエ変換手段よりのデジタルレベル信号及びデジタル位相信号が供給される差動復号手段とを備え、該差動復号手段よりデジタル情報信号のデジタル差動位相信号が得られるようにした復調装置を有する受信装置において、
上記高速フーリエ変換手段及び上記差動復号手段間に、上記デジタルレベル信号が供給されるデジタル自動利得制御手段を設け、
該デジタル自動利得制御手段よりの自動利得制御信号によって、上記自動利得制御手段の応答速度を制御するようにしたことを特徴とする受信装置。 - 上記自動利得制御手段よりの直交周波数分割多重被変調信号のヌルシンボル期間を検出するヌル検出手段をさらに備え、
上記ヌル検出手段によって上記ヌルシンボル期間が検出されたときは、該ヌル検出手段よりの検出出力によって、上記自動利得制御手段の応答速度を低速に制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 上記デジタルレベル信号のレベルが所定基準レベル以下のときは、上記デジタル自動利得制御手段よりの自動利得制御信号によって、上記自動利得制御手段の応答速度を低速に制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
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