JP4724635B2 - 二輪車用クラッチ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、二輪車に使用されるクラッチ装置に関するものである。
一般的な二輪車のエンジン及びミッションは、そのエンジンのクランクシャフトと、そのクランクシャフトから動力が伝達されるミッションのメインシャフト、及びそのメインシャフトとギヤを介して噛み合う受け側ドライブシャフトの3軸を備え、前記クランクシャフトとメインシャフトとがクラッチ装置を介して動力伝達可能となっている。
クラッチ装置の構成は、例えば、図6に示すように、また、二輪車の車体幅方向端部に設けられたクランクケースカバー2内にクラッチ装置1が収納されている。クラッチ装置1は、クラッチハウジング(クラッチアウター)30と一体のプライマリドリブンギヤ(図示せず)が、前記メインシャフト20に対してベアリングを介して相対回転可能に支持されており、前記プライマリドリブンギヤにはクランクシャフト側のドライブギヤが噛み合っている。
そのクラッチハウジング30の内周部に、多数枚のクラッチフリクションディスク21が取付けられ、各クラッチフリクションディスク21は、前記クラッチハウジング30に対して一体に回転可能、且つ軸方向へ移動可能に支持されている。
メインシャフト20の外周部には、クラッチセンター23を介して多数枚のクラッチフリクションディスク21が取付けられ、そのクラッチセンター23及び各クラッチフリクションディスク21は、前記メインシャフト20と一体に回転可能となっている。
そのクラッチフリクションディスク21とクラッチプレート31とは、軸方向に交互に配置され、そのクラッチフリクションディスク21は、前記クラッチセンター23にクラッチスプリング25を介して取付けられたプレッシャプレート22から図中左方向への付勢力を受けている。
各クラッチフリクションディスク21は、常時は、前記付勢力により、プレッシャプレート22から図中左方向へ押圧されて、隣り合う各クラッチプレート31に係合し、その係合により、クランクシャフトの回転が、前記ドライブギヤ、プライマリドリブンギヤを介して、メインシャフト20に伝えられ、エンジンの駆動力がドライブシャフトに伝達可能な状態となっている。
また、クランクケースカバー2には、上下方向のレリーズピニオン用挿通孔10が設けられており、そのレリーズピニオン用の挿通孔10内に、オイルシール42、及び位置決めと抜け防止機能を有するサラネジ43等を介してレリーズピニオン(回転軸)40が配置されている。
レリーズピニオン40は、その上端がクランクケースカバー2外に突出し、その突出した上端外周に、スプライン状又はセレーション状の縦溝40aが形成されている。そのレリーズピニオン40の上端に、前記縦溝に噛み合う同じくスプライン状又はセレーション状の縦溝41aを有するレバー(レリーズアーム)41が嵌め込まれ、そのレバー41の先端の係止部41bに、クラッチワイヤー(ケーブル)が接続される(図5参照)。
また、レリーズピニオン40の下端にはピニオンギヤ40bが形成されており、そのピニオンギヤ40bは、クランクケースカバー2内に設けられたラック軸用の支持孔11内に配置されたラック軸(レリーズラック/進退軸)45のラック溝45aに噛み合っている。
運転者が、クラッチレバーを手で引いてクラッチワイヤーを引っ張ることにより、レバー41を介してレリーズピニオン40が軸周り回転し、前記ピニオンギヤ40b及びラック溝45aを介して、前記ラック軸45は、クラッチ装置1側へ向かって軸方向へ前進する。
そのラック軸45の前端は、クラッチ装置1側に設けた受圧板45cに当接している。また、その受圧板45cのクラッチ装置1側に一体の軸部45bが設けられており、その軸部45bが軸受部(ボールベアリング)46を介してリフタープレート24と軸周り回転可能、軸方向不動に接続されている。
