JP4725939B2 - 1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルiiiの製造方法 - Google Patents

1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルiiiの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、1−アルキル−、特に1,3−ジアルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルを特に有利には2,4−ジケトカルボン酸エステルとアルキルヒドラジンから製造する方法に関し、ここでは、前記2,4−ジケトカルボン酸エステルのいくらかまたは全部をそれらのエノラートの形態で用いてもよくかつ前記アルキルヒドラジンのいくらかをアルキルヒドラジニウム塩の形態で用いてもよい。
【0002】
2,4−ジケト−カルボン酸エステルとアルキルヒドラジンを互いに反応させると1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルが生じることは公知である。それによってもたらされるのは異性体混合物であり、この混合物には一般にここで望まれない異性体が主要量で含まれていることから、その後に複雑な分離工程を行う必要があり、所望異性体の収率は低いままである。このように、2,4−ジオキソ−ペンタンカルボン酸エチルを最初に仕込んでおいてこれをメチルヒドラジンと反応させると1,5−ジメチル−ピラゾール−3−カルボキシレートと相当する2,5−ジメチル異性体が1:1の混合物がもたらされる(Austr. J. Chem. 36, 135-147(1983))他の著者は、更により望ましくない比率である35:65を報告しており(Chem. Ber. 59, 1282(1926)、これを前記反応に関する比較実験室実験で実証した。同じ著者は、類似エーテル化エノール、例えばO−エチルアセトンオクザレートなどとメチルヒドラジンを用いた時に更に悪い結果(異性体比15:85)を得た。
【0003】
また、ヨーロッパ特許出願公開第029 363号にも、最初に仕込んでおいたジケトエステルエノラートとアルキルヒドラジンから長いアルキル基を有するN−アルキル置換ピラゾールカルボン酸エステルを合成することが記述されている。しかしながら、中程度の収率で単離されたピラゾールはまた所望のピラゾールではない、と言うのは、N−アルキル置換基とカルボキシル基が1,3位に存在していて所望の1,5位には存在していないからである。このような反応では、最初に仕込んでおいたジケトエステルと遊離アルキルヒドラジンを反応させるか、或はジケトエステルのナトリウムエノラートとアルキルヒドラジニウム塩を最初に仕込んでおきそして塩基性化合物(例えば水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウム)を用いて前記ヒドラジニウム塩からヒドラジンを遊離させることが行われている。
【0004】
ヨーロッパ特許出願公開第854 142号によれば、2,4−ジケトカルボン酸エステルのエノラートとアルキルヒドラジニウム塩を溶媒、例えばアルコールなどの存在下で反応させると1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルが生じる。酸をアルコールの存在下で用いてアルキルヒドラジンからアルキルヒドラジニウム塩を生じさせる必要がある。この場合の異性体比は好ましいが、それでも望まれない異性体の量は有意であり、従って収率はまだ最適でない。
【0005】
従って、生じる相当する1,3−異性体の量が公知方法に比べてかなり少なくなるように1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルを選択的に製造する方法が求められているままである。
【0006】
従って、本発明は、式(I)
【0007】
【化5】
Figure 0004725939
【0008】
[式中、
1およびR4は、互いに独立して各々、場合によりハロゲンで置換されていてもよい直鎖もしくは分枝C1−C6−アルキル、C3−C7−シクロアルキル、または場合により置換されていてもよいC7−C12−アラルキルを表し、そして
2およびR3は、互いに独立して各々、水素、場合によりハロゲンで置換されていてもよい直鎖もしくは分枝C1−C6−アルキル、場合によりハロゲンで置換されていてもよいC3−C7−シクロアルキル、または場合により置換されていてもよいC7−C12−アラルキルを表す]
で表される1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルを製造する方法を提供し、この方法は、式
【0009】
【化6】
Figure 0004725939
【0010】
[式中、
2、R3およびR4は、各々、式(I)で定義した通りである]
で表される2,4−ジケトエステルおよび/またはそれのエノラートと式
1−NH−NH2 (III)
[式中、
1は、式(I)で定義した通りである]
