JP4725237B2 - レーザ共振器 - Google Patents

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Description

本発明は、損傷防止機能をもつ、内部波長変換型のレーザ共振器に関するものである。
従来、Nd:YAGの如きレーザ媒質及び所定の鏡体で構成したレーザ共振器において、レーザ媒質により発生する所定の波長のレーザ光をSHG結晶の如き波長変換素子を用いて波長変換し、この波長変換した光を出力する内部変換型のレーザ共振器が提供されている。
内部波長変換型のレーザでは、レーザ共振器内部に置いた波長変換素子による波長変換光を出力として取り出す。これにより内部レーザ光強度を高くすることができ、かつ波長変換しなかった残りのレーザ光を再利用できるため外部波長変換型レーザに比べて高効率動作が可能である。
図1は、従来の内部変換型のレーザ共振器の概略を示す図である。
このレーザ共振器100は、全反射鏡による終端鏡101と、Nd:YAGの如きレーザ媒質102と、波長選択鏡による出力鏡103とからなるレーザ共振器において、このレーザ共振器の光軸上に配置されたSHG結晶の如き波長変換素子104を具備する。
レーザ共振器で発生した所定波長のレーザ光は、波長変換素子104によって波長を変換され、出力鏡103を介して出力される。
特開平5−206560号公報 特開2002−344051号公報
しかしながら、内部波長変換型のレーザ共振器では、レーザ光をレーザ共振器内部に閉じ込めて高効率の動作を確保するため、レーザ共振器におけるレーザ光の損失を最小限にしている。このため初期条件設定時や共振器立ち上げ時など、波長変換素子における波長変換効率が低い状態において、レーザ共振器内部のレーザ強度が上がりすぎて光学部品が損傷する懸念があった。また、これを回避するために、レーザ共振器内部のレーザ光の強度を低下させるように意図的に損失を与えれば、レーザ共振器における動作効率が低下する問題がある。
本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、レーザ共振器の動作効率を確保しつつ、初期条件設定時や立上げ時など波長変換素子の変換効率が低いときでもレーザ強度を制御できるようなレーザ共振器を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するため、本発明に係るレーザ共振器は、レーザ媒質を励起して第1波長のレーザ光を発生させるレーザ共振器において、前記レーザ共振器の光路上に設置され、前記第1波長のレーザ光をこの第1波長と異なる第2波長のレーザ光に変換する波長変換素子と、前記レーザ共振器の光路上に設置され、前記第1波長のレーザ光の損失を制御する損失制御素子と、を有する。
前記レーザ共振器は、同一光軸上に配置した終端鏡、レーザ媒質及び出力鏡を備え、前記終端鏡と出力鏡間で繰り返し反射する光を前記レーザ媒質で増幅して第1波長のレーザ光を発生させ、この第1波長のレーザ光は前記波長変換素子で第2波長に変換されて前記出力鏡を介して出力されることが好ましい。
前記レーザ共振器は、第1終端鏡と、出力鏡と、第2終端鏡と、レーザ媒質とを有し、前記第1終端鏡及び前記出力鏡を結ぶ第1光路と、前記第2終端鏡と前記出力鏡を結ぶ第2光路とに沿って、前記出力鏡を前記第1及び第2光路の折り返し鏡として繰り返し反射する光を前記第2光路上に配置された前記レーザ媒質で増幅して第1波長のレーザ光を発生させるものであって、前記波長変換素子は前記第1光路上に配置され、前記損失制御素子は前記第2光路上であって前記レーザ媒質と前記出力鏡間に配置され、前記第1波長のレーザ光は前記波長変換素子で第2波長に変換されて前記出力鏡を介して出力されることが好ましい。
前記損失制御素子は、前記第2光路上の前記出力鏡と前記レーザ媒質間に配置され、所定偏光方向のレーザ光を前記出力鏡方向と前記レーザ媒質方向で折り返す偏光選択素子と、前記第2光路上の前記出力鏡と前記偏光選択素子間に配置されたレーザ光の偏光方向を制御可能な偏光制御素子と、を有することが好ましい。
前記損失制御素子は、前記第2光路上の前記出力鏡と前記レーザ媒質間に配置され、所定偏光方向のレーザ光を折り返す互いに平行な反射面を有する一組の偏光制御素子と、前記第2光路上の前記一組の偏光制御素子間に配置されたレーザ光の偏光方向を制御可能な偏光制御素子と、を有することが好ましい。
