JP4723468B2 - 液化ガス気化システムおよびその制御方法 - Google Patents

液化ガス気化システムおよびその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は液化ガスを完全に気化させ、所定の温度で所定量のガスを供給することができる液化ガス気化システムおよびその制御方法に関する。
従来、液化ガスの気化システムの一例として、液化ガスタンク、液化ガス供給装置および気化器等から構成されたLNG(Liquefied Natural Gas)気化設備が挙げられる。このLNG気化設備においては、液化ガスを完全に気化させ、所定温度で所定量のガスを供給することを目的とする。
また、特許文献1には、LNGをクーラ用冷却液として用いることのできるスターリングエンジンについて開示されている。特許文献1記載のスターリングエンジンにおいては、ディスプレーサーシリンダーのヘッドに出入するガスを冷却する断熱材を用いて形成された、冷却液の取り込み口及び出口を有するクーラと、一端部をヘッド内の圧縮空間に連通し、他端部をディスプレーサーシリンダーのディスプレーサーピストンを隔てた膨張空間に連通し、ディスプレーサーシリンダーの外周に設けられた再生熱交換器と、ディスプレーサーシリンダーの外周でクーラの反対側に設けられたヒータと、ディスプレーサーシリンダーの膨張空間に連通して設けられた、パワーピストンを有するパワーシリンダーと、両ピストンに位相差をもたしめて連結されたクランクシャフト等の回転装置と、から成るものである。
その結果、スターリングエンジンは、LNGをクーラ用冷却液として用いることができる効果が記載されている。
特開平11−022550号公報
ここで、液化ガスをクーラ用冷却液として用いることができるスターリングエンジンとは、液化ガスを冷却源とし、温熱源との間で熱交換をすることによって動力回収をすることができるスターリングエンジンである。
しかしながら、特許文献1記載のLNGをクーラ用冷却液として用いることのできるスターリングエンジンを、気化システムに組み込んだ場合、スターリングエンジンのクーラ内において、液化ガスの一部が気化し、液相状態と気相状態とのニ相流体が発生し、後段の気化器に、これらのニ相流体が供給される可能性がある。
この後段の気化器においてニ相流体が供給された場合、気化器内における特別な気液分散構造を気化器に追加し、大幅な構造変更を行なうか、各気化器配管内への不均一分配または気化器配管内での液相の偏流が起こり、気化器内において、十分な気化が起こらずに排出口で所定温度、所定量の気体を得ることができない状態となる。また、後段の気化器においてニ相流体が供給された場合、気化器内における各気化器配管において配管振動が発生する。その結果、気化器へのニ相流体の供給を防止し一般の気化システムと同様に、システムの最後で気化が完全に終了し、所定温度で所定量の気体を回収できることが望まれる。
また、他の問題として、気化システムの一部にスターリングエンジンを活用する場合、LNG気化設備の立地条件によっては、動力の利用先がない場合がある。その場合、回収した動力を有効活用できないという課題もある。
さらに、LNG気化設備では、冷熱利用、または蓄熱利用のため熱源が必要となるが、LNG気化設備の立地条件によっては熱源が確保できない可能性があり課題となる。また、システムを配置する場所によっては、スターリングエンジン温熱源に使用する熱源が存在しない場合や、連続的に熱が得られない場合が考えられる。この場合、液化ガスの冷熱エネルギーを十分に活用し、高い効率での動力回収を行なうことができないことが課題となる。
本発明の目的は、スターリングエンジンを有する液化ガス気化システムにおいて、状態変化装置へのニ相流体の供給を防止し、安定して所定温度で所定流量のガスを回収できる液化ガス気化システムおよびその制御方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、状態変化装置へのニ相流体の供給を防止し、安定して所定温度で所定流量のガスを回収し、さらにスターリングエンジンにおいて使用する熱源を容易に確保でき、かつスターリングエンジンから回収した動力を有効活用することができる液化ガス気化システムおよびその制御方法を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
(1)
本発明に係る液化ガス気化システムは、スターリングエンジンを有する液化ガス気化システムであって、液化ガス気化システムは、所定の気体を液相状態で貯蔵可能な液化ガスタンクと、液化ガスタンクから供給される液化ガスの流量を調整する液化ガス流量調整装置と、液化ガス流量調整装置の下流に設けられ、調整された流量の液化ガスの熱量を利用して動力を発生させるスターリングエンジンと、スターリングエンジンに熱量を受け渡した液化ガスを気化ガスとして排出可能な状態変化装置と、状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度を検出する検出装置と、を含み、ガス流量調整装置は、状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度に基づいて液化ガスの流量を調整することができるものである。
本発明に係る液化ガス気化システムにおいては、液化ガスタンクに液相状態で貯蔵された気体が、液化ガスの流量を調整する液化ガス流量調整装置を介して液化ガスタンクからスターリングエンジンに供給され、液化ガスの熱量が受け渡され、スターリングエンジンにおいて動力が発生される。また、液化ガスの単相の液相状態または液化ガスの単相の気相状態のいずれか一方の単相流の状態における液化ガスが、状態変化装置により状態変化され、気相の液化ガスとして排出される。さらに、当該状態変化装置の取り込み口において、検出装置により液化ガスの圧力および温度が検出される。
この場合、ガス流量調整装置が、状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度に基づいて液化ガスの流量を調整することができるので、液化ガスが液化ガスの単相の液相状態または液化ガスの単相の気相状態のいずれか一方の単相流の状態となるように液化ガス流量調整装置を制御することができる。また、スターリングエンジンにおいて液化ガスの熱量を利用して、容易に動力を取り出すことができる。さらに、状態変化装置内における不均一分配または液相の偏流を防止することができ、状態変化装置への二相流体の供給を防止し、安定して所定温度で所定流量のガスを回収することができる。