で表されるアルキルヒドラジンおよび/または相当するアルキルヒドラジニウム塩を、適宜溶媒および/または水の存在下で、前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンが反応の少なくとも90%の間存在するような様式で反応させることを特徴とする。
【0011】
7−C12−アラルキル、好適にはベンジルおよびC6−C10−アリール(本明細書の以下に述べる)、好適にはフェニル(本明細書の以下に述べる)は各場合とも例えばハロゲン原子およびC1−C4−アルキル基の群の置換基を2以下の数で含んでいてもよい。
【0012】
前記式(II)で表される好適なジケトエステルは、基R2およびR3が互いに独立して各々水素、直鎖もしくは分枝C1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキルまたは場合により置換されていてもよいベンジルを表すジケトエステル、或はまた基R4が直鎖もしくは分枝C1−C4−アルキルを表すジケトエステルである。
【0013】
特に、R2およびR4が各々C1−C4−アルキルを表しそしてR3がHを表す式(II)で表される2,4−ジケトエステルが好適である。
【0014】
前記式(III)で表されるアルキルヒドラジン類の中でR1が直鎖もしくは分枝C1−C4−アルキルまたは場合により置換されていてもよいベンジルを表すアルキルヒドラジンが好適である。
【0015】
前記式(II)で表されるジケトエステルの製造は、通常の方法を用いて、式
【0016】
【化7】
Figure 0004725939
【0017】
[式中、
2およびR3は、各々、式(I)で定義した通りである]
で表されるジアルキルケトンと式
4OOC−COOR4 (V)
[式中、
4は、式(I)で定義した通りである]
で表されるしゅう酸エステルを縮合させることで実施可能である。
【0018】
この反応を塩基性縮合剤、例えばアルコキサイドなどと溶媒の存在下で実施する。結果として得た粗反応混合物を酸性にすることで、エノラートとして得た前記式(II)で表されるジケトエステルを遊離させることができ、通常方法、例えば有機溶媒を用いた抽出、濃縮および蒸留などによって高純度形態で得ることができる(Organicum、16版、1976、472頁参照)。
【0019】
前記式(IV)で表されるジアルキルケトンと前記式(V)で表されるしゅう酸エステルの反応で用いるに適した溶媒は、例えばアルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールおよびn−、i−、s−およびt−ブタノールなどである。前記アルコキサイドの製造は、このアルコキサイドに相当するアルコールにアルカリ金属またはアルカリ土類金属を溶解させることを通して実施可能である。
【0020】
本発明に従い、前記式(II)で表されるジケトエステルと前記式(III)で表されるアルキルヒドラジンを前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンが反応の少なくとも90%の間存在するような様式で反応させる。好適には、遊離アルキルヒドラジンを前記反応の95から100%の間存在させる。ここで、「反応のx%」は、用いた前記式(II)で表されるジケトエステル全体のx%が変化したことを意味するとして理解する。
【0021】
これを達成することができる最も簡単な様式は、前記式(III)で表されるアルキルヒドラジンを等モル量または過剰量で最初に仕込んだ(適宜溶媒または水に入れて)後に前記式(II)で表されるジケトエステルをゆっくり添加する(適宜溶媒に入れて)様式である。前記式(III)で表されるアルキルヒドラジンを最初に仕込んでおくことによって、アルキルヒドラジンとジケトエステルを化学量論的量で用いる時でも前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンが反応のほとんど100%に渡って存在することが確保される。
【0022】
また、最初に遊離アルキルヒドラジンを少量(例えば総量の10から20重量%)仕込んだ後に残りのアルキルヒドラジンと前記ジケトエステルを同時に添加する(両方を適宜溶媒または水に入れて)ことも可能である。ここでは、最初にアルキルヒドラジンを少量添加しておくのが有利である。
【0023】
前記式(II)で表されるジケトエステルを式(VI):
【0024】
【化8】
Figure 0004725939
【0025】
[式中、
2、R3およびR4は、各々、式(I)で定義した通りであり、そして
Mは、1当量のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を表す]
で表されるエノラート形態で用いるのが好適である。
【0026】
アルキルヒドラジニウム塩を用いる場合、これは式(VII)
[R1NH2−NH2]+- (VII)
[式中、
1は、式(I)で定義した通りであり、そして
-は、有機もしくは無機酸のアニオンを表す]
に相当し得る。
【0027】