前記偏光選択素子は、偏光ビームスプリッタであることが好ましい。
前記偏光制御素子は、波長板であることが好ましい。
前記第2光路上の前記第2終端鏡媒質と前記損失制御素子間にQスイッチを有することが好ましい。
本発明では、損失が可変な損失制御素子を用いて、レーザ共振器内部のレーザ強度を調整することにより問題を解決している。すなわち、波長変換素子の効率が低いときには損失制御素子による損失を大きくし、波長変換素子の効率が高いときには損失制御素子による損失を小さくするように、レーザの状態によって損失制御素子の損失を適切に変化させることにより、光学部品の損傷防止と共振器の高効率動作を両立させている。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明に係るレーザ共振器の最小限の構成を示す図である。
このレーザ共振器10は、全反射鏡による終端鏡11と、Nd:YAG、Nd:YLFの如きレーザ媒質12と、波長選択鏡による出力鏡13から構成されるレーザ共振器において、このレーザ共振器の光軸上に設置されたLBO,BBO結晶の如き波長変換素子14と、前記光軸上に設置された損失制御素子15とを有している。
終端鏡11と、レーザ媒質12と、出力鏡13とからなるレーザ共振器は、終端鏡11と出力鏡13間で反射して往復する光を、図示しないクリプトンランプなどの励起源によって励起されたレーザ媒質12によって増幅してレーザ発振させ、第1波長のレーザ光を発生させる。
レーザ共振器によって発生した第1波長のレーザ光は、波長変換素子14によって波長を第2波長に変換され、この第2波長の光は出力鏡13を介して外部に出力される。
ここで、レーザ共振器内でのレーザ光の損失については、最終的に出力される第2波長のレーザ光に対して出力が最大になるような最適値を取るように設計されるが、第1波長のレーザ光に対しては最小になるように設計されている。
一方、初期条件設定のための調整時、レーザ発振器の立上げ時などには、波長変換素子の変換効率が低いため、第1波長から第2波長への変換が十分に行われず、レーザ共振器内では第1波長のレーザ光が主成分になるが、前述のように第1波長に対するレーザ共振器の損失は低い値であるため、レーザ共振器内の第1波長のレーザ光強度が過大になる恐れがある。
損失制御素子24は、初期調整時や立上げ時など、波長変換素子の変換効率が低く、第2波長のレーザ光が安定して得られるまでの期間、レーザ共振器における第1波長のレーザ光に対する損失を大きくすることにより、レーザ光の強度を所定範囲内に制御している。
このレーザ共振器10は、このような損失制御素子15を備えることにより、初期条件設定時や立上げ時などにも、レーザ発振器内部のレーザ光の強度を制御することができる。したがって、このような場合においても、光学部品の破損が生じないようにすることができる。
図3は、本発明に係るレーザ共振器の第1の実施の形態を示す図である。
レーザ共振器20は、全反射鏡による第1終端鏡21と、波長選択による出力鏡23と、これら第1終端鏡21と出力鏡23を結ぶ第1光路L21上に配置された波長変換素子22とを有している。
また、レーザ共振器20は、第2終端鏡27と、出力鏡23と第2終端鏡27を結ぶ第2光路L22上に、レーザ媒質26と、レーザ媒質26と出力鏡23間に配置されたQスイッチ25と、Qスイッチ25と出力鏡23間に配置された損失制御素子24とを有している。
出力鏡23は、第1及び第2光路L21,L22の光軸に対して略45度の角度を有して配置され、レーザ光を前記光軸L21に沿って外部に出射するとともに、第1光路L21に沿ったレーザ光と第2の光路L22に沿ったレーザ光の方向を互いに転換する折り曲げ鏡を兼ねている。この出力鏡23は、レーザ媒質26によって発生された第1波長のレーザ光に対する反射率が高く、第1レーザ光を波長変換素子22で波長変換した第2レーザ光に対する透過率が高いような特性を有している。
損失制御素子24は、Qスイッチ25と出力鏡23間に配置された偏光ビームスプリッタ(以下では、PBSという。)24bと、PBS24bと出力鏡23間に配置された1/4波長板24aとを有している。
この損失制御素子24において、PBS24bと1/4波長板24aは、それぞれ偏光選択素子及び偏光制御素子として、レーザ光の損失を制御する損失制御素子を構成している。
