JP4724286B2 - 電子切符の使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子切符の使用技術に関し、特に、半導体メモリ等の記憶媒体を備えたICカード等の電子装置からなる電子切符の利用技術等に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、定期券やSFカード(前払いカードを直接に改札機に投入して乗車する方式のカード)などをICカード化し、電子切符として利用する場合、ICカード自体の製造コストが高いことに起因して乗車運賃(前払い料金)とは別に電子切符の保証料を支払うことが通常の運用形態として考えられている。そして、これらの電子切符は乗り物に乗車して降車した時点で乗車券発券機などに返還して電子切符の保証料の返金を受けることで、結果として乗車区間に見合った運賃を支払うことになる。
【0003】
あるいは切符や回数券の場合は、通常の紙媒体の一部に磁性膜を塗着した構成の磁気切符を発券して接触型の自動改札機に投入口より挿入して入札し、自動改札機などで出札時に磁気切符を回収することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の保証料を利用した電子切符の発券には次のような技術的課題がある。
【0005】
第一に一回限り使用する切符や回数券に関しては、ICカードのような高価な記憶媒体を用いた電子切符では利用者の立場からあまり考慮されておらず、利用毎に保証料の払戻しを行う必要があるので利用者に払い戻し操作の手間がかかり、利便性が低下するという技術的課題がある。
【0006】
第二に、利用者にとって、電子切符に対する保証料の支払いは大きな負担であり電子切符の購入のしやすさが低下する。発券事業者の立場としても、利用者が電子切符における保証料の払い戻し操作の煩雑さから電子切符の回収に協力が得られないと、電子切符の回収率が低下したり、リサイクルができないこと等によりコストが上乗せされることとなり、電子切符の保証料の価格を高額設定のままでの運用形態を維持せざるを得なくなるという技術的課題がある。
【0007】
第三に、発券事業者の立場では従来の磁気切符に対応する必要がある限り、いつまでも電子乗車券(定期やSFカード)と磁気切符の双方に対応可能な自動改札機、あるいはそれぞれに対応した自動改札機が必要なままとなり、自動改札機の価格が高価についたり、それぞれに対応する自動改札機を設置する場合の機器の費用や設置スペースが必要となる。
【0008】
さらに、紙媒体の磁気切符は磁気情報を接触して読み書きする必要があるため、自動改札機内部に磁気切符を誘導するためのモーターなどの駆動装置・入札時の磁気切符への使用済みの印としての穴あけ・使用済み磁気切符の回収などの複雑な機構が必要であり、これらの可動機構部があるので不具合がおきたり故障する可能性があり、自動改札機の機器メンテナンスコストが高くついたり、不具合が発生したときにおける対応のための人手や時間がかかったり、そのために利用者が待たされるといった技術的課題がある。さらに、磁気切符は使い捨てであるため、回収コストや廃棄物としての磁気切符の処理コストも大きくなる。
【0009】
本発明の目的は、改札口等での非接触での運用が可能なICカード化された電子切符における保証料の払い戻し等の煩雑な手続きを軽減して、利用者の利便性の向上、普及の促進を実現することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、改札口等での非接触での運用が可能なICカード化された電子切符の反復利用を促進して電子切符の運用コストの低減および普及の促進を実現することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、すでに非接触での運用が可能なICカード化されている定期券や前払い式カードと、改札口等での運用の共通化が可能な使い切りの電子切符の実現により、自動改札機の設置費用や保守管理費用の削減を実現することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、使い捨ての紙媒体の磁気切符等を不要にして、使用済みの磁気切符の回収コストや廃棄物処理コストを削減することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、流用回数や、利用した運賃の累計により運賃割引などの特典を利用者に供与することで、電子切符の再利用率や普及促進を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、書き換え可能な記憶媒体を備えた電子切符の使用方法において、少なくとも運賃と引き換えに交通機関の利用権能が付与された電子切符を利用者に交付する第1のステップと、使用済みの電子切符を流用し、運賃と引き換えに利用者に電子切符を再使用させる第2のステップと、を実行するものである。