(2)
状態変化装置は、液化ガスを気化する液化ガス気化器であってもよい。
この場合、状態変化装置が液化ガス気化器からなるので、液化ガス気化器内において単相の液相状態からなる液化ガスを安定して気化することができる。また、液化ガス流量調整装置を使用することにより十分に気化された所定量のガスを液化ガス気化器の出口において供給することができる。
(3)
状態変化装置は、液化ガス昇温器であってもよい。
この場合、状態変化装置が液化ガス昇温器からなるので、液化ガス昇温器内において単相の気相状態からなる液化ガスを安定して昇温させることができる。また、液化ガス流量調整装置を使用することによりスターリングエンジンにおいて液化ガスの顕熱と蒸発潜熱を完全に使用することができ、動力を大きくとることができる。なお、液化ガス昇温器の代わりにボイルオフガス(BOG)加温器を用いてもよい。
(4)
液化ガス流量調整装置は、状態変化装置の取り込み口の圧力および温度を液化ガスが単相の液相状態を維持する範囲の温度および圧力となるように液化ガスの流量を調整してもよい。
この場合、液化ガスが単相の液相状態を維持するように液化ガスの流量が調整されるので、状態変化装置への液相状態および気相状態からなるニ相流体の供給を防止し、安定して所定流量のガスを回収することができる。
(5)
液化ガス流量調整装置は、状態変化装置の取り込み口の圧力および温度を液化ガスが単相の気相状態を維持する範囲の温度および圧力となるように液化ガスの流量を調整してもよい。
この場合、液化ガスが単相の気相状態を維持するように液化ガスの流量が調整されるので、状態変化装置への液相状態および気相状態からなるニ相流体の供給を防止し、安定して所定流量のガスを回収することができる。
(6)
液化ガス流量調整装置とスターリングエンジンとの間に設けられた液化ガス分配装置と、状態変化装置の取り込み口に設けられ液化ガスの流量を計測する流量計測装置と、をさらに備え、液化ガス分配装置は、液化ガス流量調整装置から供給された液化ガスをスターリングエンジンに供給する配管と流量計測装置に供給するバイパス配管とに分配し、スターリングエンジンから排出される液化ガスの配管が流量計測装置の上流におけるバイパス配管に接続されてもよい。
この場合、状態変化装置の取り込み口近傍に設けられた流量計測装置に基づいて液化ガスの流量を調整することができるので、状態変化装置から排出される気相のガスの流量を安定して取り出すことができる。また、液化ガス分配装置によりスターリングエンジンにおいて使用する液化ガスを最適な状態に維持することができるので、さらにスターリングエンジンにおいて使用する熱源を容易に確保することができる。
(7)
液化ガス分配装置と流量計測装置との間に設けられたバイパス配管に液化ガスを気化する液化ガス気化器がさらに設けられ、状態変化装置は、液化ガスを気化する昇温器からなってもよい。
この場合、液化ガス気化器の働きにより、昇温器の取り込み口に確実に単相からなる気相状態の液化ガスが供給される。その結果、液相状態および気相状態からなるニ相流体の供給を防止し、安定して所定温度で所定流量のガスを回収することができる。
(8)
スターリングエンジンから発生された動力を回収する回転動力回収装置と、回転動力回収装置により回収された動力を液化ガス流量調整装置の動力として伝達する動力連動機構と、をさらに備えてもよい。
この場合、回転動力回収装置によりスターリングエンジンから発生された動力が回収され、動力連動機構により回収された動力が液化ガス流量調整装置の動力として使用することができる。その結果、液化ガスの気化を行なうとともに、液化ガス気化システムにおけるシステム全体のエネルギー消費量を削減し、有効利用をすることが可能になる。
(9)
スターリングエンジンの熱源として、定置式蓄熱装置または移動式蓄熱装置を用い、定置式蓄熱装置または移動式蓄熱装置から供給される熱をスターリングエンジンに使用してもよい。
この場合、従来液化ガス気化システムの周囲に放熱していた排熱を有効利用することができ、液化ガス気化システムにおけるエネルギー量を削減することができ、液化ガスの冷熱エネルギーを高効率で活用することが可能となる。
(10)
本発明に係る液化ガス気化システムの制御方法は、液化ガスタンク内に貯蔵された液化ガスを状態変化装置に供給し、所定のガスを取り出すとともに、スターリングエンジンを介挿して液化ガスからの熱量を利用して動力を取り出すスターリングエンジンを有する液化ガス気化システムの制御方法であって、液化ガス気化システムの制御方法は、状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度を検出する検出処理と、状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度に基づいて液化ガスの流量を調整する液化ガス流量調整処理と、を含むものである。
本発明に係る液化ガス気化システムの制御方法においては、状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度に基づいて液化ガスの流量を調整するものである。
この場合、液化ガスが状態変化装置において単相流となるように液化ガス流量調整処理を制御することができる。また、スターリングエンジンにより容易に動力を取り出すことができる。その結果、状態変化装置内における不均一分配または液相の偏流を防止することができ、状態変化装置へのニ相流体の供給を防止し、安定して所定温度で所定流量のガスを回収することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る第1の実施の形態から第6の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態におけるスターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100の一例を示す模式図である。
図1に示すように、スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100においては、液化ガスタンク200、液化ガス流量調整装置300、スターリングエンジン400、動力回収装置500、熱交換器600、圧力計測装置710、温度計測装置720、制御部750および液化ガス気化器800を含む。