無機酸の適切なアニオンX-は、例えば塩化物、臭化物、フッ化物、水素硫酸塩、二水素燐酸塩および水素炭酸塩である。好適なアニオンX-は有機酸のアニオンである。この場合、X-は特にR5COO-[ここで、R5はC1−C10−脂肪族またはC6−C12−芳香族基を表し、これらは各々場合により置換されていてもよい]を表す。R5は好適には蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩または安息香酸塩を表す。
【0028】
また、R5はCOO-部分と一緒になって多塩基性有機酸のアニオンを表してもよい。その例はしゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸およびクエン酸のアニオンであり、これらは各場合ともモノアニオンまたはポリアニオンであってもよい。そのようなアニオンはCOO-部分を1つ以上含んでいてもよくかつ適宜追加的にまたCOOH基を含んでいてもよい。
【0029】
多塩基性有機酸のアニオンの場合には、この酸を基準にして前記アルキルヒドラジンを等量、即ち酸基の数に等しい量で用いてもよい。
【0030】
アルキルヒドラジニウム塩を用いた時にも本発明に従って要求する式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンが存在するようにする目的で、前記ジケトエステルもしくはそれのエノラートとの反応を行う前に前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンをアルキルヒドラジニウム塩に添加しておくのが有利である。
【0031】
本発明に従う方法は、例えば、前記式(VI)で表されるジケトエステルエノラート[例えば前記式(IV)で表されるケトンと前記式(V)で表されるしゅう酸エステルの縮合反応で得られる粗反応混合物の形態]を計量してできるだけ等モル量の前記式(VII)で表されるアルキルヒドラジニウム塩[これは前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンをある比率で含有する]の混合物に加えることなどで実施可能である。前記式(VII)で表されるアルキルヒドラジニウム塩と前記式(VI)で表されるジケトエステルエノラートを反応させると前記式(II)で表される遊離ジケトエステルと前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンがインサイチューで生じ、これらは自発的に反応して前記式(I)で表される所望のピラゾールが生じる。
【0032】
しかしながら、また、前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンとの混合物の状態(適宜溶媒または水の存在下)の前記式(VII)で表されるアルキルヒドラジニウム塩を、最初に仕込んでおいた前記式(II)で表されるジケトエステルにか或は前記式(VI)で表されるそれのエノラートに添加することも可能である。このようにして、前記エノラートから遊離して来るジケトエステルが常に遊離アルキルヒドラジンに出会うことを確保する。
【0033】
溶媒および/または水を用いる場合、この用いる溶媒と水の総量を一般に撹拌可能な懸濁液または溶液が存在するように選択する。溶媒と水を一緒にした総量を反応混合物1モル当たり例えば100から2000mlの範囲にしてもよい。この量を好適には200から1000ml、特に好適には250から500mlにする。水が溶媒と水の総量の例えば10から60重量%、好適には15から40重量%を構成するようにしてもよい。
【0034】
本発明に従う方法では、前記反応が終了した後にも前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンが例えば0.1から200モル%(用いたジケトエステルまたはそれのエノラートを基準)存在するような量で式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンを用いかつ適宜前記式(VII)で表されるアルキルヒドラジニウム塩をそのような量で用いるのが有利である。前記量を特に好適には1から50モル%、特に5から20モル%にする。
【0035】
前記式(VI)で表されるジケトエステルエノラートの調製をアルコキサイドの存在下で実施する場合、このアルコキサイドの量は幅広い範囲内で多様であり得る。アルコキサイドを前記式(IV)で表されるケトンを基準にして少なくとも90モル%用いるのが好適である。
【0036】
前記式(II)で表されるジケトエステルの調製をこの上に記述したように先行する段階で前記式(IV)で表されるジアルキルケトンと前記式(V)で表されるしゅう酸エステルを用いて行う場合にもまたそれらのモル比は多様であり得る。この反応をしゅう酸エステルを若干過剰量で用いて実施するのが好適であり、例えば式(IV)で表されるジアルキルケトンおよび式
M(OR6)n (VIII)
[式中、
Mは、式(VI)で定義した通りであり、
6は、C1−C4−アルキルを表し、そして
nは、Mの原子価に相当する]
で表されるアルコキサイドを各場合とも化学量論的に1から10モル%少ない量で用いて実施するのが好適である。
【0037】