【0015】
すなわち、より具体的には、一例として、一度きり乗車する場合の電子切符や、回数券としての電子切符に非接触型ICカード等を利用し、必要な場合、初回の交付時のみ運賃に加えて保証料を徴収し、以降は、再利用の都度、運賃のみで発券することで、保証料を毎回支払うことなしに電子切符の発券を可能とするものである。
【0016】
本発明では、まず、電子切符の保証料を新規に支払うあるいは保証料支払い済み電子切符の流用を行うことにより、目的とする乗車権限をもった電子切符を発券する自動券売機を用意する。2回目以降に電子切符を購入する場合には、使用済みの電子切符を自動券売機に挿入して乗車運賃のみの価格で、必要な乗車権限をもった電子切符が購入できる。あるいは必要なければ、利用者が希望する契機で使用済みの電子切符を自動券売機に回収させると最初に支払った電子切符の保証料を返却する。
【0017】
また、電子切符の流用回数や、利用した運賃の累計により運賃割引などのインセンティブを持たせる。そして使用度数1回である通常の切符の他に、回数券利用回数の情報を電子切符に持たせれば、もちろん回数券としての利用も可能である。この他、入場券や周遊券としても利用可能である。
【0018】
以上の様に本発明の電子切符の使用方法によれば、保証料を利用毎に支払わない電子切符の発券を可能にし、利用者は非接触利用が可能な電子切符の利便性を享受でき、交通機関の事業者は従来の磁気切符との併用の改札機が不要となる。また、電子切符のリサイクル利用のインセンティブを持たせることで、電子切符の再利用率を高めることが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
以下に、本発明の一実施の形態として、電子切符の流用を行い、電子切符購入初回以外の流用(リサイクル利用)時の保証料を利用毎に支払わずに電子切符の発券を行い、電子切符の流用回数により運賃割引などのインセンティブを持たせた電子切符の使用方法について説明する。
【0021】
本実施の形態はインセンティブを持たせる要素として流用回数を用いたが、電子切符の管理DBもしくは電子切符に利用運賃累計の項目を加え、この累計度により、運賃割引などのインセンティブとしても良い。
【0022】
図1は本実施の形態における電子切符の運用システムの全体構成のイメージを示す概念図である。図1に示すように、本実施の形態の運用システムは電子切符管理センタシステム10と、電子切符駅務システム14とを含むシステムである。電子切符管理センタシステム10は、電子切符管理サーバ11と電子切符管理DB(データベース)12とを有し、全ての電子切符駅務システム14にて発行された電子切符19について、二重入札などの不正利用の疑いがあるもの、使用開始日の情報より電子切符19のメモリの記憶保持可能期間を超えたもの、電子切符19のメモリの書き換え可能回数な現在利用回数を超えたものなど無効とする電子切符19等のネガリスト(無効切符のリスト情報)配信を行っている。電子切符管理センタシステム10は、専用ネットワーク100を介して、全国の電子切符駅務システム14と接続している。
【0023】
電子切符駅務システム14は、各駅でのネガリスト等の管理を行う駅務サーバ13と、電子切符19による入出札の制御をする自動改札機15、電子切符19を発券する自動券売機16とを有し、電子切符駅務システム14の構内LAN14aにより相互接続している。駅務サーバ13は電子切符管理サーバ11が配信するネガリストを自動改札機15、自動券売機16に適宜(定刻、あるいは随時)配信する。
【0024】
自動券売機16は、初めて電子切符19を購入する利用者に対しては、運賃17に保証料18を加えた料金を徴収し発券する。使用済みの電子切符19を持参して2回目以降に乗車切符を購入する利用者に対しては、既に使用済みの電子切符19を自動券売機16に再投入して、運賃17のみの支払いで有効な電子切符19を発券する。
【0025】
この使用済みの電子切符19の処理としては、再利用のために自動券売機16に投入された電子切符19自体の記憶内容を更新し、再度有効化して発券してもよいし、回収済みの他の電子切符19に、投入された旧券から引き継ぐべき記憶内容を必要に応じて複写して発券してもよい。
【0026】
電子切符19の流用を行わずに利用を終了する場合には、既に使用済みである電子切符19を自動券売機16で回収し、保証料18の払戻しを行う。こうして回収した電子切符19は別の利用者にリサイクル利用させることもできる。
【0027】
