JP3667960B2 - Ofdm伝送方法、送信装置および受信装置 - Google Patents

Ofdm伝送方法、送信装置および受信装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルテレビジョン放送、デジタル音声放送またはデジタルテレビジョン素材伝送装置の変調方式として適しているOFDM変調方式に係わり、特に1種類以上の変調方式で変調された各キャリアを伝送するOFDM伝送方法、送信装置および受信装置に関する。
【0002】
[発明の概要]
本発明は、OFDM(直交周波数分割多重:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に関するもので、1種類以上のデジタル変調方式で変調されたキャリアをそれぞれ異なるキャリア電力で伝送するとにより、OFDM信号のスペクトルを整形しつつ伝送特性等を改善するものである。
【0003】
【従来の技術】
OFDM変調方式を使用して送信装置側から受信装置側に情報を伝送するOFDM伝送システムでは、従来、各変調方式毎のキャリア電力を同一にして、その伝送スペクトルが矩形に近い形になるようにして、情報を伝送している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなOFDM伝送システムでは、他の信号への隣接干渉を考慮すると、伝送スペクトルの帯域端で、電力を小さくすることが望ましく、また逆に他の信号からの隣接被干渉を考慮すると、伝送スペクトルの帯域端で、電力を大きくすることが望ましいものの、従来のOFDM伝送システムにおいては、各キャリアの電力を変化させて伝送することにより、伝送スペクトルを整形する技術が存在しないことから、このような技術の開発が強く望まれていた。
【0005】
また、このようなOFDM伝送システムでは、各変調方式毎の伝送特性が異なっていることから、キャリア変調方式として、複数のキャリア変調方式を使用しているとき、各キャリア変調方式毎のキャリア電力を同一にして伝送すると、同じ干渉や雑音の下でも、受信装置側で受信した各キャリア変調方式毎のデジタルデータの強さにバラツキが生じてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑み、OFDM信号の伝送スペクトルを整形して、理想的な伝送特性を確保することができるとともに、OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにすることができるOFDM伝送方法、送信装置および受信装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、OFDM変調方式を使用して伝送対象となる情報を変調し、これを伝送路上に送出して受信装置側に伝送するOFDM伝送方法において、2種類以上の変調方式で変調された各キャリアをそれぞれ異なるキャリア電力で伝送するとともに、前記各変調方式毎のキャリア電力は、ほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けて設定されることを特徴としている。
【0011】
また、請求項2では、OFDM変調方式を使用して伝送対象となる情報を変調し、これを伝送路上に送出して受信装置側に伝送する送信装置において、2種類以上の変調方式で変調された各キャリアをそれぞれ異なるキャリア電力で伝送する手段を備え、前記手段は、前記各変調方式毎のキャリア電力を、ほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けた値に設定する手段であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3では、OFDM変調方式によって変調されたOFDM信号を受信する受信装置において、各キャリアがそれぞれ2種類以上の変調方式で、かつ各キャリア毎にそれぞれ異なるキャリア電力で変調されたOFDM信号を受信し、これを復調する手段を備え、前記手段は、各キャリアが互いに異なる変調方式で、かつほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けたキャリア電力で変調されたOFDM信号を受信し、これを復調する手段であることを特徴としている。
【0022】
上記の構成において、請求項1では、2種類以上の変調方式で変調された各キャリアをそれぞれ異なるキャリア電力で伝送することにより、OFDM信号の伝送スペクトルを整形して、理想的な伝送特性を確保するとともに、互いに異なる変調方式で各キャリアを変調して伝送する際、ほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けて各変調方式毎のキャリア電力を設定することにより、
OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにする。
【0023】
