JP3544432B2 - 排煙処理装置とその運用方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排ガス処理システムに係り、特にボイラ等の排ガスを処理する湿式脱硫装置を備え、その湿式脱硫装置の上流側の排ガスの熱を回収し、その回収熱により湿式脱硫装置から排出される排ガスを再加熱してスタック等から排出する排ガス処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の排ガス処理システムの全体系統図を図4に示す。ボイラ1から排出される排ガス2は脱硝装置3に導入されて窒素酸化物が除去された後、空気予熱器4においてボイラ1の燃焼用空気5を熱交換によって加熱する。次に、排ガス2は排ガス再熱回収システムを構成する排ガス熱回収器6に導入されて熱回収された後、電気集塵器7で排ガス中のばいじんの大半が除去され、誘引ファン8により昇圧されて湿式脱硫装置9に導入される。
【0003】
湿式脱硫装置9に導入された排ガス2は、気液接触により排ガス中の硫黄酸化物(SOx)が除去される。湿式脱硫装置9において飽和ガス温度にまで冷却された排ガス2は、必要によって蒸気式のガス加熱器(図示しない)により加熱された後、排ガス2の再加熱システムを構成する排ガス再加熱器10により加熱昇温され、脱硫ファン11により昇圧され、煙突12から大気中に排出される。
【0004】
排ガス熱回収器6と排ガス再加熱器10にはそれぞれ熱媒が通流される熱回収伝熱管21と再加熱伝熱管22が排ガス2の流れに接して配設されている。これらの伝熱管21、22は、通常、熱交換の効率を向上させるためにフィンチューブ等が用いられている。熱回収伝熱管21の熱媒出口は熱媒管路23を介して再加熱伝熱管22の熱媒入口に連通され、その再加熱伝熱管22の熱媒出口は熱媒循環ポンプ24を備えた熱媒管路25を介して熱回収伝熱管21の熱媒入口に連通され、これらにより熱媒循環管路が形成されている。
【0005】
そして、この熱媒循環管路には、排ガス熱回収器6の伝熱管21をバイパスして一部の熱媒を排ガス再加熱器10の伝熱管に循環可能にするため、熱回収器伝熱管21の熱媒入口と熱媒出口の管路を直接連通させる熱回収器バイパス管路26が設けられている。また、排ガス再加熱器10に流入する熱媒を蒸気により加熱する熱媒加熱器27が熱媒管路23に設けられている。
【0006】
なお、図4において、流量制御弁28、29が熱回収器バイパス管路26と熱回収器バイパス管路26が分岐する部分の後流側の熱媒管路25にそれぞれ設けられ、流量制御弁30が熱媒加熱器27への加熱源の流路に設けられている。また温度計31、32、33がそれぞれ排ガス熱回収器6と電気集塵器7の間の排ガス流路と排ガス再加熱器10と脱硫ファン11の間の排ガス流路と熱回収器バイパス管路26が分岐する部分の後流側の熱媒管路25に設けられている。
【0007】
図4に示すように構成される従来の排ガス再加熱システムにおいては、排ガス熱回収器6、電気集塵器7、誘引ファン8及びダクト(排ガス流路)の腐食防止のため、排ガス熱回収器6の排ガス出口温度が設定温度以上になるように排ガス温度計31の検出温度に応じて熱回収器バイパス管路26の流量調整弁28を調整して、排ガス熱回収器6における熱回収量を制御している。なお、この設定温度は通常80〜90℃程度の温度範囲内になるようにされている。
【0008】
また、排ガス再加熱器10の出口排ガス温度を設定値以上にするため、及び排ガス再加熱器10の出口熱媒温度を設定値以上にするため、出口排ガス温度計32と熱回収伝熱管21の入口熱媒温度計33の検出温度に応じて、熱媒加熱器27に通流する蒸気の流量を流量調整弁30により調整している。なお、排ガス再加熱システムに関連する従来技術としては、特開昭63−217103号公報に記載されたものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ボイラ燃料の多様化により、特定のボイラで石炭と重油を混焼したり、重油専焼に切り替えたりするケースがある。一方、ボイラ排ガスにはSOが含まれており、燃料の種類や燃料中の硫黄含有量によってボイラ排ガス中のSO濃度は左右され、燃料中の硫黄含有量が高い程、排ガス中のSO濃度は増加する。ボイラ排ガス中のSOは他の酸性ガスに比較して露点温度が低く、また、排ガス中のSO濃度によって露点温度は変化する。