ラック軸45が前進することにより、そのラック軸45の前端が、受圧板45c及び軸部45bを介してリフタープレート24を前記付勢力に抗して図中右側に押す。リフタープレート24が右側に押されると、プレッシャプレート22が前記付勢力に抗して図中右側へ移動し、クラッチフリクションディスク21とクラッチプレート31との係合は解除され、クランクシャフトからメインシャフト20への回転の伝達は遮断される。
また、運転者が、クラッチレバーを手から離すと、クラッチスプリング25の作用により、前記クラッチフリクションディスク21とクラッチプレート31とは再度係合して、エンジンの駆動力がドライブシャフトに伝達可能な状態となる。
一般に、ワイヤー式クラッチ装置は、いわゆる「遊び」の調整を行う必要があり、さらにそのクラッチワイヤーは、メンテナンスを怠れば、金属疲労等により走行中に破断することも考えられる。この破断は、走行中に前兆なく発生することから、二輪車が突然走行不能な状況に陥る場合もある。
このようなことから、上述のワイヤー式クラッチ装置に代えて、「遊び」が一定で変化せず、且つワイヤー破断の心配がない油圧式クラッチ装置が望まれる場合もある。
また、油圧の作用により前記係脱動作を行う油圧式クラッチ装置は、油圧伝達路の途中に増幅装置を介在させることができるので、より有利であるともいえる。
しかし、市場に出荷される際に、既にワイヤー式クラッチ装置を搭載されている市販の二輪車を、油圧式クラッチ装置を搭載したものに変更(改造)するためには、前記ワイヤーによる伝達機構を取り外すとともに、運転者による前記クラッチレバーの動作を、クラッチの係脱、すなわち、クラッチフリクションディスク21とクラッチプレート31との係脱動作に変換するための油圧伝達機構を新たに設けなければならない。
この油圧伝達機構は、クラッチレバーからクランクケース内に通じる油路と、その油路内の液圧を、前記リフタープレート24等への押圧力として伝達するためのシリンダ装置(前記増幅装置)等から構成される。
しかし、特に、シリンダ装置は大型であるため、手狭なクランクケースカバー2の内側空間においては、その収納スペースの確保が難しいという問題がある。
このため、シリンダ装置をクランクケースカバー2の外側に取付けた例があるが、このような態様は、シリンダ装置がクランクケースカバー2の外面から突出しているため美観に劣り、また、二輪車がカーブを走行中に車体が傾くと、その突出したシリンダ装置が接地して損傷することも考えられる。
そこで、この発明は、二輪車に搭載されたワイヤー式クラッチ装置を、油圧式クラッチ装置に変更するに際し、その油圧式クラッチ装置を構成するシリンダ装置をクランクケースカバー2内に収めることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、二輪車用ワイヤー式クラッチ装置をベースに、そのクラッチ装置を油圧式クラッチ装置に変更(改造)する、以下のクラッチ装置製造方法を採用した。
すなわち、そのベースとなる二輪車用ワイヤー式クラッチ装置の構成は、クランクケースカバーに回転軸をその軸周り回転可能に支持し、前記クランクケースカバーの内側に形成した水平方向の支持孔内に進退軸を挿入して前記進退軸をその軸方向へ進退可能に支持するとともに、クラッチワイヤーの動作により前記回転軸を軸周り回転させ、その回転により前記進退軸を軸方向へ進退させてクラッチを係脱できるようにした構成である。
その二輪車用ワイヤー式クラッチ装置を、油圧の作用によりクラッチを係脱できる油圧式クラッチ装置に変更するために、次なる構成を採用した。
その構成は、前記ワイヤー式クラッチ装置のクランクケースカバーから、前記進退軸を取り外すとともに前記支持孔のクラッチ側開口部を囲むシリンダブロックを取付け、そのシリンダブロック内にピストンを配置するとともにそのピストンを前記支持孔側に向かって付勢し、その支持孔に面する側のシリンダ室を前記支持孔に液密に連通させ、前記クランクケースカバーから前記回転軸を取り外すとともに、軸状を成し且つ内部に軸方向に伸びる油路を有するフルード管を取付け、そのフルード管の油路を前記支持孔に液密に連通させ、前記油路及び前記支持孔を介して前記シリンダ室に供給される油圧及び前記付勢力によりピストンを進退させて、そのピストンの進退によりクラッチを係脱させるようにした構成である。