また、請求項2では、2種類以上の変調方式で変調された各キャリアをそれぞれ異なるキャリア電力で伝送することにより、OFDM信号の伝送スペクトルを整形して、理想的な伝送特性を確保するとともに、互いに異なる変調方式で各キャリアを変調して伝送する際、ほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けて各変調方式毎のキャリア電力を設定することにより、OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにする。
【0024】
また、請求項3では、各キャリアがそれぞれ2種類以上の変調方式で、かつ各キャリア毎にそれぞれ異なるキャリア電力で変調されたOFDM信号を受信し、これを復調することにより、OFDM信号の伝送スペクトルを整形して、理想的な伝送特性を確保するとともに、各キャリアが互いに異なる変調方式で、かつほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けたキャリア電力で変調されたOFDM信号を受信し、これを復調することにより、OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにする。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるOFDM伝送方法、送信装置および受信装置第1の実施の形態を示すOFDM伝送システムのブロック図である。
【0035】
この図に示すOFDM伝送システム1aは、伝送対象となるデータを取り込むとともに、このデータをその情報の種別毎に区分した後、複数のキャリア変調方式で、キャリア変調した後、各キャリア変調方式で変調された各キャリアを合成、IFFT変換して、OFDM変調方式のOFDM信号を生成する送信装置2aと、デジタルテレビジョン放送の伝送帯域、デジタル音声放送の伝送帯域またはデジタルテレビジョン素材伝送の伝送帯域など、予め設定されている周波数帯域の帯域幅を持ち、送信装置2aから出力されるOFDM信号を伝送する伝送路3と、この伝送路3を介して供給されるOFDM信号を受信し、これをFFT処理、各キャリア毎の区分処理を行なって、各種別毎にデータを復調した後、復調済みのデータを合成して、伝送されたデータを再生する受信装置4とを備えている。
【0036】
このOFDM伝送システム1aにおいて、送信装置2aは、伝送対象となるデータを取込み、このデータをその情報の種別毎に区分する。その後、複数のキャリア変調方式で変調し、各キャリア変調方式で変調された各キャリアを合成、IFFT変換して、OFDM変調方式のOFDM信号を生成し、これを伝送路3上に送出する。受信装置4は、伝送路3を介して供給されたOFDM信号を受信し、これをFFT処理し、各種別毎にデータを復調した後、復調済みのデータを合成して、伝送されたデータを再生する。
【0037】
次に、図2に示す模式図を参照しながら、このOFDM伝送システム1aで送受信されるOFDM信号について説明する。
【0038】
今、このOFDM伝送システムで使用されるOFDM変調方式の各キャリア変調方式として、QPSK変調方式、16QAM変調方式、32QAM変調方式の3つを使用するものとする。
【0039】
この場合、QPSK変調方式で変調されたキャリアと、16QAM変調方式で変調されたキャリアとでは、白色雑音に対するビット誤り率特性がCN比(搬送波対雑音電力比)で、約7dBの差があり、さらに16QAM変調方式で変調されたキャリアと、32QAM変調方式で変調されたキャリアとでは、白色雑音に対するビット誤り率特性がCN比で、約3dBの差があることから、送信装置2aから出力されるOFDM信号を構成する各キャリア毎のキャリア電力を異ならせて、図2に示すように、QPSK変調方式によって変調されたキャリアの電力に対し、16QAM変調方式で変調されたキャリアの電力と、32QAM変調方式で変調されたキャリアの電力とがそれぞれ約7dB、約10dBだけ高くなるように、各キャリアに電力を配分して伝送する。
【0040】
これによって、OFDM信号が伝送路3上を伝送しているとき、伝送帯域全体の白色ガウス雑音に対する各キャリアの伝送特性をほぼ均一にすることができる。
【0041】
このように、この第1の実施の形態では、QPSK変調方式によって変調されたキャリアの電力に対し、16QAM変調方式で変調されたキャリアの電力と、32QAM変調方式で変調されたキャリアの電力とがそれぞれ約7dB、約10dBだけ高くなるように、各キャリアに電力を配分して伝送するようにしているので、OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにすることができる。
【0042】
図3は本発明によるOFDM伝送方法、送信装置および受信装置第2の実施の形態を示すOFDM伝送システムのブロック図である。
【0043】
この図に示すOFDM伝送システム1bが図1に示すOFDM伝送システム1aと異なる点は、図4の模式図に示すように、送信装置2bによって生成されるOFDM信号の伝送スペクトルを、その中心周波数から両端の周波数にかけて、キャリアの電力が小さくなるように、電力を配分して、伝送スペクトルの形状を凸状にし、これを伝送路3上に送出するようにしたことである。
【0044】
これにより、この第2の実施の形態では、送信装置2bの送信電力が同一で、かつ伝送路3の伝送容量が同一であっても、従来のOFDM信号に比べて、伝送スペクトル端のキャリア電力を下げた分だけ、他の信号に対する隣接干渉を軽減させることができる。