すなわち、1/4波長板24aは、第2光路L22の光軸周りに回転することにより、透過するレーザ光の偏光方向を制御する。PBS24bは、1/4波長板24aから供給されるレーザ光の内、s偏光を反射してQスイッチ25、レーザ媒質26及び第2終端鏡27方向の第2光路L22に折り曲げるが、p偏光を光路外に透過させる。
続いて、前述した構成を有する第1の実施の形態のレーザ共振器20の作用を説明する。
第1終端鏡21と出力鏡23間の第1光路L21と、出力鏡23と第2終端鏡27間の第2光路L22が、出力鏡23で折り返された一連の光路上にレーザ媒質26を備えるレーザ共振器において、この光路を繰り返し反射する光は、図示しないクリプトンランプ等の励起源によって励起されたレーザ媒質26によって増幅され、第1波長のレーザ光を発生する。
本実施の形態では、第2光路L22中にQスイッチ25を備え、レーザ媒質26に蓄積されるエネルギーが十分大きくなるまでQスイッチ25内部の損失を十分に大きくしてレーザ発振を停止させ、十分な励起強度に達した後にQスイッチ25の内部損失を無くしてレーザ発振を開始させるように、Qスイッチ25を制御している。
Qスイッチ25がオンされると、Qスイッチ25を透過したレーザ光は、第1の光路L21上の波長変換素子22によって第1波長から第2波長に変換される。この第2波長のレーザ光は、出力鏡23を透過してレーザ共振器外に出力される。
本実施の形態のレーザ共振器20は、Qスイッチ25によるスイッチングにより間歇的にレーザ光を発生する。しかしながら、Qスイッチ25を設けず、レーザ共振器でレーザ光を連続発振(CW)させることにより、レーザ光を連続的に出力することも可能である。
本実施の形態において、損失制御素子24は、初期調整時や立上げ時など、波長変換素子の変換効率が低く、第2波長のレーザ光が安定して得られるまでの期間、レーザ共振器における第1波長のレーザ光に対する損失を大きくすることにより、レーザ光の強度を所定範囲内に制御している。
このため、損失制御素子24において、1/4波長板24aの第2光路L22周りの回転角度を制御して、PBS24bの反射面に対するs偏光とp偏光の割合を制御する。すなわち、レーザ光の損失を大きくする場合には、PBS24の反射面を透過して光路外に出射されるp偏光の割合が多くなるようにする。一方、レーザ光の損失を小さくする場合には、PBS24の反射面で反射され、Qスイッチ25、レーザ媒質26及び第2終端鏡27に向かう第2光路L22に折り返されるs偏光の割合が多くなるようにする。
このように、レーザ光の損失を適切に制御することにより、初期条件設定時や立上げ時などにおいてもレーザ光の強度が大きくなりすぎないように制御している。したがって、レーザ光の強度が大きくなりすぎることにより、光学部品が破損することを防止することができる。
一方、初期条件設定時や立上げ時から一定時間を経過して、第1波長でのレーザ発振が安定して、波長変換素子22の波長変換効率が向上した状態では、損失制御素子24における損失が最低限になるように制御する。これによって、レーザ共振器20における高効率な動作を確保することができる。
具体的に、上述のレーザ光の損失制御は、損失制御素子24において、初期条件時や立上げ時から一定時間を経過するまでレーザ光に所定損失が生じるように設定することができる。また、レーザ共振器におけるレーザ光の状態を適当な検出手段でモニタリングし、レーザ光が第1波長に安定するまでの期間にわたってレーザ光に所定損失が生じるように設定することができる。
図4は、本発明に係るレーザ共振器の第2の実施の形態を示す図である。
レーザ共振器30は、全反射鏡による第1終端鏡31と、波長選択による出力鏡33と、これら第1終端鏡31と出力鏡33を結ぶ第1光路L31上に配置された波長変換素子32とを有している。
また、レーザ共振器30は、第2終端鏡38と、出力鏡33と第2終端鏡38を結ぶ第2光路L32上に、レーザ媒質37と、レーザ媒質37と出力鏡23間に配置されたQスイッチ36と、Qスイッチ36と出力鏡33間に配置された損失制御素子35と、損失制御素子35と出力鏡33間に配置された折り曲げ鏡34とを有している。
出力鏡33は、第1及び第2光路L31,L32の光軸に対して略45度の角度を有して配置され、レーザ光を前記光軸L31に沿って外部に出射するとともに、第1光路L31に沿ったレーザ光と第2の光路L32に沿ったレーザ光の方向を互いに転換する折り曲げ鏡を兼ねている。この出力鏡33は、レーザ媒質37によって発生された第1波長のレーザ光に対する反射率が高く、第1レーザ光を波長変換素子32で波長変換した第2レーザ光に対する透過率が高いような特性を有している。
