JP4725985B2 - 排煙処理装置の運転方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
本発明は排煙処理システムに係り、特にボイラの運転、ボイラの排ガスを処理するのに好適な熱交換器および排煙処理装置の運転方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の排煙処理装置の系統図を図２に示す。図２において、ボイラ１からの排ガスは脱硝装置２に導入され、排ガス中の窒素酸化物が除去された後、空気予熱器３においてボイラ１への燃焼用空気と熱交換される。次に、排ガスは電気集塵器４に導入され排ガス中のばいじんの大半が除去された後、誘引ファン５により昇圧されて、乾式脱硫装置６に導入され、排ガス中の硫黄酸化物（ＳＯｘ）が除去される。その後、排ガスは脱硫ファン７により昇圧され、煙突８により排出される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の排煙処理装置において、空気予熱器３から放出される排ガスが高温のまま煙突８へ放出され、ボイラ熱を無駄に消費し、熱効率が小さい等の問題を有していた。
本発明の課題は、空気予熱器から放出される排ガスの熱量を有効に回収してボイラ熱効率の向上と共に、電気集塵器及び誘引ファン等の容量を低減し、運転費用等を低減することにある。
【０００４】
上記本発明の課題は、ボイラの排ガス中に含まれるばいじんや硫黄酸化物を処理する集塵器と脱硫装置を排ガス流路の上流側から順に配置し、前記集塵器の入口側の排ガス流路に熱回収器を設けると共に、ボイラに給水する給水ラインと該給水ラインに給水加熱器を設け、前記熱回収器と前記給水加熱器を連絡する熱媒循環用連絡配管を設け、該熱媒循環用連絡配管に熱回収器入口側熱媒が熱回収器をバイパスして給水加熱器に熱媒を循環させるバイパスラインを設け、該バイパスラインに熱媒流量調整弁を設けた排煙処理装置の運転方法であって、ボイラの起動時の空気運転時やボイラ点火直後の、ボイラ排ガス流路の集塵器より上流側の排ガス温度が排ガス中の腐食成分の露点よりも低い場合には、熱媒流量調整弁を開き、熱媒をバイパスさせて熱回収器に熱媒が流入しないようにするか、熱媒流入量が低減するようにして熱回収器での熱交換量を減少させ、その後、前記熱回収器で熱回収を行っても該熱回収器の出口排ガス温度が設定値以上に達した段階で、前記バイパスラインの前記熱媒流量調整弁を閉とし、熱回収器で排ガスより熱回収した熱媒は前記熱媒循環用連絡配管より前記給水加熱器に導入し、ボイラ給水の加熱を行った後、該熱媒循環用連絡配管より再び熱回収器に導入する通常の運転状態に移行させる排煙処理装置の運転方法により達成される。
【０００７】
本発明の集塵器と脱硫装置は乾式又は湿式の装置を用いることができる。
【０００８】
電気集塵器の入口側の排ガス流路に熱回収器を設けると共に、ボイラ給水ラインに給水加熱器を設け、前記熱回収器と給水加熱器を連絡する熱媒循環用連絡配管を設けたことにより、ボイラ給水温度が上昇及び排ガス温度が降下し、ボイラ熱効率の向上と共に電気集塵器及び誘引ファン等の容量の低減が図れる。
【０００９】
また、熱回収器入口側には、熱回収器をバイパスして給水加熱器に熱媒を循環させるバイパスラインを設けると共に、バイパスラインに熱媒流量調整弁を設けて熱回収器の伝熱管内を流れる熱媒循環量を制御させることにより、ボイラ排ガス流路の電気集塵器より上流側に配置される空気予熱器の出口排ガス温度が低い場合には、熱媒をバイパスさせて熱回収器への熱媒の流入量を低減させるか、又は流入させないようにして熱回収器での熱交換量を減少させることができる。この場合には、熱回収器の出口排ガス温度の低下を防止でき、熱回収器から煙突間の排ガス流路内の排ガス中の腐食成分（硫酸などの硫黄化合物）が露点に達することがなくなり、例えば電気集塵器、誘引ファンといった、熱回収器以降の排ガス流路内に配置される機器の腐食防止が可能となる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明による、排煙処理システムの系統の実施の形態を図１に示す。図１に示す本発明の実施の形態では、ボイラ給水ライン１６に給水加熱器１０を設け、さらに、熱回収器９と給水加熱器１０を接続する熱交換器連絡配管１１と該熱交換器連絡配管１１のバイパスライン１２及び該バイパスライン１２に熱媒流量調整弁１３を設けており、高温側の排ガスと低温側の水との熱交換を行う構成が、図２に示す従来の排煙処理システムに比較して相違している。
