JP3790349B2 - 排煙処理装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油焚きボイラー(重油、重質油等を燃焼するボイラー)から排出される排ガス中のばい塵および硫黄酸化物(SOX )を除去するための排煙処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の油焚きボイラーの排煙処理装置を図2に示す。
図2において、油焚きボイラーからの排ガスは、空気予熱器2で150〜180℃程度に冷却された後、アンモニア供給手段4から供給されるアンモニアによって、石炭焚きボイラーの排ガスと比べて高濃度で存在するSO3 の大部分が中和される。このSO3 (無水硫酸)は、アシッドスマットの生成や、電気集塵器等の腐食をもたらすので、中和してその濃度を低減させておくことが必要である。
【0003】
その後、排ガスは、乾式電気集塵器(乾式EP)6で除塵された後、昇圧のための誘引ファン(IDF)7を経由して、冷却用ガス−ガス式熱交換器5で90〜120℃程度に冷却される。冷却された排ガスは、吸収塔8において、排ガスと吸収液との気液接触が行われ、排ガス中の硫黄酸化物が吸収液に吸収される。吸収塔から排出された排ガスは、加熱用ガス−ガス式熱交換器9によって90〜120℃程度に加熱された後、昇圧ファン(BUF)10を経由して、煙突11から大気中に排出される。なお、加熱用ガス−ガス式熱交換器9は、熱媒体が通る連絡管によって冷却用ガス−ガス式熱交換器と連結する等の方法によって、冷却用ガス−ガス式熱交換器で回収した熱を利用するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の排煙処理装置において、空気予熱器2の出口の排ガスの温度(150〜180℃程度)は、石炭焚きボイラーの排ガス(120〜150℃程度)と比べて高いため、乾式電気集塵器の容量を大きくする必要がある。
したがって、本発明の目的は、乾式電気集塵器の容量を小さくすることのできる構成とした、油焚きボイラーの排ガスを処理するための排煙処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の排煙処理装置は、油焚きボイラーの排ガスを処理する排煙処理装置であって、該ボイラーの排ガスを冷却するための空気予熱器と、該空気予熱器の後流に設けられた、排ガスを冷却するための冷却用ガス−ガス式熱交換器と、該冷却用ガス−ガス式熱交換器の後流に設けられた、排ガス中のばい塵を除去するための乾式電気集塵器(乾式EP)と、該乾式電気集塵器の後流に設けられた、排ガス中の硫黄酸化物を除去するための吸収塔とを備え、かつ、該空気予熱器と該冷却用ガス−ガス式熱交換器の間に、アンモニア供給手段と、該アンモニア供給手段の前流に配置された排ガスの冷却手段とを設けたことを特徴とする。
また、本発明の排煙処理方法は、油焚きボイラーの排ガスを処理する排煙処理方法であって、該ボイラーの排ガスを空気予熱器によって冷却する工程と、該排ガスを冷却手段によって、170℃以下に冷却する工程と、該排ガスにアンモニアを供給して、排ガス中のSO3 の一部を中和する工程と、該排ガスを冷却用ガス−ガス式熱交換器によって、90〜120℃に冷却する工程と、該排ガス中のばい塵を乾式電気集塵器によって除去する工程と、該排ガス中の硫黄酸化物を吸収塔内で除去する工程とを順次含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の排煙処理装置の一例を図1に示す。図1において、油焚きボイラー1の排ガス(350〜400℃程度)は、空気予熱器2で150〜180℃程度に冷却される。空気予熱器2は、油焚きボイラー内での燃焼に必要な空気を、排ガスとの熱交換によって加熱し、プラントの熱効率を高める装置である。
【0007】
その後、排ガスは、排ガスの冷却手段3(例えば、水)で170℃以下に冷却された後、アンモニア供給手段4から供給されるアンモニアによって、排ガス中のSO3 の一部が中和され、硫酸アンモニウム((NH4 )2 SO4 )が生成する。ここで、アンモニアの供給前の排ガスの冷却手段としては、吸収塔8からの排水や、乾式電気集塵器6の灰中にある硫酸アンモニウムをストリッピングして得られるアンモニア水等(アンモニア供給手段として兼用できる。)を用いることができる。なお、従来、アンモニア供給手段は、乾式電気集塵器の前流に設置していたが、本発明では、冷却用ガス−ガス式熱交換器の前流に設置することによって、SO3 凝縮によるガス−ガス式熱交換器の腐食を防止することができる。
【0008】
なお、アンモニア供給手段4の前に排ガスの冷却手段を設けないと、図3に示すように、高温下で硫酸アンモニウムを生成させるための多量のアンモニアが必要になる。例えば、排ガス温度が170℃の場合、硫酸アンモニウムを生成させるためのガス中のNH3 濃度は、約20ppmでよいが、180℃の場合、該NH3 濃度は約40ppmとなり、アンモニアを無駄に消費することになる。一方、アンモニアが不足した場合、酸性硫酸アンモニウム(NH4 HSO4 )が生成する。NH4 HSO4 は、排煙処理装置内の煙道の各部への付着性が大きく、腐食や閉塞の原因となる。特に、冷却用ガス−ガス式熱交換器としては、一般にフィンチューブ熱交換器が用いられており、付着性の大きな酸性硫酸アンモニウムの存在は、装置の運転を阻害する。
【0009】
アンモニアによって一部中和された排ガスは、冷却用ガス−ガス式熱交換器5で90〜120℃に冷却され、乾式電気集塵器6で除塵される。
ここで、乾式電気集塵器(乾式EP)6は、コロナ放電によって排ガス中のばい塵に電荷を与え、荷電したばい塵を電界の作用により電極上に捕集し、捕集したばい塵を槌打装置の機械的な衝撃力で払い落とす方式の集塵装置である。
【0010】
除塵された排ガスは、必要に応じて設置される誘引ファン(IDF)7を経由し、吸収塔(湿式排煙脱硫装置)8に導かれる。吸収塔8内で、排ガスと吸収液との気液接触によって、排ガスから硫黄酸化物が除去される。ここで、吸収液としては、水酸化ナトリウム等の溶液や、石灰石等のスラリーを用いることができる。
【0011】
