JP3572139B2 - 熱交換器及びこれを備えた排煙処理装置 - Google Patents

熱交換器及びこれを備えた排煙処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィン付き管を有する熱交換器、並びにこの種熱交換器を備えてSOを含む排ガスから熱を回収する排煙処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3には、石炭燃焼ボイラからの排ガスのようなダスト、窒素酸化物(NO)、硫黄酸化物(SO)のような大気汚染物質を含む燃焼排ガスの処理システムのブロック図が示されている。
【0003】
図3において、ボイラ1より排出された燃焼排ガスは、触媒が充填された脱硝装置2に導入され、還元剤として注入されるアンモニア(NH)10により、排ガス中のNOが水と窒素とに還元され無害化される。次いで、この燃焼排ガスは空気予熱器3に導入され、一般的に120〜150℃まで空気を加熱することにより熱回収される。熱回収された排ガスは、電気集塵器4に導入され、ダストが除去された後、さらに熱回収のため熱交換器11の熱回収部5に導入され、一般的に120〜150℃から80〜100℃まで熱回収される。上記熱交換器11の熱回収部5は、フィン付き管群で構成されており、フィン付き管群の外側を排ガスが流れ、また管内を温水、油、スチームなどの熱媒が流れるようになっており、排ガスと熱媒とが直接的に熱交換されることによって、排ガスの熱が回収される。
【0004】
上記熱交換器11の熱回収部5で熱が回収された排ガスは、湿式脱硫装置6に導入され、ここで冷却されると共に石灰石を吸収剤として湿式処理される。これにより、排ガス中のSOが吸収除去され、副生物として石膏が生成される。この湿式脱硫装置6の出口の排ガスは一般的に45〜55℃に低下している。従って、この排ガスをこのまま大気に放出すると、低温のため拡散しにくく、白煙になるなどの問題が生じるため、この排ガスを熱交換器11の再加熱部7に導入して加熱し、熱回収部5でその熱を回収し、温度が上昇した熱媒9を循環せしめることにより、排ガスを再加熱し、煙突8から排出される排ガス温度を所定温度以上に上げる。
【0005】
上記熱交換器11としては、ユングストローム型の熱交換器の如く、蓄熱体が回転することにより、熱回収して温度が上昇したエレメントと湿式脱硫装置6からの排ガスとを接触させて熱交換する、いわゆる蓄熱体方式の熱交換器が提供されている。しかしながらこの蓄熱体方式では、熱回収部5でエレメントに付着したダストが、再加熱時に再飛散し、これによって、煙突でのダスト濃度が上昇する。また、かかる方式では、SOが再加熱部にリークするなどの問題点があることから最近ではフィン付き管を備えた熱交換器が実用化されている。
【0006】
上記のようなフィン付き管を備えた熱交換器の熱回収部5の詳細が図1及び図2に示されている。図1〜図2において、51はハウジング、101は内部を熱媒が通流するフィン付き管であり、同管101の外周には伝熱面積を増加させるためのフィン102が固着されている。103は排ガス入口、104は排ガス出口、105は熱媒入口、106は熱媒出口であり、排ガスはフィン102の間を流れてフィン付き管101内を流れる熱媒と熱交換しこれを加熱する。
【0007】
即ち、図1〜図2において、上記熱回収部5においては、内部を熱媒が通流するフィン付管101のフィン間通路107を排ガスが通過することにより熱交換される。このフィン102のピッチeは、初期の通気圧損や熱効率等を考慮して8〜10mm程度、またフィン付き管101が配設された熱回収部5の有効高さは、3〜5mでありこの範囲においてはフィン付き管101を20〜50段程度配置している。
【0008】
図1〜図3において、高温の排ガスは熱交換器11の熱回収部5に導入され、フィン102付きの管101内を流れる熱媒と熱交換され、温度の低い排ガスとなって排ガス出口104から排出され、後流の湿式脱硫装置6に導入される。また、上記熱媒は熱媒入口105より導入され、排ガスと熱交換し、熱媒出口106から流出し、再加熱部7に循環され排ガスの昇温に利用される。
【0009】