【００１１】
図１において、ボイラ１からの排ガスは脱硝装置２に導入され、排ガス中の窒素酸化物が除去された後、空気予熱器３においてボイラ１への燃焼用空気と熱交換される。次に、空気予熱器３出口排ガスは熱回収器９に導入され、熱回収される。熱回収器９で熱回収された排ガスは電気集塵器４に導入され、排ガス中のばいじんの大半が除去された後、誘引ファン５により昇圧されて、乾式脱硫装置６に導入される。乾式脱硫装置６では排ガス中の硫黄酸化物（ＳＯｘ）が除去され、その後、排ガスは脱硫ファン７により昇圧され、煙突８から排出される。
【００１２】
一方、熱回収器９で排ガスより熱回収した熱媒は熱交換器連絡配管１１より給水加熱器１０に導入され、ボイラ給水の加熱を行った後、熱交換器連絡配管１１より再び熱回収器９に導入される。
【００１３】
ボイラ１起動時の空気運転時やボイラ１の点火直後の空気予熱器３の出口排ガス温度が低い場合に、必要によっては加熱を要する場合もあるが、熱回収器９での熱回収量を制限して熱回収器９の出口排ガス温度の低下を防止するために、熱媒の全量または一部が給水加熱器１０をバイパスするバイパスライン１２を通過するように切り替えると共に、熱回収器９を通過するガスが露点温度以上となるように、熱回収器９の入口排ガス温度計１４と熱回収器出口排ガス温度計１５の信号に対して、熱交換器連絡配管１１の熱媒バイパス量、すなわちバイパスライン１２の熱媒流量を制御する。
【００１４】
本発明による上記運用方法により、ボイラ１の起動時の空気運転時やボイラ１点火直後の熱回収器９の入口排ガス温度が低い場合に、熱回収器９での熱交換量が減少するので、熱回収器９の出口排ガス温度の低下を防止することができる。そのため、熱回収器９から煙突８までの間で排ガスが露点に達することがなくなり、例えば電気集塵器４、誘引ファン５といった、熱回収器９の後流機器に対する腐食防止が可能となる。
【００１５】
以上の運用を行った後、熱回収器９の入口排ガス温度が、熱回収器９で熱回収を行っても熱回収器９の出口排ガス温度が設定値以上になる温度に達した段階で、バイパスライン１２の熱媒流量調整弁１３を閉とし、通常の運転状態に移行する。
【００１６】
本発明による排煙処理システムの運用方法を用いることにより、ボイラ効率向上と共に電気集塵器及び誘引ファン等の容量の低減、ユーティリティ使用量の低減ができ、ボイラの起動時の空気運転時やボイラ点火直後の熱回収器の入口排ガス温度が低い場合においても、熱回収器の後流機器に対する腐食防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明になる排煙処理システムの系統を示す図である。
【図２】 従来技術における排煙処理システムの系統を示す図である。
【符号の説明】
１ ボイラ ２ 脱硝装置
３ 空気予熱器 ４ 電気集塵器
５ 誘引ファン ６ 乾式脱硫装置
７ 脱硫ファン ８ 煙突
９ 熱回収器 １０ 給水加熱器
１１ 熱交換器連絡配管 １２ バイパスライン
１３ 熱媒流量調整弁 １４ 熱回収器入口排ガス温度計
１５ 熱回収器出口排ガス温度計
１６ ボイラ給水ライン
本発明は排煙処理システムに係り、特にボイラの運転、ボイラの排ガスを処理するのに好適な熱交換器および排煙処理装置の運転方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の排煙処理装置の系統図を図２に示す。図２において、ボイラ１からの排ガスは脱硝装置２に導入され、排ガス中の窒素酸化物が除去された後、空気予熱器３においてボイラ１への燃焼用空気と熱交換される。次に、排ガスは電気集塵器４に導入され排ガス中のばいじんの大半が除去された後、誘引ファン５により昇圧されて、乾式脱硫装置６に導入され、排ガス中の硫黄酸化物（ＳＯｘ）が除去される。その後、排ガスは脱硫ファン７により昇圧され、煙突８により排出される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の排煙処理装置において、空気予熱器３から放出される排ガスが高温のまま煙突８へ放出され、ボイラ熱を無駄に消費し、熱効率が小さい等の問題を有していた。
本発明の課題は、空気予熱器から放出される排ガスの熱量を有効に回収してボイラ熱効率の向上と共に、電気集塵器及び誘引ファン等の容量を低減し、運転費用等を低減することにある。