前記ジアルキルケトンと前記アルコキサイドを好適にはほぼ等モル量で用いる。前記式(IV)で表されるジアルキルケトン0.9から0.99モル当たりに、例えば前記式(V)で表されるしゅう酸エステルを0.9から1.1モルと例えば式(VIII)で表されるアルコキサイドを0.9から1.1モル一緒に用いてもよい。
【0038】
前記式(VII)で表されるアルキルヒドラジニウム塩を前記式(III)で表されるアルキルヒドラジンと例えば式R5COOHで表されるカルボン酸から生じさせる場合には、この2者の出発材料のモル比をアルキルヒドラジニウム塩が生じた後に式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンが例えば1から200モル%存在するように選択するのが有利である。
【0039】
その場合、例えば式R5COOHで表されるカルボン酸を過剰量で存在させるのが有利なのは、例えば前記式(VI)で表されるジケトエステルエノラートの調製に由来してアルコキサイドを過剰量で存在させた時のみである。その場合、アルコキサイドが過剰量で存在していても過剰量の酸で中和され得る。
【0040】
本発明に従う反応の反応温度は例えば−20から+100℃の範囲であってもよい。0から80℃が好適であり、特に好適には0から50℃にする。このような温度をまた次にいくらか行う撹拌中も維持する。
【0041】
反応時間(=反応相手を混合する時間+次の撹拌時間)は例えば0.5から12時間の範囲であってもよい。これを好適には1から8時間の範囲、特に好適には2から5時間の範囲にする。
【0042】
本発明に従う方法では下記の2,4−ジケトエステル成分を好適に用いる:2,4−ジケトペンタンカルボン酸エチルをナトリウム、リチウム、カリウムもしくはマグネシウムエノラート塩として、2,4−ジケトヘキサンカルボン酸エチル、2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチル、2,4−ジケトオクタンカルボン酸エチルおよび2,4−ジケト−3−エチルペンタンカルボン酸エチル(各場合ともそれらのナトリウム、リチウム、カリウムもしくはマグネシウムエノラート塩の形態)、または上述したジケトカルボン酸のメチル、n−プロピル、i−プロピルおよびn−、i−、s−およびt−ブチルエステル(上述したエノラート塩の形態)。
【0043】
前記式(III)で表される好適なアルキルヒドラジン類はメチル−、エチル−、n−プロピル−、i−プロピル−、n−ブチル−、t−ブチル−、ベンジル−およびn−ペンチルヒドラジンである。
【0044】
本発明に従う方法の一般的態様を以下に例として2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチルとメチルヒドラジンの反応を用いて説明する:
最初に、公知手順(例えばOrganicum、19版、490頁(1993)参照)に類似した様式で、エタノールに入っているナトリウムエトキサイドを補助塩基として用いて2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチルのナトリウム塩を2−ペンタノンとしゅう酸ジエチルから生じさせる。エノラートが沈澱しないように前記溶液を50℃に保持しながらこれを1時間かけてメチルヒドラジンと酢酸の混合物(1.1:1のモル比)(前以て生じさせておいた)に添加する。撹拌を継続しながら過剰量のエタノールを留出させた後、この混合物をトルエンおよび適宜さらなる水と一緒に混合する。相分離の度合を向上させる目的で、適宜適切な界面活性剤、例えばアルカンスルホネートなどを添加してもよく、そして/または塩、例えばアルカリ金属のハロゲン化物などを添加して水相中のイオン濃度を高めることも可能である。次に、トルエン相を分離した後、水相をトルエンで更に2回抽出する。この有機相を一緒にした後、水で再抽出する。この水は適宜酸および/または塩を含有し得る。次に、粗ピラゾールが入っているトルエン溶液から溶媒を留出させることでそれの濃縮を行った後、その残留物に分別蒸留を減圧下で受けさせる。分離費用をあまりかけることなく2種類の異性体であるピラゾールを高純度形態で単離することができる。
【0045】
本発明に従う方法を用いると、所望の1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルが望まれない悪異性体(=1−アルキル−ピラゾール−3−カルボン酸エステル)を基準にして各場合とも一般に8倍を越える量、しばしば10倍を越える量、またはそれよりもずっと高い量で生じる。
【0046】
本発明に従う方法がそのように所望1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステル生成のレジオセレクティビティー(regioselectivity)に対して極めて好ましい効果を示すことは極めて驚くべきことである。従来技術の場合(また比較実施例も参照)のように前記式(III)で表される遊離アルキルヒドラジンを反応中に全く存在させないと、前記式(I)で表される所望異性体の量に比べて生じる望まれない異性体の量の方が多くなるか、或は得られる所望異性体の過剰量がかなり低くなってしまう。遊離アルキルヒドラジンの過剰量が僅かであっても示すように異性体分布の実質的な逆転が起こることは特に驚くべきことであるとして挙げるべきであろう。