このフィン付き管101のフィンピッチeを狭くし、フィン102の数を増すほど、排ガスとの接触面積が増加し装置全体をコンパクトにできるが、一方、上記フィンピッチeを狭くしすぎると、通気圧損が増大し、動力費がかさむ、またダストが詰まりやすくなり経済的でない。従って通常は上記フィンピッチeを8〜10mm程度としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の熱交換器11の熱回収部5は、フィン102のピッチeを、熱回収部5内の全域に渡って一定値(10mm程度)に設定しているが、排ガス中のSOが熱回収部5のフィン102に凝縮付着して固着ダストを生成し、通気圧損が短期間で上昇する現象が起こり易かったため、例えば頻繁に上記回収部5を水洗し、固く付着したダストを除去するという不経済で面倒な作業が必要になることがあった。
【0011】
上記SOガスは、石炭焚きボイラ1からの排ガス中にダストと共に含有されている。このSOガスは、燃料中に含まれる硫黄の一部が燃焼の際酸化されて生成され、さらに最近のように脱硝装置が設置されるものにあっては、脱硝反応に付随して二酸化硫黄(SO)ガスの0.5〜2%が酸化されてSOを生成し、燃焼の際発生した上記SOガスに上乗せされて排ガス中に含有される。従って上記空気予熱器3の入口に到達するSO濃度は、燃料中の硫黄分によって変動するが、概ね5〜50ppm 程度となる。
【0012】
そして、上記SOは、空気予熱器3を通過するとき、排ガス温度が下がり酸露点以下となるため、その一部は下記(1)式に示す凝縮反応により硫黄ミスト(HSO)に転化し、同伴されるダストに付着して後流の電気集塵器4でダストと共に捕集される。
【0013】
SO+HO←/→HSO……………………………………(1)
一般に空気予熱器3の温度が120〜140℃であると、SOガスは10〜20%空気予熱器3を通過すると言われており、空気予熱器3出口のSOガス濃度は1〜10ppm の範囲にある。また、上記ダスト濃度は燃料中の灰分によっても異なるが、通常石炭焚きボイラの排ガスの場合には、ボイラ出口で数g/mN〜数10g/mNであり、電気集塵器4でダストが捕集され300mg/mN以下となるのが一般的である。
【0014】
従って、上記熱交換器11の熱回収部5入口での排ガス中には通常SOガスが1〜10ppm 、ダストが概ね300mg/mN含有されている。このSOが熱交換器11の熱回収部5で排ガスの温度が下がって(1)式に示す凝縮反応がなされると、これにより硫酸ミスト(HSO)に転化し、同伴されるダストと共に熱回収部5のフィン102に付着する。凝縮した硫酸ミスト(HSO)は熱交換器11構成材料中の鉄分や、ダスト中の鉄分と反応し硫酸鉄の結晶が生成される。これがバインダとなって固着ダストとなり、フィン102に固着堆積する。
【0015】
通常のダスト(軟着ダスト)は、熱交換器11の熱回収部5の上部から鋼球(通常4〜5mmφ)を散布し、その衝撃により付着ダストを除去するいわゆる鋼球散布によるダスト除去装置を付設することにより容易に除去可能であるが、硫酸鉄が生成され、これがバインダとなって固着したダストは除去が極めて困難である。このため、かかる固着ダストが経時的にフィン102の表面に厚く付着し、これによって通気圧損が上昇する。さらに、上記鋼球が詰まり落下不能となる現象も併発され、その際には通気圧損が急上昇し、遂には熱交換器11の水洗を要することとなる。また、スーツブロワ除去装置においても、上記ダストの付着により通気圧損が増大するため、水洗が必要となる。
【0016】
一方、上記熱回収部5のフィン102のピッチeを大きくすれば、上記のようなダストの固着が発生しても急激な通気圧損の増大は回避されるが、上記フィンピッチeを大きくすれば、所要の熱交換性能を得るためには熱回収部5の大型化は避けられず、装置の設置スペースの増大が高コスト化を招く。
【0017】