【0010】
排ガス中のSO濃度と露点温度の関係を図3に示す。排ガス中のSO濃度が増加するほどSOの露点温度は高くなる。例えば、排ガス中のSO濃度が5ppmであれば、SO露点温度は約120℃となる。この場合に、排ガス熱回収器6の出口排ガス温度が120℃を下回れば、排ガス中のSOの露点温度以下となるため、排ガス熱回収器の伝熱管21、電気集塵器7、誘引ファン8等にSOミストが付着し、材料の腐食の原因となる。
【0011】
ただし、排ガス中に石炭灰が含まれている場合には、排ガス中のSOが石炭灰に含まれるアルカリ分(CaO等)と反応するため、排ガス中にSOに対して石炭灰が一定の割合以上存在すれば、排ガス温度が低下してSOの露点温度以下となっても前記排ガス熱回収器の出口排ガス温度(80〜90℃)までであれば、機器の腐食は問題無い。
【0012】
しかしながら、前述した通り特定のボイラで石炭と重油の混焼を行う場合に、燃料中の硫黄含有量が高く、石炭の混焼比率が低下した場合や重油専焼に切り替わった場合に排ガス流路の熱回収器6の後流側に配置された機器がSOミストの付着により腐食する問題がある。
【0013】
本発明の課題は、石炭と重油の混焼を行うボイラにおいて、燃料中の硫黄含有量が高く、石炭の混焼比率が低下した場合や、重油専焼に切り替わった場合でも、熱回収器以降の機器のSOミストの付着による腐食を防止することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の課題は、次の構成によって解決される。
すなわち、重油や石炭を含む燃料を燃焼するボイラ等からの排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置と、前記湿式脱硫装置の上流側の排ガス流路に配置した熱回収用の熱交換器と、下流側の排ガス流路に配置した再加熱用の熱交換器とを有し、前記両熱交換器は熱媒により熱交換される熱交換器である排煙処理装置において、前記熱回収用の熱交換器の上流側の排ガス流路に、排ガス温度計とSO濃度計とばいじん濃度計を設けると共に、前記排ガス温度計およびSO濃度計の検出値に基づきSO濃度を算出するSO濃度演算器と、重油および石炭の混合割合によって前記SO濃度演算器とばいじん濃度計の検出値のいずれかまたは両方を選択し、前記検出値に基づき前記熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定する排ガス温度演算器と、該排ガス温度演算器によって設定された温度以上に排ガス温度がなるように前記熱交換器の熱媒循環量を制御する制御装置を設けた排煙処理装置である。
【0015】
本発明の上記排煙処理装置において、排ガス温度演算器は、重油専焼時にはSO濃度演算器のSO濃度演算値に基づいて熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定することができ、また、排ガス温度演算器によって設定される熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度は、SO濃度に基づくSO露点温度とすることができる。
【0016】
また、上記排ガス温度演算器は、重油および石炭の混焼時には重油および石炭の混焼比率とSO濃度演算器のSO濃度演算値とばいじん濃度計のばいじん量検出値に基づいて熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定することができる。このとき、排ガス温度演算器によって設定される熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度は、重油および石炭の混焼比率とばいじん濃度によって算出した石炭濃度に応じてSO濃度に基づくSO露点温度以上の温度になるようにすることができる。
【0017】
また、上記排ガス温度演算器によって設定される熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度が、重油および石炭の混焼比率とばいじん濃度によって算出した石炭灰濃度に対するSO濃度の比が25以上の場合には80℃とし、前記SO濃度の比が25未満の場合あるいは重油専焼時には、SO濃度に基づくSO露点温度とすることができる。