図2は本実施の形態の電子切符管理センタシステム10の電子切符管理サーバ11でもつ電子切符19を管理する電子切符管理テーブル20の構成例を示す説明図である。個々の電子切符19を物理的にユニークに識別するための電子切符ID21、電子切符19の有効か無効かを区別する有効/無効フラグ22、電子切符19が初めて発券された使用開始日23、電子切符19の使用寿命を示した最大利用回数24(電子切符19のメモリにおける有効書き換え回数の目安や、電子切符19のパッケージングの耐久性等の目安とする)、リサイクルされた利用者数を示すリサイクル回数25(電子切符19の利用者別リサイクル利用頻度の目安としたり当該電子切符19の利用者別リサイクル利用限度の目安としたりする)を含む。
【0028】
図3は本実施の形態の電子切符19内にもつ制御テーブルである電子切符テーブル30の構成例を示す説明図である。個々の電子切符19を物理的にユニークに識別する電子切符ID21、電子切符19の当該入札利用においての入札日時・入札駅31、電子切符19が最初に使用開始されてから現在までのトータルの利用回数を示す現在利用回数32、電子切符19の払い戻しをせずに流用を繰り返すことにより加算していくロイヤリティ33、徴収した着駅までの運賃34、今回乗車券を購入したか流用したかの時点での発券日時35、今回乗車券を購入したか流用したかの時点での有効期間36、流用ではなく今回乗車券を購入した時に支払った電子切符19の保証料金額37、等の情報が格納されている。
【0029】
図4は本実施の形態の電子切符19を構成するICカードの構成の一例を示す概念図である。図4に示す様に本実施の形態の電子切符19を構成するICカード40は、たとえば外部と非接触に情報の授受が可能な非接触型ICカード等で構成されている。すなわち、本実施の形態の電子切符19を構成するICカード40は自動改札機15や自動券売機16と非接触にデータアクセスするための通信アンテナ41と、自動改札機15や自動券売機16から受け取った電磁波を電力に変換する電磁誘導起電装置42と、変換した電力を蓄積する電力蓄積装置43と、電子切符19の管理情報である図3で示した電子切符テーブル30を記憶する半導体メモリ等からなる記憶装置44と、全体を制御する制御装置45、を有している。
【0030】
図5は自動券売機16における電子切符19の利用形態別の処理を示すフローチャートである。まずステップ501では電子切符19の利用形態によって大きく3つに分けられ、これらの中から自動券売機16の処理をひとつ選択することになる。
【0031】
ステップ502は電子切符19の新規購入に対する処理で、電子切符19の新規発券処理(図6)を行う。ステップ503は電子切符19の流用に対する処理で、電子切符の流用発券処理(図7)を行う。ステップ504は電子切符19の返却に対する処理で、保証料払戻し処理(図8)を行う。
【0032】
図6は本実施の形態の電子切符19の新規発券処理の一例を示すフローチャートである。まずステップ601で利用者が着駅(運賃17)までを指定する。つぎに自動券売機16はステップ602で運賃17に電子切符19の保証料18を加算した料金を、利用者に請求する。利用者はステップ603で請求された料金を支払う(入金)。
【0033】
ステップ604で自動券売機16は料金過不足をチェックして料金が不足していなければ電子切符19の電子切符テーブル30の着駅までの運賃34(運賃17に同額)、発券日時35(当日の日付けと実時間)、有効期間36(通常は当日限り)、保証料金額37(保証料18に同額)を更新し、未使用あるいは流用された電子切符19を新規乗車券として発券する。
【0034】
ステップ605では、電子切符19が利用されはじめてから何回流用されているかをカウントするために現在利用回数32を+1加算する。通常ICカードなどの記憶媒体の書き換え回数には限度があり、これを超えて使用しようとして書き換えエラーなどの問題を引き起こすことのないよう電子切符管理テーブル20の最大利用回数24と電子切符テーブル30の現在利用回数32を比較して、現在利用回数32が最大利用回数24を超えようとすると自動券売機16は、当該電子切符19の利用寿命が終わろうとしていると判断して、別の寿命のある電子切符19を選択し、ステップ601〜ステップ604までの情報をこの寿命のある電子切符19に複写して発券する。
【0035】
ステップ605で、代わりの電子切符19が選択できない場合には、新規発券不能の所定のエラーメッセージを表示するとともに、ステップ603で入金された運賃17および保証料18を払い戻す。
【0036】
図7は本実施の形態の電子切符19の流用発券処理の一例を示すフローチャートである。まず利用者はステップ701で使用済みの電子切符19を自動券売機16に投入(入券)する。
【0037】
つぎにステップ702では電子切符ID21が駅務サーバ13からの配信済みネガリストに該当するか、あるいは電子切符管理サーバ11のもつ電子切符管理DB12の電子切符管理テーブル20にある有効/無効フラグ22や、最大利用回数24と現在利用回数32の比較を行って有効性のチェックを行い、ネガリストに該当したりその他の有効性チェックにかかるときはステップ703でその旨エラー表示し流用発券処理を終える。
【0038】