【0047】
前記式(I)で表される1−アルキル−ピラゾール−5−カルボン酸エステルは、血管作動性および/または鎮痙作用を示す薬学活性化合物(ヨーロッパ特許出願公開第463 756号、ヨーロッパ特許出願公開第526 004号、WO 94/28902およびドイツ特許出願公開第19 27 429号を参照)を製造する時の有用な中間体でありかつまた殺虫および殺ダニ作用を示す有害生物防除剤(特開89−114 466を参照)を製造する時の有用な中間体である。
【0048】
(実施例)
実施例1
最初に50mlのエタノールにメチルヒドラジンを10.4g入れた後、撹拌および外部冷却を行いながら、50mlのエタノールに2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチルが42.9g入っている溶液と一緒に混合したが、この間、内部の温度を5から10℃に保持した(滴下に要した時間:10分)。この溶液を5から10℃で更に30分間撹拌し、溶媒および生じた水を留出させた後、残留物を減圧下で分別蒸留した。所望の1−メチル−3−n−プロピル−ピラゾール−5−カルボン酸エチルが125から128℃(13mm)で留出して来た。収率は理論値の78.3%であった。更に蒸留(166から168℃/13mm)を行うことで、望まれない異性体(=1−メチル−5−n−プロピル−ピラゾール−3−カルボン酸エチル)を理論値の7.9%の収率で得た。従って、異性体の比率は所望異性体の方が高く、約10:1であった。
実施例2(比較)
実施例1の手順とは逆に、最初に50mlのエタノールに2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチルを42.9g入れた後、撹拌および外部冷却を行いながら、10.4gのメチルヒドラジンを5から10℃で1時間かけて滴下した。実施例1の手順に従って処理そして蒸留による精製を行うことで、1−メチル−3−n−プロピル−ピラゾール−5−カルボン酸エチルを理論値の40.5%および1−メチル−5−n−プロピル−ピラゾール−3−カルボン酸エチルを理論値の51%得た。従って、異性体の比率は望まれない異性体の方が高く、約5:4であった。
実施例3
最初に1 lの4つ口フラスコにしゅう酸ジエチルを1462g仕込んだ後、ペンタン−2−オンを776g加えた。撹拌を25から40℃で行いながら、エタノール中20重量%濃度のナトリウムエトキサイド溶液を3400g計量して1時間かけて入れた。この反応混合物を50℃で1時間そして次に還流下で1時間撹拌した後、再び50℃に冷却した。次の撹拌中、別のフラスコに最初にメチルヒドラジンを506g(10.95モル)仕込み、そして600g(10モル)の酢酸を5から30℃で1時間かけて滴下した後、この混合物を10℃に冷却した。この混合物に、最初に調製して50℃に保持しておいた2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチルのエノラート溶液を2時間かけて滴下したが、この間、反応混合物の温度を8から15℃の範囲に保持しかつ前記エステルエノラート溶液の温度を45から55℃に保持した。前記滴下が終了した後、更に氷酢酸を60g加えて、溶媒を釜温度が88℃に到達するまで留出させた。残留物を冷却した後、撹拌を行いながら2000mlのトルエン、5000mlの水、500gの界面活性剤[Mersolat(商標)H30]および20gの塩化ナトリウムと一緒に混合した。水相を分離して200mlのトルエンで抽出した。有機相を一緒にして2000gの5重量%濃度硫酸水溶液そして2000mlの水で洗浄した。その後、この有機相の濃縮を60ミリバールで70℃の釜温度に到達するまで行った。それによって褐色油状物を1748g得たが、これは1−メチル−3−n−プロピル−ピラゾール−5−カルボン酸エチルを74.7重量%と望まれない1−メチル−5−n−プロピル−ピラゾール−3−カルボン酸エチルを5.8重量%含有しており、これは所望化合物の粗収率が理論値の73.9%であることに相当する。従って、異性体の比率は所望異性体の方が高く、約13:1であった。
【0049】
蒸留を減圧下で行うことで沸点が11ミリバール下121℃の所望生成物を最初の溜分として1152g得、これの純度(GC)は99.9%であった。この高純度生成物の収率は理論値の65%であった。

Claims (1)

  1. 2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチルエノラートをメチルヒドラジンと酢酸の混合物に添加し、ここで、メチルヒドラジンを、反応が終了した後に用いた2,4−ジケトヘプタンカルボン酸エチルエノラートを基準として5〜200モル%の遊離のメチルヒドラジンが依然として存在するような量で使用することを特徴とする、1−メチル−3−n−プロピル−ピラゾール−5−カルボン酸エチルを1−メチル−5−n−プロピル−ピラゾール−3−カルボン酸エチルの量よりも10倍より多い量で製造する方法。
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