吸収塔8で処理された排ガスは、ばい煙の拡散効果の向上、白煙化の防止、煙道の腐食防止を目的として、加熱用ガス−ガス式熱交換器9によって90〜120℃程度に加熱される。加熱された排ガスは、昇圧ファン(BUF)10を経由して、煙突11から大気中に排出される。
【0012】
【発明の効果】
本発明の排煙処理装置によれば、乾式電気集塵器(乾式EP)に導入される排ガスの温度が低くなるため、排ガスの流量が小さくなり、従来の装置と比べて、乾式電気集塵器の容量を1割程度低減させることができる。
冷却用ガス−ガス式熱交換器の前にアンモニア注入設備を設置することによって、SO3 の凝縮によるチューブの腐食を防止することができる。また、冷却用ガス−ガス式熱交換器の入口ガス温度を170℃以下に制御することによって、酸性硫酸アンモニウムの発生を防止することができ、ガス−ガス式熱交換器の閉塞を防止することができる。
【0013】
誘引ファン(IDF)を設置する場合には、冷却用ガス−ガス式熱交換器における圧力損失が加わるものの、排ガスの温度が低いため、排ガスの流量が小さくなり、従来の装置と同程度の容量の誘引ファンを用いることができる。
従来の装置で、誘引ファンの後流に設けられていた冷却用ガス−ガス熱交換器が、本発明の装置では 誘引ファン(IDF)の前流に設けられることになったため、従来の装置と比べて冷却用ガス−ガス熱交換器の風圧分だけ、昇圧ファン(BUF)の容量を低減(2割程度)させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排煙処理装置の一例を示す図である。
【図2】従来の排煙処理装置を示す図である。
【図3】排ガスの温度とガス中に残留するアンモニアの分圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 油焚きボイラー
2 空気予熱器
3 排ガス冷却手段
4 アンモニア供給手段
5 冷却用ガス−ガス式熱交換器
6 乾式電気集塵器(乾式EP)
7 誘引ファン(IDF)
8 吸収塔
9 加熱用ガス−ガス式熱交換器
10 昇圧ファン(BUF)
11 煙突
Claims (3)
- 油焚きボイラーの排ガスを処理する排煙処理装置において、該ボイラーの排ガスを空気との熱交換により150〜180℃に冷却するための空気予熱器と、該空気予熱器の後流に設けられた、排ガスを冷却するための冷却用ガス−ガス式熱交換器と、該冷却用ガス−ガス式熱交換器の後流に設けられた、排ガス中のばい塵を除去するための乾式電気集塵器と、該乾式電気集塵器の後流に設けられた誘引ファンと、誘引ファンの後流に設けられた排ガス中の硫黄酸化物を除去するための吸収塔とを備え、かつ、該空気予熱器と該冷却用ガス−ガス式熱交換器の間に、アンモニア供給手段と、該アンモニア供給手段の前流に配置された排ガスを水の添加により170℃以下に冷却する冷却手段とを設けたことを特徴とする排煙処理装置。
- 油焚きボイラーの排ガスを処理する排煙処理装置において、該ボイラーの排ガスを空気との熱交換により150〜180℃に冷却するための空気予熱器と、該空気予熱器の後流に設けられた、排ガスを冷却するための冷却用ガス−ガス式熱交換器と、該冷却用ガス−ガス式熱交換器の後流に設けられた、排ガス中のばい塵を除去するための乾式電気集塵器と、該乾式電気集塵器の後流に設けられた誘引ファンと、誘引ファンの後流に設けられた排ガス中の硫黄酸化物を除去するための吸収塔と、吸収塔の後流に設けられた昇圧ファンとを備え、かつ、該空気予熱器と該冷却用ガス−ガス式熱交換器の間に、アンモニア供給手段と、該アンモニア供給手段の前流に配置された排ガスを水の添加により170℃以下に冷却する冷却手段とを設けたことを特徴とする排煙処理装置。
- 油焚きボイラーの排ガスを処理する排煙処理方法において、該ボイラーの排ガスを空気予熱器によって冷却する工程と、該排ガスを冷却手段によって、170℃以下に冷却する工程と、該排ガスにアンモニアを供給して、排ガス中のSO3 の一部を中和する工程と、該排ガスを冷却用ガス−ガス式熱交換器によって、90〜120℃に冷却する工程と、該排ガス中のばい塵を乾式電気集塵器によって除去する工程と、該排ガス中の硫黄酸化物を吸収塔内で除去する工程とを順次含むことを特徴とする排煙処理方法。
Priority Applications (1)
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JP34602397A JP3790349B2 (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 排煙処理装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34602397A JP3790349B2 (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 排煙処理装置および方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11169656A JPH11169656A (ja) | 1999-06-29 |
JP3790349B2 true JP3790349B2 (ja) | 2006-06-28 |
Family
ID=18380618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34602397A Expired - Lifetime JP3790349B2 (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 排煙処理装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3790349B2 (ja) |
-
1997
- 1997-12-16 JP JP34602397A patent/JP3790349B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH11169656A (ja) | 1999-06-29 |
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