本発明の目的は、熱交換器の熱回収部を必要最低限の小型のものに保持しつつ、同熱回収部のフィンへのダスト固着を抑制し、これによる通気圧損の上昇を抑制し得る排煙処理装置及び同処理装置用熱交換器を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するもので、その要旨とする手段は、SOを含む排ガスを、熱媒体が通流するフィン付き管が多段に配設された熱交換器の熱回収部に導き、上記熱媒体と熱交換することにより排ガス熱を回収するものにおいて、上記熱回収部が、上記SOの凝縮付着量の多い特定領域に位置する上記フィン付き管のフィンピッチを他の領域のそれよりも大きく設定されてなることを特徴とする熱交換器、並びにこの熱交換器及び空気予熱器を備えた排煙処理装置にある。
【0019】
上記手段によれば、上記熱回収部においては、排ガスの通流方向において、他の領域よりもSOに起因する固着ダストの多い特定領域が存在するので、この特定領域のフィンピッチを他の領域よりも大きく構成することにより、同領域におけるSO凝縮ダストの固着が他の領域よりも低く抑制される。これによって上記特定領域における通気圧損の上昇が抑制され、他の熱回収部の他の領域のフィンピッチを狭めることも可能となり、熱回収部の小型化が実現できる。
【0020】
従って、通気圧損が長期にわたって低減され、かつ小形化された熱交換器及びこれを使用した排煙処理装置が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下図1〜図9を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1には本発明が通用される熱交換器の熱回収部の構成図が、図2には同熱回収部のフィン付き管の要部拡大断面図が、図3には上記熱回収部を有する熱交換器が装備される排煙処理装置のブロック図が夫々示されている。
【0022】
図3に示される排煙処理装置は前述の従来のものと同一構成であり、1はボイラ、2は脱硝装置、3は空気予熱器、4は電気集塵器、6は湿式脱硫装置、8は煙突である。11は熱交換器であり、本発明が適用される熱回収部5及び再加熱部7から構成される。上記排煙処理装置の動作については、前記従来のものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0023】
図1〜図2に示される熱回収部5において、51はハウジングであり、一端側に上記電気集塵器4を経た排ガスが導入される排ガス入口103、他端側に排ガス出口104が設けられる。101は上記ハウジング51内に蛇行状に設けられたフィン付き管であり、外周に所定のピッチeにて多数のフィン102が固着され、内部を水等の熱媒が通流するようになっている。105は上記熱媒の入口、106は熱媒の出口である。
【0024】
本発明の実施形態に係る熱回収部5においては、上記フィン付き管101用のフィン102のピッチeを、SO凝縮ダストが付着し易い凝縮付着の特定領域M(長さZ)のピッチeが他の領域(長さZ及びZ)よりも大きくなるように構成している。
【0025】
以下、その詳細及び設定根拠について説明する。上記熱回収部5において、SOの凝縮付着領域は、実験によって求めることもできるが、この実施形態においては、通常運転の条件下で、SOガスの凝縮速度から熱回収部5のガス流通方向におけるSO付着量分布を推算し、この推算結果においてSO凝縮付着量の多い範囲を上記凝縮付着領域即ち指定領域Mに設定する。具体的にはSO凝縮付着量分布の推算結果からガス通流方向におけるSO凝縮付着量の平均値を求め、例えばこの平均値よりもSO凝縮付着量が多い範囲を上記特定領域Mとして、この領域M内におけるフィン102のピッチeを他の領域よりも大きく設定する。
【0026】
然るに、上記SOガスの凝縮速度は次の(2)式により求められる。
【0027】
−G・dy/dZ=kg・a・p・(y−y)…………………(2)
ここで
:ガスモル流量〔kgmol /h〕
y :ガス中SO分率〔−〕
:SO平衡分率〔−〕
Z :熱回収部の有効長さ〔m〕
kg:気相の物質移動係数〔kgmol /m・h・atm 〕
a :単位高さ当りの伝熱面積〔m/m〕
p :全圧〔atm 〕
また上記、y(SO平衡分率)は、通常熱交換器で計算される周知の方法にて各部のチューブ表面温度を求め、それを露点として図8に示されるSO濃度と露点との関係より求めればよい。また、上記kg(気相の物質移動係数)は、5kgmol /m・h・atm の値を採る。