ネガリストに該当せずその他の有効性チェックにもかからなければ、ステップ704に進み、利用者は着駅(あるいは運賃17)を指定する。つづくステップ705で自動券売機16は運賃17のみの料金を利用者に請求する。
【0039】
ステップ706で電子切符19の流用をしたのでロイヤリティを加算(本実施の形態の例においてロイヤリティは1回の電子切符19を利用するに当たり1円の価値を加算としているが、実際は当該交通機関の事業者が任意に設定すれば良い)し、電子切符テーブル30のロイヤリティ33を更新する。つづくステップ707ではロイヤリティ33の加算回数が10回を超え、10円の運賃割引サービスを利用可能である場合はステップ708で、利用者にロイヤリティ33を10円利用するかどうかを確認する。利用者がロイヤリティ33を利用する場合は、ステップ709で運賃17から割引サービス料金として10円を差し引き、利用者に請求する。ステップ707でロイヤリティ33が利用可能と規定する最低金額に満たない場合(本実施の形態の例では利用可能な最低のロイヤリティの利用下限価値を10円としている)はステップ710に進んで、利用者より規定の運賃17を徴収する。
【0040】
反対にステップ708で利用者がロイヤリティ33を利用しない場合は、ステップ710で規定の運賃17を請求する。ロイヤリティ33は利用しなければ蓄積していくものとする。また、ロイヤリティの加算回数が10回を超えない場合は、ステップ710で規定の運賃17を請求する。ロイヤリティは例えば10回毎に10円の運賃割引サービスを行えるものとし、割引金額は運賃17を超えない範囲で利用できるものとする。電子切符19を遺失した場合は、ロイヤリティ33と保証料18は無効となるものとする。
【0041】
ステップ710では利用者より規定の運賃17を徴収(入金)する。
【0042】
ステップ711で請求金額の不足がないことを確認し、電子切符19の流用発券を行う。
【0043】
ステップ712では電子切符19が利用されはじめてから何回利用されているかを示す現在利用回数32を+1加算する。
【0044】
通常ICカードなどの記憶媒体の書き換え回数には限度があり、このステップ712では、これを超えて使用しようとして書き換えエラーなどの問題を引き起こすことのないよう電子切符管理テーブル20の最大利用回数24と電子切符テーブル30の現在利用回数32を比較して、現在利用回数32が最大利用回数24を超えようとすると自動券売機16側で当該電子切符19の利用寿命が終わろうとしている旨のメッセージを表示するなどして、電子切符管理テーブル20の有効/無効フラグ22を無効にして、利用者には保証料18や入金済みの料金等を返却するようにする。またこのときロイヤリティ33が貯まっていればその分も加算して払い戻しするようにしても良い。
【0045】
あるいはステップ712では、当該電子切符19の利用寿命が尽きようとしていることを検出したら、当該電子切符19を回収するとともに、ロイヤリティ33等の引き継ぐべき内容を他の利用可能な電子切符19に複写して、発券してもよい。
【0046】
また、電子切符19の再利用時の保証料金の取扱の一例として、たとえば、現在利用回数32が所定のしきい値(<最大利用回数24)を超過した場合には、電子切符19を発券する事業者側での電子切符19の再利用による利益が十分得られたものとして、保証料金額37の一部または全部を、運賃に充当することで、運賃の割引を実施するとともに、後述の図8に例示されるような、保証料の払い戻し処理を不要にしてもよい。
【0047】
図8は電子切符19の使用あるいは流用を終了し、保証料18の払戻し処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
まずステップ801で自動券売機16に電子切符19を返却する(なお、自動券売機16でなくとも別に専用の払戻機があっても良い)。ステップ802で電子切符19が配信済みネガリストに該当するかチェックを行い、該当すればステップ803でエラー表示し、保証料18の払戻し処理を終える。ネガリストに該当しなければ、ステップ804で、電子切符テーブル30の電子切符ID21、現在利用回数32以外の電子切符データをクリアし、次の流用に備える。この時、必要に応じて、現在利用回数32が最大利用回数24を超過したか否かを判別し、超過している場合には、流用可能な他の電子切符19とは別に保管して新規発券時等に流用されないようにしてもよい。
【0049】
ステップ805で電子切符19を回収し、利用した利用者数とリサイクル回数を示す電子切符管理テーブル20のリサイクル回数25を+1加算する。
【0050】
ステップ806では電子切符テーブル30の保証料金額37を保証料18として利用者に払戻す。
【0051】
図9は電子切符19の発駅での入札処理の一例を示すフローチャートである。まずステップ901で、電子切符19を自動改札機15の図示しない非接触型ICカードリーダライタ装置にかざすことで電子切符19の電子切符テーブル30にデータアクセスする。