【０００４】
上記本発明の課題は、ボイラの排ガス中に含まれるばいじんや硫黄酸化物を処理する集塵器と脱硫装置を排ガス流路の上流側から順に配置し、前記集塵器の入口側の排ガス流路に熱回収器を設けると共に、ボイラに給水する給水ラインと該給水ラインに給水加熱器を設け、前記熱回収器と前記給水加熱器を連絡する熱媒循環用連絡配管を設け、該熱媒循環用連絡配管に熱回収器入口側熱媒が熱回収器をバイパスして給水加熱器に熱媒を循環させるバイパスラインを設け、該バイパスラインに熱媒流量調整弁を設けた排煙処理装置の運転方法であって、ボイラの起動時の空気運転時やボイラ点火直後の、ボイラ排ガス流路の集塵器より上流側の排ガス温度が排ガス中の腐食成分の露点よりも低い場合には、熱媒流量調整弁を開き、熱媒をバイパスさせて熱回収器に熱媒が流入しないようにするか、熱媒流入量が低減するようにして熱回収器での熱交換量を減少させ、その後、前記熱回収器で熱回収を行っても該熱回収器の出口排ガス温度が設定値以上に達した段階で、前記バイパスラインの前記熱媒流量調整弁を閉とし、熱回収器で排ガスより熱回収した熱媒は前記熱媒循環用連絡配管より前記給水加熱器に導入し、ボイラ給水の加熱を行った後、該熱媒循環用連絡配管より再び熱回収器に導入する通常の運転状態に移行させる排煙処理装置の運転方法により達成される。
【０００７】
本発明の集塵器と脱硫装置は乾式又は湿式の装置を用いることができる。
【０００８】
電気集塵器の入口側の排ガス流路に熱回収器を設けると共に、ボイラ給水ラインに給水加熱器を設け、前記熱回収器と給水加熱器を連絡する熱媒循環用連絡配管を設けたことにより、ボイラ給水温度が上昇及び排ガス温度が降下し、ボイラ熱効率の向上と共に電気集塵器及び誘引ファン等の容量の低減が図れる。
【０００９】
また、熱回収器入口側には、熱回収器をバイパスして給水加熱器に熱媒を循環させるバイパスラインを設けると共に、バイパスラインに熱媒流量調整弁を設けて熱回収器の伝熱管内を流れる熱媒循環量を制御させることにより、ボイラ排ガス流路の電気集塵器より上流側に配置される空気予熱器の出口排ガス温度が低い場合には、熱媒をバイパスさせて熱回収器への熱媒の流入量を低減させるか、又は流入させないようにして熱回収器での熱交換量を減少させることができる。この場合には、熱回収器の出口排ガス温度の低下を防止でき、熱回収器から煙突間の排ガス流路内の排ガス中の腐食成分（硫酸などの硫黄化合物）が露点に達することがなくなり、例えば電気集塵器、誘引ファンといった、熱回収器以降の排ガス流路内に配置される機器の腐食防止が可能となる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明による、排煙処理システムの系統の実施の形態を図１に示す。図１に示す本発明の実施の形態では、ボイラ給水ライン１６に給水加熱器１０を設け、さらに、熱回収器９と給水加熱器１０を接続する熱交換器連絡配管１１と該熱交換器連絡配管１１のバイパスライン１２及び該バイパスライン１２に熱媒流量調整弁１３を設けており、高温側の排ガスと低温側の水との熱交換を行う構成が、図２に示す従来の排煙処理システムに比較して相違している。
【００１１】
図１において、ボイラ１からの排ガスは脱硝装置２に導入され、排ガス中の窒素酸化物が除去された後、空気予熱器３においてボイラ１への燃焼用空気と熱交換される。次に、空気予熱器３出口排ガスは熱回収器９に導入され、熱回収される。熱回収器９で熱回収された排ガスは電気集塵器４に導入され、排ガス中のばいじんの大半が除去された後、誘引ファン５により昇圧されて、乾式脱硫装置６に導入される。乾式脱硫装置６では排ガス中の硫黄酸化物（ＳＯｘ）が除去され、その後、排ガスは脱硫ファン７により昇圧され、煙突８から排出される。
【００１２】
一方、熱回収器９で排ガスより熱回収した熱媒は熱交換器連絡配管１１より給水加熱器１０に導入され、ボイラ給水の加熱を行った後、熱交換器連絡配管１１より再び熱回収器９に導入される。
【００１３】
ボイラ１起動時の空気運転時やボイラ１の点火直後の空気予熱器３の出口排ガス温度が低い場合に、必要によっては加熱を要する場合もあるが、熱回収器９での熱回収量を制限して熱回収器９の出口排ガス温度の低下を防止するために、熱媒の全量または一部が給水加熱器１０をバイパスするバイパスライン１２を通過するように切り替えると共に、熱回収器９を通過するガスが露点温度以上となるように、熱回収器９の入口排ガス温度計１４と熱回収器出口排ガス温度計１５の信号に対して、熱交換器連絡配管１１の熱媒バイパス量、すなわちバイパスライン１２の熱媒流量を制御する。