損失制御素子35は、第2光路L32上に、折り曲げ鏡34とQスイッチ間に互いに平行な反射面を有する一組の第1及び第2PBS35a,35cと、これら第1及び第2PBS間に1/2波長板35bとを有している。これらの内で、第1及び第2PBS35a,35cは偏光選択素子を構成し、1/2波長板35bは偏光制御素子を構成している。
第1PBS35aは、その反射面で第2光路L32を折り曲げ鏡34方向と1/2波長板35b及び第2PBS35c方向間で折り曲げている。ここで、第1PBS35aは、1/2波長板35bから供給されるレーザ光のうち、s偏光を反射して折り曲げ鏡34方向に折り曲げるが、P偏光を光路外に透過させる。1/2波長板35bは、第2光路L22の光軸周りに回転することにより、透過するレーザ光の偏光方向を制御する。第3PBS35cは、その反射面で第2光路L32を第1PBS35a及び1/2波長板35b方向と第2PBS35bc方向間で折り曲げている。第2PBS35cは、1/2波長板35bから供給されるレーザ光のうち、s偏光を反射してQスイッチ36、レーザ媒質37及び第2終端鏡38方向の第2光路L32に折り曲げるが、P偏光を光路外に透過させる。
続いて、前述した構成を有する第2の実施の形態のレーザ共振器30の作用を説明する。
第1終端鏡31と出力鏡33間の第1光路L31と、出力鏡33と第2終端鏡38間の第2光路L32が、出力鏡33で折り返された一連の光路上にレーザ媒質37を備えるレーザ共振器において、この光路を繰り返し反射する光は、図示しないクリプトンランプ等の励起源によって励起されたレーザ媒質37によって増幅され、第1波長のレーザ光を発生する。
本実施の形態では、第2光路L32中にQスイッチ36を備え、レーザ媒質37によって増幅されるレーザ光の強度が十分大きくなるまで第2終端鏡38とQスイッチ36間でレーザ光を往復させ、十分な強度に達した後にQスイッチ36を透過させるように、Qスイッチ36を制御している。
Qスイッチ36がオンされると、Qスイッチ36を透過したレーザ光は、第1の光路上L31の波長変換素子32によって第1波長から第2波長に変換される。この第2波長のレーザ光は、出力鏡33を透過してレーザ共振器外に出力される。
本実施の形態のレーザ共振器30は、Qスイッチ36によるスイッチングにより間歇的にレーザ光を発生する。しかしながら、Qスイッチ36を設けず、レーザ共振器でレーザ光を連続発振させることにより、レーザ光を連続的に出力することも可能である。
本実施の形態において、損失制御素子35は、初期条件設定時や立上げ時など、レーザ共振器から供給されるレーザ光が所定の第1波長から外れた場合、レーザ共振器の動作が安定して第1波長のレーザ光が得られるようになるまでの期間、レーザ共振器におけるレーザ光の損失を大きくすることにより、レーザ光の強度を所定範囲内に制御している。
このため、損失制御素子35において、1/2波長板35bの第2光路L32周りの回転角度を制御して、第1及び第2PBS35a,35cの反射面に対するs偏光とp偏光の割合を制御する。すなわち、レーザ光の損失を大きくする場合には、第1及び第2PBS35a,35cの反射面を透過して光路外に出射されるp偏光の割合が多くなるようにする。一方、レーザ光の損失を小さくする場合には、1/2波長板35bから第1及び第2PBS35a,35cの反射面で反射され、この損失制御素子35への第2光路L32に折り返されるs偏光の割合が多くなるようにする。
このように、レーザ光の損失を適切に制御することにより、初期条件設定時や立上げ時などにおいてもレーザ光の強度が大きくなりすぎないように制御している。したがって、レーザ光の強度が大きくなりすぎることにより、光学部品が破損することを防止することができる。
一方、初期条件設定時や立上げ時から一定時間を経過して、レーザ光が所定の第1波長に安定し、波長変換素子32の波長変換効率が向上した状態では、損失制御素子35における損失が最低限になるように制御する。これによって、レーザ共振器30における高効率な動作を確保することができる。
具体的に、上述のレーザ光の損失制御は、損失制御素子35において、初期条件時や立上げ時から一定時間を経過するまでレーザ光に所定損失が生じるように設定することができる。また、レーザ共振器におけるレーザ光の状態を適当な検出手段でモニタリングし、レーザ光が第1波長に安定するまでの期間にわたってレーザ光に所定損失が生じるように設定することができる。