スターリングエンジン400は、クーラ410、第1シリンダ420、パワーピストン430、クランク440、フライホイール445、第2シリンダ450、ディスプレーサーピストン460、ヒータ470、ポンプ480および開閉弁490を含む。
液化ガスタンク200は、液化ガス流量調整装置300に液化ガスを供給し、液化ガス流量調整装置300はスターリングエンジン400に液化ガスを供給する。スターリングエンジン400は、クーラ410内において液化ガスの熱量を利用し、利用後の液化ガスを液化ガス気化器800に供給する。ここで、スターリングエンジン400の出口から液化ガス気化器800の取り込み口までにおける配管において圧力計測装置710および温度計測装置720が設けられている。圧力計測装置710および温度計測装置720は、液化ガス気化器800の取り込み口近傍における液化ガスの温度および圧力を測定し、制御部750に与える。制御部750は、圧力計測装置710,温度計測装置720からの信号TS,PSに応じて液化ガス流量調整装置300に指示を与える。液化ガス流量調整装置300は、制御部750から与えられた指示に基づいて配管内を流通させる液化ガスの流量を調整する。
スターリングエンジン400は、クーラ410に与えられた液化ガスの潜熱を利用して、第1シリンダ420内の気体を冷却する。また、第2シリンダ450内の空気は、ヒータ470により加熱される。ヒータ470内の加熱媒体は、ポンプ480および開閉弁490により循環され、循環途中に設けられた熱交換器600により熱が供給され、ヒータ470内に戻される。それによりパワーピストン430、ディスプレーサーピストン460が位相差を保持しつつ往復運動を行い、クランク440が回転する。また、クランク440に設けられたフライホイール445によりクランク440の回転が安定化され、動力回収装置500に動力が与えられる。
次に、本実施の形態におけるスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100の制御システムについて説明する。
図2は、スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100の制御システムにおける制御部750の動作の一例を示すフローチャート図である。
まず、制御部750のCPUは、圧力計測装置710および温度計測装置720から受け取る信号TS,RSに基づいて、気化器取り込み口圧力P0および気化器取り込み口温度T0の計測値を取得する(ステップS1)。
次に、CPUは、ステップS1において計測された気化器取り込み口圧力P0が下限圧力閾値P1よりも小さいか否かを判定する(ステップS2)。気化器取り込み口圧力P0が下限圧力閾値P1よりも小さいと判定した場合、CPUは、気化器取り込み口温度T0が上限温度閾値T1よりも大きいか否かを判定する(ステップS3)。気化器取り込み口温度T0が上限温度閾値T1よりも大きいと判定した場合、CPUは液化ガスの流量を増加させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える(ステップS4)。なお、具体的にステップS4の処理においては、運転圧力から沸点である上限温度閾値T1を推算し、気化器取り込み口温度T0と比較している。
一方、気化器取り込み口温度T0が上限温度閾値T1よりも大きくないと判定した場合、CPUは気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも小さいか否かを判定する(ステップS5)。気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも小さくないと判定した場合、CPUは液化ガスの流量を維持するように液化ガス流量調整装置300に信号を与える(ステップS6)。
また、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも小さいと判定した場合、CPUは液化ガスの流量を低下させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える(ステップS7)。
一方、ステップS2の処理において気化器取り込み口圧力P0が下限圧力閾値P1より小さくないと判定した場合、気化器取り込み口温度T0が上限温度閾値T1よりも大きいか否かを判定する(ステップS8)。気化器取り込み口温度T0が上限温度閾値T1より大きいと判定した場合、CPUは、ステップS4の処理と同じく液化ガスの流量を増加させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。
また、気化器取り込み口温度T0が上限温度閾値T1よりも大きくないと判定した場合、CPUは、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも小さいか否かを判定する(ステップS9)。気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも小さいと判定した場合、CPUは、ステップS7の処理と同じく液化ガスの流量を低下させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。
一方、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも小さくないと判定した場合、気化器取り込み口圧力P0が上限圧力閾値P2よりも大きいか否かを判定する(ステップS10)。気化器取り込み口圧力P0が上限圧力閾値P2よりも大きいと判定した場合、CPUはステップS7の処理と同じく液化ガスの流量を低下させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。
また、気化器取り込み口圧力P0が上限圧力閾値P2よりも大きくないと判定した場合、CPUはステップS6の処理と同じく液化ガスの流量を維持するように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。CPUはステップS4、ステップS6およびステップS7における処理を行った後、再度ステップS1の処理に戻り、計測値を取得し、ステップS1からステップS10までの処理を繰り返し行なう。
以下、具体例を用いて説明を行なう。例えば、液化ガスタンク200に蓄積された液化ガスが液体窒素からなり、液化ガスタンク200内において液体窒素が温度80K、圧力1.0MPaの状態で格納されている場合を考慮する。