クランクケースカバー内側において、油圧式クラッチ装置を構成するシリンダブロックを進退軸の支持孔周囲に固定するとともに、その支持孔を油路として利用して進退軸を廃したので、シリンダ装置は、変更前に進退軸が位置していたスペースを利用してコンパクトに収めることができる。このため、シリンダ装置がクランクケースカバーの外面から突出せず美観を損なわないとともに、車体が傾いた際の接地の問題も解消し得る。
また、この構成によれば、ワイヤー式、油圧式ともに共通のクランクケースカバーを使用できるので作業性、部品調達などコスト面で有利であるとともに、少数の部品交換により二輪車用ワイヤー式クラッチ装置を油圧式クラッチ装置に容易に短時間で変更(改造)することができて便利である。また、逆に、油圧式からワイヤー式への変更も可能であるので、二輪車の用途変更や、運転者の嗜好に基づいて手軽にクラッチの仕様を変更できる。
また、二輪車用ワイヤー式クラッチ装置をベースに、油圧式クラッチ装置に変更(改造)されたクラッチ装置の構成としては、クランクケースカバーに回転軸をその軸周り回転可能に支持し、前記クランクケースカバーの内側に形成した水平方向の支持孔内に進退軸を挿入して前記進退軸をその軸方向へ進退可能に支持するとともに、クラッチワイヤーの動作により前記回転軸を軸周り回転させ、その回転により前記進退軸を軸方向へ進退させてクラッチを係脱できるようにした二輪車用ワイヤー式クラッチ装置の前記クランクケースカバーに、前記進退軸に代えて前記支持孔のクラッチ側開口部を囲むシリンダブロックを取付けてそのシリンダブロック内にピストンを配置するとともにそのピストンを前記支持孔側に向かって付勢し、その支持孔に面する側のシリンダ室を前記支持孔に液密に連通させ、前記クランクケースカバーに、前記回転軸に代えて、軸状を成し且つ内部に軸方向に伸びる油路を有するフルード管を支持するとともにそのフルード管の油路を前記支持孔に液密に連通させ、前記油路及び前記支持孔を介して前記シリンダ室に供給される油圧及び前記付勢力によりピストンを進退させて、そのピストンの進退によりクラッチを係脱させるようにした二輪車用油圧式クラッチ装置の構成である。
この構成の二輪車用油圧式クラッチ装置において、前記回転軸は、ピニオンギヤを備えたレリーズピニオンであり、前記進退軸は、ラック溝を有するラック軸であり、前記ピニオンギヤに前記ラック溝が噛み合っており、前記フルード管は、前記クランクケースカバーの内面に沿って形成された上下方向の挿通孔内に挿入されて支持されており、前記挿通孔と支持孔とは前記ピニオンギヤと前記ラック溝との噛合い部分で連通しており、前記フルード管の油路は、そのフルード管の外周面に前記連通部分に向く開口部を有して、その開口部の上方又は下方、あるいはその両方に、前記挿通孔の内周面とフルード管外周面との間を液密に閉じるシール部を設けた構成を採用し得る。
このようにすれば、フルード管をクランクケースカバーの挿通孔に差し込むだけで、そのフルード管の油路と支持孔とを液密に連通させることができるので、さらに作業が簡単となる。
なお、上記二輪車用油圧式クラッチ装置に使用するクランクケースカバーとして、前記クランクケースカバーの内側に、前記シリンダブロックを固定する係止部を設けた構成を採用すれば、シリンダ装置の固定が容易となる。
この発明は、二輪車に搭載されたワイヤー式クラッチ装置を、油圧式クラッチ装置に変更するに際し、その油圧式クラッチ装置を構成するシリンダ装置をクランクケースカバー内に収めることができる。このため、シリンダ装置がクランクケースカバーの外面から突出せず美観を損なわないとともに、車体が傾いた際の接地の問題も解消し得る。
また、ワイヤー式、油圧式ともに共通のクランクケースカバーを使用できるので作業性、部品調達などコスト面で有利であるとともに、少数の部品交換により二輪車用ワイヤー式クラッチ装置を油圧式クラッチ装置に容易に短時間で変更(改造)することができて便利である。また、逆に、油圧式からワイヤー式への変更も可能であるので、二輪車の用途変更や、運転者の嗜好に基づいて手軽にクラッチの仕様を変更できる。