なお、前述の実施の形態における損失制御素子24,35における偏光制御素子としては、1/4波長板24a又は1/2波長板35bに代わって、ポッケルスセル、煽り角を有する誘電体多層膜、フレネル素子、ファラデーローテータを利用することも可能である。偏光制御素子に代わって、損失制御素子としてNDフィルタまたは音響光学素子を利用することも可能である。
また、前述の実施の形態においては、Qスイッチ25,36は、第2光路L22,L32においてレーザ媒質26,37と出力鏡23,33間に配置したが、本発明はこれに限定されない。Qスイッチ25,36は、レーザ媒質26,37と第2終端鏡27,38間に配置することも可能である。
従来のレーザ共振器の構成を示す図である。 レーザ共振器の最小構成を示す図である。 レーザ共振器の第1の実施の形態を示す図である。 レーザ共振器の第2の実施の形態を示す図である。
符号の説明
11 終端鏡
12 レーザ媒質
13 出力鏡
14 波長変換素子
15 損失制御素子

Claims (8)

  1. レーザ媒質を励起して第1波長のレーザ光を発生させるレーザ共振器において、
    前記レーザ共振器の光路上に設置され、前記第1波長のレーザ光をこの第1波長と異なる第2波長のレーザ光に変換する波長変換素子と、
    前記レーザ共振器の光路上に設置され、前記第1波長のレーザ光の損失を制御する損失制御素子と、
    を有し、
    前記波長変換素子の変換効率が低く、第2波長のレーザ光が安定して得られるまでの期間、前記損失制御素子により第1波長のレーザ光に対する損失を大きくすることにより、レーザ光の強度を所定範囲内に制御するとともに、前記波長変換素子の変換効率が向上した状態では、前記損失制御素子における損失が最低限になるように制御することを特徴とするレーザ共振器。
  2. 前記レーザ共振器は、同一光軸上に配置した終端鏡、レーザ媒質及び出力鏡を備え、前記終端鏡と出力鏡間で繰り返し反射する光を前記レーザ媒質で増幅して第1波長のレーザ光を発生させ、この第1波長のレーザ光は前記波長変換素子で第2波長に変換されて前記出力鏡を介して出力されること特徴とする請求項1記載のレーザ共振器。
  3. 前記レーザ共振器は、第1終端鏡と、出力鏡と、第2終端鏡と、レーザ媒質とを有し、前記第1終端鏡及び前記出力鏡を結ぶ第1光路と、前記第2終端鏡と前記出力鏡を結ぶ第2光路とに沿って、前記出力鏡を前記第1及び第2光路の折り返し鏡とした一連の光路を繰り返し反射する光を前記第2光路上に配置された前記レーザ媒質で増幅して第1波長のレーザ光を発生させるものであって、
    前記波長変換素子は前記第1光路上に配置され、前記損失制御素子は前記第2光路上であって前記レーザ媒質と前記出力鏡間に配置され、前記第1波長のレーザ光は前記波長変換素子で第2波長に変換されて前記出力鏡を介して出力されること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ共振器。
  4. 前記損失制御素子は、前記第2光路上の前記出力鏡と前記レーザ媒質間に配置され、所定偏光方向のレーザ光を前記出力鏡方向と前記レーザ媒質方向で折り返す偏光選択素子と、前記第2光路上の前記出力鏡と前記偏光選択素子間に配置されたレーザ光の偏光方向を制御可能な偏光制御素子と、を有することを特徴とする請求項3記載のレーザ共振器。
  5. 前記損失制御素子は、前記第2光路上の前記出力鏡と前記レーザ媒質間に配置され、所定偏光方向のレーザ光を折り返す互いに平行な反射面を有する一組の偏光制御素子と、前記第2光路上の前記一組の偏光制御素子間に配置されたレーザ光の偏光方向を制御可能な偏光制御素子と、を有することを特徴とする請求項3記載のレーザ共振器。
  6. 前記偏光選択素子は、偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項4又は5記載のレーザ共振器。
  7. 前記偏光制御素子は、波長板であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のレーザ共振器。
  8. 前記第2光路上の前記第2終端鏡と前記損失制御素子間にQスイッチを有することを特徴とする請求項4又は5記載のレーザ共振器。
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