【0052】
ステップ902で電子切符19が配信済みネガリストに該当するかチェックを行い、該当すればステップ904で自動改札機15のゲートを閉鎖し、ステップ905でエラー表示し、電子切符19の入札処理を終える。
【0053】
反対にステップ902で電子切符19がネガリストに該当しなければ、ステップ903で初乗り運賃以上の運賃が電子切符テーブル30の着駅までの運賃34に格納されているかチェックする。料金が不足している場合、ステップ904に進み、自動改札機15のゲートを閉鎖し、つづくステップ905でエラー表示し、電子切符19の入札処理を終える。
【0054】
ネガリストに該当せず、料金も過不足がない場合、ステップ906で電子切符テーブル30の入札日時・入札駅31に現在時刻を書き込み、ステップ907でゲートを開放する。
【0055】
図10は電子切符19の着駅での出札処理の一例を示すフローチャートである。まずステップ1001で、電子切符19を自動改札機15の図示しない非接触型ICカードリーダライタ装置にかざすことで電子切符19の電子切符テーブル30にデータアクセスする。
【0056】
ステップ1002で電子切符19が配信済みネガリストに該当するかチェックを行い、該当すればステップ1004に進んで自動改札機15のゲートを閉鎖し、つづくステップ1005でエラー表示し、電子切符19の出札処理を終える。
【0057】
反対にステップ1002で電子切符19がネガリストに該当しなければ、ステップ1003で着駅までの運賃が電子切符テーブル30の着駅までの運賃34に格納されているかチェックする。料金が不足している場合、ステップ1004に進み、自動改札機15のゲートを閉鎖し、つづくステップ1005でエラー表示し、電子切符19の出札処理を終える。
【0058】
なお、途中下車の場合の場合には、従来の磁気切符の場合と同様に余剰の差額運賃を無効にしてもよいし、あるいは、余剰の差額運賃をロイヤリティ33の情報の一部に記録しておいて、次回利用時の運賃の一部に充当するようにしてもよい。
【0059】
ステップ1002でネガリストに該当せず、ステップ1003で料金も不足がない場合には、ステップ1006に進んで電子切符テーブル30の入札日時・入札駅31等をクリアし、つづくステップ1007でゲートを開放する。
【0060】
上述のような、本実施の形態における電子切符の運用システムの全体の作用の一例を、図11のフローチャートに示す。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態では、たとえば非接触型のICカード40等で構成される電子切符19を、使い切りの磁気切符や回数券等の代わりに採用し、リサイクル流用(たとえばICカード40の寿命の許す限りの複数回の再使用)を実現することで、最初の発券時以外では電子切符19の保証料18を利用毎に支払わずに電子切符19の使用が可能となり、利用者の利便性が大幅に向上する。
【0062】
また、すでに非接触での運用が可能なICカード化されている定期券や前払い式カードと、改札口等での運用(可動部のない非接触型の自動改札機等)の共通化が可能となるため、従来の磁気切符との併用のための可動部のある製造コストやメンテナンスコストの高い自動改札機が不要となり、自動改札機の設置費用や保守管理費用の削減を実現することができる。
【0063】
さらに、電子切符19の流用回数や、利用した運賃17の累計により運賃割引などのインセンティブを持たせることで電子切符19の再利用率や普及率を高めることが可能になる。また、これにより、従来の使い捨ての紙媒体の磁気切符等が不要となり、使用済みの磁気切符の回収コストや廃棄物処理コストを削減することが可能になる。
【0064】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0065】
たとえば、上述の実施の形態では、電子切符ID21にて個々の電子切符19を識別しているが、さらに、初回購入時等に、必要に応じて利用者に暗証番号(PIN)その他の個人識別情報を入力させて電子切符19の一部に記憶させておき、保証料18の払い戻しや、紛失時の探索に、この個人情報を用いて電子切符19を特定するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、改札口等での非接触での運用が可能なICカード化された電子切符における保証料の払い戻し等の煩雑な手続きを軽減して、利用者の利便性の向上、普及の促進を実現することができる、という効果が得られる。
【0067】
本発明によれば、改札口等での非接触での運用が可能なICカード化された電子切符の反復利用を促進して電子切符の運用コストの低減および普及の促進を実現することができる、という効果が得られる。
【0068】