この発明の実施形態を、図1乃至図4に基づいて説明する。この実施形態は、二輪車に搭載されているワイヤー式クラッチ装置W、すなわち運転者がクラッチレバーを操作することにより、クラッチワイヤーを介してエンジンのクランクシャフトからメインシャフト20への駆動力伝達を入断する装置を、同じく運転者がクラッチレバーを操作することにより、油圧の作用によって前記駆動力伝達を入断する油圧式クラッチ装置Pに変更(改造)したものである。
その駆動力伝達入断の主要部となるクラッチ装置1の構成、すなわち、クラッチハウジング30の内周部におけるクラッチフリクションディスク21、クラッチプレート31、プレッシャプレート22、リフタープレート24等の構成は、従来例のワイヤー式クラッチWと同様であるので、以下、油圧式クラッチ装置の構成について説明する。
クランクケースカバー2には、その側面(そのクランクケースカバー2を、二輪車に搭載した横置きエンジンのクランクケース端部に取付けた状態において、その二輪車の車体幅方向外側に位置する側面)に沿って、断面円形の挿通孔10が上下方向に設けられている。挿通孔10は上部10’と下部10”とが分断して構成され、その下部10”において下端は閉塞し、上部10’においてクランクケースカバー2外に開放されている。また、その上部10’と下部10”との間の分断した箇所は、クランクケース2の内側空間に開放されている(図2,3参照)。
なお、挿通孔10の上部10’と下部10”とが連続して設けられたクランクケースカバー2を採用しても差し支えない。また、このクランクケースカバー2は、ワイヤー式クラッチ装置Wを用いた仕様と共通に使用できる部品であり、この挿通孔10は、クラッチワイヤーの動作によって回転するレリーズピニオン(回転軸)40をその軸周り回転可能に支持していた孔である。
また、前記クランクケースカバー2の内側には、前記挿通孔10の下部10”と連通する断面円形の支持孔11が水平方向に形成されている。挿通孔10と支持孔11とは、図2及び図3に示すように、車体幅方向に沿う断面視において直交し、図4に示すように、平面視においてその軸心が車体前後方向にややずれた位置関係となっており、図中に示す連通孔11bのみを介して連通した状態にある。
この支持孔11は、ワイヤー式クラッチ装置Wを用いた仕様において、ラック軸45を回転可能に支持していたものであり、図中左側に示す外側端部は閉塞し、右側に示す内側端部は、開口部11aにおいて、クランクケース2の内側空間に開放されている。開口部11aの周縁11cは、その全周に亘りやや突出した形状を成している。
なお、前記連通孔11bは、ワイヤー式クラッチ装置Wにおいて、前記レリーズピニオン40に形成したピニオンギヤ40bと前記ラック軸(進退軸)45に形成したラック溝45aとを噛み合わせるために設けられたものである(図6参照)。
前記クランクケースカバー2の前記開口部11aの周縁11cに、その開口部11aを囲むシリンダブロック14が取付けられている。シリンダブロック14は、そのビス穴14aにボルト17が挿通されて、そのボルト17が、クランクケースカバー2側に設けたボルト穴(係止部)18にねじ込まれて固定されている。
そのシリンダブロック14内にピストン15が進退可能に配置されている。ピストン15は、支持孔11側に設けた凹部15dに、前記開口部11aの周縁11cが嵌って、その進退がガイドされる。
また、そのピストン15は前記支持孔11内に収納したコイルバネ16によって図中右側のクラッチ装置1側に向かって付勢されている。シリンダブロック14とクランクケースカバー2の内面とはパッキンaにより液密が維持されているので、その支持孔11に面する側のシリンダ室15eが、前記支持孔11に液密に連通した状態となっている。なお、コイルバネ16は、ピストン15に設けた突起15fによって保持されている。