スターリングエンジン400のクーラ410を液体窒素が通過することにより、液化ガス気化器800の取り込み口における圧力が、配管圧損のために0.78MPaまで低下すると仮定した場合、0.78MPaの液体窒素の飽和温度が100Kであることから、80Kから100Kまでの温度差20Kの顕熱をスターリングエンジン400のクーラ410において使用することができる。
この場合、液化ガス気化器800の取り込み口における液体窒素の圧力が0.78MPa以上で、かつ温度が100K以下の範囲に維持することができれば、液化窒素を単相の液相として液化ガス気化器800に供給することが可能となる。
したがって、図2に示したように、圧力計測装置710および温度計測装置720により計測される気化器取り込み口圧力P0および気化器取り込み口温度T0の計測値が所定の条件を満たすように制御を行なう。すなわち、圧力計測装置710により計測された気化器取り込み口圧力P0が下降した場合、設定された下限圧力閾値P1を下回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300に液化ガス流量を増加させる制御を行い、液化ガス流量が増加することによって、圧力計測装置710の圧力が上限圧力閾値P2を上回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300の液化ガス流量を低下させる制御を行なう。
さらに、温度計測装置720により計測された気化器取り込み口温度T0が上昇した場合、設定された上限温度閾値T1を上回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300の液化ガス流量を増加させる制御を行い、液化ガス流量が増加することによって、温度計測装置720により計測された気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2を下回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300の液化ガス流量を低下させる制御を行なう。
さらに、本実施の形態においては、スターリングエンジン400のクーラ410の冷却能力Qc[KW]について、液化ガス流量MLg[Kg/sec]、液化ガス比熱CpLg[KJ/KgK]および利用可能温度差ΔT[K](飽和温度T1[K]−貯蔵温度To[K])の条件が、下記の式を満足する必要がある。
Qc<MLg×CpLg×ΔT・・・(1)
この式(1)の条件を満たすことにより、クーラ410部分で過剰な熱供給を防ぎ、クーラ410内における液化ガスの二相状態の発生を防止することができる。
このように、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100の制御システムにおいては、液化ガス気化器800の取り込み口に配設した圧力計測装置710および温度計測装置720による計測値に基づいて、液化ガス流量調整装置300により液化ガスの流量を制御することで、液化ガス気化器800の取り込み口における液化ガスを、単相の液相状態に維持することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図3は、本発明に係る第2の実施の形態におけるスターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100aの一例を示す模式図である。
図3に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100aが図1に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100と異なるのは以下の点である。
図3に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100aは、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100の構成にさらに、液化ガス分配装置310、流量計測装置730、バイパス配管BPを備える。バイパス配管BPの一端側は液化ガス分配装置310に接続され、バイパス配管BPの他端側は液化ガス気化器800の取り込み口に接続される。また、バイパス配管BPの途中には、スターリングエンジン400により使用された液化ガスが戻される。また、流量計測装置730は、バイパス配管Pの液化ガス気化器800の取り込み口近傍に配設される。
液化ガスタンク200は、液化ガス流量調整装置300に液化ガスを供給し、液化ガス流量調整装置300は液化ガス分配装置310に液化ガスを供給する。液化ガス分配装置310は、バイパス配管BPおよびスターリングエンジン400に液化ガスを分配する。スターリングエンジン400は、クーラ410内において液化ガスの熱量を利用し、利用後の液化ガスをバイパス配管BPの途中に供給する。ここで、スターリングエンジン400の出口からバイパス配管BPに供給されるまでにおける配管において圧力計測装置710および温度計測装置720が設けられている。圧力計測装置710および温度計測装置720は、配管内を流れる液化ガスの温度および圧力を測定し、信号TS,PSを制御部750に与える。制御部750は、圧力計測装置710および温度計測装置720からの信号TS,PSに応じて液化ガス分配装置310に指示を与える。液化ガス分配装置310は、制御部750から与えられた指示に基づいてバイパス配管BPおよびスターリングエンジン400に流通させる液化ガスの分配比率を調整する。また、流量計測装置730はバイパス配管BP内の液化ガスの流量を計測し、制御部750に与える。制御部750は、流量計測装置730からの信号FSに応じて液化ガス流量調整装置300に指示を与える。液化ガス流量調整装置300は制御部750からの指示に応じて液化ガスの流量を調整する。
スターリングエンジン400は、クーラ410に与えられた液化ガスの潜熱を利用して、第1シリンダ420内の気体を冷却する。また、第2シリンダ450内の空気は、ヒータ470により加熱される。ヒータ470内の加熱媒体は、ポンプ480および開閉弁490により循環され、循環途中に設けられた熱交換器600により熱が供給され、ヒータ470内に戻される。それによりパワーピストン430、ディスプレーサーピストン460が位相差を保持しつつ往復運動を行い、クランク440が回転する。また、クランク440に設けられたフライホイール445によりクランク440の回転が安定化され、動力回収装置500に動力が与えられる。