【0018】
本発明の上記排煙処理装置において、熱回収用の熱交換器と再加熱用の熱交換器との間の熱媒通流用の熱媒管路には熱回収用の熱交換器をバイパスさせて熱媒を再加熱用の熱交換器に循環させる熱媒管路が設けることができる。このバイパス熱媒管路を用いることで、例えば石炭の混焼比率が低下して石炭灰濃度が十分多くないときには熱回収用の熱交換器の出口排ガス温度を重油専焼時と同様にSO露点温度以上に設定することができる。
【0019】
また、熱回収用の熱交換器をバイパスさせて熱媒を再加熱用の熱交換器に循環させる熱媒管路には、排ガス再加熱器に流入する熱媒を加熱する熱媒加熱器が設けて、熱回収用の熱交換器への熱媒循環量をバイパスすることで再加熱用の熱交換器で排ガス温度を設定値まで加熱できないときは、前記熱媒加熱器を用いて排ガス温度を設定値以上に高める。
【0020】
また、本発明には重油や石炭を含む燃料を燃焼するボイラ等からの排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置と、該湿式脱硫装置の上流側の排ガス流路に配置した熱回収用の熱交換器と、下流側の排ガス流路に配置した再加熱用の熱交換器とを有し、前記両熱交換器は熱媒により熱交換される熱交換器である排煙処理装置において、熱回収用の熱交換器の上流側の排ガス内の排ガス温度とSO濃度とばいじん濃度に基づき排ガス中のSO濃度を算出し、重油および石炭の混合割合によって前記SO濃度とばいじん濃度のいずれかまたは両方の検出値に基づき前記熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定し、該排ガス温度の下限温度によって設定された温度以上に排ガス温度がなるように前記熱交換器の熱媒循環量を制御する排煙処理装置の運用方法も含まれる。
【0021】
以上のように、本発明によれば、ボイラで重油を専焼する場合または石炭と重油の混焼時で石炭の混焼率が低い場合には、排ガス熱回収器に流入する排ガス温度とSO濃度とをそれぞれ測定する排ガス温度計とSO濃度計で検出された排ガス温度とSO濃度から、予め定めた関係データに基づいて排ガス熱回収器に流入する排ガスのSO濃度を演算により求めるSO濃度演算器と、SO濃度演算器により求められたSO濃度から、予め定められた関係データに基づいて排ガス中のSO露点温度を求め、排ガス熱回収器の出口排ガス温度がSO露点温度以上となるように排ガス熱回収器への熱媒循環量を制御することができる。
【0022】
また、ボイラで石炭と重油を混焼する場合には、重油によるばいじんはSOと反応しないことおよび重油によるばいじん量はあらかじめ分かっていることから、重油および石炭の混合比率より、ばいじん濃度計の検出値から重油によるばいじん濃度を差し引くことによって石炭灰濃度が算出でき、石炭灰と反応するSO量が分かり、このSO量減少分を考慮したSO濃度に基づくSO露点温度を算出できる。
【0023】
すなわち、本発明では排ガス熱回収器に流入する排ガスのばいじん濃度を測定するばいじん濃度計と、このばいじん濃度計で測定されたばいじん濃度と、ボイラからの石炭及び重油の混焼比率と、SO濃度演算器により求められた演算SO濃度とから、予め定められた関係データに基づいて、排ガス熱回収器の出口排ガス温度が最適値となるように排ガス熱回収器への熱媒循環量を制御することができる。
こうして排ガス熱回収器の出口排ガス温度を制御することにより、熱回収器以降の機器のSOミストの付着による腐食を防止することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態による排ガス処理システムの一例を図1に示す。
図1において、図4の従来例のシステムと同一の機能または構成を有する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0025】
図1において、図4の従来例と異なる点は、排ガス熱回収器6の入口の排ガス流路には、排ガス温度計34とSO濃度計35とばいじん濃度計36がそれぞれ設けられていることである。排ガス温度計34とSO濃度計35はSO濃度演算器37に入力されている。