また、そのピストン15のクラッチ装置1側の端面に凹部が設けられており、その凹部にボール15aが収納されている。ボール15aは、前記ピストン15の端面よりもやや突出して、コイルバネ16の付勢力によりクラッチ装置1側に設けた受圧板15cに当接している。また、その受圧板15cのクラッチ装置1側に一体の軸部15bが設けられており、その軸部15bが軸受部46を介してリフタープレート24と軸周り回転可能、軸方向不動に接続されている。
前記クランクケースカバー2の挿通孔10には、前記ワイヤー式クラッチ装置Wのレリーズピニオン40に代えて、軸状を成し且つ内部に軸方向に伸びる油路13aを有するフルード管13が挿入されている。そのフルード管13は、下端に設けたねじ部が、クランクケースカバー2側にねじ込まれて抜けないよう支持されている。
前記フルード管13の油路13aは、そのフルード管13の上端に開口し、その下部外周面に開口する開口部13bを有している。フルード管13は、その開口部13bが前記連通孔11bに臨むように固定されている。
その開口部13bの上方に、前記挿通孔10の内周面とフルード管13外周面との間を液密に閉じるパッキン(シール部)aが設けられている。なお、この実施形態では、挿通孔10の下端は閉塞しているので、開口部13bの下方に設けるべきパッキン(シール部)aは省略している。
また、フルード管13の上部には、位置決めと抜け防止機能を有するサラネジ13cが設けられている。
油路13aの上端には、ワッシャb及びボルト19bを介してバンジョー19aが接続されており、クラッチレバー側に設けたマスターシリンダーへと通じるオイルホース19cと油路13aとが液密に連通している。
運転者がクラッチレバーを引き、前記オイルホース19c、油路13a及び前記支持孔11を介して前記シリンダ室15eに所定の油圧が供給されると、ピストン15は、前記コイルバネ16の付勢力に抗して図中右側へ前進しクラッチ装置1に近づく。ピストン15の前進に伴い、ボール15a及び受圧板15cを介して軸部15bが押されるので、リフタープレート24も図中右側に押されてクラッチの係合が解除される。
運転者が引いていたクラッチレバーを離すと、前記シリンダ室15eへ供給されていた油圧が解放され、ピストン15は、クラッチスプリング25の付勢力により図中左側に後退しクラッチ装置1から遠ざかる。ピストン15の後退と同時にリフタープレート24も図中左側に復帰してクラッチが再度係合する。
この油圧式クラッチ装置Pを装着する際の作業について、以下説明する。
まず、ワイヤー式クラッチ装置Wが搭載された状態において、クランクケースカバー2をエンジンから取り外す。クランクケースカバー2からラック軸45を取り外すとともに前記支持孔11のクラッチ側開口部11aを囲むシリンダブロック14を、パッキンaを介してボルト17で取付ける。
支持孔11内にコイルバネ16を収納して、そのコイルバネ16の一端をクランクケースカバー2に係止し、シリンダブロック14内にピストン15を配置するとともにそのピストン15の突起15fをコイルバネ16の他端内周部に嵌め込んで、そのピストン15をクラッチ1側に向かって常時付勢する。
この状態で、支持孔11に面する側のシリンダ室15eは支持孔11に液密に連通した状態となる。
つぎに、クランクケースカバー2から前記ワイヤー式クラッチ装置Wのレリーズピニオン40を取り外すとともに、その挿通孔10内にフルード管13を取付ける。
このとき、フルード管13の油路13aの開口部13bを、前記支持孔11への連通孔11b側に向けて、油路13aと支持孔11内を液密に連通させておく。
ピストン15のクラッチ装置1側の端面の凹部にボール15aを収納し、そのボール15aを受圧板15cに当接させた状態で、クランクケースカバー2をエンジンに固定する。
この実施形態では、受圧板15c及び軸部15bは、ワイヤー式クラッチ装置Wの前記受圧板45c及び軸部45bをそのまま活用しているが、ピストン15の前進によりリフタープレート24を前記クラッチの係合離脱方向に動作させることができる限りにおいて、その接続方法は限定されない。
フルード管13の上端には、ワッシャb及びボルト19bを介してバンジョー19aを接続し、クラッチレバー側に設けたマスターシリンダーへと通じるオイルホース19cと油路13aとを液密に連通させて作業を終了する。