本発明によれば、すでに非接触での運用が可能なICカード化されている定期券や前払い式カードと、改札口等での運用の共通化が可能な使い切りの電子切符の実現により、自動改札機の設置費用や保守管理費用の削減を実現することができる、という効果が得られる。
【0069】
本発明によれば、使い捨ての紙媒体の磁気切符等を不要にして、使用済みの磁気切符の回収コストや廃棄物処理コストを削減することができる、という効果が得られる。
【0070】
本発明によれば、流用回数や、利用した運賃の累計により運賃割引などの特典を利用者に供与することで、電子切符の再利用率や普及促進を実現することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法を実施するシステム全体のイメージを示す概念図である。
【図2】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法にて用いられる電子切符管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法にて用いられる電子切符テーブルの一例を示すを示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法にて用いられる電子切符の構成の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法の作用の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法の作用の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法の作用の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法の作用の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法の作用の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法の作用の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施の形態である電子切符の使用方法の作用の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…電子切符管理センタシステム、11…電子切符管理サーバ、12…電子切符管理DB、13…駅務サーバ、14…電子切符駅務システム、14a…構内LAN、15…自動改札機、16…自動券売機、17…運賃、18…保証料、19…電子切符、20…電子切符管理テーブル、21…電子切符ID、22…有効/無効フラグ、23…使用開始日、24…最大利用回数、25…リサイクル回数、30…電子切符テーブル、31…入札日時・入札駅、32…現在利用回数、33…ロイヤリティ、34…着駅までの運賃、35…発券日時、36…有効期間、37…保証料金額、40…ICカード(電子切符19)、41…通信アンテナ、42…電磁誘導起電装置、43…電力蓄積装置、44…記憶装置、45…制御装置、100…専用ネットワーク。
Claims (3)
- 書き換え可能な記憶媒体を備えた電子切符の使用方法であって、
運賃および前記電子切符自体の価格に見合う保証料と引き換えに交通機関の利用権能が付与された前記電子切符を利用者に交付する第1のステップと、
前記利用者が使用済みの前記電子切符を再度使用しようとする際に、前記電子切符の再使用の累計回数が所定の回数を超えない場合は、前記電子切符を流用し、運賃と引き換えに利用者に前記電子切符を再使用させ、前記電子切符の再使用の累計回数が所定の回数を超える場合は、前記保証料と引き換えに前記電子切符を回収し、もしくは前記電子切符を回収するとともに再使用の累計回数が所定の回数を超えていない他の前記電子切符に引き継ぐべき内容を複写して交付する第2のステップと、
前記利用者が希望する契機で、前記保証料と引き換えに前記電子切符を回収する第3のステップと、を含み、
途中下車した場合、前記運賃の差額を次回以降の前記電子切符の使用時の前記運賃の少なくとも一部に充当することを特徴とする電子切符の使用方法。 - 請求項1記載の電子切符の使用方法において、
前記電子切符の再使用の累計回数および前記運賃の累計額の少なくとも一方に応じて、当該電子切符を所持する前記利用者に対する前記運賃の割引および特典の付与の少なくとも一方を行うことを特徴とする電子切符の使用方法。 - 請求項1記載の電子切符の使用方法において、
前記電子切符の再使用の累計回数および前記運賃の累計額の少なくとも一方に応じて、前記保証料の少なくとも一部を前記運賃の少なくとも一部に充当することで当該運賃の割引を行うことを特徴とする電子切符の使用方法。
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