【0026】
SO濃度演算器37は、入力される排ガス温度とSO濃度とから予め定められた関係データに基づいてSO濃度を求める。このSO濃度の求め方の原理は次の通りである。まず、ボイラ1からの排ガス中の硫黄分には、燃料中に含まれる硫黄から生成されたSOとそのSOの一部(通常約2%程度)が酸化されたSOとが含まれる。この排ガスが空気予熱器4で冷却されると、SOの一部が凝縮して、ばいじんと共に空気予熱器4に吸着される。前記SOの吸着量は空気予熱器4の出口の排ガス温度によって変化することが考えられる。
【0027】
したがって、空気予熱器4の出口排ガス温度とSO濃度とSO濃度との関係データを予め設定しておくことができる。そして、この関係データに基づき排ガス温度計34とSO濃度計35による検出値に対応するSO濃度を計算で求めることができ、図2にはSO濃度、空気予熱器4出口の排ガス温度及びSO濃度の関係を示す。
【0028】
SO濃度演算器37で求められた演算SO濃度は、排ガス熱回収器6の出口排ガス温度設定値演算器38に入力される。排ガス熱回収器6の出口排ガス温度設定値演算器38は演算SO濃度とばいじん濃度とボイラ使用燃料情報39とを取り込み、排ガス熱回収器6の出口排ガス温度の設定値を演算する。
【0029】
ここで、出口排ガス温度設定値演算器38における演算内容について説明する。まず排ガス中のばいじん濃度の内、石炭に起因するばいじん濃度を求めるためボイラ使用燃料情報39である石炭と重油の混焼比率と石炭銘柄よりばいじん中の石炭灰比率を求め、ばいじん濃度計36で測定されたばいじん濃度に掛け合わせて、排ガス中の石炭灰濃度を求める。更にSO濃度演算器37で求められた演算SO濃度とから前記石炭灰濃度と演算SO濃度比(石炭灰濃度/演算SO濃度)を求め、一定比率以下の場合には排ガス熱回収器6の出口排ガス温度の設定値がSO露点温度以上となるようにする。この排ガス熱回収器6と排ガス再加熱器10との間の熱媒循環量は制御装置40により流量調整弁28、29の開度を制御することにより行う。
【0030】
排ガス中のSO露点温度は排ガス中のSO濃度に影響され、排ガス中のSO濃度とSO露点温度の関係は図3に示す通りとなる。したがって、出口排ガス温度設定値演算器38では図3の関係に基づいて演算SO濃度から排ガス中のSO露点温度を求め、各機器及びダクトでの放散熱による排ガス温度降下を考慮して、求められたSO露点温度よりも通常5〜10℃高めに排ガス熱回収器6の出口排ガス温度を設定する。
【0031】
なお、ボイラ使用燃料情報39より、ボイラで重油専焼する場合には、排ガス熱回収器6の出口排ガス温度は前記設定値通りとするが、石炭と重油を混焼する場合には石炭灰中に含まれるアルカリ分と排ガス中のSOが反応するため、ガス状で存在するSO濃度が低減するので、排ガス熱回収器6の出口ガス温度を従来と同様に通常80〜90℃の範囲の設定値に固定できる。
【0032】
ただし、石炭の混焼比率が低下した場合には排ガス中のSO濃度に対して、排ガス中の石炭灰濃度が十分でないため、排ガス熱回収器6の出口排ガス温度を重油専焼時と同様にSO露点温度以上に設定する必要がある。排ガス熱回収器6の出口排ガス温度の設定は、熱回収器熱媒パイパス流量調整弁28と熱回収器熱媒供給量調整弁29により排ガス熱回収器6への熱媒循環量を制御することで行う。排ガス熱回収器6への熱媒循環量をバイパスすることで排ガス再加熱器10で湿式脱硫装置9から排出される排ガスを設定値まで加熱できない場合には、熱媒加熱器27への蒸気供給量を熱媒加熱器蒸気量調整弁30で制御することにより排ガス再加熱器10の出口排ガスを設定値まで加熱する。
【0033】
本発明の効果を確認するため、石炭及び重油の混焼率、排ガス温度を変化可能な試験装置を用い、排ガス熱回収器6の出口部に設置した試験片の腐食状況確認試験を実施した。これにより、得られた試験結果の一例を表1に示す。
【0034】
試験条件
石炭:重油混焼比率 20:80,10:90,5:95,0:100
排ガス温度 80℃,130℃
試験片材質 軟鋼
(試験結果)
【表1】
Figure 0003544432
【0035】