なお、このように油圧式クラッチ装置Pを搭載した場合において、その油圧式クラッチ装置Pを再度ワイヤー式クラッチ装置Wに戻すことも容易に可能である。その作業内容は、上記と逆の流れとなるので説明を省略する。
この実施形態では、クランクケースカバー2にシリンダブロック14用のボルト穴(係止部)18を設けたが、この実施形態には限定されず、クランクケースカバー2にシリンダブロック14を固定するに際し、シリンダブロックが移動しないように固定でき且つシリンダ室の液密が維持できる限りにおいて、ボルト穴とボルトを介して行う固定方法以外の手法を採用することもできる。例えば、クランクケースカバー2側にシリンダブロック14がぴったりと嵌って固定できるような凹部等を設けてその凹部内にシリンダブロック14を圧入固定するようにしてもよいし、あるいは、周知の手段によりシリンダブロック14をクランクケースカバー2の内面に押し付けることにより、その移動防止、及びシリンダ室の液密を維持し得るようにしてもよい。
上記実施形態では、回転軸40としてレリーズピニオン40を、進退軸45としてラック軸45を採用して、レリーズピニオン40が軸周り回転することにより、前記レリーズピニオン40に形成したピニオンギヤ40b及びラック軸45に形成したラック溝45aを介して、そのラック軸45を軸方向へ進退するようにしたワイヤー式クラッチ装置Wをベースとしたが、この発明は、ラック・ピニオン機構を備えたワイヤー式クラッチ装置Wに限定されず、回転軸40の軸周り回転の動作を進退軸45の軸方向進退の動作に変換し得る他の周知の機構を用いたワイヤー式クラッチ装置Wをベースとして、本発明を採用してもよい。
すなわち、例えば、競技車、一般市販車等、車種を限定することなく、前記回転軸40,進退軸45を取り外すことにより、その回転軸40、進退軸45を取り外した後に生じた空間を利用して油路を確保し得る全ての車両に適用可能である。
なお、フルード管13の油路13aと前記支持孔11とを液密に連通させる手段としては、回転軸40と進退軸45とが直接噛み合う(係合する)ことにより、その動きが伝達されている場合は、その係合部分に係る前記挿通孔10と支持孔11との連通部分を活用することができる。
また、両者が、リンク機構、ギヤ等を介して間接的に係合している場合には、そのリンク機構、ギヤ等の介在する部分の空間を、クランクケースカバー内の他の空間に対して液密に閉塞することにより、前記挿通孔10と支持孔11との連通路として活用してもよいし、別途挿通孔10と支持孔11とを連通する油路を設けてもよい。
また、本発明の適用範囲は、上記のような多板式クラッチからなるクラッチ装置1に限定されることなく、単板式クラッチからなるクラッチ装置1を搭載した態様において、本発明を適用してもよい。また、例えば、遠心クラッチを搭載した二輪車において、クラッチカバー等所定の部品を手動式クラッチの部品に交換、すなわち、本発明のクランクケースカバー2、フルード管13、シリンダブロック14、ピストン15等を適用することにより、油圧式クラッチ装置、ワイヤー式クラッチの双方の仕様を、簡単な作業で変更し使い分けることも可能となる。
一実施形態のクランクケースカバーを示す分解斜視図 同実施形態の断面図 同実施形態の断面図 図3のX−X断面図 従来例のクランクケースカバーを示す分解斜視図 従来例の断面図
符号の説明
1 クラッチ装置
2 クランクケースカバー
10 挿通孔
10’ 挿通孔の上部
10” 挿通孔の下部
11 支持孔
11a 開口部
11b 連通孔
13 フルード管
14 シリンダブロック
15 ピストン
15a ボール
15b,45b 軸部
15c,45c 受圧板
15d 凹部
15e シリンダ室
15f 突起
16 コイルバネ
17 ボルト
18 ボルト穴(係止部)
20 メインシャフト
21 クラッチフリクションディスク
23 クラッチセンター
24 リフタープレート
25 クラッチスプリング
30 クラッチハウジング(クラッチアウター)
31 クラッチプレート
40 レリーズピニオン(回転軸)