【００１４】
本発明による上記運用方法により、ボイラ１の起動時の空気運転時やボイラ１点火直後の熱回収器９の入口排ガス温度が低い場合に、熱回収器９での熱交換量が減少するので、熱回収器９の出口排ガス温度の低下を防止することができる。そのため、熱回収器９から煙突８までの間で排ガスが露点に達することがなくなり、例えば電気集塵器４、誘引ファン５といった、熱回収器９の後流機器に対する腐食防止が可能となる。
【００１５】
以上の運用を行った後、熱回収器９の入口排ガス温度が、熱回収器９で熱回収を行っても熱回収器９の出口排ガス温度が設定値以上になる温度に達した段階で、バイパスライン１２の熱媒流量調整弁１３を閉とし、通常の運転状態に移行する。
【００１６】
本発明による排煙処理システムの運用方法を用いることにより、ボイラ効率向上と共に電気集塵器及び誘引ファン等の容量の低減、ユーティリティ使用量の低減ができ、ボイラの起動時の空気運転時やボイラ点火直後の熱回収器の入口排ガス温度が低い場合においても、熱回収器の後流機器に対する腐食防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明になる排煙処理システムの系統を示す図である。
【図２】 従来技術における排煙処理システムの系統を示す図である。
【符号の説明】
１ ボイラ ２ 脱硝装置
３ 空気予熱器 ４ 電気集塵器
５ 誘引ファン ６ 乾式脱硫装置
７ 脱硫ファン ８ 煙突
９ 熱回収器 １０ 給水加熱器
１１ 熱交換器連絡配管 １２ バイパスライン
１３ 熱媒流量調整弁 １４ 熱回収器入口排ガス温度計
１５ 熱回収器出口排ガス温度計
１６ ボイラ給水ライン
Claims (1)
- ボイラの排ガス中に含まれるばいじんや硫黄酸化物を処理する集塵器と脱硫装置を排ガス流路の上流側から順に配置し、前記集塵器の入口側の排ガス流路に熱回収器を設けると共に、ボイラに給水する給水ラインと該給水ラインに給水加熱器を設け、前記熱回収器と前記給水加熱器を連絡する熱媒循環用連絡配管を設け、該熱媒循環用連絡配管に熱回収器入口側熱媒が熱回収器をバイパスして給水加熱器に熱媒を循環させるバイパスラインを設け、該バイパスラインに熱媒流量調整弁を設けた排煙処理装置の運転方法であって、
ボイラの起動時の空気運転時やボイラ点火直後の、ボイラ排ガス流路の集塵器より上流側の排ガス温度が排ガス中の腐食成分の露点よりも低い場合には、熱媒流量調整弁を開き、熱媒をバイパスさせて熱回収器に熱媒が流入しないようにするか、熱媒流入量が低減するようにして熱回収器での熱交換量を減少させ、
その後、前記熱回収器で熱回収を行っても該熱回収器の出口排ガス温度が設定値以上に達した段階で、前記バイパスラインの前記熱媒流量調整弁を閉とし、熱回収器で排ガスより熱回収した熱媒は前記熱媒循環用連絡配管より前記給水加熱器に導入し、ボイラ給水の加熱を行った後、該熱媒循環用連絡配管より再び熱回収器に導入する通常の運転状態に移行させることを特徴とする排煙処理装置の運転方法。
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| JP2001239129A JP2001239129A (ja) | 2001-09-04 |
| JP4725985B2 true JP4725985B2 (ja) | 2011-07-13 |
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ID=18579072
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| JP2000058482A Expired - Lifetime JP4725985B2 (ja) | 2000-03-03 | 2000-03-03 | 排煙処理装置の運転方法 |
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- 2000-03-03 JP JP2000058482A patent/JP4725985B2/ja not_active Expired - Lifetime
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