本試験において、排ガス中のSO濃度が5ppmの時には、排ガス温度130℃はSO露点温度以上(図3参照)であり、重油専焼時においても腐食はほとんど無かった。また、石炭と重油混焼時の場合に、D/Sが大体25以上であれば、排ガス温度が80℃でSO露点温度以下であっても試験片へのばいじん付着及び腐食は確認されなかった。
【0036】
したがって、石炭と重油の混焼時にはD/Sが大体25以上であれば排ガス熱回収器6の出口排ガス温度は従来技術と同様の80〜90℃で良く、重油専焼時、あるいは、石炭と重油の混焼時にD/Sが25を下回る場合には排ガス熱回収器6への熱媒の一部をバイパスすることで排ガス熱回収器6の出口排ガス温度がSO露点温度以上になるように制御することで、排ガス熱回収器6以降の機器及びダクトのSOによる腐食を防止できる効果を確認できた。
【0037】
以上のように本発明によれば、ボイラ燃料の多様化、すなわち石炭と重油を混焼する場合においても排ガス熱回収器及びそれ以降の機器の腐食や詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排ガス処理システムの一例の系統図である。
【図2】空気予熱器出口排ガス温度とSO濃度の関係を示す図である。
【図3】排ガス中のSO濃度と露点温度の関係を示す図である。
【図4】従来技術に係る排ガス処理システムの一例の系統図である。
【符号の説明】
1 ボイラ 2 排ガス
3 脱硝装置 4 空気予熱器
5 燃焼用空気 6 排ガス熱回収器
7 電気集塵器 8 誘引ファン
9 湿式脱硫装置 10 排ガス再加熱器
11 脱硫ファン 12 煙突
21 熱回収伝熱管 22 再加熱伝熱管
23 熱媒管路(熱回収伝熱管出口〜) 24 熱媒循環ポンプ
25 熱媒管路(再加熱伝熱管出口〜) 26 熱回収バイパス管路
27 熱媒加熱器
28 熱回収器熱媒バイパス流量調整弁
29 熱回収器熱媒供給流量調整弁 30 熱媒加熱器蒸気量調整弁
31 排ガス熱回収器出口排ガス温度計
32 排ガス再加熱器出口排ガス温度計
33 熱回収伝熱管入口熱媒温度計
34 排ガス熱回収器入口排ガス温度計
35 排ガス熱回収器入口SO2濃度計
36 排ガス熱回収器入口ばいじん濃度計
37 SO濃度演算器
38 排ガス熱回収器出口排ガス温度設定値演算器
39 ボイラ使用燃料情報 40 制御装置

Claims (14)

  1. 重油や石炭を含む燃料を燃焼するボイラ等からの排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置と、前記湿式脱硫装置の上流側の排ガス流路に配置した熱回収用の熱交換器と、下流側の排ガス流路に配置した再加熱用の熱交換器とを有し、前記両熱交換器は熱媒により熱交換される熱交換器である排煙処理装置において、
    前記熱回収用の熱交換器の上流側の排ガス流路に、排ガス温度計とSO濃度計とばいじん濃度計を設けると共に、前記排ガス温度計およびSO濃度計の検出値に基づきSO濃度を算出するSO濃度演算器と、重油および石炭の混合割合によって前記SO濃度演算器とばいじん濃度計の検出値のいずれかまたは両方を選択し、前記検出値に基づき前記熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定する排ガス温度演算器と、該排ガス温度演算器によって設定された温度以上に排ガス温度がなるように前記熱交換器の熱媒循環量を制御する制御装置を設けたことを特徴とする排煙処理装置。
  2. 排ガス温度演算器は、重油専焼時にはSO濃度演算器のSO濃度演算値に基づいて熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定することを特徴とする請求項1記載の排煙処理装置。
  3. 排ガス温度演算器によって設定される熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度は、SO濃度に基づくSO露点温度であることを特徴とする請求項2記載の排煙処理装置。
  4. 排ガス温度演算器は、重油および石炭の混焼時には重油および石炭の混焼比率とSO濃度演算器のSO濃度演算値とばいじん濃度計のばいじん量検出値に基づいて熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定することを特徴とする請求項1記載の排煙処理装置。