41 レバー(レリーズアーム)
45 ラック軸(レリーズラック/進退軸)
46 軸受部(ボールベアリング)

Claims (4)

  1. クランクケースカバー2に回転軸40をその軸周り回転可能に支持し、前記クランクケースカバー2の内側に形成した水平方向の支持孔11内に進退軸45を挿入して前記進退軸45をその軸方向へ進退可能に支持するとともに、クラッチワイヤーの動作により前記回転軸40を軸周り回転させ、その回転により前記進退軸45を軸方向へ進退させてクラッチを係脱できるようにした二輪車用ワイヤー式クラッチ装置Wを、油圧の作用によりクラッチを係脱できる油圧式クラッチ装置Pに変更するためのクラッチ装置の製造方法において、
    前記ワイヤー式クラッチ装置Wのクランクケースカバー2から、前記進退軸45を取り外すとともに前記支持孔11のクラッチ側開口部11aを囲むシリンダブロック14を取付け、そのシリンダブロック14内にピストン15を配置するとともにそのピストン15を前記支持孔11側に向かって付勢し、その支持孔11に面する側のシリンダ室15eを前記支持孔11に液密に連通させ、
    前記クランクケースカバー2から前記回転軸40を取り外すとともに、軸状を成し且つ内部に軸方向に伸びる油路13aを有するフルード管13を取付け、そのフルード管13の油路13aを前記支持孔11に液密に連通させ、前記油路13a及び前記支持孔11を介して前記シリンダ室15eに供給される油圧及び前記付勢力によりピストン15を進退させて、そのピストン15の進退によりクラッチを係脱させるようにしたクラッチ装置の製造方法。
  2. クランクケースカバー2に回転軸40をその軸周り回転可能に支持し、前記クランクケースカバー2の内側に形成した水平方向の支持孔11内に進退軸45を挿入して前記進退軸45をその軸方向へ進退可能に支持するとともに、クラッチワイヤーの動作により前記回転軸40を軸周り回転させ、その回転により前記進退軸45を軸方向へ進退させてクラッチを係脱できるようにした二輪車用ワイヤー式クラッチ装置Wの前記クランクケースカバー2に、前記進退軸45に代えて前記支持孔11のクラッチ側開口部11aを囲むシリンダブロック14を取付けてそのシリンダブロック14内にピストン15を配置するとともにそのピストン15を前記支持孔11側に向かって付勢し、その支持孔11に面する側のシリンダ室15eを前記支持孔11に液密に連通させ、前記クランクケースカバー2に、前記回転軸40に代えて、軸状を成し且つ内部に軸方向に伸びる油路13aを有するフルード管13を支持するとともにそのフルード管13の油路13aを前記支持孔11に液密に連通させ、前記油路13a及び前記支持孔11を介して前記シリンダ室15eに供給される油圧及び前記付勢力によりピストン15を進退させて、そのピストン15の進退によりクラッチを係脱させるようにした二輪車用油圧式クラッチ装置。
  3. 前記回転軸40は、ピニオンギヤ40bを備えたレリーズピニオンであり、前記進退軸45は、ラック溝45aを有するラック軸であり、前記ピニオンギヤ40bに前記ラック溝45aが噛み合っており、
    前記フルード管13は、前記クランクケースカバー2の内面に沿って形成された上下方向の挿通孔10内に挿入されて支持されており、前記挿通孔10と支持孔11とは前記ピニオンギヤ40bと前記ラック溝45aとの噛合い部分で連通しており、前記フルード管13の油路13aは、そのフルード管13の外周面に前記連通部分に向く開口部13bを有して、その開口部13bの上方又は下方、あるいはその両方に、前記挿通孔10の内周面とフルード管13外周面との間を液密に閉じるシール部aを設けたことを特徴とする請求項2に記載の二輪車用油圧式クラッチ装置。
  4. 請求項2又は3に記載の二輪車用油圧式クラッチ装置に使用するクランクケースカバー2であって、前記クランクケースカバー2の内側に、前記シリンダブロック14を固定する係止部を設けたことを特徴とするクランクケースカバー。
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