【0045】
この際、OFDM信号のキャリア変調方式として、各キャリアの変調方式に応じてキャリアの電力を設定することにより、隣接干渉を考慮した伝送スペクトルの整形と、伝送容量の増加とを同時に達成することができる。
【0046】
図5は本発明によるOFDM伝送方法、送信装置および受信装置第3の実施の形態を使用したOFDM伝送システムの一例を示すブロック図である。
【0047】
この図に示すOFDM伝送システム1cが図1に示すOFDM伝送システム1aと異なる点は、図6の模式図に示すように、送信装置2cによって生成されるOFDM信号の伝送スペクトルを、その両端の周波数から中心周波数にかけてキャリアの電力が小さくなるように電力を配分して、伝送スペクトルの形状を凹状にし、これを伝送路3上に送出するようにしたことである。
【0048】
これにより、この第3の実施の形態では、送信装置2cの送信電力が同一で、かつ伝送路3の伝送容量が同一であっても、従来のOFDM信号に比べて伝送スペクトル端のキャリア電力を上げた分だけ、他の信号からの隣接被干渉を軽減させることができる。
【0049】
この際、OFDM信号のキャリア変調方式として、各キャリアの変調方式に応じてキャリアの電力を設定することにより、隣接被干渉を考慮した伝送スペクトルの整形と、伝送容量の増加とを同時に達成することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、請求項1のOFDM伝送方法では、OFDM信号の伝送スペクトルを整形して、理想的な伝送特性を確保することができるとともに、OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにすることができる
【0051】
また、請求項2の送信装置では、OFDM信号の伝送スペクトルを整形して、理想的な伝送特性を確保することができるとともに、OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにすることができる
【0052】
また、請求項3の受信装置では、OFDM信号の伝送スペクトルを整形して、理想的な伝送特性を確保することができるとともに、OFDM変調で使用するキャリア変調方式が複数、存在するとき、各キャリア変調方式の伝送特性を均一化させて、各キャリア変調方式で伝送されるデジタルデータの強さにバラツキが生じないようにすることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるOFDM伝送方法、送信装置および受信装置第1の実施の形態を示すOFDM伝送システムのブロック図である。
【図2】図1に示すOFDM伝送システムで使用されるOFDM信号の伝送スペクトル例を示す模式図である。
【図3】 本発明によるOFDM伝送方法、送信装置および受信装置第2の実施の形態を示すOFDM伝送システムのブロック図である。
【図4】図3に示すOFDM伝送システムで使用されるOFDM信号の伝送スペクトル例を示す模式図である。
【図5】 本発明によるOFDM伝送方法、送信装置および受信装置第3の実施の形態を示すOFDM伝送システムのブロック図である。
【図6】図5に示すOFDM伝送システムで使用されるOFDM信号の伝送スペクトル例を示す模式図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c OFDM伝送システム
2a、2b、2c 送信装置
3 伝送路
4 受信装置

Claims (3)

  1. OFDM変調方式を使用して伝送対象となる情報を変調し、これを伝送路上に送出して受信装置側に伝送するOFDM伝送方法において、
    2種類以上の変調方式で変調された各キャリアをそれぞれ異なるキャリア電力で伝送するとともに、
    前記各変調方式毎のキャリア電力は、ほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けて設定されることを特徴とするOFDM伝送方法。
  2. OFDM変調方式を使用して伝送対象となる情報を変調し、これを伝送路上に送出して受信装置側に伝送する送信装置において、
    2種類以上の変調方式で変調された各キャリアをそれぞれ異なるキャリア電力で伝送する手段を備え、
    前記手段は、前記各変調方式毎のキャリア電力を、ほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けた値に設定する手段であることを特徴とする送信装置。
  3. OFDM変調方式によって変調されたOFDM信号を受信する受信装置において、
    各キャリアがそれぞれ2種類以上の変調方式で、かつ各キャリア毎にそれぞれ異なるキャリア電力で変調されたOFDM信号を受信し、これを復調する手段を備え、
    前記手段は、各キャリアが互いに異なる変調方式で、かつほぼ各変調方式における白色雑音に対するビット誤り率特性のCN比の差を付けたキャリア電力で変調されたOFDM信号を受信し、これを復調する手段であることを特徴とする受信装置。
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