この場合、液化ガス気化器800の取り込み口に配設した流量計測装置730およびバイパス配管BPを設け、液化ガス流量調整装置300により液化ガスの流量を制御することで、安定した気化された液化ガスを液化ガス気化器800から得ることができる。すなわち、スターリングエンジン400のクーラ410において液化ガスを必要としない場合でも、バイパス配管BP内に液化ガスを供給することで所望量の気化された液化ガスを得ることができる。
また、スターリングエンジン400の下流に配設した圧力計測装置710および温度計測装置720による計測値に基づいて、液化ガス分配装置310により液化ガスの流量比率を制御することで、液化ガス気化器800の取り込み口における液化ガスを、単相の液相状態に維持することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図4は、本発明に係る第3の実施の形態におけるスターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100bの一例を示す模式図である。
図4に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100bが図1に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100と異なるのはスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100の構成の液化ガス気化器800の代わりに液化ガス昇温器900を設けた点である。すなわち、図1に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100においては、単相の液相状態からなる液化ガスを液化ガス気化器800に供給することを目的としたが、本実施の形態においては、単相の気相状態からなる液化ガスを液化ガス昇温器900に供給することを目的とする点で相違する。
液化ガスタンク200は、液化ガス流量調整装置300に液化ガスを供給し、液化ガス流量調整装置300はスターリングエンジン400に液化ガスを供給する。スターリングエンジン400は、クーラ410内において液化ガスの熱量を利用し、利用後の液化ガスを液化ガス昇温器900に供給する。ここで、スターリングエンジン400の出口から液化ガス昇温器900の取り込み口までにおける配管において圧力計測装置710、温度計測装置720が設けられている。圧力計測装置710および温度計測装置720は、配管内を流れる液化ガスの温度および圧力を測定し、信号TS,PSを制御部750に与える。制御部750は、圧力計測装置710,温度計測装置720からの信号TS,PSに応じて液化ガス流量調整装置300に指示を与える。液化ガス流量調整装置300は、制御部750から与えられた指示に基づいて配管内を流通させる液化ガスの流量を調整する。
スターリングエンジン400は、クーラ410に与えられた液化ガスの潜熱を利用して、第1シリンダ420内の気体を冷却する。また、第2シリンダ450内の空気は、ヒータ470により加熱される。ヒータ470内の加熱媒体は、ポンプ480および開閉弁490により循環され、循環途中に設けられた熱交換器600により熱が供給され、ヒータ470内に戻される。それによりパワーピストン430、ディスプレーサーピストン460が位相差を保持しつつ往復運動を行い、クランク440が回転する。また、クランク440に設けられたフライホイール445によりクランク440の回転が安定化され、動力回収装置500に動力が与えられる。
次に、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100bの制御システムについて説明する。
図5は、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100bの制御システムにおける制御部750の動作の一例を示すフローチャート図である。
まず、制御部750のCPUは、圧力計測装置710および温度計測装置720から信号TS,PSを取得し、気化器取り込み口温度T0と、気化器取り込み口圧力P0との計測値を取得する(ステップS11)。
次に、CPUは、ステップS11において計測された気化器取り込み口圧力P0が上限圧力閾値P1よりも大きいか否かを判定する(ステップS12)。気化器取り込み口圧力P0が上限圧力閾値P1よりも大きいと判定した場合、CPUは、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T1よりも小さいか否かを判定する(ステップS13)。気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T1よりも小さいと判定した場合、CPUは液化ガスの流量を増加させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える(ステップS14)。なお、具体的にステップS14の処理においては、運転圧力から沸点である下限温度閾値T1を推算し、気化器取り込み口温度T0と比較している。
一方、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T1よりも小さくないと判定した場合、CPUは気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも大きいか否かを判定する(ステップS15)。気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも大きくないと判定した場合、CPUは液化ガスの流量を維持するように液化ガス流量調整装置300に信号を与える(ステップS16)。
また、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも大きいと判定した場合、CPUは液化ガスの流量を低下させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える(ステップS17)。