  5. 排ガス温度演算器によって設定される熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度が、重油および石炭の混焼比率とばいじん濃度によって算出した石炭濃度に応じてSO濃度に基づくSO露点温度以上の温度にすることを特徴とする請求項4記載の排煙処理装置。
  6. 排ガス温度演算器によって設定される熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度が、重油および石炭の混焼比率とばいじん濃度によって算出した石炭灰濃度に対するSO濃度の比が25以上の場合には80℃とし、前記SO濃度の比が25未満の場合あるいは重油専焼時には、SO濃度に基づくSO露点温度とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の排煙処理装置。
  7. 熱回収用の熱交換器と再加熱用の熱交換器との間の熱媒通流用の熱媒管路には熱回収用の熱交換器をバイパスさせて熱媒を再加熱用の熱交換器に循環させる熱媒管路が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の排煙処理装置。
  8. 熱回収用の熱交換器をバイパスさせて熱媒を再加熱用の熱交換器に循環させる熱媒管路には、排ガス再加熱器に流入する熱媒を加熱する熱媒加熱器が設けられていることを特徴とする請求項7記載の排煙処理装置。
  9. 重油や石炭を含む燃料を燃焼するボイラ等からの排ガス中に含まれる硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置と、該湿式脱硫装置の上流側の排ガス流路に配置した熱回収用の熱交換器と、下流側の排ガス流路に配置した再加熱用の熱交換器とを有し、前記両熱交換器は熱媒により熱交換される熱交換器である排煙処理装置において、
    熱回収用の熱交換器の上流側の排ガス内の排ガス温度とSO濃度とばいじん濃度に基づき排ガス中のSO濃度を算出し、重油および石炭の混合割合によって前記SO濃度とばいじん濃度のいずれかまたは両方の検出値に基づき前記熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定し、該排ガス温度の下限温度によって設定された温度以上に排ガス温度がなるように前記熱交換器の熱媒循環量を制御することを特徴とする排煙処理装置の運用方法。
  10. 重油専焼時にはSO濃度に基づいて熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定することを特徴とする請求項9記載の排煙処理装置の運用方法。
  11. 熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度は、SO濃度に基づくSO露点温度であることを特徴とする請求項9または10記載の排煙処理装置の運用方法。
  12. 重油および石炭の混焼時には重油および石炭の混焼比率とSO濃度とばいじん濃度に基づいて熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度を設定することを特徴とする請求項9記載の排煙処理装置の運用方法。
  13. 熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度が、重油および石炭の混焼比率とばいじん濃度によって算出した石炭濃度に応じて、SO濃度に基づくSO露点温度以上の温度にすることを特徴とする請求項9または12記載の排煙処理装置の運用方法。
  14. 熱回収用の熱交換器出口の排ガス温度の下限温度が、重油および石炭の混焼比率とばいじん濃度によって算出した石炭灰濃度に対するSO濃度の比が25以上の場合には80℃とし、前記SO濃度の比が25未満の場合あるいは重油専焼時には、SO濃度に基づくSO露点温度とすることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の排煙処理装置の運用方法。
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