【0028】
上記のようにして、特定領域Mのフィンピッチeを他の領域よりも大きなピッチに設定することにより、上記ダスト固着が効率良く抑制され、熱回収部5の小型コンパクトさを保持しつつ、通気圧損を長期間低く維持できる。すなわち、前述したように、発明者らの研究によれば、図4の断面図に示されるとおり、フィン付き管101への固着ダストの付着域は、同フィン付き管101の全般に均一に付着しているのではなく、ある特定領域Mのフィン付き管101に固着ダストの付着が多く、他の領域は固着ダストの付着が少ない。つまり、通気圧損が急速に上昇する原因は、ある領域のフィン付き管101部に極部的に固着ダストが付着するためである。
【0029】
従って、上記固着ダストが付着する特定領域Mのフィンピッチeを拡げることにより、急激な通気圧損の上昇を回避でき、しかも熱回収部5の全域にわたって一様にフィンピッチeを拡大する場合に較べて、熱回収部5の大きさを格段に小さく構成できる。また逆にいえば、上記特定領域M以外の部位のフィンピッチeは、従来のものよりも狭くしても、急激な通気圧損の上昇は起こり難く、この点で熱回収部5の小型化が図れる。そして、上記固着ダストの生成が抑制されれば、ボイラ1の定期検査時に合わせて、水洗等のダスト除去操作を実施すればよく、排煙処理システム全体の長期安定運転が、容易なメンテナンス作業で以って可能となる。
【0030】
また、既存の熱交換器11の仕様に対して、上記特定領域Mのフィンピッチeを単に拡げる設計変更や改造をしようとすると、一定の伝熱面積を確保するため、熱回収部5の寸法が若干増えることになる。しかしながら、この場合には、固着ダストの生成が少ない領域(上記特定領域M以外の範囲)のフィンピッチeをも仕様変更することにより、熱回収部5の寸法増加を回避しつつ、しかも全体として急激な通気圧損の増加を招く固着ダストの生成を防止できる。すなわち、固着ダストの生成が少ない領域のフィンピッチeを現行の仕様よりも若干小さくすればよい。このように上記特定領域Mとそれ以外の領域とで相対的にフィン102のピッチeを異ならしめることにより、システムの長期安定運転と小型化という、従来は同時に達成できなかった課題が解決される。
【0031】
なお、以上説明した思想、すなわち実験または凝縮からの推算により、固着ダスト生成が極端に多い領域Mを特定し、この特定領域Mのフィンピッチeを相対的に大きくするという上記技術思想は、SOと同様に凝縮して固着ダストまたは固着スケールなどを生成するSO以外の成分を含む他の高温流体から熱回収する場合にも、同様に適用して効果がある。
〔実施例〕
以下、本発明の上記実施形態における実施例を図5〜図7に基づいて説明する。
【0032】
先ず、図3に示されるブロック図で構成される排煙処理装置と同一構成の試験装置に石炭焚きボイラ排ガス200mN/hを供給し、熱交換器11の熱回収部5(全長5m)への固着ダストの付着試験を図7に示される条件で実施した。試験後、熱交換器11の熱回収部5を開放点検し、各フィン部102に付着した固着ダストをサンプリングし、そのダスト中の可溶性SOをイオンクロマト方法で分析し、各部のSO付着量を求めた。図5は、その分析結果をもとに、SO付着量の平均値を1としてSO付着量分布を表したものである。図5より明らかなように、SOの付着は、伝熱面全体に均一に付着しているのではなく、ある範囲にSOの付着が多く、SO付着に分布が見られる。
【0033】
例えばRun No.3のSO濃度10.3ppm においては、熱交換器11の熱回収部5のガス入口側から1〜2.5mの範囲にSO付着量が多い。従ってこの部位のフィンピッチeを拡げることにより、通気圧損の上昇を低く抑えることができ、排煙処理装置の全体システムの長期安定運転につながる。また、図中の実線は本発明の発明者らが前述の方法でSO付着量分布を推算した結果であるが、SO付着量分布の実測値と推算値とがよく一致している。従って、前述の推算のみによっても、フィンピッチeを相対的に大きくすべき特定領域Mが設定できることとなる。
【0034】