一方、ステップS12の処理において気化器取り込み口圧力P0が上限圧力閾値P1より大きくないと判定した場合、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T1よりも小さいか否かを判定する(ステップS18)。気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T1より小さいと判定した場合、CPUは、ステップS14の処理と同じく液化ガスの流量を増加させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。
また、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T1よりも小さくないと判定した場合、CPUは、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも大きいか否かを判定する(ステップS19)。気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも大きいと判定した場合、CPUは、ステップS17の処理と同じく液化ガスの流量を低下させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。
一方、気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2よりも大きくないと判定した場合、気化器取り込み口圧力P0が下限圧力閾値P2よりも小さいか否かを判定する(ステップS20)。気化器取り込み口圧力P0が下限圧力閾値P2よりも小さいと判定した場合、CPUはステップS17の処理と同じく液化ガスの流量を低下させるように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。
また、気化器取り込み口圧力P0が下限圧力閾値P2よりも小さくないと判定した場合、CPUはステップS16の処理と同じく液化ガスの流量を維持するように液化ガス流量調整装置300に信号を与える。CPUはステップS14、ステップS16およびステップS17における処理を行った後、再度ステップS11の処理に戻り、計測値を取得し、ステップS11からステップS20までの処理を繰り返し行なう。
以下、具体例を用いて説明を行なう。例えば、液化ガスタンク200に蓄積された液化ガスが液体窒素からなり、液化ガスタンク200内において液体窒素が温度80K、圧力1.0MPaの状態で格納されている場合を考慮する。
スターリングエンジン400のクーラ410を液体窒素が通過することにより、液化ガス昇温器900の取り込み口における圧力が、配管圧損のために0.78MPaまで低下すると仮定した場合、0.78MPaの液体窒素の飽和温度が100Kであることから、80Kから100Kまでの温度差20Kの顕熱および蒸発潜熱を使用することができる。
この場合、液化ガス昇温器900の取り込み口における液体窒素の圧力が0.78MPa以下で、かつ温度が100K以上の範囲に維持することができれば、液体窒素を単相の気相として液化ガス昇温器900に供給することが可能となる。
したがって、図5に示したように、圧力計測装置710よおび温度計測装置720により計測される気化器取り込み口圧力P0および気化器取り込み口温度T0の計測値が条件を満たすように制御を行なう。すなわち、圧力計測装置710により計測された気化器取り込み口圧力P0が下降した場合、設定された下限圧力閾値P1を下回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300に液化ガス流量を減少させる制御を行い、液化ガス流量が減少することによって、圧力計測装置710の圧力が上限圧力閾値P2を上回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300の液化ガス流量を増加させる制御を行なう。
さらに、温度計測装置720により計測された気化器取り込み口温度T0が上昇した場合、設定された上限温度閾値T1を上回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300の液化ガス流量を減少させる制御を行い、液化ガス流量が減少することによって、温度計測装置720により計測された気化器取り込み口温度T0が下限温度閾値T2を下回ることを確認し、液化ガス流量調整装置300の液化ガス流量を増加させる制御を行なう。
さらに、本実施の形態においては、スターリングエンジン400のクーラ410の冷却能力Qc[Kw]について、液化ガス流量MLg[Kg/sec]、液化ガス比熱CpLg[Kj/KgK]、利用可能温度差ΔT(飽和温度T1[K]−貯蔵温度To[K])および液化ガス気化潜熱HLg[KJ・Kg]の条件が、下記の式を満足する必要がある。
Qc>MLg×(CpLg×ΔT+HLg)…(2)
この式(2)の条件を満たすことにより、クーラ410部分で過剰な熱供給を防ぎ、クーラ410内における液化ガスの二相状態の発生を防止することができる。
このように、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100cの制御システムにおいては、圧力計測装置710、温度計測装置720および流量計測装置730による計測値に基づいて、液化ガス流量調整装置300による液化ガスの流量および液化ガス分配装置310による液化ガスの分配比率を制御することで、液化ガス昇温器900の取り込み口における液化ガスを、単相の気相状態に維持することができる。
その結果、液化ガス昇温器900においては、従来の気化器を使用する場合と比較して、供給された液化ガスを常温まで昇温するため使用される私用される機器の伝熱面積を縮小することが可能となる。すなわち、液化ガス昇温器900のコンパクト化が可能となり、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100cの小型化が可能となる。
例えば、上記の液体窒素の例に基づいて換算してみれば、大気圧下の液体窒素(沸点77.53K)の場合、蒸発潜熱が213Kj/Kg、80Kにおける比熱が1.112Kj/KgKであり、273Kの比熱が1.041Kj/KgKであるから、1Kgの液体窒素を273Kまで上昇させるために必要な熱量Qh[KJ]は下記の式で表される。
Qh=1×(213KJ/Kg+(1.041KJ/KgK×273K−1.112KJ/KgK×77.53K))=410.98KJ…(3)
この式(3)より、蒸発潜熱が213KJ/Kgであるので、197.98KJ(410.98KJ−213KJ)の熱量の昇温であれば、液化ガス昇温器900の能力を半分以下にすることができる。
(第4の実施の形態)
次に、図6は、本発明に係る第4の実施の形態におけるスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100cの一例を示す模式図である。
図6に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100cが図3に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100aと異なるのは以下の点である。
図6に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100cは、図1のスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100の液化ガス気化器800の代わりに液化ガス昇温器900を備え、さらに液化ガス気化器810を含むものである。液化ガス気化器810は、液化ガス分配装置310の下流でかつ流量計測装置730の上流側のバイパス配管BPに配設される。
この場合、バイパス配管BPにさらに液化ガス気化器810が別途設けられるので、液化ガス昇温器900から取得したい気化ガスの流量が増大した場合でも、所定量の液化ガスをスターリングエンジン400に供給し、残りの液化ガスをバイパス配管BPおよび液化ガス気化器810に供給することで、液化ガス昇温器に対して単相の気相状態からなる液化ガスを安定して供給することができる。
その結果、液化ガスの二相状態の発生を防止することができ、かつ液化ガス昇温器900の取り込み口に配設した流量計測装置730による計測値に基づいて、液化ガス流量調整装置300により液化ガスの流量を制御することで、液化ガス昇温器900の取り込み口における液化ガスを、単相の気相状態に維持することができる。また、スターリングエンジン400の下流に配設された圧力計測装置710および温度計測装置720による計測値に基づいて、液化ガス分配装置310により液化ガスの流量比率を制御することで、液化ガス昇温器900の取り込み口における液化ガスを、単相の気相状態に維持することができる。
(第5の実施の形態)
次に、図7は、本発明に係る第5の実施の形態におけるスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100dの一例を示す模式図である。
図7に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100dが図1に示すスターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100と異なるのは、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100の動力回収装置500の代わりに、回転動力回収装置650、動力連動機構660を備えた点である。
図7に示すように、スターリングエンジン400を利用した液化ガス気化システム100dは、スターリングエンジン400から回収した動力が、回転動力回収装置650により回収され、回転動力回収装置650に配設された動力連動機構660を介して液化ガス供給装置300に供給される。それにより、他の動力により稼動していた液化ガス供給装置300が、液化ガス供給装置300に供給された動力により稼動するようになる。
以上のように、液化ガス気化システム100dにおいては、液化ガスの気化を行なうとともに、回転動力回収装置650および動力連動機構660により回収された動力を液化ガス気化システム100d自身の液化ガス供給装置300の動力として使用することができるので、液化ガス気化システム100dにおけるシステム全体のエネルギー消費量を削減し、有効利用をすることが可能になる。
(第6の実施の形態)
次に、図8は、本発明に係る第6の実施の形態におけるスターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100eの一例を示す模式図である。
図8に示すスターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100eが図1に示すスターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100と異なるのは、スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システム100の構成にさらに熱媒ポンプ680および移動式蓄熱装置690を備えた点である。
図8に示すように、スターリングエンジン400においては、スターリングエンジン400の熱交換器600において、別途循環配管を形成し、当該循環配管に熱媒ポンプ680を介挿し、さらに循環配管に移動式蓄熱装置690を配設する。それにより、熱交換器600において放熱された熱が、熱媒ポンプ680により循環配管内を循環される媒体により移動式蓄熱装置690に移される。例えば、媒体は水、他の液体等を利用することができる。
また、連続的に熱が得られない場合、移動式蓄熱装置690の代わりに定置式蓄熱装置を設けて、定置式蓄熱装置に熱を蓄え、必要なときに、スターリングエンジン400のヒータ470に供給してもよい。
以上の方法により、従来液化ガス気化システム100eの周囲に放熱していた排熱を有効利用することができ、液化ガス気化システム100eにおけるエネルギー量を削減することができ、液化ガスの冷熱エネルギーを高効率で活用することが可能となる。
なお、スターリングエンジン400の形式は、上記第1から第6までの実施の形態におけるスターリングエンジンに限定することなく、他の任意のスターリングエンジンのα型、β型、γ型、デュアルアクティング型であってもよい。
上記第1から第6までの実施の形態においては、スターリングエンジン400がスターリングエンジンに相当し、液化ガス気化システム100,〜,100eが液化ガス気化システムに相当し、液化ガスタンク200が液化ガスタンクに相当し、液化ガス流量調整装置300が液化ガス流量調整装置に相当し、液化ガス気化器800および液化ガス昇温器900が状態変化装置に相当し、圧力計測装置710、温度計測装置720が検出装置に相当し、液化ガス気化器800,810が液化ガス気化器に相当し、液化ガス昇温器900が液化ガス昇温器に相当し、液化ガス分配装置310が液化ガス分配装置に相当し、流量計測装置730が流量計測装置に相当し、バイパス配管BPがバイパス配管に相当し、回転動力回収装置650が回転動力回収装置に相当し、動力連動機構660が動力連動機構に相当し、熱媒ポンプ680および移動式蓄熱装置690が定置式蓄熱装置または移動式蓄熱装置に相当する。