次に、図7におけるRun No.2の条件で全段のフィンピッチe=10.16mmにした熱回収部5(A)と熱回収部5入口側から1.25〜2.45mの範囲にあるフィン102のみをフィンピッチe=12.70mmにした熱回収部(B)を使用して通気圧損の経時変化を調査した。その結果を図6に示す。図に示すように固着ダストが付着しやすい領域のフィンピッチeを12.70mmにした熱回収部(B)の通気圧損の上昇は極めて少なくなり、長期安定運転を行うことができた。なお、熱回収部(B)は熱回収部(A)に較べて若干熱交換率が低下するが、問題になるほどではなく、実機においては若干装置寸法を大きくするか、または固着ダストの付着が少ない領域のフィンピッチeを若干狭くすることで解決できる値であった。
【0035】
なお、本発明は、図3に示されるシステムのみに適用が限定されるものではなく、図9に示されるシステムにも適用可能である。すなわち、図9は空気予熱器3の後流側に熱交換器11の熱回収部5が配置され、次いで電気集塵器4が配置されたシステムを示す。このシステムにおいては、熱交換器11の熱回収部5で排ガスが冷却されて降温し、電気集塵器4に流入する温度が80〜100℃と低いため、集塵効率が向上する。上記電気集塵器4での温度低下は少ないため、熱回収部5の温度は殆ど変わらない。
【0036】
ただし、この場合はダスト濃度が若干多くなるが、熱回収部5への固着ダストの付着については、これが低減される方向にある。すなわち排ガス中のSOが凝縮して硫酸ミスト(HSO)となっても、ダスト濃度が高いと、多量のダストに硫酸ミストが付着するために粘着性があまり強くならず、同ダストが後流側へと飛散していく割合が多くなり、フィン102表面への固着ダストの付着はむしろ少なくなる。そしてこの場合も、熱回収部5においてSOの凝縮速度に分布があることは明らかであり、本発明の適用は有効である。また前述のように、本発明は、SO以外の固着成分を含む他の高温流体から熱回収する熱交換器11に適用することもできる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、本発明によれば、熱回収部におけるSO凝縮ダストの固着が多い特定領域のみについてフィンピッチを大きく構成するという簡単な手段で以って熱回収部全体の通気圧損を低減することができ、通気圧損が抑制された熱交換器及びこれを使用した排煙処理装置を得ることができる。
【0038】
また、上記通気圧損を通常レベルに抑えれば他の部位におけるフィンピッチの縮小が可能となり、熱回収部の小型化がなされた熱交換器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る排煙処理システム用熱交換器の熱回収部の構成図。
【図2】上記熱回収部のフィン付き管の部分断面図。
【図3】上記実施形態における排煙処理装置のブロック図。
【図4】上記排煙処理システムにおける熱回収部の固着ダストの分布を示す説明図。
【図5】本発明の実施例におけるSO付着量分布を示す線図。
【図6】上記実施例における通気圧損の経時変化を示す線図。
【図7】上記実施例における試験条件を示す図。
【図8】硫酸(HSO)の露点を示す線図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る排煙処理装置のブロック図。
【符号の説明】
1 ボイラ
5 熱回収部
6 湿式脱硫装置
7 再加熱部
11 熱交換器
101 フィン付き管
102 フィン

Claims (2)

  1. SOを含む排ガスを、熱媒体が通流するフィン付き管が多段に配設された熱交換器の熱回収部に導き、上記熱媒体と熱交換することにより排ガス熱を回収するものにおいて、上記熱回収部が、上記SOの凝縮付着量の多い特定領域に位置する上記フィン付き管のフィンピッチを他の領域のそれよりも大きく設定されてなることを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器と、同熱交換器の上流に排ガスにより空気を加熱する空気予熱器とを備えた排煙処理装置。
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