本発明は、上記の好ましい第1から第6までの実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの一例を示す模式図 スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの制御システムにおける制御部の動作の一例を示すフローチャート図 スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの一例を示す模式図 スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの一例を示す模式図 スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの制御システムにおける制御部の動作の一例を示すフローチャート図 スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの一例を示す模式図 スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの一例を示す模式図 スターリングエンジンを利用した液化ガス気化システムの一例を示す模式図
符号の説明
100 液化ガス気化システム
200 液化ガスタンク
300 液化ガス流量調整装置
310 液化ガス分配装置
400 スターリングエンジン
650 回転動力回収装置
660 動力連動機構
680 熱媒ポンプ
690 移動式蓄熱装置
710 圧力計測装置
720 温度計測装置
730 流量計測装置
800,810 液化ガス気化器
900 液化ガス昇温器
BP バイパス配管

Claims (10)

  1. スターリングエンジンを有する液化ガス気化システムであって、
    前記液化ガス気化システムは、
    所定の気体を液相状態で貯蔵可能な液化ガスタンクと、
    前記液化ガスタンクから供給される液化ガスの流量を調整する液化ガス流量調整装置と、
    前記液化ガス流量調整装置の下流に設けられ、調整された流量の液化ガスの熱量を利用して動力を発生させるスターリングエンジンと、
    前記スターリングエンジンに熱量を受け渡した液化ガスを気化ガスとして排出可能な状態変化装置と、
    前記状態変化装置の取り込み口における前記液化ガスの圧力および温度を検出する検出装置と、を含み、
    前記ガス流量調整装置は、前記状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度に基づいて前記液化ガスの流量を調整することができる液化ガス気化システム。
  2. 前記状態変化装置は、前記液化ガスを気化する液化ガス気化器であることを特徴とする請求項1記載の液化ガス気化システム。
  3. 前記状態変化装置は、液化ガス昇温器であることを特徴とする請求項1記載の液化ガス気化システム。
  4. 前記液化ガス流量調整装置は、前記状態変化装置の取り込み口の圧力および温度を前記液化ガスが単相の液相状態を維持する範囲の温度および圧力となるように前記液化ガスの流量を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液化ガス気化システム。
  5. 前記液化ガス流量調整装置は、前記状態変化装置の取り込み口の圧力および温度を前記液化ガスが単相の気相状態を維持する範囲の温度および圧力となるように前記液化ガスの流量を調整することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の液化ガス気化システム。
  6. 前記液化ガス流量調整装置と前記スターリングエンジンとの間に設けられた液化ガス分配装置と、
    前記状態変化装置の取り込み口近傍に設けられ、前記液化ガスの流量を計測する流量計測装置と、をさらに備え、
    前記液化ガス分配装置は、前記液化ガス流量調整装置から供給された液化ガスを前記スターリングエンジンに供給する配管と前記流量計測装置に供給するバイパス配管とに分配し、前記スターリングエンジンから排出される液化ガスの配管が前記流量計測装置の上流のバイパス配管に接続されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液化ガス気化システム。
  7. 前記液化ガス分配装置と前記流量計測装置との間に設けられた前記バイパス配管に前記液化ガスを気化する液化ガス気化器がさらに設けられ、
    前記状態変化装置は、液化ガスを気化する昇温器からなることを特徴とする請求項6記載の液化ガス気化システム。
  8. 前記スターリングエンジンから発生された動力を回収する回転動力回収装置と、前記回転動力回収装置により回収された動力を前記液化ガス流量調整装置の動力として伝達する動力連動機構と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液化ガス気化システム。
  9. 前記スターリングエンジンの熱源として、定置式蓄熱装置または移動式蓄熱装置を用い、前記定置式蓄熱装置または移動式蓄熱装置から供給される熱を前記スターリングエンジンに使用することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の液化ガス気化システム。
  10. 液化ガスタンク内に貯蔵された液化ガスを状態変化装置に供給し、所定のガスを取り出すとともに、スターリングエンジンを介挿して前記液化ガスからの熱量を利用して動力を取り出すスターリングエンジンを有する液化ガス気化システムの制御方法であって、
    前記液化ガス気化システムの制御方法は、
    前記状態変化装置の取り込み口における前記液化ガスの圧力および温度を検出する検出処理と、
    前記状態変化装置の取り込み口における液化ガスの圧力および温度に基づいて前記液化ガスの流量を調整する液化ガス流量調整処理と、を含むことを特徴とする液化ガス気化システムの制御方法。
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